[68561]でリンクした岐阜県下郡廃置及郡界変更法律
岐阜県美濃国池田郡を廃し其の区域と大野郡を廃し其の区域の区域の一部(揖斐町…【43村列挙】…)とを以て揖斐郡を置く
岐阜県美濃国本巣郡及席田郡を廃し其の区域と方県郡に属せし区域の一部(10村列挙)と大野郡に属せし区域の一部(18村列挙)とを以て本巣郡を置く
市区町村変遷情報の
揖斐郡設置詳細データを見ると、“参加自治体:池田郡,大野郡の一部”となっており、“一部”がどの町村なのかを具体的に示す記載はありません。
池田郡は全域が揖斐郡になったからまだよいのですが、それまで大野郡に属した村、例えば合併で生まれた大野村
[68561]や、この時には合併しなかった西根尾村
[68442][68549]が、揖斐郡と本巣郡のいずれの郡になったのかという、変遷情報を知ることができません。
一つの対処法は、法律に列挙された44町村を追加記載することでしょう。
しかし、市町村変遷情報は、時系列を遡ってきたという構築の歴史があり、利用者の視点も現在に原点があります。
利用者にとっては、むしろ現在に近い時点からの遡及利用に便利な記載の方がありがたいと思われます。
すなわち、過去の大野郡に属した村々がどうなったかよりも、明治30年4月に新編制された揖斐郡の各町村が、同年3月以前に何郡・何村だったのかを知りたいのです。
具体的には、揖斐郡設置詳細データには、下記文案のように記載して、その関係を説明したらどうでしょうか。
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(1)大野郡から単独で揖斐郡になった町村:横蔵村、北方村、揖斐町、清水村、豊木村、
(2)池田郡から単独で揖斐郡になった村:徳山村、春日村
(3)大野郡内の合併を伴なって揖斐郡になった村:長瀬村、谷汲村、大和村、西郡村、鶯村、富秋村、大野村、川合村
(4)池田郡内の合併を伴なって揖斐郡になった村:久瀬村、坂内村、小島村、養基村、宮地村、本郷村、八幡村
(5)池田郡内の村と大野郡の村との合併:池田村
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(1)と(2)、つまり明治30年に合併を伴なわずに郡だけが変更された7町村、例えば大野郡揖斐町→揖斐郡揖斐町については、上記のように記載するにより、本来は必要と思われる「郡変更」のレコード(
例:安代町 )を省略することができるでしょう。
(3)~(5)に列挙した村(合計16村)については、廃置分合に関する個別詳細データが入力済みで、これを参照することにより、合併前の村を知ることができます。個別詳細データの側に“揖斐郡に変更”を追加することは前報
[68561]の末尾に記しました。
揖斐郡23町村から逆行して、明治30年以前の95町村(大野郡44町村、池田郡51村)とを関係付ける。
上記のスタイルの資料は、原資料(法律や県告示)の単純な引き写しからでは困難であっても、Excelを使う 88さん の作業手順
[67517]ならば、実現は可能であると期待しています。
同様に、(旧)本巣郡(65町村)・席田郡(8村)・方県郡の一部(10村)と大野郡の一部(18村)からなる、(新)
本巣郡設置詳細データ に記載する説明案。
旧101町村を列挙する代りに、新23町村で示しています。
(1)本巣郡のまま単独を維持した町村:文殊村、北方町
(2)大野郡から単独で本巣郡になった村:西根尾村
(3)方県郡から単独で本巣郡になった村:網代村、七郷村
(4)本巣郡内の合併を伴なった村:中根尾村、東根尾村、外山村、山添村、一色村、土貴野村、真桑村、生津村、本田村、穂積村、船木村、牛牧村
(5)大野郡内の合併を伴なって本巣郡になった村:弾正村、川崎村、鷺田村
(6)方県郡内の合併を伴なって本巣郡になった村:西郷村、合渡村、
(7)席田郡全体が合併して1村になり本巣郡になった村:席田村
結局のところ、美濃国大野郡は、概ね根尾川を境に西側が揖斐川上流域の池田郡と共に揖斐郡へ、根尾川東岸を主とする一部が(新しい)本巣郡へと、2つの郡に分割統合されました。
本巣郡に移行した区域のうち、大野郡最南端の平野部が上記(5)です。弾正村は真正町を経て本巣市に、川崎村と鷺田村は巣南町になっています。
上流部では、揖斐川との分水嶺が郡の境界になり
[68549]、根尾川西岸の西根尾村が本巣郡になりました。上記(2)。