例によって長くなったので投稿を分けました。
[95739]伊豆之国さん
少々補足しますと駅開業時の読みは気賀(国有鉄道)が「きが」
鉄道省告示第54号(真ん中下段)(S13.3.24官報)、
気賀(後の遠鉄)は「けが」
上段左ページ中ほどの軽便鉄道運輸開始(T4.1.12官報)
富士根も「ふじね」
上段左ページ中ほどの軽便鉄道運輸開始(T2.7.26官報)で恐らく間違いないでしょう。
※
鉄道停車場一覧大正6年3月31日現在も
「けが(Kega)」・
「ふじね(Fujine)」
気賀については町名読み改称と国有鉄道の駅開業時期が近いのは偶然かもしれませんが、
富士根の場合、村名が「フジネ」という読みに変わってしまったのは
駅名の影響が少なからずあったと考えても不自然ではありません。
(開業時読みが「フジモト」にならなかったのは名前のつけ間違いという説も推理通り?)
なお、
[44059][87304]hmtさんなどでも少し取り上げられていますが、
郵便局の改称履歴には関連していると思われる告示があるので示しておきます。
気賀郵便局の読み改称(ケガ→キガ)
逓信省告示第2884号(右下最下段)(S12.9.21実施、同年7.8の町名読み改称に連動と推測)
富士根郵便局の読み改称(フジモト→フジネ)
郵政省告示第72号(真ん中最上段)(S26.4.1実施、この頃「フジネ」という読み方が定着してきたため改称?)
正規の読み方と地元で通っている読み方が違っていて
例えば
[44059]hmtさんで触れられている
南毛利「なんもうり」郵便局やしばしば過去ログに登場する
勢多郡
北橘村「Hokkitu」は、恐らく告示などで示された正規の?読み方があまり馴染まなかったなどの理由から
地元で通っている読みが表記された例だと思われます。
(告示などで示された読み方で表記しなければならないというルールは無いので訂正の必要も無かった?)
参考・南毛利郵便局の読み方について、
逓信省告示第752号(右下)(S3.4.1設置)では
[80315]MIさんにもあるM22県令の村名読みと同じ「ミナミモリ」でした。(その後は恐らく変化なし?)
また、北橘村はM22県令で
「キタタチバナ」とあり、その影響で?設置当初は地元で通っている読み方を
参考に命名されたと思われる郵便取扱所の読み方がS12に改称されています。
北橘郵便取扱所の読み改称(ホクキツ→キタタチバナ)
逓信省告示第315号(右下付近)(S12.2.11実施)
以上のように、郵便局名の改称については単なる名前のつけ間違いなどを訂正する目的で改称したと思われる
例もあるのですが、※読み方の(極めて軽微な)変化も改称として多数告示されており、中には自治体名改称の
告示がなされたケースで未知のものが若干あるかもしれません。(実際になされたかどうかは断定できませんが)
※一例を示すと、越後上田郵便局の読み改称(ウヘダ→ウエダ)
逓信省告示第1120号(真ん中最上段)(S9.5.11実施)、現代仮名遣いやローマ字表記だと同じだが改称扱い