都道府県市区町村
落書き帳

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[88764]2015年9月7日
グリグリ
[88782]2015年9月10日
hmt
[88785]2015年9月12日
グリグリ
[88786]2015年9月12日
伊豆之国
[88789]2015年9月13日
hmt
[88790]2015年9月14日
白桃
[88800]2015年9月15日
hmt
[88803]2015年9月16日
白桃
[88806]2015年9月17日
hmt
[88828]2015年9月27日
グリグリ

[88764] 2015年 9月 7日(月)18:01:29【2】オーナー グリグリ
47都道府県すべてに存在する地名 「山田」
[88763]で提案企画した47都道府県すべてに存在する地名として「山田」を提示します。各都道府県でできるだけ由緒ある(?)例を選ぶために、現自治体→旧自治体→市制町村制施行前町村→その他、の優先度で選択しました。現自治体は岩手県の山田町のみです。消滅前自治体欄は旧自治体です(※は市制町村制施行前町村)。消滅前自治体名の詳細については、「山田」の変遷情報検索結果をご参照ください。長崎県の山田免の~免は村と同義です(こちらを参照)。

都道府県「山田」住所表示(Yahoo!地図リンク付)消滅前自治体消滅日消滅後
北海道余市郡余市町山田町※余市郡山田町1900(M33).7.1余市町
青森県つがる市森田町山田※西津軽郡山田村1889(M22).4.1森田村
岩手県下閉伊郡山田町
宮城県仙台市太白区山田※名取郡山田村1889(M22).3.31西多賀村
秋田県湯沢市山田雄勝郡山田村1954(S29).3.31湯沢市
山形県鶴岡市山田※西田川郡山田村1889(M22).4.1大泉村
福島県いわき市山田町石城郡山田村1955(S30).4.29勿来市
茨城県古河市山田※猿島郡山田村1889(M22).3.31八俣村
栃木県矢板市山田※塩谷郡山田村1889(M22).4.1泉村
群馬県吾妻郡中之条町山田(大字)※吾妻郡山田村1889(M22).4.1沢田村
埼玉県川越市山田(大字)入間郡山田村1955(S30).4.1川越市
千葉県市原市山田※市原郡山田町1889(M22).3.31養老村
東京都あきる野市山田※神奈川県西多摩郡山田村1889(M22).3.31増戸村
神奈川県足柄上郡大井町山田足柄上郡山田村1946(S21).11.3相和村
新潟県新潟市中央区山田町※新潟区山田町1889(M22).4.1新潟市
富山県南砺市山田東礪波郡山田村1952(S27).5.1福光町
石川県鳳珠郡能登町山田鳳至郡山田村1908(M41).4.1鵜川村
福井県今立郡池田町山田※今立郡山田村1889(M22).4.1上池田村
山梨県南巨摩郡南部町南部山田
長野県上田市山田※小県郡山田村1889(M22).4.1西塩田村
岐阜県瑞浪市山田町土岐郡山田村1897(M30).4.1瑞浪村
静岡県袋井市山田※豊田郡山田村1889(M22).3.1三川村
愛知県名古屋市西区山田町西春日井郡山田村1955(S30).10.1名古屋市
三重県四日市市山田町三重郡小山田村1954(S29).3.31四日市市
滋賀県草津市山田町栗太郡山田村1954(S29).10.15草津市
京都府相楽郡精華町山田(大字)相楽郡山田荘村1951(S26).4.1精華村
大阪府南河内郡太子町山田(大字)南河内郡山田村1956(S31).9.30太子町
兵庫県姫路市山田町北山田神崎郡山田村1956(S31).4.3神南町
奈良県天理市山田町※山辺郡山田村1889(M22).4.1福住村
和歌山県橋本市山田伊都郡山田村1955(S30).1.1橋本市
鳥取県鳥取市青谷町山田※気多郡山田村1889(M22).10.1中郷村
島根県雲南市大東町山田※大原郡山田村1889(M22).4.1春殖村
岡山県総社市山田吉備郡山田村1954(S29).3.31総社市
広島県広島市西区山田町※佐伯郡山田村1889(M22).4.1古田村
山口県萩市山田(大字)阿武郡山田村1923(T12).4.1萩町
徳島県吉野川市川島町山田※麻植郡山田村1889(M22).10.1桑川村
香川県観音寺市柞田町山田
愛媛県西予市宇和町山田東宇和郡山田村1929(S4).12.1石城村
高知県香美市土佐山田町山田香美郡土佐山田町2006(H18).3.1香美市
福岡県糟屋郡久山町山田(大字)糟屋郡山田村1956(S31).9.30久山町
佐賀県唐津市山田※東松浦郡山田村1889(M22).4.1鬼塚村
長崎県平戸市生月町山田免※北松浦郡山田村1889(M22).4.1生月村
熊本県阿蘇市山田阿蘇郡山田村1954(S29).4.1阿蘇町
大分県玖珠郡玖珠町山田(大字)玖珠郡北山田村1955(S30).3.1玖珠町
宮崎県都城市山田町山田北諸県郡山田町2006(H18).1.1都城市
鹿児島県大島郡喜界町山田(大字)※大島郡山田村1908(M41).4.1喜界村
沖縄県国頭郡恩納村山田(字)
[88782] 2015年 9月 10日(木)18:23:06hmt さん
「山田」という地名
[88764] グリグリ さん 47都道府県すべてに存在する地名 「山田」
現自治体は岩手県の山田町のみです。

JR東日本による山田線復旧後の三陸鉄道移管については 既に関連記事[86828][87385][88294]がありました。

それはさておき、グリグリ さん による今回の調査のリストで、消滅前自治体の列を見て驚きました。
かつて山田町また山田村であった地域のうち、県内の少なくとも一つの自治体では 「山田」の地名が現代でも住所地名として残されているのですね。例外は香川県など3県のみ。

地形と土地利用の代表例を組み合わせた「山田」という地名は、考えてみれば 地名の王道でした。
市町村名の文字頻度分析でも上位を占めています。
日本中に溢れていた地名だから残ったのだ。そのような解釈もできますが、昔から馴染んだ地名が失なわれつつある現在、これはやはり「類まれな結果」なのでしょう。

しかし、かつて「山田」を代表した地名であった三重県宇治山田市[79347]の後継自治体・伊勢市には、近鉄の宇治山田駅があるものの、「山田という町名」は見当らないようです。
もっとも、[32564]グリグリさんによると、「山田」という名の自治体は 昔から存在しなかったようですが…

福岡県山田市の後継・嘉麻市には山田庁舎の所在地「上山田」などの町名がありました。
しかし、機械化した農作業に適さない「山田」が現実に失われつつあるのと並行して、地名の「山田」も多くは失われてゆくのでしょう。残念です。

三重県と言えば、かつて 山田郡山田村 もありました。
そこで、本題の「47都道府県すべてに存在する地名」からは離れるのですが、市区町村変遷情報に登場する全国の「山田郡」を検索してみようと思いました。しかし、「変遷情報検索」では うまく検索できないようです。

群馬県山田郡は 平成合併で消滅するまで 長い間存続していました。
三重県山田郡香川県山田郡とは、明治期の郡統合で消滅しました。

しかし、冒頭で例外3県とした香川県にしても、昭和合併により「山田」の名は 町名で復活しており、その自治体名が消滅した後も 高松市山田支所山田中学校などに使われています。

yamadaさん ご無沙汰ですね。地名での登場を機会に 落書き帳に書き込んで、こんな色 のタイトルバーを また見せてくださいな。
[88785] 2015年 9月 12日(土)11:29:50【1】オーナー グリグリ
「山田」考
[88774] Nさん
ぺとぺとさんが[88772]でおっしゃったように沖縄県の大字から探して1つ見つけました。
「上野」発見をありがとうございました。住所が短くてシンプルだなと感心してみていたのですが、私の[88764]は都道府県名が重複していたからでした。さっそくNさんに倣って、住所表示から都道府県名を省略して「山田」もシンプルにしてみました。
「上野」かつ「うえの」を集めようとしましたが、読みまでこだわると奈良県と佐賀県には存在しませんでした。
#読みは気にしないんですよね?>グリグリさん
そこまで考えていませんでしたが、元々読みには揺らぎがあるので拘らないという方針でよいと思います。
[88772] ぺとぺとさん
中山 鳥取県に見当たらない
10年前までは西伯郡中山町があった鳥取県にだけない、というのも皮肉ですね。
このケースは、山田にも何件か見られました。後述します。

[88782] hmtさん
[88764] グリグリ さん 47都道府県すべてに存在する地名 「山田」
現自治体は岩手県の山田町のみです。
明治の市制町村制施行後の「山田」関連自治体の一覧です。
「山田」市町村の一覧(完全一致のみ:市町村制施行・新設合併・改称の一覧)
同上(部分一致も含めた一覧)

かつて山田町また山田村であった地域のうち、県内の少なくとも一つの自治体では 「山田」の地名が現代でも住所地名として残されているのですね。例外は香川県など3県のみ。
上述のNさんの中山町と鳥取県の事例と同じケースで、例外の3県と言われているのは、山梨県、香川県、沖縄県ですが、山梨県には、市制町村制施行時前の西山梨郡甲府山田町があり(1889(M22).7.1 甲府市)、香川県には、阿野郡山田村(1954(S29).4.1 綾歌郡綾上村)と、木田郡山田町(1966(S41).7.1 高松市)がありました(参照:変遷情報検索結果)。香川県の阿野郡山田村については、山田上・山田下の住所表示が現在の綾川町に残っています。山梨県の西山梨郡甲府山田町と香川県の木田郡山田町に関しては、該当地域に山田表示は残っていないようです。まとめると次のようになります。

都道府県消滅前自治体(※町村制施行前町村)消滅日消滅後(現自治体)選べなかった理由
山梨県※西山梨郡甲府山田町1889(M22).7.1甲府市住所表示なし
香川県木田郡山田町1966(S41).7.1高松市住所表示なし
香川県綾歌郡山田村1954(S29).4.1綾上村(綾川町)「山田上・山田下」表示あり

しかし、かつて「山田」を代表した地名であった三重県宇治山田市[79347]の後継自治体・伊勢市には、近鉄の宇治山田駅があるものの、「山田という町名」は見当らないようです。
もっとも、[32564]グリグリさんによると、「山田」という名の自治体は 昔から存在しなかったようですが…
三重県の山田関連検索結果をご覧ください。宇治山田町の1889(M22).4.1町制時に、山田○○町が22町と宇治○○町が8町が新設合併しています。[32564]にも書きましたが、宇治と山田は集落名ではなく広域組織名のようなものだったと思われます。

福岡県山田市の後継・嘉麻市には山田庁舎の所在地「上山田」などの町名がありました。
はい、上山田と下山田の住所表示(大字?)が残っています。

三重県と言えば、かつて 山田郡山田村 もありました。
そこで、本題の「47都道府県すべてに存在する地名」からは離れるのですが、市区町村変遷情報に登場する全国の「山田郡」を検索してみようと思いました。しかし、「変遷情報検索」では うまく検索できないようです。
あれそうですか。これでどうでしょうか。
全国の山田郡の一覧

ところで、[88764]の山田一覧にある、前述の山梨県と香川県と沖縄県の3県を除く44都道府県の消滅前自治体については、市制町村制移行前の町村(一覧の※を付けた町村)と移行後の町村があります。移行前町村が21都道県、移行後町村が23府県ですが、移行前町村を選んではいるけれども、移行後の「山田」町村があるところが以下の6県あります。選ばなかった理由は住所表示がないケースの他、「山田」完全一致ではないケースもあります。

都道府県消滅前自治体消滅日消滅後(現自治体)選ばなかった理由
茨城県久慈郡山田村1955(S30).3.1水府村(常陸太田市)住所表示なし
千葉県香取郡山田町2006(H18).3.27香取市住所表示なし
長野県上高井郡山田村1956(S31).9.30高山村「奥山田」表示あり
広島県安芸郡荘山田村1902(M35).9.1呉町(呉市)「荘山田村」表示あり
長崎県南高来郡山田村1954(S29).4.1吾妻村(雲仙市)住所表示なし
鹿児島県姶良郡山田村1955(S30).1.1姶良町(姶良市)住所表示なし

【追記】姶良市には姶良郡加治木村にあった小山田村の住所表示が残っています(参照:変遷情報検索結果)。

なお、移行後町村を選んでいる次の3県については、消滅前の町村名は「山田」完全一致ではありませんが、さらにその前を辿ると「山田」完全一致の町村に行き当たります。

都道府県山田住所消滅前自治体消滅日さらに前消滅日
三重県四日市市山田町三重郡小山田村1954(S29).3.31三重郡山田村1889(M22).4.1
京都府相楽郡精華町山田(大字)相楽郡山田荘村1951(S26).4.1相楽郡山田村1889(M22).4.1
高知県香美市土佐山田町山田香美郡土佐山田町2006(H18).3.1香美郡山田町1954(S29).9.1


[88776] いろずーさん
小学校名で「住吉南」(今年全国出場)がありましたがいかがでしょう?
相変わらずですね^^;。「47都道府県すべてに存在する地名」を探す基準を[88763]で説明しています。
[88786] 2015年 9月 12日(土)18:28:54伊豆之国 さん
山田さん、山田駅
「山田」という地名、「全都道府県に存在する地名」の話題で賑わっていますが、私もこの話題に乗ることにします。

「山田」という苗字も、地名と同様、全国的に広く分布しているメジャーな苗字です。全国に約84万人、全国で12番目に多い苗字となっています。こちらから、姓を「山田」と入力して分布状況を調べてみると、一番多いのは愛知県で、電話帳の登録件数(近年では携帯電話の普及などにより、都市部を中心に減少傾向にありますが)は1万5千件余り。以下、東京・神奈川・北海道・大阪・静岡の順となっています。県別ランキングでは、トップに立つ県はありませんが、岐阜県で県内3位に入り全国最高位。福井と愛知で4位、富山・石川・滋賀の各県で5位、このほか静岡・京都・大阪・兵庫・鳥取・徳島でトップ10に入り、中部から関西にかけて比較的多く見られるようです。逆に、最も県ランクが低いのは高知県で109位ですが、それ以外の46都道府県ではすべて100位以内に入っており、東北と九州南部は若干少ないようですが、本土と全く苗字構成が異なる沖縄でも、60位台に入っていて、「割とよく見かける苗字」と言えそうです。

「山田」を含む鉄道駅は、こちらによると、16駅ありました。

駅名路線名所在地備考
山田京王高尾線東京都八王子市
山田長良川鉄道岐阜県郡上市
山田阪急千里線・大阪モノレール大阪府吹田市
山田上口参宮線三重県伊勢市
山田川近鉄京都線京都府精華町ホームの半分は木津川市にかかっている
山田西町土讃線高知県香美市
宇治山田近鉄山田線三重県伊勢市
越中山田城端線富山県南砺市
小山田釜石線岩手県花巻市
上総山田小湊鉄道千葉県市原市
紀伊山田和歌山線和歌山県橋本市
北山田横浜市地下鉄グリーンライン横浜市都筑区
北山田久大本線大分県玖珠町
土佐山田土讃線高知県香美市
東山田横浜市地下鉄グリーンライン横浜市都筑区
陸中山田山田線岩手県山田町震災で運休中

横浜市地下鉄にある「東山田」「北山田」は、なぜか「やまた」と濁りません。
陸中山田駅がある、震災で長期運休中のJR山田線の釜石~宮古間は、復旧後は三陸鉄道に移管されることが決まっています([88782] hmt さん)。

♯「全国にある普遍的地名」というと、中村・山口・上田・新田といったところも考えられそうですが。いずれも沖縄にも苗字としてはある程度存在しており、あるいは小字クラスなら見つかるかもしれません。市街地の「本町」「中町」「新町」などは、沖縄にはなさそうな気がしますが…。
[88789] 2015年 9月 13日(日)13:58:14hmt さん
Re:「山田」考 
[88785] グリグリ さん
「山田」に関する変遷情報検索につき、各種の一覧を挙げていただき有り難うございます。特に
全国の山田郡の一覧

検索文字を入力する部分は単に「自治体名検索」となっていますが、それより前に記された「検索対象」の項目では「自治体名欄」「変更対象自治体名/変更内容欄」「郡名欄」が示されており、「郡名欄」にチェックを入れるように設計されていたのですね。この点を見落としていました。

福岡県山田市の後継・嘉麻市には(中略)上山田と下山田の住所表示(大字?)が残っています。

以下、筑豊の山田 に関する 栄枯盛衰の記録です。

[88764]にリンクされている “「山田」の変遷情報検索結果” を見ると、1889年に成立した「嘉麻郡熊田村」は廃置分合のないまま1955年に「山田市」になっています。
その後も僅かな編入だけで2006年の平成合併に至っていますから、YT さん [84549]で紹介された力作 「市区町村別人口 Ver. 0.10」を見れば、「筑豊の山田の栄枯盛衰」を人口から知ることができます。

1889年の町村制施行時に嘉麻郡上山田村・下山田村・熊ヶ畑村の3村が合併し、合成村名の「熊田村」となる。
1896年穂波郡との統合で郡名が「嘉穂郡」に変る。1898年末の日本帝国人口統計 1999人。YT人口表【このように略記します】No.19375
この時代は筑豊炭田や若松港への石炭積出用の鉄道の発展期であり、筑豊鉄道は九州鉄道への合併後の1901年には 上山田まで延伸されました。
上山田駅の隣には下山田駅もありました。いずれも現存しませんが、山田駅[88786]の仲間です。

九州鉄道[61266] 国有化後20年ほどは 上山田が 筑豊本線 の終点でした。
1929年に原田(はるだ)まで全通した線が筑豊本線になると、飯塚-上山田間は「上山田線」になりました。

時代も目的も違いますが ついでに書いてしまうと、1988年 JR九州の手で全線廃止された上山田線には 上山田-豊前川崎という区間もありました。これは筑豊の石炭を若松港でなく苅田港に輸送する計画で作られた鉄道です。
しかし、1966年という開業時には 既に筑豊炭田が衰退し、時代遅れになった鉄道が本来の目的に使われる機会はありませんでした。

石炭産業に活気があった時代に戻ります。1908年末 3535人、1913年末 8724人、1920年の国勢調査では 15569人という 熊田村の人口増加ぶりは 炭坑の発展を物語っており、熊田町(1924)を経て 1925年に嘉穂郡「山田町」として「山田」が復活した年の国勢調査は 16143人【YT人口表 No.19373】。1940年には戦前最高の 31986人。

戦後の石炭増産時代、1950年山田町の国勢調査人口は 36379人。1954年の単独市制で「山田市」になりました。
しかし、山田市になってからの人口は 1960年には辛うじて市の体面を保つ 30140人【YT人口表 No.19230】だったものの、10年後には半減。2000年国勢調査では歌志内市に次ぐワースト2の 11686人に転落しました。
宮脇俊三さん[88004]が中央公論社の現役編集者であった1975年に、『時刻表2万キロ』の旅で乗車した第3章にも、次のように記されていました。
車内は淋しすぎるほど空いている。山田市は炭坑都市であるが、いまは人口が1万5千に減ってしまい、市制返上の話もあるという。

2006年の平成合併では 稲築町【YT人口表 No.19398, やはり1950年に最大人口44514人を記録し、2000年は19823人】などとの合併により市の体面をやっと保つ形になりました。
しかし、合併の結果 市名については 「山田」から 変わらざるを得ないことになりました。
その名は、1896年統合前にこの地域の郡名であった「嘉麻」の復活でした。嘉麻市の 2010年人口 42589人【YT人口表 No.19252】。
[88790] 2015年 9月 14日(月)02:29:29【1】白桃 さん
人口半減の市
[88771]白桃
現在の市名で登場した今までの国勢調査の中で、最高を記録した人口をその市の「キャリアハイ人口」とします。
人口減少が続いたことにより現在の人口(北海道は7/1現在、他は8/1現在の推計人口)が「キャリアハイ人口」の半分以下になった市を減少率が大きい順に並べました。
最高人口(年)最新人口--減少率半減期間
夕張107,97219609,10191.5715
歌志内38,00219603,62090.4715
三笠56,19619609,08383.8415
赤平54,635196011,04379.7915
芦別68,091195514,66678.4625
美唄88,667195523,28873.7420
珠洲37,537195514,43361.5550
釜石87,511196035,30559.6645
多久45,627196019,74256.7345
室戸30,498196013,32556.3150
串間42,305195518,80355.5555
土佐清水31,623195514,31854.7260
垂水32,721196015,59152.3555
津久見37,164196018,07651.3655
田川100,071195548,75051.2860
西之表32,645196016,01250.9555
上位は北海道の旧)産炭市が並んでいますが、惨憺(さんたん)たる状況ですね。夕張、歌志内、三笠、赤平はアイソトープの半減期ではありませんが、人口半減になるまでの年数が15年と短く、それだけ過激な減少ぶりだったことがうかがわれます。
北海道諸市の激減ぶりがあまりにも強烈なので、同じ産炭地である多久と田川の九州勢がかすんで見えます。
土佐清水と室戸、西之表と垂水の同県内最少人口争いも白熱?しています。
ラグビーの釜石は鉄、高校野球の津久見はセメントに頼りすぎたのでしょうか・・・。

上表の16市は「平成の合併」もせず(出来ず?)、名前も変えずタダタダ素直に人口減少が続いているのですが、半減になっていたのを「平成の合併」によって取り繕ったり、消滅して過去を消し去った市もあります。[88789]hmtさんが言及されている旧)山田市はその代表格でしょう。
(国勢調査史上での人口半減は1940年→1947年の大阪市も該当しますが、これは忘れましょう。笑)
最高人口(年)最低人口 (年)減少率半減期間
日光33,490195516,379200551.0950
美祢39,704196017,754200555.2830
山田35,752195511,034200569.1415
松浦44,057196021,221200551.8345
牛深38,006195516,609200556.3045
竹田36,608195517,489200052.2345
[88800] 2015年 9月 15日(火)18:45:16hmt さん
三万
一時期、石炭産業などに支えられて「市」になったものの、社会構造の変化により人口が減少した「市」に関する話題が出ています。[88789][88790]
その際の重要な指標になる数字が、「人口 30000人」です。

地方自治法第八条第1項は「市となるべき普通地方公共団体は、左に掲げる要件を具えていなければならない。」として、4要件【2~4号省略】を示しています。
一  人口五万以上を有すること。

それなのに、何故「人口 30000人」が指標になるのか?

言うまでもないことですが、(旧)合併特例法時代から 合併新法にかけ 2010/3/31まで継続していた「三万市特例」[40463]によって多くの「市」が誕生した。その既存事実があるからですね。

市になるための人口要件。この変化を時系列により詳細にまとめた むっくん さん の記事は、hmtマガジン 市と町の違い に収録されています。
なお、省略した4号に関連する都道府県条例については、アーカイブズ があります。

「三万」については、 祝!30000番記念地名編 という じゃごたろ さん の記事があります。
ここで紹介されている「三万谷」は、戦国大名・朝倉氏が本拠とした越前国一乗谷のある 足羽川流域で、「一乗谷」の上流側に隣接する左岸支谷です。越美北線「三万谷トンネル」は、この2つの支谷を隔てる山地を貫く形です。地理院地図

余談:歴史地名として有名な「一乗谷」は、現代の住所地名は「城戸(きど)ノ内町」となっていました。朝倉氏の栄光だけでなく、地名も消滅しているようです。
そう言えば、織田信長に滅ぼされた「一乗谷」だけでなく、織田軍団の中で越前の覇者となった柴田勝家の「北ノ庄」も、江戸時代になると「福井」[64833]に改められ、消滅地名になったのでした。

「三万」地名に戻ります。
前記[30003]の地名表記が 地名コレクションで 平成合併後の表記に改められているのはよいのですが、秋田県男鹿市「払戸三万場」は、Mapionにあるように「払戸三萬場」なのではないでしょうか。すぐ近くには 「福川三萬把」 という地名もあります。

ここで、グリグリさんへのお願いを一つ。
アーカイブズが原則として編集を中止していることは承知しているのですが、グリグリさん提案によるもの でもあり、特別に [30000][30008][30021][30025]などを追加していただけないでしょうか。
特に[30025]は、「全国の市・十番勝負」のきっかけが 落書き帳30000番台突破記念 であったことを示しており、歴史的価値があると思います。

この記事の「落ち」をつけておきます。
実は、hmt誕生30000日の記念書き込みだったのでした。次の目標は 40000日? そりゃ無理だ。
[88803] 2015年 9月 16日(水)00:23:59白桃 さん
hmtさんご生誕から30000日記念「市人口3万人ハイ&ロー」
[88800]hmt さん
実は、hmt誕生30000日の記念書き込みだったのでした。
hmtさん、おめでとうございます。全然お祝いにならないと思いますが、白桃から「市人口3万人」にちなんだお話をさせてください。
まず、いつものことながら、いい加減な定義です。
「現在の市名で登場した今までの国勢調査の中で、最高を記録した人口をその市の「キャリアロー人口」とします。
2010年国勢調査までに、「キャリアロー人口」が3万人未満を記録した市が117市あります。
この117市を3万人めぐる人口推移パターンによって7つのタイプに区分します。
たとえの話で恐縮ですが、3万人以上を記録したときを「幕内」、3万人未満を記録したときを「十両」とします。

パターンA:歌志内型・・・幕内でデビューしたが、現在は十両に陥落している市
歌志内、三笠、夕張、赤平、室戸、土佐清水、珠洲、芦別、西之表、垂水、竹田、美祢、豊後高田、尾花沢、砂川、熊野、津久見、宮津、尾鷲、串間、勝浦、松浦、多久、鳥羽、士別、宿毛、美濃、阿久根、陸前高田、飯山、深川、富良野、留萌、須崎、紋別、
下田、輪島、勝山、江津、美唄、御坊、二戸、村山、水俣、豊前、大月、竹原、八幡平、大竹、根室、那須烏山、壱岐、長井、仙北、山県、加茂、大町、上天草、あわら・・・以上59市
市の並びの順番は「キャリアロー人口」が少ない順です。2015年には御所、美作、宮若、潮来、西海、男鹿、いちき串木野、安芸高田、鹿島、新宮、小浜、東御、角田、国東、胎内が加わると予測しています。

パターンB:石垣型・・・十両でデビュー、現在は幕内に昇進した市
石垣、杵築、熱海、丸亀、相生、上田、尾道、多治見、矢板、大垣、飯田、館山、海南、鳥取、有田、洲本、柏崎、福山、舞鶴、七尾
・・・以上20市
このうち杵築は長らく十両生活を送っていましたが、「平成の合併」によって念願の新入幕。舞鶴も結果的には東舞鶴との合併で入幕。2015年には相生と有田が十両に陥落するでしょう。

パターンC:日光型・・・幕内でデビューするも一旦十両に陥落し、再入幕を果たした市
日光※、庄原※、平戸※、長門※、新見※、高梁※、名寄※、韮崎、菊池※、駒ヶ根、下妻、伊予、敦賀、山梨、備前※、釜石、
都留、高萩、指宿※、笠間※、鴨川※・・・以上21市
このうち※印は「平成の合併」のおかげ。無印は自力更生?組。特に駒ヶ根はケガ(宮田の分離)によって十両に落ちたものの、それを克服して幕内返り咲き。2015年には名寄と高萩が十両に再度陥落するでしょう。

パターンD:安芸型・・・十両でデビューし、一旦幕内に昇進するも十両に舞い戻った市
安芸の海、安芸の島、冗談冗談。安芸1市のみ(2015年には相生、有田が仲間になるでしょう。)

パターンE:中津型・・・十両でデビュー、幕内→十両→幕内
これも中津1市のみ(このパターンはおそらく未来永劫、中津以外には出ないでしょう。)

パターンF:枕崎型・・・幕内でデビュー、十両→幕内→十両
枕崎、遠野、土佐の3市(遠野の再入幕は「平成の合併」によるもの)、2015年には名寄、高萩が加わるでしょう。

パターンF:羽咋型・・・ず~と十両暮らし
羽咋、えびの、養父、飛弾、江田島、上野原、にかほ、阿蘇、香美、嬉野、伊佐、三好・・・以上12市
羽咋の十両生活は一番長く、もう55年にもなります。伊佐ですが、「大口」の四股名では幕内時代もありました。
[88806] 2015年 9月 17日(木)18:55:42【2】hmt さん
国勢調査デビュー人口が3万人未満だった 34市
[88803] 白桃 さん
「三万」[88800]にお付き合いいただき ありがとうございます。
国勢調査人口3万未満を記録した市の 7パターン を拝見しました。

最初に、[88805]の訂正に加えて もう1ヶ所。パターンF:枕崎型の次に、またパターンF…。
「パターンG:羽咋型・・・ず~と十両暮らし」なんでしょうね。

さて、この羽咋型の12市とパターンB:石垣型の20市。それに安芸市と中津市を加えた 34もの市が、3万人未満の人口で国勢調査デビューをしていることに驚きました。
3万人のハードルをクリアして誕生したはずの「市」なのに何故? といのが一応の疑問です。

事前の適格審査に使われた国勢調査は、市になった後の国勢調査デビューより1回前であるのが普通だから、人口停滞又は減少傾向にある時にギリギリで3万を確保した後に市になれば 不思議な現象ではないわけです。
この予想を確かめるために、代表例として半世紀以上も十両生活を続けた羽咋市を調べてみました。

事前の 1955年国勢調査における 2町2村合計人口は 30045と ギリギリで適格審査セーフでした。
1958/7/1 羽咋市誕生市後の国勢調査デビューは1960年で、29556人と十両デビュー。
“なっちゃったもの勝ち”[584]なので、市としてデビューした時に3万を越えていたかどうかは、一応無関係ということなのでした。
G組は平成合併10市も 同様な理由でしょう。この時間差が十両デビューを生む原因の一つなんですね。

羽咋市に続いて十両生活が長いのは 1970/12/1誕生のえびの市。これは単独市制ですが、1970年国勢調査において 既に3万を割っていました。
適格審査はそれよりも前の1965年国勢調査で行なわれたのでしょう。この時の合併前3町の合計人口は 33101人ですから 悠々とパス。市になる前後10年間における人口減のため、えびの市の国勢調査デビュー人口は 27241人にまで減っていたのでした。

しかし、パターンB:石垣型【幕内に昇進】では事情が違い、十両デビューの原因も違うようです。
何よりも歴史の古い市が並んでいます。鳥取 尾道 丸亀 は明治、福山 大垣 上田 は大正、海南 飯田 熱海 舞鶴 七尾 館山 洲本 柏崎 多治見 は昭和戦前。
20市のうち、鳥取市から相生市【戦時中】までの 16市は法律「市制」の時代に誕生した市でした。

鳥取市は市制町村制施行により「町村」を経ないで市になった最古参です。「市制町村制理由」 に記されたように、「人口凡二万五千以上の【狭い】市街地」だけを「市制施行地」とする制度でした。
その後、内務省による「人口5万人以上」などの内規はあったようですが、法律上の規定はありません。[75438]
1947年、現行憲法と共に制定された地方自治法第八条により、市となるべき要件として「人口三万以上」が規定されました。[88800]では書き落していますが、これが「人口五万以上」に改められたのは 1954年です。

日本の南西端に近い八重山列島。石垣島に市が生まれたのは 1947/7/10 でした。言うまでもなく 昭和22年という言葉が通用しない米軍占領下ですから、これも地方自治法の人口三万要件とは無関係でした。
国勢調査記録には 1950年 19872人でデビューしています。琉球政府公報27号 4/5コマ
余談ですが、この表の中には 日本に返還される前の奄美 が含まれていることにもご注目ください。

なお、1964年に八重山郡大浜町を編入した石垣市は 1965年国勢調査では4万人台で幕内入り。
1972年日本復帰後の国勢調査では3万人台も記録していますが、1985年以降は4万人台を維持しています。
[88828] 2015年 9月 27日(日)14:20:27オーナー グリグリ
生誕30000日おめでとうございます。
[88800] 2015 年 9 月 15 日 (火) 18:45:16 hmtさん
実は、hmt誕生30000日の記念書き込みだったのでした。次の目標は 40000日? そりゃ無理だ。
いささか遅くなって恐縮ですが「生誕30000日」おめでとうございます。(今日は、30012日目ですね)
目標は高く、40000日をぜひ目指してください。
ちなみに私は今日が22104日目です。ご自分の生涯日数を知りたい方はこちらをどうぞ。

ここで、グリグリさんへのお願いを一つ。
アーカイブズが原則として編集を中止していることは承知しているのですが、グリグリさん提案によるもの でもあり、特別に [30000][30008][30021][30025]などを追加していただけないでしょうか。
特に[30025]は、「全国の市・十番勝負」のきっかけが 落書き帳30000番台突破記念 であったことを示しており、歴史的価値があると思います。
大先輩のhmtさんからのご提案、ありがとうございました。原則編集凍結とは言え、これまでも例外対応は何件か行っていたこともありますので、今回の追加提案も反映させていただきました。ついでに過去の凍結後の追加作業の補正(件数更新漏れなど)も行いました。いずれも手作業編集になるため、原則凍結は今後も継続します。


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