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生活圏の広域化と市町村合併

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記事数=13件/登録日:2003年3月5日/編集者:YSK

合併が必要とされている理由の1つに、「日常生活圏の広域化」が挙げられます。自治体としての基盤の関連から、生活圏の広域化はどのようにとらえるべきなのでしょうか?

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[6375] 2002年 12月 12日(木)22:30:54【1】YSK さん
広域化について、お教えください。
[6320]いなさん
合併に関する詳細なご説明を興味深く拝見したしました。
お話の内容はもっともですし、なるほどと感心しております。しかしながら、4点だけ私にとって十分に内容が分からなかった部分がありましたので、補足をいただけないでしょうか?

>>東京都の自治体は、もともと人口が多く、交付税をもらわなくても自立した行政運営が
>>できると市長が思っているからしないのではないかと思います。
>それでは広域化の要請には対処できないのです。
>東京(26)や、埼玉(41)こそ、無数に近いほど市があるわけですから、総務省の目指すとこ
>ろの「広域合併」をしなければならないところだと思われますが・・・

の部分の「広域化の要請」とは、何が広域化した(あるいは何を広域化する)ことの要請なのでしょうか?また、その広域化が要請される要因は何なのでしょうか?また、その要請を行っている主体はどのようなものでしょうか?また、その要請に答え得る唯一の手段が合併であるとその主体がする(「広域合併をしなければならない」との文面から、そう推察させていただきました)理由は何なのでしょうか?

ぶしつけで申し訳ないと思ったのですが、重要なお話だと思いましたので、より詳しく内容を教えていただきたいと強く願っております。そして、勉強をさせていただきたいと思っております。

以上、お手数をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。
[6379] 2002年 12月 12日(木)23:10:18いな さん
「広域化の要請」とは・・・
[6375] YSK さん
>「広域化の要請」とは、何が広域化した(あるいは何を広域化する)ことの要請なのでしょうか?
この点については、私も書きながら、わかりにくいかも知れないなと思いつつでしたので、申し訳ありません。
あそこの「広域化の要請」とは、合併特例法(平成の大合併の元となる法律)の頭の部分です。

「市町村の合併の特例に関する法律(合併特例法)」(昭和40年法律第6号)の概要
  (平成17年3月31日までに行われた市町村の合併について適用)
1、 趣旨  (第1条)
市町村行政の広域化の要請に対処し、自主的な市町村の合併を推進し、あわせて合併市町村の建設に資することを目的とする

これが、この合併特例法の狙いどころですから、いわゆる「はじめに合併ありき」なのかもしれないですよね・・・
「住民の自発的行動を待っちゃいられないぞ~、期限を決めててきぱきやろうぜ」ということじゃないんでしょうか?
[6380] 2002年 12月 12日(木)23:23:47【1】YSK さん
市町村行政の広域化の要請
[6379]いな さん
レスをいただき、ありがとうございます。

とはいえ、条文からは、私の4つの疑問のうち1つ目の「何の広域化か」は理解できますが、残り3つの疑問については明確な答えが示されていないでようですね。

(1)その広域化が要請される要因は何なのでしょうか?
(2)その要請を行っている主体はどのようなものでしょうか?
(3)その要請に答え得る唯一の手段が合併であるとその主体がする理由は何なのでしょうか?

財政規模の問題、施設配置の問題、行政コストの問題、いろいろあるかと思いますが・・・。

すみません、やっぱりうまく理解できないです。
明快な解答があればいいのですが・・・。
(いなさん以外の方でも、ご教示いただけるようでしたら、お願いいたします)
[6405] 2002年 12月 13日(金)12:53:55【2】TN さん
広域化の要請 再
[6380]YSK さん
 市町村行政の広域化の要請

(1)その広域化が要請される要因は何なのでしょうか?
(2)その要請を行っている主体はどのようなものでしょうか?
(3)その要請に答え得る唯一の手段が合併であるとその主体がする理由は何なのでしょうか?

1:モータリゼーションの進展による生活圏の実態と行政単位の乖離、その他、行政サービスや国からの機関委任事務を低コストで行なう、つまり金の節約(訂正:国の機関委任事務は廃止され、自治事務・法定受託事務に整理されました、また事務自体が廃止されたものあり)
2:国(総務省)、将来の道州制を見越して「州ー広域化した市町村」のラインをつくる、つまり県の廃止(事務権限の委譲が行なわなければ、単なる県合体に終わる危惧あり)
3:広域行政制度(広域連合・一部事務組合)の未普及、つまり事務権限委任の内容がはっきりしない、「都道府県ー(広域連合)ー市町村」という屋上屋を首長が嫌うなど広域行政が手詰まりの為、合併を唯一の手段とする

訂正その2:広域化すればコストが低減する、という考えは違いますね。ITの進化を割り引いても広域化によって移動のコストが増える場合もありケースバイケースなのですから、この書き方は誤解がありますね。

これらが私の認識なのですが、間違いあるかもしれません。(訂正したことからもお分かりのように、私もそんなに理解しているわけではないです、あるいはもっと違う次元の事をお尋ねだったでしょうか。)


YSKさんのお話で、ふと思ったのですが、合併により消滅した市のその後が興味あります。といっても、北海道函館市と昭和48年に合併した旧亀田市は一体的な市街を形成しているのでそれほどでもないのですが
例えば、
長野県篠ノ井市、茨城県那珂湊市、岡山県西大寺市、広島県松永市、大分県鶴崎市、鹿児島県谷山市などの人々はその後後悔していないのでしょうか・・・。
私が長野県の小布施町にいった時の印象では、単独のままでよかったね、という感じでした。(第三者かつ一観光客の印象)
私の場合どうしても中心市街地に興味が湧くのですが、もちろん郊外地域はそれとは違う問題があるのは承知してますし合併の経緯にそれなりの事情があったことも想像できますが、魅力ある自治体を造るうえではどうしても中心地に資本投下を集中させなくてはなりませんので、広域化して多極になった場合特にこれらの8対2的な市街地はその魅力を殺されてしまったのではないかと余計な心配をしております。
[6824] 2002年 12月 22日(日)23:32:18YSK さん
行政の広域化について
[6405]TNさん
かなり遅いレスになってしまいました。申し訳ございません。

註:この問題ですが、合併が促進されなければならない理由の1つに、「行政の広域化への要請」があるとする議論があり、そのことに対して私が、[6380]にて以下の3つの疑問を投げかけたことに始まっています。

(1)その広域化が要請される要因は何なのでしょうか?
(2)その要請を行っている主体はどのようなものでしょうか?
(3)その要請に答え得る唯一の手段が合併であるとその主体がする理由は何なのでしょうか?

>(1)に対して:モータリゼーションの進展による生活圏の実態と行政単位
>の乖離、その他、行政サービスや自治義務・法定受託事務を低コストで行な
>う、つまり金の節約
私がそもそも思っていたことが、モータリゼーションの進展→生活圏の広域化というのは、本当?ということなのです。確かに、自家用車の急激な普及(モータリゼーション)によって、機動的な移動が可能になりました。モータリゼーションの進展の前と後ではその機動性に格段の差があることは疑う余地はありません。とはいえ、ここで注意しなければならないのは、その車を運転するのは生身の人間であるということです。

たとえば、こどもを保育所に預けてから日中仕事をし、仕事の終了後にこどもを保育所に迎えに行って、その足で買い物も済ませる、といった行動パターンの方がいるとします。朝の忙しい時間という制約もあり、自宅~保育所~職場という移動時間がなるべくかからない立地を選択することになることが多いと思います。また仕事が終わった後も、保育所や買い物をする場所についての選択も、帰宅後の予定が詰まっている場合、やはりなるべく効率的に移動できる場所にある店を選ぶことになるかもしれません。

つまり、機械としての自動車の機能がいかに優れたものであるとはいえ、日常生活の時間の制約の中で行動する人間が運転する以上は、現在の市区町村が複数統合される程度までほどの広大な生活圏の広域化は起こっていないような気がするのです。また、自家用車の増大により、道路の渋滞は各地で慢性化しています。

ですので、生活圏の広域化の観点から、合併をすすめるべきだとする議論に対しては、私は素直には賛同できないのですね。小規模な自治体がある程度の大きさにまとまって、「行政サービスや自治義務・法定受託事務を低コストで行なう(金の節約)」ことを目指すという方向であるというのであれば、一応は納得できるのですが。

ただ、TNさんが、
>訂正その2:広域化すればコストが低減する、という考えは違いますね。ITの進化を
>割り引いても広域化によって移動のコストが増える場合もありケースバイケースなので
>すから、この書き方は誤解がありますね。
と補足されていることも、分かります。いくら規模を大きくしようとしたとしても、自治体の面積が巨大になりすぎ、移動にかなりのコストを要するようであれば、本末転倒ということもあり得ますね。

>(2)に対して:国(総務省)、将来の道州制を見越して「州ー広域化した市町村」の
>ラインをつくる、つまり県の廃止(事務権限の委譲が行なわなければ、単なる県合体に
>終わる危惧あり)
私は、合併を推進する国のほか、そのような広域化が必要と考える市町村自らの要請なのかというニュアンスで、法律の条文を読んでいました。

参考:[6379]いなさん の書き込みより

「市町村の合併の特例に関する法律(合併特例法)」(昭和40年法律第6号)の概要
  (平成17年3月31日までに行われた市町村の合併について適用)
1、 趣旨  (第1条)
市町村行政の広域化の要請に対処し、自主的な市町村の合併を推進し、あわせて合併
市町村の建設に資することを目的とする

>(3)に対して:広域行政制度(広域連合・一部事務組合)の未普及、つまり事務権限
>委任の内容がはっきりしない、「都道府県-(広域連合)-市町村」という屋上屋を首
>長が嫌うなど広域行政が手詰まりの為、合併を唯一の手段とする
そうですね。広域行政への対応の一手法として、広域連合や一部事務組合の制度がありますが、この手法の場合、つくった連合や組合ごとに議会や監査委員事務局など一般の自治体備えている機関を一通り設けなければならず、もしこれが1つの自治体に変えられるのであれば、それなの重複がなく、効率的な施設運営や制度運用が行えるかもしれませんね。
ただ、(1)でのコストの話との関連もありますが、1つの自治体としては広すぎて移動コストなどがかかってしまうが、ごみ処理施設や介護保険制度を個々の自治体が単独で建設したり運用したりするのは難しいな、といった地域にとっては、一部事務組合等は、広域行政の要請に答え得る有効な手法であるとも思えます。

以上が私の所感ですが、少なくとも生活圏の広域化とモータリゼーションの進展とをステレオタイプに結びつけて、行政の広域化の議論に進めていくことについては、私はいまいち納得できないんですよね。
[6834] 2002年 12月 23日(月)02:08:10TN さん
Re:都市の中心部の駅
今日は、神奈川県三浦市の「中心部」三崎の街をふらついておりました。マグロのトロの生ハムを食うだけのために・・・。
そのあと、羽田空港にてデッキの上から飛行機と夜景の見物をしました。(久々のささやかな贅沢)
ということで、
[6801]まがみ さん
>>鉄道が通っていても中心部に駅のない市
ケンさんがお書きになり、私がそれに同調したわけですが
>なにをもって「中心部」というのか微妙ですが・・・
微妙なのを認めたうえで、ここでは「市」のうち、地図帳の赤い部分(市街地)に「駅」が無い、ただそれだけなので、それを思いつくまま書いたお遊びだった、とご理解、ご勘弁をお願い致します。

>県庁所在地や大都市にある駅は、密集市街地に鉄道路線が入っていくわけにはいきませんから

この「鉄道が入っていけない密集市街地」が中心部かもしれません。
しかし、私が
中心部(赤い部分の市街地)に駅の無い市
市の中心駅が市名と一致していない例
をごった煮に書いたための混乱を招いたこと、お詫び致します。

結論:[6735]はまず定義があいまい。それならまだしも、ごちゃまぜ、かつ、不完全燃焼。(反省)

>青森県三沢市は少なくとも「中心部」に駅はないです。
これには異存ないです。(要するにもれ)
>青森県八戸市はどうですか?
この場合、中心駅は八戸線の本八戸駅ですね。
>和歌山県御坊市は?
紀州鉄道の紀伊御坊駅ですね。
>大阪府四條畷市には四条畷駅はなく(これも、もれ)
志木駅(新座市)と同じパターンです。

>福岡県福岡市を忘れてます。
博多と福岡は本来別物でしょうが、ともかく私の場合、JR博多駅ではなく西鉄・市営地下鉄空港線の天神駅ですね。だから、ここ(博多駅)も中心から外れた場所・・・。(そのようなこと意図して[6735]をかいたのではない、ということはもうお解かり頂けたかと思いますが)
>県庁所在都市にあるJRの中心的な駅で、全国で唯一都市名と駅名が一致していない例です。
さいたま市の場合浦和駅も大宮駅もさいたま新都心駅も・・・

あっ、さいたま新都心駅を中心部にある駅と考える人もいるかもしれませんね。

>でも、これにしても、なにをもって「中心駅」とするか微妙ではあります

結局ここに帰結しますね。

追伸:福岡市を忘れていたのではなく、分県地図をみてて中国地方あたりで疲れて投げ出したのです。今度から(いつもだけど)中途半端なことは気をつけよう(自分)。

[6826]ニジェガロージェッツ さん
御気分が落ち着かれたとのこと、安心致しました。
今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。

[6824] YSK さん
私は気長なたちですから、待ったなどとは思っておりません。それより、真剣に考えていらっしゃる姿に感動致しました。
私もあの後、いろいろ考えたり、調べてみたりしたのですが、自治体によっては、財政的な窮地の理由として国の景気対策を地方が押し付けられ(大量の起債を行なった)、その償還に当てるのに予算の多くの部分を公債費負担として計上するなどして財政が硬直化しているのが現状のようです。また、バブル崩壊、景気の悪化等による税収の大幅な減による自主財源の不足というのもあるでしょう。つまり、やりたい事業が行なえなくなっている、というものです。
その結果、特例債(これも将来にわたる数兆円単位の借金ですが)をあてにした市町村自身が広域化の要請を泣く泣く行なっている例もあるようです。取り合えず参考になりそうなのがありましたので。↓
http://www.chugoku-np.co.jp/crisis/4/990103.html(自治体クライシス、中国新聞社)
交通の手段(車、鉄道など)と広域化はもう少し考えてみたいと思います。生活圏と行政単位の範囲の一致の問題ですね。
[6829]YSK さん
とても解りやすくまとめて頂きまして、どうもありがとうございます。お忙しい最中、2連続とは感激の至りです!
ご教示頂きました旧泉市への懐柔策は半端でないですね。他の地域へのしわ寄せも大きな問題ですが、
合併反対←集中的な大型都市基盤整備事業
喜んでいる方も大勢いらっしゃるかとは思いますが、今度は仙台市民として大規模事業の維持費が足かせになるかもしれない、という皮肉な結果にならなければ良いと感じます。そのために旧泉市のサービス水準が維持できなくなるのはもちろん、現行の水準も維持できなくなるかもしれない、という危険があるんじゃないかと・・・。上記リンクは広島市の例です。

いずれに致しましても、おいおいまたこの件でもレスさせて頂きますので宜しくお願い致します。

[6787] Issie さん
やはり、根拠の無いことはお書きにならないとは思いつつ、やはり根拠があったのですね。
大変失礼致しましたこと、お許し下さい。
[6873] 2002年 12月 23日(月)16:32:03YSK さん
生活圏の多様化
[6834]TNさん
早速のレスをありがとうございます。
広島のアジア大会関連のハード整備と、その維持管理経費についてのホームページを拝見しました。確かに、各自治体ともに、税収等は確実に減少している中、既に使い道が決まっている経費の切り捨てもままならず、公債費(借金の返済)も年々肥大化もあって、かなり苦労しています。その中には、景気対策として大幅に割増された補助金が押し付けられることもあり(補助金といっても、補助率があるので、国が全部持ってくれるわけではない)、それが財政の硬直化を招来し、特例債つきの合併話を国がちらつかせれば、自治体がそれに飛びつかざるを得ない。それが、行政の広域化の要請になる、ということでしょうか。

>交通の手段(車、鉄道など)と広域化はもう少し考えてみたいと思います。生活圏と
>行政単位の範囲の一致の問題ですね。
私は、「広域化」よりも「多様化」が進行しているのではないかと推察します。[6824]で書きましたとおり、日常生活の時間的な制約から生活圏は距離的には拡大しにくいと考えています。自家用車の特質の1つに、機動的で小回りのきく移動が可能であるということが挙げられます。
バスや鉄道などのマストランジットに移動手段の多くを依存していた時代は、比較的中心地とその後背地が明確であり、人々の移動方向の体系は比較的一定でした。自家用車の普及は、人々に多様な行動パターンを取る自由度を増大させ、またそれに対応するように郊外において大型店舗や工場などが立地し、買物移動、就業移動(通勤)なども多様化する傾向にあるように思います。

ですので、行政単位と生活圏との整合性の関連では、まず大きさの問題から評価しますと、日常生活における時間的制約も考慮した平均的な人間の行動範囲は、直径10キロメートルほど(郊外地域で、自家用車移動の卓越する地域を想定しています)と考えられ、全国総面積377,873.06平方キロメートルに、全市区町村数3241を単純に割り返した、1自治体あたりの平均面積は約117平方キロメートルであることから、以上で推量した生活圏の大きさは、現在の自治体の平均的な大きさに等しいことになりますね。

一方において、生活行動パターンは多様化していくわけですから、自治体の範囲と生活圏の範囲を整合させるというよりは、多様化する生活圏構造にいかにマッチした施設配置、インフラ整備を行っていくかという観点の方がより重要な問題であるように思われます。

多様化する生活圏構造を最小公倍数的に結合でき得る範囲において自治体合併を行い、地域における生活圏構造と、需要量、ニーズなどを総合的に分析して、効率的な施設配置、インフラ整備を行っていく。地方自治の効率性と公的投資の有効利用とを勘案いたしますと、こういったところになるのではないかと思われますが、いかがでしょうか。
[6923] 2002年 12月 24日(火)18:10:00TN さん
Re:生活圏の多様化
[6873]YSK さん
[6824]>モータリゼーションの進展→生活圏の広域化というのは、本当?ということなのです

このことついてYSKさんからご教示頂きましたが、私自身「生活圏」というものの絞込みが出来ていないようです。日常生活圏といった場合に通勤まで含めるのか、そうでないのか。
しかし、多様化は仰る通りですね。
生活圏に関するもので以下のものがありましたが、お役人さんの考えに私も大分感化されているようです。
http://www.city.niigata.niigata.jp/info/kouiki/gappei/gappei/hituyousei1.htm(新潟市と旧黒埼町の事例)
http://www.town.ogaki.hiroshima.jp/gappei/seikatu.htm(広島県、江能4町の事例)
この江能4町は広島市に多くの通勤流動がありますが、だからといって広島市と合併した方が良い、とは私もこれっぽっちも思っておりませんので・・・。
取り合えず、もう少し時間を下さい。YSKさん。
[7071] 2002年 12月 28日(土)01:43:38YSK さん
広域化について
[7034]TNさん
<広域化の結論にはなりませんが、
市名人口(人)面積(平方km)人口密度(人/平方km)
埼玉県蕨市71,1725.1013,955.29
福島県いわき市359,0371,231.13291.63

こういった、自治体間の規模のばらつきも、行政の広域化の必要性があるということでしょうか。確かに、直径10キロメートルを生活圏の基礎的単位とした場合、それに満たない小規模な自治体が多いのも事実ですね。

なお、ご提示いただいた鹿島台町のケーススタディについてですが、通勤流動、買物行動、通学流動などを基礎データに用いて都市圏を抽出し、それらと広域行政単位としての広域圏と学区との整合性を論じている内容、たいへん興味深く拝見しました。

とはいえ、
(1)行政のこととはいえ、単位地区が市町村単位になっているのでは、果たして正しい生活圏構造を反映した分析となっているのか?
 #鹿島台町から、仙台市に通勤者や買物のために行く者が多かったとしても、その行き先の大勢が仙台市街地へ行っているのか?それとも宮城野区あたりの国道45号沿いの商業集積地区止まりなのか、判断ができないですね。

(2)通勤流動(→通勤圏)や買物行動(→商圏)によって都市圏を設定しても、それはあくまで都市の経済的な勢力範囲を示すもので、人々の生活圏構造とは質的に違うのではないかとYSKは思っています。この分析は、行政経営の道筋を判断する一指標として、非常に重要ですし、意義のあることであると思いますが、このことをもって「生活圏と行政地域の不整合」を論じることには、ちょっと無理があるような気がしますが・・・。

という所感を持ちました。
私も、もう少し具体的なお話ができるように、頭の中を整理したいと思います。
[7089] 2002年 12月 28日(土)18:25:01TN さん
Re:広域化について
お出かけ前の慌しいさなか、レスしていただきまして有難う御座いました。
[7071]YSK さん
>こういった、自治体間の規模のばらつきも、行政の広域化の必要性があるということでしょうか。

(※話が広がり過ぎないように、地方自治法に定める普通地方公共団体のうち市町村、及び、特別地方公共団体のうちの特別区に限定致します。)
面積、人口などの規模のばらつきの平均化を意図した広域化ではないんでしょうね。ばらつきの理由には歴史的背景やその地域が属する地域特性というのもあるでしょうし。
ところで、半径10Kmの範囲の自治体というのは、3大都市圏においては政令指定都市、中核市クラスの市ということでかなり広域ですが、政令市に限らず一部合併協議会で「行政区」を設けようという試みもあり興味深いですね。
やはり行政区域というのは、日常生活を営む「場」であるとともに、地方自治体の業務が及ぶ範囲として、そこを活動拠点とする人(住民など)に地方公共財(道路、公園、警察・消防といった社会資本)の供給が行なわれる範囲である、ということなのでしょうか。
ところが、時代の画期にある現在ではそれに加えて、医療、福祉、教育、文化といった私的財産に準ずるものの供給をすることも大きな役割となってきました。

これらを執り行うためにはその基礎需要を満足させるだけの財源が必要になりますが、不況下において財政力の弱い自治体が破綻状態に陥った時に、財政力の強い自治体が弱い自治体を救う手立てとしての合併もあるわけでして、その結果としての面積の広域化と捉えたほうが自然な気も致しますね。
[5028]ゆう さん
>破綻してから合併、では遅すぎます。近隣に豊かな自治体があれば救済合併も有りえますが、・・・
[6993]start さん
>個人的にはこれも可能性が低いと思います。
とされつつも
>豊田加茂の合併話はもともと豊田市が危機的状況にある奥三河の町村を救うために生まれたようなものなので

これらのお話は現実問題として存在し、つい先日も新聞誌上で九頭竜湖で有名な福井県和泉村のことが書いてありました。この村も過疎化の悩みは大きく、最多時の昭和40年に5,723人いた人口が45年には2,453人と半減し、今年の11月1日現在で773人となっております。買い物・医療は少なからず隣接の大野市に依存しているようですが、通勤先を他の自治体に置く人が意外に少なく、「実際の生活基盤」として独立の自給圏を形成しているそうです。
ところが、以前村の財政を豊かにしていた九頭竜ダムの固定資産税収入が現在では切り札となりえず、財政難に陥ったため近隣の自治体との合併を決意した、と記事にはありました。

取り合えず、ここまで・・・。
[7122] 2002年 12月 30日(月)01:26:57ペーロケ[utt] さん
行政広域化に限度はないのか??
このページで北海道の合併協議会の欄が大幅に増設されていましたが、
それを見ていて、合併後の面積を見てびっくりしますね。
3000、4000平方キロとか平気で超えていて、
そんな広大な市は、話題性としてはいいかもしれないけれど、
行政サービスはもとより、市として維持できるのでしょうか?
なんて考えてしまいます。
市町村合併は、大きければ大きいほど「いい」のでしょうか?
自治省の役人は、多分そんなふうに考えていると思うけど、
それこそ、現場を知らないペーロケ理論に市町村は振り回され、
合併によって、本当の地方自治には繋がらないと思います。

多分実現はしないと思いますが、例えとして留萌地方を一つの市に合併した場合、
仮に留萌市に新自治体の市役所を置いたとして、
今の天塩町まではすごく飛ばして約3時間かかります。
そんな役所から3時間以上もかかるような地域がある自治体は、
果たして一つの「市」として維持できるのか?
行政の効率化を計れるのか?
現実的な問題として、面積がでかい自治体は、行政サービスを考えたら、
広範囲に点在する施設の維持管理、膨大な市道の除雪など、
逆に余分な経費がかかると思います。

私的には、役所、役場から半径50キロくらいまで、
もしくは役所から所要時間1時間くらいまでが、
一つの自治体として維持できる限界かなって思いますけれど。
みなさんは、どう思いますか??
[7137] 2002年 12月 30日(月)12:49:39【1】深海魚[雑魚] さん
広域自治体の許容範囲および十三湖を考える (ヒロオさん風)
[7122] uttさん
>合併後の面積を見てびっくりしますね。3000、4000平方キロとか平気で超えていて、
都道府県で 3,000未満というと東京、神奈川、大阪、香川、佐賀、沖縄の六箇所が該当しますね。
市町村として面積最大の北海道足寄町は、最小都道府県となる香川県の実に四分の三に相当し、
役場を擁する中心地以外で、住宅分布がどの様な状況かは判りませんが、広大な町域の大半が
山林である事を考えると、各種行政サービスや公職選挙法に基く遊説などの移動においては色々
御苦労が多いでしょうね。(船舶の介在を要する鹿児島県の三島、十島両村などは尚更ですね。)

>私的には、役所、役場から半径50キロくらいまで、もしくは役所から所要時間1時間くらいまでが、
>一つの自治体として維持できる限界かなって思いますけれど。みなさんは、どう思いますか??
交通機関の陣容によりますが私も概ね同意です。広域化した場合、当然複数の地域それぞれに
固有の風土や意識を抱え込む訳ですから、例えば公共性が強い観光協会が仕切るイベント等を
考えた場合、自治体全域への還元性の視点から地域間の乖離性も想定する必要があるだろうし。

現在のところ最も身近な広域自治体と言えば福島県いわき市ですが、地元在住の知人によれば、
何らかの行事がある場合、市内各地域間の意見集約や調整が成否の鍵となる様です。[7097]
言及した 「水里金太市」 (笑) が実現すると、自身は水戸の経済圏で、北隣には白河の経済圏を
抱える事になる訳で、何か豪気に感じます。

[7132] Issieさん
>本当に寒々と何もないところです (地元の方には申し訳ないけど)。
先の 「海を隔てて望む山」 よろしく、家族サービスとは別次元のドライブにて 「何も無い」 場所での
風景撮影を好む私としては、食指が動く所ですね。十三湖大橋の写真は、昭文社の観光ガイドつき
道路地図で見た事があります。津軽鉄道の紹介写真でありがちな構図ですが、十三湖南部一帯の
「大平原」 にて遠く冠雪の岩木山を望むというのも良いかな。公共交通機関では現地到達が困難な
場所における意外性ないしアングラ性の追求がドライブの最大の醍醐味であると考える雑魚でした。

ちなみに私は、最も一般大衆的な中古国産車1500ccナリを愛用しておりますが、かかる用途で妙な
脇道や小道に入る一方、高速道を介した長距離移動の可能性をも考えると、この辺が最も汎用性に
優れたクラスかと確信します。尚、田植期の撮影では、泥に汚れる事も当然想定の範疇です。(笑)
[7167] 2002年 12月 31日(火)00:00:28YSK さん
広域化と、まちづくりの思想
[7089]TNさん
いろいろと行政の広域化に関して、お調べ頂き、たいへん興味深く拝見いたしました。

ご意見を総合いたしますと、現在の市町村合併が目指すものは、第一に行政の広域化であり、より大きい規模で行政を行うことにより行政コストの無駄を省いていこう、ということのようですね。また、一部の自治体では財政が逼迫し、より規模の大きい、財政的に余裕のある自治体と合併することによって危機を乗り切ろうとするねらいもあるようです。この意味において、「行政の広域化」が要請されているのですね。

話を戻しますと、私が真っ先に疑問に思ったのことは、生活圏が拡大しているから、合併という理由付けについて、「生活圏はそれほどまでに拡大しているの?」というところからでした。

TNさんの考察などを考慮しますと、合併の目的の1つには「行政コストの縮小」と「財政基盤の弱い自治体の救済(淘汰)」ということにあるということになると思いますので、「生活圏の拡大」を看板に合併を進めるという場所は相対的に少ないようで、その意味では、納得しました。

後は、そういった行政コストの削減を目指して1つになった自治体が、いかに生活圏構造に即した施設配置、インフラ整備をすることができるか、あるいはそういったいかに地域に即したまちづくりの思想を掲げ、すてきなまちをつくっていけるか、ということになるのでしょう。実は、合併にとって一番重要な点は、このあたりを明確にすることだと思います。

合併当初の目的が行政コストの削減であったとしても、それは目的ではなく、よりよいまちをつくっていくための手段であり、合併によって適正な財政基盤を手にすることができたとして、その後どのようなまちをつくっていくか、この思想がしっかりしない限りは、たとえば合併後、旧自治体間で確執が続くといったデメリットが生じかねません。

ですので、これから合併する地域においては、生活圏構造や地域の特性などをしっかりと把握し、そういったものを最大限に生かせる新自治体建設計画の策定と、実効性のある組織づくりが求められるのではないでしょうか。

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