11月末から予想以上に忙しい日々が続きましたが、何とか今年中に平成22年10月1日の境域における各回国勢調査時の市区町村別人口に関し、
[82194]で挙げた修正を検討し終えました。
●昭和35年の長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域(73人)
→ 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では境界紛争地域の人口を除外しているが、最終的に山口村は中津川市に越境編入しており、この73人も現在の中津川市境域内の人口に加算するべきか
※中津川市・恵那郡・長野県西筑摩郡山口村における昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和58年4月1日 | 中津川市の一部(24人)が恵那郡福岡町へ |
平成17年2月13日に長野県西筑摩郡山口村、岐阜県恵那郡福岡町は中津川市に編入されており、昭和35年の長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域の人口はすべて現中津川市内と考えて問題ありません。長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域の人口73人を岐阜県中津川市の人口に加えることで、平成22年10月1日の境域による昭和55年の中津川市の人口は82,747人に修正されます。
市町村 | 修正前 | 修正後 |
中津川市 | 82,674 | 82,747 |
●昭和22年の臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」
→ 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三県の調査洩れ数を除外しているが、これらについても按分して計算し直すべきか
◎宮城県内
○宮城県玉造郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数21人を大崎市の人口に追加
○宮城県栗原郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数71人は以下の様に按分
境域 | 水害地を除く昭和22年の人口 | 水害地の人口 |
昭和22年の栗原郡 | 136,395 | 71 |
昭和22年の栗原郡内の現栗原市 | 126,538 | 66 |
昭和22年の栗原郡内の現大崎市 | 9,857 | 5 |
※昭和22年10月1日の栗原郡内の現大崎市境域の人口は、昭和22年10月1日の長岡村・宮沢村・清滝村の合計11,294人より清滝村小山田地区の人口1,437人を除いたもの。清滝村小山田地区の人口1,437人は、昭和55年10月1日の境域による昭和22年10月1日の高清水町の人口5,793人と、昭和22年10月1日の高清水町の人口4,356人の差。
※玉造郡・栗原郡・志田郡・遠田郡の昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和29年8月1日 | 志田郡敷玉村の一部(4,291人)が古川市へ |
昭和29年8月1日 | 志田郡敷玉村の一部(1,799人)が遠田郡小牛田町へ |
昭和30年3月31日 | 志田郡下伊場野村の一部(978人)が志田郡松山町へ |
昭和30年3月31日 | 志田郡下伊場野村の一部(1,129人)が志田郡三本木町へ |
昭和30年4月10日 | 玉造郡岩出山町の一部(251人)が古川市へ |
昭和30年4月14日 | 古川市の一部(1,459人)が栗原郡高清水町へ |
昭和30年4月1日 | 栗原郡姫松村の一部(2,380人)が栗原郡栗駒町へ |
昭和30年4月1日 | 栗原郡姫松村の一部(1,824人)が栗原郡一迫町へ |
昭和30年7月10日 | 古川市の一部(1,405人)が志田郡三本木町へ |
昭和30年10月1日 | 志田郡三本木町の一部(292人)が志田郡松山町へ |
昭和31年1月1日 | 遠田郡小牛田町の一部(909人)が古川市へ |
昭和31年8月10日 | 栗駒郡栗駒町の一部(393人)が栗駒郡築館町へ |
昭和31年8月10日 | 栗駒郡栗駒町の一部(237人)が栗駒郡一迫町へ |
昭和32年4月1日 | 玉造郡岩出山町の一部(30人)が古川市へ |
昭和44年9月1日 | 遠田郡田尻町の一部(9人)が遠田郡小牛田町へ |
昭和30年4月10日に玉造郡岩出山町の一部(251人)が古川市へ、昭和30年7月10日に古川市の一部(1,405人)が志田郡三本木町へ、昭和32年4月1日に玉造郡岩出山町の一部(30人)が古川市へ異動していますが、玉造郡岩出山町、志田郡三本木町、志田郡松山町は最終的に大崎市の境域となるので、昭和22年の人口の修正の際には考慮の必要はありません。昭和30年4月14日の古川市の一部(1,459人)の栗原郡高清水町(旧清滝村小山田地区)への異動は、昭和22年の人口の修正の際に考慮する必要があります。
○宮城県登米郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数60人を登米市の人口に追加
※登米郡の昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和27年11月1日 | 登米郡石森町の一部(8人)が登米郡上沼村へ |
昭和32年4月1日 | 登米郡中田町の一部(2,427人)が登米郡迫町へ |
これらは最終的に登米市の境域となるので考慮の必要はありません。
○宮城県本吉郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数55人は以下の様に按分
境域 | 水害地を除く昭和22年の人口 | 水害地の人口 |
昭和22年の本吉郡 | 106,304 | 55 |
昭和22年の本吉郡内の現登米市(津山町) | 7,125 | 4 |
昭和22年の本吉郡内の現気仙沼市 | 71,204 | 37 |
昭和22年の本吉郡内の現南三陸町 | 23,518 | 12 |
昭和22年の本吉郡内の現石巻市(十三浜村) | 4,457 | 2 |
以上をまとめると、平成22年10月1日の境域による昭和22年10月1日の宮城県内の人口は、水害地の様差漏れ数を加えることで以下のように修正されます。
市町村 | 修正前 | 修正後 | 水害地 |
石巻市 | 171,858 | 171,860 | 2 |
気仙沼市 | 71,204 | 71,241 | 37 |
登米市 | 123,110 | 123,174 | 64 |
栗原市 | 126,538 | 126,604 | 66 |
大崎市 | 138,925 | 138,951 | 26 |
南三陸町 | 23,518 | 23,530 | 12 |
◎栃木県内
○栃木県下都賀郡内二村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数60人は以下の様に按分
境域 | 水害地を除く昭和22年の人口 | 水害地の人口 | 水害地を含む昭和22年の人口 |
生井村・部屋村 | 10,542 | 60 | 10,602 |
生井村 | 4,338 | 25 | 4,363 |
部屋村 | 6,204 | 35 | 6,239 |
下都賀郡生井村は昭和30年4月25日に下都賀郡野々田町を経て、昭和38年4月18日に小山市に編入、下都賀郡部屋村は昭和30年3月31日に下都賀郡藤岡町を経て、平成22年3月29日に栃木市に編入されます。
※小山市の昭和30年4月25日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和49年12月1日 | 下都賀郡南河内町の一部(5人)が小山市へ |
昭和53年1月1日 | 野木町の一部(11人)が小山市へ |
昭和54年7月1日 | 下都賀郡大平町の一部(15人)が小山市へ |
以上の外、昭和55年1月1日以降の諸境域異動等を全て考慮して改めて境域変動に伴う推定人口を計算し直しましたが、結局端数処理した後に昭和55年10月1日の境域による昭和22年10月1日の市町村別人口に変化が生じたのは、小川市と栃木市のみでした。
○栃木県足利郡内四町村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数207人は、足利郡毛野村・山前村・小俣村・山辺町で按分されるべきものですが、これらはすべて現足利市に編入されており、該当地域には特に複雑な人口異動を伴う境域変動が存在しないので、足利郡の水害地の人口は全て足利市の人口に加えます。
以上をまとめると、平成22年10月1日の境域による昭和22年10月1日の栃木県内の人口は、水害地の調査漏れ数を加えることで以下のように修正されます。
市町村 | 修正前 | 修正後 | 水害地 |
栃木市 | 131,230 | 131,265 | 35 |
小山市 | 82,123 | 82,148 | 25 |
足利市 | 143,149 | 143,356 | 207 |
◎埼玉県内
○埼玉県北葛飾郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数321人はまず以下の様に按分
境域 | 水害地を除く昭和22年の人口 | 水害地の人口 |
昭和22年の北葛飾郡 | 121,659 | 321 |
昭和22年の幸松村・豊野村 | 8,363 | 22 |
昭和55年境域の栗橋町・昭和22年境域の桜田村の一部 | 15,672 | 41 |
昭和55年境域の杉戸町 | 16,617 | 44 |
現松伏町 | 8,827 | 23 |
昭和55年境域の庄和町 | 15,565 | 41 |
現三郷市 | 16,222 | 43 |
現幸手市 | 24,622 | 65 |
現吉川市 | 15,771 | 42 |
※昭和22年10月1日境域の桜田村の一部(大字八甫・西大輪・東大輪・外野・上川崎)の人口3,957人は、昭和55年10月1日境域の南埼玉郡鷲宮町の人口8,768人と、昭和22年10月1日の南埼玉郡鷲宮町の人口4,811人の差
ただし春日部市、杉戸町、庄和町に関しては、昭和55年10月2日以降の人口異動を考慮しながらさらに昭和22年10月1日人口を修正する必要があります。
なお、以下の境域変遷情報は、昭和55年10月1日境域による昭和22年10月1日の人口として織り込み済みです。
※埼玉県北葛飾郡の昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和23年4月1日 | 北葛飾郡栗橋町の一部をもって静村(4,877人)を設置 |
昭和23年4月1日 | 北葛飾郡栗橋町の一部をもって豊田村(2,715人)を設置 |
昭和30年1月1日 | 北葛飾郡桜田村の一部(3,849人)が南埼玉郡鷲宮町へ |
昭和30年1月1日 | 北葛飾郡桜田村の一部(784人)が北葛飾郡幸手町へ |
昭和30年4月1日 | 北葛飾郡豊田村の一部(845人)が北葛飾郡幸手町へ |
昭和30年4月1日 | 北葛飾郡豊田村の一部(1,085人)が北葛飾郡泉村へ |
昭和31年1月1日 | 北葛飾郡幸手町の一部(475人)が北葛飾郡杉戸町へ |
昭和35年11月3日 | 北葛飾郡杉戸町の一部(993人)が北葛飾郡庄和村へ |
○埼玉県南埼玉郡内八村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数84人はまず以下の様に按分
境域 | 水害地を除く昭和22年の人口 | 水害地の人口 |
八村合計 | 31,810 | 84 |
桜井村・新方村・増林村 | 10,403 | 27 |
八幡村・潮止村・八条村(立野堀を除く) | 11,846 | 31 |
八条村の一部(立野堀) | 745 | 2 |
須賀村 | 4,005 | 11 |
鷲宮村 | 4,811 | 13 |
※昭和22年10月1日の八条村立野堀の人口745人は、昭和22年10月1日の八幡村・潮止村・八条村の人口合計12,591人と、昭和55年10月1日境域による八潮市の人口11,846人の差【追記:この計算は間違い!】
なお、以下の境域変遷情報の内、昭和31年9月28日八条村の分割は、昭和30年11月3日の北足立郡草加町から南埼玉郡越谷町への境域変更の後ですが、昭和54年4月1日の草加市と八潮市の間での境域変更は考慮する必要があります。もっとも昭和55年10月1日境域から昭和50年10月1日境域に数字を戻す作業を行い、昭和22年10月1日の人口に水害地の人口を加え、昭和55年10月1日境域に再び戻すという作業を行っても、四捨五入した数字の上では水害地分の人口に変動はありません。
※埼玉県南埼玉郡の水害を受けた八村に関連する昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和30年1月1日 | 北葛飾郡桜田村の一部(3,849人)が南埼玉郡鷲宮町へ |
昭和30年11月3日 | 北足立郡草加町の一部(1,249人)が南埼玉郡越谷町へ |
昭和31年9月28日 | 南埼玉郡八条村の一部(3,419人)が南埼玉郡八潮村へ |
昭和31年9月28日 | 南埼玉郡八条村の一部(797人)が北足立郡草加町へ |
昭和54年4月1日 | 草加市の一部(32人)が八潮市へ |
○埼玉県北埼玉郡内六村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数53人は、利島村・川辺村(後の北川辺村)と、東村・原道村・元和村・豊野村(後の大利根村)で按分されるべきものですが、これらはすべて現加須市に編入されており、該当地域には特に複雑な人口異動を伴う境域変動が存在しないので、北埼玉郡の水害地の人口は全て加須市の人口に加えます。
以上において、八潮市、草加市、杉戸町、宮代町、春日部市、越谷市、庄和町に関しては、昭和55年10月2日以降の境域変更についても再計算が必要ですが、実際のところ境域変更を考慮しても、四捨五入された水害地の人口には変更はありませんでした。
以上をまとめると、平成22年10月1日の境域による昭和22年10月1日の埼玉県内の人口は、水害地の調査漏れ数を加えることで以下のように修正されます。
市町村 | 修正前 | 修正後 | 水害地 |
加須市 | 80,673 | 80,726 | 53 |
春日部市 | 46,423 | 46,486 | 63 |
草加市 | 27,717 | 27,719 | 2 |
越谷市 | 42,513 | 42,540 | 27 |
久喜市 | 58,616 | 58,670 | 54 |
八潮市 | 11,846 | 11,877 | 31 |
三郷市 | 16,222 | 16,265 | 43 |
幸手市 | 24,622 | 24,687 | 65 |
吉川市 | 15,771 | 15,813 | 42 |
宮代町 | 10,453 | 10,464 | 11 |
杉戸町 | 16,615 | 16,659 | 44 |
松伏町 | 8,827 | 8,850 | 23 |
以上、三県における昭和22年10月1日の水害地の人口の按分を行いました。