「市区町村プロフィール」にある「施行日」についてのそれぞれの見解が話題になっていますが、小生もこのページの存在を知った3年前より気になっていることがあります。
それは地元
神戸市の区の「施行日欄」にある日付ですが、ここに問題の箇所を引用すると
となっています。
これは、はっきり言ってしまえば「間違い」です。
神戸市に区政が実施され、当時の市域に区を設けたのは1931(昭和6)年9月1日ですが、当時の区は東から順に、灘区、葺合区、神戸区、湊東区、湊区、湊西区、林田区、須磨区の8区です。
つまり、この時点では兵庫区も長田区も存在していません。
神戸市に兵庫区が出来たのは、1933(昭和8)年1月1日。これは、当時の湊西区を単純に改名しただけでした。
一方、長田区の成立は1945(昭和20)年5月1日。林田区の大部分(一部が兵庫区と須磨区に移管)と須磨区の一部(おおよそ旧西代村の範囲)を合せての誕生でした。
但し、この「間違い」に気付きながらも、敢えて今日まで黙殺していたのは、小生なりに作成者であるグリグリさんの見解を尊重したからに他なりません。
つまり、グリグリさんほどしっかりとした考察をお持ちのお方が、敢えてこのような「間違い」を犯したのではなく、現在ある兵庫区と長田区の基となる行政組織は、1931年9月1日にそれぞれ湊西区と林田区という形で存在したとご理解なされた上で、両区の「施行日」欄に1931.9.1と打ったのだと小生は感じたからです。
ホームページの運営、特にデータを網羅的に並べるのには、データを解釈する上で、管理人の統一された見解というものが不可欠だと思います。
一方で、市町村制度が始まって以来、明治から平成の今日まで全国津々浦々で行われた合併などの行政組織の再編は、それぞれ複雑な地元の諸事情が絡み合い、それらを個人ホームページのデータに反映するには、実際問題として不可能です。
例えば、クリちゃんさんから
[42876]にて静岡市の場合についての疑問を提示されていますが、ではIssieさんよりご紹介のあった
[1346]姫路の場合、1946年に周辺の飾磨市・広畑町・網干町・大津村・勝原村・余部村・白浜町と対等合併した旧・姫路市の場合も施行日が1889.4.1では「間違い」となります。
このようなケースは静岡と姫路の場合だけではなく、それこそ全国各地にあります。
それを全国の行政組織の施行日データを網羅する際に、「間違い」なく反映出来るかと問えば、先ほど「実際問題として不可能です」と申し上げましたが、仮に出来るとしても、検証作業だけでも膨大となり、また解釈の尺度を考えても各地の複雑な事象を、A市の場合は「吸収合併」、B市の場合は「対等合併」などと個人の立場で判断せざるを得ず、実際問題として小生はそこまで管理人さんに負担を掛けるべきではないと考えます。
本当に好きでなければ出来ないでしょうが、全国の諸データを網羅するホームページの運営の難しさは、理屈抜きでやってみないと分からないですよ。