[61972] suikotei さん
平日のみ運行の杵築市循環バスで宜しければ、杵築市のホームページ→部署名から検索→企画財政課に10月1日改正の時刻表が掲載されております。
おかげさまで、このバスを利用し2005年に合併してひとつの杵築市になった旧杵築市、旧山香町、旧大田村の庁舎に行って来ました。と言いたいところでしたが思わぬハプニングがあり、はからずも自治体バスの実情のようなものを垣間見てしまいました。
ご興味のある方はお読みください。
大分空港から旧安岐町役場(国東市)に行った後杵築市役所に行き、そこからは以下のような予定にしていました。
杵築市役所前 | 12:27→12:37 | JR杵築駅 | 国東観光バス(大分交通グループ) |
JR杵築駅 | 13:21→13:28 | 中山香 | 日豊本線634M |
山香庁舎 | 14:38→14:53 | 大田庁舎 | 杵築市循環バス |
大田支所前 | 16:34→17:00 | 大分空港 | 大交北部バス(快速空港リムジンバス) |
山香庁舎までは順調に行ったのですが、そこで循環バスを待てどもなかなか来ません。20分くらい経ってから市の職員に尋ねると、いろいろなところに電話をしてくれて、どうやら運転手が客がいないと勘違いして、庁舎まで入らず通過して行ったらしいとのことでした。支所の門から庁舎のバス乗場までは離れていて見通しは悪いです。職員氏は大変恐縮し、私を丁重にワゴン車で大田庁舎まで送り届けてくれました。せめてバス代の100円を払おうと思いましたが、とてもそんなことは言いだせない雰囲気でした。
10年前に貫通した2つの長いトンネルを抜け、10分少々で大田庁舎に着いてしまいましたが、職員氏の話によれば、この2つの町と村は合併前からほとんど交流がなく、循環バスもこの区間は利用客はほとんどない、もともと山香は杵築の、大田は豊後高田の文化・経済圏だったとのことです。
大田に着いてからは、外は寒く、周囲にも身を寄せるようなところがなかったので、庁舎の立派なロビーのソファーで次のバスを待つことにしました。すると循環バスの運転手が他の運転手と「山香で客が待っていたのに通過したと言って役場から怒られた」という話をしています。こちらも退屈だったので「その客が私です」と言って話に割って入りました。
運転手に言わせると、途中の病院で遅れが出たうえに、山香のバス乗場に人影が見えなかったので、庁舎まで入らずに通過したとのこと。路線バスに乗ることにかけてはエキスパートを自認している(乗鉄ならぬ乗バスの)私が、その時間にいない訳がないと言いたかったがここはグッと我慢。それよりもおかげで自治体バスの実情などをさりげなく聞くことができました。
地元のタクシー会社に運行を委託しており、平日のみ2台のバスを2人の運転手で運行しているが、タクシー会社の運転手8人でまわしているとのことでした。そのほかいろいろな話をしましたが、人口がどんどん減って景気が悪い、暗い話ばかりでした。役場はいったん予算を確保すれば利用客がいようといまいと運行は業者にまかせきり、業者もいるかいないかの客を相手ではモチベーションも上がるわけがない。だからバス停通過など日常的にあるのかも知れない。全国に自治体バスは多いものの、実情は似たようなものかも知れません。タクシー会社に外注するくらいならば、いっそのことタクシー利用者に補助を出した方が安上がりなのでは、とまで考えてしまいました。
そんななかで、自分の仕事もあっただろうに、一介のどうでもいい旅行者のために最後まで奔走してくれた若い役場職員氏の親切が大変印象に残りました。