いつもの通り、十番勝負の感想文を書かせていただきます。
今回は、「出題時に想定解数を提示しない」ということで、その分共通項が見つけにくい、ということから、このところよく取っている、「最初の採点が出るまでは解答せず模様眺め」という戦術を取ることにしました。
問二~トントントントン 日野の2トン~
ここまでの答えの流れから共通項はほぼつかめていましたが、想定解数が出ていないことから、境界線がどこにあるのか見えず、第2回採点まで来たところで古賀市がNGと出たのと、想定解数が発表されたので、ようやく「同音(字は違ってもよい)の町がある」と推測し、「雑学」にある「同一読みの市町村」と見比べて確認、ということになったのでした。
ところで、この問二の答え選びについては、前回・第58回の問五の答え選びが微妙に影響していました。この時の経緯は
[102824]に書き込んでいる通りですが、この時は久方ぶりのメダルがかかっていたこともあり、確認作業に時間を割けなかったことから、総領主になっている東京都の石高積み増しと、こちらも領主になっている市の地位固めの両狙いで、すぐに思いついた小平市を答えたことで、三島市が該当していたのは、未解答市の一覧にあったことでしたが、
[102824]に書いた通り、もし三島市が該当していたことを早いうちに知ったとしても、三島市の領主安泰と東京都の総石高積み増し(ひとまず50万石の大台を狙っていた)を天秤にかけた場合、どちらを取るのか、やはり相当悩ましい選択を強いられたのは必至でした。共通項の輪郭は既に第一回採点前に見当はついており、市盗りのライバルであるぺとぺとさんが三島市を答えることは既に想定の範囲内であり、そのことを織り込み済みである以上、前回の問五の選択が間違っていたというわけではなく、前回そのような戦術を取った以上、東京都の50万石越え狙いに舵を切ったわけだったのでしたが、後述するようにその後の展開は別の方向に進み、結局東京都の総石高積み増しはこの1万石だけに終わりました。
問一~富士の白雪ゃノーエ~
リンクの副題の画像を見ると、「流緋鶴」の文字があり、「ひかく」からまず「比較」が浮かんだわけですが、どこをどう比較するのか漠然過ぎて見当がつかない。何気なく、お題にあった高山市のHPを開いて、その中から「行政情報」を見ると、「平和への取り組み」というのがある。「ひかく」とは「非核」のことか…。お題には広島と長崎もある。銅メダルになった地元の相模原市には、市役所の前に「核兵器廃絶平和都市」の広告塔が建っているのは、市民になる前から(ほとんどは社用で)何回も見ている。高山市の「平和~」のページの末尾には「日本非核宣言自治体協議会」というのがあり、更にリンクをたどって行くと、「会員(自治体)一覧」がある。その中に三島市があった…。三島市のHPでも確認。2日で領主に返り咲きとなりました。
今回、この問一で5位に入ったのが唯一の入賞でした。
ノーヒントで答えられたのは、この2問。今回は新人の大量参加と若手のさらなる実力UPもあり、想定解が多い問題が多いとはいえ、答え選びに今まで以上に慎重にならざるを得ませんでした。
問八~Strawberry Fields Forever~
ヒント前に共通項の輪郭はつかめていましたが、線引きがどうなのか慎重に見極めしていたため、解答は結局第二ヒントが出た後になりました。お題の横浜市を初め、いくつかの市で「昨年中に市長が交代」ということが見え、市長会のHPにあたってみて、まず「昨年中に退任した市長」のページと見比べると、市長会に加盟している特別区の千代田区を除いて数えてみたところ、どうも数が想定解数より多い。NGになっていた龍ケ崎市は、昨年末の市長選挙で現職が落選したのをローカルニュースで知っていたのですが、その龍ケ崎市のHPを見たところ、その前市長の任期が1月中まで残っていたとわかる。ほかに、「首長と議員の任期特例」で、市長選と市議選の投票日を同じ日に行うため、市長の本来の任期が切れていても次期市長選がまだ行われていない市もあった。でもまだ数が1つ多い。全部を調べるのは面倒なので、「どこか元市長が返り咲いたところがあったのでは?」と推測。昨年4月に行われた、女性現職が敗れた市長選の結果(
[101537])を話題にし、そしてその「4月中に選挙」が共通項だった前々回・第57回の問二で答えた、今年の大河ドラマの主人公・北條義時とその一族の故郷でもある「ご当地」はやはり外せません。
問四~Eye of the Tiger~
副題リンクの地図を見ると「万町」、拡大すると「万町郵便局」があり、五千万字記念から「万」の字絡みかと思いましたが、答えの流れから見て違いそうだ。ふとリンクの地図の場所をSVで見ると、「海市」という名の料亭?が見えた。第二ヒントまで来て、「海に面し、お隣が全て「市」、だと見えた。「市町村隣接関係」のページを見て選ぶことにし、臨海部に市が連続している地域を見回したが、近県には市盗りに絡めそうな市もほとんどなく、久しぶりに関西から取ることにし、寅年にちなんで甲子園のお膝元・西宮市を。
問七~三島は近年開けたる 豆相線路の分かれ道~
副題のSVを見ると、「通り抜けできません」という工事看板がまず目に入り、第二ヒントは「ぐるっと回す」と解けたものの、「迂回路」とか、何か回るものを連想し、なかなか先に進めませんでした。ようやく第三ヒントの宇陀市の写真を見て拡大すると、市のマークが目に入り、それが「点対称図形」になっているようだ。そこで出てきた市のHPを片っ端から開いてみると、やはり「市のマークが点対称」ということのようだ。この時点で既に伊東市と下田市が出ており、三島市はどうなのか、と見ていると、真ん中の「波型」が微妙に見えるけれど、どうも「点対称」に見えそうだ。若干不安で少し様子を見たが、市盗りのライバルが来る前に答えることにした。結果はOK、ひとまず領主防衛となった。一関市がNGなのは「色が左右で違う」ことだ、とわかった。
問十~四方の山を見下ろして~
答えの出が早いのに、共通項がつかめないままずるずる行ってしまう、という、このところ毎回必ず出てくる「嫌なパターン」。副題のリンクを見ると、「TORAYA AOYAMA」(既に閉店したらしい)というのが出てきたので、まず「寅年」にちなんで「寅・虎」地名か、と思ったものの、お題もここまでの答えを見ても違いそうだ。ようやく見えたのは、第三ヒント。副題と同じ場所ながら、今度は「SDGs」だと。よく見かける割にその中身がいまいちよくわかっていないものだが、ともかくネット検索したら色々出てきて、その中にあった。昨年登録された市のリストにあった富士宮市で領主の石高積み増し。
問九~追いかけて 追いかけて~
言われてみれば単純な共通項でしたが、なかなか答えの出足が鈍く以外に考え込んだ問題でした。共通項が見えたのは、こちらも第三ヒントの画像。豊川市と豊橋市が隣接している、ということと、お題とここまでの流れから、「同一県内で頭の文字が共通」。「伊豆」とか「富士」の付く市から答えることもできましたが、一つくらいは市盗りしないと、ということで、「市盗り合戦・領国編」を見回して、ここを取ればとりあえず領主に復帰する八街市を。
問六~寒い夜は まだ胸の奥 鐘の音が聞こえる~
こちらも副題リンクを見て、漁港関係も疑ったものの、「海外」の文字が見え、その後の第一ヒントの東神楽町は旭川空港の一部がかかっていることが見えて、「外国の都市とを結ぶ定期便がある港・空港がある」と見当は付きましたが、答え選びにあたって、ここまで出てきた市の港や空港の状況を調べるのに時間を割いた結果、その分時間がかかった問題でした。外国との定期航路を調べるデータが意外になく、結局「空港」に絞ることにしたのですが、このご時世、国際線の乗り場はあっても「運休中」の空港が多く、「運休中でも普段なら国際線の定期便があればOKなのか」、また「絶対鉄板」の成田とか常滑がまだ出ていなかったのも不安でした。結局、ここまで出てきた空港がある市がいずれも「国際線が運休中でもOK」だったので、ここは「五稜郭」の奪還の道筋をつけることにしたのですが…。でも、そのあとすぐに「領主」が積み増しをしたので、「これは厳しい」と…。
この問六では、星野彼方さんが
[103843]でおっしゃっているように、共通項を「現在国際線が運航している空港または港がある市」とするのが分かりやすかったのではないか、と思いました。お題の輪島市は、輪島港からロシアの港に向かう不定期航路でもあるのかと思っていました。
ここからの2問は、皆さん方と同様、非常な苦闘を強いられた難問でした。
問三~行こう 行こう ハワイアンズ~
第二ヒントを「三個以上」と解いて、まず隣接関係かと思いましたが、全然違いそうだ。第三ヒントの映像を開いて拡大すると「DID」の文字が見えた。昨年の暮れに「DIDの消滅」が話題になっていたこともあり、「市内のDIDが3か所以上に分かれて存在している」ことだとわかりましたが、最新の国勢調査のデータが見つからず、結局、前回(平成27年)国勢調査時のDID地図を基として、あと、昨年末のDID白桃消滅にかかわる白桃さんとデスクトップ鉄さんのやり取りから断片的な補助資料とするしか策がありませんでした。そういうわけで、前回国調のDID地図を見回し、確実なところを取ることになり、元の5市を中心とした「寄合所帯」でありほぼそれぞれの旧市ごとにDIDがある(平と勿来は複数あり、内郷は平の中心部と連続。ほかに旧四倉町にも)いわき市を選ぶことに。第31回の「震災復興祈念」と銘打った大会の問六で答えており、ほぼ10年ぶりの解答でした。
問五~あなたと越えたい天城越え~
一見して人口が減っていそうな市が並んでおり、この方面だろうということはおおよそ見当はついていましたが、漠然としていて絞り切れず、第二ヒントを「五百限り」ではないかと解いたものの、人口減少数を見ると、国調で基本台帳でも数値の範囲が合わず、密度や面積を見ても合わない。次の第三ヒントの画像を見る「八幡宮」の字が見えて、「八万」に何か関係か、と思ったが全然関係なく手掛かりがつかめず(そういえば、以前「八幡」関係の問題がありましたな…第52回・問八)。ようやく第四ヒントまで来て「家減少」…戸数、世帯数の減少、その値が500以上、ということか。国勢調査の確定値が出て間もないこともあり、「国勢調査での減少数」ではないか、と見ましたが、「世帯数(の増減)」をネット検索すると、「住民基本台帳での数値」とか「1年間の増減」なども出てきてなかなか目指すデータにたどり着かない。ようやく国勢調査のページからいろいろとリンクして行くと、世帯数の増減も出ているexcelデータが見つかった。NGになっている登米市の減少数が499。該当市の数を数えるのは面倒でやめたが、伊豆地方で下田市と伊豆市が該当していた。想定解を再確認しているうちに下田市が出ていたので、もう一方の伊豆市を取ることに。結局、第三ヒントの意味するところは最後まで分からず、物議をかもした宇部市についても、excelデータでも見ることなかったので、こちらも理由が分かったのは感想文が出てきてからでした。
…これでようやく10問ノーミスで完答。解答順位が20位以下に終わったものもいくつかあった中にあって、最終着順は14位、かろうじて「定位置」の範囲の中に踏みとどまった形になりました。
今回の十番勝負について、私のような「めったにメダル狙いをせず、まず流れを読んでから」というスロースターターには厳しい、という意見もありましたが、私にとっては、いつも通りに近い戦術を取ることに徹したことにより、「マイペースを守り、誤答リスクを避ける」ということがどうにか今回もうまくいった、ということになるのでしょうか。一方、「想定解を出題時に提示しない」ということで共通項が見えづらくなり、その分、「まずメダル狙い」という速攻派の方々には、共通項をつかめない、見誤ったことによる誤答リスクも大きくなり、
[103857]でデスクトップ鉄さんがおっしゃるような現象
開始直後に上級者が誤答を重ね、上級者の誤答率が高かった(中略)上級者11名のうち、誤答がなかったのはスカンデルベクの鷲さんだけ、今回の金メダリスト6名の中ではあきごんさんだけ
メダルを狙える段階でリスクを取った解答者が問一、問五など誤答を量産
が起きた、ということになったのでしょうか。また共通項が見えない中での「博打」や、思い込んでいた別解による「まぐれ当たり」でメダルを得た、という方も見受けられたようです。また、参加者の増加により完答者も40人と大きく増えたにもかかわらず、ノーミスで完答したのが私を含め10人だけ(
[103864] 勿来丸さん)というのも、最近の大会では見られなかった「珍記録」だったのでしょうか。
全般に想定解数を多くして、「売り切れ御免」という想定解の少ない問題がなかった、ということで、終了直前に参加してくる人でも既に「売り切れ」で答えられない問題がなくなって、完答を狙いやすくなった反面、今後参加者がさらに増える傾向が続くと、想定解が少ない問題はいくら「良問」であっても出しにくくなり、せいぜい「47市問題」(1県1市問題)あたりが想定解数の下限、ということになることにもなるのでしょうか…。
♭今回の選曲は…
問二:トラック・バスなど大型自動車メーカーの発祥の地でしたが、もうすでにこの地から工場は撤退したそうです。
問一:この地に伝わる民謡から。
問八:伊豆の国市の特産品の1つ「苺」にちなんで(
[101989])。
問四:これはもうお分かりでしょうね…。
問七:鉄道唱歌・東海道編の16番の歌いだし。当時の三島駅は、まだ御殿場回りだったころの、現在の下土狩駅でした(
[94655])。
問十:ご存じの唱歌、「頭を雲の上に出し」の次のフレーズ。
問九:八街市の特産品にちなんで。ある年代以上の方には、その意味がすぐお判りでしょうね(笑)…
問六:函館市出身「灰色楽隊」の、故郷の冬景色を歌った名曲より(
[86710])。
問三:いわき市を代表する観光施設ですが、実は私はまだ行ったことがありません…。
問五:またまた超ワンパターン…