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YTさんの記事が30件見つかりました

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[110047]2024年2月13日
YT
[109965]2024年2月6日
YT
[109921]2024年1月25日
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[109894]2024年1月20日
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[109892]2024年1月20日
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[109885]2024年1月20日
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[109852]2024年1月14日
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[109574]2024年1月2日
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[109453]2023年12月29日
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[109440]2023年12月26日
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[109438]2023年12月26日
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[109430]2023年12月25日
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[109412]2023年12月22日
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[109402]2023年12月18日
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[109396]2023年12月15日
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[109393]2023年12月14日
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[109392]2023年12月14日
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[109381]2023年12月11日
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[109375]2023年12月8日
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[109370]2023年12月7日
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[109368]2023年12月7日
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[109364]2023年12月6日
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[109351]2023年12月5日
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[109336]2023年11月30日
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[109325]2023年11月27日
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[109321]2023年11月25日
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[109314]2023年11月21日
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[109309]2023年11月21日
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[109306]2023年11月20日
YT
[109305]2023年11月20日
YT

[110047] 2024年 2月 13日(火)11:10:00【2】訂正年月日
【1】2024年 2月 13日(火)11:29:20
【2】2024年 2月 13日(火)13:31:40
YT さん
海岸線延長、さらなる問題点
[109976] futsunoおじ さん

「自治体の最高点」での最高点の求め方は地理院地図に記載の三角点・標高点などの数値と地図中央の”+”カーソル位置の標高を比較して高い方を採用するといった単純なもので、何か克服したというものではありません。「DEM5A」「DEM10B」などの意味も考えず使っています。

ありがとうございます。現状では標高点から10メートル程度以内に基盤地図情報による最高点がある場合には、仮に最高点の方が標高が高くても標高点の標高を優先し、それよりも離れている場合には、より標高の高い方の情報を採用することにします。

海岸線延長についても悩んでおられるようですが地図の精度が向上して、より細かい凹凸が表示されるようになるにつれ海岸線が長くなる傾向はあるかなと思います。海岸線延長については出所を明示して適当と思われる値を利用することで良いのではないでしょうか。

おっしゃる通りです。

ちなみに[110035]であきごん さんが求められた円形度について、
(A) 新版 日本の島事典 (2022年)
(B) 2021 離島統計年報 (2023年)
(C) 新版 日本の島ガイド SHIMADAS (シマダス) (2019年)
(D) 2003 離島統計年報 (2004年)
で比較すると、ここまで数字に違いがでます(なお桜島はいずれの文献でも島扱いされていない)。

島名面積
(km2)
文献(A)
海岸線延長
(km)
文献(A)
円形度
文献(A)
面積
(km2)
文献(B)
海岸延長
(km)
文献(B)
円形度
文献(B)
面積
(km2)
文献(C)
周囲
(km)
文献(C)
円形度
文献(C)
面積
(km2)
文献(D)
海岸延長
(km)
文献(D)
円形度
文献(D)
南大東島30.52316925.2330.60230.5324.10.66130.5221.20.85330.5721.20.855
多良間島※19.80810623.2320.46119.8120.90.57019.8120.90.57021.8826.20.401
利尻島182.08744786.5670.305182.0964.00.559182.1264.00.559182.1565.10.540
三宅島55.19531855.0020.22955.2138.40.47155.2038.40.47055.4438.30.475
屋久島504.294137167.8150.225504.29126.70.395540.48126.70.423504.56126.70.395
島後241.531788180.9640.093241.55209.90.069242.83209.90.069241.58211.00.068
※2003離島統計年報の多良間島(19.73km2)の海岸延長(26.2km)は、水納島(2.15km2)を含むため、合計の面積で円形度を算出。


基本的に面積には大きな違いはありませんが、海岸線延長(島事典では解説編で「海岸線」、データ編で「海岸線延長」、離島統計年報では「海岸延長」、SHIMADASでは「周囲」と表記)では、日本の島事典とその他3つとの間の大きな差があります。

日本の島事典では、以下の解説があり、独自に面積と海岸線、標高を出したと伺えます。
面積については日本の島事典の数値はかなり信用が高く、国土地理院が公表していない1km2未満の島の面積については、現状もっとも信頼できると思われます。標高については、日本の島事典は基盤地図情報の利用が限定的であるため、データの確認が必要です。

●無人島データについて
【面積】 km2 【海岸線】 km 【標高】 m
国土数値情報によるが、記載のないものについても読者利益を図るために国土地理院の『地理院地図』(https://maps.gsi.go.jp )のデータツール機能を用いて、概要を仮測定している。それでも不明な場合は低島または「―」記載にした。海岸延長は島が島である基本情報であり、海から受ける影響度・利用・海との相互作用的近接性の指標そのものである。公的島基準もその長さで線引きしてきた。高島は目印や生態系多様性に関わり、また低島であっても領海・EEZ基点や渚生物の生態系環境保全上重要な干潟等であったりする。そこで可能な限り、それらのデータを洗い出した。
(中略)
●有人島データについて
【面積】 km2 【海岸線】 km 【標高】 m
無人島と同様。

一方SHIMADSの周囲の数値は、おそらく過去の離島統計年報の海岸延長を引用していると思われます。肝心の離島統計年報の掲げる海岸延長数字に関しましては、例えば2021離島統計年報では:

海岸延長は,国土交通省水管理・国土保全局の海岸統計調査(平成27年3月31日)等に基づく数値である。

2003離島統計年報では:

海岸延長は,「海岸統計平成12年度版」(国土交通省河川局編)による全国の総海岸延長である。

とは書いてあるのの、国交省の海岸統計には市区町村別まで海岸線延長の数字が示されており、「「離島振興法」に係る海岸線延長」という項目からある程度割り出すことは可能なのですが、個々の島の海岸線延長まで算出することはできません(参考[109921])。

とりあえず、手元にある令和2年度海岸統計によると、利尻町の延長は25.256km、利尻富士町の延長は38.743kmとあり、合計すると63.999kmとなっており、確かに離島統計年報が採用している64.0kmと一致しました。つまり離島統計年報やSHIMADASの数字は国交省系の数字で、独自に算出している日本の島事典の数字との違いは、「自然な海岸線」の解釈違いということになるのでしょうか?

日本の島事典はほとんどの島について海岸線延長の数値が得られるので便利ですが、国交省系の公的な数値との大幅な違いがあるということを念頭に入れないといけない・・・というあまり〆のない結論に達しました。

【追記】データを見返したら島後に関しては、国交省データよりも日本の島事典の方が低く出ていますね。国交省の令和2年度海岸統計によると隠岐の島町の延長が210.685km(全体が「「離島振興法」により指定された地域における海岸線延長」となっている)であり、それがそのまま島後の海岸延長として採用されているようですが、国交省データは無人の大森島(0.296496km2, 3.172 km)などは海岸延長に含めないのか?などと色々な疑問が出てきます。
[109965] 2024年 2月 6日(火)01:21:33【5】訂正年月日
【1】2024年 2月 6日(火)02:00:10
【2】2024年 2月 6日(火)11:16:47
【3】2024年 2月 6日(火)11:20:16
【4】2024年 2月 6日(火)20:45:29
【5】2024年 2月 7日(水)03:00:36
YT さん
標高点、三角点、最高点(最高地点)に関する問題
[109921]でも述べたように、有人島や面積1km2の島について、海岸線延長と最高点をまとめようとしているところですが、最高点(最高地点)についていろいろ問題があり、作業が滞っています。

まず国土地理院地図には、原則としてメートル単位で小数第1位まで表示されている三角点の標高と、原則としてメートル単位で整数値が示されている標高点があります。三角点は実際には小数第2位まで数字が存在しますが、これについては基準点成果等閲覧サービスを使えば、小数第2位の数字が入手可能です。

なお標高点に関しては、一応国土地理院の説明によると

標高点には、「現地測量による標高点」と「写真測量による標高点」があります。
現地測量による標高点とは、地図を作るときに現地で測量した点のことをいい、地図を使う人にそこの高さを教えるためにメートル以下1位までを表示しています。
写真測量による標高点とは、地図を作るときに空中写真を使って写真測量をおこなった点のことをいい、地図を使う人に高さを教えるためにメートルまでを表示しています。

ということで、三角点でなくともメートル単位で小数第1位まで表記されている標高点も存在するようですが、具体的な例は見つけておりません。

一方基盤地図情報を使えば、航空レーザ測量などに基づく詳しい地形情報が得られます・・・とは言ってもこれらのデータをダウンロードしても私には見方が分かりません。国土地理院地図の方でも標高は小数第1位(DEM10A以下では整数値)まで出せますが、その最大値を出すのは大変です。また国土地理院地図の「地図の種類」から「自分で作る色別標高図」の機能を使うと、自動的に最大値と最小値からグラディエーションを生成することが可能ですが、デフォルトでは0.5メートル単位でしか刻めません。

そこであきらめて基盤地図情報でダウンロードできる情報の使い方などを色々調べてみたところ、「地理院地図の「自分で作る色別標高図」の標高値を0.1m刻みで設定できるサンプルサイト」という便利なツールを提供しているところがありました。これにより地理院地図上で標高を刻むことにより、基盤地図情報による標高の最大値を出すことが可能となりました!

そこで早速色々島の情報を調べてみたのですが、色々問題があることが分かりました。


1.ユルリ島(北海道根室市)の場合
ユルリ島には二等三角点「由留利島」があり、その標高は基準点成果等閲覧サービスによると42.21メートルです。しかしながらDEM5Aによると、三角点から約30メートル程西に離れた場所に標高42.6メートルの地点が存在します。三角点が最高点とは限らない原則に立ち返れば、ここの最高点の標高としては43メートルを採用します。


2.大黒島(北海道厚岸町)の場合
大黒島には標高102.34メートルの三等三角点「大黒島」がありますが、ここが最高点ではなく、別に標高105メートルの標高点が存在します。しかしながらDEM5Aによると、標高点から10メートル以内の近傍が存在します。これを採用すると107メートルなのですが、ここで標高点と、基盤地図情報のどちらを信用するかという問題が発生しますが、そもそも標高点は写真測量などによって決めたもので、内容的には航空レーダーを使っているDEM5A(誤差0.3メートル以内)の方が上位な気もしますが、この誤差については

※1 格子内に航空レーザ計測点(グラウンドデータ)がある場合の精度。無い場合は2.0メートル以内。

との脚注があり、写真測量(例えばDEM5Bの場合の誤差は0.7メートル以内)の方が誤差が少なくなるようにも読み取れます。色々迷いましたが、この場合は標高点の方の数字である105メートルを採用します。


3.天売島(北海道羽幌町)の場合
天売島には標高183.49メートルの一等三角点「天売島」がありますが、国土地理院地図上では183.5メートルと表記されます。つまりメートル単位では国土地理院地図上の表記(183.5メートル)と基準点詳細(183.49メートル)の間で丸め誤差が発生してしまいますが、183.49メートルという数字が存在してしまうことが分かった以上、ここでは標高183メートルを最高点の標高採用するべきでしょう。一方DEM5Aでは三角点の標高は182.3メートルで、三角点から北東に約700メートルも離れた位置に標高182.7メートルの最高点が存在していることになっています。まあこの地点は三角点の標高よりも低いので採用しませんが、四捨五入してしまえば同じ183メートルとなります。


4.八丈島(東京都八丈町)の場合
八丈島には二等三角点「八丈富士」があり、その標高は基準点成果等閲覧サービスによると854.25メートルです。しかしながらDEM5Aによると、三角点(DEM5Aでは近傍に標高853.1メートル)から北西に約400メートル離れた場所に標高856.6メートルの地点が存在します。三角点が最高点とは限らない原則に立ち返れば、八丈島の最高点の標高は857メートルを採用します。この場合一般的に知られている八丈富士の標高854メートルよりも3メートルも高くなってしまいます。


5.天神島(神奈川県横須賀市)の場合
天神島には標高20.15メートルの四等三角点「佐島」があり、そこが『新版 日本の島事典』などでは最高点として採用されています。しかしながらこの三角点が存在する地点のDEM5Aによる標高は1.8メートルで、三角点が記録する標高よりも18メートル以上も低く、とても誤差といえるレベルではありません。場所からすると、三角点は佐島マリーンホテル内、おそらく建物の屋上にあるのではないか?と思って調べたら、実際に写真を撮影したサイトがありました。
三角点名:佐島、コード:TR45239646801
住所:横須賀市佐島3丁目、標高20.15m
北緯35°13′17″.0338、東経139°36′15″.4797
備考:佐島マリーナの屋上、案内に感謝
2016.08.20 近景 H.S
2016.08.20 全景 H.S
本当にホテルの屋上の一角に三角点がありました。

一方基盤地図情報を使ってみると、天神島の場合はこの三角点から約100メートルほど西に行った場所にDEM10Bによる標高4メートルの地点があります。ほんの数十メートルほどの差で、DME5AからDEM10Bに切り替わっていますが、まあ島全体に標高は4メートル以下のようです。三角点がホテルの屋上に設置されていたという特殊事情に鑑みて、天神島の最高点としては4メートルを採用するべきでしょう。


6.舳倉島(石川県輪島市)の場合
舳倉島には一等三角点「舳倉島」があり、その標高は国土地理院地図では12.5メートルですが、なぜか基準点成果等閲覧サービスでは「成果異常」となって詳しい数字が閲覧できません・・・と思ったら、「令和6年能登半島地震」における公共測量への対応」によると

国土地理院では令和6年1月1日に発生した石川県能登地方の地震(最大震度7)を受け、1月5日以降地震発生地域及びその周辺(以下「当該地域」という。)に位置する基本基準点(三角点、電子基準点、水準点)の測量成果の公開を停止しています。なお、2月7日(水)に電子基準点「輪島2」「P輪島」「舳倉島」を除く電子基準点については成果を改定し公開を再開する予定です。
 当該地域では地震活動に伴う大きな地殻変動の影響により、既設の公共基準点も影響を受けている可能性があります。このため、既設の公共基準点の地震発生前の成果を使用して測量を行った場合、正確な成果を得ることができません。また、これまで国土地理院の基準点成果等閲覧サービスにおいて公開していた公共基準点成果についても、地震前の成果が公共測量で使用されることがないよう、当該地域(市町村単位)を対象に閲覧を停止しています。
 当該地域において公共測量等を実施する際の対応方法と留意事項を取りまとめましたので、御確認の上、検討・実施をお願いします。

とのことで、まさに地震の影響を受けてしまっています。実は「三角点で日本全国津々浦々」というサイトがあり、そこで
石川県の三角点の標高を小数第2位までの数字まで閲覧できるのですが、それによると一等三角点「舳倉島」の標高は12.43メートルです。しかしながらこの情報は2011年の時のもので、四捨五入で12.4メートルとなり、国土地理院の12.5メートルとは異なります。どうやら2014年~2019年(SHIMADAS改訂)の間に、おそらくは平成26、28年 三角点標高成果改定の一環として、12.4メートル→12.5メートルと変更になるような改測または改算があったようなのですが改訂後の数字が分かりません。まあどうでも良いかも知れませんが、メートル単位表記(12.5メートルを四捨五入すると13メートル)にしたときに丸目誤差が発生している可能性が残ります。まあここはいずれ数字が公表されますし、多分震災で標高も変わった可能性が高いです。

【追記:三角点マップという、世の中には便利にまとめてくれている人がいました。これによると舳倉島は12.51メートルで、四捨五入すると13メートルですね】

なお、基盤地図情報では、標高12メートルの地点が最高標高です。ただしこの数字は精度の低いDEM10Bですので、小数第1位の数字も示されません。


7.佐久島(愛知県西尾市)の場合
佐久島には二等三角点「佐久島」があり、その標高は基準点成果等閲覧サービスによると38.05メートルです。しかしながらDEM5Aによると、ほぼ三角点と同じ場所に標高38.1メートルの地点が存在します。三角点が最高点とは限らない原則に立ち返れば、ここの最高点の標高は38.1メートルですが、結局四捨五入をしてしまえば38メートルとなります。

しかしながら問題となるのが、DEM5Aでは三角点から西北西へ約860メートルも離れた別の場所に標高38.9メートルの最高点があることです。しかしながら国土地理院地図では、ほぼ同じ位置に標高35メートルの標高点があります。DEM5Aの数字を採用すると、この標高点の標高は35メートルではなくて39メートルとなり、島一番の最高点となってしまいますが、標高点の数字を優先すると、この場所の標高は35メートルであり、この島の最高点は三角点近辺の38メートルとなります。

DEM5Aは誤差0.3メートル以内、格子内に航空レーザ計測点(グラウンドデータ)がない場合には誤差2.0メートル以内とされているので、この場合の35メートル地点における39メートルに対する誤差は約4メートルとして偏差は2σ(正規分布であれば外れは5%)、あるいは35.5メートルからの誤差3.4メートルとして偏差は1.7σ(正規分布であれば外れは9%)となり、どちらにせよDEM5Aによる標高の数値と標高点の標高の数値の間の誤差が大きすぎます。本当に標高値として示されている35メートルを信用していいのかという問題がありますが、とりあえずは佐久島の最高点は標高38メートルを採用します。

ここに来て、国土地理院地図の標高点が本当に極大値を考慮して三角点とは別に設定されたのか、そもそも標高点の値を信じていいのかという問題が出てきました。

改めてfutsunoおじ さんが過去に作成された地名コレクション「自治体の最高点」の過去ログを読んで、対応を考慮しているところです。既にfutsunoおじ さんが既に克服された内容かも知れません。

【国土地理院地図へのリンクを一部修正】
[109921] 2024年 1月 25日(木)01:38:18【7】訂正年月日
【1】2024年 1月 25日(木)03:34:35
【2】2024年 1月 25日(木)05:00:35
【3】2024年 1月 25日(木)05:03:53
【4】2024年 1月 25日(木)05:09:10
【5】2024年 1月 25日(木)10:36:43
【6】2024年 1月 25日(木)10:46:34
【7】2024年 1月 25日(木)16:12:50
YT さん
島の海岸線延長、最高点をまとめるにあたっての問題点
現在日本の有人島一覧では、有人島の直近2回の国勢調査人口と面積の情報がまとまっていますが、『新版 日本の島事典』(2022年)にせよ『SHIMADAS』(2019年)にせよ『離島統計年報』にせよ、島に関しては面積に加え、海岸線延長と最高点の情報がまとまっています。例えば『新版 日本の島事典』の場合、北海道の有人島の基本データは以下の通りとなっています(利尻島に利尻富士町が抜けていますが、原表ママ)。

島名よみ所在地面積(km2)海岸線延長(km)最高点(m)人工/自然
小島こじま厚岸郡厚岸町0.0480320.84827.0自然島
利尻島りしりとう利尻郡利尻町182.08744786.5671,721.0自然島
礼文島れぶんとう礼文郡礼文町81.25469790.533489.8自然島
天売島てうりとう苫前郡羽幌町5.47089815.143183.5自然島
焼尻島やぎしりとう苫前郡羽幌町5.19495413.81659.9自然島
奥尻島おくしりとう奥尻郡奥尻町142.70326886.046584.0自然島

これだけ数値が揃っているので、海岸線延長(km)と最高点(m)についてすべての有人島でまとめられそうに思いましたが・・・海岸線延長にせよ最高点にせよ、このまま用いるには色々問題点がありました。

まず海岸線延長については、北海道、本州、四国、九州、沖縄島の5島の海岸線延長に関して古い情報しか入手できないという問題があります。『新編 日本の島事典』の場合、個々の項目として5島の海岸線延長の情報が載っておりますが、沖縄島を除き、『第六十三回日本統計年鑑』(平成26年)の「周囲」の数値を用いていることが分かります(平成27年以降の日本統計年鑑ではこの項目が削除されて無くなっている)。

島名『日本の島事典』の「海岸線延長(km)」『第六十三回日本統計年鑑』の「周囲(km)」
北海道2,6762,676
本州10,08410,084
四国2,0912,091
九州3,8883,888
沖縄島476501

問題はこの数値なのですが、『第六十三回日本統計年鑑』によると

「周囲」は昭和61年(色丹島,国後島及び択捉島は44年)海上保安庁による。

とあり、なんと1986年のデータを使いまわしていたことが判明しました。自分ですらまだギリ小学生を卒業するかどうかの頃で、いくらなんでも古すぎます。

一応関連する海岸統計を探したところ、まず第4回自然環境保全基礎調査 海岸調査全国版 平成6年(1994年)3月と、第5回自然環境保全基礎調査 海部調査 1998年3月が挙げれ、それぞれ1993年度と1996年度の海岸延長が、本土域と島嶼域に分割されて集計されています。

(開く)自然環境保全基礎調査による海岸延長(1993年、1996年)

ここから北海道、本州、四国、九州の海岸線の長さを求めることが可能ですが、沖縄県は全域が島嶼域になっていて、沖縄島の海岸延長は算出できません。また1996年度は兵庫県で調査が実施されておらず(阪神淡路大震災の影響?)、本州の本土域海岸延長の計算には1993年度版の数値を用いてます。その結果四島の海岸線延長は、北海道が2,676km(1986年)、2,747.70 km (1993年)、2,840.33 km (1996年)、本州が10,084 km (1986年)、10,269.46 km (1993年)、10,640.26 km (1996年)、四国が2,091 km (1986年)、2,127.18 km (1993年)、2,167.50 km (1996年)、九州が3,888 km (1986年)、3,899.84 km (1993年)、4,068.73 km (1996年)と、十数年間の間にもどんどん海岸線が伸びているという結果となりました。残念ながら自然環境保全基礎調査は第五回調査を最後に実施されていませんので、21世紀に測量された海岸線延長の数値が入手できませんでした。

一方国土交通省は毎年「海岸統計」を発表していますが、こちらの方では本土域と島嶼域にわけて海岸線延長を公表していません。実は「離島振興法」、「小笠原諸島振興開発特別措置法」、「奄美群島振興開発特別措置法」に係る海岸線延長を内訳として公表はしているのですが、例えば「離島振興法」の対象となっていない無人の離島の海岸線延長がどうなっているのか、さっぱり分かりません。佐渡の海岸線が「離島振興法」に係るものと等しい、伊豆小笠原の海岸線が「離島振興法」および「小笠原諸島振興開発特別措置法」に係るものと等しいなど、結構適当な処理がなされているようにも見えますが、一方で五島・壱岐・対馬の海岸線に関しては、全部離島なのに「離島振興法」に係るものとの間に差があります。よって「離島振興法」の対象となっていない無人の離島がすべて調査の対象外となっているなどと断定することはできません。よって国土交通省の海岸統計から北海道、本州、四国、九州の海岸線延長を算出することはできません。

(開く)(令和2年度) 海岸統計

まあ、淡路のすべての海岸線、八代湾の熊本県のうち上天草市・蘆北町・天草市の海岸線、天草西のすべての海岸線を離島扱いにして、他の無人の離島の海岸線は計算に入っていないと仮定して無理やり計算すると、北海道2,854,386メートル、本州12,888,601メートル、四国2,840,644 メートル、九州5,205,820メートルとなります。また、那覇市~豊美城市の海岸線延長の合計(782,566メートル)から離島統計年報掲載の水納島・津堅島・久高島・瀬底島・古宇利島・伊計島・宮城島・浜比嘉島の合計(19.22キロメートル)を減じると、沖縄島の海岸線延長は763,346メートル・・・となりますが、多分何れも実際よりもかなり多く見積もられていると推察されてしまうような値となってしまいます。

(開く)海岸線延長(単位:km)のまとめ(注意:海岸統計由来の数字は信頼性なし)


次に最高点の問題点ですが、『日本の島事典』がまとめている最高点の数字は、しばしば三角点の標高を採用していて、最高点ではないことが多いのです。例えば、上にまとめた北海道の事例ですが、焼尻島の最高点が59.9メートルとなっていますが、SHIMADASによると実際の最高点は94メートルです。国土地理院の地図を見ると、59.9メートルというのは三角点(地図記号で「•」の入った「△」)の標高であり、国土地理院地図に書き込まれている標高点(地図記号で「•」)で最高のものは94メートルです。

しかしながらすべての島で最高点に標高点が示されているとは限りません。例えば三浦半島の城ヶ島の場合、29.8メートルの位置に三角点がありますが、実際の最高点は、SHIMADASによると35メートルです。しかしながらこの35メートル地点(三角点から東南東300メートル離れたがけの上)には国土地理院地図では標高点が示されておりません。実際に国土地理院地図を使って最高点を探してみると、基盤地図情報数値標高モデルDEM5A(高さ精度0.3メートル以内)をソースとする36.0メートル地図が存在し、日本の島事典(29.8メートル)ともSHIMADAS(35メートル)とも異なります。

琵琶湖の沖島の場合、三角点が置かれているのは220.2メートル地点で、SHIMADASでも標高220メートルが最高点として採用されています。しかしながら、その三角点の東北東300メートル程離れたところに真の最高点が存在し、基盤地図情報数値標高モデルDEM5B(高さ精度0.7メートル以内)をソースとする224.0メートル地点が存在し、三角点よりも4メートルも高い地点となります。

ただ基盤地図情報数値標高モデルのDEM5AやDEM5Bの数値は万能ではありません。富士山の場合、三角点が置かれているのは3775.5メートル地点(実測値は3775.51メートル)ですが、地図上に示された標高点は3776メートルが最高で、実測値は3776.12メートルです。ところがDEM5Aでは、3774.4メートル地点が最高となっています。

現状では、国土地理院地図上で最高地点付近に標高点がある場合は、その数字の方を採用し、そうでない場合には基盤地図情報数値標高モデルの数字を採用することになるかと思います。ただ手作業でこれを調べるのは大変です。

【追記】国土地理院地図ですと、天売島の最高点となる三角点の標高は183.5メートルですが、基準点成果等閲覧サービス(国土地理院)を使ったところ、三角点の標高は183.49メートル(2016年2月1日更新)となっていました。つまり国土地理院地図の183.5メートルをそのまま下一桁目で四捨五入すると184メートルになってしまいますが、基準点成果閲覧サービスの数値を下一桁目で四捨五入すると183メートルです。一方DEM5Cデータ(高さ精度1.4メートル以内)だと、多分最高点は182.3メートルになります。SHIMADASが採用している数字は185メートルです。つまり天売島の最高点の標高は、SHIMADASを採用すると185メートル、国土地理院地図の数字を採用すると184メートル、基準点成果等閲覧サービスを利用すると183メートル、DEM5Cだと182メートルとなっていまいます。現状では三角点の正しい標高は183メートルですが、三角点が最高点に置かれているとは限らないとすると1センチぐらいは誤差で、184メートルを採用するべきなのかも知れませんし、もうどの数字が正しいのか分かりません。

【追記の追記】基準点成果等閲覧サービスで富士山を確認したところ、二等三角点は3775.51メートルで問題ないけれど、電子基準点(基準点コードEL15338053802)だと3774.90メートルという情報(基本基準点全体にチェックを入れて検索した場合)と3777.41メートルという情報(電子基準点にだけチェックを入れて検索した場合)が混在する・・・
電子基準点は実際よりも高いところに設置されているとはいえ(参考(2002年の記事))、なぜ2つの数字が混在するのでしょうか?
[109894] 2024年 1月 20日(土)17:33:42YT さん
Re^3: 執念の野牛島?
オーナーグリグリさん

[109892] YTさん、修正しました。ご確認、ありがとうございした。

ありがとうございます。確認しました。

現時点で多少気になっている点は、『2021離島統計年報』(2023年4月発売)と、「令和5年度 長崎県の離島(離島振興対策実施地域)」(pdf」, 2023年6月更新)との間で、中通島/頭ヶ島と久賀島/蕨小島の人口に1人の差が出ていることです。現状では離島統計年報の情報の方を優先していますが、2024年4月発売になると思われる『2022離島統計年報』でいくつか情報更新が行われる可能性はあります。

また[109852] で少し述べました、萩市須佐の平嶋、西海市西彼町白似田郷の小島(伊能測量日記の「イガ島」、おそらく長崎県統計年鑑で1971年から1980年代前半にかけて有人島として扱われた「前小島」)と長島(伊能測量日記の「小島大」)の有人島の可能性については、もう少し情報が集まってからまとめます。
[109892] 2024年 1月 20日(土)14:20:11【2】訂正年月日
【1】2024年 1月 20日(土)16:40:25
【2】2024年 1月 20日(土)17:14:48
YT さん
Re: 執念の野牛島?
オーナーグリグリさん

ということで、日本の有人島一覧の全ページを更新しましたのでご確認ください。YTさん、改めましておめでとうございます。そして今後ともよろしくお願いいたします。

ありがとうございます。間違いではないのですが、統一がとれていない箇所が一箇所あります。

313.前小島の市区町村 (小地域区分)の内、「[1370-10010の一部]」部分が緑字になっていません。

【追記】すみません。
「[1370-10010]の一部」と、「の一部」を[]の外側に括りだす方に統一する必要もありました。
多分333.前島を参考に書いたのですが、よく見たら313.前小島と333.前島の双方が、ほかとは違う書き方になっていました。

#島名要修正箇所修正前修正後備考
313前小島市区町村 (小地域区分)五島市 (岐宿町河務の一部 [1370-10010の一部])五島市 (岐宿町河務の一部 [1370-10010]の一部)「の一部」を括弧の外に出し、「[1370-10010]の一部」部分を緑色にする。
333前島市区町村 (小地域区分)天草市 (御所浦字下脇の一部 [0500-09090の一部])天草市 (御所浦字下脇の一部 [0500-09090]の一部)「の一部」を括弧の外に出す。

この2点の修正に訂正します。
[109885] 2024年 1月 20日(土)01:10:20【5】訂正年月日
【1】2024年 1月 20日(土)01:50:26
【2】2024年 1月 20日(土)06:22:39
【3】2024年 1月 20日(土)06:46:13
【4】2024年 1月 20日(土)14:13:38
【5】2024年 1月 20日(土)15:46:31
YT さん
ゼンリン住宅地図を用いた野牛島、大矢野島の推定人口と、「日本の有人島一覧」の追加修正箇所まとめ更新
現在日本の有人島一覧で唯一推定人口を分離できていないのが、熊本県上天草市中の野牛島と、隣接する大矢野島です。SHIMADASによると、野牛島は1968年10月に無人化したが、1976年に大矢野島と維和島を結ぶ橋脚島となり、近年ではクルマエビ養殖などで再有人化したとあります。

実際に1975年2月28日のカラー航空写真では、島には家がありませんが、1988年9月28日の白黒航空写真では既に数軒家が建っており、1994年9月13日の白黒航空写真では、現代の衛星写真とほぼ同じ位置に家が建っています。

なお国勢調査の上天草市の基本単位区0030-00090(旧大矢野町大字中の一部)は、野牛島のみならず、大矢野島の野米地区、南方沖合の無人島である権平島、横島までを含みます。該当地区の国調人口は以下のように推移しており、2015年と2020年では世帯数に変化はありません。

西暦世帯数人口1世帯当たり人員
1995年511152.255
2000年491092.224
2005年41842.049
2010年35772.200
2015年29702.414
2020年29632.172

そこでふと、ゼンリン住宅地図に掲載されている建物の情報を用いてみたら、世帯数の変化がない2015年以降の人口の推定に使えるのではないかと思いました。ゼンリン住宅地図でもすべての建物に居住者の姓/姓名が表示されているわけではありませんし、姓/姓名の表示があるからと言ってそこが常住居住地とは限らず、逆にないからと言ってそこが空き家であるとか判断はできませんが、地図に掲載されている「姓」の数は世帯数とある程度は相関があるでしょう。残念ながらアパート、マンションの場合はゼンリン住宅地図でも構成世帯数が分からないケースが多いようです。ただ当該箇所で唯一アパートと思われるのは、西大維橋を渡ったところにある大矢野島側の「天草釣堀レジャーランド第一駐車場」脇の3階建ての建物ですが、テナント情報がなく、ぱっと見生活感がないので、ここでは無視します。

実際に基本単位区上天草市0030-00090について、ゼンリン住宅地図から「姓」/「姓名」が表示されている建物を抽出し、その数をカウントしたところ、以下の通りとなりました。

島・地域ゼンリン住宅地図上での世帯数
野牛島6
大矢野島野米地区30

過疎化が進行している地方の場合は、建物の所有者名が示されていても実際には空き家であるケースが増えていくため、ゼンリン住宅地図に示されている姓/姓名付き建物の数が実際の世帯数を上回ることは多くあり得ます。当該地区も、ゼンリン住宅地図の建物に示されている世帯の数は、直近の国勢調査時の世帯数である29世帯よりも多い36世帯となっています。そこで2015年、2020年国調人口からゼンリン住宅地図上での世帯数の比で按分することで野牛島の推定世帯数と推定人口を算出しますと、2015年5世帯12人、2020年5世帯11人となります。この数字を採用しますと、日本の有人島一覧掲載のすべての島について、一応根拠のある推定人口を出すことに成功したことになります。

今回の野牛島と大矢野島の推定人口と、[109852]の修正を一つにまとめますと、以下の通りとなります。

#島名修正項目修正前修正後備考
29青ケ島島名青ケ島青ヶ島ケ→ヶ
29青ケ島市区町村 (小地域区分)八丈支庁 青ケ島村八丈支庁 青ヶ島村ケ→ヶ
292鹿島人口(2020年)67人口修正漏れ
292鹿島人口密度35.341.2人口修正漏れ
300中通島市区町村 (小地域区分)新上五島町 (新上五島町:頭ケ島,桐ノ小島,若松島,漁生浦島,有福島,日ノ島を除く)新上五島町 (新上五島町:頭ヶ島,桐ノ小島,若松島,漁生浦島,有福島,日島を除く)頭ケ島→頭ヶ島、日ノ島→日島
301頭ケ島島名頭ケ島頭ヶ島ケ→ヶ
306日ノ島島名日ノ島日島ノを削除
312福江島市区町村 (小地域区分)五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,前小島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)除外地域に前小島追加
313前小島市区町村 (小地域区分)五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)五島市 (岐宿町河務の一部 [1370-10010の一部])前小島の小地域区分の修正漏れ
321大矢野島※注野牛島を含む上天草市[0030-00090] (2020年63人, 2015年70人)から大矢野島分を分離できない野牛島(熊本県上天草市)の人口推定処理の影響あり注を差し替え
321大矢野島人口(2020年)11,09011,079野牛島の推定人口分離に伴う修正
321大矢野島人口(2015年)11,90511,893野牛島の推定人口分離に伴う修正
321大矢野島人口密度367.2366.9野牛島の推定人口分離に伴う修正
322野牛島※注野牛島を含む上天草市[0030-00090] (2020年63人, 2015年70人)から大矢野島分を分離できない2020年, 2015年国調人口は上天草市[0030-00090] (2020年63人, 2015年70人)とゼンリン住宅地図記載の世帯数比(2024年1月19日閲覧、6世帯/36世帯)により推定注を差し替え
322野牛島人口(2020年)11人口推定に伴う修正
322野牛島人口(2015年)12人口推定に伴う修正
322野牛島人口密度78.6人口推定に伴う修正
348島野浦島島名島野浦島島浦島野を削除
391奥武島項目全体391/奥武島/沖縄県 名護市 (字真喜屋の一部 [0360ー00020])/29/30/0.25/116.0項目を全削除
434沖縄島人口(2020年)1,335,7041,335,733奥武島の削除に伴う修正
434沖縄島人口(2015年)1,301,7531,301,787奥武島、瀬長島の削除に伴う修正
434沖縄島人口密度1,105.21,105.3奥武島、瀬長島の削除に伴う修正

またデータ項目の説明の内、5. 人口算出における詳細注記の(6) 熊本県の大矢野島と野牛島については

(6) 熊本県の大矢野島と野牛島
 人口を分離するための有効なデータ見つからず、両島の人口を大矢野島欄に一括表示。



(6) 熊本県の大矢野島と野牛島
 国勢調査の基本単位区人口に占めるゼンリン住宅地図記載の世帯数比から人口を推定

と修正することになります。

以上、よろしくお願いします。

【追記:鹿島の人口修正に伴い人口密度も要修正、ゼンリン住宅地図は2024年1月19日閲覧による】
[109852] 2024年 1月 14日(日)17:31:06【2】訂正年月日
【1】2024年 1月 14日(日)22:30:56
【2】2024年 1月 14日(日)22:33:45
YT さん
有人島リストの修正:名護市の奥武島の削除と一部島名表記の修正
[109437] オーナー グリグリさん

一通り確認していますが、訂正漏れ等ありましたらご指摘ください。

すみません。要修正箇所が幾つか見つかりました。なお今回の修正内容による十番勝負の結果への影響はありません。

まずは以前[109336]の投稿で、以下のように名護市の奥武島を有人認定してしまいましたが、これは私の早とちりのようでした。

さらに陸繋島の情報を色々調べたところ、沖縄県名護市の奥武島(奥武島はほかにもありますが、これは屋我地島と沖縄本土を結ぶ島)が国勢調査で有人(2020年国勢調査人口29人)であること、

しかしながら、綿貫堂 島旅とエスニックのブログというサイトを運営されており、実際に離島を数多く訪れてきたワタヌキモンという方とのやりとりの中で、名護市の奥武島について

奥武島 行きましたが、ほんと墓しかなく、どこに集落があるのだろうと疑問ですが謎ですね、猫はたくさんいますが

との返事を頂きました。実際に名護市の奥武島を訪れた方の貴重な証言です。あれ?と思い改めて国勢調査の基本単位区である名護市字真喜屋の一部[0360ー00020]の範囲を見直してみたところ・・・すみません。やらかしていました。名護市字真喜屋の一部[0360ー00020]は奥武島と本土を結ぶ羽地奥武橋の細い領域を通じて本土側と接続しており、本土側の集落を含んでいることを見落としておりました。『SHIMADAS』(2019年)や『新版 日本の島事典』(2022年)などでは、名護市の奥武島についていずれも「無人島」、「墓地のみ」と強調されており、google mapなどの衛星写真で見られる建物のようなものは全部墓地であったのでしょう。基本単位区名護市0360ー00020の人口はすべて本土側に居住していると考えらえれ、名護市奥武島の項目については削除をお願いします。これにともない沖縄島の人口も要修正となります。

このほか長崎県諫早市鹿島の2020年の人口が修正されていませんでした(九州の人口自体は修正後に対応していました)。また長崎県五島市の福江島、前小島の小地域区分がおかしくなっていました。

これに併せて、一部島名についてより公的、またはより一般的な表記(青ケ島→青ヶ島、頭ケ島→頭ヶ島、日ノ島→日島、島野浦島→島浦島)に修正したいと思います。


以下要修正に気付いた10点です。


1.29 青ケ島 (東京都 八丈支庁 青ケ島村)
青ケ島→青ヶ島に修正(「ケ」を「ヶ」に修正)
青ケ島村→青ヶ島村に修正(「ケ」を「ヶ」に修正)
「青ケ島」を採用しているのは2021離島統計年報のみで、SHIMADAS(2019年)、新版 日本の島事典(2022年)、国土地理院地図、国土地理院面積調、日本歴史地名体系は「青ヶ島」を採用しています。そもそも国勢調査報告書に記載の自治体名としても「青ヶ島」であり、「青ヶ島」の方がより公的かつ標準的な名称といえます。

2.292.鹿島 (長崎県 諫早市 (多良見町船津伊木力舟津の一部 [7270-27010]の一部))
2020年の人口を「6」から「7」に修正。
[109381][109412][109438]などの修正案で示したように、こちらはritokeiの情報により2020年国調人口を7人で確定としました。九州の人口修正値には織り込み済みです。

3.301.頭ケ島 (長崎県 新上五島町 (友住郷の一部 [0330-14010]))
頭ケ島→頭ヶ島に修正(「ケ」を「ヶ」に修正)
「頭ケ島」を採用しているのは2021離島統計年報、新版 角川日本地名大辞典、長崎県統計年鑑(昭和34年、昭和36年~昭和37年、昭和54年~昭和55年、昭和57年、令和元年以降)で、「頭ヶ島」を採用しているのはSHIMADAS(2019年)、新版 日本の島事典(2022年)、国土地理院地図、国土地理院面積調、日本歴史地名体系、長崎県統計書(昭和30年、昭和35年、昭和53年、昭和56年、昭和58年~昭和59年)で、「頭島」を採用しているのは長崎県統計年鑑(昭和27年~昭和28年、昭和38年~昭和52年、昭和63年~平成28年)で、「頭ガ島」を採用しているのは長崎県統計年鑑(昭和29年)です。このように長崎県統計年鑑では過去に4通りの書き方(頭ヶ島、頭ケ島、頭ガ島、頭島)をしており、もはやどれが一般なのか不明ですが、SHIMADASを始め、その他の文献に関しては「頭ヶ島」を採用している方が多く標準的に見えるので、「頭ヶ島」に変更します。

4.306 日ノ島 (長崎県 新上五島町 (日島郷))
日ノ島→日島に修正(「ノ」を削除)
「日ノ島」を採用しているのは2021離島統計年報、長崎県統計年鑑(昭和41年~平成28年)、で、「日島」を採用しているのはSHIMADAS(2019年)、新版 日本の島事典(2022年)、国土地理院地図、国土地理院面積調、長崎県統計年鑑(昭和27年~昭和40年、令和元年以降)、日本歴史地名体系です。新版 角川日本地名大辞典では両方の見出しあり。また国勢調査小地域統計に記載の大字・町名は「日島郷」です。「日ノ島」表記は十分使われているものですが、かつて「日島村」が存在したように、「日島」表記の方が行政面からもより公的、標準的に見えるので変更します。

5.300.中通島 (長崎県 新上五島町 (新上五島町:頭ケ島,桐ノ小島,若松島,漁生浦島,有福島,日ノ島を除く))
市区町村 (小地域区分)を「新上五島町 (新上五島町:頭ケ島,桐ノ小島,若松島,漁生浦島,有福島,日ノ島を除く)」から「新上五島町 (新上五島町:頭ヶ島,桐ノ小島,若松島,漁生浦島,有福島,日島を除く))」と修正
「頭ケ島」→「頭ヶ島」、「日ノ島」→「日島」の修正に伴うものです。

6.312.福江島 (長崎県 五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く))
市区町村 (小地域区分)を「五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)」から「五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,前小島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)」と修正し、除外項目に「前小島」を追加する。
すみません。次の前小島とともに、小地域区分の表記が間違っていることを把握していましたが、[109381][109412][109438]などの修正案ではうっかり修正前の状態を修正案としてコピペしていました。小地域区分に「前小島」を追加します。

7.313.前小島 (長崎県 五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く))
市区町村 (小地域区分)を「五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)」から「五島市 (岐宿町河務の一部 [1370-10010の一部])」に修正
すみません。こちらも問題点を把握していましたが、[109381][109412][109438]などの修正案ではうっかり修正前の状態を修正案としてコピペしていました。前小島の小地域区分については、具体的な基本単位区番号を示したものに修正をお願いします。前小島自体は五島市の基本単位区1370-10010に内包されてしまっているので、結局人口はSHIMADAS出典の住基人口比からの推定として算出しています。

8.348.島野浦島 (宮崎県 延岡市 (島浦町))
島野浦島→島浦島に修正(「野」を削除)
「島野浦島」を採用しているのは2021離島統計年報、SHIMADAS(2019年)ですが、新版 日本の島事典(2022年)、国土地理院地図、国土地理院面積調、新版 角川日本地名大辞典では「島浦島」が採用されています。また国勢調査小地域統計の大字・町名でも「島浦町」と、「野」が排除されています。日本歴史地名体系では、明治の大合併前の近世村として「島野浦村」の項目がありますが、現在の延岡市の「島浦町」に対応するとしています。「島浦島」が現在の地名としては行政面からもより公的な呼称と考えらえれるので、「島浦島」に変更します。

9.391.奥武島 (沖縄県 名護市 (字真喜屋の一部 [0360ー00020]))
項目の削除
すみません、こちらは削除でお願いします。リストに載っている奥武島は他に久米島町と南城市にありますが、削除するのは名護市のものです。

10.435.沖縄島 (沖縄県)
2020年の人口を「1,335,704」から「1,335,733」に修正
2015年の人口を「1,301,753」から「1,301,787」に修正
奥武島を削除したことによる修正ですが、瀬長島(2015年4人)も加算されたままになっており、併せて修正となります。


以上、奥武島の削除とそれに伴う人口の修正(奥武島、沖縄島)、人口の修正忘れ(鹿島)、小地域区分の誤り(福江島、前小島)までで5箇所、島の名称の修正(青ヶ島、日島、頭ヶ島、島浦島)とそれに関わる小地域区分の修正(中通島)で5箇所、合計10箇所の修正箇所となります。

なお以下の3島は国土地理院地図ではいずれも「ヶ」が採用されていますが、国勢調査小地域統計の大字・町名、字・丁目名では「ケ」が採用されており、現状維持にします。国土地院地図は、現状ではすべての「ケ」を「ヶ」に一括変換しているだけのようにみえます。

67.瀬戸ケ島 (島根県 浜田市 (瀬戸ケ島町 [0020-00010~000020]))
160.竹ケ島 (徳島県 海陽町 (大字宍喰浦字竹ケ島の一部 [0220-00260]の一部))
222.竹ケ島 (愛媛県 宇和島市 (津島町竹ケ島))

また以下の2島についても島名を現状維持とします。

318 嵯峨島 (長崎県 五島市 (三井楽町嵯峨島))
「嵯峨島」を採用しているのは2021離島統計年報、長崎県統計年鑑(昭和27年~昭和37年、昭和40年~昭和47年、昭和53年~昭和55年、平成20年~平成28年)、新版 角川地名辞典、国勢調査記載の字・丁目名で、「嵯峨ノ島」を採用しているのはSHIMADAS(2019年)、新版 日本の島事典(2022年)、長崎県統計年鑑(昭和48年~昭和52年、昭和56年~平成19年、令和元年以降)、国土地理院地図、国土地理院面積調で、「嵯峨の島」を採用しているのは長崎県統計年鑑(昭和38年~昭和39年)です。また日本歴史地名体系では「嵯峨島村」の項目があります。国土地理院面積調で「嵯峨ノ島」が採用されているので悩みましたが、国勢調査小地域統計の字・丁目名で「嵯峨島」が採用されている点を優先的に考慮し、ここでは「嵯峨島」の方がより公的な記述であるとして現状維持とします。
425.嘉弥真島 (沖縄県 竹富町 (字小浜の一部 [0090-00010]の一部))
『嘉弥真島』が採用されているのは新版 日本の島事典(2022年)、2021離島統計年報、SHIMADAS(2019年)、沖縄県離島関係資料、新版 角川地名辞典、日本歴史地名体系で、唯一国土地理院地図のみが「加屋真島」を採用しているようです。「嘉弥真島」の方が標準的に見えるので現状維持にします。基本的に新版 日本の島事典(2022年)は国土地理院地図の表記に従っていますが、「嘉弥真島」に限っては国土地理院地図の表記を採用していません。国土地理院地図の表記が必ずしもより一般的ではないし、行政で公的に使われている地名表記にも必ずしも従ってはないといえます。

また以下の2島は消極的理由で現状維持とします。

275.竹ノ島 (長崎県 西海市 (西彼町 (大串郷の一部 [0220-24010]の一部)))
「竹島」を採用しているのは、新版 日本の島事典(2022年)、2021離島統計年報、長崎県統計年鑑(昭和27年~昭和39年、平成19年~平成28年)、国土地理院地図、日本歴史地名体系で、「竹ノ島」を採用しているのはSHIMADAS(2019年)、新版 角川日本地名大辞典で、「竹の島」を採用しているのが長崎県統計書(昭和40年~平成18年)です。「竹島」の使用例の方がやや多いようにも見えますが、島根県の竹島とも被りますし、SHIMADAS等で採用されている通りの現状維持とします。
162.沖之島 (香川県 土庄町 (小江の一部 [0130-02010]))
「沖島」を採用しているのは、国土地理院地図、新版 日本の島事典(2022年)、香川県統計年鑑(平成29年以前、現在は1km2未満表記なし)で、「沖之島」を採用しているのは2021離島統計年報、SHIMADAS(2019年)、新版 角川地名辞典です。どっちがより使用例が多いか微妙ですので、消極的な理由によりSHIMADAS等で採用されている通りの現状維持とします。

以上、島の名称としては、国勢調査や国勢調査小地域統計などに記載のものを最優先とし(青ヶ島、瀬戸ケ島、竹ケ島、竹ケ島、日島、嵯峨島)、それ以外についてははっきり慣用的な使用がある場合はそれを優先し(頭ヶ島、嘉弥真島)、そうでないもについては現状維持としました(沖之島、竹ノ島)。結果島名に関しては、国勢調査採用のもの>SHIMADAS>その他という序列になりました。

なおワタヌキモンさんの指摘により、民家があって有人島である可能性がある複数の陸繋島(萩市の平嶋西海市のイガ島(おそらく前小島)西海市の小島大(おそらく細島))の情報を頂きましたが、それについては稿を改めてまとめたいと思います。

【誤字修正、小島小→小島大】
[109574] 2024年 1月 2日(火)14:53:50YT さん
十番勝負
本年もよろしくお願いします。正月早々、舳倉島の被害状況が心配です。

問十:呉市

普段は十番勝負に参加しないのですが、なんとなく今回は参加しないといけないような気がしまして
[109453] 2023年 12月 29日(金)11:54:28YT さん
Re^2:追加修正について
[109441] オーナー グリグリさん

分かりやすく抽出していただきありがとうございました。更新しましたのでご確認をよろしくお願いいたします。

わざわざ更新をありがとうございます。データも一通り確認しました。すみませんが以下の一点だけ修正をお願いします。

111 倉橋島 の注で鹿老渡島との間の開削水路を「堀切水路」と記述しましたが、これはネット上の個人のブログなどで確認できる呼称に過ぎず、こちらを「鹿老渡瀬戸」への修正をお願いします。鹿老渡瀬戸というのも『広島県史』でしか確認できていませんが、堀切水路ですと場所の絞り込みが困難ですので(一応堀切橋は正式名化はしてはいますが)。

なお人工島のリストを別途作成しようとしてますが、こちらが予想外に困難です。新版 日本の島辞典でも幾つかリストされていますが、元々島ではなかったものを水路を掘って島化した場合はどうするのか(たとえば兵庫港は新版 日本の島辞典には載っていません)、公式に島名称が与えられていても、実際には単なる中洲だったり、川から水路を掘って島化したものはどうするのか(たとえば新潟島は島の基準から大分離れますが、地元自治体は島扱いしてます)等々例外がありすぎて困っています。
[109440] 2023年 12月 26日(火)23:49:59【1】訂正年月日
【1】2023年 12月 27日(水)01:35:12
YT さん
追加修正について
[109437] オーナー グリグリさん

日本の有人島一覧(更新しました)
YT さん、[109412]および[109430]を日本の有人島一覧に反映しました。一通り確認していますが、訂正漏れ等ありましたらご指摘ください。なお、長崎県南串島の人口密度は、104.1人ではなく、112.3人が正しい値だと思います。

すみません。ちょうどタイミング悪く投稿してしましました。

修正して頂きたいのは以下の3点です。【追記:面積を再チェックしていて3点に増えました】

1.219の日振島の注:
「1872年開削の堺の浜の堀切により南(108人/1.42km2)と北(138人/2.32km2)に分離」と、せっかくなので開削年の西暦を追加し、水路の名称を「堺の浜の掘切」にする。

2.247の対馬島の注:
「1671年開削の大船越瀬戸と1900年開削の万関瀬戸により対馬上島(12,159人/441.01km2),対馬下島(15,488人/247.01km2),その他(727人/7.72km2)に分離」と、最後の「分割」を「分離」に変更する。(他の文章と統一)

3.272の大島(長崎県佐世保市)の面積と人口密度(【追加訂正】):
面積を0.51→0.52 km2、人口密度を758.8→744.2人/km2に訂正

新版 日本の島事典の第III部 島嶼県別統計の方で大毛島・高島や有福島・日島・漁生浦島を単一の島扱いにしている問題は、とりあえずそれぞれ水門、潮通し水路の解釈次第で独立した島とみなせるということで解決しており、特に表には加えなくて良いです。
[109438] 2023年 12月 26日(火)23:19:56【2】訂正年月日
【1】2023年 12月 26日(火)23:24:58
【2】2023年 12月 27日(水)10:35:49
YT さん
日振島の堀切の年代、そして[109412][109430]の再修正版
[109412]

『北宇和郡町村誌 その2』(2011年:『日振島村誌』(1910年)を収録)を閲覧しましたが、堀切水路と堺の浜の水路の完成年に関する情報は得られませんでした。

田中皓正.『日振島の昭和史』(1997年)を閲覧したところ、本書の129ページに以下の内容が書かれていました。これにより、日振島の堺の浜の堀切が作られたのが明治5年(1872年)であることが確定しました。

 喜路部落からの通学路は、比較的平坦であったが、ただ一つ「堺の浜」と呼ばれるところが難所となることがしばしばあった。「堺の浜」は喜路部落のある島と明海、能登のある島をつなぐ形になっていて、宇和海と豊後水道を見ることができ、昭和初期までは明海部落の小舟は、満潮時にここを通って豊後水道側で漁ができるように運河の役割をしたので、ここには橋がかかっていた。(明治五年に堀切にした)
 このため強風をさえぎるものがなく、台風がくると橋が流されて通学できなくなった。前述の昭和十八年の台風の大波に下校中の生徒がさらわれて、海中に流され一名死亡するという惨事があったのもここである。

なおこの通学路が作られたのはどうも昭和2年(1927年)前後のようです。『遍路』(1934年)という書籍(昭和4年(1929年)の記事の再録)で、本島出身の森岡天涯という人が、昭和2年の学校統合のために奔走し、この人の働きかけで島の三集落を結ぶ通学路・産業道路が出きたようです。

百戸位づつしかない三部落がそれぞれ貧弱な小学教場を持っている。一ヶ所に纏めて充実した学校にせよという。あらゆる反対妨害と戦って終に一ヶ所に合併される。児童の登校に便し部落相互の融和親交をはかるため、戸主一人に三日づつ奉仕して三里の道路をつける事になったが、沿道の地主はみな土地を無代で提供する。青年団在郷軍人までみな弁当代を辞退して土工にかかる、三年計画の道路が僅か二か月に竣工した。

また『離島の現況 第6 (日振島,戸島,沖の島,馬渡島,小川島) (離島振興資料 ; 第7輯) 』(1955年)によると

喜路部落から明海部落に通ずる村道幹線であって、産業道路並びに通学道路としての有利性と交通の利便をうながすものである。特に50mの地点は橋築を必要とし、現在木橋をかけているが満潮時風波の高い時は交通杜絶となるので永久橋築の架設を行おうとするものである。

以上を総合すると、明治5年(1872年)に日振島の堺の浜に堀切が作られました。昭和2年(1927年)前後に通学路として初めて道路が作られ、堀切には木橋が架けられましたが、よく流される状況が戦後まで続きます。やがて1960年代以降にコンクリートの県道が作られ、橋もコンクリート製になった、ということのようです。残念ながら戦後の道路の舗装についての情報は、上の『日振島の昭和史』には載っていませんでした。

改めて[109412][109430]の修正案を以下にまとめます。とりあえず日振島の水路については「堀切」以上の正式名が見当たらないので、「堺の浜の堀切」とします。また鹿老渡お堀切水路の方も、結局印刷された本で「堀切水路」と記述しているものは存在しないので、こちらも「鹿老渡の堀切」と記述することにします(【訂正:広島県史を読み返したら、「鹿老渡瀬戸」が使われていました】)。これで長島、倉橋島、日振島、対馬島の4島の水路がすべて人工のものであることが確定しました。

以上のほか、大根島・江島の中海堤防道路、沖縄本島・瀬長島の瀬長島海中道路、有福島・日島・漁生浦島の堤防道路、大毛島・高島のあいの水尾川水門と鯔越水門の情報を追加しました。

(開く)追加修正箇所リスト

また、データ項目の説明の内、1・2・5・7の修正案です。

1. 国土地理院が規定する「島」
国土地理院が規定する「島」は、周囲長0.1km以上の海岸線で囲われた自然島であり、人工島は島とはみなされない。したがって関空、神戸ポートアイランド、東京湾平和島、令和島、お台場などは本州島の一部とされる。また国土地理院が規定する「海岸線」は、満潮時の「水涯線」を表し、神奈川県藤沢市の江の島のように、干潮時には接続していても満潮時には分離する場合には、独立の島として扱う。

2. 対象とした有人島(島名欄背景色の説明)
    離島振興法等指定離島(2021 離島統計年報 CD-ROM版
    法律指定外離島(2021 離島統計年報 CD-ROM版)
    上記以外:新版 日本の島事典 (2022年), SHIMADAS (2019年), ritokei (NPO法人離島経済新聞社)などに掲載
    北海道、本州、四国、九州、沖縄島(人口は差分で計算)
(1) 離島振興法等指定離島のうち、長崎県対馬市の赤島と泊島は埋め立てにより独立した島ではなくなっており、本表では一個の島として扱う。
(2) 法律指定外離島のうち、島根県松江市の田島(大根島と接続)、香川県坂出市の瀬居島と沙弥島(四国本土と接続)、長崎県長崎市の香焼島(九州本と接続)などは、埋め立てにより独立した島ではなくなった地域として、本表からは除外。また法律指定外離島のうち、島根県松江市の大根島と江島は埋め立てた道路(中海堤防道路)により接続しており、本表では一個の島として扱う。
(3) SHIMADASに掲載の有人離島のうち、北海道江差町の鴎島(埋め立てにより北海道本土と接続)も同様の理由により本表から除外。
(4) ritokeiに掲載の有人離島のうち、沖縄県豊美城市の瀬長島(埋め立てた道路(瀬長島海中道路)により沖縄本島と接続)も同様の理由により本表から除外。また沖縄県竹富町の外離島は、平成27年以降の国勢調査や住民基本台帳登録で無人化しているので除外。
(5) 新版 日本の島事典の「第III部 島嶼県別統計(データ編)」に掲載の有人の自然島のうち、愛媛県今治市の美濃島・家ノ島も、国勢調査で長らく無人化しているので除外。なお本書で無人名付の自然島として扱われている神奈川県横浜市金沢区の野島については、開削水路で分離した有人の人工島として除外。
(6) 琵琶湖の沖島、中海の大根島・江島などの湖の有人島は、国土地理院の規定では島ではないが、法令上離島振興法指定離島、あるいは本土との架橋の完成により指定解除を受けた島として離島統計年報に記載があり、本リストに含めている。ただし、琵琶湖や中海は本州の面積に含まれており、沖島、大根島・江島の人口も本州の人口に含まれる。
(7) 岡山県瀬戸内市の長島、広島県呉市の倉橋島、愛媛県宇和島市の日振島、長崎県対馬市の対馬島は、開削水路で分離されているが、自然島として合算した値を示す。

5. 人口算出における詳細注記
(1) 四国本土と架橋している徳島県海陽町の竹ケ島 / 高知県須崎市の中ノ島、戸島
 国勢調査の基本単位区では本土と分離できないが、基本単位区に占める人口比など(竹ケ島は2020年直近の住基、中ノ島は2010年国調、戸島はWeb情報)から人口を推定。四国本土の人口は正確ではないが誤差は±10人程度と推察。
(2) 九州本土と架橋している長崎県西海市の竹ノ島、南串島 / 大分県臼杵市の黒島
 国勢調査の基本単位区では本土と分離できないが、基本単位区に占める人口比(竹ノ島、前島、鹿島、黒島は2015年国調、南串島は2010年国調)から人口を推定。九州本土の人口は正確ではないが誤差は±10人程度と推察。
(3) 三重県志摩市の賢島と横山島、岡山県瀬戸内島の前島と黒島
 国勢調査の基本単位区人口とWeb情報から人口を推定。
(4) 長崎県佐世保市の前島と鼕泊島
 国勢調査の基本単位区に占める人口比(2015年国調)から人口を推定。
(5) 長崎県五島市の福江島と前小島、熊本県天草市の御所浦島と前島、沖縄県竹富町の小浜島と嘉弥真島、新城島上地と新城島下地、西表島と由布島
 国勢調査の基本単位区に占める人口比など(2020年直近の住基)から人口を推定。
(6) 熊本県の大矢野島と野牛島
 人口を分離するための有効なデータ見つからず、両島の人口を大矢野島欄に一括表示。

7. 人口密度データ
(1) 2020年 (令和2年) の人口を元に計算。

多分、今度こそ今回の投稿が大幅な改定案の最終となると思います・・・

【追記】[109437] オーナーグリグリさん

すみません。タッチの差で投稿が前後してしまいました。人口密度は指摘の通りです。多分現状のもので問題はありません。改めて確認しますが、有福島・日島・漁生浦島、大毛島・高島の注は追加する必要はないでしょう。
[109430] 2023年 12月 25日(月)18:05:43【7】訂正年月日
【1】2023年 12月 25日(月)18:30:40
【2】2023年 12月 25日(月)23:08:47
【3】2023年 12月 25日(月)23:20:15
【4】2023年 12月 26日(火)11:08:53
【5】2023年 12月 26日(火)11:19:35
【6】2023年 12月 26日(火)11:29:59
【7】2023年 12月 26日(火)15:07:38
YT さん
大根島・江島、泊島・赤島の接続問題
[109412]で瀬長島を沖縄本島と合算する案を示しましたが、他にも問題のある島があります。例えば大根島と江島、有福島と日島と漁生浦島は、沖縄本島~瀬長島と同様に埋め立てられた(あるいは国土地理院地図で埋め立てられたように見える)道路で接続していますが、国土地理院の面積調では前者は合算されているのに対し、後者は分割されています。今回[109412]とは別に、大根島・江島、泊島・赤島を同一の島として扱う修正案をまとめます。

【大根島・江島】国土地理院の面積調では、大根島・江島として合計6.74 km2の面積が示されています。実際に国土地位院の地図google mapのストリートビューを見ると、両者は完全に埋め立てられた道路によって結ばれているように見えます。国土地理院の判断通り、両者を同一の島として扱った場合の修正案を後に示します。

【赤島・泊島】赤島・泊島は合計しても1 km2未満の島ですので、国土地理院の面積調には未掲載です。一方2021離島統計年報、ritokeiでは個別の島として扱われているのに対し、SHIMADAS、新版 日本の島事典(0.617764km2)、日本の島へいこう離島百貨では全部埋め立てられて接続した島として扱われています。国土地理院の地図google mapのストリートビューを見ると、両者は完全に埋め立てられています。ただし離島振興法で独立した島として地位を与えられていることを重視するのであれば、それぞれ別個の島という扱いをキープすることになります。

【有福島・日島・漁生浦島】新版 日本の島事典「第III部 島嶼県別統計(データ編)」では、有福島・日島・漁生浦島として単一の島扱いされています(4.850641km2)。実際国土地理院の地図では埋められた道路として描かれています。一方Google mapでは、有福島~漁生浦島間のこの位置に切れ目があります・・・が、ストリートビューでは分かりません。遠くから見ても、切れ目があるようには見えません。またgoogle mapでは、有福島~日島間の間は埋め立てられていないように描かれています・・・がストリートビューは、橋上には設定されていません。遠くから見た場合はよくわかりません。マピオンの地図でも埋め立てられていないように描かれており、google mapの地図はこれに従っているのでしょうか。

もう少し資料を集めてみたところ、長崎新聞の記事に写真と映像がありました。映像を見ると、まず漁生浦島と有福島を結ぶ堤防道路一ヶ所に確かに水流があり、地図の通りに水路は間違いなくありそうです。こちらの写真は「日島」で撮影とありますが、漁生浦島と有福島を結ぶ該当部分のようす。次に有福島と日島を結ぶ北防波堤の方を見ると、一応護岸ブロックは2か所空いており、堤防道路の下にも2か所穴があいており、こちらは地図とは実態が大分違いますが、一応水路が2か所ありそうです。新聞の説明によると、防波堤内部に暗渠があり、海水が内と外で入れ替わると書かれていますが、google mapの衛星写真だと、2か所の水路の穴からの水流を確認できます。

さらに別の資料を探したところ、古本勝弘・有山 淳・大石祐樹・夛田彰秀, 「上五島・有福湾に設置された潮通し水路の海水交換機能」 (長崎大学工学部研究報告, 38巻 (71号), pp. 40-46 (2008年))と題される論文、及び関連する論文(後述)を見つけました。どうやらこれら3つの島を結ぶ堤防道路は1975年までに設置され、南防波堤と北防波堤は1979年までに完成されたものです。そして北防波堤側の堤防道路は当初から2m四方の潮通し孔が2箇所あけられていましたが、南防波堤側は閉鎖されており、赤潮対策として後から2008年に南防波堤側に潮通し水路が開けられたようです。つまり国土地理院の地図は間違いではないが、南防波堤・北防波堤側の堤防道路には共に潮通し水路が掘られており、これを分離しているとみなすかどうかで独立した島とみなすかどうかにつながります。まあ事実としては、国土地理院の面積調では、有福島(2.97 km2)、漁生浦島(1.37km2)に別個の島として面積が与えられ、2021統計年報、SHIMADAS、新版 日本の島事典の「第I部 解説編」でも同様です。議論が分かれるところですが、これに関しては国土地理院の面積調とgoogle map、マピオン、その他映像の情報に従い、別個の島として扱います。

【大毛島・高島】新版 日本の島事典「第III部 島嶼県別統計(データ編)」では、単一の島扱いされています(10.358107 km2)。国土地理院の地図を見ると、南西北東に水門(それぞれあいの水尾川水門鯔越水門(いなこしすいもん)と呼ぶようです)があり、google mapのストリートビューでも南西北東に水門を確認できます。これをコンクリートの埋め立てで接続しているとみなす人もいるかも知れませんが、まあ橋の一種と考えて問題はないでしょう。実際国土地理院の面積調では、大毛島(7.31 km2)、高島(2.63km2)に別個の島として面積が与えられています。よってこれに関しては分離して扱います。

以上まとめると、[109381]に対して以下の変更点を追加となります。離島振興法での指定を重視するのであれば、赤島と泊島は別の島ということで現状維持となります。ただ赤島・泊島はどうみても埋め立てで完全に接続されています。大根島・江島は、沖縄本島・瀬長島と同レベルで、埋め立てられた道路による接続です。有福島・日島・漁生浦島は1975年に堤防道路で接続されましたが、有福島~日島側には当初から潮通し孔が二つ掘られ、さらに2008年に有福島~漁生浦島側にはより大きい潮通し水路が掘られ
たようです。微妙なところですが、それぞれ別個の島として扱うのが妥当とする根拠となります(一個の島として扱うべきとする主張にも一定の根拠にもなりえますが)。また大毛島・高島は2つの水門が存在し、こちらも微妙なところですが、別個の島として扱うのが妥当とする根拠になります(こちらも一個の島として扱うべきとする主張にも一定の根拠にもなりえます)。

#島名都道府県市区町村 (小地域区分)人口
(2020年)
人口
(2015年)
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
変更点
66+67*大根島・江島島根県松江市 (八束町)3.7933,8426.74562.8大根島(3,123人/5.15km2)と江島(670人/1.20km2)は埋め立てられた道路で接続数字を合算、注追加、小地域区分修正
248+249赤島・泊島長崎県対馬市 (美津島町鴨居瀬の一部 [0600-00080~00090])34430.6254.8赤島(25人/0.51km2)と泊島(9人/0.11km2)は埋め立てにより接続数字を合算、小地域区分と注修正

また[109412]に示した「2. 対象とした有人島(島名欄背景色の説明)」の説明内容は、以下のように修正となります。

2. 対象とした有人島(島名欄背景色の説明)
    離島振興法等指定離島(2021 離島統計年報 CD-ROM版
    法律指定外離島(2021 離島統計年報 CD-ROM版)
    上記以外:新版 日本の島事典 (2022年), SHIMADAS (2019年), ritokei (NPO法人離島経済新聞社)などに掲載
    北海道、本州、四国、九州、沖縄島(人口は差分で計算)
(1) 離島振興法等指定離島のうち、長崎県対馬市の赤島と泊島は埋め立てにより独立した島ではなくなっており、本表では一個の島として扱う。
(2) 法律指定外離島のうち、島根県松江市の田島(大根島と接続)、香川県坂出市の瀬居島と沙弥島(四国本土と接続)、長崎県長崎市の香焼島(九州本と接続)などは、埋め立てにより独立した島ではなくなった地域として、本表からは除外。また法律指定外離島のうち、島根県松江市の大根島と江島は埋め立てた道路(中海堤防道路)で接続しており、本表では一個の島として扱う。
(3) SHIMADASに掲載の有人離島のうち、北海道江差町の鴎島(北海道本土と埋め立てにより接続)も同様の理由により本表から除外。
(4) ritokeiに掲載の有人離島のうち、沖縄県豊美城市の瀬長島(沖縄本島と埋め立てた道路(瀬長島海中道路)により接続)も同様の理由により本表から除外。また沖縄県竹富町の外離島は、平成27年以降の国勢調査や住民基本台帳登録で無人化しているので除外。
(5) 新版 日本の島事典の「第III部 島嶼県別統計(データ編)」に掲載の有人の自然島のうち、愛媛県今治市の美濃島・家ノ島も、国勢調査で長らく無人化しているので除外。なお本書で無人名付の自然島として扱われている神奈川県横浜市金沢区の野島については、開削水路で分離した有人の人工島として除外。
(6) 琵琶湖の沖島、中海の大根島・江島などの湖の有人島は、国土地理院の規定では島ではないが、法令上離島振興法指定離島、あるいは本土との架橋の完成により指定解除を受けた島として離島統計年報に記載があり、本リストに含めている。ただし、琵琶湖や中海は本州の面積に含まれており、沖島、大根島・江島の人口も本州の人口に含まれる。
(7) 岡山県瀬戸内市の長島、広島県呉市の倉橋島、愛媛県宇和島市の日振島、長崎県対馬市の対馬島は、開削水路で分割されているが、自然島として合算した値を示す。


【追記】古本勝弘・猶木昌史・多田彰秀・古賀恵美子・大田元, 「長崎県五島・有福湾における「潮通し」設置による海水交換促進」(海岸工学論文集, 52巻, pp. 1131-1135 (2005年))によると

①(=北防波堤の堤防道路)には2m四方の潮通し孔が2箇所あけられているが,同湾は閉鎖性が高く海水交換が悪い状況である.

とあり、有福島~日島側の北防波堤の道路には完成当初から2つの潮通し水路が存在したようです。これにより上の文章の関連部分を修正しました。
[109412] 2023年 12月 22日(金)16:33:19【13】訂正年月日
【1】2023年 12月 22日(金)20:04:29
【2】2023年 12月 22日(金)20:22:53
【3】2023年 12月 22日(金)20:29:57
【4】2023年 12月 22日(金)21:21:43
【5】2023年 12月 23日(土)02:07:13
【6】2023年 12月 23日(土)02:40:27
【7】2023年 12月 23日(土)03:39:56
【8】2023年 12月 23日(土)03:58:03
【9】2023年 12月 23日(土)06:08:07
【10】2023年 12月 23日(土)11:09:01
【11】2023年 12月 23日(土)11:14:36
【12】2023年 12月 23日(土)13:11:28
【13】2023年 12月 23日(土)15:39:41
YT さん
瀬戸ケ島・宇品島の追加、野島・弁天島・蕨島の追加中止、瀬長島削除と注の見直し+鹿老渡の堀切水路の追記
[109381][109392][109393][109396][109402]のまとめと、[109381]の追加修正箇所リストの修正版です。

神奈川県横浜市金沢区の野島(理由:[109402]人工島と見做す方が妥当のため)、静岡県浜松市西区・湖西市の弁天島(理由:[109402]人工島と見做す方が妥当のため)、鹿児島県出水市の蕨島(理由:[109392]九州本土と埋め立てにより接続しているため)の追記は中止、沖縄県豊美城市の瀬長島は有人島リストから削除(理由:[109393]沖縄本島と埋め立てにより接続しているため)で、新たに追加されるのは、島根県浜田市の瀬戸ケ島と広島県広島市南の宇品島です。

(開く)追加修正箇所リスト

データ項目の説明の内

1. 国土地理院が規定する「島」
国土地理院が規定する「島」は、周囲長0.1km以上の海岸線で囲われた自然島であり、人工島は島とはみなされない。したがって関空、神戸ポートアイランド、東京湾平和島、令和島、お台場などは本州島の一部とされる

については、島の定義に、海岸線についての説明を加えることを提案します。

1. 国土地理院が規定する「島」
国土地理院が規定する「島」は、周囲長0.1km以上の海岸線で囲われた自然島であり、人工島は島とはみなされない。したがって関空、神戸ポートアイランド、東京湾平和島、令和島、お台場などは本州島の一部とされる。また国土地理院が規定する「海岸線」は、満潮時の「水涯線」を表し、神奈川県藤沢市の江の島のように、干潮時には接続していても満潮時には分離する場合には、独立の島として扱う。

また

2. 対象とした有人島(島名欄背景色の説明)
    離島振興法等指定離島(2021 離島統計年報 CD-ROM版)
    法律指定外離島(2021 離島統計年報 CD-ROM版)
    上記以外:SHIMADAS (2019年)などに掲載
    北海道、本州、四国、九州、沖縄島(人口は差分で計算)
(1) 法律指定外離島のうち、島根県松江市の田島(大根島に接続)、香川県坂出市の瀬居島と沙弥島(四国本土に接続)、長崎県長崎市の香焼島(九州本土に接続)などは、ほぼ完全な埋め立てで独立した島ではなくなった地域として、本表からは除外
(2) SHIMADASに掲載の有人離島のうち、北海道檜山郡江差町の鴎島も同様の理由により本表から除外
(3) 琵琶湖に浮かぶ沖島は、国土地理院の規定では島ではないが、法令上離島振興法等指定離島となっておりリストに含めている。ただし、琵琶湖は本州の面積に含まれており、沖島の人口も本州の人口に含めている。

の修正案は以下の通りです。参考文献として新版 日本の島事典 (2022年)とウェブ情報のritokei (NPO法人離島経済新聞社)を明示し、ritokei掲載の瀬長島、外離島の話題を追加し、湖の島として中海の大根島・江島の話題を追加します。【追記:美濃島・家ノ島、野島の話題を追加】郡名は表に合わせて削除。【追記:(6)を増やしました。対馬についてはネット上にいくらでも情報が転がっていますが、岡山県瀬戸内市の長島の「船越水路」については、例えば『愛生 昭和41年5月号』(自宅での閲覧には国会図書館への登録が必要)に詳しい経緯が書かれています。今回鹿老渡の堀切水路の具体的な開削年(再開削)の情報が増えました。】

2. 対象とした有人島(島名欄背景色の説明)
    離島振興法等指定離島(2021 離島統計年報 CD-ROM版
    法律指定外離島(2021 離島統計年報 CD-ROM版)
    上記以外:新版 日本の島事典 (2022年), SHIMADAS (2019年), ritokei (NPO法人離島経済新聞社)などに掲載
    北海道、本州、四国、九州、沖縄島(人口は差分で計算)
(1) 法律指定外離島のうち、島根県松江市の田島(大根島と接続)、香川県坂出市の瀬居島と沙弥島(四国本土と接続)、長崎県長崎市の香焼島(九州本と接続)などは、埋め立てにより独立した島ではなくなった地域として、本表からは除外。
(2) SHIMADASに掲載の有人離島のうち、北海道江差町の鴎島(北海道本土と埋め立てにより接続)も同様の理由により本表から除外。
(3) ritokeiに掲載の有人離島のうち、沖縄県豊美城市の瀬長島(沖縄本島と埋め立てた道路により接続)も同様の理由により本表から除外。また沖縄県竹富町の外離島は、平成27年以降の国勢調査や住民基本台帳登録で無人化しているので除外。
(4) 新版 日本の島事典の「第III部 島嶼県別統計(データ編)」に掲載の有人の自然島のうち、愛媛県今治市の美濃島・家ノ島も、国勢調査で長らく無人化しているので除外。なお本書で無人名付の自然島として扱われている神奈川県横浜市金沢区の野島については、開削水路で分離した有人の人工島として除外。
(5) 琵琶湖の沖島、中海の大根島、江島などの湖の有人島は、国土地理院の規定では島ではないが、法令上離島振興法指定離島、あるいは本土との架橋の完成により指定解除を受けた島として離島統計年報に記載があり、本リストに含めている。ただし、琵琶湖や中海は本州の面積に含まれており、沖島、大根島、江島の人口も本州の人口に含まれる。
(6) 岡山県瀬戸内市の長島、広島県呉市の倉橋島、愛媛県宇和島市の日振島、長崎県対馬市の対馬島は、開削水路で分割されているが、自然島として合算した値を示す。

3. 人口データと4. 市区町村欄の注記(マウスオーバー/タップで詳細表示)および 関連情報へのリンクには変更はなく、

5. 人口算出における詳細注記
(1) 高知県須崎市の中ノ島、戸島
 本土と分離できないため人口を推定。四国の人口は正確ではないが誤差は±10人程度と推察。
(2) 長崎県西海市の竹ノ島、南串島 / 西彼杵郡時津町の前島 / 諫早市の鹿島 / 大分県臼杵市の黒島
 国勢調査の基本単位区では本土と分離できないが、離島統計年報に国勢調査の基本単位区をさらに分割した数字あり(竹ノ島、前島、鹿島、黒島は2015年国調、南串島は2010年国勢調査ベース)。基本単位区に占める人口比から人口を推定。九州の人口は正確ではないが誤差は±20人程度と推察。
(3) 長崎県南松浦郡新上五島町の中通島、桐ノ小島
 離島統計年報に2020年国勢調査の基本単位区をさらに分割した数字あり。
(4) 熊本県の大矢野島・野牛島
 人口を分離するための有効なデータ見つからず、両島の人口を大矢野島欄に一括表示。

の修正案は以下の通りです。2022離島統計年報のみならず、ritokeiや新版 日本の島事典などからも国勢調査人口の個々の確定値の情報が入手可能であり、そもそも中通島、桐ノ小島だけに限った話ではなく、ほかに脚注漏れの島が多々あるので(「~の一部」として基本単位区が分割されているのに国調人口が確定しているケースが該当)、これに関する説明を省きます。【追記:賢島+横山島、前島+黒島、前島+鼕泊島、福江島+前小島、御所浦島+前島、小浜島+嘉弥真島、新城島上地+新城島下地、西表島+由布島の算出方法の説明が抜けていたので追加し、説明文も大幅に改訂】

5. 人口算出における詳細注記
(1) 四国本土と架橋により接続している徳島県海陽町の竹ケ島 / 高知県須崎市の中ノ島、戸島
 国勢調査の基本単位区では本土と分離できないが、基本単位区に占める人口比など(竹ケ島は2020年直近の住基、中ノ島は2010年国調、戸島はWeb情報)から人口を推定。四国本土の人口は正確ではないが誤差は±10人程度と推察。
(2) 九州本土と架橋により接続している長崎県西海市の竹ノ島、南串島 / 大分県臼杵市の黒島
 国勢調査の基本単位区では本土と分離できないが、基本単位区に占める人口比(竹ノ島、前島、鹿島、黒島は2015年国調、南串島は2010年国調)から人口を推定。九州本土の人口は正確ではないが誤差は±10人程度と推察。
(3) 三重県志摩市の賢島と横山島、岡山県瀬戸内島の前島と黒島
 国勢調査の基本単位区人口とWeb情報から人口を推定。
(4) 長崎県佐世保市の前島と鼕泊島
 国勢調査の基本単位区に占める人口比(2015年国調)から人口を推定。
(5) 長崎県五島市の福江島と前小島、熊本県天草市の御所浦島と前島、沖縄県竹富町の小浜島と嘉弥真島、新城島上地と新城島下地、西表島と由布島
 国勢調査の基本単位区に占める人口比など(2020年直近の住基)から人口を推定。
(6) 熊本県の大矢野島と野牛島
 人口を分離するための有効なデータ見つからず、両島の人口を大矢野島欄に一括表示。

6. 面積データには変更がなく、

7. 人口密度データ
(1) 人口、面積ともに2020年 (令和2年) データがなければ2015年 (平成27年) 基準など得られたデータを使って計算

については、面積のデータが既に2015年基準でもないので、シンプルに以下のように変更します。

7. 人口密度データ
(1) 2020年 (令和2年) の人口を元に計算。

【鹿老渡の堀切水路に関する追記】:

[109402]

堀切水路が作られらた年代を絞るため、とりあえず、『海と人々のくらし / 倉橋町編』(2000年)には目を通しましたが、こちらには堀切水路に関する情報は掲載されていませんでした。残る文献として倉橋町編『倉橋町史 通史編』(2001年)がありますが、前述のようにこちらは閲覧には余計な手続きが必要です。

これに関して倉橋町編『倉橋町史 通史編』(2001年)、『北宇和郡町村誌 その2』(2011年:『日振島村誌』(1910年)を収録)を閲覧しましたが、堀切水路と堺の浜の水路の完成年に関する情報は得られませんでした。なお、[109402] の方で、堀切水路建設に出資したのは「林家」ではなくて「宮林家」などと書きましたが、「宮林家」は鹿老渡限定の綱元であるのに対し、倉橋島により影響力を持つ網元である「林家」(林三郎兵衛など)というのが別途存在したことが判明しました。実際に明治時代、宮林家などと連名での漁場に関する取り決めの書類が『倉橋町史 通史編』に収録されています。それとは別に、船大工として栄えた林家(宇和木屋)というのもありますが、堀切水路自体漁船がようやく通れる程度の幅しかないので、作ったのは船大工の林家ではないでしょう。よって個人ブログ

島の西南部である鹿老渡はもともと地続きですが倉橋島の網元である林家が私費で堀を切りました
江戸時代のことです
この堀切のお陰で船はショートカットできるようになり鹿老渡は発展したようです

の「倉橋島の網元である林家」の情報は正しそうです。

【鹿老渡の堀切水路に関する追記!】『広島県史 第壱編 地誌』の方でついに記述を見つけました!

鹿老渡の瀬戸 鹿老渡山の北にあり享保中山を削り、塹を鑿ちて小舟を通ず、俗に堀切と称す、天保中泥沙塡塞、舟路絶えしが、室尾の人林宇右衞門、工事を督して、浚渫し、安政六年より復舟路を開けり。

こちらの記述が正しいとすると、享保年間(1730年頃)に堀を作ったが、天保年間(1840年頃)に埋まったので、安政6年(1859年)に再び堀を作ったことになります。ただ鹿老渡の町割ができたのは享保15年(1730年)のことですが、その時に堀切まで作ったとするのは無理があります。というのは、鹿老渡自体は港町として整備されたのであるのに対し、堀切自体は漁師の船が通る程度の幅しかありませんし、1806年(文化3年)に鹿老渡を訪れた伊能忠敬の地図でも、文政8年(1825年)に完成した『芸藩通志』の文章でも地図でも、全く水路が描かれていないし、水路の記述がありません。よって安政6年(1859年)こそが実際に堀切が開削された年だと思われます。少なくとも再開削の年として間違いはないでしょう。

ネット上には「堀切水路」という言い回しが複数あるので、「堀切水路」という名称に統一します(さっき慌てて「鹿老渡堀切」などと書きましたが、『広島県史』を読みかえしたところ、そうは書いていませんでした。すみません)。「堀切水路」が完成したのは1859年として、上の脚注の中身も修正しました。
[109402] 2023年 12月 18日(月)20:30:33【8】訂正年月日
【1】2023年 12月 18日(月)20:42:39
【2】2023年 12月 18日(月)21:02:27
【3】2023年 12月 18日(月)23:41:58
【4】2023年 12月 18日(月)23:55:22
【5】2023年 12月 19日(火)00:58:54
【6】2023年 12月 19日(火)13:02:31
【7】2023年 12月 19日(火)14:12:21
【8】2023年 12月 19日(火)17:59:25
YT さん
野島の削除、弁天島の扱いの問題、鹿老渡島・日振島について追加情報
[109398] オーナーグリグリさん

1.日本の有人島一覧の更新
未対応のYTさんからの情報を反映することでとりあえず一区切りとする予定です。今年中にこの件はまとめたいと考えています。なお、編集システムの開発については[109381]YTさんのコメントもありますので一旦保留とします。

すみません。標題の件について問題が認められたので、追加で修正が必要となりました。[109381]の内容については今週中にもう一回整理してみます(もう修正を行っていたら申し訳ありません)。

『新版 日本の島事典』「第III部 島嶼県別統計」は、国土地理院地図のデータをベースに島面積を算出している関係で、岡山県瀬戸内市の長島、広島県呉市の倉橋島、愛媛県宇和島市の日振島、長崎県対馬市の対馬のように、後から人為的な水路が作られた場合には無駄に分割してしまうという欠点はありますが([109381][109396])、その反面、鹿児島県出水市の蕨島([109392])、沖縄県豊見城市の瀬長島([109393])は掲載されておらず、これらの島が埋め立てによって既に本土と接続してしまっていたことを確認するきっかけになる点で役に立ちました。ただ「第III部 島嶼県別統計」には別の問題があり、一応脚注に「自然島」「人工島」の区別がありますが、人工島を自然島扱いにしてしまっているケースが散見します。

例えば国土地理院の日本の島の数(2023年2月28日14時00分発表)によると、自然に形成された陸地ではないと判断した例として横浜市金沢区の八景島が挙げられていますが、こちらは『新版 日本の島事典』「第III部 島嶼県別統計」では自然島として扱われています(もっとも国瀬調査では無人島なので本件での議論の対象外です)。ここで八景島が取り上げられたのは、もしかしたら2022年12月出版の『新版 日本の島事典』の内容を吟味しての結果かも知れません。

そこで[109392]にも書いたように、自然島かどうか微妙な、神奈川県横浜市の野島と広島県広島市南区の宇品島について、過去の地図との比較を行ったところ、野島は自然島として扱うのには問題大ありでした。

神奈川県横浜市野島については[82781][82782]、島根県浜田市の瀬戸ヶ島/瀬戸ケ島については[82815]、広島県広島市南区の宇品島については[86248]に関連する情報が示されています。瀬戸ヶ島はほぼ問題なく自然島。野島は自然に陸繋島となった後、何度も水路を開削されている島。宇品島は一度埋め立てられた後、再度水路を開削された島です。一応野島も宇品島も『新版 日本の島事典』では「自然島」扱いとなっていますが、経歴的には微妙な島です。

【宇品島】まず宇品島ですが、『伊能大図彩色図』には「仁保島村属 宇品島」と書かれ、立派な島です。『天保国絵図』では「宇治名」、昭和7年(1932年)部分修正の陸地測量部の『五万分の一地形図』でも「宇品島」です。宇品島が埋め立てられていたのは明治時代の一時期だけのようなので([86248])、こちらは自然島として扱って問題なさそうです。

【野島】しかしながら問題があったのは野島です。まず『伊能大図彩色図』では、「洲崎村」「野島」と描かれてる場所は完全に半島となっており、島とは言えません。『天保国絵図』では、「「洲崎村内野嶋浦」」とあり、こちらも半島です。今昔マップを見ると明治36年(1903年)測量の五万分の一地形図、昭和19年(1944年)部分修正の五万分の一地形図でも、どちらも野島部分は半島となっており、島とは言えません。どうも上の地図修正が行われた直後の1945年以降、野島運河や野島水路が作られて独立島に復帰したようです。「野島」という名称がある以上、古代には自然島だったようですが、有史時代にトンボロが完成され、伊能図が書かれた頃の江戸時代後期から昭和初期まで長らく陸続きと認識されていたようで、独立島しての歴史はかなり浅いようです。つまり野島は『新版 日本の島事典』「第III部 島嶼県別統計」では「自然島」という扱いになってはいますが、測量技術が導入された19世紀以降は満潮時にも陸繋島化している期間の方が長く、人工島として扱うべきと判断されます。野島を[109381]の修正案のリストから削除すると、本州の人口は2020年102,577,160→102,579,606人、2015年102,977,838→102,980,442人と、結構影響は大きいです。

【弁天島:以下舞阪町史の情報により細かい変遷情報を後から追加、杭嶋→狐嶋に訂正】今もう一つ悩んでいるのは静岡県浜松西区・湖西市の弁天島の扱いです。今切変遷図によると、明応8年(1498年)の大地震の洪水で今切口が出来、その際に舞阪側に「狐嶋」ができたと書かれています。ただしこれは同時代の史料ではないので、実際にどの大地震(明応7年(1498年)か永正7年(1510年)か)の津波で今切口が出来たのかは断定できません。その後宝永4年(1707年)の津波の影響で、新居側に「元荒井跡」、「荒井跡」という島が出来たほか(今切変遷図の変化を見ると、新居側は新しくできた2島(元荒井、荒井)の南側に2島が新たに形成されて4島となった後、南側は再び繋がって18世紀中に再度半島化し、北側の元荒井、荒井は中洲化して現在に至ると推測されます)、「狐嶋」側は「弁天島」となっています。ただし弁天島に弁天が祀られるのは宝永6年(1709年)以降のことなので、この時代は「弁天島」ではなくて「西之野」と呼ばれていたようです。地図をよくみると、弁天島の左側には「波ヨケ杭二十三丁」と書かれています。

話は前後しますが、実は浜松市立図書館の方で1650年前後に作成された正保国絵図に該当するものを閲覧できるのですが、今切船渡の上に三つ島が書かれており、左から「荒地?」「嶋濱?」「嶋濱?」と書かれているようなのですが、漢字が崩し字過ぎて読めません。場所的には宝永4年以前の「弁天島」、つまり「狐嶋」周辺でしょう。

続いて『伊能大図彩色図』では、舞阪側から「弁天ジマ」「二本抗」(現在の新弁天に相当か)と書き込まれた半島が伸びており、島として描かれていません。先に紹介した今切変遷図の宝永4年の津波の影響の図によると、弁天島から北西方向に「波ヨケ杭二十三丁」が打たれていたことを考慮すると、伊能の時代に「二本杭」まで陸地が伸びている原因は、このように防波目的で人工的な杭を打ち込んだため、トンボロが形成されたせいかも知れません。伊能が浜名湖を測量したのは文化2年(1805年)のこととされていますが、その後の文政6年(1823年)に描かれた遠淡海浜名湖之図では、半島に2か所切れ目が入り、弁天島と二本杭が分離しており、再び島化しています。一方『天保国絵図』では弁天島から二本杭まで一つの伸びる島となっています。今昔マップになると、明治23年(1890年)の測量図では弁天島、北弁天島(第二弁天島→1932年以降は日之出島)、西弁天島(→新弁天)、西弁天島の北側の小さい島(カラス島)など4つが独立島として描かれ、既に鉄道と橋が敷かれています。大正6年(1917年)の測量図では、西弁天島(新弁天)の北側の小さい島が2つ(カラス島、東郷島)に増えて5つの独立島となり、昭和13年(1938年)の測量図では北弁天島(第二弁天島)の北側に西野島浦の埋め立て地が作られ、さらに一気に6つの人工島(乙女園、蓬莱園、千鳥園、観月園、湖島、楽園)が作られています(西野島浦の埋め立て地や乙女島はそれぞれ水路で2つに分離していますが、西野島浦と乙女島の水路を無視するとこの段階では12島)。その後北弁天島(第二弁天島)~西野島浦~楽園は完全に埋め立てられて昭和7年(1932年)以降日之出島となります(10島)。昭和32年(1957年)修正版で渚園が作られ始め(11島)、昭和54年(1979年)修正版では新弁天の北側のカラス島、東郷島を含め、新弁天から乙女園までが完全に埋め立てられています(8島)。

このように弁天島の歴史は複雑で、明和または永正の大津波で狐嶋が形成された後、17世紀中頃には3島に分裂していた時代もあり(正保国絵図)、18世紀初頭の宝永の大津波で西之野のみ残って後は消滅(新居側が一時期2島が分裂し、さらに4島となり、南側が再び半島化して2島となっている)。島に弁天が祭られるようになって弁天島と呼ばれるようになり、19世紀初頭の伊能図では再度半島化しており、19世紀中頃には再び根本が切れて長い1つの島(天保国絵図)、ないしは2つの島に分裂(弁天島と西弁天島)、19世紀後半には4つの島に分離しており(陸軍参謀本部の測量図)、さらに5つに分裂し、昭和初期に7つの人工島が北側に建設され、その内3つの島が埋め立てで統合。さらに戦後に渚島が建設となり、やがて4つの島が埋め立てで統合。後から埋め立てられた島は当然人工島ですが、オリジナルの弁天島・新弁天・日之出島全体を一個の自然島とみなし、他の島を付随する人工島とみなすのか、ちょっと扱いに悩みます。SHIMADASなどでは弁天島をはっきり「人工島」として扱っており、自分としても現状では弁天島を削除してしまう方向に考えが傾きつつあります。[109381]にまとめた修正内容については今週中にもう一回整理します。

【鹿老渡島の堀切水路】また話は大分変りますが鹿老渡島について、個人のブログからこのような記述を見つけました。

島の西南部である鹿老渡はもともと地続きですが倉橋島の網元である林家が私費で堀を切りました
江戸時代のことです
この堀切のお陰で船はショートカットできるようになり鹿老渡は発展したようです
白砂青松の風景---
その名も『堀切橋』を渡り鹿老渡へ行ってみました(続く)

上のブログでは「林家」となっていますが、「宮林家」という、材木で栄えた商家があり、大名が泊まることができる本陣を鹿老渡に構えていたようです。しかもこの本陣には伊能忠敬も泊まり、ここで天文観測を行った可能性が高いそうです。伊能忠敬研究の方に中村士「伊能忠敬が瀬戸内海測量で使用した天文測器と『夜中測量之図』の観測地」という興味深い研究論文が載っており、そちらを抜粋で紹介します。

鹿老渡には 一行は 2泊3日滞在したことが分る。鹿嶋の一周測量のために必要たったのだろうが、忠敬の測量では同所に 2泊することは比較的珍しい。
図3の地図に見るように、鹿老渡は呉市の江田島に隣接する倉橋島にあり、最南端に位置する小さな港である。江戸時代には廻船の潮待ち ・風待ちのために栄えた瀬戸内海の良港だった。上述の新出測器は、この鹿老渡の辰之助直範なる人物(士分と思われるが素性未詳)が、忠敬の鹿老渡滞在時に象限儀と子午線儀の構造を調べ、寸法を測定したのだろう。伊能隊は鹿老渡に2泊3日滞在したために、二日目の昼間測量では象限儀・子午線儀は持ち歩かず宿に残していたはずで、辰之助は昼間に詳しく計測させてもらえたと想像する(『伊能忠敬測量日記』を読むと、忠敬は各所で来訪者に気軽に測量器具や天文測器を見学させたり、天文暦学書を質し与えたりしている)。その計測結果を元にして辰之助は、理由は不明だが、25年後の天保2年(1831)になって新出測器を復元製作し、それらがやがて上に述べた大庄屋宮尾家に渡ったと推定されるのである。
(中略)
倉橋島の古い建築に関する調査報告書(21)では、鹿老渡で寛政3年(1791)頃からの建物が残っているのは、野村家と宮林家の2軒だけと書かれている。『倉橋島志』によると、野村家は、貞享頃から文政年間まで断続的だが庄屋と地域の組頭を務めていた(22)。しかし、小川氏と私が鹿老渡を紡れた時(20115月14日)には、街路の東端に位置する野村家の建物は、だいぶ以前に解体されて、古めかしい蔵一棟だけを残した無住の更地になっていた。
そこで、民宿を経営するという街路酉端の角地の宮林家を、間取り調査のために訪問した。宮林家の建物は鹿老渡の中でもひときわ目立ち、古い歴史を感じさせる。中庭を取り巻く堂々たる白壁土蔵造りの平屋建である。正面玄関に接した八畳間だけで6~7部屋ある(21)。『倉橋町史』には、宮林家は本陣に使われたこともあると記されている(19)。宮林、野村の屋敷 ・建物は、19世紀初めから基本構成は変わっていないという(19)。
本節では、応対下さった宮林家の老未亡人の話をまず要約する(23)。民宿はご本人の健康上の理由から、数年前(調査当時)から止めている、宮林家の歴史と、同家が昔から伝統ある旧家だったことは、宮林家先代の賢から度々聞かされていたとのことだった(図6)。驚かされたのは、私たちが伊能忠敬の話を持ち出す前に、宮林家は野村家の分家で、両家はもとは津和野屋金右衛門という名前だったと、未亡人は、はっきり明言されたことである(忠敬の測量については何もご存じなかった)。この名前は、『伊能忠敬測量日記』の中に出てくる、忠敬らが鹿老渡で天測のために止宿した宿の当主の名前そのものだった(2.2節)。従って、忠敬らの天測は、野村家か宮林家かの層厳内で行なわれたことが明白になった。
『倉橋町史』(19)や『倉橋の建築』(21)等によると、江戸時代の両家の先祖は材木商で、これは鹿老渡の造船業と関係があったと記されている。これに対して、未亡人の話では江戸時代の宮林家は鹿老渡のいわゆる綱元で、漁のための網小屋をいくつも持ち、綱子も多数抱えていたため、大勢が泊まれるように間取り数の多い大きな屋敷になったとのことだった。また、瀬戸内海を往来する大名や文人墨客もしばしば宿泊したため、現在も当家には頼山陽や聿庵(いつあん)ら有名人の扇額がいくつも残されている。
『倉橋の建築』(21)に収録された両家の屋敷の図面を比較すると、宮林家の方が屋敷の規模は大きいから、いつの時代からか、分家である宮林家の生業の方がより盛んになったらしい。以上、述べてきた情報だけでは、忠敬らの天測が街路東端の野村家と西端の宮林家とのどちらで行なわれたかを確定することはできない。しかし、筆者には、宮林家の方がより可能性が高いように恩われる。それは、富林家が、江戸時代から大きな宿泊所として利用されてきたこと、天測場所に相応しい中庭が今も残っていること、宮林家の方が西に位置していて、 図5の天測点(「☆」印)により近いこと、などの理由からである。

以上、ブログの情報がある程度正しいとすると、鹿老渡の堀切水路が掘られたのは江戸時代のことで、水路を掘るための資金を出したのは網元である「宮林家」であり、そこはほかならぬ伊能忠敬が宿泊して夜中に天測観測を実施した家である可能性が高いということです。堀切水路が作られらた年代を絞るため、とりあえず、『海と人々のくらし / 倉橋町編』(2000年)には目を通しましたが、こちらには堀切水路に関する情報は掲載されていませんでした。残る文献として倉橋町編『倉橋町史 通史編』(2001年)がありますが、前述のようにこちらは閲覧には余計な手続きが必要です。とりあえず水路が作られた時期が判明している対馬、長島に加え、倉橋島~鹿老渡島も人為的な水路が作られたことがほぼ確定しました。

【日振島の堺浜水路】日振島については戦前は島を南北に分かつ水路も道路も掲載がありません([109396])が、こちらも個人のblogの方にもともと木製の橋が架かっていたという情報を見つけました。

真ん中の写真、この島と島が切れて向こう側が見えている部分には、昔は木製の橋が架かっていました。祖母によると、ある台風が日振島を襲った時、この橋を通っていた日振島小学校の子供たちが橋ごと流されたことがあったそうです。ほとんどの子供たちは助けられましたが、ある一人の女の子だけは見つからず。その後、網に引っ掛かっている所を発見されました。その子の母親は、毎日のようにここに通い、わが子を探していたそうです。
台風の度に流されていた橋は、現在は写真のようにコンクリート製の丈夫なつくりになっています。

宇和島市立日振島小学校の沿革によると、以下が該当しそうです。

昭和18年 津波あり、堺浜にて児童1名死亡

実は『新版 日本の島事典』の方にも以下の記述があったのですが、これによりこの橋が架かっている部分の固有名が「堺浜」、「堺の浜」であることが分かりました。

島中央部堺の浜で、幅10m程度の短水路で南(1.4186km2・13.668km・197.7m/北:2.3190km2・17.886km・158.8m)の2島に区切られるが、実質的に1島である。

後に「愛媛県道290号喜路能登線」を作る過程でコンクリートの橋が作られ、その際に水路がきっちり掘られたと推測されます(1960年代)。時期的に1958年の昭和の大合併(日振島村→宇和海村)よりも後、1974年の宇和島市への合併への前です。『宇和島市誌』(1974年)の方は、残念ながら宇和島市中心部の土木工事がメインで、こちらの水路の情報は載っていません。現状の情報から日振島の状況を推測すると、昭和初期の段階で日振島は満潮時にも堺浜は繋がっていたが、濡れないように歩くために木の橋がかけられていた。南北をつなぐ県道が作られた際に国土地理院地図でもはっきり描かれる水路が作られた、のではないかと推測しました。

それにしても上のブログの写真を見る限り、水路は実に狭いですね。国土地位地図だと水路は一番狭いところで5メートルです。
[109396] 2023年 12月 15日(金)16:32:49【2】訂正年月日
【1】2023年 12月 16日(土)11:01:16
【2】2023年 12月 16日(土)11:07:00
YT さん
鹿老渡を倉橋島より分離した堀切水路の掘削は幕末に行われた?
鹿老渡についていろいろ調べましたのでまとめます。

まず国土地理院地図を見ると、堀切橋は幅20メートル程度の水路にかかっている橋です。google mapのストリートビューで見ても、かなり両岸が近いようです。

『芸藩通志』「巻之三十八 安芸郡三」の鹿老渡湊」の項目によると

鹿老渡湊 倉橋島にあり、南北二港ありて、南は下浦とて東北風を防ぎ、北は日浦とて西南風を防ぐ、享保年間に始て家を移し市を成す、今一聚となれり、或は云、からうとは韓泊の義を訛り称せるなるべしと、此地周防洋の口なれば、古韓船繋泊せることもありぬべし、鹿老渡の西、財崎、室尾にも埠頭もあり、

とあります。『芸藩通志』は広島藩の地誌で、文政8年(1825年)に完成したとされておりますが、その『芸藩通志』「巻之三十六 安芸郡一下」に倉橋島の地図」が掲載されています(右側が南)。これを見ると、鹿老渡の部分は半島になっていて、水路が描かれていません。

国立公文書館所蔵の天保国絵図安芸国(天保9年(1838年))では、「かろうと」と書かれていますが、同じく水路は描かれていません。

また伊能大図彩色図の「伊豫 諸島 安芸 広島」を見たところ、こちらでも水路が描かれていません。伊能が瀬戸内の山陽道川を測量したのは1806年(文化3年)のこととされております。正直国絵図が正確に地形を反映しているとは思いませんが、伊能図は海岸線だけは正確に測量しているはずですので、このことから19世紀前半では、おそらく鹿老渡は倉橋島と陸続きであったと推測されます。

一方スタンフォード大学のサイトで閲覧可能の、陸軍参謀本部作成の五万分一地形図(大正14年(1925年)修正版)では、既に鹿老渡の堀切橋が完成しているようにみえます。

『広島県史 第1編』(大正10年(1921年))に収録の安芸国全図でも、既に水路は存在するようにみえます。

ただ解像度の低い大阪毎日新聞『日本交通分県地図』の其二 広島県(大正12年(1923年))などでは水路は確認できません。

いくつか調べたところ、『日本警察彰功録 下巻』(明治24年(1891年))の一節

広島水上警察署巡査平田大己巡回シテ宇和木浦ニアリ就テ之ニ協力ヲ求メ共ニ又鹿老渡ニ向フ
之ヲ探ルニ二賊初メ会場ノ争闘ヲ知ラズ暁天残灯ノ下ニ酒杯ヲ傾ケ献酬
時ヲ移ス適々海辺土民ノ騒擾スルヲ聞キ始メテ党与ノ就縛シタルヲ知リ匆々樓ヲ出テ鹿老渡堀切ニ向テ逃走シタリ
然ルニ村長岩本孝祐ハ二賊ノ逃路ヲ絶チ嚢中ノモノトナシ容易ニ捕獲セン

と「鹿老渡堀切」という言葉が見つかりました。つまり19世紀末には「堀切」が存在したことになります。

以上から推測するに、堀切の水路が作られたのは19世紀のこと。明治維新後は呉に海軍が置かれた影響で鹿老渡での自由な往来が阻害されたので、おそらく鹿老渡が最盛期を迎えた幕末頃に掘削されたのではないかと推測します。

『倉橋町史』、あるいは最近出版された『呉市史』関連の書籍を読めばもう少し絞れるかもしれませんが、自分の身近ではちょっと手続きがめんどくさい図書館(コロナ以降事前予約が必要になってしまった)にしか見当たりませんでした。

【追記】愛媛県宇和島市の日振島は、スタンフォード大学公開の地形図では、昭和9年(1936年)の時点において南北に分かつ水路もなく南北を繋げる道もありません。おそらく道を作ったときに下を通る水路も掘られたのでしょう。長崎県対馬市の対馬、岡山県瀬戸内市の長島、日振島、倉橋+鹿老渡島の4島に関しては、全部人為的な水路があとから作られたようで、それが国土地理院公開の島面積合算にそのまま反映されているようです。
[109393] 2023年 12月 14日(木)12:53:52【3】訂正年月日
【1】2023年 12月 14日(木)13:23:12
【2】2023年 12月 14日(木)13:28:28
【3】2023年 12月 14日(木)20:34:22
YT さん
沖縄県豊美城市の瀬長島を有人島リストから削除する可能性について
[82725] [82776] オーナーグリグリさん

問四:豊見城市の瀬長島は、本土(那覇空港)と地続き

豊見城市の瀬長島は、この部分で那覇空港(那覇市)と堤防でつながっています(こことここでは切れていますが)。一方、松江市の大根島と江島は、こことここで切れています。江島は江島大橋で境港市と架橋していますので、境港市も共通項が該当します。

『新版 日本の島事典』で「第III部 島嶼県別統計」の方に掲載がなく、「第1部 日本の島々(解説編)」の方に個別の解説記事の掲載があった有人島候補は、琵琶湖の沖島、中海の大根島、江島、浜名湖の弁天島などの湖の島のほか、第III部の方では合算値が示されていた徳島県鳴門市の大毛島・高島、長崎県対馬市の赤島・泊島、長崎新上五島町の有福島・日島・漁生浦島、そして今回自分が誤って独立した自然島と判断してしまった鹿児島県出水市の蕨島と、沖縄県豊美城市の瀬長島の二つが該当します。四国本土と埋め立てられて接続している香川県坂出市の瀬居島と沙弥島、九州本土と接続している長崎県長崎市の香焼島なども、「第1部 日本の島々(解説編)」の方に独立の解説記事がありますが、「第III部 島嶼県別統計」には掲載されていません。【追記:[109368]の「島面積1.00 km2未満の有人島、その他特殊な島の面積の比較(修正の必要がないものも含む)」の表で、小数点以下6桁まで示されていないものが、「第III部 島嶼県別統計」に掲載されていないものに該当します。この表を作成した段階では蕨島(0.8675 km2)を考慮していなかったので表には入れていません。湖の有人島、合算値の面積が採用されている有人島のケースを除けば、面積1km2未満の有人島リストの中で瀬長島が唯一「第III部 島嶼県別統計」の方で独立した自然島と認識されていなかったということです】

ここで鹿児島県出水市の蕨島の方は、九州本土と繋がっており([109392])、立場としては長崎県長崎市の香焼島と同等であることが分かりました。となると、もしかしたら沖縄県豊美城市の瀬長島にも同様に独立の自然島とみなすには何らかの問題があるのかも知れません。

改めて瀬長島について国土地理院の地図を見ますと、北東側の道は2か所で切れていますが、北西側の道は完全に陸続きのようにみえます。google mapのストリートビューで北西側の道から北東側の道を見ると、北東の道には確かに2か所橋が架かっています。一方北西側の道はどうかというと、ストリートビューでその道を移動する限り、橋があるようには見えませんし、遠くから見た場合でも道の途中に橋や水路があるように見えません。

よって、ritokei/離島経済新聞ではわざわざ瀬長島の項目がありますが、過去のオーナーグリグリさんの投稿でも指摘されているように、瀬長島は完全に沖縄本土と繋がっているとみなし、瀬長島を削除して人口も沖縄島と合算しても構わないかも知れません。その場合2020年は瀬長島の人口0なので影響ありませんが、2015年は瀬長島は1世帯4人なので、沖縄島の人口は1,301,753→1,301,757人に修正となります。ただしritokei/離島経済新聞を尊重するのであれば、現状維持です。

なお、『新版 日本の島事典』「第III部 島嶼県別統計」では、神奈川県横浜市金沢区の野島、島根県浜田市の瀬戸ヶ島/瀬戸ケ島、広島県広島市南区の宇品島のほか、すでに追加済みの神奈川県横須賀市の天神島、佐賀県太良町の竹崎島、長崎県五島市の前小島、熊本県上天草市の椚島、熊本県天草市の前島、宮崎県宮崎市の青島なども自然島として掲載されています。

浜名湖の弁天島は・・・まあ沖島や大根島・江島などと同じ湖の島ですが、弁天島から拡張される過程で大量の人工島が建設されており、野島や宇品島以上に扱いが微妙なところです。

SHIMADASや『新版 日本の島事典』「第III部 島嶼県別統計」で同一の島とされ(『新版 日本の島事典』「第1部 日本の島々(解説編)」、離島統計年報では独立の島扱い)、実際に埋め立てられている長崎県対馬市の赤島・泊島については、離島統計年報を尊重して現状では合算しないままでいいと思います(有福島・日島・漁生浦島も同様)。
[109392] 2023年 12月 14日(木)11:21:56【1】訂正年月日
【1】2023年 12月 14日(木)11:32:02
YT さん
[109381]の訂正:蕨島の削除、九州の人口修正
[109381]で追加した島は、過去に2013年1月開催の十番勝負で色々検討されていたようです。

[82776] オーナー グリグリさん

なお、問四の該当しない市については、木更津市が人工島、西尾市が桟橋、出水市が堤防道路の除外例です。ただ、木更津市は海底トンネルで川崎市(同じ本州)につながっているので、大村市の除外と合わせて、基準が分かりにくくなったかもしれません。常滑市を除外例にした方が明確だったでしょう。また、桟橋ではなく岸壁と表現すべきですね。桟橋だと海面上に構築される橋と同種になってしまいます。したがって、「堤防道路、桟橋」は「堤防道路や岸壁」と表現すべきでした。

あと、江の島(藤沢市)のように陸繋島で陸続きになる場合を除外するかどうかを悩みました。出水市の蕨島のように完全に堤防で陸続きになっているかどうかをGoogle Mapの航空写真や画像検索などで確認し、橋があって満潮時などに海面下になることが確認できたものは該当することとしました。福岡市の志賀島は航空写真では陸続きになっていますが、Wikiなどの記述から志賀島橋の部分は道切(みちきれ、満切)と呼ばれ、満潮時に一部が海水で区切られるとのことから該当する市としています。

改めて国土地理院の地図で鹿児島県出水市の蕨島を確認したところ、松原鼻から先に堤防が伸びています。堤防の南側を流れる水路は、北西の末端側では地図の上では水路で島が分離しており、橋が架かっているように見えますが、そこに水門が存在するようです。水路をどんどん南東へたどっていくと、水路の末端では完全に空堀となっていました。船があるということは、満潮時にはここまで海水が来るのかも知れませんが、そこから先は完全に埋め立てられています。

よって、[109381]のリストから蕨島を除外し、九州の人口も修正します。

#島名都道府県人口
2020年
人口
2015年
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
変更点
383***九州7県12,346,47812,546,11136,782.38335.7竹ノ島,南串島(長崎県西海市),黒島(大分県臼杵市)の人口推定処理の影響あり九州の数字が修正前のままでした(本州・四国は対応済み)。能古島2020年663人→661人(2人減)【最初の数字が間違っていた】、竹ノ島2人→3人(1人増【住基人口比で修正】)、南串島2020年76人→82人(6人増【住基人口比で修正】)、2015年85人→96人(11人増【確定値に変更】)、、鹿島2020年6人→7人(1人増【確定値に変更】)、黒島2020年4人→3人(1人減【2015年の確定人口比で修正】)の修正により、九州島は2020年が5人減、2015年が11人減となります。

その他の島については、[82809]の離島架橋一覧に関わっています。

神奈川県横浜市野島については[82781][82782]、島根県浜田市の瀬戸ヶ島/瀬戸ケ島については[82815]、広島県広島市南区の宇品島については[86248]に関連する情報が示されています。瀬戸ヶ島はほぼ問題なく自然島。野島は自然に陸繋島となった後、何度も水路を開削されている島。宇品島は一度埋め立てられた後、再度水路を開削された島です。一応野島も宇品島も『新版 日本の島事典』では「自然島」扱いとなっていますが、経歴的には微妙な島です。

hmt さんがご存命であれば、この辺の意見を述べられたことでしょう。

なお、平清盛による音戸瀬戸開削伝説が伝わる倉橋島ですが、下向井龍彦 『音戸瀬戸平清盛開削伝説に関する学際的研究とその地域教材化』によると、

地質学・自然地理学からの検討
自然地理学の方法によって清盛開削の真偽を検証した。人工的開削を施したと仮定したなら、必ず海岸地形の変化やそれに伴う潮流の変化等の痕跡が残るはずである。そこで①海底地形の経年変化、②海岸地形の経年変化、③潮流による侵食、④対象地域周辺の地質、⑤過去の災害による変化、の5つの観点から分析した。分析の結果、①海底に存在する花崗斑岩などの岩脈は非常に浸食されにくい性質を持っているために人力で開削するのは困難である②縄文時代の海水面は現在より数㍍高く現在海峡南北に存在する巨大な海釜は、縄文時代の潮流の流速が現在よりはるかに大きかったことを示す。③縄文時代以降、現在の海水面に安定化するまでの過程で、海水面の上下変動は幾度となく繰り返されたはずだが、音戸瀬戸が陸地化するほどの大規模な変動は検出されない。④海底地形の経年変化と潮流との関係を検討すると、音戸瀬戸の海峡内部は堆積作用よりも浸食作用のほうが大きく、歴史時代(弥生時代以降)に堆積作用で陸地化したとは考えがたい。⑤海峡を埋めるような大規模な土石流の痕跡はみあたらない。以上の点が明らかになった。
以上、地質学・自然地理学の方法によっても、音戸瀬戸が清盛が開削して海峡になったという徴証は認めがたく、縄文時代から清盛の時代にいたるまで一貫して狭小な海峡であったという結論ならざるをえない。それは、歴史学・歴史地理学・民俗学の方法による研究結果と一致する。

とのことで、清盛開削伝説はあくまでも伝説で、倉橋島は一貫して自然島のようです。鹿老渡(江戸時代の書物によると「韓泊り」に由来する)の方がむしろ伝説の舞台だったら話が早いのですが、堀切開削の方の情報はまだ見つかっていません。
[109381] 2023年 12月 11日(月)02:10:29【6】訂正年月日
【1】2023年 12月 11日(月)02:44:00
【2】2023年 12月 11日(月)10:19:15
【3】2023年 12月 11日(月)10:48:10
【4】2023年 12月 11日(月)10:51:47
【5】2023年 12月 11日(月)15:39:24
【6】2023年 12月 11日(月)20:02:56
YT さん
野島・弁天島・瀬戸ヶ島・宇品島・蕨島の追加と注の見直し
[109376] オーナー グリグリさん

[109370][109375]に基づく修正を行いました。

ありがとうございます。松島、六口島の基本単位区の私の方の誤解による間違いにも気付いていただき、申し訳ありません。

編集システムを急ぎたいのですが、石島/井島など特殊要因があるので悩み中です。

ありがとうございます。ただ今回の投稿が多分最後の大幅な改訂になると思います。

今回、神奈川県横浜市金沢区の野島、島根県浜田市の瀬戸ヶ島、広島県広島市南区の宇品島、鹿児島県出水市の蕨島を追加しました。これらはすべて『新版 日本の島事典』 (2022年)の方で「自然島」かつ「陸繋島」として扱われています。結局のところ現状島の定義というのが難しいのですが、明白に埋め立てによって水路が満潮時(【干潮時と最初書いてましたが満潮時に訂正】)にすら消失してしまっている場合を除き、『SHIMADAS』 (2019年)や『新版 日本の島事典』などで自然島として扱われているものは極力島として扱います。横浜市の野島は一度砂洲が繋がっていたものをあとから掘ったということで微妙ですが、それを言い出すと平清盛が水路を掘ったと伝えられている広島県呉市の倉橋島、後から埋まった砂洲を除いた神奈川県藤沢市の江の島なども自然島といえるのかという問題が起こります。

また浜名湖の弁天島を加えました。自然島由来といえるのは、弁天島、日之出島、新弁天、(およびいかり瀬などの無人の瀬)で、乙女園(現在は新弁天に接続)、観月園、湖島(中ノ島)、渚園、千鳥園、蓬莱園はすべて人工島ですが、区別がむずかしいこと、『SHIMADAS』 、『新版 日本の島事典』 はどちらも1個の項目として弁天島を扱っているので、これらを分けずに1個の湖内の自然島として扱いました。ただし下の表では、注の方に構成する島のリストを示すようにしてみました。なお『新版 日本の島事典』では八島, 四洲の総面積が10.945 km2と印字されていたのですが、構成する個々の島を合算してみても明白に1桁数字が間違っていること、また四洲は完全に無人なので、八島合計の0.9968 km2を採用しました。

湖の島ということで、浜名湖の弁天島、琵琶湖の沖島、中海の大根島、江島の人口はすべて本州の人口に合算します。『新版 日本の島事典』収録の島の情報を信じる限り、これ以外に有人の湖の島は見つかりませんでした。

また水路によって分割される、岡山県瀬戸内市の長島、広島県呉市の倉橋島、愛媛県宇和島市の日振島、長崎県対馬市の対馬島の4島については全部1個の島として扱います。このうち長島と対馬島については人工的な水路が完成した時がはっきりしているのですが、倉橋島~鹿老渡島の堀切、日振島の南北については、はっきりした資料をみつけることができませんでした。ただこれら4つの島は、現状では『SHIMADAS』 、『新版 日本の島事典』(「第III部 島嶼県別統計」では個々の面積の記述があるものの、本編の方では全く同じ項目内で扱っている)、そして離島統計年報において、いずれも単独の島として扱われ続けているという実績があること、倉橋島~鹿老渡島の例を除き、長島の東西島、日振島の南北島、対馬島の対馬上島と対馬下島に挟まれた第3の島を指す固有名が存在しないことなどから、今回はすべて同一の島として扱い、浜名湖の弁天島を含め、注の方の個々の島の情報を加えてみることを提案します(でもしつこいと感じたら採用しなくても構いません)。

以下に追加修正リストをまとめます。【追記:本リスト内の弁天島の面積は四洲を排除した八島合算値に変更】

(開く)追加修正箇所リスト

新たに加えた鹿児島県出水市の蕨島ですが、出水市[0180-06050](2020年16世帯31人、2015年13世帯21人)が九州本土側の土地を大量に含むため、当初は住基人口比で計算しようとしました(新版 日本の島事典によると2020年12月1日住基人口137人、SHIMADASによると2019年7月1日住基人口139人、島の散歩によると2016年2月1日住基人口153人とあり、出水市荘の住基人口(2020年12月1日839人、2019年7月1日835人、2016年2月1日912人)と出水市荘の国勢調査人口(2020年792人、2015年882人)から算出しようとしたところ、その結果2020年は129~133人、2015年は144~148人となり、[0180-06050]全域を[0180-06020~06040]に加えた数字(2020年127人、2015年146人)すら上回るか同等となってしまう結果となりました。改めて出水市[0180-06050]の九州本土側をgoogle mapで精査したところ、実際に確認できたのは工内排水機場、市立蕨島小学校、米作り農業法人鶴秀の関連施設、その他排水関連の施設、ビニールハウス、平屋の作業場などで、本土側には住宅地が一軒もないようにみえます。また蕨島側に入り込んでいる[0180-06050]には20軒弱の家屋は確認できることなどから、ここでは[0180-06050]内の住居がすべて蕨島に存在すると仮定し、国勢調査基本単位区の人口データの合算で蕨島の人口を算出しました。ただし「市区町村 (小地域区分)」の方では「出水市 (荘の一部 [0180-06020~06040] [0180-06050]の一部)」という表記を残しました。

データ項目の説明の内
(3) 琵琶湖に浮かぶ沖島は、国土地理院の規定では島ではないが、法令上離島振興法等指定離島となっておりリストに含めている。ただし、琵琶湖は本州の面積に含まれており、沖島の人口も本州の人口に含めている。

は、例えば

(3) 湖の島は国土地理院の規定では島ではないが、例えば琵琶湖に浮かぶ沖島などは法令上離島振興法等指定離島となっており、湖の有人島もリストに含めている。ただし、琵琶湖や浜名湖、中海は本州の面積に含まれており、沖島や弁天島、大根島、江島などの人口も本州の人口に含めている。

に変える必要があります。

5. 人口算出における詳細注記
(1) 高知県須崎市の中ノ島、戸島
 本土と分離できないため人口を推定。四国の人口は正確ではないが誤差は±10人程度と推察。
(2) 長崎県西海市の竹ノ島、南串島 / 西彼杵郡時津町の前島 / 諫早市の鹿島 / 大分県臼杵市の黒島
 国勢調査の基本単位区では本土と分離できないが、離島統計年報に国勢調査の基本単位区をさらに分割した数字あり(竹ノ島、前島、鹿島、黒島は2015年国調、南串島は2010年国勢調査ベース)。基本単位区に占める人口比から人口を推定。九州の人口は正確ではないが誤差は±20人程度と推察。
(3) 長崎県南松浦郡新上五島町の中通島、桐ノ小島
 離島統計年報に2020年国勢調査の基本単位区をさらに分割した数字あり。
(4) 熊本県の大矢野島・野牛島
 人口を分離するための有効なデータ見つからず、両島の人口を大矢野島欄に一括表示。

は、少し整理して

5. 人口算出における詳細注記
(1) 徳島県海陽町の竹ヶ島 / 高知県須崎市の中ノ島、戸島
 本土と分離できないため人口を推定。四国の人口は正確ではないが誤差は±10人程度と推察。
(2) 長崎県西海市の竹ノ島、南串島 / 大分県臼杵市の黒島
 国勢調査の基本単位区では本土と分離できないが、離島統計年報に国勢調査の基本単位区をさらに分割した数字あり(竹ノ島、前島、鹿島、黒島は2015年国調、南串島は2010年国勢調査ベース)。基本単位区に占める人口比から人口を推定。九州の人口は正確ではないが誤差は±10人程度と推察。
(3) 熊本県の大矢野島・野牛島
 人口を分離するための有効なデータ見つからず、両島の人口を大矢野島欄に一括表示。

また弁天島、長島、倉橋島、日振島、対馬島を構成する島の各人口変遷は以下の通りになります。弁天島については『新版 日本の島事典』記載の面積(小数点以下4桁)を載せます(他は[109351]の方で小数点以下6桁の数字を掲載済みですのでここでは四捨五入した数字にしています)。

(開く)弁天島、長島、倉橋島、日振島、対馬島の構成島の人口の変遷

今後は可能であれば、有人の人工島の人口をまとめたいと思います。川の中州や、あるいは例えば房総半島島みたいなのは、ネタとして面白いかも知れませんが、ちょっとデータを揃えるのが難しそうです。
[109375] 2023年 12月 8日(金)20:51:44【4】訂正年月日
【1】2023年 12月 8日(金)20:58:08
【2】2023年 12月 8日(金)21:05:17
【3】2023年 12月 8日(金)21:07:29
【4】2023年 12月 9日(土)00:55:31
YT さん
[109370]の追記:小地域区分の訂正点
[109369] オーナー グリグリさん

以上、お手数ですがご確認ください。→ 日本の有人島一覧

すみません。[109370]に加え、小地域区分で訂正するべき点を以下にまとめます。

【追記:#51賢島、#278蛎浦島を追加】

#島名都道府県市区町村 (小地域区分)備考
51賢島三重県志摩市 (阿児町神明の一部 [0020-00221~00222] [0020~00230の一部] [0020-00240])間違いではないが、「~」を全角に変更
53沖島都道府県近江八幡市 (沖島町:[0820-00030]を除く)他の書き方との整合性(コロンなど)
54淡路島兵庫県洲本市, 淡路市, 南あわじ市 (沼島を除く)間違いではないのですが、後に南あわじ市の沼島が続くので順番変更
77井島・石島岡山県, 香川県玉野市 (石島), 直島町 ([0010-00641の一部])[0010-00641]は香川県直島町の基本単位区(令和2年国勢調査報告書で直島町には大字・町名が与えられていない)で、岡山県玉野市側の大字・町名は石島
78松島岡山県倉敷市 (下津井の一部 [1590-00030の一部])「の一部」を追加
79六口島岡山県倉敷市 (下津井の一部 [1590-00030の一部])「の一部」を追加
93細島広島県尾道市 (因島重井町の一部 [1060-00470] [1060-00550])「細区」=[1060-00470]だけ字・丁目名が入っており、両者ともに「因島重井町」という大字・町名に所属・・・なので混乱するので「細区」を削除
102大崎上島広島県大崎上島町 (契島,生野島,長島を除く)除くの場合はコンマの後のスペース削除
105三角島広島県呉市 (豊町久比の一部 [2360-02010~02020], 豊浜町大字大浜の一部 [2310-01010])括弧が余計
154大毛島徳島県鳴門市 (鳴門町土佐泊浦, 三ツ石:[0030-03040]を除く)他の書き方との整合性(コロンなど)
156島田島徳島県鳴門市 (瀬戸町大島田, 室, 撫佐, 小島田, 中島田, 北泊の一部 [0040-03140], 堂浦の一部 [0040-02200])括弧が余計
159竹ケ島徳島県海陽町 (大字宍喰浦字竹ケ島の一部 [0220-00260の一部])「の一部」を追加
164直島香川県直島町 (屏風島,向島を除く)除く内容を追加
165屏風島香川県直島町 ([0010-00631])令和2年国勢調査報告書で直島町には大字・町名が与えられていない
166向島香川県直島町 ([0010-00641の一部])令和2年国勢調査報告書で直島町には大字・町名が与えられていない
252壱岐島長崎県壱岐市 (大島,長島,原島,若宮島を除く)除くの場合はコンマの後のスペース削除
267前島長崎県佐世保市 (小佐々町矢岳の一部 [2750-00040の一部])「の一部」を追加
268鼕泊島長崎県佐世保市 (小佐々町矢岳の一部 [2750-00040の一部])「の一部」を追加
278蛎浦島長崎県西海市 (崎戸町蠣浦郷, 崎戸町本郷の一部 [0500-01010] [0500-02010])基本単位区のコンマつなぎを修正
279崎戸島長崎県西海市 (崎戸町本郷の一部 [0500-01020] [0500-03010~05010])間違いではないが、「~」を全角に変更(ほかはすべて全角になっている)
300中通島長崎県新上五島町 (頭ケ島,桐ノ小島,若松島,漁生浦島,有福島,日ノ島を除く)除くの場合はコンマの後のスペース削除
358種子島鹿児島県西之表市 (馬毛島を除く), 中種子町, 南種子町西之表市が欠落
[109370] 2023年 12月 7日(木)23:57:12【5】訂正年月日
【1】2023年 12月 8日(金)00:22:06
【2】2023年 12月 8日(金)00:49:52
【3】2023年 12月 8日(金)01:05:06
【4】2023年 12月 8日(金)09:56:18
【5】2023年 12月 8日(金)15:59:28
YT さん
大根島・江島の面積と3つの有人島追加:長崎県五島市の前小島・熊本県上天草市の椚島・熊本県天草市の前島
[109369] オーナー グリグリさん

五島市の前小島と天草市の前島は[109336]記載の新規追加分で現時点で一覧に掲載なしです。掲載情報をいただければ追加します。

以上、お手数ですがご確認ください。→ 日本の有人島一覧

早速の修正ありがとうございます。

まず島根県松江市の大根島と江島の面積の出典が「SHIMADAS (2019年)」となっていますが、現在引用している5.15 km2、1.09 km2は「新版 日本の島事典 (2022年)」からの数字です(新版 日本の島事典 (2022年)は1km2未満の島の面積の引用に使っており、ここだけ1km2以上の島の面積として引用している)。

参考までに以下に大根島と江島の面積をまとめます。国土地理院が島面積を毎年公表するようになったのは平成14年以降のようですが、現在オンラインで閲覧できるのは平成16年以降です。それによると、平成25年まではずっと5.15 km2, 1.20 km2でしたが、平成26年の面積算出方法の変更以降は、合算した面積6.78 km2→6.74 km2→6.71 km2を掲載しています。離島統計年報の方は2003年から2021年に至るまで、ずっと平成25年以前の国土地理院の数値5.15 km2, 1.20 km2のままです。一方SHIMADAS (2019年)の方は平成29年~令和5年1月1日までの合算値6.74 km2を掲載しており、個々の島の面積は載っておりません。新版 日本の島事典 (2022年)は、事典第1部の項目の方で、5.15 km2、1.085 km2となっています。

文献大根島の面積(km2)江島の面積(km2)大根島・江島の面積(km2)
国土地理院面積調(平成16年~平成25年)5.151.206.35
国土地理院面積調(平成26年~平成28年)6.78
国土地理院面積調(平成29年~令和5年1月1日)6.74
国土地理院面積調(令和5年4月1日~令和5年7月1日)6.71
2003離島統計年報~2021離島統計年報5.151.206.35
SHIMADAS (2019年)6.74
新版 日本の島事典 (2022年)5.151.0856.235

実のところ、新版 日本の島事典 (2022年)の数字の中で、ここだけ一番精度が低い感じですので、江島の面積を1.20 km2に戻して2021離島統計年報を引用しても構わないかも知れません。

またほかに気付いた点としては、長崎県五島市の福江島、熊本県上天草市の涌島、熊本県上天草市・天草上島の天草上島、熊本県天草市・苓北町の天草下島の小地域区分や人口、面積、人口密度がおかしくなっていました。ついでに折角ですので、長崎県五島市の前小島、上天草市の椚島、天草市の前島(いずれも赤色背景の「上記以外:SHIMADAS (2019年)などに掲載」に相当)の情報を以下にまとめます。この3つの島を追加すると、それぞれ福江島、天草上島、御所浦島の人口が削られますが、九州島の人口自体には影響がありません。椚島は最初から国勢調査の基本単位区で区別できましたが、前小島、前島の方は住基人口比で算出する必要がありました。

【追記:備考の修正】昨晩の時点で、福江島と御所浦島の備考をそれぞれ「2020年, 2015年の人口は福江島, 前小島全域(2020年31,945人, 2015年34,419人)より前小島の推定人口を除して推定」、「2020年, 2015年の人口は御所浦(2020年1,539人, 2015年1,786人)より前島の推定人口を除して推定」などと書きましたが、小地域区分の方で既に差分で算出していることが明記されているし、状況は四国、九州などと同じなので、備考内容をシンプルに変更しました。
【追記:前島について】すみません。「奈留島」ではなくて「奈留町」なので、前島分も入っていました

番号島名都道府県市区町村 (小地域区分)人口
2020年
人口
2015年
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
備考変更点
312福江島長崎県五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)31,93834,411326.3697.9前小島(長崎県五島市)の人口推定処理の影響あり住基人口比で「前小島」を分離し、小地域区分の範囲を修正し、備考を追加
312.5前小島長崎県五島市 (岐宿町河務の一部 [基本単位区1370-10010の一部])780.2133.32020年, 2015年の人口は福江島, 前小島全域(2020年31,945人, 2015年34,419人)と住基人口比(2015年2月10日8人/2015年4月1日35,905人)により推定; 2015年2月10日住基人口出典:SHIMADAS (2019年)新規追加, 住基人口比で福江島より分離
328*樋島熊本県上天草市 (樋島)9731,1403.45282,0データが天草上島と混在している状態を修正し、さらに「椚島」を分離
328.5**椚島熊本県上天草市 (高戸の一部 [0130-00140])330.358.6新規追加, 国勢調査の小地域区分により「天草上島」より分離
329*天草上島熊本県上天草市 (維和島,大矢野島,野牛島,湯島,野釜島,永浦島,樋合島,前島,中島,樋島,椚島を除く), 天草市 (志柿町, 瀬戸町, 下浦町, 楠甫, 大浦, 須子, 赤崎, 上津浦, 下津浦, 大島子, 小島子, 棚底, 宮田, 浦, 馬場, 打田, 河内, 湯船原, 古江)23,76926,314225,93105.2データが一部桶島と混在している状態を修正し, さらに椚島を分離
330御所浦島熊本県天草市 (御所浦:前島を除く)1,5371,78412.54122.6前島(熊本県天草市)の人口推定処理の影響あり住基人口比で「前島」を分離し、小地域区分の範囲を修正し、備考を追加
330.5**前島熊本県天草市 (御所浦字下脇の一部 [0500-09090の一部])220.1513.32020年, 2015年の人口は御所浦地域(2020年2,318人, 2015年2,735人)と住基人口比(2019年8月31日2人/2,729人)により推定; 住基人口出典:SHIMADAS (2019年), 天草市ひとのうごき参考Web新規追加, 住基人口比で「御所浦島」より分離
336*天草下島熊本県天草市 (天草上島,御所浦島,前島,牧島,横浦島,通詞島,横島,下須島を除く), 苓北町65,93771,523574.95114.7小地域区分に天草市の情報欠落

上の番号は、3つの島を挿入する場所の目安ということで入れました。

九州に関しては新たな有人島として、鹿児島県出水島の蕨島(2020年127人/0.87 km2)を見つけましたが、こちらは九州島の人口にも影響があるので、ほかと一緒にまとめなおします。
[109368] 2023年 12月 7日(木)01:19:31【5】訂正年月日
【1】2023年 12月 7日(木)01:25:16
【2】2023年 12月 7日(木)01:41:10
【3】2023年 12月 7日(木)02:01:17
【4】2023年 12月 7日(木)02:26:49
【5】2023年 12月 7日(木)10:29:28
YT さん
『新版 日本の島事典』記載の面積1.00km2未満の有人島の面積
[109367] オーナーグリグリさん

これは私の記述内容の理解不足でした。基本単位区のまとめかたをすべて訂正しました。ご確認をよろしくお願いいたします。

早速の修正ありがとうございました。

この部分以降の内容ですが、検討を少し始めた段階で不安になりました。というのも、更新タイミングは沖縄県を含め面積更新が完了してからになるのではと思ったからです。私の理解が不足しているのかもしれませんが、「新版 日本の島事典」の情報が全国に適用されるまでは説明文の修正が中途半端にならないでしょうか。

すみません。おっしゃる通りです。

なお『新版 日本の島事典』(2022年)の「第III部 島嶼県別統計」から、面積1km2未満の該当する有人島の面積は既にまとめており、以下の通りです。実のところ、松江市の大根島、江島(第III部では湖内の島なので対象外)、対馬市の赤島、泊島(第III部では合算して0.617764 km2)、新上五島町の漁生浦島(第III部では「有福島・日島・漁生浦島」と合算)、豊見城市の瀬長島(なぜかリストから外れていた)などの島の面積の数字も『新版 日本の島事典』の個別の島の項目に掲載されていたことに後から気付きました。よってこれらすべての面積のデータを『新版 日本の島事典』から引用することが可能であり、※2の項目はほぼ完全に必要なくなりましたしたし、個別に黄色い背景をつける必要もないかもしれません。もっとも大根島、江島はそれぞれ面積1km2以上ですが、両者を分割するために国土地理院の面積調の数字を用いていない状態なので、その説明のために※2を使うことはできます。なお現行の表で宮崎県の青島の面積として掲載されている0.86km(背景色がついていない)は海岸延長距離であり、SHIMADAS記載の島面積は0.04 km2です。

(開く)島面積1.00 km2未満の有人島、その他特殊な島の面積の比較(修正の必要がないものも含む)

というわけで、面積だけならすぐにでもすべて修正できるデータがそろっています。

3.『新版 日本の島事典』(2022年)により南城市の奥武島、宮古島市の大神島、竹富町の由布島、鳩間島の面積を修正、面積出典をほぼ削除
例えばこの部分ですが、南城市の奥武島以外は現状でも面積出典の注記はありません(※2は付いていません:表の備考欄の記述)。お手数ですが、後半部分の修正内容について、更新タイミングと内容の確認をお願いいたします。

すみません。面積出典が必要なくなったことを強調するあまり、このような無駄な表現となってしまいました。作業としては、

(1) 上の表をもとに、1.00km2未満の島の面積(江島、赤島、泊島を含む)をまず全て『新版 日本の島事典』に準拠した値に修正する。その際面積の背景色の黄色も消してしまっても良いかもしれない(宮崎県宮崎市の青島は背景色が入っていません)し、※2もほとんど必要なくなり、削除となります。現状からは松江市の大根島、江島のみ※2が残り、「面積出典:新版 日本の島事典 (2022年)」になります。

(2) 以下の面積の記述を変更する(面積の背景色を残すとして)。

6. 面積データ
(1) 1km2以上の島:国土地理院 全国都道府県市区町村別面積調 - 2020年 (令和2年) 10月1日現在
(2) 1km2未満の島:2015年 (平成27年) 基準など人口関連資料などから得られた面積データ(面積数値背景黄色)

6. 面積データ
(1) 1km2以上の島:国土地理院 全国都道府県市区町村別面積調 - 2020年 (令和2年) 10月1日現在
(2) 1km2未満の島:『新版 日本の島事典』(2022年)掲載の面積データ(小数第三位を四捨五入)(面積数値背景黄色)

(3) ※2に関する注記ですが、面積1km2未満の島についてはもともと「2021離島統計年報」からの引用であることが明示されていませんでした。「2021離島統計年報」からの引用をすべて「新版 日本の島事典」からの引用に変え、大根島、江島の面積出典のために※2を使うとして(面積出典:新版 日本の島事典 (2022年))、ほかに対馬(江戸時代、明治時代完成の人工水路で3分割)、赤島・泊島(コンクリートで埋められているので単一の島とみなせるが、離島統計年報では分割)、日振島(人工かどうかわからないが水路で2分割)、前島(昭和完成の人工水路で2分割)、倉橋島と鹿老渡島(人工かどうかわからないが水路で2分割)などの説明に※2は使えるかも知れません。

4. 市区町村欄の注記(マウスオーバー/タップで詳細表示)および 関連情報へのリンク
(1) ※1:人口注記:2020年の人口算出の際に計算に用いた小地域名、大字、町名、字、丁目などを注記
(2) ※2:面積注記:国土地理院 全国都道府県市区町村別面積調以外からの面積の出典を注記
(3) ※参考記事, ※参考Web:注記に関連する落書き帳記事やWebページへのリンク

4. 市区町村欄の注記(マウスオーバー/タップで詳細表示)および 関連情報へのリンク
(1) ※1:人口注記:2020年の人口算出の際に計算に用いた小地域名、大字、町名、字、丁目などを注記
(2) ※2:面積注記:国土地理院 全国都道府県市区町村別面積調(1km2以上)、新版 日本の島事典(2022年)(1km2未満)に該当しない面積の出典を注記
(3) ※参考記事, ※参考Web:注記に関連する落書き帳記事やWebページへのリンク

(4) 人口の記述に文献を追加。現行の状態でも過去の離島統計年報から2015年の国調人口を引用していることが明示されていませんでした。

3. 人口データ
(1) 2021 離島統計年報 CD-ROM版(公益財団法人 日本離島センター)
・離島振興法等指定離島 - 2020年 (令和2年) 国勢調査人口
・法律指定外離島 - 2015年 (平成27年) 国勢調査人口
(2) ekinenpyouさん[97639]のデータ
(3) 国勢調査の小地域 (基本単位区) の統計地理情報システム ※参照する基本単位区番号は括弧("[ ]")付きの緑字で表示
(4) 一部の島で人口比などによって2020年の人口を推定(4. 市区町村欄の注記 (1) および 5. 人口算出における詳細注記 参照)

3. 人口データ
(1) 2021 離島統計年報 CD-ROM版(公益財団法人 日本離島センター)
・離島振興法等指定離島 - 2020年 (令和2年) 国勢調査人口, 4月1日付住基人口
・法律指定外離島 - 2015年 (平成27年) 国勢調査人口
(2) 2016 離島統計年報 CD-ROM版(公益財団法人 日本離島センター)
・離島振興法等指定離島 - 2015年 (平成27年) 国勢調査人口, 4月1日付住基人口
(3) 『新版 日本の島事典』(2022年) - 2015年 (平成27年) 国勢調査人口
(4) ekinenpyouさん[97639]のデータ
(5) 国勢調査の小地域 (基本単位区) の統計地理情報システム ※参照する基本単位区番号は括弧("[ ]")付きの緑字で表示
(6) 一部の島で人口比などによって2020年の人口を推定(4. 市区町村欄の注記 (1) および 5. 人口算出における詳細注記 参照

(5) [109364]に従い、沖縄県の一部項目を修正

こうすれば、説明文の修正が中途半端にならないはずです。

(3) 琵琶湖に浮かぶ沖島は、国土地理院の規定では島ではないが、法令上離島振興法等指定離島となっておりリストに含めている。ただし、琵琶湖は本州の面積に含まれており、沖島の人口も本州の人口に含めている。

こちらの修正は後回しです。
[109364] 2023年 12月 6日(水)12:47:16【6】訂正年月日
【1】2023年 12月 6日(水)13:48:55
【2】2023年 12月 6日(水)16:48:10
【3】2023年 12月 6日(水)16:50:15
【4】2023年 12月 7日(木)01:39:54
【5】2023年 12月 7日(木)10:27:26
【6】2023年 12月 7日(木)12:19:19
YT さん
小地域の表記法について、および沖縄県の有人島の情報更新
[109367]の指摘を受け、表の中身を後から修正しています】

[109359] オーナーグリグリさん

注記の表記ルール、注記の記述内容、基本単位区の表記、並記ルール(句点の種別、使い方)など、全面的に表示を確認し記述を改めています。また、データ項目の説明(折りたたみ部分)についても記述内容と体裁を見直しました。お手数ですが、全体に内容を確認していただけると助かります。今回の修正により、編集システムが多少複雑になる可能性が高くなりました(どこまで編集機能を組み込むかなど)。システム開発にはまだ時間がかかりそうなので、お手数ですが必要な修正はこれまで通り書き込みでご提示いただければ、私の方で更新を行います。よろしくお願いいたします。

わざわざありがとうございます。一点気になったのが「基本単位区」を括弧の外に置いている点ですが、こちらは中に入れることはできないでしょうか?階層化している中で基本単位区だけ外側に置かれると違和感があります。例えば

長崎県佐世保市の針尾島の例

佐世保市 (江上町:大島を除く, 指方町, 有福町, 針尾東町, 針尾中町, 針尾西町, 針尾北町, ハウステンボス町:[2230-01020]を除く)

長崎県西海市の南串島の例

西海市 (西海町七釜郷の一部 [0470-55010の一部] [0470-56010の一部])

沖縄県竹富町の小浜島の例

竹富町 (字小浜の一部 [0090-00010の一部] [0090-00020~00082])


またデータ項目の説明ですが、

(3) 琵琶湖に浮かぶ沖島は、国土地理院の規定では島ではないが、法令上離島振興法等指定離島となっておりリストに含めている。ただし、琵琶湖は本州の面積に含まれており、沖島の人口も本州の人口に含めている。

中海の大根島・江島も本州の人口に含めるべきなのですが、こちらは昭和58年に法令指定を解除されています。また将来的に浜名湖の弁天島など、有人の湖水の島も加えたい・・・ということで、以下のような文章に変更することは可能でしょうか?

(3) 琵琶湖の沖島、中海の大根島、江島など湖水の島は、国土地理院の規定では島ではないが、リストに含めている。ただし、琵琶湖や中海は本州の面積に含まれており、沖島、大根島、江島の人口も本州の人口に含めている。

3. 人口データ
(1) 2021 離島統計年報 CD-ROM版(公益財団法人 日本離島センター)
・離島振興法等指定離島 - 2020年 (令和2年) 国勢調査人口
・法律指定外離島 - 2015年 (平成27年) 国勢調査人口
(2) ekinenpyouさん[97639]のデータ
(3) 国勢調査の小地域 (基本単位区) の統計地理情報システム ※参照する基本単位区番号は括弧("[ ]")付きの緑字で表示
(4) 一部の島で人口比などによって2020年の人口を推定(4. 市区町村欄の注記 (1) および 5. 人口算出における詳細注記 参照)

住民基本台帳人口の参照を示したいので

3. 人口データ
(1) 2021 離島統計年報 CD-ROM版(公益財団法人 日本離島センター)
・離島振興法等指定離島 - 2020年 (令和2年) 国勢調査人口, 4月1日付住基人口
・法律指定外離島 - 2015年 (平成27年) 国勢調査人口
(2) 2016 離島統計年報 CD-ROM版(公益財団法人 日本離島センター)
・離島振興法等指定離島 - 2015年 (平成27年) 国勢調査人口, 4月1日付住基人口
(3) 『新版 日本の島事典』(2022年) - 2015年 (平成27年) 国勢調査人口
(4) ekinenpyouさん[97639]のデータ
(5) 国勢調査の小地域 (基本単位区) の統計地理情報システム ※参照する基本単位区番号は括弧("[ ]")付きの緑字で表示
(6) 一部の島で人口比などによって2020年の人口を推定(4. 市区町村欄の注記 (1) および 5. 人口算出における詳細注記 参照)

4. 市区町村欄の注記(マウスオーバー/タップで詳細表示)および 関連情報へのリンク
(1) ※1:人口注記:2020年の人口算出の際に計算に用いた小地域名、大字、町名、字、丁目などを注記
(2) ※2:面積注記:国土地理院 全国都道府県市区町村別面積調以外からの面積の出典を注記
(3) ※参考記事, ※参考Web:注記に関連する落書き帳記事やWebページへのリンク

今後面積注記が必要になるのは、2021離島統計年報を逆に引用することになる中海の大根島、江島だけになるかも知れません。

4. 市区町村欄の注記(マウスオーバー/タップで詳細表示)および 関連情報へのリンク
(1) ※1:人口注記:2020年の人口算出の際に計算に用いた小地域名、大字、町名、字、丁目などを注記
(2) ※2:面積注記:国土地理院 全国都道府県市区町村別面積調(1km2以上)、新版 日本の島事典(2022年)(1km2未満)に該当しない面積の出典を注記
(3) ※参考記事, ※参考Web:注記に関連する落書き帳記事やWebページへのリンク

6. 面積データ
(1) 1km2以上の島:国土地理院 全国都道府県市区町村別面積調 - 2020年 (令和2年) 10月1日現在
(2) 1km2未満の島:2015年 (平成27年) 基準など人口関連資料などから得られた面積データ(面積数値背景黄色)

こちらはほぼ『新版 日本の島事典』(2022)に統一します。背景色を黄色にする必要もないかも知れません。

6. 面積データ
(1) 1km2以上の島:国土地理院 全国都道府県市区町村別面積調 - 2020年 (令和2年) 10月1日現在
(2) 1km2未満の島:『新版 日本の島事典』(2022年)掲載の面積データ(小数第三位を四捨五入)(面積数値背景黄色)

現在沖縄県分だけ検証済みなので、以下にまとめます。主な変更点としては、

1.名護市奥武島を有人島として追加し、沖縄本島の人口もそれに伴い修正。
2.竹富町の西表島と由布島の2015年国調人口が『新版 日本の島事典』(2022年)に掲載されており、確定値として修正。竹富町の小浜島と嘉弥真島も2015年国調人口が確定値になったが、こちらは数値に修正なし。
3.『新版 日本の島事典』(2022年)により南城市の奥武島、宮古島市の大神島、竹富町の由布島、鳩間島の面積を修正、面積出典(※2)を削除
4.竹富町の小浜島、嘉弥真島の小地域について、「字小浜の一部」と「一部」を追加
5.竹富町の6島の2020年国調人口(および2島の2015年国調人口)は住基人口比で計算していることに変わらないが、備考の内容を整理

(開く)沖縄県の有人島(最新版)

今後、九州、四国、本州、北海道と段階的に有人島情報を見直す予定ですが、こちらの作業は今月一杯かかりそうです。
[109351] 2023年 12月 5日(火)00:52:16【6】訂正年月日
【1】2023年 12月 5日(火)01:10:07
【2】2023年 12月 5日(火)01:17:17
【3】2023年 12月 5日(火)02:01:49
【4】2023年 12月 5日(火)02:50:44
【5】2023年 12月 5日(火)03:03:44
【6】2023年 12月 5日(火)21:20:33
YT さん
有人島編集指針の変更、および面積1.00km2未満の島の面積情報の刷新について
[109350] オーナーグリグリさん

日本の有人島一覧の見直し案をありがとうございました。この案で実際に再編集したサンプルページを作成しました。
日本の有人島一覧(再編集サンプルページ)(並び替えページも表示できます)
[109336]の意向に合っているでしょうか。→ YTさん
小地域区分の表現など確認していただければと思います。
また、郡名、支庁名は省略しても良いと思いますし、基本単位区の表記を緑字にして基本単位区の文字も省略するというのはどうでしょうか。こちらのページに実際に適用してみました。いかがでしょうか。ご確認ご検討をよろしくお願いいたします

わざわざありがとうございます。「基本単位区」の表記を省略する、郡名・支庁名を省略するのも結構だと思います。よって、最後のサンプルのものをベースに修正するのが良いかと思います。

とりあえず、編集可能になった段階で、まず面積情報の全面的見直しをしようかと思います。具体的には[109241]で、

採用する面積の優先順位をまとめると:
1.令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)
2.2021離島統計年報【ただし、1.令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)に未掲載なのに1 km2以上の面積が掲載されている場合や、面積情報に矛盾が見られる場合は採用しない。】
3.地方統計書【ただしSHIMADASなど、日本離島センターが提供する面積に依拠する場合は採用しない。】
4.SHIMADAS(2019)
3と4の優先順位を交換した場合、2021離島統計年報に漏れている長崎県と沖縄県の島々の面積が一通り「面積出典:SHIMADAS(2019)」となります。

と書きましたが、これについて

1.令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点) (1.00 km2以上の面積の島)
2.新版 日本の島事典(2022) (小数第三位を四捨五入)(1.00 km2未満の面積の島)
3.その他:2021離島統計年報、SHIMADAS(2019)など

に変更したいと思います。というのは、長嶋俊介、渡辺幸重著『新版 日本の島事典』(2022)が採用している面積がそれなりに信用できそうだからです。

まず、現行の国土地理院の面積の測定方法は、令和5年全国都道府県市区町村別面積調(7月1日時点)から該当箇所を抜粋すると

1.面積の測定方法
令和 5 年面積調(7 月 1 日時点)は、基準日時点の電子国土基本図(地図情報)(以下「基本図」という。)における海岸線と市区町村等の境界(以下「行政界」という。)で囲まれた地域を対象に面積を測定した。基本図における海岸線は、満潮時の水涯線を表し、河川及び湖沼は陸域に含めている。河川の河口については、海岸線の自然な形状に従って河口両岸の先端を結んで陸海の境とした。
面積測定は、基本図の海岸線と地図情報レベル 25000 の行政界で囲まれたポリゴンにおける各頂点の経緯度座標について、2 本の標準緯線を北緯 33°及び北緯 44°、中央経線を東経 135°とするアルベルス正積円錐図法で、測地基準系 1980(GRS80)楕円体から平面に投影した後、ポリゴン毎の面積を算出した。
(中略)
2.面積の公表値
令和 5 年面積(7 月 1 日時点)は、上記の測定方法により、行政区画を構成するポリゴンの面積を平方キロメートル単位で集計した後、小数第二位(小数第三位を四捨五入)で表示した。
なお、面積は公表する単位ごとに四捨五入しているため、各市区町村の面積の合計が各都道府県及び全国などの面積と一致しない場合がある。

平成22年(2010年)の国勢調査までは、市区町村別面積の合計がたえず上位区分(全国都道府県)と等しいという、ある意味不自然な状態となっていましたが、平成27年(2015年)の国勢調査以降は、数字が必ずしも一致しなくなるようになりました。具体的には国土地理院が2015年3月6日(金)14時00分に発表した平成26年全国都道府県市区町村別の面積を公表により、これまでの面積算出方法が変更されました。

平成25年までの全国都道府県市区町村別の面積については、主に2万5千分1地形図に基づく面積を公表していましたが、計測の基礎となる地図を電子国土基本図に切り替えたことで面積の精度が向上しました。この結果、平成26年10月1日時点の国土の面積は、377,972.28km2でした。
平成25年までは、昭和63年に2万5千分1地形図からデジタイザにより計測した面積を基に、各年に告示された埋め立て面積等を加算して求めていました。この方法では、現在の技術よりも計測の誤差があることや、海岸線の自然変化等が十分反映できないといった課題がありました。
そのため、平成26年の面積から、最新のデジタル地図(電子国土基本図)により計測することとしました。具体的には、電子国土基本図の座標値を直接計算に用いることで、2万5千分1地形図からのデジタイザ計測に基づく面積よりも、高精度な面積を算出することが可能になりました。
また、侵食や堆積など自然変化を反映した最新の海岸線のデータを用いることで、より現況に即した面積を計測することができるようになりました。
この計測方法の変更と計測の基礎となる地図の切り替えによって、平成26年の国土面積は、平成25年の377,961.73km2から377,972.28km2に変わり、多くの市区町村や都道府県においても面積が変わりました。

よって、平成26年より前の地方統計書記載の島面積は、現行の方法とは異なる古い方法で算出した結果、あるいはそれぞれが独自に算出した結果ということになります。

一つ問題となるのが、国土地理院が公表する島の面積は、面積1.00 km2以上の島のみで、面積1.00 km2未満の島は公表されていません。これに関連して『2021年離島統計年報』の場合は、

3. 人口並びに世帯数は,令和2年国勢調査に基づく,確定数である。
4. 面積は,国土交通省国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調(平成27年10月1日)等に
基づく数値である。

とあります。しかしながら『2021年離島統計年報』が採用する岡山県の大飛島(1.05 km2)、六島(1.02 km2)、大分県の深島(1.10 km2)などは、全国都道府県市区町村別面積調(平成27年10月1日)に記載はなく、結局のところ全国都道府県市区町村別面積調に掲載の面積1 km2以上の島については面積の情報を更新しているもものの、国土地理院が公表していない面積1.00 km2未満の島については、引用元も不明ですが、昔の算定結果をそのまま継続して採用していることが示唆されます。同様のことがSHIMADASにもみられます。

一方『新版 日本の島事典』(2022)によると

【面積】km2【海岸線】km【標高】m
国土数値情報によるが、記載のないものについても読者利益を図るために国土地理院の『地理院地図』(https://maps.gsi.go.jp)のデータツール機能を用いて、概要を仮測定している。それえも不明な場合は低島または「―」記載にした。海岸線長は島が島である基本情報であり、海から受ける影響度・利用・海との相互作用的近接性の指標そのものである。公的島基準もその長さで線引きしてきた。高島は目印や生態系多様性に関わり、また低島であっても領海・EEZ基点でや渚生物の生態系環境保全上重要な干潟等であったりす。そこで可能な限り、それらのデータを洗い出した。

実際に令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)と『新版 日本の島事典』(2022)とで、全国で一番島数の多い長崎県の島の面積を比較してみたところ・・・国土地理院の方では有福島と日島を別の島として扱っている、日本の島事典の方では対馬を大船越瀬戸と万関瀬戸の2つの運河で三分割している、という違いはあるものの、有福島・日島・漁生浦島(漁生浦島の面積が1.00 km2未満なのでデータがないため合算の比較的ができない)を除く46島中、0.01 km2の差が出たのは5島(福江島、平戸島、宇久島、大島、鳥山島)のみです。さらに平成29年全国都道府県市区町村別面積調と比較したところ、すべての島で面積が一致しました。

(開く)長崎県面積1.00km2以上の島の面積比較

ただし、長崎県の場合は平成29年(2017年)で全部一致しましたが、他の都道府県では平成30年全国都道府県市区町村別面積調令和元年全国都道府県市区町村別面積調(7月1日時点)で面積が一致する場合もあり、よって『新版 日本の島事典』が収録した面積は平成30年(2018年)前後、平成29年(2017年)~平成31年(2019年)の間に随時算出したものと考えられます。

改めて、平成30年全国都道府県市区町村別面積調と±0.01 km2以上の差があった島を以下にまとめます。北海道、本州、四国、九州、沖縄島を除く面積1.00 km2の333島の内、北海道の奥尻島(令和元年7月1日付だと誤差なくなる)と長崎県の島山島(平成29年付だと誤差なくなる)の2島は±0.01 km2の誤差しかありません。また摩周湖の中島、洞爺湖の中島、琵琶湖の沖島、中海の大根島・江島は海島ではないので、『新版 日本の島事典』に記載がありません。岡山県の長島、広島県の倉橋島、愛媛県の日振島、長崎県の対馬は日本の『新版 日本の島事典』では分割されていて合算値は等しくなります。徳島県の大毛島・高島だけは、平成30年全国都道府県市区町村別面積調の合算値よりも『新版 日本の島事典』の数値の方が0.42 km2多くなっています。この差は、鯔越樋門などに囲まれた内海の面積を島面積に加算したかどうかで説明がつく範囲だと思われます。

島名都道府県市区町村面積1(km2)
(国土地理院)
(2018.10.1)
面積2(km2)
(日本の島事典)
備考
奥尻島北海道奥尻町142.69142.7032682019.7.1付だと面積一致
中島北海道弟子屈町5.81摩周湖内であり日本の島事典には記載なし
中島北海道壮瞥町
洞爺湖町
4.84洞爺湖内であり日本の島事典には記載なし
沖島滋賀県近江八幡市1.51琵琶湖内であり日本の島事典には記載なし
大根島・江島島根県松江市6.74中海内であり日本の島事典には記載なし
長島岡山県瀬戸内市3.513.514578合算値(日本の島事典)
(長島)岡山県瀬戸内市1.760712
(長島)岡山県瀬戸内市1.744866
倉橋島広島県呉市69.4669.456125合算値(日本の島事典)
(倉橋島)広島県呉市68.548854
(倉橋島)鹿老渡島広島県呉市0.907271
(大毛島・高島)徳島県鳴門市9.9410.358107合算値(国土地理院)
大毛島徳島県鳴門市7.31
高島徳島県鳴門市2.63
日振島愛媛県宇和島市3.743.737584合算値(日本の島事典)
(日振島)愛媛県宇和島市2.318971
(日振島)愛媛県宇和島市1.418613
対馬長崎県対馬市695.74695.735755合算値(日本の島事典)
(対馬)対馬下島長崎県対馬市441.007040
(対馬)対馬上島長崎県対馬市247.010125
(対馬)長崎県対馬市7.718590
島山島長崎県五島市5.505.5050802017.10.1付だと面積一致
(有福島・日島・漁生浦島)長崎県新上五島町4.850641漁生浦島の面積が0.51 km2だと一致
有福島長崎県新上五島町2.97
日島長崎県新上五島町1.37

現在問題ありとして2021離島統計年報などの面積を採用しなかった島の面積をまとめると以下の通りとなります。残念ながら唯一瀬長島のみ、『新版 日本の島事典』に面積の情報がありませんでした。

(開く)現状SHIMADAS、過去の地方統計書などの文献を引用している有人島面積の比較

以上より、『新版 日本の島事典』収録の面積はかなり正確であり、面積1.00 km2未満の島については『新版 日本の島事典』の面積を使うべきであると判断するに至りました。現状の表では面積1.00 km2未満の島の面積は手付かずであり、これらをすべて『新版 日本の島事典』ベースに変更しようと思います。

ただ編集をする前の段階で、いくつかの島の分割情報をどうするのか・・・という問題にまだ結論が出ていません。『新版 日本の島事典』では対馬、日振島、倉橋島、長島の4つの島が分割されています。このうち対馬については水路が江戸時代と明治時代に作られた人工的なものであり、3分割しないということで良いと思いますし(そういえば上島、下島に挟まれた第三の対馬(美津島町大船越の一部(0510-00020~00040)・緒方・久須保の一部(0530-00010))はなんと呼ぶべきなのでしょうか?)、南北の日振島(日振島の一部(0840-00020~00040)・日振島の一部(0840-00050~00090))、東西の長島(邑久町虫明の一部(0860-96010~97022・0860-98010の一部)・邑久町虫明の一部(0860-98010の一部・0860-99020))はそれぞれの島の呼称が存在しないこと、特に長島は小地域統計的に人口分割が無理なことなどから、一体として扱ったままで良いとは思いますが、ここに来て倉橋島と鹿老渡島の分割問題が再度浮上しました([109321][109261][24417]参照)。この水路が本当に人工的に掘られたものなのかどうか、仮に人工的に掘ったものだとしても一度埋まったものを再度掘りなおしたものなのか、その辺の詳しい歴史的背景も分かりません。現にこのように鹿老渡島を別個の島と見做して集計している文献が存在することが分かりました。

どさくさに紛れて最近[109321]で島リストに追加した佐賀県の竹崎島、そして今悩んでいる横浜の野島([109336] 参照)と、この鹿老渡島、どれも過去にオーナーグリグリさんが[85771][82781]で問題提起されていました。

竹崎島に関連する記事集
鹿老渡に関連する記事集

【追記】対馬は日本本土に近い方を「上島」、遠い方を「下島」と呼ぶものと思っていましたが(地名における「上」と「下」参照)、既に『角川日本地名大辞典』では北側:対馬上島、南側:対馬下島と、上県郡、下県郡に対応するものとして使用しているので(『日本歴史地名体系』では上島、下島の呼称を避けている)、よって上の表中の呼称も修正しました。また上で一部の島の面積について、「日本の島事典には記載なし」と書いてしまいましたが、私の『新版 日本の島事典』の読み込みが足りていなかったことに今更ながら気づきました。ここでまとめた小数点以下6桁の面積の情報は、「【第三部】県別データ編」の表から持ってきた数値ですが、事典の本編ともいうべき「【第一部】解説編」の方には、中島(摩周湖)、中島(洞爺湖)、沖島、大根島、江島、瀬長島の項目が存在し、面積の数値も示されていました。ただ、「【第三部】県別データ編」の方が信頼性の高い、新しい手法で算出された面積であり、「【第一部】解説編」の面積は、SHIMADASなどと同じく、古い手法で算出した面積、あるいはその引用という違いがありそうです。
[109336] 2023年 11月 30日(木)16:04:42【5】訂正年月日
【1】2023年 11月 30日(木)16:15:58
【2】2023年 11月 30日(木)16:44:44
【3】2023年 11月 30日(木)16:52:19
【4】2023年 11月 30日(木)18:25:40
【5】2023年 11月 30日(木)19:40:57
YT さん
重要な参考文献『新版 日本の島事典』、中海の大根島・江島の扱い、様々な追加修正点の存在について
[109326] オーナーグリグリさん

なお、現在のページ構成の改善点があればご提案ください。備考情報の具体化、人口年追加など、表の横幅の制限はありますが、注記のポップアップや項目の開閉などの機能も組み込めると思いますので、何かご要望があればおっしゃってみてください。

表の項目の内、現状では「地域名」の編集方針が定まっていないので、削除してしまっても構わないかも知れません。それよりも、市区町村の「※注」の方の内容をすべて後から検証できるように具体的な範囲が分かるよう拡充し(要するに[109252]の表の「市区町村(小地域区分)」の項目の内容で、入力作業は自分でもできます)、推計人口の算出や面積の出典等の情報に関しては、「島名」の項目(または「備考」という別項目を作って)に別の「※注」を放り込んだ方が良いかも知れません。


それはさておき、今になって長嶋俊介、渡辺幸重著『新版 日本の島事典』(2022年出版)という重要な参考文献が存在することを見落としていたことに気付きました。本書を閲覧した結果、結構細かい追加修正が必要なことが分かりました。


まず、国土地理院が日本の島の数を14,125と数えて発表したのは、2023年2月28日14時00分のことで、かなり最近のことです。国土地理院の日本の島の数によると、滋賀県が0となっているので、琵琶湖の沖島は含まれていません。また長崎空港は島と見做されるが、横浜市の八景島は独立した島と見做されていません(本当はそれよりも左下に少し見えている「野島」がどいう扱いになっているのかが知りたいのですが・・・)。ただ、肝心の島のリストは公表されていないようです。まあまもなく始まる基盤地図情報(数値標高モデル)1mメッシュ(標高)の提供開始にわくわくしている人もいるかも知れませんが。その際に島区分みたいなのが公表されるのでしょうか?

そして今週になって自分が新たに存在することに気付いた重要な文献、長嶋俊介、渡辺幸重著『新版 日本の島事典』(2022年出版)ですが、定価7万円とちょっとお高いので、図書館で閲覧しました。こちらの本は別の記事でも紹介されていますが、日本の島の数を15,528島とカウントしています。

答えは6852島(本州など5島を引いて6847島)。1987年、海上保安庁が最大縮尺海図と陸図(縮尺1 / 2.5万)を用いて満潮高水位1㍍・周囲100㍍以上を基準にカウントしたこの数字がこれまで、「日本の島の数」として公式発表されてきた。だが近年、EEZの基点としての離島の重要性が従来に増して高まるなか、島研究者からはこの数に関して疑問の声が上がっている。中国の強引な海洋進出などを受け、日本政府は2010年頃から国境無人離島の振興と保護・保全に積極的に動きはじめ、日本がそれらの島を領有していることを国際社会に明示するための第一歩として「名称付与」に乗り出した。そのなかで、これまで「岩」「瀬」「礁」などと呼ばれてきたものが数多く「島」とみなされることになったのだ。にもかかわらず、公式発表されている島数は依然として6852島のまま。もっとあるはずだ。調べてみると、満潮時にも水面上にある日本の「島」の数はナント1万5528島。まさに大小無数の島から成る島嶼国家、この新事実を見出したのは日本島嶼学会参与の長嶋俊介氏と屋久島(鹿児島県)生まれのジャーナリストである渡辺幸重氏、そして全国の島研究者たち。その成果が今年12月2日発行の『新版日本の島事典』(発行:三交社)に集大成されている。この出版を機に島嶼国家・日本の輪郭を明らかにしていくべきではないか。

ritokeiこと離島経済新聞でも2022年10月21年付けでこの本が紹介されていました。

おそらく国土地理院の2023年2月の島の集計のやり直しは、この本が2022年末に出版されたからだと思います。両者で微妙に数字が異なり、『新版 日本の島事典』の数字は決して公的機関の数字ではありあませんが、『新版 日本の島事典』は現時点で入手可能な最新の文献であり、SHIMADASよりもデータが更新されているであろう『新版 日本の島事典』の情報をもとに、改めて検証が必要と考えました。

で、閲覧した結果、こちらの本では本サイトで後から追加した島、例えば佐賀県藤津郡太良町の竹崎島([109321]参照)、宮崎県宮崎市の青島([109233]参照)などを自然島として扱っていました。残念ながら人口は2015年国勢調査ベースなので、結局国勢調査報告書に立ち返って人口を検証する必要があります。

また、自分にとって目から鱗であったのが、滋賀県琵琶湖の沖島のみならず、島根県中海の大根島、江島を島として扱っていなかったことです。そうです。国土地理院は中海を湖として扱ってリストアップしている以上、大根島、江島も国土地理院の定義では独立した島ではなく、本州の一部であるはずなのです。この辺、国土地理院公表の面積調でも沖島、大根島・江島の島面積がリストされている時点で色々矛盾・混乱がありますが、少なくとも沖島、大根島、江島の有人島としての人口の情報は残すとしても、本州の人口・面積の一部として含まれているという扱いにするのが正しいことになります(現行の表では沖島だけ含んでいる)。

ただそれ以外にも『新版 日本の島事典』の方で独立した自然島として扱っている有人島が色々見つかりました。例えば横浜市金沢区の野島は、SHIMADASによると、もともと本土と砂洲で繋がっていたが、水路を後から掘ったとの記述がありましたが、『新版 日本の島事典』では独立した島として扱かっています(2020年国勢調査人口2,446人)。また島根県浜田市の瀬戸ヶ島(2020年国勢調査人口198人)、広島県南区の宇品島(2020年国勢調査人口1,801人)などが有人島として追加で扱われていました。さらに陸繋島の情報を色々調べたところ、沖縄県名護市の奥武島(奥武島はほかにもありますが、これは屋我地島と沖縄本土を結ぶ島)が国勢調査で有人(2020年国勢調査人口29人)であること、熊本県の天草上島と上天草市の桶島を結ぶ椚島が国勢調査で有人(2020年国勢調査人口3人)であること、熊本県天草市の前島(御所浦島の陸繋島)が、SHIMADASによると2019年8月31日住基人口2人で有人であること(基本単位区では分離不能)、長崎県五島市の前小島(福江島の陸繋島)が、SHIMADASによると2015年2月10日住基人口8人で有人であること(基本単位区では分離不能)等々、色々要修正点が見つかりました。現時点で陸繋島のどこまでを島とみなすかは、結局のところ恣意的なものに感じます。将来的に国土地理院が「島」のリストを公表してくれれば、それに準拠するべきだと思いますが、現状ではSHIMADAS(2019年)、新版 日本の島事典(2022年)、離島統計年報、ritokeiなどを参考文献に挙げ、その上で明白にコンクリート等で水路を埋め立ててしまっているケース(北海道檜山郡江差町の鴎島([109233]参照)など)を除き、独立した島として見做すぐらいに落とし込むしかないと思います。

以上のほか、2020年国勢調査人口として福岡園福岡市西区の能古島(661人)が間違っていました(誤って「合算地域あり」の2人多い数字を用いてしまった)。またritokeiの情報により長崎県西彼杵郡時津町の前島(2020年国勢調査人口5人)、長崎県諫早市の鹿島(2020年国勢調査人口7人)の人口が確定し、長崎県西海市の南串島(2020年9月30日住基人口87人)と竹ノ島(2020年9月30日住基人口3人)の推計人口やリ直しのための情報が揃いました。

というわけで10島を超える島について、追加・要修正点が見つかりましたが、まだ全国をチェックし終わっていないし、これを整理するのにも時間がかかりますので、しばらくお待ちください。
[109325] 2023年 11月 27日(月)00:32:31【4】訂正年月日
【1】2023年 11月 27日(月)09:53:40
【2】2023年 11月 27日(月)11:46:20
【3】2023年 11月 28日(火)04:17:03
【4】2023年 11月 28日(火)04:20:51
YT さん
有人島の数の検証追記、徳島県の小勝島、静岡県の弁天島
[109322] オーナー グリグリさん

同意していただけるのであれば、編集システムの作成に取り掛かります。ご検討をよろしくお願いいたします。

おそらく今後も細かい修正があるかと思いますので、ご協力させていただきます。

[109323] オーナー グリグリさん

こちらの情報について日本の有人島一覧に追加更新しました。ご確認ください。よろしくお願いいたします。

ありがとうございます。

【有人島の数の検証の続き】

前回 [109321]で、

よって国土地理院の数(416島+5島=421島)と比べると、1島だけ余計にリストアップしてしまっていることになります。これが何か・・・と問われると、おそらくritokeiの有人離島一覧に唯一掲載されていなかった島、宮崎県宮崎市の青島([109233]参照)のことだと思われます

と、不正確なことを書いてしました。正確には、ritokeiの有人離島一覧に掲載されていない島としては、広島県大竹市の猪子島、山口県周南市の黒髪島・仙島、徳島県鳴門市の高島、宮崎県宮崎市の青島、島尻郡渡嘉敷村のナガンヌ島が該当します。このほか沖縄県八重山郡竹富町の外離島は2015年以降無人しており([109309]参照)、逆に[109313] で削除しています。ナガンヌ島は国勢調査・住民基本台帳人口ともに2020年には無人化、猪子島は離島統計年報では阿多田島の陸繋島扱いしているので、残るは高島、青島、および[109321]の計算ではじめから除外していた黒髪島・仙島です(とはいえ22021離島統計年報の方では『〔附表〕法律指定外離島の概要』に、国勢調査人口では2020年に無人化している中ノ島、黒島、黄島と共に収録されている([109309] [19314]参照))。というわけで、青島と高島の2つの島が、余計に追加してしまった島ということになりますが、そうなると国土地理院の数字の方が逆に1島多くなってしまいます。

結局のところ根拠はないのですが、2020年の国勢調査上では無人化していることになっている中ノ島にはがっつりホテル従業員がいるはずであるので、これを島としてカウントしているのではないのでしょうか?

ところでwikipediaのTemplate:日本の指定離島で、「指定外の有人島」の「架橋により本土・沖縄本島と陸続となった有人島」の内、神奈川県横須賀市の天神島、静岡県浜松市西区・湖西市の弁天島、徳島県阿南市の小勝島、佐賀県藤津郡太良町の竹崎島などについてこれまで調べていなかったことに気付きました。

今回[109321]で検証した天神島、竹崎島以外の2島(徳島県の小勝島、静岡県の弁天島)についての追加情報をまとめます。

【小勝島】

令和2年国勢調査基本単位区境界データでは、該当する島は徳島県阿南市橘町袴傍示の一部(基本単位区0090-00470の一部)であり、陸地側の人口・面積を含んでしまっているため、役にたちません。ただSHIMADAS(2019)によると、小勝島は「橘湾最大の無人島」で、こちらは有人島の可能性としては無視してよさそうです。小勝島は戦時中に日本海軍の特攻隊専用の飛行場が作られた歴史を持つ島で、戦後しばらくして無人化し、今では島内には火力発電所などの工場があります。よって昼間人口は無人ではないでしょうし、夜勤もありえるという意味では無人ではありませんが(国勢調査当初用いられた「現在人口」であれば有人)、道で外と繋がっているので従業員も島の外から車で容易に通えるので、そこに今なお人が居住している可能性はゼロです。

都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
島面積
(km2)
備考
徳島県阿南市
(橘町袴傍示の一部(基本単位区0090-00470の一部)
1720240.57面積出典:SHIMADAS(2019)、なお左記の人口は四国本土側(袴傍示地区)の人口で、小勝島自体は常住人口0と推測される

【弁天島】

ここは戦国時代の大地震の津波の影響で、浜名湖が汽水湖になった際に出来た島といわれています。湖の中の島、というか中州です。また近世以降度重なる埋め立てにより人工島化しており、国土地理院の定義する島から逸脱するものですが、一応データをまとめます。

まず弁天島は単独の島ではありません。

弁天島(浜松市西区):JR弁天島駅が存在する、元来メインとなる島です。
日出島(西野島浦)(浜松市西区):弁天島の北西側にある島です。
蓬莱園(浜松市西区):弁天島の北東側に昭和7年に築かれた人工島で、日出島(西野島浦)とは水路を隔てています。
千鳥園(浜松市西区):日出島と蓬莱園の北側に昭和7年に築かれた人工島です。
渚園(浜松市西区):観月園のさらに北側に昭和22年に、当初は塩田として築かれた人工島です。
新弁天(湖西市):弁天島の西側の島です。
乙女園(浜松市西区):新弁天の北側に昭和7年に築かれた人工島です。なお新弁天と乙女園は元は分離していましたが、現在では両者は完全に埋め立てられて同一の島です、以下の表ではそれでもあえて分けて集計します。
観月園(浜松市西区):乙女園の北側に昭和7年に築かれた人工島です。
中ノ島(湖島)(浜松市西区):千鳥園、観月園をつなぐ小さな人工島ですが(ホテルなどが存在)、国勢調査の基本単位区としては、千鳥園の一部を組み込んでしまっていて分離できないので、以下の表では十鳥園とまとめて掲載します。

以下に弁天島の構成島の情報をまとめます(ただし新弁天と乙女園は現在では埋め立てられていて同一の島となっている)。なお面積の情報は、令和2年国勢調査基本単位区境界データによりますが、一部境界データは湖水面を含んでおり、実際の島の面積はこれよりもやや小さいものとなります。弁天島の総面積自体を色々調べましたが、SHIMADASにも載っていません。島の散歩では3 km2となっていますが、これも令和2年国勢調査基本単位区境界データと比べると過大な数字であるということになります。令和2年国勢調査基本単位区境界データだと弁天島の面積は1.50 km2ですが、これには各島同士の間の水路のほか、弁天島東側の水路の半分も含んでおり、目測ですが、おそらく実際の弁天島の陸地面積は合計で1.2 km2前後になると思います。【追記:浜松市の統計情報の町・字別面積(平成22年3月16日公表版)によると浜松市内の弁天島が0.8330 km2で、これに湖西市新弁天の令和2年国勢調査基本単位区境界データ(こちらは面積に湖面を含んでいない)の0.190774106 km2を合算すると合計1.02 km2となります。】また市区名、大字・町名、字・丁目名、基本単位区番号はあくまでも令和2年国勢調査で用いられているものです。

島名市区名大字・町名字・丁目名基本単位区番号人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
弁天島浜松市西区舞阪町弁天島一弁0370-05130~051704534394630.141633836
日出島浜松市西区舞阪町弁天島一弁0370-05050~051106155866300.195860712
蓬莱園浜松市西区舞阪町弁天島一弁0370-05010~05040,
0370-05120
2192322690.147917282
千鳥園
(中ノ島を含む)
浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-06060~061305415846430.160931594
渚園浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-060500000.321147533
観月園浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-06010~060405375514920.102079301
乙女園浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-06140~061825345666100.239746578
新弁天湖西市新居町新居新弁天0410-16010~160301181091250.190774106
弁天島総計3,0173,0673,2321.500090942

というわけで、今回は特に人口等の修正はありません。
[109321] 2023年 11月 25日(土)12:47:22【2】訂正年月日
【1】2023年 11月 25日(土)12:52:52
【2】2023年 11月 25日(土)15:27:05
YT さん
有人島の数の検証、竹ケ島(徳島県)の人口の訂正、天神島(神奈川県)、竹崎島(佐賀県)の追加
[109317] オーナーグリグリさん

有人島一覧はこの辺りでひと段落ということにしましょうか。また、新しい情報が見つかれば更新します。では、今後ともよろしくお願いいたします。

すみません。早速ですが、追加情報と訂正情報があります。

まず、有人島の数の検証ですが、国土交通省の資料『日本の島嶼の構成』によると、

我が国は14,125の島嶼により構成され、本州、北海道、四国、九州、沖縄本島を除く14,120島が離島。このうち、離島振興法による離島振興対策実施地域に含まれる有人離島は256島。

とあり、図による解説が載っています。すなわち

階層島数
全島嶼14,125
A.本州、北海道、四国、九州、及び沖縄本島5
B.離島14,120
B.1 有人島※416
B.1.1 法対象305
B.1.1.1 離島振興法(昭和28年制定)256
B.1.1.2 他の法律49
B.1.1.2.1 沖縄振興特措法(平成14年制定)37
B.1.1.2.2 奄美群島振興開発特措法(昭和29年制定)8
B.1.1.2.3 小笠原諸島振興開発特措法(昭和44年制定)4
B.1.2 法対象外111
B.2 無人島13,705
※令和2年国勢調査結果に基づく有人離島の数を都道県に聞き取り、内水面離島である沖島(滋賀県)を含む。

すなわち、本州、北海道、四国、九州、及び沖縄本島を含め、令和2年国勢調査時には421の有人島が存在することになります。こちらとほぼ同じ内容が公益財団法人日本離島センターでも紹介されています。

現在本サイトの日本の有人島一覧の方では、2020年国勢調査時に1人以上の常住人口が存在する有人島は、熊本県上天草市の大矢野島と分離できなかった野牛島を含めて419島が登録されています。一方『2021離島統計年報』によると、[109309]で紹介したように、愛媛県今治市の比岐島、宮崎県日南市の大島、沖縄県島尻郡渡嘉敷村の前島の3島は、「令和2年国調では無人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳では住民登録があったため,有人島とした」とあるので、これら3つの島を有人島としてカウントすると、合計で422島が登録されていることになります。

よって国土地理院の数(416島+5島=421島)と比べると、1島だけ余計にリストアップしてしまっていることになります。これが何か・・・と問われると、おそらくritokeiの有人離島一覧に唯一掲載されていなかった島、宮崎県宮崎市の青島([109233]参照)のことだと思われます。

ところでwikipediaのTemplate:日本の指定離島で、「指定外の有人島」の「架橋により本土・沖縄本島と陸続となった有人島」の内、神奈川県横須賀市の天神島、静岡県浜松市西区・湖西市の弁天島、徳島県阿南市の小勝島、佐賀県藤津郡太良町の竹崎島などについてこれまで調べていなかったことに気付きました。そこで調べたところ、少なくとも宮崎県宮崎市の青島を有人島として登録する限りは、神奈川県横須賀市の天神島、佐賀県藤津郡太良町の竹崎島の2島についても、追加で有人島として登録するべきではないかと考えるに至りました。さらにその面積を検証する過程で、徳島県海部郡海陽町の竹ケ島の人口に間違いがあった(四国本土側の人口を含んでいた)ことも判明しました。

以下要追加・要修正と現時点で考えている情報です。

島名都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
**天神島神奈川県横須賀市
(佐島三丁目の一部(基本単位区0990-03070))
81080.05面積出典:令和2年国勢調査基本単位区境界データ
**竹ケ島徳島県海部郡海陽町
(大字宍喰浦字竹ケ島の一部(基本単位区0220-00260の一部))
1351521730.402020年・2015年・2010年の人口は海部郡海陽町宍喰地区の人口(2020年2,430人・2015年2,737人・2010年3,109人)と住基人口比により推定、住基人口(2020年9月30日140人、宍戸地区推定2,513人)、面積出典:徳島県統計書(H17)
**竹崎島佐賀県藤津郡太良町
(竹崎)
5085516800.56面積出典:SHIMADAS(2019)

上の修正・追加に伴い、本州、四国、九州の人口も変わります。

島名都道府県人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
***本州1都2府31県102,577,812102,978,562103,498,671227,939.72滋賀県近江八幡市の沖島を含む
***四国4県3,627,3623,769,0853,892,89718,297.37竹ヶ島(徳島県海部郡海陽町)・中ノ島・戸島(高知県須崎市)の人口推定処理の影響あり
***九州7県12,346,48312,546,12212,692,79236,782.38南串島・竹ノ島(長崎県西海市)・鹿島(長崎県諫早市)・前島(長崎県西彼杵郡時津町)の人口推定処理の影響あり

以下それぞれの島の追記事項です。

【竹崎島】佐賀県藤津郡太良町にあり、SHIMADAS(2019)によると、「対岸とほぼ接しているため、陸繋島と見なされることもある」そうですが、少なくとも砂洲でつながっているようには見えません。宮崎県の青島を独立した島とみなすのであれば、ここも独立した島とみなすべきでしょう。

【天神島】天神島は昭和40年に神奈川県の名勝・天然記念物指定を受けた島で、長さ5~6メートルの天神橋で本土と結ばれています。ここも自然島です。SHIMADAS(2019)によると周囲1kmですが、面積の情報はありません。島の散歩というサイトによると面積は0.01 km2ですが・・・周囲1キロの円であれば面積は0.08 km2 (≒π*(1/2π)^2)、正方形であれば面積は0.06 km2(≒1/16)になるはずであり、0.01 km2は狭すぎます。そこで今回は令和2年国勢調査基本単位区境界データのAREA(面積)の情報を引用しました。

実は横須賀市基本単位区0990-03070は、天神島のみならず笠島などを含みますが、この内笠島に関してはSHIMADASによると「上陸不可」とあるので、事実上天神島にのみ人口が住んでいます。令和2年国勢調査基本単位区境界データでは、横須賀市基本単位区0990-03070に関しては天神島、笠島、笠島北西側の小さい岩礁の3つの閉じた境界データが含まれており、AREA(面積)の内容は、それぞれ50696.505 m2、24945,415 m2、1322.228 m2となっています。ここから天神島の面積を0.05 km2としました。

なお、国勢調査の基本単位区境界データの面積の情報があるのなら、他の面積不詳の島も同様の手法で情報が得られるのでは?と思われるかも知れませんが、天神島の場合は境域が島の輪郭に近く設定されていただけであり、笠島の場合は南に2割ほど海域を余計に含んでいるようにみえるなど、しばしば基本区境界データは海域などを境域に含んでいるため、簡単には使用できず、極力国勢調査基本単位区境界データを面積のソースとしての使用は避けたい事情があります。

そこで他の関連する島々の面積を令和2年国勢調査基本単位区境界データで算出してみると以下の通りでした。

島名都道府県市区町村
(小地域区分)
面積1
(km2)
面積1出典面積2
(km2)
面積2出典備考
**粭島山口県周南市
((大字粭島(基本単位区1020-00010~00040))
0.50山口県統計年鑑(H19)0.440070788令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
これに関しては令和2年国勢調査基本単位区境界データ(0.44 km2)を採用しても問題ないかも知れない。
**竹ケ島徳島県海部郡海陽町
((大字宍喰浦字竹ケ島の一部(基本単位区0220-00260の一部))
0.40徳島県統計書(H17)1.573021489令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
令和2年国勢調査基本単位区境界データの面積は本土側(金目地区、古目地区など)の面積を含んでおり、実際の中ノ島の面積は、全体の1/3程度(0.5 km2前後)か?
*中ノ島高知県須崎市
((大谷の一部(基本単位区0350-00080の一部))
0.18高知県統計書(S61)0.452003404令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
令和2年国勢調査
基本単位区境界データの面積は本土側(白浜地区、蜂ヶ尻地区など)の面積を含んでおり、実際の中ノ島の面積は、全体の1/3~1/4程度(0.11 km2前後)か?
*戸島高知県須崎市
((大谷の一部(基本単位区0350-00080の一部))
0.37高知県統計書(S61)0.26333293令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
これに関しては令和2年国勢調査基本単位区境界データ(0.26 km2)を採用しても問題ないかも知れない。

粭島の面積は、閉鎖されたしまっぷ統合版(0.43 km2)とほぼ同じであり、もとも下一桁(0.5 km2)の数字しかなかった山口県統計年鑑よりも引用元として最適かも知れません。一方で、竹ケ島、中ノ島は、本土側の陸地を含んだ情報となっており、引用できません。中ノ島の面積の引用として高知県統計書を採用する限りは、戸島の面積の引用も高知県統計書を用いた方が良いでしょう。

【竹ケ島】さて、この面積の検証の過程でなんと徳島県海部郡海陽町の竹ヶ島の人口に問題があることが分かりました。海部郡海陽町の基本単位区0220-00260に字竹ケ島が与えられていたこと、SHIMADASなどでも字竹ケ島の人口が採用されていたこと(2015年214人)から、勝手に字竹ケ島=竹ケ島と判断しておりましたが、実際には四国本土側の金目地区、古目地区などにも集落がありました。

改めて国勢調査人口の変遷を見ると以下の通りです。ここに登場する字竹ケ島は、本土側を含んだ数字です。

地区人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
人口
(2005年)
人口
(2000年)
海部郡海陽町8,3589,28310,44611,50712,104
旧宍喰町2,4302,7373,1093,3763,553
字竹ケ島201214239271283

一方、ritokeiを見ると、2020年10月20日頃の記録では、平成22年国勢調査人口として240人を採用していましたが、その後、2021年1月以降は、正しい人口(ただし住民基本台帳人口)に修正しており、令和2年9月末の住民基本台帳人口は140人であるという情報が得られました。また2017年5月10日付の徳島新聞の記事「みこしの「浜入れ」中止 海陽・竹ケ島神社夏祭り」によると、

町住民人権課によると、4月末時点の竹ケ島の人口は148人。うち40歳未満は37人で島民の25%しかいない。島の人口は07年4月末の人口313人と比べると半分以下になっており、過疎化が進んでいる。

以上の新聞記事と、ritokeiで発掘できた情報を並べると以下の通りになります。なお上の新聞記事に登場する「07年4月末の人口313人」というのは、国勢調査における字竹ケ島の人口(2005年271人)すら大幅に上回っており、おそらく字竹ケ島全域の人口を間違えて持ってきてしまったのではないのか?という気もしますが、一応以下の表に載せておきます。

(開く)徳島県海部郡海陽町の竹ケ島の住民基本台帳人口の変遷

一方、学校のあり方検討委員会資料集など、海陽町の資料などから海部郡海陽町や宍喰地区(旧宍喰町)の住民基本台帳人口の変遷を抽出すると、以下の通りとなります。


(開く)徳島県海部郡海陽町と宍喰地区の住民基本台帳人口の変遷


宍喰地区の2019年3月末と2020年3月末の住基人口から等比級数な人口減少を仮定して計算すると、2020年10月1日付の住民基本台帳人口は推定2513人。よって、2020年9月30日付の竹ヶ島の住民基本台帳人口140人との人口比から、2020年10月1日の竹ケ島の常住人口は135人と推定しました。

以上をまとめると:徳島県竹ケ島(と四国)の人口は修正する必要があります。神奈川県天神島、佐賀県竹崎島の人口も追加するかどうかは、宮崎県青島の扱い次第で、青島を追加した情報のまま残すのであれば、天神島、竹崎島も同様に有人島とみなすべきであり、青島を削除するのであれば、天神島、竹崎島、(ついでに[109261]で記載した鹿老渡島)と合わせて、国土地理院などが認めていない有人島として別表に参考としてまとめた方が良いと思います。

なお鹿老渡島ですが、[109261]の方で

地図で見る限り、倉橋島と鹿老渡島の間には明白に水路があり、両方の島が分けられております。にも拘わらず離島統計年報などで島として扱われていません。その理由はこの鹿老渡島が人工島の一種だからです。鹿老渡は歴瀬戸内の港として歴史的に発達した港町で、倉橋島との間の水路は、江戸時代に完成された人工的な堀であり、よって離島統計年報もSHIMADASも鹿老渡を独立した島と扱っていないのです。

などと解説文を書いて勝手に納得していましたが、あの後倉橋島との間の水路が人工的な堀であるとする文献を見つけることができていません。こちらの面積については、しまっぷ統合版(0.91 km2)を使わずに令和2年国勢調査基本単位区境界データを使ってみると、838,293.967 m2(すなわち0.84 km2)となります。[109261]から面積出典を変更した場合は以下通りとなります。

島名都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
**鹿老渡島広島県呉市
(倉橋町の一部(基本単位区2060-20010~20030))
1211341700.84面積出典:令和2年国勢調査基本単位区境界データ
[109314] 2023年 11月 21日(火)13:48:57【3】訂正年月日
【1】2023年 11月 21日(火)13:49:27
【2】2023年 11月 21日(火)13:52:50
【3】2023年 11月 21日(火)13:55:42
YT さん
山口県周南市の黒髪島・仙島
[109313] オーナー グリグリさん

ところで、
なお山口県周南市の黒髪島・仙島については、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の方で「国調では有人だが住民登録は0」とありますが、これは平成27年10月1日の国勢調査、および平成27年4月1日現在の住民基本台帳登録人口での話です。
とのことですが、[109215]の「日本の有人島の人口、面積一覧」の備考欄には「大字大津島字黒髪島・大字富田の一部(基本単位区1330-21010)、平成27年の国調では0だが住民登録では有人」とあります。どちらが正しいのでしょうか。ご確認をお願いいたします。

すみません。[109309]の該当部分は私の間違いで、[109215]の方が正しい情報です。

2021離島統計年報の『〔附表〕法律指定外離島の概要』を読み返しましたが、山口県周南市仙島の脚注は

「国調では0だが住民登録では有人(1人)、面積は黒髪島を含む。」

となっておりました。ほかには岡山県の黒島・黄島については句点なしで、

「人口と世帯数は前島を含む」

高知県の中ノ島、戸島については句点なしで、

「人口と世帯数は須崎市大谷地区の一部を含む」

とあり、「国調では有人だが住民登録は0」との脚注が入っている島は、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の方にはありませんでした。2021年離島統計年報の『〔附表〕法律指定外離島の概要』のリストの他の島の残りの脚注は、指定解除の年次の情報のみです。

2015離島統計年報(2010年国勢調査のデータでまとまっている)の方の『〔附表〕法律指定外離島の概要』でも、仙島、黒島、黄島は上と同一の脚注がついており(つまり黒髪島・仙島の2010年、2015年の住民基本台帳登録人口は1人のまま)、中ノ島、戸島については2010年国勢調査ベースでの人口が分割して与えられ、「国調では有人だが住民登録は0」との脚注はどこにも示されていませんでした。

以上より、黒髪島・仙島の2020年の住民基本台帳登録人口は0であることを自明のように書いてしまいましたが、現時点では2020年の住民基本台帳登録人口が1か0か、どちらの可能性も十分にあって、結論は出せません。

一応インターネットアーカイブ経由で2020年3月31日現在の地区別の住民基本台帳登録人口へのリンクのページまではたどり着きましたが、そこから先のpdf、エクセルなどは、年齢別以外はファイルが生きていませんでした(公式サイトからも削除済み)。

なお2023年3月31日現在の住民基本台帳登録人口において、大津島地区の「開拓地」なる行政区が、1世帯1人(女1人)となっていますが、こちらの津波災害警戒区域の指定に関する地図により字開拓地は大津島本体の一地区であることが確定しますし、同様に富田地区の大神の1世帯2人(男1人女1人)も本土の山の方の字名で確定なので、2023年3月末の段階で黒髪島・仙島の住民基本台帳登録人口が0人になってしまっていることは、ほぼ間違いないと思われます。
[109309] 2023年 11月 21日(火)00:46:44【6】訂正年月日
【1】2023年 11月 21日(火)01:50:25
【2】2023年 11月 21日(火)01:57:44
【3】2023年 11月 21日(火)02:03:14
【4】2023年 11月 21日(火)11:18:46
【5】2023年 11月 21日(火)11:26:41
【6】2023年 11月 21日(火)20:18:10
YT さん
外離島の有名人(【追記】愛媛県比岐島、宮崎県大島の2020年4月1日現在の住民登録人口)
[109308] オーナー グリグリさん

YTさんへ
この表をまとめて気が付いたのですが、沖縄県の外離島は2015年も0人です。住民登録などで有人が確認できているのでしょうか。

実はしつこくなるのでまとめていないのですが、離島統計年報には

「国調では有人だが住民登録は0」

という脚注がついている島が複数あります。2021離島統計年報の場合は:

1.離島振興法関係離島
①愛媛県比岐島・宮崎県大島は令和2年国調では無人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳では住民登録があったため,有人島とした。
②北海道小島・愛媛県赤穂根島・鹿児島県馬毛島は,令和2年国調では有人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳には住民登録されていないため,①「概要」には有人島として掲載したが,②「人口・世帯数・人口動態」以降は割愛した。
2.小笠原諸島振興開発特別措置法関係離島
東京都硫黄島・南鳥島は,令和2年国調では有人島(自衛隊員等の駐留による)であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳には住民登録されていないため,①「概要」には有人島として掲載したが,②「人口・世帯数・人口動態」以降は割愛
した。
3.沖縄振興特別措置法関係離島
沖縄県前島は,令和2年国調では無人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳では住民登録があったため,有人島とした。

――【ここから愛媛県比岐島、宮崎県大島および黒髪島・仙島、中ノ島、瀬長島の情報を追記】――

2021離島統計年報によると、令和2年10月1日現在国勢調査で無人となっていた島の、令和2年4月1日現在の住民登録人口は以下の通りです。

島名都道府県市町村名住民登録人口世帯数
比岐島愛媛県今治市2201
大島宮崎県日南市2112
前島沖縄県島尻郡渡嘉敷村1101

よって[109308]にまとめられた島の内、比岐島と大島は住民登録データが増えます。

なお山口県周南市の黒髪島・仙島については、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の方で「国調では有人だが住民登録は0」とありますが、これは平成27年10月1日の国勢調査、および平成27年4月1日現在の住民基本台帳登録人口での話です。一応周南市の公式サイトを見たところ、残念ながら過去の住民基本台帳登録人口の記録が残っていないのですが、2023年3月31日住民基本台帳登録人口では、大津島地区の黒髪島は世帯0人口0人、黒髪島・仙島の富田地区側は該当する字名が見つからず、おそらくずっと住民登録は0人のままです。

和歌山県那須勝浦町の中ノ島の場合は、島全体が碧き島の宿 熊野別邸 中の島というホテルです。平成27年国勢調査時には、20世帯で合計20人(男8人、女12人)で、いかにもホテルの従業員の構成です。その後色々リニューアルを繰り返しながらも令和2年国勢調査時にもがっつり営業しているようなので、コロナの関係で従業員をホテル内に常住させることをやめ、交代制にしたとかかもしれません。こちらは『〔附表〕法律指定外離島の概要』掲載の島なので、残念ながら住基人口はもともと離島統計年報には掲載されていません。那須勝浦町の公式サイトでは、残念ながら「大字勝浦」の住民基本台帳登録人口は分かっても、中ノ島単独の人口は分かりません。

一方で沖縄県豊見城市の瀬長島の場合は沖縄本島と完全につながっていますが、こちらには琉球温泉 瀬長島ホテルがあります。こちらの場合は、平成22年、平成27年国勢調査時には、1世帯4人(男3人女1人)が暮らしていたことになり、ホテルの従業員とは言えません。航空写真などを見ると、いくつか海沿いに個人経営でもおかしくないような店舗や漁師小屋があるようなので、こちらの店舗の住民かも知れません。公式サイトの方では残念ながら「字瀬長」の住民基本台帳登録人口は分かっても、瀬長島単独の人口は分かりませんが、いずれにせよ中ノ島と瀬長島は常住の島民がいないというだけで、今後の国勢調査で有人島に戻ってもおかしくありません。

来年発売予定の『2022離島統計年報』の方で、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の中身も令和2年度分にアップデートされるかも知れませんので、今後[109308]の島の内、中ノ島、黒島、黄島、黒髪島・仙島の住民登録データが増えるかもしれません(多分中ノ島以外は全部住民基本台帳登録人口も0で、中ノ島も住民基本台帳登録人口自体は0の可能性が高いですが)。また『〔附表〕法律指定外離島の概要』収録の長崎県のいくつかの離島の人口に関しては、基本単位区以下に分割された島人口の情報が増え、推計で出した人口の一部が実数へ更新可能になるかも知れません。猪子島と瀬長島は離島統計年報の完全に対象外なので、離島統計年報が新しくなっても追加の修正はありません。

――【ここまで追記】――

さて、外離島についてですが、2003離島統計年報~2015離島統計年報記載の、2000年、2005年、2010年ベースの国勢調査人口はすべて1人であり、すべて「国調では有人だが住民登録は0」の脚注がついています。2016離島統計年報以降はリストから削除され、現在に至っています。

実際、竹富島公式ホームページの竹富町地区別人口動態票には、ずっと外離島の項目はなく、長らく住民登録人口が0の扱いだったようです。

なお、2010年までの国勢調査人口1人というのが、ちょっとした有名人です。2014年頃まで外離島に不法滞在しておりましたが、その後地権者により退去を求められて、西表島の「モクタンの浜」に移住し、2015年10月1日国勢調査時には外離島は無人化したようです。

デイリー新潮:島を追われた「素っ裸おじさん」と地元民との“フクザツな関係”(2015年12月9日)
無人島暮らしをする「ナガサキおじい」こと長崎真砂弓(まさみ)さん(79)は、この生活を四半世紀近く続けている。好きな時間に起き、食事はタケノコやニガナ(沖縄特産の野菜)など。魚も獲っていたが、“何だか可哀そうになって”最近は獲らない。たまにボートに乗って買い出しに行くほかは一糸まとわぬ姿の彼を目当てに、マスコミや観光客が多く訪れる。
 ***
今から1年ほど前、長崎さんはそれまで暮らしていた「外離(そとばなり)島」を離れ、3~4キロ離れた「モクタンの浜」へ引っ越した。その理由を本人に聞くと、顔を曇らせるのだ。
「やっぱり大きかったのはフジテレビの番組(めちゃ×2イケてるッ!)に出たことだったと思う。あれで取材や観光客がどっと来てしまってね。いろいろ文句を言う人がいたんだと思う。僕が観光客に媚を売る必要はないけど、連れてくるのは西表の人たちだから。その人たちの手前、冷たくはできないよ。それもあったところに、地主の家族やその知り合いがやってきて、“出てってくれ”と言われたんだ。外離島でヤギ牧場をやるとか、シイタケ畑をやるからというのが理由だったな」
■真似する輩も
テレビなどで取り上げられ、観光客が増えたという声がある一方、実のところ、おじいの存在をめぐっては地元でも賛否が分かれている。
例えば、おじいに退去を迫ったのは、近くの集落・船浮の住人だ。その人物が言う。
「たしかに長崎さんに出て行くようにお願いしたのは私さ。東京の隅田川沿いだってホームレスが住んでいたら退去させられるでしょう。それを、自然が豊かで人が少ない西表だからと言って許される問題じゃない。年頃の女の子がいる家族連れがやってきて裸の長崎さんを見たらどう思うかね。私はテレビの番組を見たから出てけって言ったわけじゃないけど、真似する人が出てくるのも困る。実際に去年の春頃、長崎さんの真似をしてフルチンで暮らしていた人が隣の“内離(うちばなり)島”に現れました。長崎さんのことを“センパイ”って言ってたな。“あんた、自分の地元でそんなことが出来るかね”と言ってやったら、いつの間にかいなくなったけどね」
また、地元のホテルの女将に聞くと、
「長崎さんはあんな生活をしているけど、話してみると意外にまともで挨拶もする。地元で特に悪い評判はないんです。だけど、迷惑ではないのかと聞かれたら迷惑だし、心配もあります。このあたりの人たちは、当番制で消防や行方不明者の捜索を任されているんです。勝手に死なれたりしたら困るのは地元の住民ですから」
ナガサキおじいには、さらなる“追い打ち”もかかっている。今年の9月17日、「モクタンの浜」からも立ち退くよう、林野庁から通告を受けているのだ。
「外離島の長崎さんが住んでいた場所は私有地でしたが、モクタンの浜は国有林なのです。だから、長期のキャンパーなどを見かけた場合、注意しないわけにはいかない。長崎さんは“分かりました。他に場所がないか検討します”と言ってくれてはいますが、ずっと住み続けるのなら、いずれ退去命令などを出さなくてはならない。個人的には可哀相な気もするのですが」(祖納森林事務所の担当者)

その後長崎さんはどうなったのか。ここから先は日本で報道されていないようですが、海外ニュースの翻訳記事によると、まず2018年頃、モクタンの浜で倒れているのが見つかり、強制的に病院へ入れられました。

スプートニク:「裸で離島暮らし30年 日本のロビンソン・クルーソーが強制的に文明に引き戻される」(2018年6月26日)
ニュース・コム・アウの報道によれば、「82歳で水道もモバイル通信も電気も服もない離島暮らしをたった一人で送ってきた日本人ロビンソンクルーソーのマサフミ・ナガサキ」さんは、先日、地元当局に強制的によって島から連れ去られ、病院に収容された。

そしてこれも海外のニュースからの翻訳で、去年の状況です。

ARIO.NYC:全裸で孤島暮らし 長崎真砂弓さん30年ぶりに島に戻る(2022年6月21日)
ある年金生活者が4年間の文明開化を経て、離島に帰ってきた。長崎真砂弓さん(86歳)は、家族や友人を残して29年間無人島で暮らしていましたが、2018年に日本政府によって強制的に文明に戻されました。そして今、現実世界での生活で不安や不満を抱えたまま、八重山諸島の外離島にある自宅への帰還が許されたのです。今、真砂弓は南国の島で幸せに暮らすために服を捨て、再び自由を感じている。

上の記事は一部語訳があり、オリジナルの記事:Masafumi Nagasaki returned to his desert island(2022年6月16日)からかいつまんで翻訳すると:

2018年4月、地元の漁師が、長崎さんが浜で気を失っているのを見つけた。本人は浜で死ぬことを望んだにも拘わらず、日本政府は強制的に彼を入院させた。その後4年間小さな部屋を与えられて生活することとなったが、結局文明社会に馴染めないままであった。そこで記者らが、外離島を訪れたいかと誘ったところ、喜んで企画に参加してくれた。1日外離島で一晩みんなと過ごしたが、翌日一人で生活できるだけの体力がもはやないことが分かり、納得して島に別れを告げて現在の住まいに戻った。

まあこれらの記事を見る限り、もうこの老人が外離島に戻ることはなく、外離島は2014年の時点で無人化したという扱いで問題ないということになります。【追記】よって[109308]にまとめらた表では、外離島は牛ヶ首島と前ノ島と同様に2015年無人化のグループに仲間入りさせるべきとなります。
[109306] 2023年 11月 20日(月)01:36:12YT さん
スーパー三和
[109297] 伊豆之国さん
「地域限定のスーパー」というと、私にとってなじみが深いのが、町田市を本拠とする「スーパー三和」。店舗検索を見ると、そのほとんどが町田市など東京都南多摩地区と、神奈川県の県央から横浜・川崎市にかけての地域に集中していることが分かり、町田市民や相模原市民にとっては大変身近な存在ではないでしょうか。4年前まで住んでいた町田市の自宅からの徒歩圏内には2店(現在はそのうち1店は閉店)あり、現住所のマンションからも徒歩圏内に2店あって、ポイントカードも持っており、普段からよく使っているスーパーになっています。

[109299] メークインさん
伊豆之国 さんが書かれた、
「地域限定のスーパー」というと、私にとってなじみが深いのが、町田市を本拠とする「スーパー三和」。
sanwaも13位に入っており、実際の利用者数から考えると、顧客満足度はかなり高めだと思いますよ。
すみません。伊豆之国さんが言及されたスーパー三和についてすっかりスルーしていましたが、メークインさんの文章を読んで急に思い出しました。スーパー三和はてっきりかつての三和銀行系列の資本のスーパーかと勘違いしていましたが、神奈川東京ローカルのスーパーだったのですね。

自分が物心ついた頃、小田急線の新百合ヶ丘駅近くに住んでいたのですが(今でも両親が住んでいます)、当時の新百合ヶ丘駅周辺には何もなく、あったのは土木工事中の茶色の山中に佇む駅舎だけでした。で、当時買い物といえばお隣りの百合ヶ丘駅が中心でした。そこには駅前のゆりストアという超ローカルなスーパーと、やや駅から離れたところにできたスーパー三和が、熾烈な競争を繰り返していました。今から思うと信じられないことですが、当時はスーパーがそれぞれ独自のバス運行を出していて、そのタダで乗れるバスにのってスーパーに出かけたのです。当時これらのスーパーは、生鮮食料品のみならず、家電、衣類やおもちゃなども扱っており、小学校に上がる前の自分にとって、百合ヶ丘にあったこれら二つのスーパーはちょっとしたデパートのような存在でした。

ただこれらのバスの存在は、小田急バスなどの路線バスの収益を脅かすものでした。私が親の仕事の関係で日本にいなかった時期に、バス会社側から何かしらのクレームがあり、これらのバス路線はいつの間にか廃止となったようです。それでもしばらくは地域の中心の役割を果たしていました。ところが川崎市麻生区が川崎市多摩区から分離し、新百合ヶ丘駅周辺の開発が進むにつれ、徐々に百合ヶ丘周辺は寂れていきました。2000年ごろに久々に百合ヶ丘のスーパー三和に行った時には、二階の家電、衣類やおもちゃを扱っている部分が百円ショップ化しており、さらに周辺の本屋、文具店等々の店もなくなっており、昔の店舗の状況を知っている自分にとって、何か悲しくなりました。ただし今思えば業務として家電・衣類等々の扱いを止め、生鮮食料品にのみ特化するという路線は、その後の時代に沿ったものだったようです。

色々あって[109298]で書き綴ったジョイフル近くに暮らしていた頃、同じようにこの若葉台と平尾を結ぶ道路沿いに新たに商業施設が出来て大繁盛していたのですが、その店の形態は1階にスーパー三和、2階に百円ショップやその他店舗が入っていて、まさに2000年頃に百合ヶ丘で見た店舗に近いものでした。今引っ越した稲城市内にも同様に商業施設にスーパー三和が入っており、かなりの盛況っぷりです。今の百合ヶ丘のスーパー三和の状況は知りませんが、現在のこれらのスーパー三和は生鮮食料品にのみ特化しており、70年代末~バブルの頃の百合ヶ丘のスーパー三和のように自分の店舗でデパート的経営をするのではなく、商業施設に間借りすることで、それなりに盛況しているようです。

なお、この分析は私の身近な店舗の状況だけを見て私が勝手な妄想によるものであり、中で働いてきた人にとっては全然違う歴史が描かれているのかも知れません。
[109305] 2023年 11月 20日(月)00:23:49YT さん
Re: 日本の有人島一覧 更新
[109301] オーナー グリグリさん

YTさんからいただいている有人島一覧の情報に基づき、日本の有人島一覧を更新しました。

色々修正を対応していただきありがとうございます。

ところで、こちらの記事の、横山島のタイトルや表の島名と市名が間違っています(瀬戸内市と黒島と誤記)。また、黒島の朝日新聞の記事リンクも切れています。こちら「最後の島民はなぜ去った?「墓を守る」願った男性は今」に入れ替えた方がよろしいかと思います。貴重な記事なので、記事訂正期限が過ぎていますがご了承いただければ管理者権限で訂正したいと思います。ご了解をお願いします。

すみません。ご指摘の通り間違いです。修正していただけるのであればお願いします。

それならば過去の有人島という一覧表をページに追加し整理することもできるかと思います。過去をどこまでとするかが問題になるかもしれませんが、ある程度まとめられるようであれば、現時点での過去分(上記の牛ヶ首島や前ノ島のようなケース)の追加掲載を考えたいと思いますが、いかがでしょうか。

離島統計年報である程度過去の人口を調べることはできますし、既に手元には2000年国調ベース以降の離島統計年報による人口の情報はありますが、問題は離島統計年報が法的に認定した離島しか対象としない点です。正直2015年分に関しては、ekinenpyouさんのまとめや、離島経済新聞とSHIMADASの情報があったので、なんとかまとめられましたが、2010年分についても既に何らかの抜けがあるのではないかと恐れています。

また現在のところe-Statから小地域(基本単位区)(JGD2000) の境界データをダウンロードできるのは、令和2年(2020年)の国勢調査分のみです。合併を契機に国勢調査の基本単位区の番号が変わってしまっているケースや、過去と現在で基本単位区の範囲に変更があったケースなどが既にあり、基本単位区人口として絶対的に正しく検証できたといえるのは、2020年分のみであるなどの問題が既にあります。

よって2005年以前の国勢調査ベースの有人島人口までは現状では調べる気力がありません。


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