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伊豆之国さんの記事が5件見つかりました

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[87275] 2015年 2月 11日(水)12:25:32【1】伊豆之国 さん
自治体越え地名(伊勢国)
建国記念の日にちなんで、というわけでもありませんが、今日は神々の故郷・伊勢国より。昨夏の遠征でいろいろとお世話になった(新春の十番勝負でも)、「大和心」を説いた国学の大家・本居宣長ゆかりの地より、これまで未登録と見られる「自治体越え地名」が見つかりました。

津市木造町/松阪市嬉野川原木造町

「木造町」はいずれも「こつくりちょう」と読むようです。
津市側に比べ、松阪市側は狭い範囲に限られているので、おそらく間を流れている雲出川の流路が変わったことによって対岸に取り残された地域のような感じがします。

>オーナー グリグリ さんへ
大阪市([86857])、横浜市([86858])の区境越え地名もお忘れなく。

♯十番勝負の感想文も、忘れないうちに書くことにします…。
[87263] 2015年 2月 8日(日)14:57:18【2】伊豆之国 さん
City Station~第40回十番勝負・問六について(vol.3)
ところで、市名と同じ「○○」駅と「○○市」が共に存在している市が、次の14市あります。この各市について、「どちらが市の『代表駅(中心駅)』にふさわしいか?」ということを、比較してみました。なお、乗車客数は原則として最新(年度、wikiより)の数値とし、★印は乗降客数(乗車客数は単純にその半数と見て差し支えないものとみなします)を示します。今回は、この乗客数の値を基にして、その中からいくつかの市について比較・考察をしてみることにしました。

○○駅乗車客数○○市駅乗車客数備考
和歌山(JR)19,179('12)和歌山市(JR)3,088('11)★
(和歌山電鉄)5,016('11)★(南海)17,569('13)★
16,924('12)堺市11,851('12)市内で乗客数最多の駅は「堺東」駅(29,202人('12))
<[82931]の数値は乗降客数だったため、訂正>
佐野(JR)3,542('13)佐野市764('12)★
(東武)1,495('11)
足利3,471('13)足利市6,810('12)★
川越(JR)37,754('13)川越市34,702('10)★本川越駅(西武):47,138('11)★
(東武)60,739('11)
行田6,962('13)行田市898('13)
刈谷(JR)29,915('12)刈谷市4,895('07)★
(名鉄)22,635('12)★
鈴鹿220('10)鈴鹿市1,799('12)市内で乗客数最多の駅は「白子」駅(7,510人('12))
守口8,019('13)守口市22,106('11)
高槻63,289('13)高槻市33,961('12)
茨木45,194('13)茨木市34,936('12)
倉敷18,478('12)倉敷市2,089('09)
松山7,373('13)松山市27,175('10)[82932] ペーロケ さん
摂津2,252('12)摂津市4,636('12)市内で乗客数最多の駅は「千里丘」駅(18,410人('12))

「○○」駅と「○○市」駅が並存している市の中には、駅名の変遷その他に複雑な経緯があるものがいくつかあります。[82961]で書き込んでいた松山市は、その代表例ですが、その松山市と同様、「お上の威光」で半ば強引に駅名を変えさせられた私鉄の駅に、「行田市」駅があります。「行田市」駅は、大正10年(1921)に「北武鉄道」の「行田」駅として、当時の「忍町」内に開業。駅名が「行田」になったのは、当時足袋の産地として知られていた「行田」の名を採用したのでしょうか([5052] でるでる さん)。「北武鉄道」はその翌年に秩父鉄道に合併し、現在に至っています。一方、国鉄高崎線は、合併で広くなった市域の、まさに「端っこを掠めて通る」形になったことから、この部分に駅を設置しようという地元の要望を受けて、昭和41年に新駅が開業したのですが、この駅がそれまでの秩父鉄道の駅名を「強奪」して「行田」駅を名乗り、それまでの「行田」駅はその1ヶ月前に現在の「行田市」駅となったのです([27175] むじながいり さん)。現在の両駅の利用状況を比較して見ると、市域の端っこにあって市街の中心から遠い「行田」駅のほうが、「忍城跡」や市街地の中心に近い「行田市」駅の8倍近い利用者数があり、これは私にもやや予想外でした。私は、その行田市を一昨年の夏に訪れたのですが([84083])、行田市の駅前は意外なほど閑散としており、駅前には土産物店もなく商店街にも思ったほど活気が見られず、市内を走るバスの本数も少なく稲荷山古墳の資料館まで猛暑の中を歩かされるなど、隣の熊谷駅から1両だけのディーゼル車が走っていたあの超ローカル線「東武熊谷線」([84083])に沿ったルートを通っている妻沼方面へのバスが予想以上に繁盛していたのと比べると、その落差に驚いたものでした。「行田」駅と「行田市」駅の大差は、通勤通学客の利用が多い幹線と、ローカル私鉄との差もやはり大きいのでしょうが、「行田市の玄関としてふさわしい駅(代表駅・中心駅)はどちらがふさわしいか?」と言った場合、利用者数で圧倒的に大差をつけているとはいえ、文字通り半島のように突き出した市域の端っこにあって、駅前には電器メーカーの大工場が広い敷地を構え、どちらにも少し歩けばそれぞれ熊谷市と鴻巣市の市域に入り、その両市の住民の利用もかなりの数に上ると見られる「行田」駅を、果たして「行田市の代表駅」としてよいのか、という疑問が沸いてきそうな気がしますが、かといって中心市街に近い「行田市」駅にしても、現状を見ると「代表駅」とするにはいささか心もとないように思えます。

同じ埼玉県の、最古参の市である川越市の場合は、かなり複雑な経緯をたどっています。(川越町→)川越市の中心部で最も古く開業したのは、現在の西武新宿線の「本川越」駅で、明治28年(1895)に「川越鉄道」の「川越」駅として誕生しています。その次に古いのが、大宮との間を結んでいた「川越電気鉄道」という名の路面電車の終点として、明治39年(1906)に開業した「川越久保町」(この辺り…wikiより)という駅です。この「川越電鉄」は、後に「(旧)西武鉄道」の路線となって「西武大宮線」と呼ばれていましたが、昭和15年(1940)の国鉄川越線の開業でまともに影響を受け、翌年に廃線となっています([61836] hmt さん)。一方、東武東上線の「川越市」駅が、「東上鉄道」の「川越町」駅として開業したのが大正3年(1914)の5月。そして、意外にも最も遅く開業したのが、現在の「川越」駅。同じ路線の「川越町」駅に遅れること1年弱、翌4年の4月に「川越西町」駅として開業しています。国鉄川越線の開業はさらに遅く、既に戦時体制に入ってきていた昭和15年。東北線と東海道線を、都心を通らずに迂回する路線として急遽建設が決まったとされ、沿線に航空士官学校(現在の自衛隊入間基地)ができたこともあって、軍事路線として重要な意味があったとされているようです。現在の「川越駅」は、その川越線が東上線と交わる位置にあった「川越西町」駅に同居する形で開業し、東上線の駅名も同時に「川越」と改称、それまであった西武新宿線の「”元祖”川越」駅は、その駅名を取り上げられ、現在の駅名「本川越」に改称させられています。したがって、「市」駅のほうではありませんが、川越の場合も、松山や行田と同様、「お上の権勢」によって「それまでの私鉄の駅名を国鉄が強奪した」と言えるのでしょう([41513] hmt さん)。

西武大宮線の廃線跡歩き(平成14年)
旧川越久保町駅の廃屋(昭和42年。その後ほどなくして取り壊されたようです)
昭和31年の川越駅・川越線etc

埼京線の開通と同時に、ようやく全線電化された川越線は、このときに事実上川越駅を境に運転系統が東西に分断され、東側の大宮~川越間は埼京線、さらには現在では「りんかい線」とも直通運行され、西武新宿線、東武東上線に続く、「大江戸」と「小江戸」を結ぶ「第三のルート」が出来上がりました。この埼京線の直通運転も加わって、川越駅の利便性はさらに高まり、現在では川越駅が、乗り換え客数を考慮に入れても、利用者数で他の2駅を圧倒し、名実ともに川越市の中心駅(代表駅)の地位を確立したと言えそうです。これに対し、西側の川越~高麗川間は、八高線の南側との直通運転に変わり、現在に至っています。士官学校の最寄り駅であり、皇族方のために貴賓室が設けられていた武蔵高萩駅の駅舎も、改築により惜しくも取り壊されてしまいました([70706] スナフキん さん)。川越・川越市・本川越の3駅は、徒歩でもそれぞれせいぜい十数分という距離にあり、以前から駅の統合の話が浮かんでは消える、というようですが、おそらく商店街の反対なども根強く、実現の可能性は低そうです。
川越には、私もこれまで何回か訪れていますが([81983])、川越の象徴とも言える「土蔵の町並み」を初め、中心市街や川越城跡・喜多院などにもいずれもその「元祖・川越駅」である西武本川越駅のほうがずっと近く、現在の「川越」駅はかつて「場末」であったことが読み取れるようです。ところで、現・川越駅がかつて名乗っていた「川越西町」という駅名。この駅は「川越市」「本川越」の両駅のいずれから見ても経度ではわずかに東にあり(地図)、「品川駅の南にある北品川駅」に似た状況になっていました。現在、川越駅の近くに「西町」という町名はなく、その後の住居表示などによる町名の整理統合により消滅したと思われます。その「川越西町」の駅名の消滅と同時に、国鉄川越線に「西川越」という駅が開業して、現在も同じ駅名で営業しています。
なお蛇足ですが、伊勢電鉄(現在の近鉄名古屋線の前身→記事集)にも、かつて「川越」という駅がありました。当時の三重郡川越村(現・川越町)内で、昭和4年の四日市~桑名間の延長開通と同時に開業しましたが、戦時中に隣の「富洲原」駅との統合により廃駅、現在はその「富洲原」駅が移転・改築して「川越富洲原」駅になっています。駅の開業時には既に西武線に「川越」駅がありましたが、私鉄同士でお互いに遠方であり、混乱の恐れも少ないため問題にされなかったのでしょう。

守口市の場合も複雑です。京阪「守口市」駅は、明治43年(1910)の路線開業と同時に「守口」駅として開業し、市制(昭和21年)から25年後に現在の「守口市」駅に改称し、現在に至っています。一方、大阪市営地下鉄谷町線の「守口」駅は、路線の延伸によって昭和52年(1977)に開業した駅ですが、実はかつて大阪市電に「守口」という駅(停留所)がありました。昭和6年(1931)に都島方面から延長開業して市外に「越境」し、当初は「守口町」と名乗り、戦時中に「町」を取って「守口」と改称していますが、京阪の「守口市」駅もまだ「守口」駅で、場所はすぐ近くですが、それぞれ別の場所に同名の「守口」駅があった形になっていて、これは今でも関西ではよくあるケースになっていたのでした。「守口」駅があった市電の路線は、昭和44年3月末限りで廃線となったのですが、これは市電で最後まで残っていた路線の一つでした。その2年後に京阪の「守口」駅が「守口市」と改称し、「守口」という駅名が消えていたのですが、さらにその6年後になって今度は地下鉄の駅として駅名が復活したのでした。現在、駅の利用者数は、「守口市」駅が「守口」駅の3倍近くに達しており、それぞれの路線の現状、経緯やその性格から見ても、「守口市」駅が市の玄関としてふさわしい(代表駅、中心駅)ことには異論はないと思われます。

鈴鹿市の場合も、「鈴鹿」の駅名は、「初代」は現在の関西本線「河曲」駅が名乗っており、現在の「伊勢鉄道」の鈴鹿駅は、駅名も社名もともに「二代目」ですが、どちらも利用客数は少なく「市の玄関」としての役目を果たしておらず、市役所もある神戸地区にある近鉄「鈴鹿市」駅が一応「市の代表駅」と言うことになっているようですが、関西線のルートから外れ、「初代・伊勢鉄道」→伊勢電鉄でも支線の駅に甘んじることになった([86355])こともあり、現在では鈴鹿サーキットの最寄り駅として特急も多数停車する、近鉄名古屋線の本線上にある「白子」駅が市内で利用者の多い駅となっています。
足利市は、JR「足利」駅のほうが、足利学校や鑁阿寺などがある市街の中心に近いのですが、渡良瀬川の対岸にある東武伊勢崎線の「足利市」駅が、東武の特急で浅草から一本で行けるので、利用者数では互角になっています。ただ、「市の代表駅」としては、やはり市街に近い「足利」駅のほうが適切でしょうか。松山市については、[82963] のペーロケ さんの認識がまさにその通りでしょう。和歌山駅・和歌山市駅と駅名・路線の変遷に関しては、[75010]で書き込み、その記事で過去の記事にもレスしているので、ここでは割愛することとします。

…ということで、「○○」駅と「○○市」駅の両方がある14市において、「どちらが市の代表駅(中心駅)」としてふさわしいか、と言うことを私なりに判断すると、次のようになると思われます。

「○○」駅和歌山、足利、佐野、川越、刈谷、高槻、茨木、倉敷
「○○市」駅守口、松山
どちらでもない堺(堺東駅)、鈴鹿(白子駅)、摂津(千里丘駅)
行田市については、文中に書いた理由により、判断が難しかったのでとりあえず保留としました。

こうして見ると、「○○」駅のほうが中心駅として優位に立っている駅のほうが多いというのは、やはり「○○市」駅のほうが後発である(国鉄の駅と区別するために「○○町」と名づけた駅が、市制施行により「○○市」駅に改称するなど)ことが多く、国鉄の駅のほうが(開業当時は市街の外れであっても)幹線にあることなどで既に「市の玄関」としての地位を確保していた市が多かったことからでしょうか。

かつて「○○」駅と「○○市」駅が共にあった市には、「美濃市」もありました([27173] 実那川蒼 さん])。
1999年に廃止された、名鉄美濃町線の終点は「美濃駅」でした。それに隣接する長良川鉄道(旧・国鉄越美南線)の駅は「美濃市駅」ですが、美濃市の市制施行前はそれぞれ「新美濃町駅」と「美濃町駅」でした。なぜか、名鉄美濃町線の線名は美濃市が市制施行し、一部廃止になって美濃市に行かなくなってもそのまま残されています。
その美濃町線も、当時まだ残っていた区間も含めて全て廃線となった今は、「美濃市」駅が名実共に市の代表駅となったということでしょうか。

♯以上、ここまで長々と書きましたが、とりあえず今回のシリーズはこれで締めくくりとします。
何かありましたら、文章の訂正・追加、あるいは新たに記事を書き込むことにします。
[87248] 2015年 2月 1日(日)23:22:57伊豆之国 さん
City Station~第40回十番勝負・問六について(vol.2)
今日は、前回[87207]の書き込みで約束した続編、まず「○○市駅への改称時期」と「改称前の旧駅名との関係」について書き込むことにします。
前回のリストを見ると、開業当初から「○○市」という駅は3駅だけ(ほかに開業時に「仮の駅」のような形で短期間存在した「岡山市」駅と、やはり開業当初の短い時期だけ現駅名と同じ駅名を名乗っていた「堺市」を加えると5駅)で、市名誕生と同時かそれ以降に改称した駅がほとんどです。そしてその中でも「市名誕生日」と同日に駅名を「○○市」に変えた、というのは意外に少なく、「市名誕生日」より後れて駅名を改称したケースが圧倒的に多くなっています。特に国鉄・JRには皆無(長良川鉄道に転換された越美南線の美濃市駅を含む)で、「即日改称」組は全て私鉄の駅です。
その「○○市」に改称した現存37駅について、それ以前の駅名がどのような名称だったかを見てみると、次のようになります。

タイプ旧駅名総数市名
A)「○○」5行田、交野、寝屋川、守口、松山
B)「○○町」10伊那、佐野、足利、野田、川越、刈谷、八幡、高槻、茨木、美濃
C)その他で現市名(またはその一部)を含む名称6土岐、大田、枚方、門真、倉敷、大阪狭山
D)全く違う名称16出雲(※)、伊予、伊勢、熊野、山梨、長門、日向、堺、西脇、和光、入間、都留、豊田、鈴鹿、狭山、東大和

この表の中で(※)印を付した、「出雲今市」から改称した「出雲市」は、形式的には「C」ですが、実質的には「D」タイプと思われるのでこちらに計上することとしました。「松山市」([82932][82963] ペーロケ さん,[82961])と「行田市」は、いずれもずっと後れて開業した国鉄が、それまであった私鉄の「○○」駅の名を「強奪」したため、やむなく「○○市」駅と改称されたケースです(この2市については、後で詳述します)。また、「○○」駅から「○○市」駅に改称した駅は、その「特殊事情」がある「松山市」と「行田市」以外は全て京阪電鉄にあり、ある意味で「京阪独特のポリシー」があるのでしょうか。
また、「市名誕生日」から「○○市」駅への改称までの「時間差」を調べると、次のようになりました(前記の「特殊事情」2市は除外)。

タイプ駅名改称までの日数総数市名
A)即日7佐野、野田、川越、和光、八幡、高槻、茨木
B)1年以内5伊那、入間、豊田、寝屋川、美濃
C)1年超~3年以内4伊予、刈谷、枚方、大阪狭山
D)3年超~10年以内7伊勢、熊野、山梨、長門、足利、交野、東大和
E)10年超~12出雲、日向、堺、土岐、大田、西脇、都留、鈴鹿、門真、守口、倉敷、狭山

こうして見ると、市名誕生日から10年以上を経過してようやく「○○市」駅になった、という駅が意外に多く、その中には市名と直接関係ない従前の駅名から市名に合わせて「○○市」駅に改称したものが6例(出雲市を含む)もあり、やはり「それまでなじんできた駅名を変える、ということには抵抗も多い」ということも読み取れそうです。「○○町」から「○○市」になっても駅名をすぐに「○○市」に変えず、しばらくの間「○○町」駅のままだった、というのも4市ありました。一方、「野村」から駅名を変えた「西脇市」駅は、同日に「西脇」駅があった鍛冶屋線が廃線となって、新たに市の玄関となった駅を市名に合わせて改称したということでしょうか(この辺の事情は、ご当地の近所の方が詳しいかもしれませんが…)。

♯前回書き忘れましたが、「消滅した○○市駅」には、名古屋市との合併で消滅した「先代・守山市」にあった、名鉄瀬戸線の「守山市」という駅もありました。昭和21年(1946)にそれまでの「二十軒家」駅から「守山町」駅となり、29年6月1日の市制の翌年2月に「守山市」駅となって、38年(1963)年2月の名古屋市への編入後もしばらく「守山市」の駅名はそのままでしたが、市名消滅から3年余りも経った41年3月になって現在の「守山自衛隊前」に改称されています。現駅名の由来である守山駐屯地は、戦前の陸軍歩兵33連隊がその前身に当たります。守山区内には、JR中央本線の「新守山」駅(名古屋市編入の翌年、昭和39年4月に開業)、「鉄道とは認められない」と思われる名古屋ガイドウェイバス([80185],[85670],[87169])には「守山」という停留所?(平成13(2001)年開業)もあります。なお、滋賀県の「二代目」守山市にあるJR東海道本線の「守山」駅は、明治45(1912)年の開業で、当初から現在まで駅名は変わっていません。

…まだまだ長くなりそうなので、その続きは次回に書き込むことにしました。
[87207] 2015年 1月 25日(日)20:09:25伊豆之国 さん
City Station~第40回十番勝負・問六について(vol.1)
今回の十番勝負では、もう一つ「駅名問題」がありました。問六、市名と同じ「○○市」駅がある市、という共通項です。この共通項に関連して、これまでも私がしばしば引用している「時刻表名探偵」(石野哲氏著・昭和54年(1979)3月10日初刊)に、その「市のつく駅名」というページがありましたので、今回はそれと照らし合わせながら書き進めて行こうと思います。
現在、全国にある、市名と同じ名の「○○市」という駅がある市は、JRとそれ以外にある駅とを合わせると、ちょうど40市。これに対し、36年前に出版された「名探偵」にあるリストに載っているのは、国鉄に13駅(市)、私鉄に26駅(正式には南海電鉄の所属であるため([75010])重複掲載されている和歌山市駅と、市名の一部が駅名になっている高田市駅(大和高田市)を含んでいるため、実際にはこの2市を除いた24市)。合わせて37市ということになっていました。この「名探偵」に載っているそれぞれのリストを基に、その後の駅名・市名の消長による変動と合わせて、下記の表にまとめてみました。なお、「名探偵」には、国鉄の駅のみ「市制」と「駅名改称」の年月日が書かれていますが、この「市制年月日」は「市の誕生日」になっていて「市名誕生日」にはなっていない(伊勢市は「市の誕生日」である「旧・宇治山田市の市制期日」になっている)ため、今回の表ではJR以外の分も合わせて「市名誕生日」を載せることとします。また、この表で「駅名誕生日」とは、元の駅名から「○○市」駅に改称した場合はその日、開業当初から「○○市」を名乗っていた駅(この場合は「旧駅名」が空欄)はその開業期日を示します。

【JRの「○○市」駅】
番号駅名=市名路線名駅名誕生日旧駅名市名誕生日備考
1和歌山市紀勢本線1903.3.211889.4.1「戸籍上」は南海電鉄所属
2伊那市飯田線1954.11.10伊那町1954.4.1
3出雲市山陰本線1957.4.1出雲今市1941.11.3
4伊予市予讃線1957.4.1南郡中1955.1.1
5伊勢市参宮線1959.7.15山田1955.1.1市の誕生日は1906.9.1(宇治山田市)
6熊野市紀勢本線1959.7.15紀伊木本1954.11.3
7山梨市中央本線1962.1.15日下部1954.7.1
8長門市山陰本線1962.11.1正明市(しょうみょういち)1954.3.31
9日向市日豊本線1963.5.25富高1951.4.1
10堺市阪和線1965.3.1金岡1889.4.1阪和電鉄として開業時(1932.2.2)に「堺市」を名乗っていたことがある(wikiより)
11土岐市中央本線1965.7.1土岐津1955.2.1
12大田市山陰本線1971.2.1石見大田1954.1.1
13西脇市加古川線1990.4.1野村1952.4.1鍛冶屋線廃止による「西脇」駅消滅と同日に改称

【JR以外の「○○市」駅】
番号駅名=市名路線名駅名誕生日旧駅名市名誕生日備考
1佐野市東武佐野線1943.4.1佐野町1943.4.1
2足利市東武伊勢崎線1924.8.25足利町1921.1.1
3野田市東武野田線1950.5.3野田町1950.5.3
4川越市東武東上線1922.12.1川越町1922.12.1
5和光市東武東上線1970.10.31大和町1970.10.31
6行田市秩父鉄道1966.6.1行田1949.5.3高崎線「行田」駅開業に伴いその1ヶ月前に改称
7入間市西武池袋線1967.4.1豊岡町1966.11.1
8都留市富士急1965.3.1谷村横町1954.4.29
9豊田市名鉄三河線1959.10.1挙母1959.1.1市の誕生日は1951.3.1(挙母市)
10刈谷市名鉄三河線1952.3.1刈谷町1950.4.1
11鈴鹿市近鉄鈴鹿線1965.7.1伊勢神戸(かんべ)1942.12.1
12八幡市京阪本線1977.11.1八幡町1977.11.1
13枚方市京阪本線1949.10.1枚方東口1947.8.1現「枚方公園」駅が旧「枚方」駅(同日改称)
14交野市京阪交野線1977.11.1交野1971.11.3
15寝屋川市京阪本線1951.8.20寝屋川1951.4.1
16門真市京阪本線1975.3.23新門真1963.8.1
17守口市京阪本線1971.6.20守口1946.11.1
18高槻市阪急京都線1943.1.1高槻町1943.1.1
19茨木市阪急京都線1948.1.1茨木町1948.1.1
20倉敷市水島臨海鉄道1970.-.-社倉敷1928.4.1
21松山市伊予鉄道1927.3.1松山1899.12.15[82932][82963] ペーロケ さん,[82961]
22狭山市西武新宿線1979.3.25入間川1954.7.1
23東大和市西武拝島線1979.3.25青梅橋1970.10.1
24美濃市長良川鉄道1954.11.10美濃町1954.4.11986.12.11に旧国鉄より長良川鉄道に転換
25瀬戸市愛知環状鉄道1988.1.311929.10.1
26大阪狭山市南海高野線1990.4.1狭山遊園前1987.10.1
27摂津市阪急京都線2010.3.141966.11.1

【消滅した(該当しなくなった)○○市駅】
番号駅名=市名路線名該当しなくなった日理由備考
1十和田市十和田観光電鉄2012.4.1路線廃止[79425][79485] 山野 さん
2上野市伊賀鉄道2004.11.1新設合併で伊賀市に市名消滅後も駅名は変更なし。2007.9.30以前は近鉄伊賀線
3平田市一畑電車2005.3.22出雲市との合併で市名消滅同日に元の駅名「雲州平田」(1970.9.30まで名乗っていた)に戻る。旧平田市の「市の誕生日&市名誕生日」は1955.1.1

…「平成の大合併」時期以降に消滅あるいは該当しなくなった「○○市」駅は、上記の3駅ですが、「名探偵」には、過去に存在した「○○市駅」の「元祖」として、現在の津山線の前身「中国鉄道」が1898年(明治31年)12月21日に開業した「岡山市駅」のことが書かれています。この「岡山市」駅は、中国鉄道が岡山から津山(現在の津山口駅)まで開業した際、山陽線(当時は山陽鉄道)岡山駅への乗り入れ工事が間に合わず、「仮の駅」として岡山駅の西方約500mの位置に設けられた駅で、岡山駅への乗り入れが完成した6年後の1904年11月15日に廃止された、とあります。また、「国鉄編」の欄外記事として、天理駅(1965.9.1現駅名に改称)が一時期「天理市」駅を名乗った(1963.5.25に「丹波市(たんばいち)」より改称)ことが書かれています。この「天理駅」は、現在のJR天理駅が「奈良鉄道」の「丹波市駅」として開業(1898.5.11)の17年後、現在の近鉄天理線の前身にあたる「天理軽便鉄道」が1915年(大正4年)2月7日の開業当初から「天理」駅を名乗っていて、1965年の国鉄駅との統合により、国鉄の「天理市」駅も近鉄にあわせて「天理」駅に統一されています。余談になりますが、「天理軽便」は現在の近鉄奈良線などの前身「大阪電気軌道」への合併後に東側の平端-天理間が1435mmゲージに拡幅・電化され、橿原線との直通も行われるようになって現在に至っていますが、「軽便」・非電化のまま取り残された西側の新法隆寺-平端間は、戦時中に運休となり、そのまま廃線となっています(こちら)。
このほか、伯陽電鉄(→日の丸自動車法勝寺線)に「米子市」駅(1967.5.15廃止)がありました。

♯「○○市駅への改称時期」「○○駅と○○市駅の関係」等々、まだまだ書きたいことがいろいろとありますが、長くなりましたので次回に書き込むことにします。
この記事を作成するに当たっては、デスクトップ鉄 さんのこちらのサイトも参照させていただきました。それと重複する内容も多いとは思いますが、デスクトップ鉄 さんには、ここに改めて感謝を申し上げます。
[87169] 2015年 1月 18日(日)22:02:23【1】伊豆之国 さん
Gold Station~第40回十番勝負・問八について
今回の十番勝負「問八」の共通項は、「金」の字の付く駅がある、というものでした。そこで、今日はこの「金の付く駅」について調べてみることにしました。
こちらによると、全国の鉄道駅で、「金」の字の付く駅としてヒットしたのは76駅。このリストを見ると、「金沢八景」がこの駅に集まる3路線がなぜか別々に計上されていること、また「鉄道」とは認められないと思われる「名古屋ガイドウェイバス」にある「金屋」駅(所在地は名古屋市、市内に「普通の鉄道」で該当する駅が複数あるため想定解には影響なし)を除外すると、73駅となります。この中には、「市」でない自治体にある駅、同一市内に複数ある市(金沢市内に5駅あるなど)があるので、この問に該当する市の数は、41市(※)ということになります。これらの市と、その市内にある「金」の付く駅のリストを下記の表にまとめてみました。この配列は、便宜上、お題の市、回答が出た市(回答順)、未回答市(都道府県配列順)の順としています。(落ちがあったらご教示を)

番号市名駅名(路線名)駅数累計
1二戸金田一温泉(いわて銀河鉄道)1
2小金井武蔵小金井、東小金井(中央本線)、新小金井(西武多摩川線)4
3名古屋金山(中央本線・名鉄本線・名古屋市地下鉄名城線)、金城ふ頭(あおなみ線)、大森・金城学院前(名鉄瀬戸線)、黄金(近鉄名古屋線)8
4新金岡(大阪市地下鉄御堂筋線)9
5浅口金光(山陽本線)10
6五所川原金木(津軽鉄道)11
7島田金谷(東海道本線)、新金谷(大井川鉄道)13
8金沢金沢、東金沢、西金沢(北陸本線)、北鉄金沢(北陸鉄道浅野川線)、新西金沢(北陸鉄道石川線)18
9伊達(北海道)黄金(室蘭本線)19
10にかほ金浦(羽越本線)20
11大阪狭山金剛(南海高野線)21
12下呂飛騨金山(高山本線)22
13善通寺金蔵寺(土讃線)23
14福岡金山(福岡市地下鉄七隈線)24
15東金東金(東金線)25
16鳴門金比羅前(鳴門線)26
17伊万里金石原(筑肥線)、金武(松浦鉄道)28
18久留米金島(西鉄甘木線)29
19江津千金(三江線)30
20小平花小金井(西武新宿線)31
21横浜黄金町、金沢文庫、金沢八景(京急本線)34
22下野小金井(東北本線)35
23橿原金橋(桜井線)36
24浜松金指(天竜浜名湖鉄道)37
25八戸金浜(八戸線)38
26富津浜金谷(内房線)39
27飯田金野(飯田線)40
28甲府金手(身延線)41
29入間金子(八高線)42
30渋川金島(吾妻線)43
31北見金華(石北本線)44
32那須烏山大金(烏山線)45
33新発田金塚(羽越本線)46
34むつ金谷沢(大湊線)47
35気仙沼小金沢(気仙沼線)※震災により運休(バス代行)48
36山形東金井(左沢線)49
37福島金谷川(東北本線)50
38ひたちなか金上(ひたちなか海浜鉄道)51
39栃木東武金崎(東武日光線)52
40松戸北小金(常磐線)、小金城趾(総武流山電鉄)54
41岡山金川(津山線)55

今回の共通項に該当する市は、以上41市、「市」にある「金」駅の数は合計 55となります。
現在、「金」の付く駅が最も多いのは、やはりというか、金沢駅を初め5駅がずらりそろっている金沢市。これに次ぐのは、「金のしゃちほこ」つながり?の名古屋市の4駅。横浜市と小金井市が3駅で続きます。
上記の表にあるうち、にかほ・下野・那須烏山・下呂・浅口の各市は「平成の大合併」で新たに誕生した市、北見・五所川原・気仙沼・栃木・新発田・島田・浜松・岡山・久留米の各市は、その「平成の大合併」によってそれまで市外だった「金」の付く駅が新市域に入り、「該当する市」に入ったものです。
※ 想定解に「栃木市」が抜けています。旧西方町にあった「東武金崎」駅が、平成23年の栃木市への編入合併により、市内に入っています。(→[87166] スカンデルベクの鷲 さんのご指摘)
一方、「大合併」の時期(平成13年=2001年)以降の路線の廃止によって「金」の付く駅が消え、「該当しなくなった」市には、平成17年に名鉄の岐阜地区4路線の一斉廃止によって「金町(こがねまち)」「金宝町」「金園町四丁目」「金園町九丁目」と一挙に「金」4駅が消滅して「無冠」になった?岐阜市のほか、これらと同時に「白金」駅が消えた関市、名鉄三河線末端部の廃止(平成16年)で「西中金」駅が消えた豊田市、長野電鉄屋代線の廃止(平成24年…[77584]Issie さん)により「金井山」駅が消えた長野市があります。
また、震災により復旧のめどが立たず長期運休中(バス代行)となっている気仙沼線の件ですが、このような路線・駅の扱いについては、先の「第3回クイ図五番勝負」の「問四」でも物議を醸しており([86686] スカンデルベクの鷲 さん、[86689] N さん)、微妙なことになってくると思われますので、これに関しては後日私なりの意見を書き込む、ということもあるかもしれません。

ついでに、「市」以外で「金」の付く駅がある自治体を下記に挙げておきます。
2特別区・11町・1村が該当し、駅数は計18駅あります。

区・町村名駅名(路線名)駅数累計
東京都港区白金高輪、白金台(東京メトロ南北線・都営三田線)57
東京都葛飾区金町(常磐線)、京成金町(京成金町線)59
北海道南富良野町金山、下金山(根室本線)61
北海道当別町石狩金沢(札沼線)62
青森県深浦町北金ヶ沢(五能線)63
岩手県金ヶ崎町金ヶ崎(東北本線)64
秋田県三種町北金岡(奥羽本線)65
山形県中山町羽前金沢(左沢線)66
茨城県大子町西金(水郡線)67
神奈川県大井町相模金子(御殿場線)68
新潟県関川村越後金丸(米坂線)69
石川県中能登町金丸(七尾線)70
福岡県香春町勾金(平成筑豊鉄道田川線)71
福岡県福智町金田、上金田(平成筑豊鉄道伊田線)73

今回の十番勝負では、もう一つ「駅名問題」がありました。問六、「その市内に『○○市』駅がある市」という共通項でした。この「問六」についての検証も、次回に書いてみようと思っています。

【1】駅名誤記訂正、気仙沼線の扱いに関して追記


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