閣議決定-と言っても、大きな話題になっている
安全保障法制関連11法案 のことではなく、その翌日です。
昨日(2015/5/15)の閣議で ニウエの国家承認が決定された という
外務省発表 がありました。
日本の地理には詳しい皆さんでも、ニウエ? どこだ? という方が大部分だと思うので、最初に地図を出します。
外務省・太平洋の島国
マガジンの中に
南太平洋 という特集を作っている hmtとしては 黙視するわけにゆきません。
落書き帳の話題の大勢が流れている方向とは無関係ですが、それを承知の上で、この機会をとらえて太平洋島嶼国の記事を入れます。
最初にお断り。この地図には太平洋にある14の国が示されていますが、太平洋の島はこれで全部というわけではなく、米国領、フランス領などの島もあります。
赤道より北ではグアム島・サイパン島、それに右上の表で隠れているハワイ州も米国領ですね。
サモア独立国の東の空白域にも米国領サモア【サマセット・モームの短編『雨』の舞台】があります。ニウエはその南に位置しています。
面積で比較すると、日本より大きいパプアニューギニアはずば抜けた「大国」です。
それに次ぐメラネシアの3ヶ国は1万~3万km2で、その南のフランス領のニューカレドニア島、この図に示されていないハワイと共に大きい方です。
…で、ポリネシアにある ニウエは 259km2、人口 1600人とも 1500人とも。奄美群島の 徳之島248km2と対比される面積ですが、人口は 1/17。
ニウエは国でなく地域(2015年1月1日現在)と書いてありましたが、昨日の決定に基づいて国交関係を開くことが決まったわけです。
外務省発表にはありませんでしたが、新聞報道によると ニウエから 国家承認を求める要請がなされており、今回の国家承認は いわき市で開催する
第7回太平洋・島サミット2015 に合せたもので、太平洋地域での外交強化のねらいもあるとのことでした。
キャプテン・クックは 1774年の第2回航海
[45308]の際に ニウエを確認したが、上陸を阻まれました。
その後 1900年に英国の保護領、ニュージーランド領を経て、1974年に内政自治権を獲得して 事実上の独立を達成しました。
現状では内政自治権を保持しつつ、防衛と外交についてはニュージーランドが責任を負うという自由連合関係結んでいます。既にニュージーランド、オーストラリア、マレーシア、中国など 12ヶ国と外交関係を開設。国連未加盟ながら、ユネスコなど 34の国際機関には加盟済みとのこと。
わが国が承認した国は これで 195か国になりました。前回の国家承認は 2011年7月の南スーダン
[81210]でしたが、2011年3月には 193番目としてクック諸島を承認していました。
[78607]
ココ椰子【ニウエという国名の語源らしい】、ヤムイモ、タロイモなどの農産物輸出国ですが、地理的条件から サイクロンの直撃による被害もしばしばで、市民権を有するニュージーランドに移住する人も多いのが現実。
世界最大の隆起珊瑚礁であるという自然を活かし、ニュージーランドの援助を受けながら観光事業を開発中。
太平洋・島サミット。Pacific Islands Leadets Meeting - 略して
PALM は、アブラヤシの意味になっています。
私は知りませんでしたが、日本が太平洋島嶼国との関係を強化する目的で1997年に初めて東京で開催され、以後3年ごとに日本で開催されているとのことです。
開催地は PALM2が宮崎、PALM3,4,6の3回が沖縄県名護市の万国津梁館、PALM5が北海道占冠村トマムでした。
そしてPALM7の開催地が いわき市。首脳級の国際会議が福島県内で開かれるのは初めてのこと。
地球温暖化による海面上昇。津波と違い じわじわと襲ってくる海の脅威。
太平洋の島国にとっては大問題です。
キリバス