江田島と能美島は陸続きでありながら部分毎に別の名前を持つ島であることは落書き帳でも何度か話題になっていますが、日本中では知らない人のほうが圧倒的に多いことと思います。こんな特殊な事情のある島ですが、「江田島市」となった将来「この島全体の名前は『江田島』である」という認識が広がっていくかもしれないと考える今日この頃です。
地図に自治体名を書き入れるとすれば、おそらくその自治体の中央付近あるいは纏まった面積を確保できる場所になるでしょう。そうすると「江田島」の文字を入れやすい場所は西能美島のあたりだと思います。実際、M.K.さんの色塗り地図でもそのようになってます。
http://www.tctv.ne.jp/mkim/geography/image/HIROSHIMA.GIF
有人島やその一部を複数持つ地方自治体の名前のつけ方には何か傾向があるのでしょうか。ちょっと考えてみました。
A) 島群名から
例 小笠原村 (父島,母島,wtc.)
B) 最大の島、著名な島等の名から
例 福江市 (福江島一部,久賀島,etc.)
C) その他
例 豊浜町 (豊島,大崎下島一部,etc.)
さて、Bの場合、久賀島に住む人は「福江に住んでます」とは言わないだろうなぁと思う訳です。「福江市に住んでます」は、もしかしたら言うかもしれません。
#「五島に住んでます」は今後さらにメジャーになるでしょう。
では今後、能美島の住人が「江田島市に住んでます」と言うだろうか、「能美島に住んでます」というだろうか、それとも別の言い方ができるのだろうかと考えると、とても興味があります。
江田島市が市名で揉ましたことはみなさんご承知のことと思います。少し話を飛躍させますが、もし「南広島市」に決まっていたとしても「南広島(市)」に住んでます」という表現はあまり広まらなかったでしょう。私の勝手な推測ですがほとんどの場合「江田島に住んでます」「能美島に住んでます」のように使われてたのではないかと思うのです。
江田島市発足とともに、「沖美」「能美」「大柿」の行政地名はなくなります。これは合併する以上仕方のないことです。しかし「江田島」だけが残ることによって「能美島」という自然地名がだんだんと廃れていくかもしれません。これがもし行政地名「江田島」も一緒になくなっていれば自然地名「江田島」「能美島」は共に当面安泰だったろうと思えるのです。
そんなことを考えていると、合併自治体名はとにかく中心集落名にすべしという意見にはやっぱり賛成できないなぁと思います。また、新自治体名をセンスが悪いと批判するだけでは、本当の意味で地名を保存することにはならないこともあるという思いを強くしました。
最後に、私は「江田島市」が悪いとも「南広島市」が良かったとも言うつもりはございません。ただ「自治体名だけが地名ではない」を久しぶりに言いたかっただけです。