[53601][53577]hmtさん
「北海道庁」と呼ばれたことは聞いていましたが、「北海道地方費」という地方自治体があったとは初耳であり、かつ意外でした。
でも、やっぱりおかしいな…というのが、率直な気持ちです。
詳細なご解説をありがとうございました。
実は私も、「北海道地方費」が今の「北海道」と同じように使われていたとは思っていません。(もしそんな使われ方をしていたら、「北海道地方費」という用語自体、「東京府」と同じように今でももっと知られていて良いはずです。)
どちらかというと「意外でしょ?」という驚きを皆様と共有したかったというところもあります。
その性格は府県とやや異なり、経費支弁団体としての性格が強かった。
そのくだりは私も読んでいましたが、実はこの文章の意味が良く分からなかったのです。
職員などの実体を持たない、予算上の区分ということなのか?それとも経費支弁「団体」なのだから、やはり「団体」、すなわち、職員を持つような「組織」なのか?
要するに、2面性を備えた組織「北海道庁」の中で、国の機関としてフロンティア開拓を進めるための費用が「北海道拓殖費」、そして、開拓をした結果として民政の段階に移り、本州以南の府県に準じた地方団体としての統治を行なうための費用が「北海道地方費」です。
なるほど、そういう観点で
ご紹介頂いた
北海道拓殖費に関する昭和二十二年度予算編成上の措置
を読むと、「北海道地方費」は、予算上の区分のようにも、読めますね。
府県は明治の初期から存在するものであって、(hmtさんもご指摘の通り)地方三新法の制定後は、府県は中央政府に属する地方官庁でありながら、地方自治団体でもあるという二面性を次第に帯びるようになりました。このことには概念的困難はありません。一方、「三県を廃止して北海道庁を置く」という1886年(明治19年)1月26日の布告まで存在しなかった、地方官庁「北海道庁」はそのまま1946年まで存続し、一方地方自治団体(経費支弁団体)としては(「北海道地方費法」以降)「北海道地方費」と呼ばれたという構造が、hmtさんのご解説で少し背景はクリアにはなりつつも、どうもfaith にはつかめていないところがあります。
「立」の字を使わないと言えば
そういえば、公立学校の校名に「○○立」と付けるのはいつごろから広まったのでしょうか。
例えば明治初期に石川県が設立した高等教育機関は「石川県専門学校」「石川県医学校」と呼ばれていましたし、他の府県でも中学校や師範学校の校名には「立」が入らないなど、校名に「立」が入らない公立学校は中等教育あるいはそれ以降ではむしろ普通でした。設置が府県に義務づけられていたことが関係あるのでしょうか。
今でも宮城県立の高等学校の校名には「立」は入っていませんね。
簡単な観察では「市」が設立したものには、「立」が入っていたことが比較的多いように思われます。
戦後、普通銀行として営業し、1997年に銀行破綻のさきがけとなった同名の銀行(愛称・たくぎん)は、一応は別の銀行です。
言われていることを誤解しているかも知れませんが、「北海道拓殖銀行」という特殊銀行が戦後普通銀行に転換した、という意味で「同じ銀行」と言えるのではないかと思います。(日本勧業銀行や横浜正金銀行(東京銀行)のように)
※より文意が明確になるように「戦後まで」を「1946年まで」と訂正
※※公立学校の校名についての記述の表現を修正
※※※その他表現を修正
※※※※公立学校の校名についての記述の表現をより簡潔にした
※※※※※公立学校の校名についての記述にさらに手を入れた