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落書き帳から選び抜いた珠玉の記事集

住居表示と地番とは違うものなの?

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記事数=20件/更新日:2005年8月18日/編集者:YSK

入り組んだ地名を一定区画でまとめ、住居ごとに付番していく住居表示制度ですが、実は「街区方式」のほかに「道路方式」によることもできるのだそうです。住居表示制度の概要と、地番との関連などの書き込みを集めてみました。

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[3108]2002年9月15日
YSK
[3881]2002年10月15日
TN
[6606]2002年12月17日
YSK
[6614]2002年12月18日
般若堂そんぴん
[6633]2002年12月18日
蘭丸
[6640]2002年12月18日
いな
[6644]2002年12月18日
YSK
[7175]2002年12月31日
ニジェガロージェッツ
[14042]2003年4月26日
ゆう
[15006]2003年5月11日
ゆう
[19424]2003年8月30日
TN
[28441]2004年5月20日
inakanomozart
[28469]2004年5月20日
ゆう
[28472]2004年5月21日
実那川蒼
[28480]2004年5月21日
U-4
[42142]2005年6月9日
ひげねこ
[42147]2005年6月9日
N-H
[42149]2005年6月9日
88
[42160]2005年6月9日
ひげねこ
[44145]2005年8月14日
inakanomozart

[3108] 2002年 9月 15日(日)00:37:58YSK さん
住所
[3101]
地名は、住民票の住所(以下、「住所」と言います)以外に、たくさんあるものです。

国土交通省国土地理院が発行する2万5千分の1地形図を見ると、住所以外の多くの地名が書かれていることがあります。「小字」などと呼ばれ、住所よりも範囲の小さい区域を呼ぶローカルな地名です。都市化の進んだ大都市圏周辺では、住所以外あまり表記がないかもしれませんが。

大字や町丁名(~町や~○丁目など)をさらに細かく分けた地区名を設定し、地区の活動の基礎単位としている自治体は多いと思います。
私の町でも、住所は「群馬県太田市○○町」ですが、地域のイベントや、市や地区からの広報文書の回覧などは、「行政区」とよばれる、住所よりも細かい地域単位で行われます。市が住民に文書を配布したり、さまざまな広報活動をお願いするときなど、行政と住民のパイプ役をする地区の代表である区長さんも、この「行政区」単位にいらっしゃいます。

かつさんの町でも、地域活動を行う場合、住所である「甲」「乙」よりも細かい地域単位を行政が用いていて、その地域単位が日常的な地域名として使われているのではないでしょうか。

次に、「地籍」と「住所」の関係です。
かつてはあまた存在した地名ですが、近世以降地域を組織として管理する必要が生じてくるにつれて、いくつかの小地名を統合した大きい地名が作られ、これまでの地名はこの新しい単位のしたの構成単位を示す地名になるという、「地名の整理統合」が行われるようになりました。

それが、人口の増加、地方自治制度の確立に伴い、急速に推し進められ、「地籍」や「住所」の体系が整理されてきました。

「地籍」は土地の番号、「住所」は建物の番号、と区別すると分かりやすいですね。

「地籍」は、土地の地番、所有者、地目、面積などを記述し整理するためのものです。土地の所有者や地目の区別に応じて土地は複雑に区分されています。そして、必要に応じ大字よりも小さい地域単位(「小字」など)で整理されていることもあります。市区町村役場や法務局で、それらを整理した図(公図)を見ることができます。

一方、「住所」は「建物」につけられた番号です。通常は、建物のある土地の地番と同一です。ただ、複数の地番の土地の上に1つの建物があったり、マンションやアパートのように複数の世帯が1つの建物・土地上に居住することもあるので、「住所」と「地籍」は必ずしも一致しません。

さらに、近年は「住居表示」制度も行われています。
これは、市街地などにおいて、住所を従来の地名・地番による方法から、「○○~丁目△番□号(丁目はないこともあります)」という形式に整理する制度です。

この住居表示もまた、「建物」の番号を簡単な表記に整理したものなので、「土地」の番号(地番)の変更を伴いません。したがって、住居表示が行われた地域では、住所(住居表示)と地籍上の地番(土地の地番)とは通常一致しません。
[3881] 2002年 10月 15日(火)01:06:06TN さん
慣れ
[3879]
さいたま市役所によれば、2003.4.1からは、政令指定都市移行とともに、さいたま新都心西側区域は「新都心」という地名になるそうです。ただし、「住居表示に関する法律」に基づいたものではなく、単なる名称変更・地番整理ですが。
ちょっと書いてみると、

  さいたま市中央区新都心1番地
もし、漢字表記だと
  埼玉市中央区新都心1番地

人間の慣れって恐ろしいですね・・・。なぜか平仮名のほうがしっくり来るのは私だけでしょうか。
[6606] 2002年 12月 17日(火)22:36:48【2】YSK さん
住居表示
[6604]Issieさん
>多くの自治体がそうであるように「大字○○」も「○○町」も用いず,「○○」で済
>ましていることも珍しくありませんね。
私の町の近所の邑楽郡明和町は、町制施行して間もない自治体ですが、村から町に移行する際、各地区名を「大字○○」であったものを、町になった時は「大字」を除いた○○だけにするという条例を作っていましたね。また、私の町もつい最近まで市内に数多くの大字○○があったのですが、条例によってすべて「○○町」へ整理されました。
もしかしたら、市区町村内の行政上の地区名は、国家レベルの法令があるのではなくて、各自治体が条例によって定めるものなのかもしれませんね。

>なお,いわゆる「住居表示」による新町名の場合には「○○町」というフォーマ
>ットは用いず,「○○~丁目」という“町名”を用いることになっています。
>そのために,名古屋の「栄町」は「栄」と呼ばれることになりました。
そうですね。錦糸町駅周辺の住居表示は「錦糸」。何かしっくりきませんね。

とはいえ、仙台市の場合、一番町、国分町、本町などの住居表示もありますね。また、前橋市中心部ではほとんどすべて「○○町」という住居表示です。しかし、一番町は本来は「東一番丁」ですし、「本町」は住居表示ではじめて造語された地名ですから、何ともいえませんが。

>住居表示以前の旧町名では「~丁目」というのは「町」の下位区分(つまり“字”)
>扱いなのですが,住居表示による新町名では「○○~丁目」が“単独の町”扱いとな
>るようです。
これはそのとおりですね。
また、住居表示がされた地区では必ず「丁目」がつくというわけではなく、たとえば、千葉市花見川区花見川や、同中央区東本町、同亀井町などは、「丁目」で区分されない住居表示地区です。
とはいえ、たとえば住居表示で「丁目」を用いるところでも、○番△号と住居番号を整理しているところ(千葉市花見川区幕張本郷1丁目12-2などのように)と、千葉市花見川区幕張町のように、丁目以下に地番がそのまま残っているところ(幕張町1丁目3000-1のように)があることはどういうことなのだろうとずっと疑問に思っています。
この幕張町の例の場合は、「丁目」と区切っているけど、あくまで「町」の下位区分ということなのでしょうか(つまり住居表示はしていない)?
最近の地図は、この2つの意味の「丁目」が同じように扱われて区別できないので、ややこしいですね。
[6614] 2002年 12月 18日(水)11:08:55般若堂そんぴん さん
住居表示,「丁目」の位置
[6604]Issieさんによれば
>住居表示以前の旧町名では「~丁目」というのは「町」の下位区分(つまり“字”)扱いなのですが,住居表示による新町名では「○○~丁目」が“単独の町”扱いとなるようです。
とのこと.その通りだと思います.

「○○X丁目Y番Z号」という住居表示を「○○X-Y-Z」と書く人がいます.字数やスペースの節約のためだと思うのですが,これだと,「~丁目」の付かない「○○X番Y号Z棟(または号室)」と外見上区別できません.
また,ラテン文字(ローマ字)表記する際にはほとんどの人が「X-Y-Z,○○」と書いていらっしゃるのではないでしょうか.本来ならば「○○~丁目」までがひとかたまりなのですから,「Y-Z,○○-X」で良いはずです.私はその原則を優先して「Y-Z,○○-X」という表記を続けていますが,ご配達などの問題もありません.
皆様はどのようにしていらっしゃいますか? また,どのようにお考えでしょうか?
[6633] 2002年 12月 18日(水)20:25:57【1】蘭丸 さん
町丁字、住居表示
[6604]Issie さん
>おそらくは「字」という表記が先にあったのではなく,「あざ」という言葉がはじめにあって,それに「字」>という字を当てたのではないか,と思います。

 レスしていただきありがとうございます。
 漢和辞典を引いてみると、「字」の字義に地名の区分というものはもともとないようです。最後に「〈国訓〉あざ。村の小区分。」という記載があり、やはり、「あざ」という言葉に「字」の文字を当てた、という解釈が妥当なのでしょうね。

[6606]YSK さん
>また、住居表示が実施された地区では必ず「丁目」がつくというわけではなく、....最近の地図は、この>2つの意味の「丁目」が同じように扱われて区別できないので、ややこしいですね。

 基本的に「丁目」で分割することと(現実には複数の町字名を統合した上で分割することが多い)住居表示を実施することとは別問題ということなのだと思います。ただ、一般的に住居表示を行う際に、ひとつの町の領域を平均化する方法として「丁目」による分割がともなうことが多いのでしょう。
 ですから、千代田区、新宿区、板橋区などで「○○町」のまま「丁目」で割らずに住居表示をするケースが見られたり、反対に「丁目」で割っていても「△△二丁目123-4」のように地番そのまま(住居表示未実施)の地域もあるのだと思います。住居表示済みの「丁目」と住居表示未実施の「丁目」は本質的に同じもの、すなはち「△△二丁目」そのものが町字名であると考えていいと思います。
 このように考えると、「丁目」が成立した経緯は分割ですが、できたものは下位区分などではなく「△△一丁目」と「△△二丁目」はそれぞれ完結した町字名で、たがいに同格のものと解釈したほうがいいのではないかと思われます。
 私が住んでいる北区の住居表示板も「三丁目10-5」というスタイルで「3丁目10-5」というふうにはなっていません。「丁目」を含んだ固有名詞(町字名)という意図でつくられているのでしょう。

[6610]てへへ さん
>...「住居表示をしているしていない」「丁目の有無」は一致しないということですね。

 おっしゃるとおりだと思います。

[6603]YSK さん
 「町」も「丁」も歴史的には同義で使われてきたようです。ただ、かつては「町」は町人町、「丁」は武家屋敷地という区別があったようです。また、「町」は「まち」、「丁」は「ちょう」と読み分けていたようです。
 ところが、住居表示が普及するにつれて「町」も「ちょう」と読み、「丁」が「町」に変更される傾向にあるようです。それでも、仙台市や金沢市では「□□丁」という形がまだ残っているようですね。

[6614]般若堂そんぴん さん
>皆様はどのようにしていらっしゃいますか? また,どのようにお考えですか?

 私は、「△△1-23-4」よりも「△△一丁目23-4」(「1丁目」ではないのがポイントです)とするべきだと思います。あくまで「△△一丁目」という町字名に住居番号を付す、というのが住居表示法の精神でしょうから。
 では、私が実際にそうしているかといえばそうではなく、「△△1-23-4」式に簡略化してしまうというのが現実です...。

◆在京6紙の題字下の所在地表記がどのようになっているか調べてみました。
 ・読売新聞 「東京都千代田区大手町1-7-1」
 ・朝日新聞 「東京都中央区築地5丁目3番2号」
 ・毎日新聞 「東京都千代田区一ツ橋1-1-1」
 ・産經新聞 「東京都千代田区大手町1-7-2」
 ・日本経済新聞 「東京都千代田区大手町1-9-5」
 ・東京新聞 「東京都港区港南二丁目3番13号」
 東京新聞が正式な表記、朝日新聞がそれに準ずる表記をしているほかは、すべて簡略化されています。
[6640] 2002年 12月 18日(水)21:18:04いな さん
町名を取ったんだけども・・・
町名・字名について盛り上がっていますが、私も混ぜて下さい・・・

住居表示の方法については、昭和37年5月に「住居表示に関する法律」が公布され、標準パターンが示されました。
それによると、従来は □□市○○町X番地であったものが・・・
□□市○○X丁目Y番Z号 (Y=街区符号、Z=住居番号)がよいとの例が示されました。

これにより名古屋では、その法律に沿って住居表示の変更が行なわれ、その影響で地下鉄の駅名変更が行なわれた。
「1966/06/01 地名変更に伴い、地下鉄栄町駅を栄に、伏見町駅を伏見に駅名変更」<名古屋市交通局のあゆみより

地下鉄の駅名が追従するぐらいだから、キチンとやられたと思われがちですが、実はそうでもなくって・・・

(1)地下鉄「栄町駅」は、周辺が栄に変わっていたので、それにあわせて「栄駅」に改名 <標準通りの対応
(2)地下鉄「伏見町駅」の周辺からは伏見という地名は無くなっていたにもかかわらず、旧町名から町を取った
  「伏見駅」と改名して使った。(伏見駅の周辺の地名は、中区栄および中区錦のみ)
(3)東区新栄にある地下鉄の駅名は、なぜか改名せず、いまだに「新栄町」のままになっている。
(4)その後、栄町改め「栄駅」の近くに地下乗り入れで開業した、名鉄瀬戸線の新駅名が「栄町駅」とつけられた。
  地元民はさほどの混乱もなくいっていますが、よそから来た人は迷うかも知れないですね~
  (地下鉄名城線・栄、地下鉄東山線・栄、名鉄瀬戸線・栄町、地下鉄桜通線・久屋大通公園)

なお、(2)の「中区錦三丁目」は全国レベルの歓楽街でして、ネオンの花咲くこの街を「花の錦三」と呼びます。
周辺で働く女達は、ココにお店を出すのが究極の夢なのだそうです。
(盛り場ブルースの「栄・今池・広小路」よりも、「花の錦三」の方が、夜の名古屋でのブランド価値は高いのです)
[6644] 2002年 12月 18日(水)22:07:12YSK さん
丁目について
[6633]蘭丸さん
>千代田区、新宿区、板橋区などで「○○町」のまま「丁目」で割らずに住居表示を
>するケースが見られたり、反対に「丁目」で割っていても「△△二丁目123-4」
>のように地番そのまま(住居表示未実施)の地域もあるのだと思います。住居表示済
>みの「丁目」と住居表示未実施の「丁目」は本質的に同じもの、すなはち「△△二丁
>目」そのものが町字名であると考えていいと思います。
住居表示未実施地区で、住所上「丁目」が現れる地域については、以上の理解でいいと思います。私が例示した千葉市幕張町のほか、桐生市広沢町、相生町、川内町、梅田町など、大宮駅周辺の各町などが、相当すると思われます。

しかしながら、正式な住所には現れませんが、地域の町内会レベルや、行政が地域との連絡調整のために設置する小区域レベルにおいて「丁目」単位のコミュニティが形成されていることも多いのですね。私の町では、「行政区」と呼ばれ、市役所と地域との橋渡し役をお願いしている区長さんは、住所レベルの「町」単位ではなくこの「行政区」単位にいらっしゃいます。これらの「丁目」は住所上は現れてきません。太田市の場合、旧太田町の中心地区にあった一丁目~六丁目は、他の地区とともに住居表示で「東本町」、「本町」、「西本町」に整理統合されましたが、一丁目~六丁目は、現在でも、この「行政区」名として健在です。この太田市の例の場合、「丁目」が現住居表示を細分する形にはなっていないのですが、住所上は○○△丁目となっていなくても、地域通称で○○△丁目という言い方をしているところは、存外多いのではないかと思います。

私は、このローカルな地域名称と、住所上「丁目」区分を採用する住居表示未実施地域とを、同一視していたため、[6606]で幕張町における「丁目」が、「小字」的な下位区分なのかという認識をしたものです。

とはいえ、このローカルな地域名称としての「丁目」も、たとえ住所表記上に登場してこなくても、地域コミュニティ上は重要な地域区分であるので、住居表示で「丁目」を使う場合、住居表示未実施地区で住所に「丁目」を使う場合と同義と捉えていいのかもしれませんね。

以上を整理すると、「丁目」の分類としては、

(1)住居表示実施地区で地区を細分する際に用いられる「丁目」
(2)住居表示未実施地区において、地区を細分する際に用いられる「丁目」
※以上は、住所表記に「丁目」が現れます。
(3)住所表記には登場しないが、地域コミュニティを規定する小字的な「丁目」。(1)と(2)の態様に準じ、住所を細分して設定されている場合と、住居表示等によって住所が統廃合されたため、必ずしも住所を細分する形とならない場合、とがある。

ということになりますね。

>このように考えると、「丁目」が成立した経緯は分割ですが、できたものは下位区分な
>どではなく「△△一丁目」と「△△二丁目」はそれぞれ完結した町字名で、たがいに同
>格のものと解釈したほうがいいのではないかと思われます。
以上の考察から、私もこのお考えに改めて同意します。

>私が住んでいる北区の住居表示板も「三丁目10-5」というスタイルで「3丁目10-
>5」というふうにはなっていません。「丁目」を含んだ固有名詞(町字名)という意図で
>つくられているのでしょう。
仙台市でも同じですね。私は長らく大字○○(現在は○○町)地域に居住してきたため、住居表示の感覚は、在仙当時に培いました。

>かつては「町」は町人町、「丁」は武家屋敷地という区別があったようです。また、「町」
>は「まち」、「丁」は「ちょう」と読み分けていたようです。
仙台城下町は、この区分が厳格に運用されていました。たとえば、伊達家の重臣の住む一角は「片平丁」、「堤焼」の窯元の職人が多く住んだのは、「堤町(つつみまち)」というように(現在は、この地区を中心に「片平一~二丁目」と「堤町(つつみまち)一~三丁目」の住居表示があります)。

>住居表示が普及するにつれて「町」も「ちょう」と読み、「丁」が「町」に変更される傾
>向にあるようです。
仙台の「一番町」も、もとは「東一番丁」でした。

>それでも、仙台市や金沢市では「□□丁」という形がまだ残っているようですね。
仙台駅東側には住居表示未実施地区が多く、住居表示実施地区を挟んで「東八番丁」や「東九番丁」などの町名が飛び地的に分布しています。
ちなみに、この東○番丁というのは、第一義は、街路の名前で、現在の一番町通りが「東一番丁」で、そこから東に「東二番丁」、「東三番丁」、・・・と割り出されたものです。
[7175] 2002年 12月 31日(火)01:16:32【1】ニジェガロージェッツ さん
大阪市中央区久太郎町四丁目渡辺
住居表示に関するテーマが今月中頃に話題となっていましたが、私からも遅れレスになりましたが書き込みさせて頂きます。

現在市街地では1962年5月10日施行の「住居表示に関する法律」に基づく「新住居表示法」により「町丁目名」「街区符号」「住居番号」により表示する所が多くなっています。
仮に「大泊船見町五丁目19番9号」という地名があったとします(実際には存在しません、念のため)。
このうち「大泊船見町五丁目」は町丁目名であり地名で、「19番」は街区符号、「9号」が住居番号を表すことは、既出につき改めてご説明するまでもないことと存じます。そのため「丁目」は地名の一部であって番号符号の類ではないので漢数字で表記し、また地名愛好家の立場から「丁目」を略すべきではないと思いますが、それらを略して街区符号と住居番号とつづけて「大泊船見5-19-9」書こうが、要は判ればいいことだと思います。
面白いのは「住居番号」で、それぞれの街区の角地を起点とし、そこから右回りで10メートルおきに番号をとり、10メートルおきのピッチ(フロンテージ)のどこに住居の入り口があるかによって決められていることです。ですから、上記の住所を頼りに現地に行き、「19-3」という番号を見たとすると、そこから右回りに9-3=6、つまり60メートル行けが「19-9」に行き当たるということです。

と、言うことで全国津々浦々でこの「新住居表示法」に基づいて住居表示の変更が実施されました。が、道路や線路などの「恒久的な施設」によって町域を設定し直すのに伴い、歴史的な地名の「大量粛清」が行われたのは大変残念なことです。

しかし、大阪市の都心に面白い珍例があります。
かつて、「大阪市東区渡辺町」という由緒ある町名がありました。
「坐摩(いかすり)神社」のあるところで、中世には「摂津渡辺」と呼ばれた地で(そういえば高校の社会科で見た副読本の歴史地図に「大阪」のことを「渡辺」と書いてあった)、源頼光の四天王と呼ばれた渡辺綱を始祖とする渡辺党という武士団にいきあたり、全国の渡辺姓のルーツとも言える町名でした。
ところが1989年2月13日、大阪市東区と南区を合区して新たに中央区とするのに際し、この区域にも「新住居表示」により町域を統廃合することとなり、北久太郎町、北久宝寺町や横堤に囲まれたこの狭い渡辺町は新たに設けられる「久太郎町四丁目」の一部に組み込まれ、廃止されることとなりました。
が、渡辺町廃止の計画は地域住民のみならず全国の「渡辺さん」の大反対になり、そこで大阪市は知恵を絞りに絞り、数字で表される「街区符号」の一つとして「渡辺」を残すというユニークな解答を出しました。
ここに「大阪市中央区久太郎町四丁目渡辺」という街区が誕生することとなりました。
因みに、前出の坐摩神社の住居表示は「久太郎町四丁目渡辺3号」となり、
大阪府神社庁の住所は「久太郎町四丁目渡辺6号」となっています。
[14042] 2003年 4月 26日(土)14:25:26ゆう さん
町割と住居表示
「町・字の線引き(町割)」と、「(いわゆる)番地のつけ方」の話がごっちゃになってきているようなので、少し整理します。

法律を引用します。
1.街区方式
市町村内の町又は字の名称並びに当該町又は字の区域を道路、鉄道若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川、水路等によつて区画した場合におけるその区画された地域(以下「街区」という。)につけられる符号(以下「街区符号」という。)及び当該街区内にある建物その他の工作物につけられる住居表示のための番号(以下「住居番号」という。)を用いて表示する方法をいう。
街区方式では「町又は字の名称」と「街区符号」と「住居番号」とで表し、典型的には「○○一丁目2番3号」のようになります。

2.道路方式
市町村内の道路の名称及び当該道路に接し、又は当該道路に通ずる通路を有する建物その他の工作物につけられる住居番号を用いて表示する方法をいう。
道路方式では「道路の名称」と「住居番号」とで表し、典型的には「○○通り4号」のようになります。

[14026]でも書いたように、ほとんどの地域が街区方式を採用していています。
私の知る道路方式の例は山形県東根市の神町駅東側付近のみです。




[14028]地理好きのケンさん
大阪市中央区(船場)、富山市(一部)、堺市(一部)、村上市、掛川市(旧城下町)、北海道の条丁目の市、八代市などです。
これらは「道路を中心にした町割」になっている地域の例ではないですか。
# 北海道の条丁目は違うような…。
街区方式で住居表示を実施しても従来の道路中心の町割を残せるという例でしょう。

[14029]だんなさん
「街区方式」をとったために現在すすめられている旧町名の復活がなかなか進みません。
そうですね。街区方式と道路中心の町割とは相性が良くありません。街区方式を採用したために消えていった町名は全国にありますね。地理好きのケンさんの挙げられた例もありますが、少数派です。
[15006] 2003年 5月 11日(日)08:09:33【1】ゆう さん
Re: 厚岸町の住所は一部「道路方式」では?
[14872]太白さん
北海道厚岸郡厚岸町には、「太田1の通り」~「太田9の通り」というのがあります。これは、道路方式の例ではないでしょうか。
情報ありがとうございます。早速調べてみましたところ、少なくとも「太田5の通り」は住居表示法に基づく住居表示は未実施で、地番を用いた住所表記になってる模様です。
http://www.town.akkeshi.hokkaido.jp/jouhoukan/kyouiku/kouminkan.htm の太田地区公民館の住所表記をご参照ください。

ご参考までに拙稿[14042]にてご紹介した東根市の例ですと、http://www.city.higashine.yamagata.jp/gikaisenkyo/senkyo/sozai/touhyoukuiki.html の神町保育所や営団公民館の住居表示が「道路の名称+住居番号」となっております。
[19424] 2003年 8月 30日(土)09:46:04TN さん
まとめて
[19241]オーナー グリグリさん
面積データの件、了解しました。

平成15年度版の全国市町村要覧の発行を待つか
11月に出るのだったでしょうか。私のほうはグリグリさんに合わせますので。
いずれにしましても、ご連絡お待ちしております。

[19408]スナフキんさん
例示して下さった内容とはちょっと離れてしまうのですが、思い出した事がありましたので。 私が以前から不思議だったのが、山形県東根市の神町駅の1Kmほど東に広がる区域です。まだここ以外には発見出来てないのですが、街区方式ではなく道路方式の住居表示の珍例だと思われます。
「営団」という地名から、恐らく土地の開墾がらみなのでしょうね。

999-3747 板垣大通り いたがきおおどおり
999-3749 板垣北小路 いたがききたこうじ
999-3744 板垣北通り いたがききたどおり
999-3746 板垣新田 いたがきしんでん
999-3745 板垣中通り いたがきなかどおり
999-3748 板垣西小路 いたがきにしこうじ

999-3756 若木一条通り おさなぎ1じょうどおり
999-3755 若木二条通り おさなぎ2じょうどおり
999-3754 若木三条通り おさなぎ3じょうどおり
999-3753 若木四条通り おさなぎ4じょうどおり
999-3752 若木五条通り おさなぎ5じょうどおり
999-3738 若木大通り おさなぎおおどおり
999-3757 若木小路 おさなぎこうじ
999-3751 若木通り おさなぎどおり

999-3735 神町営団一条通り じんまちえいだん1じょうどおり
999-3734 神町営団二条通り じんまちえいだん2じょうどおり
999-3733 神町営団三条通り じんまちえいだん3じょうどおり
999-3731 神町営団大通り じんまちえいだんおおどおり
999-3732 神町営団中通り じんまちえいだんなかどおり
999-3736 神町営団南通り じんまちえいだんみなみどおり


でるでるさん へ
奈良市・月ヶ瀬村・都祁村任意合併協議会の公式HPです。(8/27開設)
時間のある時にでも、更新していただけたら・・・
http://www.city.nara.nara.jp/gappei/index.htm
[28441] 2004年 5月 20日(木)07:03:53inakanomozart[inakanomozart] さん
下田市○丁目
[28398] 5 月 18 日 (火) matsu さん
一部地区では「下田市1丁目1-2」というふうに、市名の後に直接何丁目と入ります。これが下田市内で1丁目から6丁目まであります。
下田市の中心部が住居表示されたのは、市制施行以前のことで、その当時は当然下田市ではなく下田町だったわけです。
そのため、住居表示の際は、「下田町一丁目1番2号」のごとく町名をつけなくとも、みかけの不自然さがないため、あえて町名をつけなかったようです。(正確には、町名がないのではなく、「○丁目」というのは番地(又は番・号)の一部ではなく、町名の一部であり、この場合は「一丁目」という町名です。)
その後市制が施行され、住居表示地区が他地域にも広がり、やや整合性を欠く状態となり、現在に至ったようです。

それでは「下田市下田一丁目のようにしたらいいのでは」というむきもあるかもしれませんが、長年そのままとなっていることから、地元では現状でそれほど不便を感じていないのでしょう。また、行政側でも町名改正には地元対策などに多大な精力を使うため積極的には動かないのではと思われます。

以上は、かなり前(10年以上前)に新聞に話題として掲載された記憶に基づいているので、多少記憶違いがあるかも知れません。

他にも幾つかは、市名の後に直接何丁目と表記しているところがあるそうですが、ご存知の方がおられましたら教えていただけると嬉しいです。
ちょっと違いますが、静岡市には「城北」「城北二丁目」、「岳美(たけみ)」「岳美一丁目」という町名があります。いずれもれっきとした住居表示による町名で、旧町名の一部が住居表示未実施地区として残されたものではありません。
多分、地元対策がうまくいかなかったものと思われます。(自分のところは、○丁目ではいやだというような地元からの要望)
今後「城北一丁目」「岳美二丁目」という町名ができることは半永久的にないでしょう。
[28469] 2004年 5月 20日(木)23:35:26【1】ゆう さん
地番と地番区域
地番の根拠となるのは、不動産登記法 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M32/M32HO024.html です。地番の単位について、第79条1項に次のように書かれています。
登記所ハ政令ノ定ムルトコロニ依リ地番区域ヲ定メ土地一筆毎ニ地番ヲ附スルコトヲ要ス

地番の単位は「地番区域」ということです。これについては、不動産登記法施行令 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35SE228.html 第1条に次のように書かれています。
地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもつて定める。


という訳で、
[28456]N-H さん
冗長にも「丁目」がある。(略)どうしてこのようなことになったのでしょうね。
かつて「○○町」がひとつの「地番区域」だった。後に“丁目”分けされ、各々別の「地番区域」に分割されたが、その際に地番を敢えて振り直すことをしなかったため、地番の重複が無い。…といった理由が思いつきます。
# なぜ地番区域を分割したのかは不明ですが、“丁目”をつけて、住所を特定しやすくする意図があったのかもしれません。

または、通常住所を書くときは“丁目”をつけるが、登記上の「地番区域」は「○○町」全体で編成されている、ということもあるかもしれません。

地番は、「大字」毎に一意なことが多いようですが、地域によっては「大字」よりも小さい単位(いわゆる「小字」、単に「字」とする場合も多い)毎でないと一意にならないそうです。
http://www.biwa.ne.jp/~toda-m/hometown/p7essay.html によれば、
番地の振り方には小字不要の流儀(大字単位で番地を通し番号にしている)を採用する場合と、小字必須の流儀(小字毎に番地を独立に付与している)を採用する場合とがあり、その分布は全国的に見てもグシャグシャに入り交じっているらしい。

要は、当初の地番区域が市町村合併の末に現在「大字」と呼ばれているか「小字」と呼ばれているかの違いのような気がします。


ところで、不動産登記法の施行は1899年ですが、地番そのものはもう少し前からあったのかもしれません。
[6604]Issieさんによれば、
制度上で意味を持つのは,1873(明治6)年に始まる地租改正事業で,個々の土地所有者=地租負担者を台帳に登録する際の“コード”として採用されたことにあります(この際の“登録番号”が「地番」(○○番地)です。


[28458]両毛人さん
地番は江戸期の藩政村の単位(「大字」と呼ばれることが一般的)にナンバリングされました
住居表示未実施地域では多くの地番区域が明治時代から変化してないことが推測できますが、地番区域が変更されたところもあります。

街区方式の住居表示にあわせて“町丁名”を変えたところは、それが新しい地番区域になることが多いようです。住居表示すれば地番が表に出ることは少なくなりますが、登記簿には生き続けます。そしてほとんどの場合地番は変更されないようです。

住所表示を実施しない場合でも、新たに“丁目”をつけて地番区域を分割することがあります。私の知る例で、八尾市の一部や鳥取市の一部では、地番区域の変更と併せて地番の整理(振り直し)がされています。他にも該当例はあると思います。

「○○町」を「○○1~3丁目」に分割して、1,3丁目は住居表示が実施され、2丁目は未実施ということもあります。この場合2丁目の地番はそのままだったり、整理されたり、いろいろです。


# 道路方式の住居表示実施区域においては、郵便物等の宛名は「道路名+住居番号」ですが、不動産登記には「地番区域+地番」で登録されているはずです。そう考えると道路方式の住居表示は登記の手続きでの戸惑いが大きいのかもしれません。
[28472] 2004年 5月 21日(金)00:04:09【1】実那川蒼[あんどれ] さん
番号表記
[28464](ゆうさん)
もっと極端な例では、住所に「4-1-10」と書かれていても「四丁目1番10号」とは限りません。実は「4番地1 何某アパート10号室」だったりします。この事実を知ったとき、「やられたっ」と思いました。

# こんな場合は「4-1-10」なんて書かないと思うでしょうが、そう書かれる場合があります。電話帳の住所欄では「丁目」「番」「号」「番地」“集合住宅の名前”等は徹底的に省略されるのです。他には、“棟番号”というのもなかなか曲者です。
住所表記を簡略な形で統一したいせいか、電話帳以外にもそのように書くことを奨励しているところもあります。大学だと、早稲田大学がそういう方針です。

私は現在マンションに住んでいますが、「○○市××町123番地の45 △△マンション壱番館101号室」(住所は仮のもの)のような表記になるべきところを、「○○市××町123-45 △△マンション1-101」のように略記するのが通常になっています。本当は番地表記だけでもマンションが壱番館か、弐番館以降かは特定できるので(番地が別だから)「1-」は書かなくてもよいのですが、ちゃんと書いています。こうなるのも、「壱番館」が棟番号なのか、それともマンション名の一部なのか微妙なのだからですね。

ところが、さらに略記する場合は、「○○市××町123-45-101」で、「1-」を抜いています。「○○市××町123-45-1-101」と書くのは、数字が4つ以上ハイフンでつなげられているのが奇妙な気がしますので…。丁目が入ったら4つつなぎも気にならないのかもしれませんが、うちは丁目がなくて、代わりに番地の枝番が入っているのもそうさせている理由かもしれません。

別の例では、私の住んでいた埼玉県所沢市では住民票にアパート・マンション(確か3階以上)の名前まで記入されるのですが、その表記方法が面白いのです。例えば、「○○市××町1番2号 △△マンション101号室」(やはり住所は仮のもの)となるべきところを「○○市××町1番2号の101 △△マンション」のような表記になるのです。号室表記も住居番号の一部に取り入れているのですね。

ほかには、私がお歳暮の配達をしていたところ(住居表示施行地域)で、路地の奥にある家同士のために住居番号が同じで、なおかつ同姓のために誤配が頻発していると思われる2軒の家がありました。多分両家で話し合ったのでしょう、それぞれの住居番号の後ろにA、Bをつけて区別していたところがありました。これはおそらく住民票に載らない「私住所」とも言うべきものでしょうね。

【訂正履歴】
住所の表記を一部変更。
[28480] 2004年 5月 21日(金)12:53:24U-4 さん
残された丁目
既にありがたきさんが[14966]で住居表示が入り乱れている地区として紹介されていますが、丁目や番地の話題が出たので。

名古屋市内の中心部に、東西方向に広小路通りと錦通りの2本の通りが100mほどの間隔で通っています。その2本の通りに挟まれた部分のうち、西は久屋大通り、東はJR中央本線千種駅付近まで約2kmの細長い区域は東区と中区が複雑に入り組んでいます。特に久屋大通りと東新町交差点の間(約400m×100m)は次の取り残された丁目があります。

東区久屋町8丁目 オフィスビルの一部と駐車場と教会1軒
東区武平町5丁目 オフィスビル2棟の一部
東区西新町1丁目 中部電力ビル西館と県税事務所ビルの一部
http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=35.9.59.405&el=136.54.53.198&la=1&fi=1&skey=%cc%be%b8%c5%b2%b0%bb%d4%c5%ec%b6%e8%c9%f0%ca%bf%c4%ae&sc=2
それぞれ、極めて狭い区域であり、また他の丁目(久屋町であれば1~7丁目)がありません。おそらく、区画整理の際に地元調整がうまくいかずこのようになったと思われるのですが、現在では
Issie さんが[6604]
いわゆる「住居表示」による新町名の場合には「○○町」というフォーマットは用いず,「○○~丁目」という“町名”を用いることになっています。
といわれているような、新町名と同格で「丁目」まで含めて「町名」としているようです。

また、この区画のなかには
中区新栄町1丁目 オフィスビル2棟の一部
中区新栄町2丁目 NTTビル、県税事務所の一部と小型の雑居ビル6棟
中区新栄町3丁目 ホテル1軒、小型の雑居ビル数棟
と、やはり同じように極めて狭い地区のなかで丁目の区分が存在している箇所もあります。
これは隣接している中区新栄1~3丁目(広小路通りを挟んで南側の「栄4丁目」の更に東側、「町」がついていません)が区画整理後にできた町名であるのとは異なり、「町」の下位区分「丁目」であったもののようですが、現在は上記「久屋町8丁目」などと同様に「町名」扱いとなっているものと思われます。

この地区は新旧の地名や住居表示が混在し、区画整理の経緯も含めて、ひどく興味をそそられるところではありますが、なかなか図書館で調べるというところまでいかず、今のところ小生では皆様にご紹介できるというところまでです。

小生が当地区に赴任直後、「名古屋市東区武平町5丁目1番地 社団法人○○会」に所用があり、地図を見ればすぐわかるだろうと高をくくり、事前に場所をよくしらべず東区の地図のコピー1枚だけもって行ったのですが、たいへん苦労しました。
[42142] 2005年 6月 9日(木)17:05:27ひげねこ さん
住居表示・町名・丁目・地番について
都市地図を編集していた経験だけからの話で、法規上の問題は不明確なのですが、住居表示によらない町名設定もあります。町名地番整理です。
横浜市は住居表示を行うと同時に、区画整理をした場所などは新たに町名と地番を設定したときに、上乗せして住居表示を行うことはせず、そのままにしていました。
この時、一丁目、二丁目…とある場合、地番はそれぞれ1番地から振ってありました。
青葉区と都筑区にまたがる荏田地区の町名は、一見すべて同じに見余すが、たしか青葉区の荏田北、荏田西が住居表示、都筑区の荏田南が町名地番整理だったと思います。
あらたに町名を設定したり、町名地番整理が行われた場合は、住居表示ではなくても○○一丁目、○○二丁目…は独立した町ととらえていました。

たとえば、三鷹市は一見全域で住居表示をしているように見えますが、すべて町名地番整理です。かつての大字を一丁目、二丁目…で区切ったとき、地番もすべて丁目ごとに1番地から振り直しています。住居表示の街区と同じように、街路や水路、線路などで囲まれたブロックに対し、1番地から順に番地を振って、各所有者の土地の区別は枝番で処理しています。市役所の三鷹市野崎1-1-1は住居表示の一丁目1番1号ではなく、本当は地番による一丁目1番地の1なのです。したがって、住居表示のように10mごとに枝番の番号が増え、出入り口の向きによって番号が異なり、大きな建物があると欠番が出るといったことはなく、1,2,3と順番に増えていきます。ただし、その後分筆があるとラストに続く番号が途中に入り、1、2、25、3、4というふうになるようです。
三鷹市の都市計画課を尋ねたときに、職員が、「××○丁目△番□号の地番は何番ですか?」との問合せに「そのままの△番地□号です」と答えると、「地番を聞いてるんですよ、何番地ですか?」「だから△番地□号ですよ」と押し問答になるといってました。

区画整理を伴わない町名地番整理も、けっこう行われてます。富士宮市の道源寺などはこの例で、やはりブロックごとに1番地から付番し、各土地は枝番処理をしてました。

番地の付け方もいろいろあります。福井市のように、街路や水路、線路などで囲まれたブロック(住居表示の1番、2番という街区)ごとに101番地~、201番地~と地番を振って、枝番を生じさせない付け方をする行政もありました。

また、住居表示を実施しても全域に街区番号を振るわけではなく、同じ丁目の半分だけ街区表示をし、残りは街区未設定とか、○丁目は丸ごと街区未設定ということがあります。未設定の部分では、住所が××○丁目+地番の形になり、大字町名+字○丁目+地番の形と一見区別が付きません。

島田市の中心部、旧島田町部分は本来大字なしで、地番が5桁(万の単位)まである場所でした(5桁地番は他には駒ヶ根市赤穂しか知りません、ほかにあるのでしょうか)。ただし通称町名があり、一般的にそれが使用されてました。駅前を区画整理したとき、たしか住居表示をして本通1~3丁目などが設定されましたが、通称町名の境ときちんと整合性が取られていた記憶があります。その後、通称町名を正式な町名に設定する方針が打ち出され、本通1~7丁目は正式な町名になったようです。この部分は地番を使用しています。
この場合、本通1丁目~3丁目には街区番号と地番が同居しています。確認はしていないのですが、地番部分が住居表示による街区未設定の町名設定なら、1丁目から7丁目まで7つの別な町になります。もし町の区域の設定で、丁目が字の扱いなら、本通(自一丁目~至七丁目)と本通1丁目、本通2丁目、本通3丁目という4つの町になるわけですが、不自然ですよね。旧来の字扱いの丁目ではなく、町名設定で○丁目まで含めた町名を設定できたと思うのですが、法律上の問題については詳しくないので、どなたか解釈をお願いします。
[42147] 2005年 6月 9日(木)18:39:14N-H さん
5桁番地
[42142] ひげねこ さん
この時、一丁目、二丁目…とある場合、地番はそれぞれ1番地から振ってありました。
すると、横浜市であっても一丁目、二丁目の地番が連番である区域はどうなるのでしょう?
住居表示もされず、地番の整理もされなかったということでしょうか。
例:横浜市保土ヶ谷区天王町一丁目、同二丁目は一丁目が1番から33番まで、34番がどうやら欠番?で二丁目は35番からとなっています。

(5桁地番は他には駒ヶ根市赤穂しか知りません、ほかにあるのでしょうか)
これについては、過去にこの掲示板でも話題になりました。
[24366] hmt さん
[24367] くは さん
[24396] EMM さん
あたりを参照のこと。ただしまだ網羅的に調べた結果は出ていないようですが。
[42149] 2005年 6月 9日(木)19:26:3988 さん
地番整理
[42142] ひげねこ さん
住居表示によらない町名設定もあります。町名地番整理です。

私は、恥ずかしながら、「地番整理」なる言葉を、初めて聞きました。少し動揺しています・・。今回、過去レスを検索すると、次のものにぶち当たりました。

[3881] TN さん
さいたま市役所によれば、2003.4.1からは、政令指定都市移行とともに、さいたま新都心西側区域は「新都心」という地名になるそうです。ただし、「住居表示に関する法律」に基づいたものではなく、単なる名称変更・地番整理ですが。

[14784] ありがたき さん
住居表示法公布を受けた昭和30年代後半で盛んに行われた町名地番整理の際に住民の強い要望その他で「町」がとれないまま「丁目」がついた

ネット検索していく中で、例えば、川越市の町名地番整理事業についてのHPを見てみました。
私によくわからないのは、「土地区画整理法や土地改良法によらない『地番整理』」が、単なる不動産登記で言うところの分筆・合筆でないのだとすると、やはり「換地処分」のようなことがあるのでしょうか? 「地番整理」の根拠法令をご教授いただければありがたいのですが。

釈迦に説法ですが、「住居表示」は、
○○市△△町一丁目×番□号 (通常使われる「住所」)

○○市××町一丁目△△番□ (不動産の登記簿)
は並存します。

土地区画整理法や土地改良法による換地処分がなされると、
元の地番
○○市××町一丁目△△番□

○○市××町一丁目☆☆番※
になり、
さらに住居表示がある地域では
○○市△△町一丁目×番□号
も並存します。

#私が[41581]
(1) ○○市△△町字××1001番地1
(2) ○○市△△町一丁目1001番地1
と書いたのは誤りです。土地の表示では「番地」は使用しません。
不動産登記法(不動産登記簿)は
(1) ○○市△△町字××1001番1
(2) ○○市△△町一丁目1001番1
です。
[42160] 2005年 6月 9日(木)22:04:25ひげねこ さん
地番整理
[42149] 88 さん
単なる不動産登記で言うところの分筆・合筆でないのだとすると、やはり「換地処分」のようなことがあるのでしょうか?

現在ある土地はそのままに地番を変更するだけなので、「換地処分」のようなことはありません。
例として適当かどうか分かりませんが、集合住宅で
1階が端から5、32、17、16…、2階が64、101、33、8…と順不同だった部屋番号を、
1階は端から101,102,103,104…、2階は201、202、203,204…と付け直しただけ、
というイメージです。土地の位置や大きさはまったく変わりません。
法律関係には疎いので、根拠法令がなにかは分かりかねますが、地籍調査と裏表というか、地籍調査が終了して、現状と合わない(接合できない)公図を廃止し、現況の地図とぴったり合った地籍図が作れたところから、それを基に地番整理をしているのではないかなあと思います。

区画整理に伴う地番設定は、換地された土地に対し、新たに番号を付すものです。

住居表示は
・建物=××○丁目△番□号
・土地=××○丁目◎◎◎◎番(登記上この番号が生きます)

町名地番整理は
・建物=(旧)××町◎◎◎◎番地 →(新)××○丁目△番地□
・土地=(旧)××町◎◎◎◎番  →(新)××○丁目△番 □(登記上住所と同じ番号になります)

区画整理+住居表示は
・建物=××○丁目△番☆号 (住居表示はこの番号で☆号が登記簿と異なる場合があります)
・土地=××○丁目△番□号 (登記上はこの番号で□号が住居表示と異なる場合があります) 

ちなみに
建物=地上にある建物に対する番号=自分の住所やあて先
土地=地面に対する番号=登記簿上の所在地
ということになります

なお、本籍地は住居表示の場合、××○丁目△番でも、××○丁目◎◎◎◎番地でもいいそうです。上に示したケースでは、それ以外は××○丁目△番になります。(号は入りません)


[42147] N-H さん
すると、横浜市であっても一丁目、二丁目の地番が連番である区域はどうなるのでしょう?
住居表示もされず、地番の整理もされなかったということでしょうか。

横浜市で住居表示や区画整理による地番設定、町名地番整理をされた地域は、昭和の後半から急激に開発の進んだ新開地がほとんどです。古い市街地が残る西区、中区、南区、保土ヶ谷区などは、ほとんどが昔からの町名のままだと思います。西区の住居表示は横浜駅周辺の区画整理地区ですし、中区もドック跡を再開発したみなとみらいや近年米軍から返還された本牧地区くらいです。
例にあげられた保土ヶ谷区天王町一丁目、同二丁目は、地番が連続しているところから見て、天王町が大字町名で、一丁目・二丁目は字だと思います。
中区と西区に赤門町がありますが、中区が赤門町一丁目、西区が赤門町二丁目で、両町は連続しています。つまり、一丁目と二丁目があったところを後から区の境ができたのでしょう。現在は区が異なるので別な町ですが、本来は同じ町で、一丁目と二丁目は字だったと考えられます。


5桁番地
[42147] N-H さん
[42155] inakanomozart さん
自分が地図屋時代に担当しなかった地域に、ずいぶんあるんですね。勉強になりました。
[44145] 2005年 8月 14日(日)18:29:44inakanomozart さん
街区方式の住居表示
[44137] 2005年 8月 14日(日) 11:34:08  matsuさん
外国での住居表記で、道路方式ではなく街区方式をとっている国はありますか?
外国での住所の表記方については、まったく知識を持ち合わせていないのですが、今尾恵介氏の「住所と地名の大研究」という著書によれば、ドイツのマンハイム市の旧市街で日本の住居表示に似た制度をとっているということです。
同じマンハイム市内でも周辺部はドイツの他地域と同じ街路方式で、この方式はこの地域に限定されているということです。
また、ドイツでは街路方式による住居表示が一般的だということですが、日本の住居表示制度のように「住居表示番号」と「土地の地番」が別個に管理されているそうです。
マンハイム市の例を参考に日本の住居表示制度が定められたのでしょうか?
なお、国単位で街区方式をとっている国は欧米ではないのかもしれませんが、韓国では日本の地番方式による住所表記とほぼ同じだということです。

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