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山口県の地域構造 −分散的な地域構造を考える−

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記事数=16件/更新日:2004年2月9日/編集者:YSK

岩国地域、周南地域、山口・防府地域、宇部・小野田地域、下関地域と、分散的に都市が分布する山口県ですが、中核的な都市基盤を持つ県域中心都市が存在し、地域を牽引している例の多いわが国にあって、稀有な地域構造を形づくっています。この「分散的な地域構造」について、地域成長策等はいかに考えるべきなのでしょうか。

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[2276] 2002年 7月 21日(日)15:15:19深海魚[雑魚] さん
小郡
行政上は、山口市の他に宇部市や美東町と隣接していますが、新幹線を除く鉄道駅に
関して見ると、完全に山口市に包囲されていますね。地名の知名度は通常、市の方が
郡部より上位ですが、小郡に関しては逆でしょう。県都山口市のみならず、宇部及び
小野田への玄関口となり得る「ひかり」停車駅で、鉄道の要衝性としては県内ピカ一。
町内の地名としては「上郡」「下郡」なんてのが有りますね。

現在、支線に分け入った先という立地にある山口市としては、小郡町を組み込む事で
小郡駅を「岐阜羽島」的に改称したいのでは、との見方もあるそうです。

岩国などの東部は広島志向、下関などの西部は北九州志向で、県都の位置及び規模上、
県央部に求心力のある市が無いのが山口県の課題である、という趣旨の発言を、或る
県幹部がTV報道の中で語っていました。

表現方法を巡る若干の確執が依然として見られる事から、千葉市民さんの様に懸念を
表明される方も出ていますが、私の様にアクの強い人間を含めた不特定多数の方々が
出入りする場にあっては、公序良俗に抵触したり、著しい誤解を招来する恐れのある
場合を除いては、大袈裟に言えば「表現の自由」が尊重されて然るべきかと思います。
[3323] 2002年 9月 25日(水)00:23:27YSK さん
三重県、山口県
まずは三重県について。

大きな視点で見れば、
三重県=東海地方
であり、名古屋圏と見るのが一般的ですね。
ただ、大阪の影響が濃厚な名張市のような場所もあるし、南の東紀州地域のような独立性の強い地域もある。また、県の北~中央部は、県庁所在都市である津市が県内において抜きん出た存在でなく、似たような規模の都市が並んでいる。

次に、山口県ですが、ここはもっと複雑ですね。

以前気象台の担当区域についての書き込みがあったと思いますが、確か福岡管区気象台の受け持ちは「九州+山口県」だったと思います。
まあ、自然地理を第一とする気象地域区分と人文地理的な地域区分を一緒くたにすることは乱暴かもしれませんが、山口県と北九州との結びつきの強さの一端を示すものといえると思います。
「九州+山口県」を「十州」と呼ぶ言い方もあるとか無いとか。
一方では、広島の影響も受けている。
さらに、やはり同じような規模の都市が並んでいるのは、山口県も同じ。

こう考えてみると、両県とも大都市圏の影響は受けているとはいえ、もともと突出した都市がなく、分散的な都市の分布を持つ地域だったのではないかと思えてきます。
[3295]の私の書き込みに明治期・大正期の都市人口上位30を載せましたが、そこにある三重県、山口県の都市は下関だけです。

つまり、都市の分布の構図は、明治期(遡れば、江戸時代の城下町形成のときということでしょうか)に既にある程度固まっていたということなのでしょう。
三重県や山口県も、大都市圏にはさまれていたから突出した都市の成長が制約されるというよりは(もちろん、大都市圏の影響は多分にあるとは思いますが)、そもそも大きな都市がなくどんぐりの背比べの都市が並ぶ地域であって、その後に大都市圏の影響が及んでいったとみなす方がより正確なところなのではないかと思います。

以上を念頭において話をすれば、「何も1つの地域の中で、1つの求心性のある都市があって周囲をまとめていく」という形だけが、地域の形じゃない、ってことだと思うのです。分散的な都市分布の地域であっても、それらがスクラムを組んで機能を分担し、うまく地域を運営していく形だって、認められてもいいということではないでしょうか。

ただし、中央集権的で横のつながりの弱いわが国にあっては、後者の地域のあり方はまだまだ具体性を持つものではないでしょう。
でも、地域の活性化を図るにあたっては、この「分散型」地域タイプを育てていくことは必要不可欠なことだと思うのです。
そういった意味では、山口や三重は、重要な示唆を与える地域であるといえます。

伊賀地域でも、上野、名張、それぞれの個性を生かしながら、特色ある地域を作ってもらいたい。そう切に願います。

長々とすみません。何を隠そう、私の地元両毛も、「分散型地域」ですので。
[15617] 2003年 5月 21日(水)01:28:40YSK[両毛人] さん
分散型地域への期待
[15544]uttさん
高知県や鹿児島県の、強力に集中している人口分布では、第二、第三の都市が育たなくて、逆に分散型人口分布の県では、ライバル同士で地味な戦いが繰り広げられているため、県全体として見れば首位都市が県に与える影響が少ない、とも言えますね。
レスありがとうございます。こういった都道府県に着目した、都市の発達のしかたについては、私も大変に関心があり、今回ちょっとデータをいじくってみました。これまでも、我が両毛地域をはじめ、三重県や山口県が、際立った都市を持たず、分散的な都市分布を持っているといった話題がありましたが、今回の分析はその地域構造の一端がよく現れた結果となりましたね。

県のイメージはやはり首位都市のイメージに重なることが多いですから・・(中略)・・ 分散型都市構造は不利なのかな??
やはり、首位都市に元気があるところほど、強いインパクトでもって地域イメージをもたれることは多いのでしょうね。また、中央集権的なわが国にとって、首位都市が卓越した規模を持つ構造の地域ほど、縦割り的な機構構成にマッチするわけでして、まあ、その特質が、今日多くの県庁所在都市を県下第一の都市へと成長たらしめたともいえるのですが・・・。

しかし、やはり私は分散的な地域構造もまた、1つの形で、それも強烈なインパクトをもって迎えられる時代を期待したいですね。1つのカラーで地域を纏め上げるのもいいけれども、たくさんの個性がそれぞれに輝きながらも、ゆるやかにスクラムを組む地域もまた、おもしろいと思うんですが・・・。
[15660] 2003年 5月 21日(水)20:37:19NS さん
Re: 分散型地域への期待
[15544]uttさん
分散型都市構造は不利なのかな??
[15617]両毛人さん
我が両毛地域をはじめ、三重県や山口県が、際立った都市を持たず、分散的な都市分布を持っているといった話題がありましたが(中略)
中央集権的なわが国にとって、首位都市が卓越した規模を持つ構造の地域ほど、縦割り的な機構構成にマッチするわけでして、まあ、その特質が、今日多くの県庁所在都市を県下第一の都市へと成長たらしめたともいえるのですが・・・。
組織論的には正にその通りですし、また行政上も経済活動上も分散型都市構造を持つ地域は往々にして周辺の集中型構造地域の影響を受けやすく、結果として地域特有の一体感がなかなか保たれにくいという面があります(地域の一体感の醸成を一定程度以上に高めることが必要という行政的な観点からは「デメリット」となるんでしょうし、埼玉県における「さいたま新都心構想」&「さいたま市誕生」を「県是」として強力に推進した動きなどもこのような観点と無縁ではないでしょう)。
実際、山口県にしても、県都の山口市周辺を除くと
・旧長州国南部(下関・宇部など)→福岡圏の影響大
・旧長州国北部(萩・長門など)→福岡圏の影響やや強し(?)
・旧周防国中西部(周南など)→広島圏の影響やや強し(?)
・旧周防国東部(岩国・柳井など)→広島圏の影響大
三重県も
・北勢地区(桑名~亀山)→名古屋圏の影響大
・中勢地区(津・久居など)→名古屋圏の影響やや強し(?)
・伊賀地区(上野・名張など)→近畿圏の影響大
・東紀州地区(尾鷲・熊野など)→近畿圏の影響大
・その他→名古屋圏と近畿圏の影響が拮抗?
という関係にあり、これが各県において一体感の醸成を図る上では障害になっているのでは?と感じます。

しかし、やはり私は分散的な地域構造もまた、1つの形で、それも強烈なインパクトをもって迎えられる時代を期待したいですね。1つのカラーで地域を纏め上げるのもいいけれども、たくさんの個性がそれぞれに輝きながらも、ゆるやかにスクラムを組む地域もまた、おもしろいと思うんですが・・・。
面白いとは思いますが、やはり
・各地域が中世以前から栄えてきた
・各地域が現在も一定水準以上の豊かさを保持している
・隣接地域とは地理的な隔絶性(海洋、大河、山地など)がある
を満たさないと、分散的な地域構造を保持しつつも一定水準以上の連帯感が醸成されるような地域の形成は難しいでしょうし、それが可能な地域は非常に限られますね。
(北関東3県はそれらの条件が比較的整っていると見なせる数少ない地域と思いますが・・・)
また、小規模な各自治体に対しても高度な権限・財源の委譲が認められるような時代にならないと難しいでしょうが、国が財源を手放そうとしない現状では何時の事になるやら・・・
[15863] 2003年 5月 25日(日)02:31:29【1】YSK[両毛人] さん
続・分散型地域への期待
4日前のログなのに、記事番号がだいぶ進んでしまっていましたね・・・。

[15660]NSさん
貴重なご意見をありがとうございます。三重県や山口県につきましては、私も概ねお話のような理解を持っています。

そして、私が意図していなかった実質的な「結節地域」形成の可能性にまで言及をいただき、全くそのとおりだと考えています。現在の縦割り行政、国が財源を地方になかなか委譲しない現実と、それらに付随した結節地域構造はあまりに強烈で、わが国における「地域イメージ」に多大なる影響を及ぼしていますね。

ただし、私は何も現在の経済システムによって形成された結節構造を打破すべく、分散型地域を見つめなおし、経済的にも独立した実質地域としての分散型地域形成を望みたい、という気持ちはあまりないんですよね。もちろん、そうあるべきだと思ってはいますが、現実を考えるとそこまでを望むことは難しいでしょう。

私が期待したいのは、地域理解というか、地域イメージの世界において、1つの都市が1つの結節地域をまとめていて、その都市のイメージ=その地域のイメージ、と考える傾向が顕著と考えられるわが国において、複数の都市が突出することなく鼎立して成立する、等質的な地域、という地域もまた存在するという視点ももっと一般的になればいいな、ということですね。

その地域がたとえ経済的にはより大きな都市の影響を受けていても構いません。それもまた1つの形です。

三重県にしても、分散的な都市圏が「三重県」という範域において、名古屋や近畿の影響を排除した強烈な分散型結節地域を目指すべきだというのではなく、名古屋圏の影響が大きい北勢地域、名古屋圏の影響を緩やかに受けながらも、三重県の県央地域として一定の中枢機能集積を持つ中勢地域、近畿圏の伸張傾向が見られる伊賀地域、近畿圏の影響を緩やかに受けながらも相対的に独立した地域を形成している感のある東紀州地域と、それぞれ個性溢れる地域が並んでいる、という形のままであればいいと感じます。それが三重県の持つゆたかな地域性だと思います。

この地域性が、突出した都市のイメージ=地域のイメージ式理解ですと、相対的に卓越性が小さい県庁所在都市・津市が県域をまとめていない、とされて地域イメージが薄められてしまい、三重県の持つ本来の豊かな地域イメージが相殺されてしまうわけです。それではちょっと物足りないですよね。

ここで、「分散型地域」という地域イメージの物差しがあれば、三重県のもつ多様な地域性についてより適切に理解することができますよね。私が期待したいのは、まさにこういった点なんですね。

私たちは、日々多くの情報に接し、それらを理解するためにさまざまな見方がることを念頭におきながら理解を深めていくわけですが、地域理解の分野においても、一定の視点のみに縛られることなく、より柔軟な発想から地域を見つめなければならない、私はそう思っております。
[16407] 2003年 6月 7日(土)12:32:03YSK[両毛人] さん
中心都市、中核都市、そして中枢都市 (前)
[16405]軒下提灯さん
日頃より、宮城県仙南地方のコアな情報を発信いただき、ありがとうございます。
毎回興味深く拝見しております。

中心と中核の違いって何なんでしょうか。
先般話題にいたしました、分散的な都市の分布構造を示す山口県の構想を引用します。

(以下、引用)
 山口県は、中小の都市が散在する分散型都市分布構造であり、中核となる都市を持たないことから、近年、急速に成長しつつある情報サービス、教育、文化、レジャー、デザイン等の都市型産業の立地が十分でなく、これが、若者を中心とした人口減少や地域活力の低下につながっているといわれています。
(中略)
 こうしたことから、「やまぐち未来デザイン21」においては、(中略)新たに岩国地域を広島中枢都市圏との広域的なネットワークの中で東部広域活力創造圏の発展をけん引する中核都市として位置付け、県内5地域(「岩国地域」、「周南地域」、「山口・防府地域」、「宇部・小野田地域」、「下関地域」)において、高次都市機能や都市型産業が集積し、人口の県内定住や交流の促進、地域経済の活性化、地方分権の推進等の核となり、県全体(一部略)の発展をけん引する中核都市の形成を図ることとしています。

 そして、各地域間の機能分担を図るとともに各地域が連携して県全体の発展を担い、来るべき都市間競争に打ち勝って、21世紀に自活できるたくましい山口県を創造していくこととしています。
(引用終わり)

参照ホームページ:
http://www.saikyo.or.jp/kento-gappei/corecity/city01.html
(山口県県央中核都市建設協議会HP)

この構想を手がかりに、中心都市と中核都市の違いを、行政側がどう使い分けているのかを検討してみることといたします。
(後編へ続きます)
[16411] 2003年 6月 7日(土)14:01:35NS さん
分散型都市分布構造はデメリット?
[16407]両毛人さん
山口県は、中小の都市が散在する分散型都市分布構造であり、中核となる都市を持たないことから、近年、急速に成長しつつある情報サービス、教育、文化、レジャー、デザイン等の都市型産業の立地が十分でなく、これが、若者を中心とした人口減少や地域活力の低下につながっているといわれています。
(中略)来るべき都市間競争に打ち勝って、21世紀に自活できるたくましい山口県を創造していくこととしています。
参照ホームページ:
http://www.saikyo.or.jp/kento-gappei/corecity/city01.html
(山口県県央中核都市建設協議会HP)

 分散型都市分布構造地域に関する自らの考察はかつて拙稿[15660]で示しましたが、行政サイドでもほぼ同様の認識の下でデメリットとして分析しているところがあるというのが興味深いですね。
 で、現在成長中と見なされている上記の諸産業がおしなべて大規模人口集積地域で高度に発展し、それ以外の地域では悉く発展の度合いが低いという現実からして、両毛人さんが[15863]で述べられた
複数の都市が突出することなく鼎立して成立する、等質的な地域、という地域もまた存在するという視点ももっと一般的になればいい
という形で理解され得る地域は、行政・産業界サイドからは「上記の『都市間競争』を勝ち抜くには適さず将来的に衰退の危険性が高い地域であって、発展のためにはなるべく無くなる事が望ましい」と潜在的に思われているのではないか?という感が否めません(あえて極論風にまとめましたが)。
 そのような方向性が行政・産業界に生き続ける限り、分散型都市分布構造地域において大規模な人口集積地域を作ろうとする動きは決して止まらないでしょうし(都市間競争に「勝つ」というよりは競争から地域を「守る」という消極的な意味合いの方が強いかも知れません)、両毛人さんが言うところの「ゆたかな地域性」を維持し続けるためには、分散型都市分布構造地域に適した産業が如何に成長産業として定着していくか、そして過度の「都市間競争」に対しては無益なものとして如何に歯止めをかけられるか、等の点にかかってくると考えられるでしょう。ただ、「規制緩和」が今日の日本における経済再生のキーワードとして強く支持されている現状では、やはり相当に厳しいのかな・・・?というのが私の偽らざる感想です。
[16413] 2003年 6月 7日(土)14:38:17YSK[両毛人] さん
ネットワーク型都市間結合
[16411]NSさん
毎回いろいろとご議論をいただけて光栄です。

NSさんは地域計画に関心がおありか、またそれに関連した分野のお仕事をされていらっしゃるのでしょうか?

私がこれまで展開してきた議論は、卓越した都市が他地域を統括する形の地域構造(以下、「集中型地域」と言います)が強調されやすいわが国にあって、分散型地域(中核都市が形成されず、中小の都市が連続する地域)という地域という視点もまた主流になって欲しい、というものでして、そういった「分散型地域」もまた「集中型地域」と同様、経済的にも実質的な地域構造を備えるべきだ、という部分にまで突っ込んだお話をしているわけではないのですね。

何か、NSさんは私の意図を拡大解釈されているように感じられますので、あえて申し上げさせていただきました。

しかしながら、山口県が目指す形は、中核都市の形成を意図しながらも、分散的な地域構造を最大限活かした視点が見られますね。

県内5地域(「岩国地域」、「周南地域」、「山口・防府地域」、「宇部・小野田地域」、「下関地域」)において、高次都市機能や都市型産業が集積し、人口の県内定住や交流の促進、地域経済の活性化、地方分権の推進等の核となり、県全体(一部略)の発展をけん引する中核都市の形成を図ることとしています。

もし、分散型の構造をデメリットとして、高度な都市機能の集積を企図しようとするのであれば、県央地域である「山口・防府地域」あたりをもう少し高次の都市地域と位置付ける視点が少なからずあると思いますが、「山口・防府地域」はあくまで他の4地域と同列に扱われているようです。山口県のマスタープランを詳しく分析したわけではないのでなんとも申し上げられないのですが、山口県がことさらに分散型の地域構造を「デメリット」として認識しているようには思えないですね。

県内の5つの人口集積地域の自力をつけさせ、地域の「中核都市」としての基盤を確保し、その5つの地域のネットワークによって、県全体を発展させようという意図には、山口県の分散的な都市間結合を逆手にとって地域発展に生かしていこうとする狙いが見て取れるような気がいたします。

そうですね。分散型地域構造、なんて書くから誤解が生まれるのですね。水平型地域構造とか、ネットワーク型地域構造、といいますか。

とはいえ、私の視点はあくまで地域の多様な姿がもっと認知されたらいいな、ということでして、地域計画とか、そこまでの議論にまで踏み込んだものではありません。よろしくお願いいたします。
(この書き込みも、引用した山口県の地域計画の文章からは、そういったことが読み取れる、ということを示しただけで、そういった姿で地域計画を進めるべきだといった部分にまで言及するものではありませんので、ご了承ください)
[16415] 2003年 6月 7日(土)15:57:34NS さん
Re: ネットワーク型都市間結合
[16413]両毛人さま
毎回いろいろとご議論をいただけて光栄です。
こちらこそ毎度詳細かつ丁寧なレスを頂き恐縮です。

NSさんは地域計画に関心がおありか、またそれに関連した分野のお仕事をされていらっしゃるのでしょうか?
一応、某所でデータ解析関連の諸手法(特に分類・分割手法等)についての研究をしております。勿論、地域計画に関してもそれらの応用として関心は持っておりますが。

分散型地域(中核都市が形成されず、中小の都市が連続する地域)という地域という視点もまた主流になって欲しい、というものでして、そういった「分散型地域」もまた「集中型地域」と同様、経済的にも実質的な地域構造を備えるべきだ、という部分にまで突っ込んだお話をしているわけではない
それは十分承知しておりますが、実際問題として今日の政治的・経済的・社会的な観点に突っ込まずしてそのような淡い期待を実現できるようなものではない、という認識が私には強くあります。

分散型の構造をデメリットとして、高度な都市機能の集積を企図しようとするのであれば、県央地域である「山口・防府地域」あたりをもう少し高次の都市地域と位置付ける視点が少なからずあると思いますが、(中略)山口県がことさらに分散型の地域構造を「デメリット」として認識しているようには思えないですね。
やはり歴史的経緯や広島・福岡両都市圏域に組み込まれている現状に鑑みて、「今更巨大な単独核都市を作るのも非現実的だが、分散的な都市型構造に鑑みて県内主要5地域のネットワーク的な結合を志向せざるを得ないにしても、やはり各地域の中核都市においてはより一層の集積を求めた方が得策」という判断ではなかろうか?と私は感じております。

水平型地域構造とか、ネットワーク型地域構造、といいますか。
いずれの表現にしろ、今日の政治・経済状況においてはそれらは極めて非効率的かつ不安定的なものと見られ得るでしょうし(構造全体の危機管理上の観点からは一定の有効性があるかも知れませんが)、現実問題としてそのような「地域の多様な姿」を否定するような方向に進んでいるような気がしてなりません(そのような状況は私も決して好ましいとは思ってはいませんので悪しからず)。
 ただ、そのような「非効率的」な構造(行政・産業界サイドからみてですが)に積極的な意義を見出すような視点が、手をこまぬいた状態で広がるとは考えにくい(むしろ道州制導入等、ますます多様性が見えにくくなる方向に進みつつある)だけに、両毛人さまの優れた視点がこのままでは全くの机上の空論に終わってしまうということを大変危惧するものです。
 両毛人さまの数々の分析は非常に有益かつ重宝しておりますが、持論の披露については「如何に現実的かつ実現可能性があるか」「実現させるにはどうするか、またそのために困難・不可能な点は何か」等のことに留意する必要があるのではないか?と考えます(「実現可能性の無い妄想」と最初から割り切るのなら話は別ですが、そのようには読めなかったので)。

P.S.
 文才の乏しさ故、非常に硬く、きつい書き方になってしまったことを深くお詫び申し上げます。
[16418] 2003年 6月 7日(土)16:14:19まるちゃん さん
山口県民の一意見として
[16413] 両毛人さん
[16411] NSさんなど
もし、分散型の構造をデメリットとして、高度な都市機能の集積を企図しようとするのであれば、県央地域である「山口・防府地域」あたりをもう少し高次の都市地域と位置付ける視点が少なからずあると思いますが、「山口・防府地域」はあくまで他の4地域と同列に扱われているようです。山口県のマスタープランを詳しく分析したわけではないのでなんとも申し上げられないのですが、山口県がことさらに分散型の地域構造を「デメリット」として認識しているようには思えないですね。
県内の5つの人口集積地域の自力をつけさせ、地域の「中核都市」としての基盤を確保し、その5つの地域のネットワークによって、県全体を発展させようという意図には、山口県の分散的な都市間結合を逆手にとって地域発展に生かしていこうとする狙いが見て取れるような気がいたします。

山口県居住者として一言.

興味深く,議論や県の文献を見させて頂きました.
山口県庁(山口県のお役人の方)は,本音では「山口・防府地域」を高次の都市地域と位置付けたいとの視点が少なからずあるとは,私個人は思います.(あくまで,個人的に...証拠はないです)

他の4地域への配慮や行政的に「山口・防府地域」への一極集中することへの各地域の反発も予想されることから,現実的に「山口・防府地域」のみ特別扱いするのではなく,他の4地域と同列として発展を図ろうとしようとしているといえそうな気がします.
山口県の各都市は,人口分布も産業も分散型であり,他県に比べてそれだけ,より各都市間の対抗意識も強いのかもしれません.

そのエピソードとして,県の医療機関の中心となる,山口大学医学部の移転議案があったことが思い出されました.
10年以上?程度前の話だったと思いますが,宇部市から山口大学医学部および付属病院を交通の要所である,小郡地区へ移転させては...との話がでたとのことです.
現山口大学医学部(戦時中にできた山口県立医学専門学校)ができたのは,当時,炭鉱などの公害がひどく,あまりに健康に悪い環境にあった市民の健康のため,宇部興産が土地を提供し,宇部に誘致された経緯などを主張した宇部市などの強い反対で結局実現できませんでした.

山口県が減少人口県の上位に常に入っている現実は,
県のいっているように,
山口県は、中小の都市が散在する分散型都市分布構造であり、中核となる都市を持たないことから、近年、急速に成長しつつある情報サービス、教育、文化、レジャー、デザイン等の都市型産業の立地が十分でなく、これが、若者を中心とした人口減少や地域活力の低下につながっているといわれています。
のも事実だと感じます.
でも,秋田や長崎のように県の中核となる都市があるにも関わらず,人口減少の多い県もあり,それだけともいえない面もあります.
今までも何度か,議論があったかとも思いますが,中央集権的な行政の日本にとって、縦割り的な機構構成に適合してきた結果,今日多くの県庁所在都市,札仙広福といった各地方の中心的都市を形成したのは事実ですから,地元としては,やはり中核となるべく都市の必要性は感じています.
私個人としては,もちろん,分散型都市分布構造による発展の可能性にも期待もしているのですが....

いくら,やれ,特区や規制緩和や地方の時代だといっても,就職しかり生活しかり地域の経済力がないと,現実には住めないのですからね.
[16443] 2003年 6月 8日(日)02:18:19【1】ペーロケ[utt] さん
山口県型都市構造に関する私見
 といっても、私は山口県人暦がとても浅いので、そんなに大したことが言えませんが。。。

[16418]まるちゃんさん
[16441]他、NSさん
[16434]他、両毛人さん

 なんだか、NSさんの意見には、山口県の分散型都市構造について、個々の都市は経済的にも求心力も力不足で、共倒れになることを懸念しているのかな?との印象を受け、一方で両毛人さんの意見には、施策的なことは何も言及していないと言いつつも、「各都市の個性や拮抗する力関係のバランスを保ちつつ各々で共栄関係を模索できるか」との希望的観測がやや含まれているような印象を受けましたが。。。まあ私なりに意見を述べさせていただきます。

 NSさんのおっしゃる通り、徳山駅前の商店街のシャッター率が高い現状を考えれば、10万規模の都市が発展するには厳しい時代になりつつあるのかもしれません。しかし、10万都市程度の規模で、これからの地域間競争に勝ち残るのは、決して不可能ではないと思います。例えば[12383]三丁目さんによれば、人口減少が著しい道東地区にありながら、帯広市や北見市は1995年から2000年で人口が若干増えていますね。まあ、この数字がそのまま都市の発展と言えるとは限りませんし(周囲の落ち込みを吸収しているだけかも?)、北海道と山口を単純に比較できるかどうかは分かりませんが、都市間競争の生き残りに、必ずしも中核都市程度の人口が必要とは限らないことを示している一つの例ではないでしょうか?

 あと、[16411]NSさんの
(都市間競争に「勝つ」というよりは競争から地域を「守る」という消極的な意味合い
とは、どちらかと言えば市町村寄りの立場でしょうか。ただ、県の立場から見れば、県内の局所的な発展よりはむしろ全県的な均衡ある発展を目指さざるを得ないでしょう。

 県央部に有力な求心力のある都市がないのは、三田尻と萩の中間、岩国と下関の中間という県域の幾何学的な「中心」である「山口」に県都が置かれたものの、山陽道から外れた盆地という地勢が故に他県の県都ほどの成長が見込めず、一方で両端の「下関」、「岩国」はそれぞれ北九州、広島の影響を受け、さらに「徳山」、「防府」、「宇部」がそれぞれ独自性を保ちつつ後発的ながら産業が育って競争しながら発展していったために、結果として他県のような県都一極集中とはならず、このような分散型都市構造になったのでしょう。

 逆の発想をすれば、面積重心と人口重心が隣接した市町にあり、県内のどこからでも10万都市までの距離が近いという、非常に均衡ある人口分布になっていますね。まあ、都道府県の立場から考えてみますと、「県単位」の一定の範囲で考えれば、ここまで人口分布のバランスがいい都道府県なんて、他にあるでしょうか?例えば両毛人さんが「分散型」と指摘された、三重県や群馬県(ここではあえて県単位で言わせていただきますが)も、例えば尾鷲、熊野地方や前橋より北、西側の地方には、人口10万人以上の都市から距離がありますし、両県とも10万人都市の数は多いものの、一部の地域に偏って分布しているのです。しかし、山口県の10万都市は見事に等間隔(?)で並んでいますね。この県単位での均衡ある人口分布こそが、山口県の特殊性なのでしょうが、他に類を見ないほどの全県的な分散型都市構造をどう生かすか、それとも求心力のある都市がない「弊害」と見るかは、これからの施策や行政側の考え方によって変わってきます。ただ、他に参考とする県が他にないだけですから、オリジナリティーで勝負する必要がありますし、それができなければ共倒れになるでしょう。

 個人的には、防府市と山口市の合併は、あくまで数字の足し算、お金の足し算であって、地形上の隔絶が大きいため、中核都市の機能を持つ都市づくりには繋がらないような気がしますが。むしろ、それぞれの都市を個々に魅力を増しつつ発展させるにはどうすればいいか?をもっと議論して欲しいなと思いますが、不可能なのでしょうか?どちらが効率いいのかは分かりませんが。。。

 と、偉そうに長々と乱文、散文、失礼しました。
[16461] 2003年 6月 8日(日)16:03:23NS さん
レス諸々
[16418]まるちゃんさん
[16443]uttさん
非常に詳細なレス、ありがとうございます。
 確かに、山口県内において各地域における拠点都市の人口規模が拮抗し、巨大な中核都市ができにくいというのは、歴史的経緯や地理的状況に鑑みて必然と言えますね。
 ただ、行政サイドからしてみれば、近年の成長が著しい「都市型産業」の立地により若年層を何としても引き留めておきたい、という切実な欲求から、全国各地である「合併特例債絡みの平成の大合併」の動きに乗じて巨大核都市の形成もしくは既存の拠点都市の規模拡大化を志向するのもごく自然な流れでしょう。勿論、合併後の一体性が保たれるような枠組みであることが大前提ではありますが。

 山口県の場合、山陽新幹線が県南部を東西に貫き、高速道路網や都市間高速バスも発達していることが、県内間移動はもとより県内から広島・北九州・福岡への移動を容易にした(神戸や大阪も日帰り圏内)ということで、人の移動は大都市圏への流れの方が強く、資本の流入は大都市圏からの勢いが強いというのが現状でしょう。
 ただ、これだけ高速移動交通手段が充実しているということなら、やはり「県外の大都市では実現できないことを県内で実現して如何に大都市圏から人を呼び込むか」という方向に活路を見出すことになるでしょうね。

[16444]両毛人さん
もっと多様な地域の姿を見つめてみてはいかがでしょうか
勿論、地域の多様性についての認識の必要性は私も認めていますし、そのような様々な情報を書き込めることというのがこの掲示板の存在意義の一つとしてあるでしょう。
 ただ、それと同時に、実際の社会活動はマクロ的な視点を中心になされているというのは厳然たる事実ですし、あまりにミクロ的な視点にこだわり過ぎて「木を見て森を見ず」という状態に陥っているのでは?と思われる投稿が散見されるように感じられます。
 勿論、両毛人さんが双方の視点をきちんと認識されているのはよく解りましたし、
多様な地域性を見つめることが、マクロな地域理解を阻害するものでは決してない
のも事実ではありますが、やはりその中でも如何に現実との枠の中で適切に捉え誤解を招かないような慎重な表現をするか、ということが求められているのではないか?と強く感じております(自戒を込めて)。
[16474] 2003年 6月 8日(日)19:05:40まるちゃん さん
山口県分散構造の将来は...
[16443] uttさん
個人的には、防府市と山口市の合併は、あくまで数字の足し算、お金の足し算であって、地形上の隔絶が大きいため、中核都市の機能を持つ都市づくりには繋がらないような気がしますが。むしろ、それぞれの都市を個々に魅力を増しつつ発展させるにはどうすればいいか?をもっと議論して欲しいなと思いますが、不可能なのでしょうか?
周南市のように比較的,市街地,住宅地が連続し,産業や商業的な空間を共有する関係の都市間の合併は非常にわかりやすいのですが,防府市と山口市の合併には,少し違和感を感じています.(私自身も,防府暮らしが約一年だけあるのです.)
国道262号線を介して防府市街と山口市街は結ばれていますが,途中には標高はそんなにないにしろ,佐波山トンネルがあることからも分かるように,地形的にも隔絶があり,市街地,住宅地の連続性は全くないです.

産業構造も防府市は,マツダやカネボウ,協和発酵などの工業都市の色合いが強いのに対して,山口市は,県庁などの公務員や大学関連,サービス業などの色合いが強く,明らかな違いがあります.
商業地は,ここ山口も例外にもれず,大規模駐車場を備えた郊外型商業施設の進出により,両市の中心市街地の低調ぶりが目立ち,車で20分程度でお互い行けますので,共有することも多いと感じます.

私も,合併促進政策による,あくまで数字の足し算、お金の足し算による合併の色合いを感じずにはいられません.
実際に,山口市,防府市,小郡町,阿知須町,徳地町,秋穂町が合併すると,人口は307,402と中核市人口となり,県庁所在地全国最小都市の不名誉?な地位から脱出できるのですが,面積も918.82平方キロメーターと莫大な大きさとなり,県庁所在地では,仙台市を抜いて,静岡市,札幌市に次ぐ第三位になってしまいます.

でも,山口県の中核都市づくりを推進し,他県に比較して本県の二次産業に偏った経済を三次産業の育成に結びつけ,県の人口流出になんとか,歯止めをとめたいとの思いも理解できますし,目指す目標は多くの県民に共通の思いですので,その努力に敬意を払い,可能性にも期待してみたい気持ちもあります.

本当は,下関も宇部小野田も周南も岩国も皆が栄えて分散型を維持しながら中核都市も栄えるのが理想ですが,現実にはなかなかいい妙案もないのが実情だと思います.

人口増加を示している,他の分散型としてあげられる両毛,三重県はそれぞれ,東京圏,名古屋圏の強い影響を受け,横並びでも核となる大都市がある点が山口県と大きく異なる状況と言えると思います.

[16461] NSさん
ただ、これだけ高速移動交通手段が充実しているということなら、やはり「県外の大都市では実現できないことを県内で実現して如何に大都市圏から人を呼び込むか」という方向に活路を見出すことになるでしょうね。
NSさんがいうのように,比較的,自動車を中心とした交通網は便利な地域であるので,(一方,鉄道は山陽新幹線こそありますが,東武のある両毛,近鉄のある三重県に比べ,JRのみの山口県の鉄道は非常に貧弱ですが....),
三大都市圏ほどの強い力が福岡,北九州,広島都市圏がない点が問題点であるものの,福岡,北九州,広島都市圏との連携性を利用するのが一番,現実的な方法だという気はします.
[16484] 2003年 6月 8日(日)23:14:35ペーロケ[utt] さん
山口、防府合併の是非はいかに??
[16474]まるちゃんさん
防府市と山口市の合併には,少し違和感を感じています。
 山口市が日本一小さな県都という「不名誉」の原因は、交通の要所を小郡町に押さえられていることが一番大きいですね。それで当初は山口市は小郡町との合併を模索しておりましたが、小郡町にとってメリットが薄い合併だからか、なかなか縦に首を振らないので苦労していたような印象は否めませんでした。そこで、防府市も取り込んだ広域合併として、小郡町に合併を後押しする意味合いが若干あるのかもしれませんが。いづれにせよ、この合併では、一つの自治体となることにより、交通の要所から外れた山口市街地の衰退、ということにならなければいいのですが。。。

本当は,下関も宇部小野田も周南も岩国も皆が栄えて分散型を維持しながら中核都市も栄えるのが理想ですが,現実にはなかなかいい妙案もないのが実情だと思います.
 そうですね。分散型のままで各々成長するというのはなかなか難しいと思います。しかし、今後は3次産業を中心にした都市づくりが望まれる、とは言え、行政主導の街づくりでは、どこも似たような考え方に収束せざるを得ませんね。「ユニクロ」を生み出し、一時代を築いた山口県人。民間の発想力をポジティブに取り入れる仕組みづくりに期待したいです。

[16461]NSさん
勿論、合併後の一体性が保たれるような枠組みであることが大前提ではありますが。
 山口-小郡間はもとより、山口-防府間の交通は決して不便ではありませんが、地形的な隔たりゆえ市街地の一体性は余り感じられないため、どうしても「人やお金の足し算」的な合併の色合いが否めませんね。合併は自治体の地力を増すメリットがあるとはいえ、一定のまとまりのある隣の市街地まで取り込んでまでも「市街地は大きいほど望ましい」とは思えませんし。そのような意味では、単に「面積が大きいから」というだけで批判されがちな静清合併よりも、むしろ複数の同規模な市街地を強引に併合する山口県央合併の方が、構造的にはより深い問題ではないでしょうか。
[20701] 2003年 10月 6日(月)22:23:55まるちゃん さん
以前にも出た,山口県の分散型経済構造の話題ですが,
[20694]ぴょんさん
豊関・宇部地域や小郡あたりは北九州などとつながりが太いため、そう違和感は無いのでは、ただ、徳山や岩国などの周南・周東地域は広島の影響のほうがむしろ強くなってくるのでこの呼称に違和感を感じる方も多いような気がします。

私自身は,幼少時は北九州(ぴょんさんとは違って日豊線沿いです)に居住し,学生時代を除けば,宇部にほぼ居住してきましたので,九州・山口地方の名はすんなりと感じます.
宇部はテレビも福岡県の民放5局がそのまま映るし,NHKでさえも北九州放送局の情報などもそのまま見ることもよくあります.(山口県は民放3局ですので...)
また,遠出の買い物は天神ですからね.

私も,山口県下の福岡・北九州,広島経済圏の境界は,以前に出た
[15660] NSさん
・旧長州国南部(下関・宇部など)→福岡圏の影響大
・旧長州国北部(萩・長門など)→福岡圏の影響やや強し(?)
・旧周防国中西部(周南など)→広島圏の影響やや強し(?)
・旧周防国東部(岩国・柳井など)→広島圏の影響大
の意見でほぼ一致していると思います.

周南市以東はやはり広島の影響の方が強いと思います.
広島―徳山間の高速バスが毎日30往復,一方,福岡―徳山間は毎日6往復という交通事情にも反映されています.

山口県の境界がどこかは難しいですが,
防府はマツダ繋がりで,ある意味,広島経済圏に属すかもしれませんが,山口・小郡・防府の県央部付近になりそうです.
山口県東部の人も九州・山口地方という言葉はもちろん,知っていますが,山口県西部と異なり,普段の実生活ではあまり九州との連がりを感じていないかもしれませんね
[24667] 2004年 2月 9日(月)17:16:26まるちゃん さん
山口の支店経済
[24654] 愛比売命 さん
この合併で小郡に県庁などの官公庁を移転するとかの構想もあるようで、そうなれば山口市の衰退は益々決定的になり、麻里布と岩国の関係みたいにいづれ逆転してしまうかもしれません。ただ一つ心配なのは、小郡は雇用の受け皿となる工業がそんなに発展していないこと。山口県の10万人都市は山口市を除いて全て臨海工業都市であり、分散構造は全県的な工業化の結果とも言えそうですが、その求心力が小さいので、立地にかわらず2万人強の人口にとどまっているような気もします。

山口県庁の移転の構想は,戦後直後などにも,防府市や徳山市への移転の構想が出たこともありました.
しかし,ご存じのとおり,結局実施されていません.
現在,進行中の山口県央部合併協議会でも,新市の市役所の位置が大きな焦点になっていますが,それ以上に県庁の移転は紛糾することになるでしょうね.
新市役所の候補として,山口市,防府市,小郡町が挙がっていますが,まだまだ予断を許さない状態です.

県内の他の都市と異なり,小郡町は工業都市ではありませんが,交通の要所である点を生かして,企業の支店経済の中心となる可能性があると思います.
実際に一部の企業ではそうなっていますが,現状では周辺人口が少なく,まだまだ厚みが足りないのも事実だと思います.
その一つに銀行業界があります.
地方で経済の拠点性を示すものに都市銀行の支店があると思いますが,山口県では,

みずほ銀行:山口市,周南市
東京三菱銀行:周南市
UFJ銀行:宇部市
三井住友銀行:下関市

に支店がありますが,小郡町にはありません
ついでにいうならば,日本銀行の支店は下関市にあります.
第一地方銀行である山口銀行の本店は下関市,第二地方銀行である西京銀行の本店は周南市にあります.

うーん,やっぱり山口県は分散型ですな....中核都市づくりの難しさを感じます...

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