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落書き帳から選び抜いた珠玉の記事集

抽象地名とは?

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記事数=16件/更新日:2002年12月25日/編集者:あっちゃん

政令市の区名に見られる「東区」などの方角名だけの地名、「緑区」などの瑞祥的な感覚の地名などを「抽象地名」と分類し、地名としてふさわしいものかどうか疑問視する見方があります。このことについての議論をまとめてみました。あなたは、どう思われますか?

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[3467]2002年10月1日
ゆう
[3470]2002年10月1日
まがみ
[3476]2002年10月2日
だいてん
[3477]2002年10月2日
グリグリ
[3479]2002年10月2日
だいてん
[3485]2002年10月2日
TN
[3488]2002年10月2日
ken
[3507]2002年10月3日
でるでる
[3784]2002年10月11日
ゆう
[3828]2002年10月13日
YSK
[3841]2002年10月13日
蘭丸
[3846]2002年10月14日
ゆう
[4678]2002年11月8日
蘭丸
[4686]2002年11月8日
Firo
[4707]2002年11月9日
蘭丸
[5056]2002年11月19日
蘭丸

[3467] 2002年 10月 1日(火)21:42:41ゆう さん
地名の抽象性
今回は理屈っぽいことを書きます。

よく「抽象地名」という言葉を耳にしこの落書き帳にも数回書かれていますが、どうもよくわかりません。

私は、「(まとまりのある一定の地域に)名前をつける」という行為が「抽象」そのものだと思っています。
例えば、「氷川神社門前に開けたまち」を抽象化した名前が「大宮」というように。
さいたま市のC区名の案にあった「大宮区」と「氷川区」はどちらがより抽象的かと考えれば、私は「どちらも抽象度は似たようなもの」だと思うのです。

「抽象地名」とそうでない地名の違いは何処にあるのか、どなたか説明頂けないでしょうか?
[3470] 2002年 10月 1日(火)22:25:01まがみ さん
Re: 地名の抽象性 ほか
[3466]
> 旧与野市の中央区は他の政令指定都市にも存在する
> (現在のところ千葉市・大阪市及び神戸市にその区名がある)

札幌市と福岡市にもあります。
横浜市・名古屋市・広島市には中区があります。


[3467]
> よく「抽象地名」という言葉を耳にしこの落書き帳にも数回書かれていますが、
> どうもよくわかりません。

確かに難しい問題ですが、私は次のように考えます。
「抽象地名」というのは、さいたま市の例でいえば、
「さいたま市全体で見て北の方にあるから"北区"だとか、
全体で見て南の方にあるから"南区"」というような、
あるいは、岡山県の例でいえば
「久米郡の中で南の方に位置するから"久米南町"」であったり、
「勝田郡の真ん中付近(実際は南寄りですが)だから"勝央町"」であったり
というようなことではないかと思うのです。

もっと踏み込んで言えば、区名を聞いただけで
「この地域だ」ということが誰でも(初めて聞いた人でも)わかるような名前は
「抽象地名」ではない、ということになります。
「緑区」という区名が、もともとその区の中に「緑」だの「緑町」だのといった
町名・字名が無かったとすれば、「抽象地名」だと言えるでしょう。

ただ、「抽象地名」であっても長く使われ続けるうちに
具体的なまちの名前として定着することもあります。
ゆうさんが例に出している「大宮区」は、
(もともとは抽象的な地名であったにせよ)現在は地名として
定着しているといえるでしょう。

これはあくまでも私の考えに過ぎませんので、
他の方の意見も聞きたいです。
[3476] 2002年 10月 2日(水)00:15:01だいてん さん
抽象地名
>[3467]

私にとって抽象地名とそうでない地名の区別基準は、「地勢、施設、動植物、故事等に根ざした地名であるか否か」です。

地勢に基づく地名の例・・・奈良(なだらかな土地の意)
施設に基づく地名の例・・・国分寺(そのまんま)
動植物に基づく地名の例・・鶴居(北海道。鶴が集まることから)
故事に基づく地名の例・・・六甲(神功皇后が6つの兜を埋めたといわれている)

これによれば大宮(氷川も)は抽象地名ではない、ということになります。
桜という地名も、それがサクラソウによるものならば、「動植物に基づく」といえるでしょう。
そこでさいたま市の区の中で抽象地名にあたるのは、中央区、北区、西区、南区になります。
これらは、さいたま市の中で区名のような位置を占めているだけで、「地勢に基づく」ものではありません。
だからこそ私は、当初こういった区名を採用してほしくないと思ったのです。
みなさんは、どのように理解されているでしょうか。
[3477] 2002年 10月 2日(水)00:32:26オーナー グリグリ
Re:抽象地名
だいてんさん[3476]
> そこでさいたま市の区の中で抽象地名にあたるのは、中央区、北区、西区、南区になります。
方角や位置関係を表す命名を抽象とするのにはちょっと抵抗があります。なぜならば、私の苗字には方角が入っており、それなりの意味を持っているからです(f^^;。地勢を表す地名と方角を表す地名にそれほど大きな差はないとも言えるのではないでしょうか。東西南北の名前は安っぽいって言われているようでちょっと一言いいたくなりました。う~ん、でもこれはひがみかな。

でるでるさん[3474]
でるでるさんの変更情報更新はすごい頻度で頭が下がります。本当にありがとうございます。
> 「ネットいばらき」の業務を「ぷらら」が引き継いだ(委託いた?)のが理由だと思いますよ。
はい、そうだと思います。だから気に入らないんです。(笑
一業者に委託するにしても独自ドメインにするくらいの自治体の主体性が欲しいです。

まがみさん[3455]
> お礼が遅くなりましたが、自分色設定ありがとうございます。
> 雅(みやび)な雰囲気を醸し出していて、いい感じです。
> 特に日付の緑色が。
それは良かったです。実は私も気に入っていたのです。とくに緑の雅な雰囲気が(f^^;
[3479] 2002年 10月 2日(水)02:07:17だいてん さん
抽象地名2
重要なことを書き忘れてました。
[3476]で中央区、北区、西区、南区が抽象地名だと言いましたが、緑区こそ抽象地名だというべきですね。
特に「なるほど」と思わせる緑なものが見当たりませんし・・・
その他、青葉区(横浜市。仙台市の青葉区は私のいう「施設に基づく地名」ですから除きます)や若葉区(千葉市)なんかを抽象地名と呼びたいところです。

>[3477]オーナー グリグリさん
>方角や位置関係を表す命名を抽象とするのにはちょっと抵抗があります。

まあ方角をつけた地名というのは、それなりの根拠に基づくものですし、上に挙げたものよりは「抽象度」は低いと考えています。
といったところで、ご勘弁願えますでしょうか。
[3485] 2002年 10月 2日(水)13:29:18TN さん
さいたま市行政区名その後
>>3461 でるでるさん
多忙の中、丁寧な解説どうも有難うございました。
ところでさいたま市の行政区名案ですが、区名選定委員会の最終案決定を受け、本日さいたま市の相川宗一市長に報告されました。しかし、さいたま市役所には区名の決定方法に不満を持つ市民から80件の苦情が寄せられているそうです。  105万市民に比べたら微々たるものですが、潜在的な不満はもっとあるはずです。
そもそも、官製合併のさいたま市において、最も得をしたのは、現市長の相川氏と旧与野市長で選定委員会委員長の井原勇氏ではなかったか、とさえ思えてなりません。
相川市長は答申を尊重する意向ですので、頭の中はとにかく政令指定都市(の浦和の市長)。無用な混乱は起こすまい。井原氏はさすがに3市合併をまとめ上げただけに、物事の落としどころを心得ています。旧与野市民にくすぶる「小さくてもいいじゃないか」「歴史ある与野という地名をどうしてくれるんだ」という思いに対し、「中央区」を自ら示すことで「与野は名を捨て実利を取ったんだ」という自分そして市民に対する説明責任を果たそうとしたのだと思います。だだ、その他に対する責任は?抽象地名の話題もあるようですが、地名の抽象化の最大の犠牲者(?)は「桜区」ではなかったか。天然記念物「田島が原のサクラソウ自生地」のお膝元に対し桜区とは。これこそ字面からくるイメージのみの命名ではないですか。確かに、田島が原を含め秋が瀬公園の桜も見事ですが・・・。自分はもともとの環境(自然に限らず)に敬意を持って命名すべきだと思うのですが。山の名前にちなんで「太白区」とした仙台の人には<敬意>を感じます。
[3488] 2002年 10月 2日(水)17:28:06ken さん
re:抽象地名
地名は、いずれにせよ、「何らかの由来」に基づいてつけるわけですから、抽象地名が悪くて、具象地名が良い、という割り切りには行かないですよね。

抽象地名、方位地名、合成地名、いずれも、要はセンスの問題でしょう。

西東京市の時にも感じた問題ですが、新たな地名を付けるという時、何にちなむか、は
さておき、結果つけられた地名が、センスが良いかどうか、ということですよね。

合成地名で言えば、谷津+久々田+鷺沼=津田沼、のように、すっかり馴染んだものもありますし、

抽象地名でも、堀江村+猫実村+当代島村=初代浦安村村長が、漁村の安泰を願って「浦安」村と命名とか、
明治天皇が視察した演習地を、志を習う野であるから「習志野」と命名せよ、とか、
昔からある地名を無視して、突然つけた地名でも、馴染むものは馴染んで行くんですよね。

大田区なんて、由来を考えると、随分な安易な命名なんですが、かと言って、そろそろ、大田区も人口が多くなったから、元にもどして、大森区と蒲田区に分区しましょう、とか言い出したら、「大田区」という高級イメージステイタスが定着しちゃっているので、太田区民はたぶん反対するんでしょうねえ。

肝心なのは新地名が「創造的」なセンスを持っているか、という点が、問われているのだと思いますし、皆さんが、気に入った。どうも納得いかない。という反応をされるポイントも、そのあたりで、琴線に触れるか触れないかということなんではないでしょうか。

単に「従来地名の継承絶対」主義、というものでもないですよね。
[3507] 2002年 10月 3日(木)04:51:59でるでる さん
キャプテン翼ネタ
[3467]ゆうさん
抽象地名の定義についてですが、私の場合は抽象地名とそうでない地名の違いは、さほど意識はしておりません。
・・・というよりは、抽象地名に対して皆さんそれぞれに微妙なニュアンスの違いがある様に、私の中でその違いが明確ではないから、というのが正しいのかな。
それだけに、皆さんのご意見は私にとっても、とても勉強になります。
・・・・・って、あまりお役にたてない内容で、失礼致しました。

[3484]mikiさん
世羅郡三町合併協議会と伊賀合併協議会の情報ありがとうございます。
早速、参考にさせて頂きました。

[3500]いなさん
ドカベンの作中での甲子園出場校一覧は、興味深く拝見させて頂きました。
私が子供の頃は「キャプテン翼」で南葛中学がある「静岡県南葛市」を、地図で何時間も探したものですね(笑
ついでに、ちょっと調べてしまいました・・・

大空翼 中学3年時 全国大会代表校(キャプテン翼 第17巻)
----------------------------------------------------------
北海道--ふらの 青森--興北 岩手--遠井 宮城--上向井 秋田--花輪 山形--松岡 福島--井伊坂
茨城--久慈浜 栃木--今中 群馬--拓北 埼玉--明和東 千葉--木樽 東京--東邦学園 神奈川--錦ヶ丘
新潟--白越 富山--岩瀬 石川--南能登 福井--星城
山梨--崎本 長野--中部 岐阜--明光 静岡--南葛 愛知--東園 三重--須和
滋賀--高田東 京都--洛央 大阪--東一 兵庫--北一 奈良--松上 和歌山--南紀
鳥取--米山 島根--砧 岡山--作松 広島--国分 山口--高杉
徳島--三浦 香川--石田 愛媛--南宇多 高知--小津三
福岡--南陽学舎 佐賀--蟻田 長崎--比良戸 熊本--阿蘇山 大分--大分一 宮崎--金村 鹿児島--桜島 沖縄--辺戸
[3784] 2002年 10月 11日(金)10:59:28ゆう さん
抽象地名ふたたび
お久しぶりです。しばらく家を留守にしてました。

[3467]で抽象地名に関する質問をしていろいろなご意見を拝見いたしたことろですが、その後「京都」の例を思い出しました。
「平安京」→「京」→「京都」と変遷していますが、「平安」というのは希望的命名といえますし、あとの2つは首都の意味の一般名詞です。

結局、私なりの答えとしては、具象・抽象というのは相対的なもので、地名が抽象的かどうかは比較対象があってはじめて論ずることができる、というものです。
特定の地名1つを指して抽象云々をいうことは、本来ならばそれはできないです。

しかし実際に「抽象地名」という言葉が使われていて、良くないとする主張が多い気がします。
それら「抽象地名」はどういう意味で使われているかを見てみると、単に歴史的でないからという理由のものもあります。
「抽象的」という語彙は辞書に載ってる意味のほかに「焦点がぼやけてなんだかわからない」という使われ方をします。
そこで、「抽象地名」とは「なんだかよくわからない地名」と考えれば良さそうです。
「なんだかよくわからない」と「なんとなくわかる」の差が「抽象地名」か否かの分かれ目です。
これで人それぞれにニュアンスが違うことも説明がつきませんか?

私個人としては、どんな地名でも、受け容れられるものが定着していくと考えます。
市町村合併が推進されれば必然的に新作地名が増えますが、どうしても受け容れられないものはやがて消えるでしょうし、妥協の末であったとしても受け容れられたものは定着するでしょう。
[3828] 2002年 10月 13日(日)08:16:14YSK さん
仙台の区名は抽象地名?
[3797]
>さいたま市を含む13市で、独自かつ方位を表す文字や抽象地名を使用しない
>区名のみなのは川崎市だけ
仙台市の区名にも、ご指摘のような区名はないのではと感じます。
おそらく、「青葉区」あるいは「泉区」あたりに、抽象性が疑われるのかもしれません。

個人的には、
青葉区:区内にある「青葉城址」(仙台城址の俗称)あるいは、この城址の立地する「青葉山」からとられたもの。
泉  区:仙台市編入前の旧自治体「泉市」の名を踏襲したもの。「泉」の名称は区の西に聳える「泉ヶ岳」からとられたもの。
と、十分独自な出所を持つ区名であると考えているのですが。
(あくまで個人的な見解なので、異論はあると思います。みなさんのご意見をお聞かせください。)
[3841] 2002年 10月 13日(日)21:21:07【1】蘭丸 さん
適切な市町村名・区名の選定を
 YSKさんのご指摘、なかなか鋭いですね。確かに仙台市の区名は全て地名に由来するものです(太白区、若林区も)。このご指摘は、前掲の私の書き込みが舌足らずであったためのものと思います。

 >独自かつ方位を表す文字や抽象地名を使用しない区名

 という文は“当該区の区域となる土地を適切に指し示す地名に因み、方位を表す文字を使ったり、「旭」「緑」など特定の区の名称とする必然性のない言葉を使った区名ではない区名”という意図で書いたものです。独自というのは、政令市の区名を比較して独自というよりも、その区名の地名としての独自性という意味で使わせてもらいました。

 仙台市の区名中、「宮城野区」の名は、その区の区域を適切に表す区名ではありません。これは広域地名の借用です。すなわち、この区名は青葉区や太白区に付けられていたとしても通用するはずのものなのです。
 このような借用地名から採った市町村名・区名が全国いたる所にできたため(武蔵野市、多摩市、相模原市、むつ市、上越市、加賀市、備前市、さぬき市、筑紫野市、沖縄市....など枚挙にいとまがありません。)、多くの人があまり違和感を感じなくなっているのかもしれません。しかし、私はこのような命名法は市区町村名選定に用いるべきではないと思っています。

 例えば、単に「武蔵野」と言った場合、武蔵野台地全体(あるいは旧武蔵国全体)を指すのか武蔵野市を指すのか判然としません。「上越」にいたっては、それのみだと新潟県上越地方、上越市、新潟県と群馬県の併称という三つの可能性が出てくるのです。広域地名の借用を安易に行うことの弊害です。す。函館市や横浜市は「函館」「横浜」でも意味をなしますが、加賀市や大和市は「加賀」「大和」では、何のことか特定できません。もっとも、そのような場合は「加賀市」「大和市」として混乱を回避しますが、やはり一般的な市区町村名とのバランスがとれません。

 ただの考え過ぎと言えばそうなのですが、今後誕生する新市区町村名が、このようなことを考慮して決められることを私個人としては望むものです。「旭」や「緑」も、まだ「旭が丘」「緑原」とでもすれば地名らしくなると思うのですが。
[3846] 2002年 10月 14日(月)01:09:31ゆう さん
適切な地名
[3840]Issieさん
>おめでたいかどうかはわかりませんが,
私がおめでたいと書いたのは「賛」のほうでして、つまりは[3835]の実は小学生さんの質問が、「江」が「へ」ではないことに関するものと、読み取ることが出来なかったのです。
お恥ずかしい限りです…。


[3841]蘭丸さん
>“当該区の区域となる土地を適切に指し示す地名に因み、
ここまでは概ね賛成です。以前に[2670]で香川県の例を挙げました。

>方位を表す文字を使ったり、「旭」「緑」など特定の区の名称とする必然性のない言葉を使った区名ではない区名”
こちらは意見を異にしていますね。[3790]で述べてます。

ところで、例えば最近何度も不適切だという意見が出ている「さいたま市」の場合、適切な地名が現時点では無く、借用も不可だと、新作するしかなかったのですね。
そうすると「抽象地名」といわれる傾向がありますけど。

>広域地名の借用を安易に行うことの弊害です。
1つの地名が多義を持つことについての言及ですが、原因は広域地名の借用だけではなく、逆の場合もあります。
例えば単に「川崎」と言った場合、それは「市」と「区」のどちらでしょう。
「川崎区」の「川崎」が適切だとすれば、「川崎市」のそれは不適切なんでしょうか。
多くある県庁所在地と同名の都府県名はどうでしょう。

>このようなことを考慮して決められることを私個人としては望むものです。
[3082]でも述べてますが、どこも考慮しようと腐心してるはずです。
[4678] 2002年 11月 8日(金)21:12:57【1】蘭丸 さん
「魚沼市」「うおぬま市」「越後魚沼市」「北魚沼市」案について
[4659]miki さん

 ここでも、またまた平仮名の市名案が登場しているようですね。 「うおぬま市」 なんてわざわざ平仮名にする必要性はここでもないと思われます。「魚沼」という文字は誰でも読み書き可能です。

 それとともに気になることは、この市名案中の「魚沼市」「うおぬま市」「越後魚沼市」「北魚沼市」についてです。これだけ「魚沼」のついた市名案が残っているということから、この地名をぜひ新市の名称に使いたいという強い志向性が窺えます。
 しかし、これらの市名案では広域地名の借用となります。魚沼とは旧魚沼郡域を指し、現行行政区画でいうと南魚沼郡、北魚沼郡、中魚沼郡、小千谷市、十日町市の地域となります。 この 「魚沼」 は単に広域地名であるだけでなく、名立たる・ブランド地名・でもあります。

 その地名を、もっぱら1自治体が公式に名乗るようなことになれば、おそらく周辺自治体の反発を招くこととなるでしょう。現在、魚沼地域では六日町を中心とした南魚沼、十日町市を中心とした中魚沼、小千谷市を中心とした地区の3地域 ※ で合併に向けた動きがあり、 これら地域はいずれも合併後の新自治体は市となって郡の呼称を伴わないため、「魚沼」を独占されることに対する警戒感を持っているであろうことは容易に推測できます。「北魚沼」にしても、小千谷市がもとは北魚沼郡の中心地であったこととの兼ね合いが問題になるかと思われます。

 いっぽう「美雪野市」は、他の案と比べて、オリジナリティーの点からも周辺自治体との兼ね合いの点からも評価できる、 ここ最近の新市町村名案では稀に見る秀作だと私は思います。 地域の特色を表わし、 しかも地名らしくまとめられている点がポイント高いと思います。(「美雪市」では、地図などで単に「美雪」と表記された場合の違和感が問題となるでしょう)

 こういった地名の創作ならば、出所不明の抽象地名とは違って対象地域を適切に表現することができるため、対等合併で従来からの地名を使いづらい場合に有効な解決策になると思います。 このような創作の例は、 過去
にも長野県駒ヶ根市などに見られますが、こういうセンスのいい創作地名が全国的にも広がればいいが、と私は秘かに思っています。

 とはいっても、いろいろ言ってみたところで「美雪野市」になるかどうかはわかりませんが、私としてはこの「美雪野市」、一押しです。

※ 南魚沼郡任意合併協議会加盟自治体-南魚沼郡六日町、同塩沢町、同大和町〈南魚沼郡の湯沢町を除く地域〉
  十日町広域圏六市町村合併問題研究懇談会加盟自治体-十日町市、中魚沼郡川西町、同津南町、同中里村、
                           東頸城郡松代町、同松之山町
                           〈十日町市+中魚沼郡全域+東頸城郡2町〉
  小千谷市が検討している合併枠-小千谷市、北魚沼郡川口町、三島郡越路町、古志郡山古志村、刈羽郡小国町
                 (川口町とは勉強会を結成)
[4686] 2002年 11月 8日(金)22:41:15Firo さん
魚沼
[4678]蘭丸さん
>その地名を、もっぱら1自治体が公式に名乗るようなことになれば、おそらく周辺自治体の反発を 招くこととなるでしょう。現在、魚沼地域では六日町を中心とした南魚沼、十日町市を中心とした中魚沼、小千谷市を中心とした地区の3地域 ※ で合併に向けた動きがあり、 これら地域はいずれも合併後の新自治体は市となって郡の呼称を伴わないため、「魚沼」を独占されることに対する警戒感を持っているであろうことは容易に推測できます。「北魚沼」にしても、小千谷市がもとは北魚沼郡の中心地であったこととの兼ね合いが問題になるかと思われます。

まったくおっしゃる通りだと思います。ただ、逆に3地域が牽制しあって、いずれも「魚沼」の地名を
使わない可能性もあるわけで、そうなると「魚沼」が消滅することになり、
自分としては、それが一番懸念されます。広域を指し示す地名だからということで、使用をさけるというのは、自分はあまり考えたくないと思います。
南アルプス市のケースと似てるかもしれないですね。
それから、「美雪野」「美雪」という市名は好感が持てる感じがしますが、確かに該当地域は有数の豪雪地帯ではありますけど、他にもそういった地域がないわけではなく、ある意味「魚沼」と同じに
問題がでないとは言えないと思います。
まーそんなこと言っていればきりが無いですがね・・・・
ほんと、難しいですね・・・・
[4707] 2002年 11月 9日(土)08:50:55蘭丸 さん
「美雪野市」案について
[4686]Firo さん
>「美雪野」「美雪」という市名は好感が持てる感じがしますが、確かに該当地域は有数の豪雪地帯であります>けど、他にもそういった地域がないわけではなく、ある意味「魚沼」と同じに問題がないとは言えないと思い>ます。

 おっしゃるとおり、ご当地のみが豪雪地ではなく、魚沼全域が世界的な豪雪地帯です。ですが、だからといって「美雪野」も問題ありとは私は思いません。なぜなら、この「美雪野」は、これまで地名としては使われておらず、この合併を機に新たに創作されたものだからです。私は、その独創性を評価するわけです。

 「同じような地域がほかにもあるから問題」と言うことは、「新しい地名の命名は不可能だ」と言うことと同じになるのではないかと思います。例えば、大きな井戸はほかにもあるから「大井」はだめ、青い山はほかにもあるから「青山」はやめよう、新しい橋はほかにもあるから「新橋」はよそう、というふうにほとんどの地名の妥当性が疑われることになります。
 その土地の風土や歴史を表わし、 周辺地域との区別がつく限りにおいて、 新しい地名の創作は、 安易な合成地名や抽象地名に走るよりも賢明な方法であると私は考えています。

>ただ、逆に3地域が牽制しあって、いずれも「魚沼」の地名を使わない可能性もあるわけで、そうなると
>「魚沼」が消滅することになり、自分としては、それが一番懸念されます。

 ご懸念は無用と思われます。確かに「魚沼」のつく郡が消滅すれば、公式にはこの地名が姿を消すことになります。しかし、この「魚沼」という地名は郡がなくなるからといって消えてしまうようなものとは思えません。この地名は、最高級米の産地としてすでに自他ともに認める地位を築いていますから、地域の呼称として生き続けるものと予想できます。
 むしろ一定の知名度を確立している地名であるからこそ、 1つの自治体の名称としてしまって、 2市3郡に
わたる広域地名であったものが、本来の語義から離れて矮小化して理解されかねない、ということのほうが懸念されるのではないでしょうか。[4695]ken さんのおっしゃるような「ドメイン先取りの感じ」のほうが問題だと
思います。


[4695]ken さん
>「みゆき野市」だったら、最悪ですけど。

 そのとおりだと思います。創作した上に平仮名を使って意味不明にしていたら、私も好感を持たなかっただろうと思います。同じような意味であると思われる「美雪市」も、単に「美雪」と表記された場合の尻切れとんぼみたいなぶっきらぼうさがネックになると思います。


 というようなことで、やはり「美雪野市」に、なんだか惹かれてしまう私です。
[5056] 2002年 11月 19日(火)07:59:34蘭丸 さん
武蔵野と武蔵野市
[5051]ちゃっきー さん
> それにしても吉祥寺に住んでる人は「どこに住んでるの?」と聞かれると市名でなく、「吉祥寺」とこたえ>る事が多いですね~。笑・・・地方の人が聞いても「東京の吉祥寺」っていう感じで・・・

 広域地名の借用がもたらす自治体名の没個性化と、その結果の無力化だろうと私は思います。そもそも「武蔵野」とは武蔵野台地全域の、とっても広汎な地域を漠然と指す地名です。国語辞典を引くと、武蔵国全域を指すこともあると書いてあります。要するに、一つの自治体の名称とするにはちょっと荷が大きすぎるんでしょうね。この「武蔵野」は。

 武蔵野市の市名は、明治22年の市制・町村制施行時の合併で誕生した「武蔵野村」(神奈川県北多摩郡)に由来するもので、自治体の名称としてはけっこう古いものです。ですが、合併でできる典型的な没個性的自治体名(瑞祥地名、借用地名、抽象地名など)であることは否めません。

 その後、武蔵野村は東京の近郊都市として人口が増加し、単独で町制、市制を施行しました。また、吉祥寺の街や井の頭恩賜公園などは地方でもかなりの知名度を得るようになりました。でも、市名は「武蔵野市」と従前のものを踏襲したままとなっています。

 これだけ有名な地名があるのに市名を改称しないのは、なにかわけがあるのでしょうか。私なんかは東京に住んでいながら、つい最近までは吉祥寺は吉祥寺市かと思ってたくらいです。

 武蔵野市に住んでいて「武蔵野に住んでます」なんて言う人はほぼ100%いないと思われます。(「武蔵野市に住んでます」はあるでしょうけど)以前、私の従姉妹が吉祥寺に住んでいました(このことがきっかけで、吉祥寺は武蔵野市だということを知りました。それも、つい4~5年前のこと)が、やはり「武蔵野」あるいは「武蔵野市」という言葉を一度も聞きませんでした。それくらい使い勝手の悪い市名なのです。武蔵野市民が「武蔵野市」を意識するのは、役所関係の公的な場面に限られるのではないかと私は推測します。

 こういったことが、安易な広域地名の借用あるいは創作の弊害だと私は思っています。「能登市」「魚沼市」「北四国市」「しこくなか市」等々と、最近の市名案は傾向が片寄ってしまっている感が強く、外野から見ても何となく予想できる、といったものが多いのは少し寂しい気がします。

 「南アルプスに住んでます」なんて言えないでしょうし、「道路標識で『南アルプス5・』となっていたが、まだまだ山は遠いじゃないか」なんて笑えない話が起こらないともいえないでしょう。

 私は、こういった方式の命名はあまりいただけないと思っています。

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