対馬島に対馬市ができて過去帳に入った長崎県上県郡と下県郡ですが、その上下関係はいかがなものでしょうか。
朝鮮半島により近い、いわば日本の外側が上県郡というのに違和感がありませんか?
「長崎県の地名」(平凡社2001)は、大宰府からの距離からみた場合 上下が逆のように思われるが、大宰府が置かれる以前から上県・下県の称があり、上県から日本海航路で上京する方が下県から瀬戸内海航路で上京するよりも近かったので、都に近いほうが上県、遠い方が下県とされたと説明しています。
対馬上島・下島についての言及ですが、
[18748]なきらさんも
小さい島が上島、京都に近いですね。
うーん。交通体系が違う昔の名前だから上県が都に近いというわけか。
…でも隠岐の場合は京都に近いほうが道後ですね。これはどういうこと?
それにしても昔の人は上下や前後で区別するのを好んだようです。今は東西南北が流行ですが。
それはさておき、タイトルに使った「対馬島」にも違和感がありませんか?
「対馬島」は離島振興法で使われている「指定地域名」かつ「島名」です。
http://www.mlit.go.jp/crd/chirit/pdf/ichiran1603.pdf
「シマダス」も離島振興センターの本ですからこの名を使っているのですが、屋上屋を重ねた名前という感じです(漢字では重なっていないのに)。
落書き帳の過去ログを検索してもヒットしないところをみると、一般に使われていない「行政地名」のようですね。
国土地理院は「対馬」です。
国土交通省の中なのに、役所の部門が変わると 耳慣れない新しい「行政地名」を作り出す というのでは国民が混乱します。