強風ですが暖い今日の東京。気象庁は 10時すぎに サクラ開花の目安にしている靖国神社の標本木【ソメイヨシノ】で5輪以上の花が咲いているのを確認。「東京でのサクラ開花」を発表。
10数年前には、
春爛漫 桜を見に行こうと題する落書き帳アーカイブズも作られ、各地の桜を話題にしています。
日本だけでなく外国の桜も話題になるところはさすがです。
尾崎行雄
[65669]が東京市長時代に贈ったポトマック川の桜並木
[10964]は有名ですが、少年時代のワシントンが誤って切った桜の木
[11034]は、花見用ではなく「さくらんぼ」用だったのでしょうね。
サハリンのユジノ=サハリンスク(豊原)には日本統治時代に植えた桜が残り、ロシアで唯一桜が咲くとか
[11090]。
国内の桜の名所は多々ありますが、現代の桜の名所は、白石川堤の一目千本桜
[25609]を始めとして、品種的にはソメイヨシノが主流でしょう。
葉が出る前に花だけが咲き誇るこの品種を 江戸郊外染井の植木屋が売り出した時には、古くから有名な桜の名所を流用した「吉野桜」の名が使われました。しかし、吉野山のヤマザクラは花と葉とが同時に付いており、明らかな別品種です。「ソメイヨシノ」と改名されたのは、明治になってからでした
[27015]。
[74415] JOUTOU さん
とある都心の公園で花弁ごと落ちているたくさんの花びらを見てソメイヨシノそのものの寿命が心配に感じた…
接ぎ木により日本全国に広まったソメイヨシノですが、遺伝的には同一のクローン生物です。
戦後の復興期に日本中に植樹されて数十年を経過。
ソメイヨシノは 根を踏み荒らされ続けただけでなく、伝染病の脅威にも襲われ、ピンチを迎えています。
桜の苗木を生産している 日本花の会 研究員・西山正大さんのお話
2017年放送のTBSラジオ
うちの農場では、もうソメイヨシノの苗木は生産していません!!
同じクローンなので「テング巣病」と言う伝染病にかかりやすい。ソメイヨシノらしい景観を残しつつ、テング巣病を広めないために、「ジンダイアケボノ」をソメイヨシノの代替品種とする方針を進めている。
開花の時期も1日2日の差で、花を咲かした後に葉を展開するので、ソメイヨシノとほとんど同じように見られる。
ワシントンに贈ったソメイヨシノから実生で育てた「Akebono」という桜。これを日本に逆輸入して、神代植物公園に植えたところ、神代生まれの変種ができ、1991年に新品種として認定された。
「ジンダイアケボノ」と命名された新品種は、母のソメイヨシノ【父の素性は不明】と比べると少し小ぶりで、花のピンク色は少し濃いがよく似ているとのこと。
既に千鳥ヶ淵など各地に植えられているようです。
ソメイヨシノは病気問題だけでなく、大木になりすぎる。これも街路樹としては敬遠される理由のようです。
蛇足:
「Akebono」が使われているタイトルは、武島羽衣作詞・滝廉太郎作曲の名曲「花」の2番から。
この歌曲は、東京都墨田区「区民の愛唱歌」。