トカラ列島
[58582]、喜界島
[58876]、奄美大島
[58906]と続けたので徳之島で締めくらせて下さい。
ご興味がありましたらお読み下さい。
徳之島へ行く方法は以下があります。
(1)飛行機:鹿児島から毎日2便 (M81:163人乗)
(2)飛行機:奄美大島から毎日2便(サーブ340B:36人乗)
(3)フェリー亀徳港: 鹿児島→名瀬→亀徳→和泊(沖永良部)→与論→本部→那覇 毎日1便
(4)フェリー平土野港:鹿児島→喜界→名瀬→古仁屋→平土野→知名(沖永良部)2~3日に1便、うち三分の一は平土野止まり
私は奄美大島の古仁屋から(4)で徳之島入りをし(1)で鹿児島に戻りました。
(4)は2800トンの「フェリーきかい」で360人の総定員に対し乗客はたったの5人と軽トラック1台だけでした。帰りの(1)はほぼ満席でした。なおたまたま鹿児島からの(3)到着時に亀徳港で見ていたら100人くらいの下船と30人くらいの乗船がありました。
平土野の港では1台だけ待っていたタクシーが誰も乗らないので役場の方に向かって歩いていた私を追いかけてきて、島の中心亀津までバス料金で行くから乗ってくれと言ってきました。こちらは公共交通を乗りにわざわざ遠くまで来たのに料金が安いからと言ってタクシーに乗るわけには行かず、と言って説明してもわかってもらえそうにないので、すぐ近くに用があるので歩いているのだと言って断わりました。
徳之島の路線バスは徳之島総合陸運(株)が運行しています。この会社は他にも観光バスやタクシー、航空代理店、燃料スタンドなどを経営しており、私が泊まったホテル、グランド・オーシャン・リゾートもこの会社のものでした。路線バスは8系統あるのですが、今年(2007年)4月1日より亀津~空港線 亀津~犬田布線以外の6系統が地方公共交通特別対策事業(県単独補助事業)による廃止路線代替バスへと移行しています。
南海日日新聞2007.4.2記事 またこの時にダイヤ変更をしており、私はそのことを知らず変更前のもので計画していたので少々戸惑いました。
徳之島には天城、伊仙、徳之島の3町があり、当初予定はこの順番に、すなわち反時計まわりにバスを乗り継ぐものでしたが、天城・伊仙間が減便になり、徳之島町の亀津に出てから伊仙まで往復するという、バス料金が余計にかかるものとなってしまいました。
廃止路線代替バスは一瞬見ただけですが、同じような車体で代替バスという表記がなされていたくらいだったと思います。経営体は変わったものの車両や運転手を含めて徳之島総合陸運(株)に一括アウトソーシングしているのではないでしょうか。
バスの時刻表はここから見ることができます。
乗車経路は以下の通りです。
5/18 (金)
古仁屋 | 10:50 → 13:07 | 平土野 | フェリーきかい | 2256天城町 |
平土野 | 14:07 → 14:54 | 亀津 | 徳之島総合陸運バス |
亀津 | 15:00 → 15:31 | 伊仙町役場 | 徳之島総合陸運バス | 2257伊仙町 |
永野商店前 | 17:10 → 17:35 | 亀津 | 徳之島総合陸運バス | 2258徳之島町 |
5/19 (土)
亀津(ホテル前) | 10:45 → 11:35 | 徳之島空港 | 徳之島総合陸運バス |
徳之島空港 | 12:28 → 13:25 | 鹿児島空港 | JAL3794 |
鹿児島空港 | 16:19 → 17:58 | 羽田空港 | ANA628 |
以下徳之島の印象です。
平土野から亀津へのバスは空港発の小型バスで乗客は私1人でした。島の中央部を横断し東海岸の花徳というところに出てそこからサンゴ礁の続く海岸沿いに走り亀津に着きました。
想像していた以上に大きな島という印象で、中央部など広い高原状になっています。バスの運転手の話では、この島は奄美大島よりも耕地面積が広く、以前は米の二期作を行っていたが、政府の転換奨励で今は砂糖キビを作っている。雨も多く島の南部を除いては干ばつの恐れは少ないが、それでも現在奄美群島内では最大規模のダムを建設中で、今この島内にあるすべてのダムの貯水量を足したものよりもはるかに大きく、2011年度の完工予定に対し進捗率は50%だが、ここに来てこんな大きなダムがはたして必要かという議論が起きているそうです。亀津のバスターミナルは一方通行の狭い道に商店一軒分だけの今にも崩れ落ちそうな古い木造の待合室があるだけの建物でした。
なお平土野港入港直前に船上から正面の小高い丘の上にイスラム寺院のような金ピカに輝く大きな丸屋根と尖塔をもった新興宗教の総本山のような建物が見えました。山上の宮殿に向かうような石段も見え、これが天城町の町役場でした。
いろいろな珍しい形の庁舎を多く見てきましたが、今までで最も驚かされたものでした。上陸し近づけば近づくほどますます寺院のような、或いは宮殿のような感じのするものでした。70段くらいの石段を登るとアラビア風の鉄格子の門があり、そこを入ると噴水のある池を囲むようにドームを正面にコの字型にブルーの建物が囲んでいます。柱はすべて円柱でとにかく異国情緒が漂います。経費節減のためか池に水はなく、建物も空調を止めているので全ての窓や入口がオープンになっていました。これで合併して支所にでもなったら、それこそ空洞の多い柱だらけの建物が噴水を囲む、アルハンブラ宮殿のようになってしまうのではないかと思いました。
新聞を賑わす選挙のやり方など政治に熱心な島という印象だったので他の2町もこれと競うような奇抜なものかと半ば楽しみにしていたら、意外にもどちらも古いのままの、特徴のないものでした。バスの運転手は、合併はもうこれ以上国?県?に抵抗できず時間の問題だろうと言っていました。