[98036]サク佐久ぱんだ さん に刺激されて、ボトムランキングに関する記事
[98038]を書き、面積最小の富山県中新川郡舟橋村にも触れました。過去記事を遡ると、アーカイブズ
全国で最も面積の小さい市町村の変遷に収録されている
[39317]グリグリさん の記事に至ります。
これは、平成合併の最盛期と言える 平成17(2005)年度【
[87349]参照】の初頭に記された記事であり、当時の市町村面積ボトム10と、進行中であった合併動向による近未来の変遷を記したものでした。
その結論:
2005年度の1年間に4町1村( #1~#5 )の消滅が予定されており、平成17年度末には 富山県舟橋村・沖縄県渡名喜村・大阪府田尻町が「面積の狭い市町村ベスト(ワースト?)3」になる予定。
この3町村は、以後も自治体の座を維持しており、ボトムランキングに名を連ねている筈です。
しかし、関空島の中央部に位置する大阪府田尻町は、関空2期工事で面積が拡張しているので、現在のボトムランキングでは3位を維持していないのではないか? 現在は何位か?
こんな動機から、
[98038]に
リンクした表を開いてみました。
アレ? 田尻町は ボトム面積#3 の座に居ないだけでなく、#47迄あるリストに見当たりません。
この表は、
[98036]で示されていた
トップランキングの末尾部分について、順番を逆転させた表示であると理解していたのですが、おかしい。
疑問を抱いたまま、無用とは思いますが
[39317]の変遷予想を事後確認する意味で、2006/3/31現在の自治体構成で再表示してみると、#3 田尻町 3.86km2が現れ、当然ながら予想は的中しています。
それは良いのですが、隣のボトム人口に目が行ったら、東京都三宅村が 0【ゼロ】になっています。
なるほど、三宅島噴火で全島の住民が避難した時代
[33529]であったのか… と一旦は早合点。
しかし、これはデータベースが「2004/10/1の推計人口」を用いていたからでした。
三宅島住民への避難指示は、2004年度中の2005/2/1に
解除されており、2005年度には住民の帰島が進んだ結果、2005/10/1の国勢調査人口は、噴火前にはとても及ばないが 2676人 に回復していたのです。
このような事例に接すると、都道府県市区町村データベースの 「2005年度末の自治体構成の人口」に、2005年国勢調査人口が使われず、わざわざ 国勢調査前年の推計人口を使うシステム になっている現状に疑問が湧きます。
推計人口を使う理由は、5年毎しか発表されない国勢調査人口を補間するためでしょう。
「2005年度末の自治体構成」によるデータをリリースした時点では、国勢調査人口が未確定であったという理由で、取り敢えず「2004年度推計人口で代用した」。このように推察します。
短期的は これが正しいとしても、長期的に使うデータベースとしては、
「国勢調査人口が判明した時点以降では、調査日以降の自治体構成データを 差し替え修正する 」。
このような配慮がなされて然るべきではないかと思われます。>グリグリさん、ご検討願います。
「2006/3/31現在の自治体構成」でのボトムランキングで、更に気付いたこと。
人口・面積共にボトム常連と思っている東京都青ヶ島村が見当たりません。
ボトムランキングのデータ脱落は数えあげたらキリがないようです。
順位を逆転させるだけならば簡単と思われるのに、何故? この点も検討をお願いします。
話が逸れてしまいましたが、タイトルに掲げた「田尻町の面積」に戻ります。
一番簡単な確認法は、
[98036]にリンクされている
最新の市町村別人口と共に示されている 1741自治体の面積ランキングのを見ることです。
最下部付近に #1731 大阪府泉南郡田尻町 5.62km2。
ボトムに換算すると、田尻町のランキング順位は、1741-1731+1=11位 になったのでした。
これで止めてもよいのですが、手を付けたついでに、国土地理院の面積調で関西空港関係3市町の面積推移を追ってみました。単位km2
田尻町の面積は、空港用地埋立によって 1.92km2から 5.62km2へと約3倍増。
それでも浦安の約4倍増
[25784]には及ばず。
| 1988年 | 1997年 | 面積増1 | 2015年 | 面積増2 |
泉佐野市 | 50.89 | 54.38 | 3.49 | 56.51 | 2.13 |
田尻町 | 1.92 | 3.86 | 1.94 | 5.62 | 1.76 |
泉南市 | 44.42 | 47.34 | 2.92 | 48.98 | 1.64 |
合計 | 97.23 | 105.58 | 8.35 | 111.11 | 5.53 |
【注】
1988年:埋立前の各自治体面積と推察 第1期埋立中の1995/1/17に阪神淡路大震災
1997年:第1期埋立完成時の面積 面積増1の合計は 空港第1期 515haより広いが理由は不詳
2015年:第2期埋立完成時の面積 面積増2の合計は 空港第2期 545haとほぼ一致する