都道府県市区町村
「未開人」編集長による都道府県市区町村・第四弾マガジン

他県の生活圏に属する地域

トップ > 未開マガジン > 他県の生活圏に属する地域
記事数=7件/登録日:2025年11月18日

都道府県境は通例山や川といった自然環境に従い引かれていますが、日常的な生活圏が都道府県を跨ぐこともあります。
今回の特集は「他県の生活圏に属する地域」についてです。
自治体全体が他県に属すると言われる事例は「神奈川県町田市」と呼ばれることもある東京都の町田市や「愛知県木曽岬町」と呼ばれることもある三重県木曽岬町が有名ですが、今回はそれよりも小さな、自治体の一部のみが該当する事例を挙げていきます。

具体的に「生活圏」を定義するのは大変難しいのですが、市外局番や郵便番号、電力会社の管轄、学校の校区といったことが挙げられます。ひとまずいくつか事例を並べてみます。

・小坂町十和田湖
・七ヶ宿町稲子
・栃木市藤岡町下宮
・嬬恋村高峰高原
・伊勢崎市境島村
・熊谷市妻沼小島
・秩父市吉田太田部
・相模原市緑区小渕(藤野台団地)
・村上市伊呉野
・南魚沼市湯之谷
・宝達志水町沢川
・あわら市吉崎
・北杜市白洲町大武川
・道志村月夜野
・佐久市広川原・馬坂
・栄村秋山郷
・小谷村姫川温泉
・郡上市白鳥町石徹白
・熱海市泉
・南木曽町下切
・白川村小白川
・関ヶ原町今須
・津市美杉町太郎生
・名張市葛尾
・京都市山科区四ノ宮小金塚
・京都市左京区久多
・京都市西京区大原野出灰町
・京都市伏見区醍醐三ノ切
・東大阪市生駒山上
・豊能町西部
・赤穂市福浦
・十津川村竹筒・七色
・岩出市境谷
・観音寺市豊浜町箕浦
・今治市関前岡村
・宿毛市山北
・日田市前津江町柚木

暫定的に特集を作りますが、どこかでこれらをまとめる記事を書きたいと思っています。

★推奨します★(元祖いいね) Amanda


[6041] 2002年 12月 7日(土)13:42:10NSK さん
郵便番号の例外地域
[5968]Firoさん
[5984]mikiさん
[6023]ニジェガロージェッツさん


>「その他、9件」をすべて教えて下さいませんでしょうか?

この件について、「ぽすたるガイド 新郵便番号簿」の例外地域(20個所)を基に調べてみました。
20個所の内、例外地域に郵便局のあるのは、以下の12地域(福岡県築上郡は1地域に数える)です。

青森県上北郡十和田湖町:018-55(1局)
長野県下水内郡栄村:949-83(1局)
三重県桑名郡木曽岬町:498(1局)
福井県坂井郡金津町:922-06(1局)
京都府京都市左京区520-04(1局)
大阪府三島郡島本町618(2局)
奈良県吉野郡野迫川村648-03(1局)
奈良県吉野郡十津川村647-15(1局)
和歌山県東牟婁郡北山村519-56(1局)
三重県南牟婁郡紀和町647-13(1局)
福岡県築上郡吉富町871(1局)
福岡県築上郡大平村871-09(2局)
福岡県築上郡新吉富村071-09(2局)
長崎県北松浦郡福島町(2局)

この12地域の内、例外地域に集配局があり、かつ集配区域が県境を跨がない(例外地域のみで完結している)のは、次の6局です。

野迫川局(648-03地域)
瀞局(647-15地域)
和気局(647-13地域)
大沼局(519-56地域)
大平局(871-09地域)
福島局(048-04地域)


1988年のポスタルガイドも調べてみました。
既出以外の例外地域で、同一郵便番号地域(集配区域)が県境を跨がないのは、以下の地域です。

茨城県北相馬郡利根町(郵便番号270-12)
栃木県小山市東部(郵便番号307-02)
栃木県上都賀郡足尾町(郵便番号377-05)

さらに、上記の福島局のある長崎県福島町は、1988年当時は郵便番号が859-41で、例外地域ではありませんでした。


このことより、1968年当時の例外9地域に含まれるのは、以下の8地域ではないでしょうか?

茨城県北相馬郡利根町
栃木県小山市(一部地域)
栃木県上都賀郡足尾町
三重県南牟婁郡紀和町
和歌山県東牟婁郡北山村
奈良県吉野郡十津川村
奈良県吉野郡野迫川村
福岡県築上郡大平村・新吉富村

残り1地域は、1988年以前に、例外地域が解消されているのだと思います。


以上、私の推測です。
[30942] 2004年 7月 23日(金)23:50:43【1】hmt さん
山口村がうらやましい
[30910]sutekinaおじさん
南牧村の先に住む39人の生活ぶりが気になります。

タイトルで、信州臼田町ながら田口峠を隔てた馬坂・広川原地区の方の気持ちを代弁させていただきました。

「兜岩山の南面にへばり付くようにして、時には360度以上というヘアピン・カーブを作り…」という峠道に隔てられたこの地区は、行政関係を除く日常生活を完全に群馬県側に依存しているものと思われます。(引用文は[30893]Issieさんとは逆に信州から上州へと田口峠を越えた紀行です。)
この地区の住民の本心としては群馬県への越境合併希望でも、臼田町内の多数決原理の壁が厚く、話題にさえなり得ないのではないでしょうか。長野県や臼田町の領土が減るのは反対などと言わずに、このような地域は群馬県に移管するのが行政の効率化というものだと思うのですが。

地図で見ると長野・群馬県境が地形に対して不自然に曲がっているのがよくわかります。
http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=36.9.29.190&el=138.36.45.405&la=1&fi=1&pref=%b7%b2%c7%cf&skey=%b7%a7%c1%d2&sc=5
田口峠の南東側斜面は、たしかに馬坂川→南牧川→鏑川→烏川→利根川と太平洋に続いています。

[30891]烏川碧碧さんが言われるように「それにしても、どうしてこのような境界になっているものか」不思議です。きっと歴史的ないきさつがあるのでしょうが、私も解明できませんでした。
古代には、諏訪・佐久・上州・奥州を結ぶ交通路の通過地点だったようで、坂上田村麻呂が奥州征討の帰路にこの道を通った記録があるとか。

「39人の生活ぶり」で、ふと 気になったのが電力。中部電力の50Hz地域[28186]を確認してみたら、この地区はありませんね。もしかすると長野県だけど東京電力管内?

分水嶺と県境がずれている有名なケースとして、[30886]N-Hさんが挙げられた野反湖と尾瀬の場合。
住民がいない尾瀬ヶ原には、信州の孤島になってしまっている39人のような問題はないでしょう。
野反湖もキャンプ場はあるが定住している人はなさそうです。
この「湖」、1956年に発電用のロックフィルダムができてからの名前だそうです。
それ以前の自然の状態で存在した水溜りは「野反池」。
語感としては池の方が人工的ですが、逆ですね。ダムで大きくなったから「池」から「湖」に出世したというわけですか。

【1】補足
[30983]むじながいりさん が紹介して下さったサイト“田口峠と県境(群馬~長野)の不思議”に「電気は群馬県から」とありました。民間企業としては当然の対応でしょう。郵便を峠越えで配達しているお役所仕事と対照的ですね。
学校のことも気になっていたのですが、「就学年齢の子供が一人もいない」とのこと。
[48877] 2006年 2月 1日(水)12:10:10【1】有明つばめ さん
市町村合併情報(八女市)+α
 先に両市町議会で合併関連議案を可決していた八女市と八女郡上陽町の両市町は31日、県庁で合併申請書を提出しました。福岡県知事は2月定例議会で合併関連法案を提案するとのことです。西日本新聞福岡県版
 昨年4月の合併新法施行後では、福岡県内初の申請となりました。

 追伸。
「県境を越えて運行されるバス路線」、三大都市圏ではよくある光景かと予想はしていましたが、[48814](かぱぷうさんの投稿)のような事例が近くにあるのは知りませんでした。有難うございます。
 調べてみたところ、旧前津江村の柚木地区は市外局番も福岡県八女郡側と同じ「0943」ですね。

*1 タイトルを一部変更。
[80351] 2012年 2月 28日(火)22:18:50Issie さん
Re:市外局番
[80350] N-H さん
なお、実際に都道府県の境界を越えて同じ市外局番で市内通話でかけられる地域は少数ながら存在します。

たびたび話題になりますが,ウチんところもその例ですね。
細かく見ると都県境・市町村境と一致しない部分がたくさんあるのですが,4ケタ局番の時代から神奈川県相模原市の旧市域と旧城山町・津久井町の区域は東京都町田市と同じ(0427),旧相模湖町・藤野町は八王子市と同じ(0426)。現在はどちらも3ケタ(042)になっているけれども,相模原・町田エリア(042-7)と八王子エリア(042-6)相互は相変わらず市外扱いです。
だから同じ“緑区”でも旧津久井町最西端の青根地区は町田市内と,旧藤野町南西端の牧野(まぎの)地区は八王子市内と“市内通話”扱いになるのに,道志川をはさんで同じ区に属する青根地区と牧野地区の間は“市外通話”扱いになるのですね(厳密には,牧野地区のうち道志川沿いの集落は相模原エリアに属するようです)。
一方,さらに県境を越えた山梨県道志村のうち,最東端の月夜野地区は相模原エリアに属し,つまり県境を2つ越えて町田市内と“市内通話”ができます。つまり,「042-7」は東京・神奈川・山梨の3都県にまたがるのですね。
そして,八王子エリアの旧相模湖町・藤野町は当然ですが,相模原エリア自体も「042」という“神奈川県らしくない”局番が表すように(神奈川県内は横浜市(045)・川崎市(044)以外は「046X」というのが標準です)神奈川支店ではなく東京支店の管内に属するようで。

こうした行政界をはさんだ局番エリアの錯綜はご紹介のページを見ればほかにも多くあるわけで,結局は電話線がどうつながっているか…,そう,そろそろ1年前になるあの計画停電で痛感した電線つながりのエリアの錯綜と通じるものがあるのでしょう。
[83162] 2013年 4月 24日(水)14:34:39hmt さん
高知県宿毛市愛媛県南宇和郡愛南町篠山小中学校組合立篠山小学校
[83160] オーナー グリグリ さん
高知県宿毛市愛媛県南宇和郡愛南町篠山小中学校組合立篠山小学校は、全国でも唯一の2県にまたがる小学校です。

日本一長い校名の由来 によると、戦後に6・3制が施行された少し後に、高知県側、愛媛県側にあったそれぞれの小学校、中学校を 一つにしようという動きが起こり、2県にまたがる学校組合ができたそうです。

当時の学校名は、現在よりも4文字長い「 高知県幡多郡宿毛町愛媛県南宇和郡一本松村篠山小中学校組合立篠山小学校」と「高知県幡多郡宿毛町愛媛県南宇和郡一本松村篠山小中学校組合立篠山中学校」とのこと。

ウオッちず では、県境の篠川沿いに2つの「文」マークが見えますが、2007年に完成した合同校舎で、小学校25人と中学校11人とが 共に学んでいるそうです。

対岸の高知県にも神社などが確認できる集落があり、川を下れば宿毛市街地です。
両岸共に土佐の同じ村であったならば、何も問題なかったのでしょうが、西岸は伊予国宇和島藩領であったために、明治以後も2県に分れて学校問題が生じてしまったのですね。

小さな川が県境になっている場合、とかく問題が生じます。例えば学校問題ではないが、湯河原と熱海市泉地区[79754]

明治の町村制施行から間もない 1891年には、小学校統合による経費節減を理由に埼玉県から東京府に越県合併して 大泉村 を作った事例がありました[62334]

しかし、戦後間もない1949年の愛媛・高知県境のケースでは、一本松村全体には大きな影響を及ぼさない 学校組合方式により 局地的な解決が行なわれたのでした。

おまけ
昔の学校組合には、極めて多数の町村で構成されていたものがあるようです。
さすがに、学校名にはすべての町村名を列挙していませんが、落書き帳に こんな事例が記録されていました。
[16901] 深海魚[雑魚] さん
67箇町村組合立北蒲原尋常中学
[100236] 2020年 9月 1日(火)13:36:15hmt さん
熱海市にある湯河原温泉・泉地区
[100214] N さん  県境表示
私有地内でもよければここやここにも。
[100223] グリグリさん
ニューウェルシティ湯河原は熱海市にありながら湯河原を名乗っているのですね。

昭和合併で、県境変更が実現しなかった 有名な事例の一つでした。

hmtマガジン「県境」の変更に収録されている過去記事[79754]を、関連記事と共に紹介しておきます。

[38323] 2005年3月5日 白桃さん   神奈川県宿泊のつもりが静岡県だった
[79754] 2011年12月21日 hmt   県境の変更 (8)実現しなかった県境変更 熱海市泉地区
[79764] 2011年12月24日 伊豆之国さん  「久」しぶりに「伊豆」の話題ですが‥
[80350] 2012年 2月 28日 N-H さん   市外局番の越境 NTT東西の境界も越境している珍しい地域
[80521] 2012年 4月 11日 hmt  (県境が 泉越トンネルの尾根でなく、千歳川に決められた理由)
[82792] 2013年 1月 25日 白桃さん   湯の町エレジー
[83162] 2013年 4月 24日 hmt    (小さな川が県境になっている場合、とかく問題が生じます。)
[98587] 2019年 11月 23日 hmt    Re:郡の境界変更案に関する調査
[116276] 2025年 11月 18日(火)07:36:46未開人 さん
新たな特集「他県の生活圏に属する地域」
未開マガジンの新たな特集として「他県の生活圏に属する地域」をリリースしました。
今年初め頃に用意していたのですがどうまとめるか苦心していました。ですがこれをきっかけに話が盛り上がったりしたら嬉しいという狙いもあります。

これらの地域の中でも特に他県とのつながりが深いと思われる箇所を5つ挙げておきます。

藤岡町下宮
改めて説明不要?な有名スポットです。どちらかというと平地の三県境の文脈で語られることが多いですが、Wikipediaを見ても郵便・電話・学校・水道・救急など基本的インフラはほぼ全て加須市が担っています。過去には加須市への編入議論もありました。([79401][79525]など)

十津川村竹筒
こちらも有名スポットでしょうか。こちらも和歌山県の飛び地と三県境に絡む場所ですが、生活圏は完全に新宮市(熊野川町)圏内です。(Wikipedia

宝達志水町沢川
こちらは知名度はかなり低いと思われますが、過去にEMMさんが話題に上げています。([75250])通学事務が高岡市に委託されていることがわかりますが(宝達志水町立学校通学区域に関する規則)、現在ではほぼ消滅集落となっているようです。

日田市前津江町柚木
こちらも知名度は高くはないでしょうか?[48877]で当時福岡側からのバスが通っていたことがわかります。2009年に小学校が閉校となった際、うきは市の学校が生徒を受け入れたようです。(参考

秩父市吉田太田部
生活圏は群馬県の神流町・藤岡市(鬼石町)に属するようです。小学校は地元に分校があったが閉校。中学校は万場中学校に委託されていたようです。尤も現在では子供もいなくなったと思われます。

この5箇所は郵便・電話・学校の全てが他県に委託している地区になります。

これに関連する話題ですが、2県にまたがる組合立の高知県宿毛市愛媛県南宇和郡愛南町篠山小中学校組合立篠山小・中学校は閉校になることが決まっています。(あいテレビ

この特集記事はあなたのお気に召しましたか。よろしければ推奨してください。→ ★推奨します★(元祖いいね)
推奨するためには、メンバー登録が必要です。→ メンバー登録のご案内


都道府県市区町村
「未開人」編集長による都道府県市区町村・第四弾マガジン

パソコン表示スマホ表示