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政令市、中核市、特例市・・・ “市”の制度について考える

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記事数=36件/更新日:2005年8月18日/編集者:YSK

一口に“市”といっても、政令指定都市、中核市、特例市、一般の市と、いくつかの種類があります。政令市の拡大や、“市”の間の規模の較差の拡大、合併による特例による市の増加の兆候など、“市”を巡っていろいろな変化があるようです。“市”制度についての熱い議論をまとめました。

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[43094]2005年7月17日
百折不撓
[25608]2004年3月1日
YSK
[14482]2003年5月1日
BANDALGOM
[11805]2003年3月25日
seahawk
[11799]2003年3月25日
三鈴
[11792]2003年3月25日
seahawk
[8515]2003年1月31日
BANDALGOM
[8484]2003年1月30日
seahawk
[8482]2003年1月30日
BANDALGOM
[8171]2003年1月25日
蘭丸
[8127]2003年1月24日
蘭丸
[8037]2003年1月22日
蘭丸
[8012]2003年1月21日
BANDALGOM
[7877]2003年1月18日
蘭丸
[7810]2003年1月17日
そゆーず
[7802]2003年1月17日
ken
[7795]2003年1月17日
ken
[6816]2002年12月22日
蘭丸
[3862]2002年10月14日
蘭丸
[3824]2002年10月13日
だいてん
[3764]2002年10月10日
蘭丸
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黒髪
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ケン
[2784]2002年8月26日
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[2781]2002年8月26日
黒髪
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黒髪
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Firo
[2770]2002年8月25日
ケン
[2764]2002年8月25日
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[2456]2002年8月9日
ムンク
[370]2001年9月8日
Issie
[369]2001年9月8日
Issie
[176]2001年2月26日
ザラス
[164]2001年2月19日
Issie

[43094] 2005年 7月 17日(日)10:25:22【1】百折不撓 さん
法律と条例で決まっています。
[43091] やす さん
区、市、町、村。
この四つはどうやってきめられ、わけられているんでしょうか?

地方自治法第1条の3第2項の規定により、市町村は「普通地方公共団体」、第3項の規定により、特別区は「特別地方公共団体」と定められています。
第1条の3 地方公共団体は、普通地方公共団体及び特別地方公共団体とする。
2 普通地方公共団体は、都道府県及び市町村とする。
3 特別地方公共団体は、特別区、地方公共団体の組合、財産区及び地方開発事業団とする。

市町村の区域については、地方自治法第5条第1項の規定により、「(法律制定の昭和22年当時の)従来の区域」とされています。
第5条 普通地方公共団体の区域は、従来の区域による。

また、特別区の区域についても地方自治法第283条第1項の規定により、市町村と同様「従来の区域」と思われます。
第283条 この法律又は政令で特別の定めをするものを除くほか、第2編及び第4編中市に関する規定は、特別区にこれを適用する。
第5条は第2編にあります。


そして政令指定都市の区は、地方自治法第252条の20第1項の規定により、それぞれ条例で定めることになっています。そしてその区域は同条第2項の規定により、同じく条例で定めることになっています。
第252条の20 指定都市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて区を設け、区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くものとする。
2 区の事務所又はその出張所の位置、名称及び所管区域は、条例でこれを定めなければならない。

例:名古屋市
区の設置並びに区の事務所の位置、名称及び所管区域に関する条例
[25608] 2004年 3月 1日(月)21:57:43【1】YSK[両毛人] さん
素晴らしいリスト
[25606]稲生さん
中核市・特例市について
Issie先生のサイトに、草加市の特例市移行予定も含めた詳細なリストがあります。
http://www.tt.rim.or.jp/~ishato/tiri/cities/tyukaku.htm

Issieさん、先に紹介してしまって申し訳ございません・・・。

【追記】
旧静岡市は、1996.4.1に中核市に、また清水市は2001.4.1に特例市に、それぞれ移行していましたが、両市は合併して新・静岡市となった(2003.4.1)ため、一旦指定はリセットされ、2003.4.1に改めて新・静岡市が中核市に指定される、という経緯があったようです。
[14482] 2003年 5月 1日(木)14:24:37BANDALGOM[月の輪熊] さん
都市政策の一環としての政令指定都市
[14281]ごろごろさん
堺市も湘南地域も府県庁所在地ではなく、堺市は大阪の衛星都市、湘南地域は東京、横浜の衛星都市に過ぎないので政令指定都市の実現は難しいと前々から思っていました。そして今回、両市とも挫折という結果になったのですが、付近住民の意見としては、反対が多かったのでもう政令指定都市という時代ではないのかもしれません。
(中略)
私はわざわざ合併しなくても現存の規模のままでも十分だと思います。住民投票の結果からも付近住民も政令指定都市化には積極的ではなく、むしろ現在の市域のままのほうが行政サービスもしやすいのではないのでしょうか。
湘南地域はともかく、現在の政令指定都市についての要件緩和措置がある以上、堺市は美原町と合併すれば政令指定都市になるでしょう。

政令指定都市はもともと旧五大市(横浜・名古屋・京都・大阪・神戸)のために用意されたもので、その後地方中枢都市などに拡大してきましたが、決してこれらの都市が独占するものではなく、人口の多い大都市圏でも、都市政策の一環として考える必要があると思います。

大都市圏の中小都市は都道府県から自立する必要があります。
一般的に都道府県は財源を農漁村地域に優先配分しますし(千葉県や愛知県はそれが特に顕著といわれますが)、その中で大都市圏の中小都市は基盤整備が遅れがちです。

3年前の東海大水害では、名古屋市内の被災地域と市外の被災地域で、災害復旧の程度に格差が目立ったといわれますし、それで名古屋市への編入を求める住民の声も高まったといいます。
また、千葉県の北西部でも道路の整備が他地域に比べ遅れていますが、このような問題の解決のためには、政令指定都市になることによって県から自立して、市の権限・財源などで取り組んでいく必要性もあるのです。

また人口規模が拡大すれば、一般市町村の本庁-支所体制だけでは住民のニーズに対応できなくなる部分も多く出てきますし、それに対応するために行政区を設けて対応していく必要もあります。

「現在の市域のままのほうが行政サービスもしやすい」というのは、我孫子市が住民を合併反対に誘導するために使った口実でもありますが、これは役所の御都合主義であることもままあります。
もちろん、武蔵野市や三鷹市、芦屋市などのように、現在の市域のままでもうまくやっていける都市も存在しますが、そうでない都市もたくさんありますし、これからは地方分権に続く「都市内分権」が検討されています。

なんでも役所に頼るのではなく、住民たちに出来ることは地域の住民組織やNPO、ボランティア団体などで対応していく方向になるでしょうから、「現在の市域のままのほうが行政サービスもしやすい」という考え方も変わっていくでしょう。
[11805] 2003年 3月 25日(火)18:07:16seahawk さん
政令指定都市、細かい権限について
政令指定都市の細かい権限委譲の概要です。主なものを挙げてみます。

事務の区分政令指定都市中核市特例市一般市町村
●法令の規定による権限の委譲
◎民政行政に関する事務
☆社会福祉法に関する事務
福祉事務所の設置任意
☆生活保護法に関する事務
生活保護の実施
☆児童福祉法に関する事務
児童相談所の設置、児童自立支援施設の設置
民間の児童福祉施設の設置許可等
☆身体障害者福祉法に関する事務
身体障害者更正相談所の設置
身体障害者に対する保護措置等
☆知的障害者福祉法に関する事務
知的障害者更正相談所の設置
知的障害者に対する保護措置等
☆母子および寡婦福祉法に関する事務
母子相談員の設置
母子寡婦福祉資金の貸し付け
母子家庭、妊産婦等への相談・指導
☆老人福祉法に関する事務
養護老人ホームの設置許可への相談・指導
◎保健衛生行政に関する事務
☆食品衛生法に関する事務
規格が定められた食品等の製品検査の実施
飲食店営業等の施設にかかる基準の設定
飲食店営業の許可
☆墓地、埋葬等に関する法律に関する事務
墓地等の経営の許可
墓地等に対する整備、改善命令等
☆化製場等に関する事務
化製場等の設置の許可等
化製場等への立ち入り検査、措置命令等
☆精神保健および精神障害者福祉に関する事務
精神障害者等への入院措置
精神障害者保険福祉手帳の交付
精神保健福祉相談員の設置
☆結核予防法に関する事務
定期外の結核予防接種等の実施
結核伝染家屋等への消毒等の措置命令
結核に係る指定医療機関の指定等
☆毒物および劇物取締法に関する事務
毒物および毒物の販売業の登録等
☆死体解剖保存法に関する事務
死体保存の許可
☆温泉法に関する事務
温泉を公共の浴用または飲用に供するにあたっての許可等
◎都市計画等に関する事務
☆都市計画法に関する事務
都市計画の決定
開発審査会の設置
市街化区域または市街化調整区域内の開発行為の許可
都市計画施設または市街地開発事業の区域内における建築の許可
☆都市再開発法に関する事務
市街地再開発事業の施行地区内における建築等の許可等
測量および調査のための土地の立ち入り等の許可等
☆宅地造成等規制法に関する事務
宅地造成工事規制区域の指定等
宅地造成の規制区域内における宅地造成工事の許可
☆土地区画整理法に関する事務
土地区画整理組合の設立の許可
土地区画整理事業の施行地区内の建築行為等の許可等
☆住宅地区改良法に関する事務
住宅地区改良事業の改良地区内おける建築等の許可等
☆屋外広告物法に関する事務
屋外広告物の条例による設置制限
違反に対する措置等
☆駐車場法に関する事務
都市計画区域内における路外駐車場管理者からの届け出の受理等
☆地方拠点都市地域の整備および産業業務施設の再配置の促進に関する法律に関する事務
拠点整備促進区域における建築等の許可
☆被災市街地復興特別措置法に関する事務
被災市街地復興推進地域における建築等の許可等
☆都市緑地保全法に関する事務
緑地保全地区における行為の許可等
☆多極分散型国土形成促進法に関する事務
振興拠点地域基本構想の作成等
業務核都市基本構想の作成等
促進協議会の設置等
◎土木行政に関する事務
☆道路法に関する事務
市内の指定区間以外の国道の管理
市内の県道の管理
◎文教行政に関する事務
☆地方教育行政の組織および運営に関する法律に関する事務
県費負担教職員の任免、給与の決定
県費負担教職員の研修
☆文化財保護法に関する事務
埋蔵文化財包蔵地域における土木工事の届け出受理、発掘調査指示
史跡・名勝・天然記念物の軽微な形状変更等の許可・取り消し・停止命令
◎環境保全行政に関する事務
☆大気汚染防止法に関する事務
大気汚染の防止に関する事務
☆騒音規制法に関する事務
騒音規制地域の指定等
騒音防止に係る関係行政機関の長への協力要請等
☆悪臭防止法に関する事務
悪臭原因物排出規制地域の指定等
悪臭防止に係る関係行政機関の長への協力要請等
☆振動規制法に関する事務
振動規制地域の指定等
振動防止に係る関係行政機関の長への協力要請等
☆水質汚濁防止法に関する事務
水質防止法に規定する特定施設の設置の届出等
水質汚濁の防止に係る関係行政機関の長への協力要請等
◎産業に関する事務
☆計量法に関する事務
計量法に基づく勧告、定期検査等
特定商品の販売の事業を行うものに対する勧告、好評、命令等
☆商店街振興組合法に関する事務
商店街振興組合等の設立許可等
☆商工会議所法に関する事務
商工会議所の負担金の賦課許可等
☆流通業務市街地の整備に関する法律に関する事務
流通業務地区内の施設許可等
☆土地改良法に関する事務
農業協同組合等が土地改良事業を行う場合の認可等

また、保健所を設置している市は多少特殊な部分があるそうです。

[11795]カッパーさん
[11799]三鈴さん
[11800]えっすさん
[11803]uttさん
レスありがとうございます。今日はもう時間が無くてレスができません。ほんとうにごめんなさい。明日まとめてしたいと思います。
カッパーさん、自分でも意味が分からなくなったとおっしゃっていましたが、なんかとてもいい意見だと思うんです。もう少し、考えをまとめてくだされば中間意見に盛り込めると思います。もしよかったら、もう1回その意見について教えてくれませんか?期待しています!
ひきつづき、政令指定都市についての意見よろしくお願いします。
[11799] 2003年 3月 25日(火)14:28:45三鈴 さん
新たな都市制度
[11791]seahawk さん
引き続き、政令指定都市についてのレスをたくさん寄せてください。よろしくお願いします。
ということなので、私も、[11792]で挙げられている地方自治法の条文などを参照しながら、意見を述べさせていただきたいと思います。

まず、指定の要件とその手続から見てみたいと思うのですが、
中核市では、地方自治法第252条の23という独立した条文で、要件が明確に規定されているのに対して、
政令指定都市と特例市は、それぞれの権能について規定している同法第252条の19と第252条の26の3で、
政令で指定する人口○○万人以上の市は‥と書かれているのみで、独立した要件規定を持っていない
という違いが、目に付きます。

つまり、中核市になるための要件は明確で、この要件を満たしていれば、
所定の手続きに則って中核市の指定を受けられるものと解せるのに対して、
政令指定都市と特例市の場合は、実際に人口○○人以上のどの市を指定するかは
政令(つまり政府の判断)に白紙委任されているように、読めるわけです。

もっとも、特例市については、地方自治法第252条の26の4で、
中核市の指定に係る手続について定めている同法第252条の24を準用することが定められていますから、
中核市同様、市議会の議決と都道府県議会の議決を経た同意を得た上で申し出る
という手続を踏めば、当然に指定されるものと解せますので、政府の裁量の入る余地は乏しく
行政の透明性は担保されていると言えましょう。

問題は、政令指定都市の指定に係る手続です。
政令指定都市制度について書かれている地方自治法の第12章第1節には、
実は、指定の手続に関する規定が、一切書き込まれていません。
何の根拠規定もないために、この指定は、政府(実際にはこの関係事務を担う旧自治省官僚)の
恣意に委ねられてしまっているように思われるのです。

行政の手続の透明性ということから考えても、地方自治体の自治という観点からいっても、
この点は、改められるべきではないかと、考えます。
すなわち、政令指定都市についても、
中核市の指定に係る手続について定めている地方自治法第252条の24の規定を準用するような条文を設け、
市が指定を望み、その属する都道府県の同意が得られるならば、政府の裁量の余地なく指定されるように
改めるべきだと思うのです。

さて、このように書きますと、
そのように市の主体性に任せてしまうと政令指定都市が粗製濫造されてしまうのではないか、
既存の政令指定都市(の威厳や風格!?)とのバランスを失するのではないか、
といったご批判を受けそうです。

そこで、文字通り大都市と呼べるような都市については、
政令指定都市よりもさらに権能が拡充される都市制度を新設することを、考えてみたいと思います。

地方自治法第252条の22の、中核市の権能についての規定や、
同法第252条の26の3の、特例市の権能についての規定をご覧いただくとわかるように、
これらの市の権能は、いずれも、政令指定都市の権能からの引き算になっています。
人口50万以上の市に対して、中核市以上政令指定都市未満の「政令指定都市2軍」的な制度を設ける
という考え方もあろうかとは思いますが、政令指定都市と中核市との間に、
敢えて新たな都市制度を設けて、さらに微妙な権能の差を設けることは、
都市の格付けといった意味はあるにしても、あまり実態的な意味はないように思えてなりません。

それよりも、既存の政令指定都市が、さらなる権限移譲を求めてきている経緯を踏まえると、
政令指定都市よりもさらに権能が拡充される都市制度を新設することのほうが、
地域で出来ることはできるだけそれぞれの地域の判断に任せるという、分権・自治といった発想からも、
望ましいのではないかと考える訳です。

とはいえ、既存の政令指定都市の権能をさらに充実させたら、
それはもう、「県そのもの」なのではないか という見方もあるでしょう。

指定都市事務局は、道府県との「二重行政」の解消や税財源の移譲などを、国へ要望しているようで、
必ずしも、この要望に沿う形で権能を充実させても、「県そのもの」ではないとは思いますが、私は正直、
一定の規模の大都市は、かつて議論された特別市や、韓国の広域市のように、完全に道府県から独立した、
「県そのもの」になってしまってもいいのではないかと、思っています。

となるともちろん、大都市部に独立されてしまった道府県の残余の部分は、どうするか
という、かつて特別市制度が論じられた当時に問題となった懸念が、再浮上してくるでしょう。
この懸念に対しては、私は、2つの考えをもっています。

1つは、財政調整制度(交付税制度)があるので、残余の部分だけでも、
既存の他の県に比して、全く立ち行かなくなるという道府県はないのでは‥というものです。
そしてもう1つは、大都市に独立されてしまうことで、これが都道府県の合併の呼び水になり、
国のブロック出先機関の持っている権限の移譲を受けるための受け皿が整備されて道州制に一歩近づくのでは‥
というものです。

さて、この「県そのもの」となれる大都市=特別市の要件ですが、条文っぽく書きますと
1.人口100万以上を有すること
2.当該市の人口が200万未満の場合にあっては、最近の国勢調査の結果による当該市の従業地・通学地による人口を当該国勢調査の結果による当該市の常住地による人口で除して得た数値が1を超えること(つまり昼夜間人口比が100以上)
といった要件を考えています。

ちなみに、このような規定ですと、大都市=特別市の対象となるのは、
横浜、大阪、名古屋、札幌、神戸、京都、福岡、広島、北九州、仙台の10市となり、
川崎、さいたま、千葉の各政令指定都市が、対象から外れることとなります。

なお、道府県から独立した大都市=特別市の場合、都道府県-市区町村の2層の自治を有する
他地域と異なり、
そのままでは1層の自治体となってしまいますので、現在の行政区を、公選の区長・議会を有する
東京特別区型の自治体としてはどうかと、考えています。

以上、長々と私見にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
また、この私見に対するご意見を、お寄せいただけましたら幸いです。
[11792] 2003年 3月 25日(火)12:21:53seahawk さん
法律で考える都市制度のあり方
地方自治法を載せました。法律を丸写しで失礼ですが、今後落書き帳での都市制度議論に役立つと思います。参考になさってください。

地方自治BR> (指定都市の権能)
第252条の19 政令で指定する人口50万以上の市(以下「指定都市」という。)は、次に掲げる事務のうち都道府県が法律又はこれに基づ政令の定めるところにより処理することときれているものの全部又は一部で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理し又は管理し及び執行することができる。
1.児童福祉に関する事務
2.民生委員に関する事務
3.身体障害者の福祉に関する事務
4.生活保護に関する事務
5.行旅病人及び行旅死亡人の取扱に関する事務
5の2.社会福祉事業に関する事務
5の3.知的障害者の福祉に関する事務
6.母子家庭及び寡婦の福祉に関する事務
6の2.老人福祉に関する事務
7.母子保健に関する事務
8.削除
9.食品衛生に関する事務
10.墓地、埋葬等の規制に関する事務
11.興行場、旅館及び公衆浴場の営業の規制に関する事務
11の2.精神保健及び精神障害者の福祉に関する事務
12.結核の予防に関する事務
13.都市計画に関する事務
14.土地区画整理事業に関する事務
15.屋外広告物の規制に関する事務

【政令】
《改正》平10法110
《改正》平10法114
《改正》平11法087

2 指定都市がその事務を処理するに当たつて、法律又はこれに基づく政令の定めるところにより都道府県知事若しくは都道府県の委員会の許可、認可、承認その他これらに類する処分を要し、又はその事務の処理について都道府県知事若しくは都道府県の委員会の改善、停止、制限、禁止その他これらに類する指示その他の命令を受けるものとされている事項で政令で定めるものについては、政令の定めるところにより、これらの許可、認可等の処分を要せず、若しくはこれらの指示その他の命令に関する法令の規定を適用せず、又は都道府県知事若しくは都道府県の委員会の許可、認可等の処分若しくは指示その他の命令に代えて、各大臣の許可、認可等の処分を要するものとし、若しくは各大臣の指示その他の命令を受けるものとする。
《改正》平11法087

(区の設置)
第252条の20 指定都市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて区を設け、区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くものとする。

2 区の事務所又はその出張所の位置、名称及び所管区域は、条例でこれを定めなければならない。

3 区の事務所又はその出張所の長は、事務吏員を以つてこれに充てる。

4 区に選挙管理委員会を置く。

5 第4条第2項の規定は第2項の区の事務所又はその出張所の位置及び所管区域に、第175条第2項の規定は第3項の機関の長に、第2編第7章第3節中市の選挙管理委員会に関する規定は前項の選挙管理委員会について、これを準用する。

6 前5項に定めるものの外、指定都市の区に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

(政令への委任)
第252条の21 法律又はこれに基づく政令に定めるもののほか、第252条の19第1項の規定による指定都市の指定があつた場合において必要な事項は、政令でこれを定める。

☆中核市に関する特例

(中核市の権能)
第252条の22 中核市(次条に掲げる要件を備えた市であつて政令で指定するものをいう。以下同じ。)は、第252条の19第1項の規定により指定都市が処理することができる事務のうち、都道府県がその区域にわたり一体的に処理することが中核市が処理することに比して効率的な事務その他の中核市において処理することが適当でない事務以外の事務で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる。
《改正》平11法087

2 中核市がその事務を処理するに当たつて、法律又はこれに基づく政令の定めるところにより都道府県知事の改善、停止、制限、禁止その他これらに類する指示その他の命令を受けるものとされている事項で政令で定めるものについては、政令の定めるところにより、これらの指示その他の命令に関する法令の規定を適用せず、又は都道府県知事の指示その他の命令に代えて、各大臣の指示その他の命令を受けるものとする。
《改正》平11法087

(中核市の要件)
第252条の23 中核市となるべき市が備えなければならない要件は、次のとおりとする。
1.人口30万以上を有すること。
2.当該市の人口が50万未満の場合にあつては、面積(国土地理院において公表した最近の当該市の面積をいう。)100平方キロメートル以上を有すること。

《改正》平11法087
《改正》平11法160
《改正》平14法004

(中核市の指定に係る手続)
第252条の24 総務大臣は、第252条の22第1項の中核市の指定に係る政令の立案をしようとするときは、関係市からの申出に基づき、これを行うものとする。
《改正》平11法160

2 前項の規定による申出をしようとするときは、関係市は、あらかじめ、当該市の議会の議決を経て、都道府県の同意を得なければならない。

3 前項の同意については、当該都道府県の議会の議決を経なければならない。

(政令への委任)
第252条の25 第252条の21の規定は、第252条の22第1項の規定による中核市の指定があつた場合について準用する。

(指定都市の指定があつた場合の取扱い)
第252条の26 中核市に指定された市について第252条の19第1項の規定による指定都市の指定があつた場合は、当該市に係る第252条の22第1項の規定による中核市の指定は、その効力を失うものとする。

(中核市の指定に係る手続の特例)
第252条の26の2 第7条第1項の規定により中核市に指定された市の区域の全部を含む区域をもつて市を設置する処分について同項の規定により総務大臣に届出があつた場合は、第252条の24第1項の関係市からの申出があつたものとみなす。
《追加》平11法087
《改正》平11法160

☆特例市に関する特例

 《節追加》平11法087

(特例市の権能)
第252条の26の3 政令で指定する人口20万以上の市(以下「特例市」という。)は、第252条の22第1項の規定により中核市が処理することができる事務のうち、都道府県がその区域にわたり一体的に処理することが特例市が処理することに比して効率的な事務その他の特例市において処理することが適当でない事務以外の事務で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる。
《追加》平11法087

2 特例市がその事務を処理するに当たつて、法律又はこれに基づく政令の定めるところにより都道府県知事の改善、停止、制限、禁止その他これらに類する指示その他の命令を受けるものとされている事項で政令で定めるものについては、政令の定めるところにより、これらの指示その他の命令に関する法令の規定を適用せず、又は都道府県知事の指示その他の命令に代えて、各大臣の指示その他の命令を受けるものとする。
《追加》平11法087

(特例市の指定に係る手続)
第252条の26の4 第252条の24の規定は、前条第1項の規定による特例市の指定に係る政令の立案について準用する。
《追加》平11法087

(政令への委任)
第252条の26の5 第252条の21の規定は、第252条の26の3第1項の規定による特例市の指定があつた場合について準用する。
《追加》平11法087

(指定都市又は中核市の指定があつた場合の取扱い)
第252条の26の6 特例市に指定された市について第252条の19第1項の規定による指定都市の指定又は第252条の22第1項の規定による中核市の指定があつた場合は、当該市に係る第252条の26の3第1項の規定による特例市の指定は、その効力を失うものとする。
《追加》平11法087

(特例市の指定に係る手続の特例)
第252条の26の7 第7条第1項の規定により特例市に指定された市の区域の全部を含む区域をもつて市を設置する処分について同項の規定により総務大臣に届出があつた場合は、第252条の26の2に規定する場合を除き、第252条の26の4において準用する第252条の24第1項の関係市からの申出があつたものとみなす。



政令指定都市については、法律では人口50万人以上となっていますが、実質100万人に近い都市に指定している状態です。ここでのポイントとしてこのようなことが挙げられます。

◎あくまで、政令指定都市は100万人に近い都市に指定するのか、人口70万人程度の都市でも指定するのか。
◎政令指定都市は、特に地方では地方中枢の役割をする都市に指定されているが、あくまでもこれを貫くのか、それともベットタウンとなっているような衛星都市にも指定するのか。


また、政令指定都市の移行によって選挙制度も多少変わります。

一般の都市政令指定都市
市議会議員の選挙区市の区域(ただし、特に必要がある時は条例で選挙区を設けることができる。)区の区域
都道府県議会議員の選挙区市の区域(ただし、条例で、隣接する郡市の区域と合わせて一選挙区とし、当該区域を郡市の区域として見なすことができる。)原則として区の区域
選挙期日の告示
市長選挙7日前14日前
市議会議員選挙7日前9日前

ほかにも制度があるのですが、準備ができ次第、掲載させてください。
[8515] 2003年 1月 31日(金)16:36:09BANDALGOM[地域研究家] さん
都市制度
[8484]seahawkさん
インターナショナルな人は「ソウル特別市」と同等な扱いなのかというイメージを持つ人が世界中に一人か二人はいると思うんです。
結論からいえば、「ソウル特別市」と同等ですよ。
韓国ではソウル特別市と釜山・大邱・仁川・光州・大田・蔚山の6つの広域市がありますが、これは全て広域自治体としての「道」から独立した、別個の広域自治体であって、基礎自治体である一般の「市」より格が上なのです。
特別市・広域市の区は自治体ですが、東京の特別区のような中途半端な存在ではなく、基礎自治体と位置づけられています。

翻って日本の政令指定都市は、広域自治体である都道府県に属する基礎自治体でありながら、都道府県並みの権限を与えられている、中途半端な存在なわけですが、この制度が導入される前には、旧五大市を対象にした「特別市」制度が地方自治法に盛り込まれていたのです。

「特別市」が府県の反対で頓挫した後、その代わりに政令指定都市制度ができたのですが、今また市町村合併の進展と、政令指定都市の要件引き下げなどを背景として、「特別市」制度が再検討されているのです。
それは「ソウル特別市」と同等のものと言えましょう。つまり、都道府県から独立した広域自治体です。

現在は政令指定都市、中核市、特例市、一般市という都市制度がある訳ですが、政令指定都市は行政区しかおけず、中核市・特例市はそれすら置くことができない。
また中核市・特例市はあまり境目のはっきりしないものです。

地方分権が進めば、次に重要になってくるのは都市内分権です。
これを考えると今の制度は不十分といえますし、都道府県から独立した広域自治体にして、基礎自治体としての自治区を置ける特別市、中途半端な位置づけで行政区が置ける政令指定都市、行政区が置けない20-50万人の中核市、という制度に改編する必要もあると思います。

合併特例法は市制をしきたい自治体、政令指定都市を目指す自治体、財政難の自治体を焦らせて、民意を反映しきれずにお上主体で進んでしまっている感じがします。合併特例法などの期限を延長するなどして、もっとゆとりのある話し合いを進めた方がいいと思います。
これは同感ですね。
今の合併論議は民意を反映していないところが多いですし、圧力をかけて焦らそうとするから、反発する自治体も出てくる。無理な合併を検討するところが出てくる。
それと、大きな市と小さな町村が合併すれば、インフラ整備などで格差が出てきますが、合併自治体がそれを埋めて均衡ある都市発展を目指していくためには、現行特例法の期限後に特例措置を一切無くすというのではなく、特例措置をいくらか限定した新しい特例法を設ける必要があるでしょう。
[8484] 2003年 1月 30日(木)20:43:06seahawk さん
Re:政令指定都市 特別市
[8482]地域研究家(旧・合併研究家)さん
やっぱり人口50~60万人程度で政令指定都市になるのはあまり良い索ではないと思いますね。特別市をつくったところでまた無駄なことをしているような気がしてなりません。特例市などをたとえ廃止してもちょっと混乱してしまいそうですし。また、インターナショナルな人は「ソウル特別市」と同等な扱いなのかというイメージを持つ人が世界中に一人か二人はいると思うんです。
合併特例法は市制をしきたい自治体、政令指定都市を目指す自治体、財政難の自治体を焦らせて、民意を反映しきれずにお上主体で進んでしまっている感じがします。合併特例法などの期限を延長するなどして、もっとゆとりのある話し合いを進めた方がいいと思います。
[8482] 2003年 1月 30日(木)20:05:50BANDALGOM[合併研究家] さん
政令指定都市・特別市
[8440]seahawkさん
合併特例法ができたとはいうものの、個人的には政令指定都市がもしもこんなにできてしまったら、政令指定都市の役割を果たしきれないのではないかと思います。
金沢市や姫路市、鹿児島市の場合は、合併が検討されている周辺市町村を合わせても60万人程度ですね。
これは政令指定都市の人口要件が、70万人から60万人、さらに地方自治法通りの50万人まで引き下げられることを見越してのことと思われます。
現に四日市市と鈴鹿市(+楠町・朝日町)の合併論議でも政令指定都市化がうたわれていますが、これは50万人への引き下げを見越したものです。

政令指定都市になるために無理して合併した広島市や仙台市などからしてみると、この要件引き下げには不公平感を感じるかもしれませんし、50万人から60万人で政令指定都市になるところが出てくれば、旧五大市にしてみれば面子丸つぶれの感もあるでしょう。
なにしろ元々、政令指定都市という制度は旧五大市のためのものだったのですし。

しかし、合併特例法の期限後には「特別市」制度の導入も検討されているようです。
政令指定都市は地方自治法通り、50万人以上にして、「特別市」は京都市や福岡市を念頭において130万人以上、とすればいいのではないでしょうか。
また、特例市制度は廃止して、中核市の要件を20万人以上にすればいいと思います。
[8171] 2003年 1月 25日(土)08:26:25蘭丸 さん
Re:中核市の要件(2)
[8135]utt さん
どう考えても収入は面積に比例しないと思うのですが。。。
 そうですね。固定資産の価値は単純にその規模に比例するものではありません。さまざまな社会的付加価値を含んで資産の価値が決まってきます。しかし、だからといって、一定の面積を保有することが固定資産税の税額規模の確保につながらないとは言えませんね。

 utt さんは、どうも面積条項ばかりに拘泥されているようですが、それは中核市の要件の正確な理解とは言えないのではないでしょうか?
 私が[8127]でも書いたように、自治法は、人口と面積2つの要件を絡めて中核市の要件としています。もし、富良野市のように面積の広い市が「面積100平方キロ以上」だからといって中核市になろうとしても、それは無理な話ですね。中核市となるには、あまりに人口規模が小さいからです。
 相当程度の人口規模(ここでは30万人)を有する自治体であれば、大概は都市化の度合いが高いのが通例です。中核市を目指して新たに合併するようなケースでも、ほとんどの場合、中心となる市では市街化・都市化が相当程度進んでいます。農山村地域のみで大合併(大々合併?)して中核市を目指そうというケースは聞かれません。中核市を射程に入れられる自治体は、すでに人口が集積し、都市化した地域であると解するのが自然です。

 その上で、自治法は中核市の要件として「人口50万未満の場合は」面積100平方キロ以上であることを規定しているわけです。人口50万以上ならば面積は問わないと。都市化した地域ならば地価が高く、面積が狭くても相当程度の固定資産税収入はあるのですが、あまり面積が小さいと、やはり多くは望めません。
 市町村にとって、住民税と固定資産税が自主財源の主要部分を占める現状から、中核市としての行財政能力の維持のためには、一定規模以上の人口と面積が必要であるというのが法律の主旨です。

こんな非常識な法律
 私は、取りたてて「非常識」と呼ぶほどの内容ではないと思いますが...。

行財政能力とは、例えば上下水道普及率とか行政サービスの質を意味しているのですよね??
 正確には、その「行政サービスの質」を維持できる能力ということになります。行政サービスの質を確保するために、一般的な市よりも財政状況が良好(自主財源比率が高い)であって、都市行政の実績を積んでいることが「能力」として評価されるのです。
[8127] 2003年 1月 24日(金)13:35:37蘭丸 さん
Re:中核市の要件
[8068]utt さん
蘭丸さまの意見におおむね同意ですが、しかし、
 いえいえ、これ([8037]前半部分)は私の「意見」などではなくて、法律論としての中核市の面積要件条項の「立法者意思」を解説させていただいたまでです。

 たしかに、現実には固定資産税収入は地価や企業の立地状況などと密接な関連性があり、個々のケースにはさまざまな状況があります。ですが、法律としては、一定規模の面積を保有することが一定規模の固定資産税収入につながるという、あくまで「一般論」としてこのような条件を付しているのです。
 また、中核市の面積要件は、これのみで中核市の要件を満たすわけではなくて、同時に人口30万以上という条件も必要とされています。市民税など、人口に比例する市町村税収入にも一定の規模があり、その上で、一定規模以上の固定資産税収入があることが望まれるのです。人口と面積2つの要件は、2つ揃って意味を成すわけです。

 自治法が中核市指定の要件として想定していることは、要約すると、自治体の「規模」と「行財政能力」ということになります。実は、これは政令指定都市の指定の際に検討される事柄でもあります。この2つの要件を、政令指定都市の指定の際の基準(総務省の内規による運用基準)より緩くしたものが中核市の要件です。
[8037] 2003年 1月 22日(水)08:07:52蘭丸 さん
中核市の面積要件の意図
[8003]てつ さん
[8012]合併研究家 さん
 中核市の面積要件が意図するところは、一定の面積を有し、中核市としての行政事務遂行に充分な財政能力のある市を指定するためです。
 面積が、ある程度広いということは、そこからの相当程度の固定資産税収入が見込めます。ですから、人口とともに面積が要件とされるわけです。ただし、政令指定都市の法律上の要件でもある人口50万以上となれば、住民税収入が多くなりますから、必ずしも面積要件が必要ではなくなるのです。

 では、なぜ、100平方キロ以上かといえば、現在の政令指定都市の中でもっとも面積の小さい川崎市の面積が約142平方キロであることが考慮されたためです。
 ですから、合併研究家 さんの
現存の政令指定都市の平均面積を参考にして決められたようです。
は、誤りではないかと思われます。現在の政令指定都市12市の平均面積は約500平方キロですから、中核市の要件「100平方キロ以上」とは関連しません。

 また、てつ さんの
同じ人口なら、狭い面積で人口密度が高いほうが都市の性格に合うのでは
というご指摘ですが、
 そもそも、地方自治法が何ゆえ政令指定都市や中核市、特例市という一定規模以上の市に対する特例を設けているのかといえば、規模の大きな自治体には、その規模による特殊性により、一般的な自治体よりもより広汎な行政事務を管掌することが望ましいからです。大都市ともなると、多様な行政需要が生まれ、また、同時に行政の効率化も一般の自治体以上に求められてきます。
 それに加えて、一定の都市規模ならば相当程度の行財政能力があり、一般的な自治体以上の行政事務の処理が可能となってきます。

 そういった、大都市行政の観点と地方分権の思想とが相まって「大都市等に関する特例」という発想が生まれてくるわけです。それに、現在は市町村合併の推進という要素がリンクしてきます。さいたま市や新・静岡市をはじめとして、こういった特例を受けようとして市町村合併をするケースが全国各地に見られます。

 何も、地方自治法は“都市の箔付け”とか“都市のランキング”とかいうような意図でこのような制度を設けているわけではないのです(ただ、結果的に“都市の箔付け”になっている面は否定できませんが)。この点に誤解があると、市町村合併と地方分権とに関わりあいのあることが見えなくなってしまいます。
[8012] 2003年 1月 21日(火)18:27:15BANDALGOM[合併研究家] さん
中核市の要件
[8003]てつ さん
中核市の条件で、1.人口30万人以上・2.面積100平方キロ以上とありますが、この条件2の意味って何なんでしょうか?同じ人口なら、狭い面積で人口密度が高いほうが都市の性格に会うのでは、と思うのですが、どうでしょう。
面積の要件は、現存の政令指定都市の平均面積を参考にして決められたようです。
また、中核市制度の発足当時は、大都市のベッドタウンを排除する方針でした。
このため、当初は人口50万人未満の場合「3.昼夜間人口比率が100%以上」という要件がありました。
堺市は人口50万人以上のため、昼夜間人口比率が100%を下回っていても中核市になれました。

2000年にこの要件は撤廃され、川越市、横須賀市、岡崎市、高槻市、奈良市が新たに対象市となって、2001年4月に横須賀市が、02年4月に奈良市が指定、川越・岡崎・高槻市も今春指定されます。

船橋市と那覇市はこの条件により中核市に入らずじまいですよね。
昼夜間人口比率の要件に続いて、今度は「人口50万人以上の場合」に面積要件が撤廃されました。
これにより、面積が100平方キロに満たなかった船橋市、相模原市、東大阪市が新たに対象市となり、このうち船橋市と相模原市は今春指定されます。

しかし那覇市は2度にわたる要件緩和でも対象市になれないですね。
人口密度が高く、写真を見ても同じ30万人都市の郡山市や長野市、あるいは私の地元の柏市に比べてもはるかに都会に見えますし、さらに沖縄市以南の市町村の人口を合わせると60万人を超え、「隠れた100万都市」と聞いたことがあります。

こうした特殊事情を勘案して、なんとか中核市に指定できないものかと思いますが、まずは周辺との合併をさせたい、それでも要件を満たさななければ考える、というところでしょうか。総務省や県の魂胆は。
[7877] 2003年 1月 18日(土)19:31:15【3】蘭丸 さん
「市」の要件緩和の意義
[7690],[7802]ken さん
 私も、おおむねこのようなご見解に近い考えを持っています。今、敢えて「市」「町」「村」を区別する意義は何かと問われれば、合併を促進するための“ツール”である。そういうことになるかと思います。
 現行の合併特例法で、町村合併にともなう「市」の新設について、連檐戸数(中心市街地戸数)を問題にしないようになったことには大きな意味があると私は思います。これまで、「市」の呼称は、少なくとも一定の市街地を抱える自治体を、町村と見分けるために用いられてきたはずです。“少なくとも”と言ったのは、昭和の大合併によって、大都市圏を除いては、ほぼ全国的に「市」が相当程度の農林漁業地域を含むことが一般化したからです。しかし、明治時代に「市」(あるいは、その前段階の「区」)の概念を確立した当初は、もっと狭義に、市街化した地域そのもの「市」とする意図であったはずです。これは、戦前の市の数や所在地を一瞥すれば容易に推測できます。

 ところが、現在の合併特例法で、平成16(2004)年3月31日までに合併すれば、「人口3万以上」のみで「市」になれるとになりました。例えば、人口3千人の「村」が10村合併しても「市」になれるし、人口1千人の「村」が30村合併しても「市」になれる(ちょっと極端な例ですが)というわけです。もはや、「市」が市街地を含んだ自治体であるという概念は通用しません。

 仮に、A県にx郡とy郡があり、ともに人口規模が似通っていて3万5千程度あるとします。そして、x郡では、早くから合併への取り組みがなされ、住民もおおむね賛成し、つい先日、合併を実現して「x市」になり、y郡では、合併をめぐる村同士の主導権争いで、一向に合併に向けた具体的な動きが取れずに膠着状態にあるとします。こういった状況が生じた場合、両者の地域性に本質的な相違はあるのだろうか?「市」になったx郡と「村」のままのy郡ではどこがどう違うの?という素朴な疑問が湧いてきます。
 もう、こうなったら、両者の違いなんて「市」と「村」で名称にくっつく接尾語が違うだけ、それも“単に”違うだけなんです。では、どうして接尾語が違ってくるのかといえば、「平成の大合併の際に合併したか、していないか」だけです。呼称が異なる積極的理由なんて何もないのです。
 人口3万以上の「町村」もごろごろありますから、「量」や「規模」の違いとも言えません。

 今回の市の成立要件の緩和は、それだけの意義を含んでいます。そして、この特例が意図するところは、「とにかく合併」である。私はそう見ています。本質的な違いはないのに、一般的に「市」と「町村」の間に“格の違い”や“ステイタスの違い”があると信じられていることを利用し、「市」への移行のハードルを低くすることによって、その“格の違い”の克服を簡単にしておき、郡部での合併欲求を高めようというのがこの特例の狙いです。
 そんな口車に乗せられて、合併して「『市』への“昇格”を目指す」なんていうことは、本質的にはまったくナンセンスなことです。「市」となったところで、微々たる行政権限の移管があるだけなんですが...。
 [7810]そゆーず さんのご指摘のように、行政権限の変化というよりも、このような“ラベル”の貼り替えのために郡部での合併気運が誘発されている面は否定できません。というより、現在、合併協議を進めているほとんどの「町村」は、程度の差こそあれ、このような意図で合併を目指していると言っていいでしょう。「市」になることにともなう行政事務の拡大は、ないよりはあったほうがましではありますが、だからといって、慌てて合併するようなことは、少なくとも地方自治の本旨とはいささかずれているような気がします。それに、「市」への移行にともなう変化は、実際には行政権限の変化というよりも、行政組織上の変化ととらえたほうが妥当ではないかと思われます。

 ですが、その一方で、自治体が単独で「市」に移行する場合は(こういうケースでは、当該自治体は相当程度市街化・都市化している)、地方自治法の規定通りに人口5万以上、連檐戸数6割以上、その他の要件を必要としており、現状では「市」の成立要件について、ダブルスタンダードの、とてもチグハグな状況にあります。

 ken さんのおっしゃるように、このへんで「市」「町」「村」の区別の是非や、あるいは新しい基礎自治体の呼称の創出などが必要なのではないかと私も思います。
 このままの状況で、全国的に合併が進行すると、実際問題として広大な農山村・漁村地帯を含む市(場合によっては、全域が農山村や漁村である「市」)や、反対に相当程度市街化・都市化した「村」や「町」が続々と出現する可能性があります。
 それなのに、結果だけ異なる意味のない区別(町村合併への功労に対するメダル程度の意味はあるかもしれません)を今後も続けていくことは、ただの惰性でしかないだろうと私は思います。
[7810] 2003年 1月 17日(金)11:43:29そゆーず さん
市町村について
はじめまして、ずっとROMしておりました。

市町村について私の意見を書かせていただきます。
もしかすると同様な意見が以前にあったらご勘弁ください。

まず、全国の町村をすべて市に改めます。
市はそれぞれの自治体の人口規模、財政規模に応じて区分けします。
例えば1級市、2級市、3級市…など。
それぞれの階級の市は権限が違うようにします。
要するに1級市は現在の政令市、2級市は中核市、…10級市は3000人未満の自治体など。
階級はその自治体の規模の変遷よって昇格降格もあるようにします。

こうすると何が良いか?
普通の人は「市」=都会=えらい、「町、村」=田舎=階級が下、のイメージがあり住んでいる
住所名でいわれなき差別をこうむる事が実際あると思います。
例えば、「出身は?」と聞かれ「○○郡△△村」とかいうと、
「ぐん~!?むら~!?田舎ー!!」とか良くからかわれたりします。
実際私もそんなこと何度も言われました。
権限にほとんど違いの無い市町村で、たまたまそこに住んでいるだけでイメージだけでかってに
ランク付けされるは解せません。
そう言うイメージだけで町や村を離れていく人も少なからずいるのではないでしょうか!?
なら公称を統一すればそんな差別は受けなくなるはずです。つまり全国の自治体をすべて「市」
にすれば良いのではないか。
しかし、行政的には100万人の市と3000人の市は性格も能力も違うわけですからそこはちゃんと
区分けをする必要があるので階級をつける。

要するに行政的な名称を一般の住所表示とリンクさせるべきでは無いと思うのです。

この意見に対してどう思われますか?
[7802] 2003年 1月 17日(金)02:58:42ken さん
町と村
本来、町と村には、その名のイメージ通りの「質的」な差があったはずです。
あえて誤解を恐れずに言い切ってしまえば、農林業を生業とする地区は村で、商業を生業とする地区を町という。
ある意味では「村」の中に機能として「町」がある場合もあったでしょうし、本来、機能的、質的、景観的な、差が、町と村の間にはあったはずです。
誤解を避けるために「マチ」と「ムラ」と書いた方が良いかもしれません。
少なくとも近世の「マチ」と「ムラ」の概念は「量的」な差ではなく「質的・機能的」な区別であったはずです。

それが、単に人口という「量的」な差に置き換わってしまった。
町のさらに特別に大なるものを「市」としたわけですから、本来の市とはどうあるべきか、機能的、景観的な考えを、明治以降の市町村制にあてはめると無理が出てきますね。
明治22年に市を設置した意図は、市のない県もあったわけですし、県庁所在地も市でなかったところも沢山あったわけで、明治22年の市は、今で言えば「政令指定都市」クラス、「町」とは別格にしようということで、「市」という肩書きを考えたんだと思うんです。

3万市の是非論も、中心市街の存在を云々するのは、機能的、景観的要素を求めているわけで、現在の市町村制自体の矛盾なんです。

「量的」区切りが5万でも3万でも、「市」像の本質的な論議の切り口にはならない。

平成の大合併で、全県が市で埋め尽くされるところも出てくる、あるいは、少なくとも県域の80~90%の面積が「市」の県は出てくるでしょう。
大分県なんてそんな感じじゃないですか?今の流れだと。
そうなった時に「市」って一体ナニ?
という素朴な疑問が出てきますね。

要は肩書きインフレなんですよね。

明治22年の壱圓と、平成になると地面に落ちてても、拾いもしない一円。
どちらも同じ尺度と名称で見ようとするのが無理。

デノミネーションが必要だから、中核市とかいう発想が出てくるわけですよね。
そうすると「ヒラ」の「市」は、明治22年の「市」の設置意図からずれてきちゃってるわけで。
デノミをしようとすれば、マチとムラは、本来のコトバの意味として量的な差ではなく質的な差を持ってしまっていますから、
果たして人口7~8万以下の自治体をあえて人口の大小で、名称を区別することに意味があるのでしょうか。
デノミをしたとしても、依然として、人口量の問題と、質的・景観的・機能的な差の問題はレベルが変わるだけで、永遠に相容れない問題ですが。
例えば、人口7万以下の自治体は、郷とか、庄とか、屯とか、邑とか、在とか町村以外の同じ名前の自治体にしてしまい、人口7万で初めて「町」に、20万で「市」に、80万で「特別市」というようなデノミをしないと。
これをやる場合、人口あわせの為の広大な自治体の出現にはある基準の制限は必要だと思います。

そうでないと、平成の大合併が成就したあかつきには、日本全国、端から端までぜーんぶ「市」
全社員の肩書きが社長になっちゃたら、不便だし、モチベーションの問題もある。
それでは、というので、社長、大社長、特社長、聖社長、最高社長、ホントニホントノ社長・・・。

「中核市」の制度なんていうのは、そんな感じがしますし、政令指定都市も、静岡も浜松も金沢も新潟も岡山も熊本も、平塚・藤沢・寒川・大磯・二宮も、町田・相模原も、川口・蕨・鳩ヶ谷も、世田谷も、豊中・池田・吹田・高槻・茨木・箕面・摂津・島本町・豊能町・能勢町も、みーんな政令指定都市、となってくると、
寒川町と大阪市が同じってことはないでしょう、ということになり、
やっぱり横浜、大阪、京都、名古屋、名古屋、札幌、神戸、福岡だけは、「政令特別真性指定超特大規模都市」にしましょう、という、肩書きインフレ心理が働いてきますよね。
中津江村も「市」、大阪も「市」で、同じ「肩書き」で良いのか。
良いかもしれない。
日本中全部「市」でも、別に困りはしない。
だとすれば、5万人、3万人で一喜一憂することが、全くナンセンスという帰結に。

なんか暴走気味ですね。

P.S.
ところで、「人足寄場」って、皆さんのIMEで簡単に変換できます?
エライ苦労したんですよ。「人足」って、禁止用語なのかなあ。禁止用語でも変換できるものもあるしなあ・・・。謎・・・。
[7795] 2003年 1月 17日(金)01:32:07ken さん
re:市の要件
[7771] 合併研究家 さん
>「特例町村」として市に準じた権限を与えるのが望ましいと思います。

町村にはなくて、市しか持っていない権限っていうのは、ないんですよ。

あるのは「市」という名誉称号だけです。

合併研究家さんのように篠山市などと北巨摩郡などの「質的」な差を、指摘できる識見をお持ちの方でも、町村と市の間「行政上の権限」に差があるかのように思い込まれている点が、問題なのかなあ、と思います。

中核市や政令指定都市は別として、通常の市町村は行政上、法律上の権限には差はありません。
[6816] 2002年 12月 22日(日)20:42:39蘭丸 さん
市町村、「昇格」「降格」「移行」
[6789]般若堂そんぴん さん

 地方自治法では、自治体(地方公共団体)相互の間に格のちがいや上位下位、従属関係などは一切存在しないことになっています。
 市町村はもちろんのこと、一般市、特例市、中核市、指定都市にもこういった関係は存在しませんし、市町村(基礎的地方公共団体)と都道府県(広域的地方公共団体)の間にもありません。あるのは事務権限のちがいと包括被包括関係(都道府県と市町村)だけです。

 しかし、実際には市町村間の移行について「昇格」「降格」と表現する慣行は、世間に広く浸透しています。先般の宮城県加美郡での合併をめぐる色麻町離脱問題を報じた東京新聞は、『「村」降格』とはっきり書いていました(それも小見出しで)。マスコミがこういった認識ですから、一般の人々が村→町→市という格のちがいがあるものと理解してしまっても致し方ないともいえます。
 人口増加や合併にともなって村から町へ、町から市へ、(一般)市から特例市へ...と規模を拡大していく実例を見る限り、一般的感覚としては、これは格のちがいだと誤認してしまうのでしょう。そんぴん さんのおっしゃるように、その逆の例がないことが、この種の誤解をいっそう普遍化させてしまっているような気がします。
 ですが、本来的には「移行」が正しいはずです。

>これは,是非はともかく,「格の違い」という暗黙の認識があることの状況証拠ではないでしょうか?

 自治体や住民にそういった意識があることは否定できないでしょうね。ただ、行政当局の思惑としては、「一度手に入れた“自由”(行政裁量の幅)を手放したくない」というほうが強いのではないかと私は考えています。
 それに、現行法制では、市や町の要件は成立要件であって存続要件ではありませんから、法令自体が市→町→村といった移行を想定していないとも言えなくもないと思われます。

 そもそも、自治法が何ゆえ市町村の区別をしているのかといえば、自治体にその規模に相応の行政権限を付与しようとしているからです。人口が集積し、市街化・都市化した地域にはそれゆえの特殊な行政需要があるはずだ、というのがもともとの考え方だったはずです。

 しかし、地方分権や市町村合併が進展するにつれ、こういった区分が実質的意義を持たなくなってきているように私は感じています。合併で誕生した自治体について、人口3万以上なら他の要件は問わず無条件で市の要件を満たすとする現在の特例は、それを端的に表わしていると思います。
 この特例は、実は重大な意義を含んでいると私は思います。

 従来の合併推進に関わる市の要件の特例は、地方自治法中の人口要件の部分について特例を設ける形式でしたが、現在のそれは「人口3万以上」のみで可とする画期的なものとなっています。すなわち、政府は市となるためには市街地を有しなければいけないという100年来の市の概念を変更したわけです。

 しかし、いっぽうで単独で市となる場合には、自治法による本来の要件を満たすことが求められていて、現在、市への移行についてはダブルスタンダードの状況にあります。この点がスッキリしないところで、地方分権の精神からすれば、単独での場合も同様に要件を引き下げて基礎自治体への分権をするべきでしょう。ですが、さしあたって市町村合併の推進のほうが至上命題ということなのでしょうか、現在のところ市の要件の根本的な緩和は検討されていないようです。
 いっそのこと、「市町村」という基礎自治体の区別自体を撤廃してもいいのではないかと私なんかは考えるのですが、それをやってしまうと人口数百の自治体と350万にも上る自治体とが見分けがつかなくなってしまう=現状満足の小規模自治体が増えて合併意欲が弱まってしまう、という懸念があるためか総務省などはこういった問題については検討していないようです。

 それでも、現実には市町村の実態が、当初自治法が想定したものとはだんだん乖離してきていることは紛れもない事実であり、今後も人口3万のみで市に移行する自治体が続々と誕生することと思います。
 宮城県加美郡では、市になるはずのところ、1町離脱で村になるかも知れないということで話題になりましたが、もうこのあたりで、特例ばかりではなく、根本的な自治体制度の見直しをするべきではないかと私は最近よく思います。
[3862] 2002年 10月 14日(月)15:37:24【1】蘭丸 さん
「第二政令指定都市構想」ですか
「第二政令指定都市構想」。そんなものがあるとは全く知りませんでした。

 私の知っている限りでは、現在の中核市制度が全国市長会による第二政令指定都市構想の発表をきっかけにつくられたものなので、今度の「第二政令指定都市構想」とは如何ようのものなのか知りたいですね。

 この構想が実際に法律で定められるとすると政令指定都市と中核市の中間に位置付けられることになるでしょうが、そうなると市には実に5つのタイプができるわけですね。(政令指定都市、「第二政令指定都市」、中核市、特例市、一般市)
 こうなると、果たして5つもの区別が本当に必要なのかな?と思えてきます。政府・総務省の側からすれば、実質的な自治体の格付けによって市町村合併を促そうということなのでしょうが、法律上、市町村は基礎的な地方公共団体として同等の地位にあるという本質から、現実がだんだんかけ離れていくような気がします。

 その規模ゆえの特殊性から政令指定都市は別としても、そもそも地方自治の上で都市の格付けなんて必要なことではないはずです。地方自治で必要なことは、政府や都道府県の権限をいかにしてより身近な市町村に移譲していくかということなのですから。私個人の考えとしては、中核市以降の市への特例は、中核市の要件の緩和と中核市へのさらなる分権で対応すれば、ほかには必要無いような気がします。

 そうすれば、都市の箔付けを目指して広大な山村地域を抱えながら、単に人口規模のみを整えようとする無理な合併は少なくなると思います。

 そもそも、都市の格付けに制度上の保証なんかは必要ではなく、それは現実の都市の社会的・経済的な地位を多数の人々がどのように評価するかという客観的なものだと思うのですが。
[3824] 2002年 10月 13日(日)00:02:31だいてん さん
大都市について
[3810]黒髪さん
>「大都市」というのは、「政令指定都市」「中核市」「特例市」があてはまります。異論はあると思いますが、地方自治法第12章の章題は「大都市に関する特例」で、第1節は「大都市に関する特例」第2節は「中核市に関する特例」第3節は「特例市に関する特例」となっています。

[3820]蘭丸さん
>現在の地方自治法が「大都市に関する特例」の中で、いわゆる政令指定都市・中核市・特例市を規定していますので、これら三者はいずれも法的には「大都市」のカテゴリーに含まれています。ですから、近年続々誕生している中核市や特例市は、その規模が既存の政令指定都市に遠く及ばずとも、大都市と称しても差し支えないわけです。

これらの見解には賛同できません。
結論からいうと、いまだ「大都市=政令指定都市」という概念が法的にも保たれていると考えます。
なぜかというと、地方自治法第12章の表題は「大都市に関する特例」ではなく、「大都市等に関する特例」だからです。
法律名において「等」というのは多用される単語でして、例えば「あっせん利得処罰法」と一般に呼ばれている法律は正式には「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」という名で、「等」が2回も出てきます。
そういうわけで、地方自治法に話を戻しますと、第12章は「大都市」についてだけの規定ではありません。
中核市、特例市は大都市等の「等」に含まれるので、大都市とはいえないものと思います。

では政令指定都市は正式にはどう呼ぶべきか、ですが、これはやはり「政令指定都市」でよいと思います。
政令指定都市に関する基本条文である第252条の19第1項では、「政令で指定する人口50万以上の市(以下「指定都市」という。)」とありまして、その「政令」は「地方自治法第252条の19第1項の指定都市の指定に関する政令」という長い名前の政令です。
そして中核市、特例市に対応する政令は「地方自治法第252条の22第1項の中核市の指定に関する政令」、「地方自治法第252条の26の3第1項の特例市の指定に関する政令」となっています。
ということは、中核市、特例市に対応する大都市の呼称は「指定都市」ということになりそうですが、それでは何で指定されたのか分からないので、「政令指定都市」でよいと考えるわけです。

※法律、政令名及び法文中で使われる数字はすべて漢数字ですが、読みにくいので便宜上アラビア数字を使用しています。

[3822]黒髪さん
>現在のさいたま市は「政令指定都市」でも「中核市」でも「特例市」でもないんですよね。

はい。現在は「ただの都市」です。
[3764] 2002年 10月 10日(木)21:07:20蘭丸 さん
政令指定都市の拡大について
 政令指定都市の増大について、反対意見が見受けられる様ですが、私は、地方自治法の明文規定が「50万人以上」とのみある以上、総務省が基準を70万人に引き下げた措置は歓迎します。むしろ、国土の均衡ある発展を誘導するためにも、すでに中核市となっている市の内で社会経済的に広域的な中心となりうる都市は、今後の発展を促す意味で政令指定都市にするのがいいと思います。

 その際、新潟、浜松、岡山、熊本が第一次候補となるでしょうか。ここで注意したいのは、単なる人口規模を満たした市に対して政令指定を乱発しないことです。

 例えば、柏市を中心とした政令市構想や、神奈川県央4市政令市構想、湘南市構想などは、果たしてそれらの地域の中核はどこなのか、あるいは合併でできた新市がどれだけのフィールドを持った経済圏を形成しうるか、はなはだ疑問と言わざるを得ません。上記4市は岡山が広島から若干の影響を受けていますが、既存の政令指定都市を中心とした大都市圏の影響をあまり受けずに、独自の発展をしている感じがします。

 静岡がなれるのなら、比較対照上この4市は問題ないと思います。

 余談ですが、千葉が政令指定都市になれたのは、自治省出身の市長の存在が大きかった、ということを何かの本で読んだことがあります。
[2806] 2002年 8月 27日(火)17:44:27ケン さん
八王子市の中核市移行問題
八王子市の現状を見ても中核市移行するまで10年から30年ぐらいかかります。その前に福岡県赤池町のように財政再建団体に転落する可能性もあります。
八王子市が万年中核市候補と呼ばれているのもその理由なのです。
[2796] 2002年 8月 27日(火)00:11:21たけもと さん
八王子
八王子が中核市だなんておこがましいです。(^^;)

慢性的な財政赤字。地方債の未償還残高は2000億円を超え、市民一人あたり
40万円もの借金をかかえているくせに何が中核市だ、と思っていたのですが、
移行を見送るようですね。当然という気がします。

中核市なんてステータス以外にはあまりメリットがないという意見もあります。

中核市になれば数千もの事務が都道府県から移譲されますが、増加した手間に見合う
財政的保障はなにもありません。
今までは国や都道府県で負担していたものも市の負担となります。
また、国からの地方交付税交付金も削減の動きがあるのはご存じの通り。

八王子市の財政状況は以下をどうぞ。
http://www.higashimura.net/tokyo2001/zaisei.html

都との財政負担の考え方の相違は以下のリンクをどうぞ。
http://homepage2.nifty.com/kikakuseisaku/kikakuHP/chu1.htm
[2789] 2002年 8月 26日(月)21:16:05黒髪 さん
西宮市と中核市
[2784]
>西宮市はたった0.04km2で中核市になれないようです。

横須賀市は中核市になるために、海を埋め立てたという噂があります。
真相はわかりませんが・・・。
[2787] 2002年 8月 26日(月)17:41:28ケン さん
万年候補
堺市は人口が80万を割ってるため合併しないと永久に万年政令市候補に終わってしまいます。
八王子市も財政難から脱出や研究会を作らないと永久に万年中核市候補に終わってしまいます。
八王子市も周辺市と合併すると政令指定都市昇格の可能性もあります。
[2784] 2002年 8月 26日(月)09:05:51なお[KN] さん
西宮市と中核市
西宮市はたった0.04km2で中核市になれないようです。でも2010年までには50万人を超えると推定されているので10年間ロスをするのみであまり問題はないと思います。
[2781] 2002年 8月 26日(月)00:17:17黒髪 さん
西宮市と東大阪市
[2764]
>来年4月の移行で、中核市の要件を満たしていながら移行していない都市は八王子市だけになりますね。

西宮市のホームページによると、2002年3月1日現在、
人口 447,453 人
面積 100.18平方km
になっています。

ここ(グリグリさんのホームページ)も含め、西宮市の面積は99.96平方kmと言われています。隣接区市との境界が画定していないらしいですね。どこかは知りませんが・・・。

あと、東大阪市も人口50万人を超えています。
[2779] 2002年 8月 25日(日)23:41:03黒髪 さん
八王子市のホームページから
「市は、これまで中核市への早期移行に向けた取り組みを続けてきましたが、都・市ともに厳しい財政状況のなか、円滑な移行のための重要課題である移譲事務に係る経費の財政負担について、都との協議が調わず、現在、都・市間の協議は中断しています。
こうした財政問題や、移行についての市民合意が得られていない現状などを勘案し、市では中核市移行を当面凍結することとしました。
今後は、地方分権の推進のためにも、中核市移行を財政課題の一つと捉え、幅広い視野に立って研究を続け、また、市民の皆さんと議論を深めながら、移行のための環境が整った時点で移行を実現させたいと考えています。」

2000年3月に中核市推進室を廃止を廃止しています。

東京都だからというのは、東京都がお金を出さないということかな?
それとも裏事情・・・?
[2776] 2002年 8月 25日(日)21:52:39Firo さん
八王子市
八王子市が中核市になれない理由について、財政難というのは、
分かるのですが、東京都に属しているからというのが分からない
のですが・・・・
少なくとも、中核市の要件は満たしていますよね。それに中核市
候補にも入っているようです。
八王子は都下では観光資源もあるし、財政もやりようによっちゃ
という気もするんですがね。
八王子といえば学園都市ですけど・・・ それがネックなのかな?(笑)
でも、学園都市というイメージとは裏腹で、かなり保守的な地域
ではありますね。
[2770] 2002年 8月 25日(日)10:18:28ケン さん
八王子市
八王子市が中核市に移行できない理由は長引く財政難と東京都に所属しているからそうです。
東京都で特例市の資格のある市は町田市、府中市、調布市です。
[2764] 2002年 8月 25日(日)00:12:03だいてん さん
Re:中核市
[2746]
>今朝(だったかな)の新聞報道によると,「中核市」の要件から面積条項がはずれて,そのおかげで,この条項に引っかかっていた相模原市と船橋市が晴れて中核市に昇格することができるようになりました。ほかのいくつかの市とともに来年4月の昇格を待つようです。
今までの例によれば,今秋,10月か11月頃に政令が公布されることになるのでしょうね。

正確に言うと、中核市の要件から完全に面積条項がはずれたわけではないですね。
今年4月の改正で面積条項(100平方km以上)がはずれたのは、人口50万人以上の都市のみで、30万人以上50万人未満の都市についてはなお面積条項がついています(地方自治法252条の23)。
船橋、相模原両市とともに中核市移行を申し出るのは川越、岡崎、高槻の3市ですね。
これらの都市は50万人に満たない都市ですが、いずれも面積条項を満たしています。
来年4月の移行で、中核市の要件を満たしていながら移行していない都市は八王子市だけになりますね。
八王子市の面積は100平方kmを超えていますから、改正前から要件を満たしていたことになります。
にもかかわらず移行しようとしないのは、何か理由でもあるのでしょうかね。
・・・魅力を感じないだけなのかな。
[2456] 2002年 8月 9日(金)05:49:05ムンク さん
政令市
堺市は、政令市移行を検討した当時の市長が移行に反対であったと聞いております。確か、共産党の市長だったんじゃないのかな(今は、もう交代しましたが)。また、堺市の場合は、人口が昭和50年代後半から社会減に転じているのも大きなマイナス要因だったみたいです。

現在は、高石市とのみ合併協議が行われております。政令市移行のみを考えればこれで事足りる訳ですが、堺市自体の面積は狭いですし、周辺自治体も小さな自治体が多いので、今後は、広域行政で結びつきのある美原町や大阪狭山市とも合併を検討することになると思います。

その他では、新潟市と熊本市で周辺との合併が次々と持ち上がってますので、政令指定都市になれるのではないでしょうか。また、浜松市や岐阜市でも政令市を目指した動きが出てきております。

片山総務大臣が合併が一段落する平成17年3月以降、府県制の見直しや特別市制度の創設をすると言っておりますので、昭和30年に府県の猛反対で実現できなかった特別市制度が、再び議論されることになりそうです。

そうなると、大増殖した政令市の中から横浜・大阪・名古屋・札幌・神戸などは特別市に指定されることになるかと思います。ただ、それまでに、これらの都市を抱える府県の市町村が合併して中核市や特例市になり、財政的にも自立できるかが大きな鍵です。これが出来ないと結局、昭和30年と同じことの繰り返しになりかねません。
[370] 2001年 9月 8日(土)23:16:52Issie さん
都道府県と市の統合
下の発言のおしまいの方,「改称」は「解消」の間違いです。

さて,今の制度の中でかつての「都制」や「特別市」のような制度を導入することは,今のままでは不可能だと思います。
まず,今の地方自治法にはそのような制度がありませんから,この法律自体を改正する必要があります。
次に,都道府県の名称や領域を変更する(たとえば特別市のようなものを設置して府県から独立させる)には地方自治法第3条または第6条の規定により,この件に関する法律を作らなければなりません。都道府県と市を統合する,というのも恐らくはこの規定に引っかかるのではないか,と思います。
そして最後に,このような立法行為はいずれも特定の地方公共団体のみを対象とするものなので,たとえ国会で関連法案が成立しても,憲法第95条の規定によって「住民投票」を行い,その過半数の賛成を得なければなりません。

政令指定都市が「妥協の産物」というのは,単に「大都市の独立を嫌う都道府県との妥協」という意味だけでなく,このような煩瑣な手続きを避けるための妥協と言う側面もあるのです。
つまり,特別市のように都道府県から独立させるのではなく,あくまでも都道府県に含まれるという位置づけを残せば,都道府県の領域変更には当たらないので「法律」にする必要はなく,「政令」で十分。そうすれば住民投票の必要もないし,都道府県が嫌がることもない,というわけです。

もし,今の地方自治制度を根本的に変えるならば,当然かなりのエネルギーが必要ですね。
ただ,地方自治という極めて基本的な権利に対する重大な変更なのですから,このような煩瑣な手続きは絶対必要だと考えます。特に住民投票は決して省いてほしくない。そう思います。
[369] 2001年 9月 8日(土)08:35:49Issie さん
特別市
実は今の「地方自治法」が公布・施行された1947年当時には「特別市」という制度がありました。当時の段階で「区」のあった大都市である「京都市」「大阪市」「名古屋市」「神戸市」「横浜市」に適用することを想定したものと思われます。
けれども結局この制度は実施されることなく,その後の改正で地方自治法からは削除されてしまいました。「特別市」が「府県」から独立してしまうことへの府県の反発が強かったことのようです。
そこで「特別市」よりも府県からの独立性の弱い「政令指定都市」となったわけです。satoさんの言われるとおり“妥協の産物”なのでしょうね。

現在「都制」という制度は存在しません。
建前上,「東京都」は他の「道府県」と全く同格の存在です。「都」と言っているのは単に“そういう名前だったから”にすぎません。「警視庁」がもともと“そういう名前”だったので他の県警本部と同格にもかかわらずそういう名前であるのと同じです。
もともと「東京都制」というのは戦時下の1942年に「帝都」への中央からの統制を強めるために「東京府」と「東京市」を統合したものです。とりあえず東京だけをターゲットにしたものですね。その分,旧東京市民の自治権の一部が奪われました。
「特別区」という制度は,こうして“できあがってしまった”東京の特殊な体制を地方自治法のシステムに整合的に取り込むために,やむを得ず導入したものだと思っています。あくまでも「特別」だから,本当は何らかの形で改称した方がよい。
公選の区長を持っている「千代田区」が名実ともに「市」になりたい,という気持ちはわかります。実際,多くの権限ではすでに「市」とほとんど同じになりつつあるわけだから。
だいたい,“あの知事”は同じことを国に対して言ってるんだしね。
[176] 2001年 2月 26日(月)11:46:08ザラス さん
相模原ネタ
Firoppyさんの答えではないですが、相模原のネタを1つ。

相模原市は、「中核市(人口30万以上かつ面積100平方キロメートル以上)」昇格を狙っているにもかかわらず、面積がわずかに足りないために実現できないでいる、というのは割合有名な話ですが、相模原市の公式HPを閲覧していたところ、以下のような記述を発見しました。

>昭和16年相模原町誕生時には108.71平方キロメートル。その後昭和23年に座>間町(当時)が分離し現在に至る。

つまり、座間町の分離があったために、相模原市は「中核市」昇格の要件を欠いたことになります。歴史とは残酷ですね・・・。

ところで、都道府県を越えた「町田・相模原」の合併は本当に実現するのでしょうか・・・。
[164] 2001年 2月 19日(月)20:10:03Issie さん
特例市・中核市:相模原市の場合
「中核市・特例市」のページ,少し構成を変えました。

さて,特例市をまとめていて初めて知ったのですが,神奈川県の大和市も特例市になるのですね。あんな小さな町が,と思っていたら,確かにいつの間にか住宅で埋まって,それなりの人口を抱え込むようになっていたのでした。
とすれば,大和市よりも数倍大きい相模原市も指定されて当然,と思いきや,「特例市候補」にはなっていても,結局指定されてはいません。
実は相模原市がねらっているのは「特例市」ではなくて「中核市」なのです。
60万超の人口を持つ相模原市は,この点では中核市の条件を充分すぎるほど満たしています。ところが,中核市には特例市にも政令指定都市にもない「面積条項」があるのですね。ところが,残念ながら相模原市の面積はこの条件にわずかに満たない。
そこで,相模原市は中核市となるべく,この条件を緩めてもらう運動をしている最中です。そんなわけで,特例市に指定されることを避けているのでしょうね。

ここは,いっそ町田市と合併して「政令指定都市」をめざす,という選択肢もありそうですが...

*こんな話,前にもしたかな?

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