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支庁は北海道の専売特許か?−支庁とその制度について考える−

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記事数=16件/更新日:2004年1月31日/編集者:オーナー グリグリ

北海道の地図をよく見ると、「渡島支庁」や「檜山支庁」といった、「支庁」によって道が細分されているのが分かります。この「支庁」とはいったい何なのでしょうか?また、北海道以外の地域にも「支庁」はないのでしょうか?

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[273]2001年6月10日
長野っ子
[276]2001年6月11日
Issie
[338]2001年8月29日
地方自治まにあ
[339]2001年8月29日
Issie
[728]2002年1月26日
Issie
[730]2002年1月26日
Issie
[732]2002年1月27日
Issie
[801]2002年2月4日
紅葉橋律乃介
[802]2002年2月4日
深海魚
[806]2002年2月4日
Issie
[820]2002年2月6日
紅葉橋律乃介
[2505]2002年8月11日
かつ
[2524]2002年8月12日
グリグリ
[12025]2003年3月28日
三丁目
[12762]2003年4月9日
三丁目
[12794]2003年4月10日
紅葉橋律乃介

[273] 2001年 6月 10日(日)17:45:56長野っ子 さん
なぜ北海道は県別に分けないの?
僕は小学校の頃から不思議に思っていることがあります。それは九州や
四国は北海道よりも狭いのに県別に別れていますよね。でも九州や四国
より広い北海道はなぜ県別に分けずに道内を「支庁」に分けているの
ですか?確か小学校の頃の担任は「人口密度が47都道府県中47位と
人口が少ないから県別に分ける必要はない」とか「かつては蝦夷の国
だったため廃藩置県の頃北海道は該当しなかった」などと話していま
したが本当なのですか?北海道を県別に分けない本当の理由を教えて
下さい。
[276] 2001年 6月 11日(月)20:27:07Issie さん
北海道の県
実は,北海道にも「県」が置かれたことがあります。

北海道の本格的な開拓に踏み出した明治政府は1869(明治2)年に「開拓使」を設置しました。1872(明治5)年からは開拓使による10ヵ年計画が実施され,その事業が一応完成した1882(明治15)年に“役割を終えた”開拓使は廃止されました(開拓使廃止のもう1つの理由に開拓使長官の黒田清隆による「官有物払下事件」があります)。
廃止された開拓史に代わって,北海道にも本州以南と同じく「函館県」「札幌県」「根室県」の3県が設置されました。北海道の官営事業を管轄するために設置された農商務省(現在の農水省と経済産業省の前身)の「北海道事業管理局」とともに「3県1局体制」と呼ばれます。
けれども,開拓事業を進める上で関係官庁が分立していることによる非能率性が問題になり,1886(明治19)年に「3県1局」は廃止され,「北海道庁」に統合されました。
この「北海道庁」が,現在の地方自治体としての「北海道」の前身です。

北海道の「支庁」は,本来は本州以南の「郡」に相当します。現在でも北海道には「郡」がありますが,人口のまばらな北海道ではそれぞれの郡に行政機関を設置するのが非能率なので,いくつかの郡をまとめてそれぞれの中心地に道庁の出先機関として「支庁」が設置されました。
そして,北海道があまりに広大であるために,支庁の管轄区域をもって,北海道内の地域区分にも利用されているのです。

なお,「支庁」は北海道の専売特許ではありません。
離島を管轄する東京都(大島・三宅・八丈・小笠原),島根県(隠岐),長崎県(五島・壱岐・対馬),鹿児島県(大島[=奄美]),沖縄県(宮古・八重山)の5都県の「支庁」は割と知られていますが,千葉県のように全県に配置された県の出先機関を「支庁」と呼んでいる県もいくつか存在します。
[338] 2001年 8月 29日(水)01:58:12地方自治まにあ さん
離島
東京都の伊豆諸島、小笠原諸島は、なぜ東京都なのか分かりません。東京都から離して、中央直轄にしたほうがいいのではないでしょうか。特に小笠原は比較的新しい領土であり、(地方としての)東京とのつながりはありません。

対馬、壱岐は長崎県ではなく、福岡県に移すべきです。
奄美は沖縄県に移すべきです。
佐渡、奄美、淡路などにも「支庁議会」が必要だと思います。
[339] 2001年 8月 29日(水)21:58:13Issie さん
RE:離島
伊豆諸島や小笠原が「東京都」なのは,
一言で言ってしまえば「どこも面倒を見てくれなかった」からです。
伊豆諸島は当然「伊豆国」の一部でしたから
(ただし,古代以来どの「郡」にも所属したことがありません)
廃藩置県後は伊豆半島とともに「足柄県」に属し,
これが廃止されると“伊豆の一部”として「静岡県」に編入されました。
けれども静岡県はこの離島を管轄することを嫌がって,
結局,当時の「東京府」にお鉢が回ってきたわけです。
当時の東京府は,たとえば警察が内務省直属の警視庁の管轄だったりして
「府」の権限が弱く,政府の影響力が強かったせいもあったのか,
伊豆七島や小笠原を管轄するハメにもなったのかもしれません。
(なお現在の警視庁は制度上では,たとえば山梨県警察本部と同格の
都知事管下の地方警察本部に過ぎません。
警察組織内部での格付けはあるかもしれませんが。)

> 中央直轄にしたほうがいいのではないでしょうか

これは,今の地方自治の発想からは決してあり得ません。

日米の軍事関係者が駐在しているだけの南鳥島や,
ただの“岩”に過ぎず人の住みようのない沖ノ鳥島
(波に削られそうになって,あわてて護岸工事をしたわけだけど)
などはともかく,“住民”のいる父島や母島,
そして「小笠原村」の区域を中央政府直轄にすることは
現行憲法および地方自治法の精神からして決して認められません。
この地域の住民にも,国内あらゆる地域の住民と同じく
“都道府県レベル”の地方自治に参加する権利があるからです。
中央直轄にして,「東京都」への自治へ参加する権利を剥奪することは
あってはならないことです。
(実は,ソ連によって占領されるまで,
ウルップ島以北の中・北千島の住民には
結局最後まで自治権が与えられませんでした。
つまり,「町」も「村」も“自治体”の地位を与えられなかったのです。
言うまでもなく現行憲法・地方自治法ではなく,
明治憲法下での話ですが。)

なお,壱岐・対馬や奄美には現在でも長崎県や鹿児島県の「支庁」が
設置されています(長崎県は五島にも)。
沖縄県も宮古・八重山にそれぞれ支庁が設置されています。
また,かつては佐渡にも新潟県の支庁が設けられていましたが,
その後新潟県はこのような出先機関を全廃しました。
ただし,これらは「地方自治法」の規定に基づき
県の行政事務を分掌する“出張所”として。
地方自治法では“市町村レベル”と“都道府県レベル”での自治,
具体的にはそれぞれの議会と首長しか想定していません。
もし「支庁」レベルの議会を必要とするなら,この法律の改正が必要でしょう。

でも,今の流れは都道府県・市町村それぞれに
今よりも大きな単位への統合をめざす動きの方が主流に思われます。
私は,どちらかというとあまり積極的にはなれないのですが。
[728] 2002年 1月 26日(土)18:42:29Issie さん
「郡」は現在では自治体でもなく行政区画でもない“ただの地域呼称”となっているのですが,実際には多くの都府県や国の機関が県を下位区分するのにお手頃な単位として利用されています。

たとえば千葉県は県の出先機関として「支庁」を県内全域に設置していますが,その管轄区域は旧郡域がそのまま利用されています。西北部の旧東葛飾郡の市町村を管轄するのは東葛飾支庁,木更津・君津・富津・袖ヶ浦の旧君津郡4市を管轄するのは「君津支庁」というように。
ただし,北東部の海上・匝瑳2郡の区域(銚子・旭・八日市場の3市を含む)は「海匝支庁」,千葉・習志野・八千代の旧千葉郡3市と市原市(旧市原郡)は「千葉支庁」というふうに2郡単位で統合されることもありますが。

千葉県ほどはっきりしていなくても,多くの都府県で「郡」という単位は重宝されているようですね。
そもそも郡は,はるか昔の6~7世紀,大和政権が本州以南を「統一」していく過程で支配下に組み込んでいった各地方の支配者の縄張りに起源をもつものですから,地域をまとめる単位としてある程度の必然性があるのでしょうね。
もちろん,律令時代の「郡」と近代以降の「郡」の範囲が全く同じわけではないのですが。
とはいっても,地域をとりまく条件のその後のいろいろな変化で,地域間の結びつきは変わってくるから,「郡」の範囲と実際の生活圏とが一致しなくなってしまったところも多いでしょう。
今や「郡」は単なる地域呼称でしかないから,そういうズレが発生しても放っておく,という選択もあるでしょうが,それが県の下位区分と連動している場合にはそれと辻褄を合わせたい,と考える選択肢もあるでしょうね。
安代町の所属変更も,そんな流れではないのかなと思います。
実際,安代町は二戸郡に所属しながら県や国の出先機関では盛岡(岩手郡)の管轄に入っていますから。鉄道も道路も盛岡につながっているしね。

放っておくか,辻褄を合わせるか,どちらを選択するかは都道府県議会の権限です。

なお蛇足ですが,東京都の「島嶼部」(伊豆諸島)は古代以来「伊豆国」に属していますが「郡」に属したことはありません。小笠原諸島は「国」にさえ属したことがありません。だから,日本国内でこの地域だけは「○○郡」という地域呼称がありません。東京都は現在,この地域に「大島」「三宅」「八丈」「小笠原」の各支庁を設置していますけどね。
[730] 2002年 1月 26日(土)22:50:39Issie さん
支庁
設置された手続きを考えると,北海道の「支庁」とほかの府県(東京“府”も含めて)の「支庁」とは違うものなのかもしれません。もっともそれは,北海道が「府県制」の施行されている本州以南とは違った制度下にあったのだから,ある意味当然なのでしょうが。
とはいっても,離島や山間僻遠で県庁所在地との交通のきわめて不便な地域に「支庁」を置くという意味では同じでしょうかね。

明治・大正期の「支庁」についてはまだ資料が確認できていないのですが,現行憲法・地方自治法施行以前の昭和前期の「支庁」については,1925年に出された以下の“大正15年内務省告示第82号”が根拠になっています。

府県支庁ノ名称,位置及管轄区域別表ノ通定メ大正十五年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
大正十五年六月五日  内務大臣 浜口雄幸

別表に挙げられたのは以下の25支庁。

東京府 大島支庁,八丈支庁,小笠原支庁
長崎県 南松浦支庁,壱岐支庁,対馬支庁
新潟県 佐渡支庁
三重県 南牟婁支庁
岐阜県 飛騨支庁
福島県 南会津支庁
岩手県 下閉伊支庁,九戸支庁
石川県 珠洲支庁
島根県 隠岐支庁
岡山県 阿哲支庁
広島県 神石支庁
和歌山県 東牟婁支庁
愛媛県 宇和支庁
高知県 幡多支庁
熊本県 天草支庁
宮崎県 西臼杵支庁
鹿児島県 熊毛支庁,大島支庁
沖縄県 宮古支庁,八重山支庁

このうち,岩手県九戸支庁,石川県珠洲支庁,岡山県阿哲支庁,広島県神石支庁の4つは1932(昭和7)年4月1日に廃止されています。
また,三重県南牟婁支庁,岐阜県飛騨支庁,福島県南会津支庁,岩手県下閉伊支庁,和歌山県東牟婁支庁,熊本県天草支庁,宮崎県西臼杵支庁の7つは1942(昭和17)年12月1日に廃止されて,この年の7月1日に北海道を除く全国にわたって(以前に“行政区画としては”廃止された)旧郡の区域に設置された「地方事務所」に改編されました。つまり,“通常の郡”と同格になった。
逆に東京府では1943(昭和18)年4月1日に大島支庁から三宅支庁が分離し,兵庫県では敗戦間際の1945(昭和20)年6月6日に津名地方事務所と三原地方事務所の管轄区域をもって淡路支庁が新設されました。
戦後の1946(昭和21)年12月1日に愛媛県宇和支庁が廃止され,北宇和地方事務所・南宇和地方事務所が新設されています。

ここまでは明治憲法下で,地方官制としての地方制度を定める権限は天皇大権として,実際には政府が持っていました。だから全国一律の制度が行われました。
けれども,1947(昭和22)年5月3日に現行憲法と地方自治法が施行されて,“県の出先機関”としての「支庁・地方事務所」の設置権限は,その呼称も含めて都道府県の方に移りました。ついでに,「東京都」も「北海道」もほかの府県と“同じ制度”の下に置かれることになったので,それぞれの「支庁」にも“違い”はなくなりました。
そして,出先機関については各都道府県で別々の道を徐々に取り始めることになります。多くの県では少なくとも「地方事務所」という呼称をやめています。新潟県のようにこのような出先機関自体を全廃してしまったところもあります。

“大正15年告示”に挙げられていた支庁でそれを引き継ぐ形で今現在も存続しているのは,
東京都の4支庁,島根県隠岐支庁,長崎県五島支庁(←南松浦支庁)・壱岐支庁・対馬支庁,宮崎県西臼杵支庁,鹿児島県熊毛支庁・大島支庁,沖縄県宮古支庁・八重山支庁
の13支庁です。
(ただし,鹿児島県大島支庁と沖縄県の2支庁は米軍統治下では全く違った制度下に置かれていたので昭和前期のそれとは連続しないのですが。)
もちろん,北海道の支庁は1897(明治30)年に設置された「北海道庁」の支庁を引き継ぐものです。

千葉県の「支庁」は1942年設置の「地方事務所」を改称したものでしょうね(いつのことか確認できていないのですが)。
また,山形県は2001年4月1日にそれまで郡ごとに設置されていた地方事務所その他を統合して「村山」「置賜」「庄内」「最上」の4つの「総合支庁」を新設しています。

いやぁ,長くなっちゃって…。ごめんなさい。
[732] 2002年 1月 27日(日)09:33:23Issie さん
少しく訂正
下の「支庁」のところ,「告示」が公布された大正15年はもちろん1926年ですね。訂正します。

ところで,北海道の「上川郡」のような例は“内地”にもありました。
越前国(福井県)の北東部に「大野郡」があります。九頭竜川と足羽川上流の山間部ですね。
実はこの郡と国境(県境)をはさんだ美濃国(岐阜県)側にも「大野郡」がありました。こちらは揖斐川上流の山間部となります。
この2つの郡はもちろんお互いに別々の国の別々の郡ですが,お互いに似たような地形でお互いに隣接しているという点で,偶然「オホノ」というコホリ名が一致したのか,それとも意識的なものなのか,興味深いものがあります。
ついでに,すぐ近くの飛騨国(岐阜県)にも「大野郡」がありますね。

言い忘れました。美濃国の大野郡は1890年ごろの「郡制」施行に際して,隣接する池田郡などと合併して,現在では「揖斐郡」になっています。
[801] 2002年 2月 4日(月)18:11:52紅葉橋律乃介[もみじばし銀之助] さん
「地方」という俗称
はじめまして。偶然引っかかりました。
北海道岩見沢市在住、父は歌志内市出身(関係ありませんが)。
北海道では「郡」を使わず、「支庁」を主に使用します(新聞では「○○支庁○○町」とか、ニュースでは「○○に近い○○町」とか)。
それとは別に、われわれは「地方」という呼び方も多いです。天気予報なんかでも使いますが、だいたい「支庁=地方」として使います(網走支庁は「網走・北見・紋別」に気象予報区が分かれていますが)。
他の都府県の皆さんも、たぶん「地方」という呼び方はするのでしょう。暇があったら教えてください。
[802] 2002年 2月 4日(月)19:11:52深海魚[RVW] さん
>>801
北海道では、確か同じ郡でも異なる支庁に跨る様な例が
在りましたよね? となると、特に道内に於ける「郡」の
歴史的な意義とは何だったのでしょう?

他県で明確に「地方」と云う表現を用いる例は判りませんが、
例えば山形に於ける庄内地区の様に、県都を擁する意味での
県央から見て、地形的障壁が介在する等の理由から明らかに
一線を画する地域に対して用いられる場合が在るのだろうと
推測します。
[806] 2002年 2月 4日(月)21:19:46Issie さん
天気予報での「地方」
> 天気予報なんかでも使いますが、だいたい「支庁=地方」として使います

天気予報自体について言えば,これは気象庁が気象予報区の呼称として「地方」ということに決めているからです。
気象予報区にはほかに「東京地方」というのがあります。「東京都」から「島嶼(とうしょ)」,つまり伊豆諸島と小笠原諸島を除いた23区と三多摩の区域ですね。
この他にも「地方」という呼称を用いる気象予報区がいくつかあります。
くわしくは,こちらをどうぞ。
http://www.tt.rim.or.jp/~ishato/tiri/tenki/tenki.htm
[820] 2002年 2月 6日(水)16:34:45紅葉橋律乃介[もみじばし銀之助] さん
北海道の郡
気象予報区を見せていただきました。「地方」は北海道や東京以外はほとんど無いんですね。
それで気づいたんですが、我が「空知」だけは「北・中・南」に分かれております。実際の生活でもそんなものです。
夏の高校野球で言えば、「南空知」は「南北海道」、「北・中」は「北空知」として「北北海道」地区で予選が行われます。たまに空知から2校出ることもありますね。
ちなみに、「桧山奥尻島」というのは聞いたことがありません。本当に予報されているんですか(笑)?
さて「郡」についてですが、日常生活ではほとんど(というか全く)出てきません。今市町村の一覧を付くろうと思い立ち、まず郡の入った地図を探しましたが、ありませんね(地元なんですがねえ)。
どちらかと言えば「支庁」なんですが、住所には使わないでしょう。また、「支庁」の管轄区域は「郡」単位なんですね。支庁で分断されている場合は「○○町(村)を除く」とか書かれている。
だから全く「郡」が無いわけではありませんが、市町村を聞いても郡名が頭に浮かぶことは少ないですね。

以前も指摘されてました「国」が違って同じ名前の「郡」ですが、わたしも最近になって知りました。手許の「郵便番号簿」では全部一緒になってたもので(平成10年版)。
[2505] 2002年 8月 11日(日)20:03:25かつ さん
支庁について
こんばんは。県の下位区分のページを興味深く読ませてもらいました。
そこで初歩的な質問かも知れませんが,現在ある「支庁」(他県と北海道の場合とはちょっと違う気もしていますが…)とはその該当地域を管轄する出先機関としての役所の名称なのか,行政区分(地域呼称)の名称なのかどちらなのでしょうか?あと宮崎県には「○○総合(合同)庁舎」と言われる役所が県内にいくつかあって,その中にそれぞれの地域を管轄する県の土木事務所や教育事務所などが入っています。西臼杵郡には西臼杵支庁と言うのがあるようですが,これらの庁舎同等と同じ性格のものなのでしょうか?
[2524] 2002年 8月 12日(月)09:15:32オーナー グリグリ
Re:支庁について
かつさんへ [2505]
> こんばんは。県の下位区分のページを興味深く読ませてもらいました。
すみません、これはどこのページのことでしょうか。ひょっとしてIssieさんのこのページでしょうか。
http://www.tt.rim.or.jp/~ishato/tiri/kubun/kubun.htm
それはともかく、ご質問の「支庁」については過去にIssieさんが詳しく説明してくれています。アーカイブズとしてまとめてありますので以下のページを参照してみて下さい。
[12025] 2003年 3月 28日(金)19:04:55三丁目 さん
支庁の再編
[11952] seahawkさん
北海道の支庁所在地も町にあるところはあるので。(中略)県庁移転計画を打ち出しても市民団体に激しく攻撃されてしまうと思います。

他の市へ県庁を移転するほどの大ゴトな話ではありませんが、北海道では、道庁組織改革として、支庁再編論議が進められてきています。この結果、現在ある支庁舎が移転、又は廃止の可能性が出てきました。

拙稿[11075]で「室蘭市内での胆振支庁舎の移転、さらには胆振支庁と日高支庁との合併案による市外への移転の可能性」にふれましたが、支庁再編について、若干の情報を得ましたから、ご紹介したいと思います。市町村合併の話についてはさかんに出ますが、それよりちょっと上の行政単位ということで。

平成13年3月に出された「支庁改革に関する試案」では、現在の14支庁を、以下の8支庁に割る案が提案されています。
(1)石狩・空知、(2)後志、(3)胆振・日高、(4)渡島・檜山、(5)上川・留萌・宗谷、(6)網走、(7)十勝、(8)釧路・根室

区割りの一次案としては、後志を(1)か(3)かに入れるのか、(1)に入れるなら空知を(3)に入れるか、などの道央圏の分割パターンが分かれたものの、(3)、(4)、(5)、(8)の統合パターンは結局崩されませんでした。これは、規模が小さい日高、檜山、留萌、宗谷、根室支庁の集約化が、再編論議の主眼であり、道庁組織のスリム化の観点から進められています。

廃止が予想される支庁舎所在地では、当然ながら支庁廃止反対、及び存続運動が、市町村長会から住民署名活動までいろいろと起こっているそうです。

道のホームページには、支庁制度検討の流れがあり、平成14年4月に出された「支庁制度改革に関する方針」素案2を見ると、道の各種圏域等の状況が、表にまとめられていました。掲載するにあたり、オリジナルの表に支庁所在地を加え、第二次保健医療福祉圏という項目は割愛する等、勝手ながら、若干、手を加えわかりやすくしたつもりです。なお、カッコ内の数字は、該当する地域の人口です。

(人口単位:千人、2000年の国勢調査による)
地域生活経済圏土木現業所支庁支庁所在地広域市町村圏
道南(517)函館渡島(462)函館市渡島
檜山(55)檜山郡江差町檜山
道央(3,413)小樽後志(263)虻田郡倶知安町後志
札幌石狩(2,243)札幌市札幌
空知(387)岩見沢市南空知
中空知
北空知
室蘭胆振(435)室蘭市西胆振
東胆振
日高(86)浦河郡浦河町日高
道北(694)旭川上川(548)旭川市上川北部
上川中部
富良野
留萌留萌(66)留萌市留萌
稚内宗谷(81)稚内市宗谷
オホーツク(338)網走網走(338)網走市北網(北見、網走)
遠紋(遠軽、紋別)
十勝(358)帯広十勝(358)帯広市十勝
釧路・根室(363)釧路釧路(277)釧路市釧路
根室(86)根室市根室

と、さまざまな切り口で、検討が進められています。この他、支庁別人口の推移、支庁別市町村数の比較、支庁区域を超えた国の機関の所管区域(財務事務所、労働基準監督署、法務局、運輸支局等)等、いろいろありました。

でも、関心を持っているのは、廃止される地域の方がほとんどらしく、友人の話によると、市町村合併はなにかとニュースになりますが、支庁再編の話は、TVや新聞であまり見かけないそうです。北海道全体としては、マイナーな話題のようですね。

[11997]で、岩見沢市の紅葉橋瑤知朗さんがいらっしゃったのに、地元でもないのに僭越でしたが。

[11798]太白さん
私は、本落書き帳においてはニッチ分野重視を心がけております

実は、私もニッチ分野(笑)を心がけていたため、このような話題になりがちなのでした。王道、本道の話題で、参加できそうなときには、加わらせて頂きたいと思ってますが、なかなか、これが、難しくて。最後に付け加えるようで申し訳ありませんが、条・丁目のkenさんの引用を、[12007]でわかりやすくして頂き、ありがとうございました。
[12762] 2003年 4月 9日(水)20:57:06三丁目 さん
支庁再編、に鉄道を絡めて
拙稿[12025]で、北海道の支庁再編が検討されていることをご紹介しましたが、鉄道の話も絡めて。

留萌本線、日高本線、江差線、根室本線には、北海道庁の出先機関である、支庁所在地が関わっています。支庁所在地の留萌市、浦河町、江差町、根室市への交通路として、存続を余儀なくされていると見られなくもないのです。JR北海道としては、経営に重荷になる線は廃止したいのでしょうけれど。

これで、支庁が再編され、案どおりの8支庁に集約されれば、鉄道はどうなるのでしょうね。地元が廃止に反対するときに、北海道庁の後ろ盾がないと、その運動も弱いものになってしまうような気がします。それで、

[11375]まがみさん
旭川駅付近の高架工事に伴い(中略)改装列車の輸送などに必要なため旭川~北旭川運転所の間を電化工事中のようです。ただ、電化されても旅客列車としての電車は走らないのでしょうね。

この話に関連させていいのかわかりませんが、小耳にはさんだお話を少々。
数年前に,上川支庁庁舎が市中心部から永山に移転しましたが、支庁職員からは、永山まで電化延長して、札幌行の特急電車を永山始発にしろ、という運動が起こったそうです。JRは難色を示しつつ将来に含みを残したのに対して、一般市民からは、役人のエゴだ、と非難を浴びたようです。ちょうど、先述の廃線の可能性とは、逆の動きだな、と思ったものです。

以前[443]で、鉄道なし市をケンさんがまとめられていましたが、廃線によって鉄道なしになるケースは、寂しいものがありますね。私の手元にある1978年文部省検定済地図帳には、ほとんどが記載されているものですから、見てみました。逆に、予定線が載っているくらいですから、今議論されている高速道路の比じゃないですが、シミジミ思いました。鉄道が記載されていない地図帳で見ると、わかりにくいかもしれませんが、ご参考までに、道内の廃止された路線一覧をオマケということで。よくここまで廃止したなあ、というより、作っていたものだと感心してしまいました。

白糠線:根室本線白糠(釧路支庁白糠町)~北進(同町)(1983年10月)
相生線:石北本線美幌(網走支庁美幌町)~北見相生(同支庁津別町)(1985年3月)
万字線:室蘭本線志文(空知支庁岩見沢市)~万字炭山(同支庁栗沢町)(1985年3月)
渚滑線:名寄本線渚滑(網走支庁紋別市)~北見滝ノ上(同支庁滝上町)(1985年3月)
岩内線:函館本線小沢(後志支庁共和町)~岩内(同支庁岩内町)(1985年6月)
興浜北線:天北線浜頓別(宗谷支庁浜頓別町)~北見枝幸(同支庁枝幸町)(1985年7月)
興浜南線:名寄本線興部(網走支庁興部町)~雄武(同支庁雄武町)(1985年7月)
美幸線:宗谷本線美深(上川支庁美深町)~仁宇布(同町)(1985年9月)
富内線:日高本線鵡川(胆振支庁鵡川町)~日高町(日高支庁日高町)(1986年10月)
胆振線:室蘭本線伊達紋別(胆振支庁伊達市)~函館本線倶知安(後志支庁倶知安町)(1986年10月)
広尾線:根室本線帯広(十勝支庁帯広市)~広尾(同支庁広尾町)(1987年2月)
瀬棚線:函館本線国縫(渡島支庁長万部町)~瀬棚(檜山支庁瀬棚町)(1987年3月)
湧網線:名寄本線中湧別(網走支庁上湧別町)~石北本線網走(同支庁網走市)(1987年3月)
士幌線:根室本線帯広(十勝支庁帯広市)~十勝三股(同支庁上士幌町)(1987年3月)
羽幌線:留萌本線留萌(留萌支庁留萌市)~宗谷本線幌延(同支庁幌延町)(1987年3月)
幌内線:函館本線岩見沢(空知支庁岩見沢市)~幌内(同支庁三笠市)(1987年7月)
松前線:江差線木古内(渡島支庁木古内町)~松前(同支庁松前町)(1988年1月)
歌志内線:函館本線砂川(空知支庁砂川市)~歌志内(同支庁歌志内市)(1988年4月)
標津線:釧網本線標茶(釧路支庁標茶町)~根室標津(根室支庁標津町)(1989年4月)
     中標津(根室支庁中標津町)~根室本線厚床(同支庁根室市)
名寄本線:石北本線遠軽(網走支庁遠軽町)~宗谷本線名寄(上川支庁名寄市)(1989年4月)
      中湧別(網走支庁上湧別町)~湧別(同支庁湧別町)
天北線:宗谷本線音威子府(上川支庁音威子府村)~宗谷本線南稚内(宗谷支庁稚内市)(1989年4月)
池北線:根室本線池田(十勝支庁池田町)~石北本線北見(網走支庁北見市)(1989年6月~第三セクター化)
函館本線上砂川支線:砂川(空知支庁砂川市)~上砂川(同支庁上砂川町)(1994年5月)
深名線:函館本線深川(空知支庁深川市)~宗谷本線名寄(上川支庁名寄市)(1995年9月)

なお、士幌線は、全線廃止される前、1978年に糠平~十勝三股間が一部廃止になっています。
また、札沼線はかつては名前のとおり札幌から石狩沼田まででしたが、1972年6月に新十津川(空知支庁新十津川町)~石狩沼田(同支庁沼田町)の区間が廃止されています。

たぶん、漏れはないと思いますが、テツな方のご指導をあおげれば、と。ちなみに私は「乗り鉄」であることに、数年前気づきました。といっても、乗りつぶし派ではなく、目的地へ行くのに、極力、各駅停車を使う、というだけのことなのですが。おかげで、何度も往復した青森~大宮間での乗り継ぎ駅である、八戸、盛岡、一関、仙台、福島、黒磯の駅名は、時刻表を見ずともスラスラ出るようになりました。場合によっては、北上、郡山での乗り換えもありましたが。乗り継ぎ時間の短い間に駅前をウロウロするのが好きなのです。ただし、大垣夜行から小倉まで各駅停車でズ~ッと乗り継いだときには、乗り鉄を自認する私も、さすがに疲れました。とともに、懲りました。でも、その帰りも、もちろん各駅停車でしたが。
[12794] 2003年 4月 10日(木)02:55:47紅葉橋律乃介[紅葉橋瑤知朗] さん
Re.支庁再編、に鉄道を絡めて
[12762]三丁目さん

>幌内線:函館本線岩見沢(空知支庁岩見沢市)~幌内(同支庁三笠市)(1987年7月)

正しくは、函館本線岩見沢(空知支庁岩見沢市)~幾春別(同支庁三笠市)(1987年7月)
         三笠(空知支庁三笠市)~幌内(同支庁三笠市)(同上・1972年11月旅客営業廃止済み)
ですね。
これは本当の地元ですから間違いのない所。

特定地方交通線でなければ、
胆振線脇方支線:京極(京極町)~脇方(同)(1970年11月)
根北線:釧網本線斜里(斜里町)~越川(1970年12月)

貨物線になっていましたが、手宮線:函館本線南小樽(後志支庁小樽市)~手宮(同)(1985年11月・1962年5月客扱い廃止)
これは「北海道最初の鉄道」ですから、忘れてはならない?

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