「口・奥」コレクションに関連して、今川焼さんを悩ませているかも知れない、私の以前の書き込み
[35616]にある「わかりにくい」口・奥地名について、補足しておきます。
※志地口・志地奥のところに「口河内」「奥河内」というバス停が見られますので、関連があると思われます。
これらのバス停は、昭文社の「県別マップル兵庫県」(2003年1月発行)から発見しました。ところが同じ県別マップルの最新版にはこれらのバス停が記載されていません。
また、淡路交通の
停留所の指定から停留所名を探すと「奥河内」も「口河内」もありますが、指定して「次へ」をクリックしても残念ながら時刻表は作成されません。ということから「以前はバス停があったが路線が廃止された」と思われます。
それでも、志地口・志地奥と「口河内」「奥河内」には何か関連がないかと少し調べてみました。
「角川日本地名大辞典」からの情報を簡単にまとめると・・・
かつて二つの村がありました。
口河内村(くちごうちむら)
奥河内村(おくごうちむら)
明治10年に口河内村・奥河内村ほかが合体して河内村となり、旧村名は大字に
河内村口河内(こうちむら・くちごうち)
河内村奥河内(こうちむら・おくごうち)
明治22年に河内村は志知村ほかと合併して志知村となり、大字名は旧村+旧旧村の組合わせに
志知村河内口河内組(しちむら・こうち・くちごうちぐみ)
志知村河内奥河内組(しちむら・こうち・おくごうちぐみ)
昭和32年に志知村は近隣5町村と合併して西淡町となり・・・え、河内はどこへ?
西淡町志知口(せいだんちょう・しちくち)
西淡町志知奥(せいだんちょう・しちおく)
そして平成17年に西淡町は近隣3町と合併して南あわじ市となり
南あわじ市志知口(みなみあわじし・しちくち)
南あわじ市志知奥(みなみあわじし・しちおく)
というように市町村名と大字名が変化して行く中で、西淡町ができたときに長くなるので「河内」が省略されて「口」と「奥」が「志知」の後に残ってしまったというところでしょう。とにかく「口河内」も「奥河内」も地名として現存している証拠は発見できませんでした。
●小字名で「中」または「奥」がある「口」地名
口若杉(くちわかす) 中若杉・奥若杉 養父市大屋町若杉
口若杉と中若杉については、これらも「県別マップル兵庫県」から見つけたバス停でした。口と中の少し奥に「奥若杉」という小字があったので「古くからの地名として口も中も小字がある」と思い込んだ・・・あぁ~、これは私の早合点です。いろいろ探してみましたが、古くからの地名として「口若杉」も「中若杉」も見つかりません。
それでは、バス停名としてはどうか。
Googleのキャッシュに保存されていたテキストで、「広報おおや 平成12年4月号」(旧大屋町の広報誌)の記事がありました。
若杉へのバスの乗り入れが四月一日より開始されました。(中略)これまで若杉区にはバスが運行されていませんでしたが、昨年十月末に「中間バイパス」が開通したことから、これを機に若杉区と町が全但バス株式会社に路線延長を要望。(中略)同パイバス経由で、栗ノ下から若杉までの約三キロメートルが延伸されることになりました。路線内には、大谷、口若杉、中若杉、若杉の四停留所が新設されました。
一応バス停はあるようです。わずか5年ほど前にできた名前だったとは・・・。