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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[82194]2012年11月17日
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[82021]2012年10月29日
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[82020]2012年10月28日
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[81975]2012年10月18日
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[81974]2012年10月18日
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[81969]2012年10月17日
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[81968]2012年10月17日
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[81967]2012年10月17日
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[81966]2012年10月17日
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[81962]2012年10月16日
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[81954]2012年10月14日
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[81927]2012年10月8日
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[81923]2012年10月8日
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[81883]2012年9月24日
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[81876]2012年9月22日
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[81875]2012年9月22日
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[81274]2012年8月8日
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[81273]2012年8月8日
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[81272]2012年8月8日
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[81271]2012年8月8日
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[81270]2012年8月8日
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[81225]2012年8月1日
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[81218]2012年7月31日
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[81192]2012年7月28日
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[81178]2012年7月24日
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[81167]2012年7月22日
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[81160]2012年7月22日
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[81125]2012年7月16日
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[81124]2012年7月16日
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[81123]2012年7月16日
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[81075]2012年7月12日
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[81068]2012年7月10日
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[81067]2012年7月10日
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[81066]2012年7月10日
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[81065]2012年7月10日
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[81064]2012年7月10日
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[81063]2012年7月10日
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[81062]2012年7月10日
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[81061]2012年7月10日
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[81060]2012年7月10日
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[81059]2012年7月10日
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[81018]2012年7月1日
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[81011]2012年6月30日
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[81009]2012年6月29日
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[81006]2012年6月29日
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[80936]2012年6月4日
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[80928]2012年6月2日
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[82194] 2012年 11月 17日(土)15:19:37【1】YT さん
昭和22年の臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」の扱いについて
『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』では、昭和22年の臨時国勢調査人口における宮城県、栃木県、埼玉県の総人口は、「水害により調査を延期した地域における調査洩れの補正人口」を含み、市町村別人口の合計と一致しません。ところが改めて、昭和22年臨時国勢調査結果報告を読んだところ、水害によって調査を延期した地域には、東京都も含まれていました。

(註)水害によって調査を延期した地域は
1.東京都 足立区、葛飾区、江戸川区の三区
2.埼玉県 北葛飾郡の全域、南埼玉郡の内桜井村、新方村、増林村、八条村、潮止村、須賀村、鷲宮村の8カ村、北埼玉郡の内利島村、川辺村、東村、原道村、元和村、豊野村の6カ村
3.栃木県 下都賀郡の内生井村、部屋村の2カ村、足利郡の内毛野村、山前村、小俣村、山辺町の4カ町村
4.宮城県 玉造郡、栗原郡、登米郡、本吉郡の4郡全域
であって昭和22年12月中旬に、この地域に於ける100分の1の世帯を選び、此の世帯について調査洩れの抽出調査を行った結果3,109の調査洩れがあったことが推定せられた。この補正数を地域別に示せば次表の如くである。

都道府県郡区追加補正数補正後の人口
東京都足立区87233,217
東京都葛飾区407181,966
東京都江戸川区1,683173,422
東京都2,177588,605
埼玉県北埼玉郡5320,116
埼玉県南埼玉郡8431,894
埼玉県北葛飾郡321121,980
458173,990
栃木県下都賀郡6010,602
栃木県足利郡20736,227
26746,829
宮城県玉造郡2140,834
宮城県栗原郡71136,466
宮城県登米郡60116,045
宮城県本吉郡55106,359
207399,704
合計3,1091,209,128

なお南埼玉郡「8カ村」とありますが、文章中にはどうみても7カ村しか掲載されていません。ただ内訳が記されている地域の場合、上の表における「郡」の人口は該当する町村の人口の合計を示しているようです。実際に計算してみると、八幡村4278人に相当する人口が合計から不足しているので、残る一つは八幡村と思われます(【と思ったら、正誤表で訂正されており、確定です】)。また栃木県足利郡「小俣村」とありますが、昭和22年の時点では既に町になっています。内訳が示されている地域の人口を計算すると、以下の通りです。

埼玉県南埼玉郡桜井村2,978
埼玉県南埼玉郡新方村2,588
埼玉県南埼玉郡増林村4,837
埼玉県南埼玉郡八条村3,965
埼玉県南埼玉郡八幡村4,278
埼玉県南埼玉郡潮止村4,348
埼玉県南埼玉郡須賀村4,005
埼玉県南埼玉郡鷲宮村4,811
埼玉県南埼玉郡8村合計31,810
埼玉県南埼玉郡町村に配分し得ない調査洩れ84
埼玉県南埼玉郡8村合計(補正後)31,894
埼玉県南埼玉郡郡全域(補正後)200,729
埼玉県北埼玉郡利島村4,679
埼玉県北埼玉郡川辺村3,585
埼玉県北埼玉郡東村2,619
埼玉県北埼玉郡原道村2,803
埼玉県北埼玉郡元和村2,761
埼玉県北埼玉郡豊野村3,616
埼玉県北埼玉郡6村合計20,063
埼玉県北埼玉郡町村に配分し得ない調査洩れ53
埼玉県北埼玉郡6村合計(補正後)20,116
埼玉県北埼玉郡郡全域(補正後)202,003
栃木県下都賀郡生井村4,338
栃木県下都賀郡部屋村6,204
栃木県下都賀郡2村合計10,542
栃木県下都賀郡町村に配分し得ない調査洩れ60
栃木県下都賀郡2村合計(補正後)10,602
栃木県下都賀郡郡全域(補正後)247,744
栃木県足利郡毛野村10,072
栃木県足利郡山前村6,199
栃木県足利郡小俣町6,646
栃木県足利郡山辺町13,103
栃木県足利郡4町村合計36,020
栃木県足利郡町村に配分し得ない調査洩れ207
栃木県足利郡4町村合計(補正後)36,227
栃木県足利郡郡全域(補正後)98,348

なおこれら4都道府県の臨時国勢調査の結果は1948年3月24日付の官報にも掲載されていますが、
但し、右の調査洩れ人口は、地域町村は配分せず一括して郡末尾に「町村に配分し得ない調査洩れ」として掲げた。
との註があるにも関わらず、この段階で東京都足立区、葛飾区、江戸川区には調査洩れ人口が最初から区別に配分されています。実際の補正人口はそれぞれの地域におけるサンプリングの人口変動比から計算しているようなので、東京都を除く宮城県、栃木県、埼玉県のこれらの「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」も単純な按分処理により当時の境域における人口に割り振って問題ないようですが、

●昭和22年の臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三県の調査洩れ数を除外しているが、これらについても按分して計算し直すべきか
●昭和15年以前の十島村・三島村の人口の扱い
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三島村の人口をゼロとし、すべて十島村の人口に割り振っているが、昭和30年の十島村・三島村の人口比で按分して計算し直すべきか
●昭和35年の長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域(73人)
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では境界紛争地域の人口を除外しているが、最終的に山口村は中津川市に越境編入しており、この73人も現在の中津川市境域内の人口に加算するべきか

この辺の扱いについては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』に従った方がいいのかも知れませんが、昭和22年以降のこれら地域の境域変動を調べた上で、これらの人口を按分した推計人口を改めて試算してみようと思います。
[82021] 2012年 10月 29日(月)12:15:54【4】YT さん
相模原、町田市の人口の訂正
[82020]の説明について、改めて以前送付したエクセルファイルの中身をチェックしたところ、平成17年~22年の間の人口修正について、説明と違うことを行っていたので、修正します。

大正9年の人口で町田市の人口の計算過程を見ると、昭和55年の境域における大正9年の町田市の人口は23,585人。
(2)の修正により、23,585 + 7,170×6/167,935 ≒ 23,585 人 (変化なし)
(4)の修正により、23,585×(360,525 - 3)/360,525 ≒ 23,585 人 (変化なし)
(6)の修正により、23,585 + 27,016×42/605,561 ≒ 23,587 人
(8)の修正により、相模原市の人口が合併後境域に
(9)の修正により、23,587 + 10/701,630×58,101 ≒ 23,588 人

ところが改めて自分が送付したデータを確認したところ、(8) 相模原市の合併処理を、(9) 町田市と相模原市の間の境域変更の後に行っていました。すなわち

23,587 + 10/628,698×27,014 ≒ 23,587 人 (変化なし)

と、(9)の修正に際し、平成17年の国勢調査の境域による旧相模原市の人口で按分計算をしていました。よって[82006]で計算し直した貝塚市のケースに加え、このケースでも相模原市、町田市の人口を修正する必要があります。

送付した町田市、相模原市の平成22年国勢調査時境域による人口はD'、E'の通りで、正しい処理をした町田市、相模原市の平成22年国勢調査時境域による人口はD、Eの通りです。計算上は結局のところ±1人の差しか生じませんが。

番号ABCD'E'DED-D'
町田市相模原市相模原市町田市相模原市町田市相模原市人口差
備考平17境域平17境域合併直後境域誤修正誤修正正修正正修正
大正923,58727,01458,10123,58758,10123,58858,1001
大正1424,66928,17459,05424,66959,05424,67059,0531
昭和526,63130,04560,80426,63160,80426,63260,8031
昭和1027,60730,46260,99427,60760,99427,60860,9931
昭和1531,97537,87168,78431,97668,78331,97668,7830
昭和2250,31361,530100,24650,314100,24550,314100,2450
昭和2552,41468,893106,82252,415106,82152,416106,8201
昭和3058,26283,835120,81358,263120,81258,264120,8111
昭和3571,170101,649137,10871,172137,10671,172137,1060
昭和40115,757163,371200,758115,760200,755115,760200,7550
昭和45202,520278,309317,280202,524317,276202,525317,2751
昭和50255,334377,374421,967255,340421,961255,340421,9610
昭和55295,439439,272494,227295,446494,220295,446494,2200
昭和60321,218482,748546,487321,226546,479321,226546,4790
平成2349,084531,508602,402349,092602,394349,093602,3931
平成7360,562570,560646,476360,571646,467360,571646,4670
平成12377,536605,519681,108377,546681,098377,546681,0980
平成17405,534628,698701,630405,544701,620405,544701,6200
平成22426,987717,544426,987717,5440

ただ、実際の相模原市と町田市の境域変更は多分旧相模原市内が対象なので、先の計算結果も一概に誤りとは言えない気もしますが・・・

同じように合併と境域変更の順序を間違っているケースがないか、後でチェックし直します。

【追記】合併と境域変更が国勢調査の間の5年間で起こっているケースは、1980年10月2日~2010年10月1日の間で6例しかありません。

越谷市と春日部市のケースでは、境域変更後に合併の処理。
小県郡丸子町と小県郡東部町のケースでは境域変更後に合併の処理。
本巣郡穂積町と本巣郡穂積町のケースでは境域変更後に合併の処理。
伊勢市と度会郡玉城町のケースでは、合併後に境域変更として処理。

ということでこれらの処理には問題ありません。

太田市と深谷市のケースでは、合併後に境域変更が行われれたにも関わらず、境域変更が先にあったような処理をしていました。ただ合併したのは深谷市側であり、異動地域の推計人口は深谷市側へ人口異動が起こった太田市側の人口にのみ依存するので、結果としてこのケースでも計算間違いは生じませんでした。

よって現時点で修正が必要なのは、上の町田市と相模原市のケースと、[82005][82006]で二つの人口異動があることが判明した貝塚市と岸和田市のケースだけです。

[82006]のデータを作成した段階では1980年~2005年分についてはちゃんと合併と境域変更の順番をチェックしていましたが、2005年以降については境域変更日時の情報を整理していなかったため、こういう間違いをおかしてしまったようです。
[82020] 2012年 10月 28日(日)21:34:04【3】YT さん
境域変動と合併の計算について
[82019] オーナー グリグリさん

これはT年の国勢調査時の境域における補正と考えてよいですね。

[81974]の文章を書いた時、直前の国勢調査時の組替人口が生データと考えて文章を書いたのですが、[82014]に書かれているように、実際には境域変更前後で確認された人口異動と推計人口を元に、直前の国勢調査組替人口を計算するという作業があったりと、直前の国勢調査時の組替人口が生データではない可能性もあるのですね。

それはともかくとして、[81974]の文章を書いた時点では、t年というのは境域変更が行われる直前のT年の国勢調査を含め、境域変更以前の全ての国勢調査年を意味し、全部同じ補正を行うという意味で書きました。t = Tの時は、

A'(T) = A(T)*(A(T) - ΔA(T))/A(T) + B(T)*ΔB(T)/B(T) = A(T) - ΔA(T) + ΔB(T)

B'(T) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(T)*(B(T) - ΔB(T))/B(T) = B(T) - ΔB(T) + ΔA(T)

という当たり前の式になります。

境域補正前後の異動人口と推計人口が分かっていて、それをT年の人口とするとしても、t年はそのT年推計人口を含めた過去全ての国勢調査で成立し、全ての補正前人口に対して同じように修正作業をする必要があります。

T年以外の境域に関しては、T年の境域における補正を実施した人口に対して、合併による通常の人口組替を行う必要があると考えてよいですね。言い換えると、国勢調査年毎に5年分の境界変更に伴う人口補正を行い、次の国勢調査年の境域での組替えを行った上で次の5年分の境界変更に伴う人口補正を行い、これを繰り返す。間違っていないでしょうか。

一回の境域変更に対しては、同じ人口異動の計算を過去全ての国勢調査時の人口に対して行うことになります。わざわざA(t)やB(t)のことを国勢調査人口と呼ばずに、「補正前人口」と呼んだのは、境域変更の度に人口補正が行われているからで、今回の人口組替のほか、合併や分割などの人口異動はすべて、その度ごとに過去の人口を修正することとなります。今回の人口修正のデータの出発は『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』ですが、これは既に昭和55年以前の境域変更が行われていると仮定して、その詳細を検討していません。昭和55年以降に1回の境域変更が行われたケース(例えば貝塚市と岸和田市の[82006])であれば、その一回の境域変更により、境域変更前全てのデータの書き換えを行う作業を一回行うことになります。

もっと複雑な町田市、大和市、相模原市のケースですと、

(1) まず町田市、大和市、相模原市、城山町、津久井町、相模原町、藤野町に関して、昭和55年(1980年)10月1日の境域による昭和55年以前の13回分の国勢調査時の市町別人口を用意する。
(2) 1985年2月1日の境域変動に関する昭和55年国勢調査時異動人口(大和市から町田市に6人)を元に、昭和55年以前の大和市と町田市の人口を13回分全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の昭和55年の人口が昭和60年の国勢調査における昭和55年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する1度目の修正】
(3) 昭和60年~平成7年の各回国勢調査人口を各市町村の人口データとして(2)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成7年国勢調査時境域のものとして16回分揃う。
(4) 1999年12月1日の境域変動に関する平成7年国勢調査時異動人口(町田市から相模原市に3人)を元に、平成7年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成7年の人口が平成12年の国勢調査における平成7年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する2度目の修正】
(5) 平成12年国勢調査人口を各市町村の人口データとして(4)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成12年国勢調査時境域のものとして17回分揃う。
(6) 2004年12月1日の境域変動に関する平成12年国勢調査時異動人口(相模原市から町田市に42人)を元に、平成12年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成12年の人口が平成17年の国勢調査における平成12年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する3度目の修正】
(7) 平成17年国勢調査人口を各市町村の人口データとして(6)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成17年国勢調査時境域のものとして18回分揃う。
(8) 2006年8月20日と2007年3月11日の編入を反映させるため、平成17年以前の相模原市の人口に平成17年以前の城山・津久井・相模原・藤野町の人口を加算し、修正する。【合併に伴う修正】
(9) 2007年12月1日の境域変動に関する平成17年国勢調査時異動人口(相模原市から町田市に10人)を元に、平成17年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成17年の人口が平成22年の国勢調査における平成17年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する4度目の修正】
(10) 最後に平成22年国勢調査人口を(8),(9)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成22年国勢調査時境域のものとして19回分揃う。

ということで、町田市、大和市、相模原市に関して合併の影響をも考慮しながら2010年10月1日の境域に一致するように過去の人口を修正・推計することとなります。

もちろん[82007]で白桃さんが危惧されているように、境域変更部分についてもっと詳しい情報があれば、推計方法も違うものになります。

というわけで[82006]で送りましたデータは、大部分は合併のみを考慮すれば良く、まず境域異動を無視し、合併オンリーで修正データを作った後、境域変動があった地域については別個に合併の部分を含めて再計算を実施しています。

異動の計算に使った数字は国勢調査時の組替異動人口で、太田市や稲沢市のように境域変更前後の人口が公表されいるのであれば、その人口を修正に使った方がいいかも知れません(が、さすがにこの影響は±1人に留まるはずです)。ただ1980年10月2日以降の全ての境域変動時の人口異動の情報を集めるのはちょっと難しい気がしますし、計算の出発の時点で昭和55年以前の数字に既に施されいてる人口修正の中身のチェックに手をつけていないので、将来的に2010年10月2日以降の境域異動に伴う人口修正を行わない限り、国勢調査時の組替異動人口からの計算で充分だと思います。

【訂正】町田市、大和市、相模原市の人口修正の過程について、実際に修正を行った期間の説明に誤りがあったので、より詳しい説明を加えて訂正します。
【追記】以前送付したエクセルファイル中で行った平成17年~22年の間の人口修正について、上の説明と違うことを行っていたので、別途記事にします。
[82006] 2012年 10月 25日(木)20:43:49【5】YT さん
貝塚市と岸和田市の平成22年境域内推計人口を求める二通りの方法
貝塚市と岸和田市の過去の人口推計方法について稿を改めて説明します。

貝塚市、岸和田市の昭和55年10月1日の境域(平成17年10月1日の境域とも同じ)による国勢調査・推計人口、平成22年10月1日の境域による国勢調査・推計人口は以下の通りです。推計の起点となるのは平成17年の組替え人口で、貝塚市から岸和田市への実質的な人口異動の差である、47人のみを考慮するのか、それとも双方の人口異動(貝塚市から岸和田市へ174人、岸和田市から貝塚市へ127人)を考慮するのかによって、過去に遡っての平成22年境域人口の推計値に変化が生じます。

市名貝塚市岸和田市貝塚市岸和田市貝塚市岸和田市
境域昭55昭55平22平22平22平22
人口異動貝塚市→岸和田市貝塚市→岸和田市貝塚市⇔岸和田市貝塚市⇔岸和田市
大924,76860,76124,75560,77424,75960,770+4
大1429,37568,64029,36068,65529,36268,653+2
昭531,32074,08031,30474,09631,30674,094+2
昭1040,50782,84840,48682,86940,48182,874-5
昭1542,79783,70442,77583,72642,76783,734-8
昭2247,12991,53147,10491,55647,09691,564-8
昭2553,58698,82153,55898,84953,54598,862-13
昭3056,166107,64056,137107,66956,126107,680-11
昭3561,067120,26561,035120,29761,025120,307-10
昭4069,365143,71069,329143,74669,322143,753-7
昭4573,366162,02273,328162,06073,327162,061-1
昭5079,506174,95279,465174,99379,463174,995-2
昭5581,162180,31781,120180,35981,120180,3590
昭6079,591185,73179,550185,77279,555185,767+5
平279,234188,56379,193188,60479,200188,597+7
平784,653194,81884,609194,86284,613194,858+4
平1288,523200,10488,477200,15088,479200,148+2
平1790,314201,00090,267201,04790,267201,047
平2290,519199,23490,519199,234

まず、【貝塚市→岸和田市】という、人口異動差のみを考慮した場合、貝塚市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に(90,314 - 47)/90,314を乗じた値となり、一方の岸和田市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に47/90,314を乗じた値に、岸和田市の昭和55年領域人口を加えた値となります。

例えば大正9年の平成22年境域内人口は
貝塚市:24,768×(90,314 - 47)/90,314 = 24,755.110... ≒ 24,755
岸和田市:60,761 + 24,768×47/90,314 = 60,773.889... ≒ 60,774

一方【貝塚市⇔岸和田市】の間の相互の人口異動を考慮した場合、貝塚市の昭和55年領域人口の内、(90,314 - 174)/90,314は貝塚市の平成22年境域人口分で174/90,314は岸和田市の平成22年境域人口分となります。一方岸和田市の昭和55年領域人口の内、(201,000-127)/201,000は岸和田市の平成22年境域人口分で127/201,000は貝塚市の平成22年境域人口分と考えるのです。

つまり貝塚市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に(90,314 - 174)/90,314を乗じた値と、岸和田市の昭和55年境域人口に127/201,000を乗じた値を足した数字となります。同様に岸和田市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に174/90,314を乗じた値と、岸和田市の昭和55年境域人口に(201,000 - 127)/201,000を乗じた値を足した数字となります。


例えば大正9年の平成22年境域内人口は
貝塚市:24,768×(90,314 - 174)/90,314 + 60,761×127/201,000 = 24,758.672... ≒ 24,759
岸和田市:24,768×174/90,314 + 60,761×(201,000 - 127)/201,000 = 60,770.327.. ≒ 60.770

というわけでこのケースの場合、両者の推計人口は最大で13人の差(昭和25年)が生じます。

私個人としては、統計局が採用している按分方法は後半の通りだと解釈していますが、どうでしょうか?
[82005] 2012年 10月 25日(木)16:46:18【7】YT さん
市区町村の境界変更一覧(平成17年10月2日~平成22年10月1日)
[82001] オーナー グリグリさん
国勢調査人口比較における人口異動を伴う組替え要因と人口組替ページにリストアップした2005年から2010年の人口異動を伴う境界変更の一覧は、差引異動人口から割り出していますので、差引0の人口異動を伴う境界変更が隠れている可能性があります。[81921]に書いたように平成26年6月に刊行予定の平成22年国勢調査最終報告書を見れば正確なところが明らかになります。

[81966]にて
一方最新の平成22年分の国勢調査報告書第1巻の方は既に然るべき図書館に納められておりますが、統廃合の情報は載っているものの、残念ながら境界変更情報(都道府県の境界変更情報は残っている)が無くなっております。もしかしたら今後作成される他の冊子に収録されるのかも知れませんが。
と書きましたが、先ほど改めて『平成22年 国勢調査報告 第二巻 人口等基本集計結果 その2 都道府県・市区町村編』の方を閲覧したところ、市区町村の境界変更一覧(平成17年10月2日~平成22年10月1日)が載っておりました。人口異動を伴う境界変更は以下の通りですが、市区町村変遷情報掲載の日時と異なる日時が一部挙げられていました(【追記】仙台市泉区ではなくて仙台市宮城野区です【←と思ったら、『境界変更一覧』の方では多賀城市の一部(28人)を仙台市泉区に編入となっていますね・・・2010年と2005年の国勢調査人口を比較すると、2005年の宮城野区の人口で組み換えによる増加があるようなので、下の表では宮城野区の方を採用していますが、これも再チェックが必要かも知れません】)。

年月日異動地域異動人口コード市町村名平成17年人口組替人口異動人口
2006.7.102201 to 0236112202201青森市311,508311,386-122
02361南津軽郡藤崎町16,49516,617122
2009.4.1.04209 to 041022804209多賀城市62,74562,717-28
04102仙台市宮城野区182,678182,70628
2010.3.110205 to 1121813910205太田市213,299213,160-139
11218+11405+11406+11407深谷市146,461146,600139
2007.12.114209 to 132091014209+14421+14422+14423+14424相模原市701,630701,620-10
13209町田市405,534405,54410
2006.4.124461 to 242035724461度会郡玉城町14,88814,831-57
24203+24462+24463+24468伊勢市134,973135,03057
2007.1.127208 to 2720217427208貝塚市90,31490,267-47
2007.8.127202 to 2720812727202岸和田市201,000201,04747
2006.6.127231 to 272149727231大阪狭山市58,20858,111-97
27214富田林市123,837123,93497

上九一色村については「市区町村の変更情報」として別項目で扱われ、「分村:梯・古関」が甲府市に編入、「分村:富士ケ峰・本栖・精進」が南都留郡富士河口湖町に編入と記載されておりました。

以上より、[81975]で入力した人口情報の内貝塚市・岸和田市については、相互の異動を考慮して計算する場合には再計算が必要となりますが、人口の異動の差だけで計算するか、相互の異動を考慮するかで平成12年以前の推計人口に最大で13人(昭和25年)の差が生じます。

なお[81968]
(政令指定都市や東京特別区部の区に関しては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』でのデータも不完全なので省略)
と書きましたが、よくよく見ると特別区部に関しては大正9年まで按分データが遡れていることに気付きました。1980年10月1日以降の特別区部内の人口の異動を伴う境域変更は、多分1982年11月5日付で境界未定地域(1980年に37人)が江東区4人(362,270→362,274)、港区33人(201,257→201,290)に分割されたくらいです。そうなってくると、1970年~1980年の特別区部内の境界未定地域の人口(1970年:38人、1975年:125人、1980年:37人)をどう扱うかさえコンセンサスが得られれば、特別区部に限り区の人口に分割することも可能となるでしょう。

政令指定都市では、京都市、大阪市、名古屋市、北九州市なども大正9年まで区のデータが揃っていますが、まあ他の政令都市は分割による区の増加などにより、区別の人口データが対応できていないようです。

【追記】上記1970年~1980年の東京特別区部内の境界未定地域の人口は、1980年10月1日現在の境界未定地域に関する人口のようです。実際の1970年国勢調査における境界未定地域の人口は763人、1975年国勢調査における境界未定地域の人口は332人です。1979年4月25日にこの332人分は全て品川区所属となりますが、1979年10月1日付で旧江東区の一部が新たに境界未定地域(125人: 335,382→335,257)となり、これが1980年国勢調査の37人分に相当する地域です。よって境界未定地域の人口を以下のように港区と江東区で分割すれば解決です。
昭45昭50昭55
境界未定地域(昭和55年10月1日境域)3812537
港区分3411133
江東区分4144
港区(昭和55年10月1日境域)223,978209,492201,257
江東区(昭和55年10月1日境域)355,835355,257362,270
港区(按分後)224,012209,603201,290
江東区(按分後)355,839355,271362,274

【貝塚市と岸和田市の人口推計については稿を改めます】
[81998] 2012年 10月 24日(水)18:34:39【2】YT さん
九州の人口変遷情報の訂正
以前[80480]で投稿した明治31年以降の北海道、九州、沖縄県の市町村別人口の変遷をまとめたエクセルファイルですが、最近になって4箇所(全体では13箇所)人口が間違っていることに気付きました。

何れ情報を追加するであろう次回の改訂で修正しますが、以下の人口が間違っておりました。

調査日時地域修正前修正後
1935年10月1日福岡県2,755,8942,755,804-90
1935年10月1日福岡県市部1,153,4891,153,399-90
1935年10月1日福岡県戸畑市67,89067,800-90
1930年10月1日熊本県1,354,0001,354,993-7
1930年10月1日熊本県市部164,467164,460-7
1930年10月1日熊本市164,467164,460-7
1955年10月1日大分県1,277,2991,277,199-100
1955年10月1日大分県市部611,206611,106-100
1955年10月1日大分県豊後高田市30,70830,608-100
1947年10月1日宮崎県1,025,6691,025,689+20
1947年10月1日宮崎県郡部788,162788,182+20
1947年10月1日宮崎県南那珂郡119,977119,997+20
1947年10月1日宮崎県南那珂郡大束村8,0398,059+20

わざわざこの手の打ち間違いに気付くように、全体の人口集計、市別・郡別集計、郡別集計と、多重のチェックをしていた筈なのですが、どういうわけか差の数字の90人、7人、100人、20人をことごとく見落としていたようです。【と書き込んだ直後に大分県の数字の書き込み間違いを見つけたので、再修正】
[81975] 2012年 10月 18日(木)14:22:21【2】YT さん
2010年10月1日の境域による1920、1935、1950、1965、1980、1995、2010年の市町村別人口
とりあえず、1920年10月1日の人口10万人以上、2010年10月1日の人口45万人以上の諸都市、県庁所在地に関し、平成22年10月1日の境域による15年毎の市町村別人口と90年間の人口増加率をまとめると以下の通りです。

どちらかというと昭和・平成の大合併の影響の方で見慣れない都市が上位に来ています。

市町村順位1920年1935年1950年1965年1980年1995年2010年人口増加率(%)
特別区部13,358,5305,896,0085,385,0718,893,0948,351,8937,967,6148,945,695166.4
大阪市21,786,6333,022,4462,015,3503,156,2222,648,1802,602,4212,665,31449.2
神戸市3746,5341,058,033820,9561,216,6141,367,3901,423,7921,544,200106.8
京都市4736,4621,117,4391,130,1851,374,1591,480,3771,470,9021,474,015100.1
名古屋市5677,4521,182,8371,157,2631,935,4302,087,9022,152,1842,263,894234.2
横浜市6579,448796,579951,1861,788,9072,773,6743,307,1363,688,773536.6
北九州市7433,325669,392736,8951,042,6881,065,0781,019,598976,846125.4
新潟市8332,572402,102538,330603,733730,733796,456811,901144.1
浜松市9321,570418,865494,296598,076698,982766,832800,866149.0
広島市10305,773423,907447,174696,845992,7361,117,1171,173,843283.9
岡山市11288,599341,972382,969459,532590,242663,346709,584145.9
長崎市12286,980313,591375,222484,111502,799487,063443,76654.6
熊本市13266,842328,592412,745502,458619,236708,097734,474175.2
静岡市14263,098367,950467,752634,247727,260738,674716,197172.2
呉市15249,063335,202292,769301,955302,766270,179239,973-3.6
福岡市16239,957372,500487,891769,1891,088,6151,284,8361,463,743510.0
長岡市17224,411247,490282,136281,266289,234293,250282,67426.0
鹿児島市18216,682276,340325,919415,439547,756594,430605,846179.6
長野市19212,194239,526300,769310,399358,173387,359381,51179.8
いわき市20210,550234,717340,260333,881342,074360,598342,24962.5
姫路市21209,050244,556325,329412,507494,825527,854536,270156.5
金沢市22206,125231,125283,863335,830417,684453,975462,361124.3
富山市23203,824235,562303,168339,446391,554417,595421,953107.0
福山市24196,152218,253264,994301,376425,675453,791461,357135.2
上越市25196,144205,680243,519227,312216,139212,060203,8994.0
下関市26192,840237,248280,949317,146325,478310,717280,94745.7
仙台市27190,015278,824380,224520,071792,059971,3241,045,986450.5
和歌山市28189,977252,119243,520328,657400,802393,885370,36495.0
高松市29186,964222,546269,160307,550386,547412,626419,429124.3
佐世保市30183,863277,747313,259302,431288,231279,551261,10142.0
函館市31182,776260,665286,084314,135345,165318,308279,12752.7
松山市32181,496207,683265,678332,343442,147497,203517,231185.0
倉敷市33174,424202,991266,949308,908432,171453,618475,513172.6
津市34173,515188,487219,241230,315265,443286,519285,74664.7
堺市35161,721245,016283,708483,846839,428840,384841,966420.6
久留米市36160,055199,502230,858248,968280,291302,741302,40288.9
福井市37158,025185,873197,085223,949259,638272,970266,79668.8
前橋市38155,830192,096233,007254,595311,121338,845340,291118.4
高崎市39155,465183,593239,909260,106323,403353,879371,302138.8
横須賀市40154,249227,791250,533317,411421,107432,193418,325171.2
岐阜市41153,208211,035250,899366,975420,231418,574413,136169.7
大分市42147,979174,557222,336258,444385,635446,581474,094220.4
札幌市43144,651264,326393,770821,2721,401,7571,757,0251,913,5451,222.9
今治市44143,218159,392198,109188,814197,818185,435166,53216.3
唐津市45142,516123,016175,651148,741142,224137,436126,926-10.9
佐賀市46141,873154,272198,243207,774236,029246,674237,50667.4
尾道市47140,140142,500184,653181,038180,901159,890145,2023.6
宇都宮市48139,761173,704235,461287,947408,908477,215511,739266.2
徳島市49139,609166,824177,363213,328249,343268,706264,54889.5
松本市50134,336156,749185,663196,934223,637239,539243,03780.9
高知市51133,181162,079190,254241,676318,266339,864343,393157.8
豊橋市52131,909169,726185,984238,672304,273352,982376,665185.5
鳥取市53130,026139,158168,429168,067184,601197,959197,44951.9
福島市54128,941157,832199,334221,864270,487292,696292,590126.9
鶴岡市55126,228141,679172,467159,562153,330149,509136,6238.2
飯塚市56126,186144,952193,989141,445135,852140,463131,4924.2
小樽市57124,723174,358186,445196,716180,728157,022131,9285.8
山口市58124,410132,507169,296162,219173,590193,172196,62858.0
秋田市59124,229153,698200,525240,306304,823331,597323,600160.5
さいたま市60122,505175,843319,188530,733879,5101,078,5451,222,434897.9
天草市61122,203123,407169,391142,346121,574107,82389,065-27.1
大牟田市62121,133147,028191,978193,875163,000145,085123,6382.1
山形市63116,797145,018180,579193,737237,041254,488254,244117.7
青森市64115,186163,885197,605247,081309,647314,794299,520160.0
出雲市65112,767122,957149,542138,784142,451146,214143,79627.5
宮崎市66112,462148,389205,574236,674329,762384,415400,583256.2
上田市67112,012117,536143,882138,013151,801164,204159,59742.5
一宮市68111,645156,400187,699281,855335,465353,999378,566239.1
松江市69111,402127,961150,434159,580183,284195,353194,25874.4
松阪市70111,049121,436147,054139,148153,185163,131168,01751.3
四日市市71110,805139,679177,803230,786266,756296,623307,766177.8
郡山市72109,004145,420195,798223,236286,451326,833338,712210.7
高岡市73108,189122,048155,260166,207186,900186,827176,06162.7
佐渡市74107,351109,351125,597102,92584,94274,94962,727-41.6
宇和島市75106,993123,605145,233122,042110,920100,77684,210-21.3
旭川市76106,468139,373184,242271,930352,619360,568347,095226.0
一関市77106,295121,932154,323145,783136,031133,138118,57811.6
薩摩川内市78106,147116,855150,937119,063102,143106,73799,589-6.2
横手市79105,580122,485145,532130,597120,479112,60098,367-6.8
都城市80104,733132,880172,668166,237172,655174,054169,60261.9
岩国市81103,610115,487149,965162,015163,692156,347143,85738.8
石巻市82102,953131,937177,015176,363186,094178,923160,82656.2
岡崎市83101,376130,614167,008203,806271,243332,136372,357267.3
那覇市84100,127111,344108,673257,190295,778301,890315,954215.6
弘前市85100,119123,467159,409169,865192,291194,197183,47383.3
甲府市9094,950129,537146,873178,808205,070206,799198,992109.6
千葉市10188,767120,777185,546339,974746,430856,878961,749983.5
水戸市10387,934115,164141,143177,061239,747261,275268,750205.6
奈良市10685,992103,070131,259168,406305,614368,039366,591326.3
大津市10785,759120,567144,626166,764228,982295,574337,634293.7
川崎市10884,995191,702319,229854,8741,040,8021,202,8201,425,5121,577.2
盛岡市11083,797116,018155,575207,016272,814300,723298,348256.0
八王子市12078,668106,000131,408207,655387,178503,363580,053637.3
尼崎市12178,261173,051278,973500,472523,650488,586453,748479.8
西宮市19660,391130,436168,610337,391410,329390,389482,640699.2
相模原市21358,10160,994106,821200,755494,220646,467717,5441,135.0
東大阪市21856,762142,076228,691443,081521,558517,232509,533797.7
川口市30944,00474,015118,761249,112379,360448,854500,5981,037.6
船橋市40934,04854,380100,134223,989479,439540,817609,0401,688.8
市川市44331,67662,553120,595207,988364,244440,555473,9191,396.1
松戸市59323,92233,61759,813160,001400,863461,503484,4571,925.2

【追記】オーナーグリグリ さんへ
データの方は先ほどメールで送りました。確認をお願いします。

【追記】[81976] 白桃さんへ
後の記事を受けての修正となってしまいましたが、直しました。
[81974] 2012年 10月 18日(木)13:45:11YT さん
人口の按分方法
[81971] オーナー グリグリさん
2005年(平成12年)2月18日の宮崎県佐土原町と新富町の境界変更(佐土原町へ25人異動)が抜けているようです。

完全に見落としていました。

[81972] 白桃 さん

狭山市の昭和55年人口は124,029人です。

人口按分の過程で間違いに気付き、あとでこっそり修正しようと思ってました(笑)。


人口の按分の計算仕方ですが、人口異動を伴う境界変更が実施された直前のT年の国勢調査において、A町の補正前人口A(T)の内ΔA(T)がB町に異動し、B町の補正前人口B(T)の内ΔB(T)がA町に異動したとすると、過去t年におけるA町の補正前人口A(t)と補正人口A'(t)、B町の補正前人口B(t)と補正人口B'(t)は、それぞれ以下のように表現できます。

A'(t) = A(t)*(A(T) - ΔA(T))/A(T) + B(t)*ΔB(T)/B(T)
B'(t) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(t)*(B(T) - ΔB(T))/B(T)

B町からA町への人口異動が無かった場合はΔB(T) = 0なので、

A'(t) = A(t)*(A(T) - ΔA(T))/A(T)
B'(t) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(t)

ただこの式も三ヶ所の地域を同時に巻き込んだ場合の人口異動には対応していないので、一言目には

「異動前の地域人口に占める異動した人口の割合が過去において一定であると仮定することで、過去の人口を推計する」

だけで充分かも知れません。そして四捨五入による丸め誤差を防ぐため

「人口異動毎に人口を過去に遡って補正し、合計人口が変わらないように小数点以下を処理する」

ということになると思います。
[81969] 2012年 10月 17日(水)20:51:27【1】YT さん
計算上の問題点
過去の人口を遡って修正するに当たり、2つ程問題がありましたので列挙します。ただ何れも人口数人レベルの誤差ですが、人口には小数点が許されないことが原因です。

(1) 人口異動が相互に行われた場合

西茨城郡友部町と東茨城郡内原町のケースではそれぞれの地域に異動する人口が37人と30人で、差引7人ですが、これを37人と30人分でそれぞれ分けて計算するか、差引7人だけで計算するかにより推計人口が若干変わります。

特に宇奈月町と朝日町のケースでは、それぞれ3人が異動することにより差引ゼロです。ところが統計局の手法で1920年の宇奈月町の推計人口を算出すると:

5162人(昭和55年境域における大正9年の宇奈月町の人口)×7650/7653(昭和55年の宇奈月町の人口の内、残った分)+
16386人(昭和55年境域における大正9年の朝日町の人口)×3/18631(昭和55年の朝日町の人口の内、異動した分)=5162.61

となり、1人ほど推計人口が増えてしまうという結果となります(朝日町は逆に1人減ります)。

(2) 丸め誤差による合計の不一致

二つの地域の間での人口異動であれば丸め誤差による合計の不一致が起こることはほとんどありませんが(端数が1/2、1/2になるという特殊ケースがある)、三つの地域の間での人口異動であれば、このような不一致が頻繁に起こります。例えば町田市、相模原市、大和市に関して按分処理を行うと、昭和5年の人口は

大和市:8064.71人
町田市:26631.63人
相模原市:60803.66人

となり、単純に四捨五入をすると合計の人口が1人多くなってしまいます。上のケースでは端数の一番少ない町田市の人口を切り捨てて26631人とすることで対処しました。

【追記】 後者に関しては、境界変更の度に算出される人口補正を毎回四捨五入することにより、多くのケースでほぼ問題なく対応できることに気づきました。そもそも基本となっている資料が『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』ですので、最初から四捨五入による数値の丸めが実施されているので、数値演算をまとめて実施する意味があまりありません。
[81968] 2012年 10月 17日(水)20:24:31【1】YT さん
平成22年10月1日の境域による各回国勢調査時の市町村別人口
ところで[81962]で言及しました『国勢調査時系列表<普及編成データ>全国ファイル(大正9年~平成12年)』ですが、CD-ROMは都道府県別の市区町村人口の時系列をまとめたエクセルファイルが48点入っておりました。添付の解説によると

 平成12年10月1日の境域による
 各回国勢調査時の市区町村別人口
 (大正9年~平成12年:1920年~2000年)

 この「平成12年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口」は、国勢調査による市区町村別人口の長期間の時系列比較を可能にするため、大正9年以降の各回国勢調査の市区町村別人口を平成12年10月1日現在の市区町村の境域に合わせて組替又は推計したものである。
 ただし、昭和55年国勢調査以降の廃置分合については、市区町村単位の合併についてのみ組替処理を行っており、一部編入・分割の場合は組替を行っていない。

なお、利用に当たっては、次の点について注意されたい。
(1) 昭和15年以前の北海道の人口
 戦前の国勢調査では、歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島のほか、その更に北方にある地域の人口についても把握されているが、この組替・推計の対象地域から除いているため、昭和15年以前の北海道の人口には、これらの地域の人口は含まれていない。ただし、戦前における歯舞群島については、旧歯舞村(現根室市)の人口に含まれていたが、当該群島の人口が区分できないため、ここでは根室市に含めている。
(2) 昭和15年及び22年の年齢3区分人口
 昭和15年及び22年については、市区町村別に年齢別人口の統計が作成されていないため、男女別人口についてのみ組替・推計を行っている。
(3) 大正9年及び14年の年齢3区分
 大正9年及び14年の年齢3区分は、「0~14歳」、「15~59歳」、「60歳以上」の3区分である。
(4) 市区町村の一部編入・分割の場合の処理
 ア 昭和55年国勢調査以前に行われた一部編入・分割等については、次の方法により推計した。
   他へ編入・分割された区域の人口
    =当該市区町村への編入・分割時点の国勢調査人口
     ×他へ編入・分割された区域の人口 1)
     ÷当該市区町村の全域人口 1)
     ここで、1)は編入・分割時点の直前の国勢調査人口
   なお、編入又は分割された区域に係る人口が、都道府県の業務資料等により把握されている場合は、それらの資料による人口により組み替えた。
 イ 昭和55年国勢調査以降(昭和55年10月2日以降)に行われた一部編入・分割等については、上記アによる推計は行っていない。
   なお、人口異動を伴う市区町村の境域変更については、「昭和55年国勢調査以後(昭和55年10月2日)~平成12年国勢調査時(平成12年10月1日)までに人口移動を伴う境界変更があった市区町村」のとおりである
(5) 政令指定都市の区
 新たに指定都市になったり、区の再編成等があった場合は、原則として組替・推計を行っていない。
(6) 東京都小笠原村
 昭和22年~40年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。
(7) 鹿児島県名瀬市及び大島郡
 昭和22年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。昭和25年については、琉球列島軍政本部が実施した1950年の国勢調査(昭和25年12月1日現在)による市町村別人口によっている。
(8) 鹿児島県鹿児島郡十島村
 昭和22年及び25年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。
(9) 沖縄県
 市町村の廃置分合に関する資料は、沖縄県業務資料によっており、人口に関する資料は、次に示す琉球列島軍政本部又は琉球政府が実施した各回の国勢調査の報告書によっている。
  1950年国勢調査 (昭和25年12月1日現在)
  1955年臨時国勢調査 (昭和30年12月1日現在)
  1960年国勢調査 (昭和35年12月1日現在)
  1965年臨時国勢調査 (昭和40年10月1日現在)
  昭和45年国勢調査 (昭和45年10月1日現在)
 昭和22年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。

つまり1980年までは『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』と同じで(但し1980年~2000年に統合した自治体は、統合後のデータしか慶されていないので、例えば秋川市のケースでは『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』のデータを引用する必要がある)、それ以降に関しては境界変更による人口異動の処理をまったくしていないことになります。今回ここで2010年10月1日の境域に関する各回国勢調査時の市町村別人口を、1980年から2010年分の変更に関して独自に計算し公開する分には、ファイルの内容を公開するに当たらず(2000年と2010年の間で自治体の数がほぼ半減している)問題ないと思われます。

現在細かい境域変更を無視しして2010年の自治体毎の過去の市町村別人口を算出する作業は終了しており(政令指定都市や東京特別区部の区に関しては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』でのデータも不完全なので省略)、残るは人口を過去に遡って按分する作業だけです。[81966][81967]の内18のケースでは2010年までに再統合が行われており、人口異動を考慮しなくて済むことになるようです。今非常に忙しいにも関わらず仕事をさぼってこんな作業をこっそりやってましたが、とりあえず今から仕事に復帰するにせよ、どんなに遅くとも今月末には1920年から2010年までの、2010年10月1日現在の境域における各国国勢調査時の市町村別人口を算出する作業は終わっているはずです。

以上、オーナーグリグリさんの意見をお願いします。
[81967] 2012年 10月 17日(水)19:56:25【2】YT さん
平成2年10月2日~平成17年10月1日までの人口異動を伴う境界変更
年月日異動地域異動人口コード市町村名平成2年人口組替人口異動人口
1990.11.505445 to 054421205445平鹿郡十文字町14,96514,953-12
05442平鹿郡平鹿町16,11916,13112
1991.1.109208 to 093631109208小山市142,262142,251-11
09363下都賀郡国分寺町14,41014,42111
1995.3.112210 to 124223212210茂原市83,43783,405-32
12422長生郡睦沢町7,9567,98832
1992.5.120206 to 20214120206諏訪市52,46452,463-1
20214茅野市50,06450,0651
1993.1.122201 to 222041122201静岡市472,196472,187-9
22204 to 22201222204清水市241,523241,5329
1993.1.122484 to 222111322484磐田郡豊田町25,61425,603-11
22211 to 22484222211磐田市83,52183,53211
1993.9.123212 to 23210923212安城市142,251142,242-9
23210刈谷市120,126120,1359
1992.2.2025205 to 254012425205八日市市40,81640,792-24
25401神崎郡永源寺町6,5536,57724
1995.3.137442 to 37425637442三豊郡山本町8,0688,062-6
37425三豊郡豊中町11,90511,9116

年月日異動地域異動人口コード市町村名平成7年人口組替人口異動人口
1996.9.111202 to 11403811202熊谷市156,429156,421-8
11403大里郡妻沼町28,73428,7428
1996.9.111464 to 11442511464北葛飾郡杉戸町45,05645,051-5
11442南埼玉郡宮代町35,71235,7175
1999.12.113209 to 14209313209町田市360,525360,522-3
14209相模原市570,597570,6003
1999.8.2720208 to 203431920208小諸市45,71145,692-19
20343小県郡東部町24,70924,72819
1996.1.139323 to 392045339323香美郡土佐山田町21,95121,898-53
39204南国市48,19248,24553
1997.2.2540217 to 4021627640217筑紫野市81,98881,712-276
40216小郡市50,61250,888276
1998.1.140218 to 401304140218春日市99,20699,165-41
40130福岡市1,284,7951,284,83641
1996.4.141305 to 413065241305佐賀郡大和町21,50721,455-52
41306佐賀郡富士町5,7345,78652
1996.2.147343 to 47210247343島尻郡東風平町15,93815,936-2
47210糸満市53,49653,4982

年月日異動地域異動人口コード市町村名平成12年人口組替人口異動人口
2003.1.111214 to 1122211411214+11468春日部市(+北葛飾郡庄和町)240,924240,815-109
2003.1.111222 to 11214511222越谷市308,307308,416109
2004.12.114209 to 132094214209相模原市605,561605,519-42
13209町田市377,494377,53642
2001.5.1420341 to 20343320341小県郡丸子町25,55325,550-3
20343+20326小県郡東部町(+北佐久郡北御牧村)30,94430,9473
2001.6.121423 to 21383721423+21424本巣郡穂積町(+巣南町)46,57146,564-7
21383安八郡安八町15,07815,0857
2000.12.2037424 to 37428437424三豊郡大野原町12,79912,7990
37428 to 37420437428三豊郡豊浜町9,0019,0010
2004.8.2340382 to 40215440382遠賀郡水巻町31,62331,619-4
40215中間市48,03248,0364

もしかしたら見落としがあるかも知れませんが、その場合は指摘をお願いします。

これらの情報を元に『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』とその後の国勢調査人口に対して按分処理をすることで、大正9年から平成22年までの国勢調査時の市町村別人口を推計できることになります。
[81966] 2012年 10月 17日(水)19:54:27【3】YT さん
昭和55年10月2日~平成2年10月1日までの人口異動を伴う境界変更
[81949] オーナー グリグリさん

[81954] にて
色々参考になり有難うございます。ただ折角の修正ですが、少なくとも町田市と相模原市に関しては、2000年~2005年の間にも2000年国勢調査時において42人の人口増減を伴う境域の変更が実施されており、ここに関しては更なる補正が必要かと思います。
と書きましたが、こちらの勘違いでした。申し訳ありません。

[81919]
昭和60年から平成12年については残念ながらデータ化されていないようです。

昭和60年から平成17年分については、確かに冊子の方の国勢調査報告書第1巻に境界変更情報が載っておりました。一方最新の平成22年分の国勢調査報告書第1巻の方は既に然るべき図書館に納められておりますが、統廃合の情報は載っているものの、残念ながら境界変更情報(都道府県の境界変更情報は残っている)が無くなっております。もしかしたら今後作成される他の冊子に収録されるのかも知れませんが。

以下冊子の方の内容を元に、昭和55年10月2日~平成17年10月1日までの人口異動を伴う境界変更の情報をまとめした。なお同じ政令都市内での人口異動に関しては無視しました。また境界変更による転入人口と転出人口が等しい場合でも、過去の組替人口算出のための按分のやり方によっては推計人口に±1人程度の影響が出るので載せました(平成17年10月2日以降に関しては、転出人口と転入人口が共に存在するケースを現時点では判別できない)。

年月日異動地域異動人口コード市町村名昭和55年人口組替人口異動人口
1984.6.105204 to 053221305204大館市72,47872,465-13
05322北秋田郡比内町13,99214,00513
1981.3.108443 to 0820316708443稲敷郡阿見町33,72033,553-167
08203土浦市112,517112,684167
1983.10.109363 to 09302409363下都賀郡国分寺町13,58413,580-4
09302河内郡南河内町11,49711,5014
1983.4.110324 to 102021710324群馬郡群馬町26,08826,071-17
10202高崎市221,429221,44617
1982.11.111219 to 1120521911219上尾市166,243166,024-219
11205大宮市354,084354,303219
1983.4.111225 to 1121587711225入間市104,034103,157-877
11215狭山市124,029124,916887
1984.5.112215 to 12361812215旭市35,72135,713-8
12361海上郡海上町9,5429,5508
1985.2.114213 to 13209614213大和市167,935167,929-6
13219町田市295,405295,4116
1982.9.113215 to 13218214215海老名市77,49877,496-2
14218綾瀬市65,07865,0802
1983.1.115201 to 152209515201新潟市457,785457,690-95
15220白根市33,09233,18795
1984.6.115443 to 154442915443北魚沼郡小出町13,01713,014-3
15444 to 154432615444北魚沼郡湯之谷村6,4206,4233
1985.4.115523 to 1550111415523東頸城郡松代町7,1147,000-114
15501刈羽郡高柳町4,2424,356114
1981.5.1116341 to 16343316341下新川郡宇奈月町7,6537,6530
16343 to 16341316343下新川郡朝日町18,63118,6310
1982.4.120215 to 2020219920215塩尻市52,71152,570-141
20202 to 202155820202松本市192,085192,226141
1981.3.121404 to 214011621404揖斐郡池田町20,67220,656-16
21401揖斐郡揖斐川町19,15419,17016
1983.2.128422 to 282012428422播磨郡夢前町17,17117,147-24
28201姫路市446,256446,28024
1982.1.133201 to 3342318233201岡山市545,765545,583-182
33423都窪郡早島町10,81610,998182
1983.6.134323 to 34211434323佐伯郡大野町19,96819,964-4
34211大竹市36,07536,0794
1982.10.140384 to 403814540384遠賀郡遠賀町14,18814,143-45
40381遠賀郡芦屋町18,93418,97945
1985.4.140483 to 40481640483浮羽郡浮羽町18,89018,884-6
40481浮羽郡吉井町17,87217,8786
1981.6.143210 to 434064043210菊池市28,46028,420-40
43406菊池郡泗水町9,9409,98040
1982.1.145303 to 452081245303宮崎郡佐土原町26,93226,920-12
45208西都市37,83637,84812
1985.5.2346482 to 46481546482肝属郡東串良町8,4408,435-5
46481肝属郡串良町13,82813,8335

年月日異動地域異動人口コード市町村名昭和60年人口組替人口異動人口
1989.4.106365 to 06363706365最上郡大蔵村5,2035,196-7
06363最上郡舟形町7,9207,9277
1987.3.107543 to 07545707543双葉郡富岡町15,89515,888-7
07545双葉郡大熊町9,9889,9957
1985.12.108321 to 083053708321西茨城郡友部町28,51328,506-7
08305 to 083213008305東茨城郡内原町14,67714,6847
1988.6.109208 to 093662509208小山市134,242134,217-25
09366下都賀郡藤岡町20,41320,43825
1989.5.111219 to 11231611219上尾市178,587178,581-6
11231桶川市61,49961,5056
1989.5.2013226 to 132187613226秋川市45,73545,659-76
13218福生市51,47851,55476
1990.4.115308 to 153092515308北蒲原郡加治川村7,5557,530-25
15309新発田市8,2738,29825
1989.4.115541 to 1520517815541中頸城郡柿崎町13,47213,294-178
15205柏崎市86,02086,198178
1987.3.116422 to 162021616422西礪波郡西福岡町12,22612,210-16
16202高岡市175,780175,79616
1986.2.121303 to 21209221303羽島郡笠松町22,74622,744-2
21209羽島市59,76059,7622
1988.6.122505 to 222021322505浜名郡雄踏町14,00413,991-13
22202浜松市514,118514,13113
1986.4.123361 to 23217823361丹羽郡大口町17,24717,239-8
23217江南市92,04992,0578
1989.5.127219 to 27201827219和泉市137,641137,633-8
27201堺市818,271818,2798
1989.9.135202 to 3520912635202宇部市174,855174,729-126
35209小野田市46,36446,490126
[81962] 2012年 10月 16日(火)17:41:22YT さん
国勢調査時系列表<普及編成データ>全国ファイル(大正9年~平成12年)
ハンブルガーさん 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

ドイツに度々出張していらしたようですが、私も子供の頃にドイツに一年間暮らし、また私の兄なども現在進行形でドイツへ出張する仕事についており、ドイツに関するネタについて話せなかったことは残念です。

[81925] 白桃 さん
[81920] オーナーグリグリ さん

[81927][81954]で言及しました『国勢調査時系列表<普及編成データ>全国ファイル(大正9年~平成12年)』の方を入手しました。統計情報研究開発センターの方にファックスで注文すると、請求書等と一緒に送られてきました。中身はエクセルファイルの入ったCD-ROMと、簡単な解説冊子4頁です。これについては後ほど詳しく書きます。
[81954] 2012年 10月 14日(日)22:58:25【1】YT さん
町田市と相模原市の境域の変更について
[81949] オーナー グリグリさん

・国勢調査人口比較における人口異動を伴う組替え要因と人口組替

このページに、今回追加した2000年の自治体境域における境界変更による人口異動の補正についても詳述しました。というのも、2010年国勢調査データにある旧市町村人口は、2005年以降の境界変更が反映されてしまっており、それを戻す必要が有りました。具体的に言えば、例えば、2007年(平成19年)9月1日の青森県青森市と藤崎町との境界変更により、2005年国勢調査人口は青森市から藤崎町に122人異動しています。ところが、2010年調査データの2000年時点での旧市町村の2005年人口ではこの異動分を戻す必要があるにも関わらず、122人分は異動したままになっています。このため、独自に2005年人口に対して、境界変更による人口異動分を旧市町村に戻すようにしました。

色々参考になり有難うございます。ただ折角の修正ですが、少なくとも町田市と相模原市に関しては、2000年~2005年の間にも2000年国勢調査時において42人の人口増減を伴う境域の変更が実施されており、ここに関しては更なる補正が必要かと思います。

地域名平成22年国勢調査人口平成22年境域による平成17年組替人口平成17年国勢調査人口組替による人口増減
町田市426,987405,544405,534+10
相模原市717,544701,620701,630-10

※相模原市の平成17年の国勢調査人口701,630は、相模原市628,698、城山町23,067、津久井町28,695、相模湖町10,347、藤野町10,823の合計


地域名平成17年国勢調査人口平成17年境域による平成12年組替人口平成12年国勢調査人口組替による人口増減
町田市405,534377,536377,494+42
相模原市628,698605,519605,561-42

ところで[81927]で調べた『国勢調査時系列表(大正9年~平成12年)』ですが、国内で所有している図書館は一か所のみで、図書館間での図書借用システムを使って閲覧しようとしましたが、貸出の謝絶を受けました。よって実際に購入して中身を確認しないといけない手はずとなりました。

ただ仮に本冊子の中身が期待したものだったとしても、―(1)全国の主要な図書館でほとんど閲覧できず、実際に購入しないと数字を閲覧できない、(2)中身がそのものの数字である可能性が高い―となってしまうと、流石にこのデータをほとんど加工しないまま本サイトで公開するというのは著作権的にも問題になる可能性があります。

昭和55年以前であれば、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』という、全国72箇所の図書館に納入されている本が御座いますので、これを引用元としても使うデータはその一部だけですし、それ以降の変遷に関して調査し、過去にさかのぼって推計人口を計算すれば、それはそれでこのサイト独自に研究した数字ということになって問題点はクリアできるとは思いますが。
[81927] 2012年 10月 8日(月)18:13:20【2】YT さん
国勢調査時系列表
[81925] 白桃さん

標記の書物については、平成17年国勢調査が終了して3年後ぐらい、ですから今から4年前ぐらいに霞が関の政府刊行物センターで見かけました。本の後ろにCDが付いていたような気もします。国勢調査ごとに毎回出ているものではないはずです。

調べたところ、統計情報研究開発センターが出版している『国勢調査時系列表(大正9年~平成12年)』 (2005年10月出版)が該当しそうです。内容は

大正9年の第1回国勢調査から平成12年の第17回調査までの全国都道府県市区町村別人口を平成12年国勢調査時の市区町村の境域による人口(組替人口)として収録

とあり、全国ファイル2100円、都道府県ファイル3万9900円となっています。これって全国ファイルの方だけを買えばいいのでしょうかね?4万円の方は躊躇しますが、2100円の方はいずれ注文してみたいと思います。

【リンク修正】
[81923] 2012年 10月 8日(月)15:54:45【1】YT さん
現在の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口
[81914] 白桃 さん

はい、公開されております。と言うか、2005年国勢調査時の境域に組み替えた各国勢調査時点での自治体人口を記載した本があります。(3万円ぐらいする本でして、それを買うためにお小遣いをもらって、政府刊行物ナントカセンターに向かったのですが、どういうわけかエチルアルコールに代わってしまいました:マル秘)

自分が把握している報告書は、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』だけなのですが、これは最近でも毎回出ているものなのですか?

実は上の本を使ってOCRソフト経由で昭和55年以前の人口をまとめ、平成22年の国勢調査時の境域に組み替えた市区町村別人口を算出しようと数か月前に計画をたてたのですが、肝心のOCRソフトがエラー吐きまくりで、挫折しているところです。OCRソフトはワープロ組が当たり前となった最近の本であれば日本語フォントの再現も良いようですが、比較的最近の活版印刷であっても今いち反応が悪いようです。せめて数字だけでも正しく読み込んでくれたら楽なのですが・・・戦前のフォントに対してはほぼ無力なのは言うまでもありません。

9月後半になったら多少仕事が楽になると思っていたら、ここ最近は大量の仕事が舞い込んでおり、人口をまとめる作業に時間を割くことができない状況となっています。近代デジタルライブラリーなどで過去の統計表も公開されるようになっていますが、印刷の質の悪さと一部解像度の悪さもあって、例えば「8」と「3」、「5」と「6」などが同じに見えることもあり、結局個々の男女別人口をチェックしないと駄目だったりするケースが多いのがネックです。『日本帝国人口静態統計』などは、かえって縮小印刷版の方が読み易かったりします。
[81883] 2012年 9月 24日(月)03:19:58【5】YT さん
『日本帝国文部省年報』の都邑人口は途中から現住人口ベース?
[81882] 千本桜 さん

まずデータの出所は『日本帝国文部省年報. 第10(明治15年)』「根室県年表」の都邑学事統計と『日本帝国文部省年報. 第11(明治16年)』「根室県年表」の都邑学事統計です。この時代は府県の領域が揺れ動いていたため、[81875][81876]では旧国名で揃えています。また「人口及学齢就学児童増減比較表」によると、

本県管内人民ハ概シテ海産ニ依テ以テ其生計ヲ立ルモノナリ。故ニ一旦商業上景気ヲ失スルカ或ハ海産ノ不良ニ会スル時ハ惣チ四方ニ流離移転スルノ徒モ亦少シトセズ。本年ノ如キモ薄漁ノ積衰ト商業ノ不振トニ因リ昨十五年ニ比スレバ人口(北見千島両国ヲ除ク)男一千百五十二人女二百六十五人ヲ減少ス。

旧国人口明治15年度明治16年度
釧路国3,3222,118
釧路国2,1531,529
釧路国合計5,4753,647
根室国3,5233,575
根室国2,1982,557
根室国合計5,7216,132
総計6,8455,693
総計4,3514,086
総計合計11,1969,779

と、釧路国の人口は3600人~5500人で、かなり人口に変動があったことを記録しています。

これに対し内務省の『日本全国民籍戸口表. 明治15年調』、『日本全国民籍戸口表. 明治16年調』、『日本全国民籍戸口表. 明治17年調』によると明治15年1月1日調の釧路国の本籍人口は2616人、根室国の本籍人口は1092人、明治16年1月1日調の釧路国の本籍人口は2729人、根室国の本籍人口は1531人、明治17年1月1日調の釧路国の本籍人口は2821人、根室国の本籍人口は1472人です。また明治12年度の『日本帝国文部省年報』における人口の比較から、『共武政表』と同様に文部省の人口統計は、明治15年度は明治16年1月1日調、明治16年度は明治17年1月1日調の統計を採用していると推測されます。そこで1年年次をずらして文部省の人口統計と内務省の本籍人口統計を比較すると、それでも釧路国で文部省調査人口は本籍人口の1.3倍~2.0倍、根室国で文部省調査人口は本籍人口の3.9倍~4.2倍と、大分数字が異なります。このことより文部省の人口統計はおそらく「本籍人口」ではなく、「現住人口」で算出しているものと推測されます。明治13年以降の内務省による釧路国の本籍人口統計は以下の通りです(明治13年1月1日調の釧路国各郡の本籍戸数は不詳)。

M13年人口M14年戸口M14年人口M15年戸口M15年人口M16年戸口M16年人口M17年戸口M17年人口
厚岸郡532154581263585334702383699
釧路郡1,1212951,1763631,1953551,1383631,235
白糠郡38495384107399111431104431
川上郡24158242532385824758246
阿寒郡7918821882158225129
足寄郡1162711726117261291581
網尻郡9800
釧路国2,5716472,5828302,6168992,7299482,821

一方同じ内務省地理局の『地方行政区画便覧』は、戸口に関しては「明治17年1月現在」の戸口・人口を原則して載せているはずなのですが、釧路国1101戸6064人という人口は内務省調査の本籍人口の2.1倍となっており、地域別人口も異なります。明治18年以降の人口を採用している可能性もありますが、それでも内務省調査の本籍人口の1.4倍~1.7倍となっており(釧路国の明治18年1月1日調本籍人口は1101戸4270人と急増、明治19年1月1日調本籍人口は3629人と本籍人口641人の減少)、数字的には明治19年1月1日調の釧路国現住人口7715人(本籍人口の2.13倍)にむしろ近く、『地方行政区画便覧』も北海道のケースでは明治17年前後の現住人口を採用しているのかも知れません。

戸長役場ノ所在地町数村数戸数口数
厚岸郡湾月町472691,400
厚岸郡浜中村152351,437
釧路郡昆布村386472
釧路郡真砂町233281,820
阿寒郡(同上)41180
川上郡熊牛村555265
白糠郡白樺村398464
足寄郡(同上)419126
合計7341,1016,064

文部省統計における明治15年度の釧路国5475人中に占める浜中1227人、あるいは明治16年度の釧路国3647人に占める浜中891人という人口比率を、『地方行政区画便覧』の人口6064人に対して乗じると、大体1359人~1481人に相当します。これは『地方行政区画便覧』記載の浜中村外五箇町村連合の人口1437人とほぼ等しい数字です。

以上から『日本帝国文部省年報』では、浜中村に戸長役場を置く1町5村全体をそのまま浜中の都邑人口として扱ってしまったと推測できます。もちろん浜中村外五箇町村連合を構成する浜中村、霧多布村、琵琶瀬村、後静村、散布村、榊町のいずれかに、人口の大部分が集中していた可能性もありますが。

【追記】『共武政表.明治十二年』『共武政表.明治十三年』によると(明治13年1月1日調の釧路国、厚岸郡の総戸数は不詳):

輻輳地M13年始戸数M13年始人口M14年始戸数M14年始人口
奔渡村30125
湾月町2313254157
榊町2010163137
厚岸郡509106562
釧路国2,49757112,662

厚岸郡の明治14年1月1日調本籍人口106戸562人(釧路国全体では571戸2662人と、内務省の647戸2582人より若干少ない)の内、54戸157人が湾月町、63戸137人が榊町に暮らしていることになっています。人口はともかくとして、戸数は両者を足すと119戸となり、厚岸郡の総本籍戸数を上回るという奇妙な現象が見られます。これは世帯数に相当する戸数と、家の数を混用しているためかも知れません。内務省の数字である明治14年1月1日調の厚岸郡154戸581人を正しい数字と考えるなら、戸数的には明治14年年始の時点で厚岸郡の本籍戸数の1/3を榊町が占めていたことになります。明治15年度の文部省の人口統計が明治16年1月1日調現住人口(当時の北海道では本籍人口の数倍になることもあり、また厚岸郡の本籍人口は明治15年1月1日調263戸585人から明治16年1月1日調334戸702人に急増している)である可能性が高いこと、漁師の越冬地における現住人口の増減では数百人レベルで変化するのは当たり前、また明治12年から明治17年までは榊町に戸長役場が置かれていたことを考慮すると、仮に「浜中」という町場が存在したのなら、それは榊町のことということになります。

【細かい数字等を修正】
[81876] 2012年 9月 22日(土)18:33:10【1】YT さん
『日本帝国文部省年報』による明治10年~18年の都邑人口 (2)
旧国都邑明治10年明治11年明治12年明治13年明治14年明治15年明治16年明治17年明治18年
羽前米沢27,54429,35427,74128,05230,91430,40931,37433,16833,090
羽前山形24,14224,52521,58022,57123,37923,53323,88536,78523,803
羽前鶴岡25,06425,11424,82724,55622,08921,93321,82621,82621,049
羽後酒田18,83310,88517,43718,23218,23318,24718,36919,82719,827
羽後横手10,74910,69110,733
羽後秋田36,05433,32633,34630,44631,93132,20032,79830,28731,469
羽後土崎10,80510,75610,87910,64010,94111,08410,52610,694
羽後能代10,31910,02410,41610,05810,33910,32310,612
若狭小浜15,47915,52415,47215,28017,36914,84515,30115,19014,931
若狭高浜2,9912,9933,1683,3033,2403,335
越前敦賀12,65212,64112,84015,43216,03115,11815,33915,25715,706
越前武生11,11612,30711,56611,80611,26712,17012,52912,63913,023
越前鯖江4,7914,8094,7414,7234,7044,855
越前福井40,86341,56041,42141,31139,76841,59242,40043,61842,136
越前丸岡3,8573,772
越前坂井9,7269,99611,0679,4929,0969,8099,624
越前大野9,4599,4809,4599,6299,6319,6529,964
越前勝山6,8556,8746,8736,8606,8576,8936,894
加賀大聖寺9,84810,0669,9919,96810,03610,01110,05410,08710,038
加賀小松10,42110,54710,56110,69410,92511,13511,52711,51612,370
加賀金沢108,263106,897107,979108,956107,624108,546109,641107,005104,577
加賀美川5,3795,4585,3386,266
加賀松任4,9665,0394,7485,273
加賀金石9,7289,7949,7399,7769,87710,05810,02010,018
能登七尾8,4118,5718,4768,6188,7088,7978,999
能登輪島9,5299,4549,2439,95910,1189,6929,944
越中富山46,47347,96247,60848,63549,22144,25346,16648,17353,123
越中魚津10,79110,87210,64811,04310,61010,91011,02811,29211,112
越中泊町6,2144,8363,7764,916
越中滑川6,0775,0726,9354,987
越中今石動9,3179,4949,4475,038
越中井波5,4805,5975,5714,990
越中城端4,4764,4634,5584,638
越中福光4,4493,9733,8113,350
越中福野5,2605,4745,5502,038
越中高岡24,69425,22125,22426,37926,20620,85427,18123,20523,782
越中新湊19,36020,27919,48419,44618,50219,78919,86718,65421,599
越中氷見9,2468,8448,8838,713
越中東岩瀬6,6734,4975,7415,976
越後村上10,83611,21611,61511,868
越後新潟33,83237,35237,39437,07637,27237,29538,23138,68240,038
越後三条14,87315,87816,73310,64210,66818,35524,84418,90515,021
越後新発田18,06218,12917,66310,94518,44318,40517,05716,70018,000
越後長岡20,02916,14416,56020,74022,08822,07521,72221,91930,740
越後柏崎10,74411,15711,8149,08112,17311,75211,69911,69411,009
越後高田25,65124,74124,30724,41523,69323,38924,50924,26824,795
佐渡相川16,97913,03012,61912,59312,21712,54211,97812,32912,516
丹波亀岡7,2446,9366,5507,2237,0107,0577,121
丹波園部6,1566,1936,1756,6025,7124,1594,921
丹波福知山5,1494,9385,3175,3865,3665,3704,996
丹後舞鶴7,3837,4217,3307,3389,5499,4739,528
丹後宮津11,13311,06411,07211,37811,24011,43611,22111,657
因幡鳥取39,59338,54936,69735,46336,38035,49134,75934,99933,796
伯耆米子11,06810,65910,78711,41911,17611,61711,34411,44912,010
伯耆倉吉6,7836,7866,879
出雲松江38,38237,93337,48937,31437,03236,51938,60734,07228,291
播磨明石18,32716,76618,60818,51818,48020,19719,99418,50513,118
播磨姫路25,92427,44323,15824,95324,96029,32129,19923,01522,960
美作津山14,50015,20214,05714,56714,72414,75814,94114,88514,929
備前岡山32,95332,77134,56934,27034,67433,24431,97735,38733,424
備中笠岡6,9647,0537,234
備中倉敷7,3767,7897,593
備中高梁5,7285,6225,684
備後福山17,72117,64817,23717,02216,98817,09416,87416,08616,133
備後尾道16,29016,31216,04816,71516,34917,20216,24517,40117,127
安芸広島75,76078,00676,99075,98678,10473,45175,79973,73379,333
周防山口10,08510,77711,03010,84010,82410,99311,17512,09812,489
周防三田尻6,5668,0765,8585,3316,3806,9166,626
周防宮市6,3147,6235,0332,5343,3383,3703,131
周防徳山11,66811,73411,75811,79711,90012,05911,79311,82711,962
周防岩国11,29511,36611,52111,54511,55612,19312,18912,03611,331
長門30,50830,83841,88640,32543,09942,46443,63442,77141,135
長門下ノ関/赤間関19,53220,74320,22223,52823,79224,07327,47525,30425,463
長門豊浦6,1545,9885,9705,8916,3756,6256,644
紀伊和歌山62,19762,92260,49157,68257,24556,45156,88755,73454,511
紀伊田辺7,1007,16911,30811,26610,34810,33510,21311,39311,302
紀伊新宮6,8138,8879,1989,3649,1889,3749,592
紀伊木ノ本3,022
紀伊尾鷲4,943
阿波撫養10,04311,56510,65411,06529,56930,173
阿波徳島57,00349,47155,48962,01258,51857,50258,16666,12662,859
讃岐高松47,88348,17833,12933,15932,76439,76245,97045,46145,242
讃岐丸亀13,18312,14012,14112,96513,07012,98712,97615,28115,342
讃岐観音寺11,22911,147
伊予西条4,5584,5043,9384,125
伊予今治6,69212,93312,81413,44613,34013,91314,45812,48513,041
伊予松山28,29428,30627,93727,94927,82528,41629,13329,74030,075
伊予大洲3,6793,4547,1207,0436,9905,9496,282
伊予宇和島11,61612,63412,34612,23312,43412,33012,40412,42812,332
伊予吉田5,3045,3176,2984,5795,0396,0245,114
土佐高知27,01228,99637,11741,62642,42340,87842,08539,94744,207
筑前福岡22,34723,83121,74621,89022,08221,75021,07323,03220,534
筑前博多20,34021,65024,15424,38324,35824,20624,00424,07726,491
筑後久留米15,42015,48725,85225,64222,47622,25622,01622,28022,878
筑後柳川19,79119,95718,37418,43918,53317,39518,39718,29618,413
豊前小倉15,76515,7949,6019,80410,227
豊前今津11,676
豊前中津23,00012,25512,33112,25912,61212,95811,52314,85315,638
豊前宇佐1,6421,645
豊前長洲5,0745,075
豊後高田6,7465,1385,0535,062
豊後竹田5,9926,7629,0529,307
豊後杵筑6,5016,6456,3265,979
豊後日出3,9923,9844,057
豊後別府6,2506,1386,346
豊後大分7,58317,36811,32011,93513,57911,68614,44614,47814,412
豊後鶴崎5,2795,3685,485
豊後3,1092,2462,250
豊後日田/豆田8,2094,1424,0244,224
豊後1,9184,5414,659
豊後佐賀ノ関5,0565,0405,186
豊後臼杵10,12011,76311,60411,70211,94011,82012,32312,21912,212
豊後佐伯6,0275,7545,724
肥前佐賀29,51223,83725,74623,28524,07724,07721,72024,05724,688
肥前長崎46,66132,81532,87638,75639,56632,79233,07357,88547,790
肥後熊本44,77939,78043,96543,83645,89442,26142,21742,55242,511
肥後山鹿5,3204,7114,8635,2515,177
肥後八代9,4009,4939,5739,5229,504
日向延岡6,4106,0186,241
日向高鍋2,7933,8044,299
日向都城8,0617,4438,465
日向宮崎4,2364,2784,661
日向佐土原3,135
日向飫肥4,7364,6194,704
薩摩鹿児島53,94755,07155,45554,31654,47154,48254,72954,579
薩摩川内3,9533,025
琉球首里22,96024,92224,71224,49624,40924,60824,619
琉球那覇14,70613,35824,77224,28124,54838,16827,885
琉球久米村4,8836,038
琉球泊村4,3344,268
渡島函館37,75641,47143,14244,269
渡島福山13,60510,87911,94910,379
渡島江差13,43714,15114,88115,365
後志小樽11,000
石狩札幌13,08111,67815,256
釧路釧路2,4141,596
釧路厚岸1,2941,099
釧路浜中1,227891
根室根室4,6384,222
人口1万以上都邑合計3,563,7763,785,5203,871,2053,951,6994,009,0254,098,4524,286,4284,440,4274,545,793
都邑合計(非文献値)4,195,7874,585,1684,702,8374,739,4774,529,3874,641,1524,826,7004,440,4274,545,793

なお「府県学事年報要略」内の「都邑学事統計表」掲載の人口と「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口が一致しない場合がありましたが、以下の数字を採用しました。

明治11年の名古屋の人口は「人口一萬以上都邑学事統計表」の11万1433人ではなく、「府県学事年報要略」内の11万1430人を採用。理由はこの修正により、「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口合計と一致するため。

明治13年の足利の人口は「府県学事年報要略」内の1万1150人ではなく「人口一萬以上都邑学事統計表」の1万1077人を採用。
明治13年の宮津の人口は「人口一萬以上都邑学事統計表」の1万1373人ではなく「府県学事年報要略」内の1万1378人を採用。
明治13年の足利の人口は「府県学事年報要略」内の3万2159人ではなく「人口一萬以上都邑学事統計表」の3万3159人を採用。
理由はこれらの修正により、「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口合計と一致するため。

明治17年の彦根の人口は「府県学事年報要略」内の2万6834人ではなく「人口一萬以上都邑学事統計表」の2万7833人を採用。
明治17年の米沢の人口は「人口一萬以上都邑学事統計表」の3万3159人ではなく「府県学事年報要略」内の3万2159人を採用。
理由はこれらの修正により、「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口合計と一致するため。

文部省の都邑人口データは明治10年代の都市人口の情報を補うものではあるものの、内務省が提供する戸籍人口や陸軍の共武政表とは異なるため、どう評価していいのか判断に苦しみます。
[81875] 2012年 9月 22日(土)18:29:03【1】YT さん
『日本帝国文部省年報』による明治10年~18年の都邑人口 (1)
『日本帝国文部省年報』による明治10年~18年の都邑人口

[81192]でも述べましたが、以前[68674][68675]で、文部省調による明治12年と明治13年の「人口壱萬人以上ノ都邑」の人口を紹介しましたが、これの元データが『日本帝国文部省年報』の「人口壱万以上都邑学事統計表」であることが判りました。『日本帝国文部省年報』では、明治10年から明治18年まで、人口1万人以上の都邑の人口(「人口一萬以上都邑学事統計表」)と、明治10年から明治16年までの各府県の主だった都邑の人口(「府県学事年報要略」内の「都邑学事統計表」)がまとめてあり、量も多くはないので以下紹介します。

ただこの表で使われている人口は、共武政表や日本民籍戸口表の人口、あるいは明治17年1月1日調の『都府名邑戸口表』の本籍・現住人口と一致せず、色々問題のあるデータです。辛うじて明治11年の人口が、明治11年度の『共武政表』記載の明治12年1月1日調本籍人口と一致するようですが。

旧国都邑明治10年明治11年明治12年明治13年明治14年明治15年明治16年明治17年明治18年
山城京都229,810232,683231,308237,521239,425243,502248,468252,130246,238
山城伏見21,54422,01120,69620,51520,69720,84620,63920,45421,370
山城6,2226,1903,6613,5723,4403,3673,363
大和奈良22,74622,46522,69522,58223,03723,15922,58822,90922,734
大和郡山14,35114,57914,45314,44114,14513,74113,19912,22213,629
和泉40,59640,47040,84241,36743,25948,88749,09347,78946,315
和泉岸和田12,76512,765
摂津大坂284,105291,565287,984291,086293,686298,554309,180310,544324,706
摂津天王寺4,7344,89810,71112,86612,211
摂津難波15,12817,438
摂津平野6,9716,9606,877
摂津住吉5,9676,2806,383
摂津高槻4,0425,0392,831
摂津池田5,1095,1395,111
摂津尼ヶ崎14,19312,84714,10214,36014,17912,35713,88013,87413,704
摂津西宮11,17411,08811,11911,74110,64912,20211,09110,41810,592
摂津神戸11,03116,04713,29519,24820,57915,27816,07217,52418,583
摂津兵庫30,40831,63836,89639,62736,58727,21238,33040,57742,766
伊賀上野12,57613,40012,69812,58412,26612,52812,50712,47312,524
伊賀名張3,7653,8053,9143,9314,0734,1644,382
伊勢桑名15,20214,79014,87514,95715,19315,43715,42515,37713,149
伊勢長島6,8846,9496,7506,7263,4573,4353,424
伊勢神戸5,8183,6303,5782,8562,9272,9632,896
伊勢四日市11,25011,0417,9688,3728,6218,3048,48410,01010,423
伊勢菰野1,9121,9223,9514,0413,7084,1904,262
伊勢亀山6,2646,3936,4066,0676,6575,6974,650
伊勢白子3,8683,5644,1142,3682,4332,4212,328
伊勢一身田1,7571,8101,8161,9611,9381,8931,945
伊勢21,98122,31622,57624,98225,52625,35726,17923,71724,346
伊勢久居3,8593,7873,8113,8093,8063,8893,884
伊勢松坂9,96210,1749,39710,29210,27010,38711,78110,44710,951
伊勢山田18,43119,39219,89519,16919,37220,28620,89320,91620,467
伊勢宇治3,8274,4144,3175,2564,8814,4154,402
志摩鳥羽4,7804,7804,6724,6704,4894,3544,361
尾張名古屋135,715114,130112,427117,705118,450123,090124,461122,298124,542
尾張熱田15,35416,28016,76616,34616,78216,95617,46017,920
尾張亀崎5,0285,0975,0535,113
尾張稲置6,0446,3046,2946,362
尾張一宮7,7638,4589,1228,999
三河岡崎14,52415,10214,24914,94114,95415,27315,39715,71616,124
三河豊橋11,10510,79811,51511,36911,35811,73112,64612,31812,802
遠江浜松9,6598,34910,98010,60010,41212,47412,00612,00411,540
遠江掛川6,4546,4544,372
駿河静岡33,00032,02832,21232,43538,03837,79039,74734,38735,767
駿河沼津12,12512,0098,7878,97311,4318,7509,061
甲斐谷村3,2393,3633,3693,699
甲斐上野原村2,4852,5552,5672,639
甲斐甲府11,98415,01512,44915,31015,77716,19115,99417,42418,914
甲斐勝沼村2,5692,6431,1782,775
甲斐市川大門村4,3924,5614,6814,752
甲斐鰍沢村3,8183,8084,0414,068
甲斐河原部村2,5952,6101,8062,575
伊豆韮山1,4831,7831,7902,1342,1543,7292,198
相模小田原13,49513,57413,36313,69513,78614,01814,45014,61114,503
相模藤沢6,0775,9866,2314,588
相模横須賀5,3395,5755,6885,227
相模浦賀5,9575,8516,0125,894
武蔵八王子10,5528,94514,53912,87812,33812,38114,18112,06117,267
武蔵東京594,283772,230799,237839,761823,557849,231923,959937,217982,043
武蔵千住12,1809,06911,45311,65014,18914,09914,12814,28715,454
武蔵品川11,49213,29613,12212,83713,07413,01213,89913,44814,720
武蔵幸手4,4454,5104,5644,5644,693
武蔵粕壁4,7875,2495,2755,1305,373
武蔵岩槻4,1764,1764,2424,3974,416
武蔵川越13,43313,60512,32014,55114,37612,27012,56812,37313,207
武蔵熊谷4,9285,0896,9505,1807,2747,342
武蔵本庄4,7224,9464,8235,6245,442
武蔵神奈川8,2119,2019,42411,38112,44411,92112,03011,47311,463
武蔵横浜64,31350,88964,88262,22763,04863,61359,19658,91691,146
下総船橋10,672
下総佐倉5,6344,9385,4715,9615,3315,3505,055
下総佐原7,8767,8618,2068,1777,9927,8487,838
下総銚子25,13725,66926,09826,55626,87826,77727,23428,01526,770
常陸水戸17,89217,46817,24417,66717,36317,88219,03819,09418,963
近江大津19,61320,02220,71220,86618,25118,16020,10520,44519,755
近江大津19,61320,02220,71220,86618,25118,16020,10520,44519,755
近江水口4,7754,8574,9904,9405,1885,2355,287
近江八幡6,2596,3366,5316,6076,6136,6566,736
近江日野5,3866,5175,6974,9245,6935,8015,836
近江西大路2,2972,3362,3041,6942,3582,3482,379
近江彦根27,78628,18727,19127,30427,14426,80826,83326,58723,650
近江高宮4,1124,1604,2284,2884,3824,3924,471
近江長浜6,1316,3376,3476,3736,4146,5026,381
美濃高須3,4363,4123,2273,3163,3713,018
美濃島田3,8603,8653,8833,8973,9134,030
美濃三輪2,8722,8682,9152,9423,0233,061
美濃大垣10,31010,37810,40010,45210,08510,48010,43410,22215,649
美濃今尾3,8083,8383,2073,0252,7033,077
美濃竹ヶ鼻4,6514,9424,9895,2755,4355,379
美濃笠松5,0524,9144,9834,9834,9525,012
美濃岐阜12,46712,63812,90913,71613,29613,74413,87817,99314,687
美濃加納5,0465,3325,2375,4025,4037,979
美濃北方2,7762,8352,8102,8382,9222,898
美濃高富1,5581,6861,7271,7321,6781,787
美濃4,3664,4264,4744,4894,5334,610
美濃上有知3,9444,0514,0193,6513,7043,983
美濃八幡3,0106,1246,0366,0375,9945,990
美濃細目4,7334,3914,4474,4994,6584,719
美濃御嵩3,3863,4293,5023,5921,7671,809
美濃多治見2,3172,2782,4482,5832,6973,126
美濃岩村4,1454,1643,0453,0273,0353,030
美濃苗木2,8342,7882,9012,1032,8052,739
美濃中津川3,8443,8443,8253,9654,1174,366
美濃明知1,1661,1931,2291,2501,2561,289
飛騨高山13,93114,09014,25414,46114,71015,01015,22615,26915,340
飛騨古川4,0614,8254,8784,8914,9065,066
飛騨神岡村船津町組3,3833,4883,5773,6983,8293,421
信濃松本16,20616,28516,30716,52314,78216,69016,66316,92417,554
信濃福島4,1435,2444,1623,124
信濃飯田8,0538,0548,2468,4408,5108,5108,787
信濃高遠4,5944,4655,0855,022
信濃大町5,0893,2373,7523,838
信濃上諏訪8,0498,0628,0178,0898,0928,0938,329
信濃下諏訪4,0694,0834,1534,206
信濃長野8,0738,7138,6088,64113,74413,75615,01015,11315,335
信濃飯山5,9906,0256,0786,154
信濃須坂2,6012,5602,6512,737
信濃松代10,1069,1639,3408,6687,6427,8577,857
信濃上田10,0419,5819,98510,0399,76210,64610,65310,84510,342
信濃岩村田3,2863,2253,1582,995
信濃小諸5,6555,0265,8106,7686,6907,0446,893
上野高崎13,19116,11516,17316,62215,21916,09615,41415,63715,987
上野前橋10,67212,32116,86813,94512,33518,09618,08818,33320,316
下野佐野6,9176,2846,4567,3518,1656,5376,781
下野足利9,67510,15810,70211,07711,66412,64214,15011,60712,090
下野栃木5,2645,2645,1425,1965,2765,2755,460
下野日光3,198
下野鹿沼5,3705,6725,7566,2426,3696,5716,985
下野宇都宮18,84019,69119,53320,15019,25920,75320,54121,80124,547
下野真岡4,6684,7594,8704,9154,882
下野大田原3,4653,6073,5023,8103,8224,065
下野黒羽3,389
磐城白河8,1228,6509,0329,1579,3679,3289,351
磐城5,0155,0155,1685,6915,0944,9635,346
磐城三春5,1835,421
岩代若松21,44223,11322,61823,37121,30923,07024,37818,36818,257
岩代須賀川5,5815,2206,0275,8136,0156,0206,452
岩代郡山5,2535,2535,7595,4775,4545,8025,869
岩代二本松8,9238,2019,0688,2688,3028,2778,137
岩代福島6,9346,9348,0288,2448,2596,8639,23310,50510,232
陸前仙台52,07455,03555,17055,81755,90055,36954,88355,18355,195
陸前石巻10,00411,65912,0806,9757,1187,2187,70513,460
陸中磐井13,70211,8139,4037,9746,7916,8226,859
陸中水沢5,8035,1264,6594,6764,9255,1395,293
陸中岩谷堂10,5339,5497,5494,5843,5653,8102,839
陸中花巻5,8255,4455,0465,0255,1355,2745,785
陸中宮古3,7723,8723,8343,9644,6554,9344,934
陸中鍬ヶ崎2,7332,7532,9733,0483,0002,9943,141
陸中遠野5,3844,8815,0015,0645,1055,1815,296
陸中釜石4,3014,2753,6774,1404,1404,2134,360
陸中盛岡31,49931,39032,21631,30729,02130,26330,36629,86529,354
陸奥青森11,86412,38211,37612,76811,86711,90913,48713,96012,826
陸奥弘前34,77434,84432,85431,90732,29131,32532,62132,17431,194
陸奥黒石6,5958,9199,0959,1359,2238,9269,478
陸奥八戸9,8719,97410,05010,14510,25710,42310,57010,65310,756
[81274] 2012年 8月 8日(水)04:08:26【4】YT さん
府県物産表による明治7年の日本の総生産高
最後に紹介するのは明治7年の明治7年の『府県物産表』です。明治政府は農産高のみならず、農・林・水産・畜産・鉱・工業の各生産高を把握しようとして、明治6年以降『府県物産表』を作成しました。明治6年度分は一部地域で完成し、明治7年分は鹿児島県、北海道、沖縄県を除き、ほぼ日本全国の統計が揃いました。ところが西南戦争の影響で、明治8年分は未完となり、明治9年度分以降は農産高(+一部の漁業、林業関係)のみをまとめた『全国農産表』のみの発行に繋がり、工業統計が再び出てくるのはさらに10年程後となります。つまり明治7年分のみ、おおよそ各県の鉱工業生産高が判明するのです。

本当は『府県物産表』の数字を編集し、各地の農・林・水産・畜産・鉱・工業の生産高と石高の比較をしたかったのですが、『府県物産表』の数字をまとめるのが相当大変だったので、そちらは断念します。とりあえず、山口和雄氏の「「明治七年 府県物産表」の分析」(経済学研究, 1, pp. 23-58 (1951年), 原著論文へのリンク)の数字を用いると、明治7年の日本本土の総生産額は以下の通りとなります。

区分生産額(円)割合(%)
農業227,286,70161.0
 (内、米)142,799,02438.4
工業111,891,55930.1
林業14,565,4053.9
畜産業7,478,0002.0
水産業7,276,3452.0
鉱業3,808,9641.0
合計372,306,974100.0

そこで明治5年の租税額(『日本地誌提要』による)と『府県物産表』記載の明治7年の物産高(全国平均米価1石5.5379円で換算)とから、明治5年の税率を推定しました。物産高には水産業や鉱工業統計も入っているので、石高にかかる税金である正租だけでなく、土地に換算できない収入にかかる雑税を併せた租税全体に対し、税率を計算することができます。また明治7年の物産高を明治8年1月1日調の本籍人口で割ると、明治7年度の各地域の一人当たり平均生産高(ここでは石高換算で示す)が見積もれます。但しサービス業などの第三次産業の統計がないので、東京府の住人がえらく低収入となっています。参考までに明治5年石高(『郡村石高帳』によるが、長崎県・佐賀県の肥前国石高分割は『日本地誌提要』によるため、『郡村石高帳』の数字に比べて7斗のズレが生じる)も記載します。なお琉球・北海道と鹿児島県はデータが揃っていないので除きますが、鹿児島県は結局明治10年まで独立国家状態で、統計なぞ提出する気がなかったようです。

府県M7物産高(円)M7物産高(石)M5石高(石)M5租税(石)税率(%)M8本籍人口1人当たり物産高(石/人)税抜き後(石/人)
東京府4,251,083.498767,634.557164,856.7008837,055.641304.8855,2700.8980.854
京都府16,281,903.9382,940,086.243380,281.56447176,818.127006.0571,1925.1474.838
大阪府9,564,787.2261,727,150.550245,960.85400138,202.018708.0545,0353.1692.915
神奈川県4,324,874.960780,959.366339,082.33991102,554.2490013.1507,9281.5381.336
兵庫県3,737,882.170674,963.812170,561.08180100,948.8180015.0201,3893.3522.850
長崎県5,786,468.7771,044,885.003293,340.52247142,950.9710013.7668,9741.5621.348
新潟県13,294,558.5232,400,649.7501,133,179.88759439,486.6220018.31,388,3531.7291.413
埼玉県5,482,030.399989,911.390482,011.55819149,214.1040015.1440,4332.2481.909
足柄県3,656,089.280660,194.154262,712.2822683,116.2761012.6353,6091.8671.632
千葉県9,792,371.8931,768,246.392997,052.69833308,448.5154117.41,055,3731.6751.383
新治県6,601,847.7591,192,121.133622,601.34305182,420.3580815.3485,1192.4572.081
茨城県3,511,644.560634,111.213512,304.16611126,044.4042719.9378,2691.6761.343
熊谷県17,345,655.3113,132,171.935859,288.75101204,681.994006.5828,4203.7813.534
栃木県9,827,110.5491,774,519.285942,362.62703203,196.9740011.5648,5032.7362.423
奈良県7,671,601.4451,385,290.686503,686.23676219,528.0839415.8430,7343.2162.706
堺県5,386,166.989972,600.964469,309.36330233,857.3541124.0466,0482.0871.585
三重県6,087,211.8681,099,191.344537,323.60420223,461.8251220.3427,8312.5692.047
度会県3,918,493.058707,577.417343,303.04620148,683.2752921.0369,4791.9151.513
愛知県15,248,937.0102,753,559.4181,237,147.87620427,785.7724915.51,234,0032.2311.885
浜松県3,837,100.417692,880.034372,546.34901130,187.7637718.8420,5131.6481.338
静岡県4,116,780.010743,382.857251,954.1648693,950.6337012.6378,0761.9661.718
山梨県5,069,000.961915,329.070312,185.17685105,859.6376311.6369,2552.4792.192
滋賀県8,233,718.3551,486,794.306857,849.52528356,931.2970024.0584,7562.5431.932
岐阜県7,921,441.7251,430,405.309729,654.88365242,420.3240016.9683,0502.0941.739
筑摩県6,621,860.8551,195,734.975388,688.93788153,989.5153212.9564,3322.1191.846
長野県5,741,914.3191,036,839.633455,457.12110174,938.3553416.9481,3512.1541.791
宮城県3,911,137.534706,249.202555,285.34300187,322.1110026.5419,1351.6851.238
福島県3,417,262.855617,068.345469,471.39457201,967.8895832.7281,3022.1941.476
磐前県3,342,448.063603,558.749490,802.60437169,870.9215328.1249,5532.4191.738
若松県2,394,064.696432,305.503373,167.37034158,746.3520036.7212,0522.0391.290
水沢県4,399,118.228794,365.759439,309.25000127,049.8960016.0380,4092.0881.754
岩手県2,449,213.156442,263.874252,291.2770092,674.7810021.0323,4341.3671.081
青森県3,143,189.581567,577.876423,100.83800197,400.6580034.8484,4281.1720.764
山形県2,392,634.127432,047.180490,996.92777140,498.4267332.5309,8371.3940.941
置賜県2,225,464.068401,860.637295,671.5430070,048.2590017.4131,9353.0462.515
酒田県2,132,641.810385,099.364235,244.72071164,678.6940042.8207,9021.8521.060
秋田県5,202,585.431939,450.934514,498.04855287,746.8641030.6604,1141.5551.079
敦賀県7,407,130.4461,337,534.137782,010.67585236,475.0150017.7548,8332.4372.006
石川県6,647,458.9611,200,357.324819,318.84735395,644.3152433.0691,7351.7351.163
新川県6,925,808.7111,250,620.013877,764.10700396,982.1038631.7638,8221.9581.336
相川県709,418.243128,102.391135,206.1230056,289.4094443.9104,6301.2240.686
豊岡県5,122,209.209924,937.089467,702.49913179,746.6946419.4508,0271.8211.467
鳥取県2,997,108.753541,199.497459,264.95900201,067.0050037.2392,5891.3790.866
島根県3,428,700.904619,133.757320,709.91100172,412.2373727.8340,3981.8191.312
浜田県2,509,921.751453,226.259182,136.8985087,114.0332019.2268,4551.6881.364
飾磨県8,097,109.9811,462,126.405660,557.81626314,684.0463721.5651,0332.2461.762
北条県2,730,242.696493,010.462262,333.86400101,914.4251020.7217,3622.2681.799
岡山県3,603,546.297650,706.265418,964.53800143,675.7190022.1335,5921.9391.511
小田県5,784,167.4581,044,469.445500,988.18680200,329.9529819.2619,6471.6861.362
広島県8,301,725.8521,499,074.682500,912.65765265,092.5814017.7942,8271.5901.309
山口県15,644,120.4172,824,919.2111,010,303.70507341,925.4730012.1838,9463.3672.960
和歌山県4,918,536.547888,159.130408,230.06735224,052.7682525.2572,4361.5521.160
名東県13,577,717.0062,451,780.770756,937.20037331,293.7950013.51,349,6721.8171.571
愛媛県7,105,984.6501,283,155.078443,321.68842275,217.6148821.4791,5221.6211.273
高知県5,691,285.9771,027,697.478510,572.19470208,769.3680020.3531,8631.9321.540
福岡県5,722,089.8391,033,259.850633,404.63540302,010.9590029.2450,9652.2911.622
三潴県3,821,318.339690,030.203536,742.90265227,274.5128432.9396,9031.7391.166
小倉県3,009,317.257543,404.033366,948.08138157,555.5110029.0317,1081.7141.217
大分県4,038,448.511729,238.236459,184.41734223,341.9441030.6580,3471.2570.872
佐賀県3,388,327.440611,843.365430,449.07615313,001.0963051.2487,0081.2560.614
白川県6,958,929.2701,256,600.720851,237.05291368,443.5679129.3965,2421.3020.920
宮崎県4,297,437.722776,004.918418,142.35665154,120.8321019.9384,0712.0201.619
合計370,760,357.64166,949,628.93331,617,886.4416312,583,172.7444918.832,867,4292.0371.654

地方では税率30%を超えるところもある一方で、都市部の税率がやたら低いようです。全国平均の税率は19%と低目ですが、租税の数字は地租改正前のを用いており、地租改正前であれば表に出てこない中間搾取の事例がたくさんあるので、一概に今と比べて税率が低いとはいえません。ただ所得税というものが導入される前の時代において、土地を持っている農民への税負担に比べ、都市部の住民への課税が甘く、かなり税負担に不平等があったことは伺えます。所得税が本格的に導入され、地租からの税収を上回ったのは明治時代末期からだそうで、年貢→地租は20世紀初頭までずっと日本の税制の根幹をなしていました。

結論としては、明治5年の石高3227万石(北海道・沖縄を除く)に対し、統計上の米の生産高は明治初期の段階で2875万石でしたが、農業生産の方は4684万石もあり、さらに第一次・第二次産業を合計した総生産高は明治7年に6695万石相当(鹿児島も除く)に達していました。結局のところ「石高」というのは年貢を取り立てるための土地評価であり、実態経済と相関はあっても、新しい産業には適応できていなかったといえます。
[81273] 2012年 8月 8日(水)02:32:33【1】YT さん
明治初期の旧国別農産高(2)
それはさておき、中村哲氏の算出した旧国別農産高(単位は米換算石高)と『郡村石高帳』記載の明治5年石高を、『日本地誌提要』記載の租税(=正祖+雑税、単位は米換算石高)とともに並べると以下の通りです。ここでいう名目貢租率(%)とは明治5年正租を明治5年石高で割った値、実質貢租率とは明治5年正租を明治5年農産高で割った値で、中村哲氏が計算したのと同じ方法で算出しました。正租の対象となる石高は元々田、畑、屋敷ですが、屋敷高は多くの場合は無視できるほど少ないので、田畑からの農産高のみを実質石高として計算しているわけです。

旧国M10-M12農産高M5石高M5租税M5正租M5雑税名目貢租率実質貢租率
山城365,474222,368.70517113,985.51400100,725.0560013,260.4580045.327.6
大和718,871503,686.23676219,528.08394212,221.077867,307.0060842.129.5
河内630,166293,118.58720146,021.93591139,710.118416,311.8175047.722.2
和泉278,501176,190.7761087,835.4182080,594.997307,240.4209045.728.9
摂津914,933416,521.93580239,150.83670194,966.8667044,183.9700046.821.3
伊賀166,732110,917.9664054,845.0332053,481.876351,363.1568548.232.1
伊勢974,606714,376.41500293,382.25713277,191.9198216,190.3373138.828.4
志摩30,85919,279.203008,426.405478,100.25262326.1528542.026.2
尾張991,858764,774.16620256,675.72249241,648.0178015,027.7046931.624.4
三河804,910472,373.71000171,110.05000163,473.130007,636.9200034.620.3
遠江522,927372,546.34901130,187.76377126,836.577973,351.1858034.024.3
駿河405,683251,954.1648693,950.6337090,365.636683,584.9970235.922.3
甲斐558,535312,185.17685105,859.6376397,820.926638,038.7110031.317.5
伊豆118,11984,037.2083629,582.8171027,679.482251,903.3348532.923.4
相模503,266289,776.7319791,792.9890085,987.090005,805.8990029.717.1
武蔵2,265,6911,282,000.77090344,906.30130330,102.0018914,804.2994125.714.6
安房96,60495,641.4235028,594.6180025,044.994003,549.6240026.225.9
上総516,332427,313.77094153,247.38011133,404.6220019,842.7581131.225.8
下総949,459687,373.86055200,946.50838177,289.3286823,657.1797025.818.7
常陸1,030,781921,629.15250234,124.77127214,541.9170619,582.8542123.320.8
近江1,365,303857,849.52528356,931.29700340,541.7710016,389.5260039.724.9
美濃1,038,465729,654.88365242,420.32400235,351.862007,068.4620032.322.7
飛騨133,51357,196.0580026,913.8000024,500.353802,413.4462042.818.4
信濃1,663,416786,950.00098302,014.07066267,345.8666334,668.2040334.016.1
上野1,000,092635,851.10734144,814.82700125,407.8978019,406.9292019.712.5
下野978,385758,648.44071168,722.30400143,677.8140025,044.4900018.914.7
磐城722,412650,488.88237219,452.38613197,539.8312321,912.5549030.427.3
岩代852,925760,923.54591332,051.07398302,329.5606329,721.5133539.735.4
陸前870,890700,649.30800225,592.65000206,400.0920019,192.5580029.523.7
陸中687,770471,842.91200158,118.04100150,265.830007,852.2110031.821.8
陸奥605,865423,100.83800197,400.65800168,750.8430028,649.8150039.927.9
羽前1,010,170946,971.30568311,505.02473301,041.2437310,463.7810031.829.8
羽後1,065,878568,474.88935346,368.94510297,578.1554048,790.7897052.327.9
若狭96,92691,767.0581041,704.5960039,115.932002,588.6640042.640.4
越前442,087690,243.61775194,770.41900183,465.0910011,305.3280026.641.5
加賀511,236511,716.01839241,542.76421229,803.3896111,739.3746044.945.0
能登271,355307,602.82896154,101.55103145,814.345058,287.2059847.453.7
越中976,103877,764.10700396,982.10386382,041.2792714,940.8245943.539.1
越後1,825,4111,150,567.52359447,002.69600404,299.3030042,703.3930035.122.1
佐渡108,620135,206.1230056,289.4094449,826.921446,462.4880036.945.9
丹波510,056329,465.47386141,440.63932135,557.799325,882.8400041.126.6
丹後191,702148,002.1303054,247.5762749,080.131185,167.4450933.225.6
但馬250,596148,147.7542746,891.0920540,442.418726,448.6733327.316.1
因幡208,383195,632.6450087,845.0670082,916.712004,928.3550042.439.8
伯耆365,996251,069.40700110,686.77900104,358.285006,328.4940041.628.5
出雲509,146320,709.91100172,412.23737156,849.6453715,562.5920048.930.8
石見272,296182,136.8985087,114.0332083,082.242704,031.7905045.630.5
隠岐16,47912,562.907002,535.159002,181.29700353.8620017.413.2
播磨1,114,614660,557.81626314,684.04637292,656.6528322,027.3935444.326.3
美作302,835262,333.86400101,914.4251099,468.420002,446.0051037.932.8
備前583,012418,964.53800143,675.71900138,528.075005,147.6440033.123.8
備中613,380371,355.17580136,319.16808135,591.82585727.3422336.522.1
備後528,361315,876.18155155,999.23490151,236.025404,763.2095047.928.6
安芸692,191314,669.48710173,104.13140164,405.226808,698.9046052.223.8
周防510,556552,160.21518165,548.11700158,738.537006,809.5800028.731.1
長門387,567458,143.48989176,377.35600170,541.138005,836.2180037.244.0
紀伊755,387444,283.13335239,544.17286229,606.981319,937.1915551.730.4
淡路253,724136,637.9818357,850.2340057,538.16500312.0690042.122.7
阿波635,766310,484.46474137,645.15300137,627.0660018.0870044.321.6
讃岐920,667309,814.75380135,798.40800135,798.4080043.814.8
伊予856,592443,321.68842275,217.61488257,459.2991317,758.3157558.130.1
土佐582,940510,572.19470208,769.36800192,817.1600015,952.2080037.833.1
筑前742,511633,404.63540302,010.95900281,873.4600020,137.4990044.538.0
筑後674,442536,742.90265227,274.51284211,461.1848415,813.3280039.431.4
豊前477,297366,948.08138157,555.51100149,489.291008,066.2200040.731.3
豊後816,402459,184.41734223,341.94410199,789.4698023,552.4743043.524.5
肥前1,369,052685,116.89762437,237.98330398,991.8189038,246.1644058.229.1
肥後1,445,934851,237.05291368,443.56791357,671.2824210,772.2854942.024.7
日向423,041418,142.35665154,120.83210149,896.724104,224.1080035.835.4
大隅234,079276,219.4783090,157.7607790,065.2080292.5527532.638.5
奄美52,793.3920214,287.5429514,287.5429527.1
薩摩446,977323,483.49953119,233.81405117,880.021131,353.7929236.426.4
壱岐49,34632,853.8850013,630.1380012,604.553001,025.5850038.425.5
対馬28,4785,818.116005,083.946002,686.383002,397.5630046.29.4
琉球94,230.7009431,752.0000031,752.0000033.7
合計46,840,93432,364,612.8124212,838,603.8622611,971,213.72338867,390.1388837.025.5

実質貢租率の高い地域として旧加賀藩、長州藩の地域、あるいは佐渡が挙がってますが、これは正租の内の「金納」の課税対象が農産物由来以外(海産物や塩田、林業など)を含むこともありえるので、単純には比較できません。

例えば寛永2年(1625年)の長州藩の石高は以下の通りで、屋敷高が高く設定され、また田・畑・屋敷以外にも石高が設定されています。つまり漁業関係や鉱山にも石高を設定することで、通常なら雑税扱いのところからも正租を設定して年貢を取り立てています。
旧国百姓屋敷市・町・湯田屋敷浦屋敷小物成浦浮役塩浜湯坪役総石高
周防285,697.4355242,108.7055016,398.972441,532.20420861.666022,150.545341,140.8503,145.248005.255373,040.882
長門164,877.1029821,640.674139,626.83610650.22500415.78521,687.679282,036.7551,199.55231112.620202,247.230
合計450,574.5385063,749.3796326,025.808542,182.429201,277.451223,838.224623,177.6054,344.80031117.875575,288.112
[81272] 2012年 8月 8日(水)02:31:32【2】YT さん
明治初期の旧国別農産高(1)
さて、このような数字を探し出すきっかけになったのは、中村哲著『明治維新の基礎構造』(1968年)に出会ったからです。速水融を始め、色々な学者の江戸時代の農業生産力の発展の計算で引用されているのが、以下の中村哲氏の試算です。

年号西暦石高(石)実収高(石)田(町歩)畑・宅地(町歩)計(町歩)備考
慶長3年1508年18,505,00019,731,000石高
正保2年1645年23,133,00023,133,000石高
元禄10年1697年25,796,00030,630,000石高
享保6年1721年1,643,0001,317,0002,961,000石高
天保元年1830年30,426,00039,757,000石高
明治5年1872年32,220,0003,587,000石高、旧反別
1870年代44,250,0002,601,0002,015,0004,616,000収穫米、新反別
明治10-12年1877-1879年46,812,0002,629,0002,181,0004,810,000農産物米換額、反別は1882年

ここでいう実収高とは、
 (1)一八七七―七九年平均「農産表」農産額の米換算額を幕藩体制解体の最終時点の農産物収量とする。(2)近世の石高のうち元禄以降のものは、すでに幕藩体制の余剰余労働の搾取が不可能となった段階のものであり、実収量をそのまま反映するものではない。また慶長石高も太閤検地段階のものであり、まだ幕藩体制が確立せず、したがって領主は農業生産を完全に把握するにはいたっていないであろう。さいきんの研究によれば、幕藩体制が確立し、形成されてきた小農民経営を体制的に把握し、それから全剰余労働搾取をほぼ実現しえたのは一七世紀三〇―五〇年代と考えられる。したがって、一六四五(正保二)年の石高の石高が実収量を示すものとする。

[81123][81124]で示したように、そもそも2313万石というのは正保郷帳として低く、実際には2457万石、欠けている郷帳分を考えれば2500万石程度には実高はあったと思われ、50年経った今になってもこの辺の再計算をせずに中村哲氏の仕事を専門家が引用し続けているのは問題があると思われます。それはともかくとして中村哲氏は、明治10年から明治12年の『全国農産表』を用いて明治初期の農産高を計算しています。

(1) 農産物「農産表」の一八七七―七九年の三ヵ年分を使用し、国単位に三ヵ年平均額を算出した。農業では豊凶により生産額はかなり大きく毎年変動し、その変動も地域により農産物によって異なるので一ヵ年のみをとることは危険である。またとくに明治初年の統計の不備から生ずる数値の誤りのうちあまりに甚しいものについては数年間にわたる数値を比較することによって発見することが可能である。その場合、郡単位に検討することによって修正を比較的正確に(郡単位に集計し直すことによって誤りを正すことができる場合もあるが、多くの場合は国単位での課題ないし過小と思われる数値については、郡単位に検討し、その誤りが特定の郡の誤りの反映であることが発見出来る。郡単位での修正の方が国単位での修正より精度が高いことは確実である)行ないうるから「農産表」に郡別記載のある年次(一八七六―七九年)をとり、そのうち一八七六年は脱落や誤りがとくに多いので除き、一八七七―七九年をとったのである。そのようにしてかなり推測をまじえつつ、適当と思われる修正を行なった。そうしてもなおかなりの誤りは修正されていないとおもわれるし、根本的には「農産表」の統計的な正確度がどの程度のものであるかという問題が残る。その点については正確な推定をすることは不可能であるが、実際よりかなり過小であったことは間違いない。また「農産表」に載っていない農作物もかなりある。しかし、明治前期については数年以上にわたる全国的な農産物統計は他に存在しないから、この点を考慮しつつ使用するより仕方ない。そのように生産数量を修正したうえで生産価格を算出する場合には一八七七年の全国平均価格を使用した。そうすることによって各地域における農産物価格の差違を無視することになるが、「農産表」に記載された価格がどのような性質のもんであるか明らかでないこと、明らかに誤りであると思われる場合がかなり多いこと、生産力水準を測定するためには価格差を消去することが必要であることなどの理由による。また一八七七年をとったのは、七九年の「農産表」には価格表示はないく、七九年はインフレーションの影響がすでに強いことによる。

そこで中村哲氏の試算が正しいのかどうか、実際に総ての国で再計算しようとしましたが、予想外に大変で断念しました。とりあえず一番簡単な壱岐の例で検証してみましたたが、中村哲氏の計算した農産高4万9346石と一致しません。おそらく計算に含めているのは農産物(自分の試算では4万9781石)だけで、海産物関係(含めると5万3093石)は除いているようですが。

単位M10数量M11数量M12数量M10価格(円)M11価格(円)M12価格(円)平均価格(円)単価(円)
10,514.58013,799.92315,878.83043,612.31557,239.24265,862.12155,571.2264.147794
糯米1,329.5403,029.3852,350.8005,806.58213,230.42010,266.7949,767.9324.367362
大麦3,666.4003,634.7105,192.6606,711.8346,653.8219,505.8567,623.8371.830633
小麦1,277.4001,770.8002,720.0903,912.6785,423.9638,331.6405,889.4273.063002
裸麦11,375.30012,802.40020,680.31029,795.92433,534.00354,169.02839,166.3182.619353
2,469.7002,596.0004,632.2005,072.5175,331.9259,514.0766,639.5062.053900
16.00010.80053.47032.74022.100109.41354.7512.046259
87.10060.750383.76089.17962.200392.922181.4341.023874
大豆6,227.2006,625.15017,927.46023,596.48325,104.41967,931.81538,877.5723.789260
蕎麦460.200869.0001,029.9406,223.92311,752.69313,929.30810,635.30813.524388
蜀黍122.86053.600180.740222.07296.883326.691215.2151.807517
玉蜀黍100.0001.2000.4000.012000
甘藷3,918,772.0007,527,380.0009,201,450.00013,400.88225,741.10831,465.86523,535.9520.003420
真綿1,110.0001,200.0001,474.00081.17187.752107.78992.2370.073127
生糸8.00012.0005.00033.28449.92620.80334.6714.160534
草煙葉420.000400.0002,000.00020.62019.63898.19046.1490.049095
菜種847.100840.0002,778.5254,637.2814,598.41315,210.4838,148.7265.474301
1,488.000750.0006,762.00058.70329.588266.767118.3530.039451
乾鮑4,900.0006,500.000116.6351,116.7991,481.46826.583874.9500.227918
47,700.00045,000.00016,892.03915,935.88610,942.6410.354131
鱶鰭1,680.0001,535.000677.319618.860432.0590.403166
海参1,220.0001,350.000286.450316.973201.1410.234795
石花栄500.00020.1176.7060.040233
乾鰛59,500.00021,000.0006,500.0002,382.697840.952260.2951,161.3140.040045
農産物合計143,250.686188,948.506287,242.794206,480.662
米石換算34,536.59345,553.97269,251.93749,780.834
農産・海産物合計164,684.808208,172.232287,796.439220,217.826
米石換算39,704.18850,188.65869,385.41753,092.754

同様に陸奥国で計算しましたが、中村哲氏の計算した農産高60万5865石に対し、私の計算では農産物合計66万1669石、農産・海産物合計66万4884石と、全然一致しません。どうやら明治12年度の米収穫高を過剰と判断し、数値を削らない限り、中村哲氏の値には近づきません。

このように中村哲氏の計算した農産高は様々なところで多重に引用されていますが、再計算が必要と思われます。
[81271] 2012年 8月 8日(水)02:23:58【2】YT さん
明治初期の旧国別米収穫量実数(2)
[81270]の数字の説明

註1. M5石高は原則として東京大学史料編纂所所蔵の『郡村石高帳』記載のものを用いたが、薩摩、大隅の石高は『明治八年 共武政表』による修正を加え、奄美群島(大島郡)の石高は大隅に加算([81068]参照)。

註2. 日向・薩摩・大隅は西南戦争の影響で明治9年と明治10年の農産高を欠く。また明治11年の日向は那珂郡、大隅は馭謨郡、薩摩は甑島郡の農産高をそれぞれ欠き、明治12年の大隅は熊毛・大島郡の農産高を欠き、明治14年の大隅は熊毛・馭謨・大島郡の農産高を欠く。よって日向・薩摩・大隅は明治11年から明治15年までの5年間のデータで平均収穫高を算出し、必要に応じて単年の郡別(粳)米・糯米収穫高で補間した(明治12年日向国那珂郡:4万9265石6斗1升7合、明治11年大隅国熊毛郡:8410石、明治12年大隅国馭謨郡:178石3斗5升、明治11年大隅国大島郡:8215石3斗3升、明治12年薩摩国甑島郡:1386石6斗8升5合)。なお明治15年の筑前・筑後・豊前三国の福岡県分の農産高は元文献において明治14年の数字で補填されている。

註3. 明治9年の三河の糯米収穫高を5291石8斗1升1合から郡別収穫高合計の5291石8斗8升1合に修正。この修正により明治9年の糯米収穫高の総計と国別合計が一致する。

註4. 明治9年の出雲の(粳)米収穫高72万9992石2斗2升6合は明らかな誤記であり、27万9992石2斗2升6合に修正。この修正により明治9年の(粳)米収穫高の総計と国別合計の不一致45万石が解消される。

註5. 明治10年の三河の(粳)米収穫高を34万8381石8斗4升6合から郡別収穫高合計の34万8375石8斗4升6合に修正。また遠江の(粳)米収穫高を26万8168石0斗4升から郡別収穫高合計の26万8177石0斗4升に修正。また羽前の(粳)米収穫高を71万4444石7斗7升3合から郡別収穫高合計の89万4444石7斗7升3合に修正(羽前国秋田郡の(粳)米収穫高20万1168石5斗0升1合を2万1168石5斗0升1合として国別収穫高に集計した結果か)。これらの修正により明治10年の(粳)米収穫高の総計と国別合計の不一致18万0003石が解消される。

註6. 明治12年の武蔵の(粳)米収穫高を92万4009石7斗7升1合から郡別収穫高合計87万2547石0斗9升4合に、糯米収穫高を14万2142石7斗5升8合から郡別収穫高合計13万3389石9斗2升6合に修正(武蔵国多摩三郡の農産高が誤って二重加算されている)。また越後の粳)米収穫高を153万4912石9斗8升8合から郡別収穫高合計154万3405石5斗2升6合に、糯米収穫高を11万8845石5斗5升から郡別収穫高合計12万0290石8斗5升7合に修正(越後国東蒲原郡の農産高が誤って加算されていない)。これらの修正により、明治12年の(粳)米・糯収穫高の総計と国別合計が一致していたものが、逆に不一致となる。

明治5年石高で115万石と評価されていた越後の米収穫高が明治9~明治15年の時点で年平均154万石に達していたこともさることながら、57万石と評価されていた羽後の米収穫高が100万石を越えていたことも驚きかも知れません。米の収穫高が明治5年評価の内高を越えているところは近畿周辺と日本海側に多いようです。あと当時の人口3646万人(明治12年1月1日調推定人口)に対し、米の収穫高は年平均2875万石程度。国民全員が毎食米を食べるには足りなかったようです。もっとも『農産表』の数字は過小評価という研究も存在します。明治10~12年の『農産表』から算定した米の全国平均反収は1.128石/反ですが、農家が地租改正の改正時に低く評価されることを期待して、実際よりも低い収穫高を申告しており、実際には1.4~1.5石/反程度の収穫があったはず(明治18年(1885年)に地租の据え置きが宣言された以降は1.4石余/反の水準が保たれる)だから、25%~30%程度過少の数字になっているというものです。データの揃っている明治13年調の作付面積から反収1.4~1.5石/反で計算すると、実際の米の収穫高は3590万~3847万石となり、1人1石以上の米の収穫高があることになります。もっとも当時は流通のロスも凄まじく、明治10年代後半から神力などの品種改良種の広がりにより収穫量が大幅に増えるという技術革新が起こっており、この反収の仮定が正しいのか、私には判断できません。また明治13年は豊作の年であり、不作の年は確実に全員に米は行き渡らないでしょう。

作付反別(町歩)収穫高(石)反収(石/反)推定収穫高(1.4石/反)推定収穫高(1.45石/反)推定収穫高(1.5石/反)
(粳)米2,326,369.590828,698,368.3291.23432,569,174.29733,732,359.09434,895,543.890
陸米10,958.472469,360.5960.63376,709.34679,448.96682,188.585
糯米232,782.44082,666,011.1581.1453,258,954.1973,375,345.4193,491,736.640
米合計2,570,110.511031,433,740.0831.22335,904,837.84137,187,153.47838,469,469.115

註1. 作付反別の「2,570,110.5110」は、257万0110町5段1畝10歩を意味するが、1町=10段=100畝=3000歩であり、単純な10進数ではない。

註2. 推定収穫高はそれぞれ反収を1石4斗、1石4斗5升、1石5斗で計算しているが、陸米の収穫高は水田の半分と仮定し、それぞれ反収を7斗、7斗2升5合、7斗5升として計算した。
[81270] 2012年 8月 8日(水)02:20:43【1】YT さん
明治初期の旧国別米収穫量実数(1)
[81125]で予告したように、実際の米の収穫量と石高の違い、農産高との比較をまとめます。

自分もかつて[67156]の記事を書いていたころは、石高は米の収穫量を表すもの程度に思っていましたが、その後自分でも色々地租改正や検地についての専門書を読み、石高が単純に米の生産性から算出したものではないことが分かりました。[72052]でのニジェガロージェッツ さんの解説や[74271]でのhmt さんの解説にあるように、実際には田・畑・宅地などの土地について生産性を評価し(石盛)、米換算の石高に置き換えて評価したのが石高です。明治以降は「地租」、そして戦後は地方税の「固定資産税」と名前を変え、今となっては所得税よりもウェイトが下がったとはいえ、未だに地方自治体では住民税よりも重要な税源です。

江戸時代の実際の米の収穫高については、各藩や江戸幕府などが年貢米を通じて調査したものが色々残っていますが、全国一律に調べたものはありません。しかしながら明治時代になると、『全国農産表』というものが作成され、各地の米の収穫高が国郡別に集計されます。明治9年から15年度の『全国農産表』は明治14年分を除き、近代デジタルライブラリーで閲覧できます(明治14年度に関しては、[『明治初期生産統計集成』]収録のものを閲覧するしかありません)。これら明治初期の農産高は幕末の農産高と大きな違いはないでしょう。そこで明治9年から明治15年までの7年間の『全国農産表』に集計されている水・陸の粳米・糯米の生産高(単位:石、合の桁まで示す)を、以下にまとめてみました。参考までに明治9年~明治15年の7ヶ年平均米収穫高(斗の桁で四捨五入)と『郡村石高帳』記載の明治5年石高(単位:石、才の桁まで示す)を並べてまとめます。

旧国M9米石M10米石M11米石M12米石M13米石M14米石M15米石平均米石M5石高
山城176,922.603246,179.991197,301.563262,173.220251,355.609232,955.585211,620.405225,501222,368.70517
大和353,141.139510,892.833430,452.255547,759.050373,796.915454,110.595471,427.878448,797503,686.23676
河内284,668.181346,125.400307,539.598384,230.854319,368.820327,738.526349,884.145331,365293,118.58720
和泉120,157.384160,663.837125,438.677155,560.808152,421.415132,554.774177,190.259146,284176,190.77610
摂津321,416.785613,906.729483,777.202574,257.599513,080.826564,270.128563,090.003519,114416,521.93580
伊賀122,310.408130,147.262112,305.980137,700.567129,725.453122,020.800121,698.572125,130110,917.96640
伊勢648,799.767688,104.927563,180.746761,310.554666,223.996603,279.156586,558.670645,351714,376.41500
志摩20,315.87019,161.75915,158.65225,121.27516,967.16411,882.46420,784.61218,48519,279.20300
尾張474,894.851552,882.788560,342.426654,872.325627,848.292594,729.129613,889.849582,780764,774.16620
三河316,989.250382,972.398366,363.903389,584.248375,208.804360,213.651348,507.666362,834472,373.71000
遠江277,432.440288,983.860262,919.056354,560.741290,929.284293,045.995305,386.555296,180372,546.34901
駿河231,615.830203,608.990192,505.173291,768.244289,984.472262,941.631283,706.473250,876251,954.16486
甲斐211,484.510238,162.477215,042.769254,118.060230,721.722230,544.461219,580.311228,522312,185.17685
伊豆72,052.75074,927.32064,117.58283,834.66492,788.78875,069.08984,378.80078,16784,037.20836
相模175,406.076178,884.842185,107.759216,727.563202,658.121178,438.698185,268.511188,927289,776.73197
武蔵800,174.749781,390.010802,207.8561,005,937.0201,193,077.5281,183,149.6201,270,747.2651,005,2411,282,000.77090
安房58,510.30557,118.02864,063.65473,464.98375,535.08183,715.32283,931.66270,90695,641.42350
上総298,206.152296,575.528346,166.281429,443.319373,701.026368,514.447398,424.369358,719427,313.77094
下総499,857.363466,061.074477,842.369620,616.424628,264.163543,872.863579,158.664545,096687,373.86055
常陸530,309.880492,302.164511,085.212778,241.355790,720.406644,732.023772,984.097645,768921,629.15250
近江785,932.143954,706.459789,754.2971,128,868.4641,078,842.1831,064,819.4671,019,315.145974,605857,849.52528
美濃638,811.987619,718.853463,801.113664,730.032642,757.439579,449.387519,346.070589,802729,654.88365
飛騨65,087.87860,343.99854,906.33660,375.93761,856.96261,784.135160,154.67974,93057,196.05800
信濃887,527.094728,463.458726,508.480732,374.991784,306.216766,965.899726,122.701764,610786,950.00098
上野309,596.719211,219.219243,544.551356,509.905319,157.777312,761.967282,465.170290,751635,851.10734
下野384,220.110435,103.973442,506.412486,514.379559,634.906525,264.769528,777.729480,289758,648.44071
磐城535,345.392518,780.384486,108.696522,815.264511,892.860509,306.733490,429.894510,668650,488.88237
岩代514,469.529533,166.272454,715.056518,044.549608,508.311505,957.166562,371.224528,176760,923.54591
陸前703,027.055680,666.097590,483.565666,023.519796,735.637721,098.251762,267.055702,900700,649.30800
陸中357,571.882406,388.187401,876.628442,037.134487,159.913399,752.825388,020.146411,830471,842.91200
陸奥467,118.842442,478.743395,765.895604,186.571549,245.630544,264.337573,285.691510,907423,100.83800
羽前854,076.294760,050.773664,181.220786,809.896893,619.648705,023.765864,724.240789,784946,971.30568
羽後941,379.313961,971.842863,302.8461,134,993.4341,250,344.812946,561.2861,162,563.3981,037,302568,474.88935
若狭60,226.08173,913.71057,532.76192,087.27587,521.19577,438.22579,378.05275,44291,767.05810
越前276,257.744303,248.227304,969.414349,330.790528,369.762374,315.380400,776.484362,467690,243.61775
加賀386,043.978408,781.977316,022.525404,325.176455,440.529380,378.538466,349.086402,477511,716.01839
能登259,023.553223,752.074202,215.095243,797.324260,300.878243,388.560247,641.196240,017307,602.82896
越中867,987.823883,473.450800,202.171866,804.2321,122,397.016874,643.281957,954.604910,495877,764.10700
越後1,223,661.8241,389,458.9111,342,000.7101,663,696.3831,979,005.1071,659,974.4781,775,916.0231,576,2451,150,567.52359
佐渡89,684.76570,511.52083,647.918133,267.200133,789.63086,816.19182,819.43097,220135,206.12300
丹波247,165.893338,537.043340,485.178386,245.103355,752.780353,229.877347,269.037338,384329,465.47386
丹後75,853.010144,987.437105,981.806139,898.949141,242.202130,703.889134,765.104124,776148,002.13030
但馬103,100.000142,746.276147,475.134156,118.148163,774.093160,097.577153,594.101146,701148,147.75427
因幡159,420.077160,439.970135,158.996202,179.167182,072.294184,180.629174,363.547171,116195,632.64500
伯耆154,191.323253,602.675183,303.046253,774.198231,210.607246,081.807224,793.595220,994251,069.40700
出雲280,059.586380,921.861328,717.675447,229.990407,587.111400,971.325377,718.901374,744320,709.91100
石見150,871.782177,750.155152,263.180215,563.216173,082.553173,303.289176,253.855174,155182,136.89850
隠岐5,809.02210,916.1135,327.59713,626.19812,921.7378,709.1967,922.3659,31912,562.90700
播磨467,216.000593,162.949895,618.770869,582.139834,657.781844,378.544771,366.375753,712660,557.81626
美作151,973.073216,468.335203,930.685230,419.012211,557.257217,300.542188,769.429202,917262,333.86400
備前303,052.597388,061.137362,222.105442,476.337373,283.540421,671.314362,739.683379,072418,964.53800
備中207,843.421305,412.461302,724.941338,360.681317,099.808328,821.263308,115.211301,197371,355.17580
備後210,871.929246,993.655235,256.677329,481.054317,436.112327,385.359327,320.197284,964315,876.18155
安芸242,650.104348,070.853338,644.212451,537.303457,603.023436,118.587445,424.355388,578314,669.48710
周防288,361.501300,726.966374,676.599366,050.873363,916.169373,002.856392,716.592351,350552,160.21518
長門250,697.685298,109.574273,749.050329,534.714316,187.555341,386.049346,927.116308,085458,143.48989
紀伊426,690.852459,289.814413,868.901597,046.229446,727.121477,205.514462,755.184469,083444,283.13335
淡路108,954.000181,800.000186,091.603193,954.000204,380.625167,511.028185,551.655175,463136,637.98183
阿波238,714.031204,916.132196,855.697272,723.470263,441.686268,897.462221,009.242238,080310,484.46474
讃岐306,786.912344,439.500354,957.156469,816.096446,909.224457,425.570462,111.687406,064309,814.75380
伊予361,384.018378,756.420412,376.634490,194.317440,596.833486,957.258443,189.766430,494443,321.68842
土佐358,003.510321,081.786298,586.092376,060.900342,563.090377,288.000347,766.314345,907510,572.19470
筑前522,237.000589,332.154458,122.195633,518.484560,571.871541,626.115541,626.115549,576633,404.63540
筑後393,093.000425,920.491324,948.184445,559.126340,936.860439,374.725439,374.725401,315536,742.90265
豊前294,893.280333,532.978267,902.031438,951.549362,614.845369,340.607358,758.253346,571366,948.08138
豊後312,007.347354,829.814324,195.465460,182.289378,133.068420,230.268340,874.146370,065459,184.41734
肥前692,413.031664,212.298690,175.740900,679.283822,342.188807,306.928882,422.216779,936685,116.89762
肥後820,385.878625,310.633564,963.199791,357.050713,092.507843,277.007673,106.739718,785851,237.05291
日向173,403.633238,496.624267,840.242365,014.377311,136.240281,031418,142.35665
大隅・奄美96,600.149117,399.64198,232.512139,022.454142,276.376125,428329,012.87032
薩摩147,662.658148,313.477162,709.535181,914.334178,696.443164,137323,483.49953
壱岐5,342.75011,844.12016,829.30818,229.63014,100.82912,095.80517,051.45313,64232,853.88500
対馬2,032.4241,753.3112,500.8584,576.7103,898.1292,455.8835,557.3293,2545,818.11600
合計24,743,791.33526,599,177.25525,282,539.55631,628,011.28531,433,740.08329,912,029.03530,452,220.12928,753,85132,270,382.11148
不一致-0.0094.0190.10050,277.6640.0000.0020.000
総計24,743,791.32626,599,181.27425,282,539.65631,678,288.94931,433,740.08329,912,029.03730,452,220.129
[81225] 2012年 8月 1日(水)18:55:45【1】YT さん
桐山
[81224] 皿 さん

すべては昭和31年と昭和42年に後に当時の東頸城郡松代町と中魚沼郡川西町との間で境界線を変更していたからです。

郡域レベルの変更は、平凡社の『日本歴史地名体系』の新潟県の「旧区郡域・現郡市区町村域 対照図」(各巻の巻頭に収録されています)を見れば大雑把に分かります。確かに現十日町市桐山~室島乙で、山中に微妙な郡域の変更があったことが見てとれますが、正確な領域の変更をここに書き下すことはできません。

それよりも、そのような微妙な領域の変更を問題にするのなら、それこそ図書館へ行って古い地図を調べ、自分の目で確かめないと話にならないし、そっちの方がはるかに早いと思いますが。少なくとも近代デジタルライブラリー収録の地図は山中の郡境が不正確です。どの縮尺の地図で作業しようとしているのかは知りませんが、古い地図が入手できなのなら、『日本歴史地名体系』収録の地図を見るのが早いと思います。
[81218] 2012年 7月 31日(火)17:16:03【3】YT さん
矢吹町
[81198] 皿さん
私は、福島県矢吹町の現行町名と江戸時代にのちの現在の矢吹町にあった村の位置が全然わかりません。
とりあえず、近代デジタルライブラリーの『ポケツト大日本分県地図 : 最新調査. 福島県之部』 (1925年)を見ると、当時の三町村(矢吹町、中畑村、三神村)の境界と、それぞれの村内の地名の凡その位置が載っています。

一方、『旧高旧領帳』を調べると、大和久村、須乗村、須乗新田、七軒新田が白河県の幕府領、松倉村、三城目村、三城目新田が白河県の白河藩領分、矢吹村、矢吹新田、中畑村、中畑新田、大畑村、堤村、神田村、松崎村、中野目村、明岡村、明岡新田が磐前県の白河藩領分となっています。

近世村等旧領府県(M9迄)郡(M8迄)町村制施行時(M22)備考
矢吹村白河藩領分磐前県石川郡矢吹村
(矢吹新田村)白河藩領分磐前県石川郡矢吹村M9矢吹村に合併
中畑新田村白河藩領分磐前県石川郡矢吹村
大和久村幕府領白河県白河郡矢吹村
中畑村白河藩領分磐前県石川郡中畑村
松倉村白河藩領分白河県白河郡中畑村
(七軒新田村)幕府領白河県白河郡中畑村M9松倉村に合併
大畑村白河藩領分磐前県石川郡中畑村
須乗村幕府領白河県白河郡三神村
(須乗新田村)幕府領白河県白河郡三神村M9須乗村に合併
三城目村白河藩領分白河県白河郡三神村
(三城目新田村)白河藩領分白河県白河郡三神村M9三城目村に合併
神田村白河藩領分磐前県石川郡三神村
中野目村白河藩領分磐前県石川郡三神村
堤村白河藩領分磐前県石川郡三神村
明新村白河藩領分磐前県石川郡三神村M19明岡村と明岡新田村が合併して成立
(明岡村)白河藩領分磐前県石川郡三神村M19明岡新田村と合併し明新村
(明岡新田村)白河藩領分磐前県石川郡三神村M19明岡村と合併し明新村
柿ノ内村白河藩領分白河県岩瀬郡広戸村K2(1866)以降幕府領

現地名への対応は、平凡社の『日本歴史地名大系』に載っています。また西岡虎之助, 服部之総監修『日本歴史地図』 (1956年)の244-245頁に、福島県の廃藩置県前の幕府領・各藩領や、明治8年に白河郡となった石川郡の領域(明治8年までは、その中に三城目村、三城目新田、須乗村、須乗新田村などの白河郡の飛び地があったことになる)が載っていますので、『ポケツト大日本分県地図』と比較すれば、江戸時代の村の領域がある程度は把握できると思います。

なお東大の史料編纂所には、私製の『1:25,000地形図』があります。
国土地理院発行, 昭和29-54年刊) を各地域毎に私家製本したもの
ですので、その気になれば昭和55年の大字変更前の地名の位置を探ることができるでしょう。

【追記】天保国絵図を見ると、矢吹村や中畑村が石川郡所属となっていて、三城目村、三城目新田、須乗村、須乗新田村がループの白河郡所属となっていますが、『日本歴史地図』ではこれらの地域が「白河郡飛び地」と明記され、その周りを明治8年まで石川郡所属(『日本歴史地図』では石川「県」と書かれていますが、多分誤植)の矢吹村・中畑村等が取り囲んでいます。『旧高旧領帳』ではこれらの石川郡所属の村も白河郡(後の西白河郡)所属扱いとなっていますが、正確にはこれらの地域は天保郷帳の描かれた江戸時代後半から明治初期まで石川郡所属です。

【追記2】というか、2万5000分の1の地図はそもそも国立国会図書館で閲覧可能でしたね。ゼンリンの住宅地図の方は、国立国会図書館では1984年版が最も古いようですが。
[81192] 2012年 7月 28日(土)05:09:06【1】YT さん
文部省年報、磐井
[81186] 白桃 さん

ただ、下小田井(後の西枇杷島町→清須市)は、「戸数1,089、人口553人」とな
っており、思わず唸ってしまいました。

以前私が[67796]に書いたのと同じ問題に直面しているようですね。

地名明治12年1月1日調明治13年1月1日調
地名戸数人口戸数人口
下之一色村1,0794,5351,0624,381
下小田井村1,0864,2421,089553

明治12年1月1日調の方は男2125人+女2117人、明治13年1月1日調の方は男276人
+女277人となっており、おそらく後者が2076+2077人の間違いで、たぶん正し
い人口は4153人だろうという予測はつきますが、確証はありません。しかもこの
時代は戸数と言った場合、後の世帯数に相当する戸数と家数の混同が起こってい
たりします。

ところで以前、[68674][68675]で、文部省調による明治12年と明治13年の「人口壱萬人以上ノ都邑」の人口を紹介しましたが、これの元データが『日本帝国文部省年報』の「人口壱万以上都邑学事統計表」であることが判りました。『日本帝国文部省年報』では、明治10年から明治18年まで、人口1万人以上の都邑の人口と、明治10年から明治16年までの各府県の主だった都邑の人口がまとめてあり、これについては量も多くないのでいずれまとめようと思います(というか、「人口壱万以上都邑」に登場する138都邑の9年間(明治10年~明治18年)の人口については既にまとめ済みです)。

ただこの表で使われている人口は、共武政表や日本民籍戸口表の人口とほとんど一致しません。文部省が独自に人口調査をしているとは思えないので、内務省や警察署の戸籍調査を使っていると推測されるのですが、これらが本籍人口なのか、現住人口なのか、あるいは年始/年末調のいずれかなのか、等々、色々データに問題があるので、公式の人口データとみなしていいのか微妙な状況です。せめて一言どこかに人口データの典拠や方法論についての言及があればいいのすが・・・

[81048] 千本桜さん
共武政表の岩手県西磐井郡に「磐井」と言う名の輻輳地が記載されていますが、

明治10年には磐井は人口1万3702人(明治11年1月1日調?)の大都市という扱いになっています。明治11年には人口1万1813人(明治12年1月1日調?)、明治12年には9403人(明治13年1月1日調?)、明治13年には7974人(明治14年1月1日調?)、明治14年には6791人(明治15年1月1日調?)に減っており、都市域の範囲がいい加減であることが伺えます。明治15年の磐井の人口は6822人と少し増え、明治16年には6859人となっています。残念ながら明治17年~明治18年は「人口壱萬人以上ノ都邑」しか掲載されていませんので対象外ですが、『文部省年報』の記述を信じるのなら少なくとも明治10年から16年頃までは、「一関」ではなく「磐井」の方が正式な呼称として採用されていたようにみえます。
[81178] 2012年 7月 24日(火)18:40:40YT さん
十勝国河東郡、河西郡は各々「川筋東岸、川筋西岸」の村々を以て一郡と仕度候
[81170] Issie さん
いや,もっと単純に,北海道に国郡が設置された1869(明治2)年の段階では十勝平野の内陸まで実測が行われてはいないでしょうから方位の測量も完全ではなく,やっぱりサックリと“十勝川の西と東”ということなのかもしれませんが。

[81174] にまん さん
私はサックリ説に一票。

北の住人さんが[46207]で挙げられていますが、北海道の旧国名、制定の経緯に纏められているように、北海道の名称や国郡名は、開拓判官の松浦武四郎が明治2年旧暦7月17日(1869年8月24日)に上申した意見書を元に、明治2年旧暦8月15日(1869年9月20日)に太政官布告で決定されたものです(明治2年8月15日太政官布達第734)。

幸いに松浦武四郎による上申書の中身は、北海道大学北方関係資料総合目録の方に、『北海道々国郡名撰定上書』として収録されていますので、該当部分を読みますと:

河東郡 川筋東岸「ヲトフケ」「シカリヘツ」の村々を以て一郡と仕候、様奉在候

河西郡 川筋西岸「サツナイ」「ヤロマツ」「ヒハイロ」「メモロ」等を以て一郡に仕度候

「トカチ」川の東西村々を二郡に相分け中候、河東河西と仕度候、則阿波国に名東郡、名西郡、又筑前の上座、下座其餘葛上、葛下、添上、添下、皆あげてかぞへがたし、依て可然奉存候、

ヲトフケ=音更
シカリヘツ=然別(音更町内)
サツナイ=札内(幕別町内)
ヤロマツ=?
ヒハイロ=ピパイロ、美生(芽室町内)
メモロ=芽室

つまり十勝川の川筋西岸=十勝川の右岸、川筋東岸=十勝川の左岸としており、河口での川岸の東西で決めたようで、上流での地理云々は関係ないわけですね。まあ天保の国絵図を見る限り内陸の方位はいい加減ですし、伊能大図も海岸線しか調べていませんし、明治2年の段階では内陸の地形の詳細は不明だったでしょうけども。

なお、松浦武四郎本人はこれらの土地を実際に歩き、『蝦夷日誌』等に書き記しているようです。その辺の詳しいことは地徳力さんのホームページに掲載されています。

上を調べるきっかけになったのは、[81063]に示したように、『郡村石高帳』に釧路国善報郡という郡名が記載されていたからです。法令全書太政官日誌を見る限りそのような郡は設置された事実はなく、あくまでも松浦武四郎の原案にしか登場しないようです。どうやら明治6年に租税寮で『郡村石高帳』をまとめた人には北海道の国郡はどうでもよくて(村数、石高は全て空欄)、松浦武四郎の原案を横にして帳簿をまとめてしまったようです。
[81167] 2012年 7月 22日(日)17:47:25【1】YT さん
寛永国絵図の美作国の石高の訂正
[81123]の1598年~1872年の旧国別石高の変遷の内、寛永十年巡見使国絵図の美作国の石高に誤りがあったので訂正します。[81123]では22万7115石としましたが、改めて川村博忠編『寛永十年巡見使国絵図日本六十余州図』, 柏書房 (2002年)をチェックし、22万7715石の間違いであることを確認しました。それに伴い総石高も、2242万6237石9斗から、600石多い2242万6837石9斗へ修正されます。まあ、島原松平文庫『御当地雑記』一「日本国知行高之覚」記載の江戸初期高と比較すると、どちらかが「壱」と「七」を混同して書き記した可能性が高いようにみえますが。

なお寛永十年巡見使国絵図では、端数切り捨てを意味する「余」という言葉が幾つかの地図に挿入されています。同様に島原松平文庫『御当地雑記』一「日本国知行高之覚」でも三河国に限り「余」が挿入されています。以下、大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」 (『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))記載の江戸初期高とともに寛永国絵図石高を再録します。

旧国江戸初期高(余)寛永国絵図高(余)
山城国216,070.700216,070.0
大和国444,134.000444,134.0
河内国308,857.620308,857.0
和泉国138,797.090138,797.0
摂津国290,902.100299,902.0
伊賀国95,594.10095,594.0
伊勢国572,786.900572,786.0
志摩国17,849.30017,849.0
尾張国480,841.700
三河国336,000.000350,000.0
遠江国268,800.000268,800.0
駿河国170,000.000170,000.0
甲斐国250,000.000250,000.0
伊豆国79,353.00079,353.0
相模国191,524.000191,920.0
武蔵国840,000.000840,000.0
安房国91,779.12091,779.0
上総国285,300.000285,300.0
下総国250,131.000250,140.0
常陸国753,600.000752,600.0
近江国832,122.600832,120.0
美濃国581,523.000581,523.0
飛騨国38,764.40038,764.0
信濃国547,360.000547,360.0
上野国468,000.000468,000.0
下野国464,000.000464,000.0
陸奥国1,729,000.0001,822,000.0
出羽国870,000.000870,000.0
若狭国85,099.60085,099.0
越前国682,654.000682,654.0
加賀国442,507.400442,507.0
能登国216,891.300216,891.0
越中国530,637.300536,037.0
越後国450,060.900606,370.0
佐渡国20,599.00020,599.0
丹波国280,570.200280,570.0
丹後国123,170.200123,170.0
但馬国123,960.000123,960.0
因幡国131,649.600131,649.0
伯耆国175,032.000175,032.0
出雲国223,477.100223,477.0
石見国137,370.000137,370.0
隠岐国11,802.90011,802.0
播磨国521,300.000
美作国227,115.500227,715.0
備前国286,200.000286,200.0
備中国227,894.800227,894.0
備後国238,838.000238,138.0
安芸国259,384.900259,384.0
周防国164,420.200164,420.0
長門国134,059.900134,050.0
紀伊国395,247.700395,247.0
淡路国63,621.10063,621.0
阿波国186,753.500186,753.0
讃岐国171,815.000171,815.0
小豆島3,186.700
伊予国381,640.800381,640.0
土佐国202,626.500202,626.0
筑前国522,512.400522,515.0
筑後国302,085.500302,085.5
豊前国330,744.644300,740.0
豊後国378,592.400378,592.0
肥前国561,437.400561,437.0
肥後国572,989.000572,989.0
日向国288,589.500288,589.0
大隅国170,828.100170,828.0
薩摩国315,251.700315,251.0
壱岐国15,982.30015,982.0
対馬国0.0008,163.0
合計22,171,689.67422,426,837.9

なお、川村博忠編『寛永十年巡見使国絵図日本六十余州図』に収録されている国絵図は、主に岡山大学附属図書館所蔵の池田家文庫で、尾張国と播磨国の国絵図は、秋田県公文書館所蔵の日本六十余州国々切絵図によります。現在寛永国絵図が全国68ヶ国完全に揃っているのは秋田公文書館と山口県文書館で、岡山大学附属図書館所蔵は尾張と播磨を欠き、その他名古屋市蓬左文庫に過半数、東京大学総合図書館(南葵文庫)、熊本大学附属図書館(永青文庫)に十数ヶ国分が現存しますが、この内描法・彩色・書写がもっとも丁寧なのが池田本です。以下本書の解説からの引用です。

 以上の考察の結果から、伝存する余州国諸本は寛永10年(1633)に全国に派遣された諸国巡見の国廻りを通じて幕府へ収納された国絵図の写本であることが明らかとなった。そのうち本書に図版で収録した岡山大学附属図書館(池田家文庫)蔵の池田本は、秋田県公文書蔵の佐竹本、山口県文書館蔵毛利本とともに全国分ほぼ揃って存在する「日本六十余州図」のひとつである。
 寛永10年の巡見使国廻りが全国を6区に分けて実施されたことからすると、本来巡見使上納国絵図は分担区ごとに絵図様式に違いが生じていたはずである。ところで「日本六十余州図」は、村々記載の精粗、郡区分の有無、国境越え道筋での表記の違いなど巡見使の分担区ごとに内容に明らかな差異があるにもかかわらず、絵図様式は全国すべて一様である。このことは「日本六十余州図」が巡見使国絵図を原拠とする写本ではあるものの、その後に様式の統一をはかって全国をいっせに描き直した二次的写本であることを推測させる。
(中略)
 ところで、この二次的写本とみられる「日本六十余州図」の成立時期については、寛文11年(1671)頃ではないかと考えられる。池田本をはじめいくつかの余州図の付箋に記される城主の揃う時期が寛文11年であることは、この年に古くなった全国の一次的写本がいっせに描き直されて、居城に付箋がつけられたと想定できよう。
(中略)
 「日本六十余州図」が寛永10年巡見使国絵図の二次的作品であるとはいえ、慶長国絵図が全国揃って残されていない現在では、この写本は全国を網羅して現存するもっとも古い江戸幕府の国絵図である。絵図面が比較的扱いやすい手頃な大きさであることから、地理的情報がとぼしかった江戸前期ないし中期において全国を知る地図資料として有力大名家間にてこれが模写・転写されたものと考えられる。
[81160] 2012年 7月 22日(日)02:22:55YT さん
北海道庁現行布令便覧 ほか
[81135] むっくんさん

M31.7.31現在の連合戸長役場であるならば北海道庁現行布令便覧(明治三十一年)(上巻)(編・発行:北海道庁、M32.2.10)に載っています。

『北海道庁現行布令便覧』のご紹介ありがとうございます。さらに明治19年から明治27年までは、『北海道庁布令全書』というのが発行されているようですが、近代デジタルライブラリーをみる限り、各年の戸長役場の所在地まではまとめてはないようですね。

[81149] オーナー グリグリさん
川西村(町)が圧倒しています。これだけの差があると何か要因があるように考えられます。

とりあえず、川東、川南が少ない理由は、日本語の音韻論で説明できると思います。川東や川南と書いた場合、ほぼ訓読みで「かわひがし」や「かわみなみ」なると思いますが、日本語であれば音韻(モーラ)数が4や3の省略を好む傾向があり、5モーラの「かわひがし」や「かわみなみ」よりも4モーラの「こうとう」「こうなん」や3モーラの「かとう」「かなん」が口にしやすいのはないでしょうか?

もっとも兵庫県や福島県の河東、石川県の河南は「かわひがし」「かわみなみ」ですし、「かわきた」が少ないことの説明にはなりませんので、彼岸や西方浄土などの仏教思想の影響があるのかも知れません。
[81125] 2012年 7月 16日(月)17:33:11【1】YT さん
正保郷帳の石高に関する混乱
[81123]の正保郷帳の石高については説明が必要なので稿を改めます。

正保郷帳を調べる過程で、和泉清司著 『近世前期郷村高と領主の基礎的研究 : 正保の郷帳・国絵図の分析を中心に』, 岩田書院 (2008年)と出会い、郷帳への認識を改める必要があるように感じました。
元禄郷帳や天保郷帳は村高が列挙されているだけですが、正保郷帳は各村毎に村高、田方、畑方が記載され、最後集計に本高、寺社領、新田高、小物成等がまとめられています。一方、正保国絵図の方には、新田高は原則として記入されてないようです。このため、正保石高は二系統の数字が存在することになります。おそらく東京大学史料編纂所の『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の石高は、種々の寛永国絵図、正保国絵図に記載されていた石高をまとめたもので、実際に郷帳に書かれた数字との乖離があるのでしょう。参考までに陸奥国津軽領分の正保郷帳の石高をまとめると以下の通りで、郷帳の数字を足すと津軽領分の村数は336、石高は10万2468石8斗ですが、国絵図に書かかれる数字は村数134表高4万5000石です。

区分村数村高合計田方畠方不一致
平賀郡本村分4219,265.06017,479.5201,573.020212.520
平賀郡新田分3315,633.940
平賀郡合計75.00034,899.000
田舎郡本村分3811,376.57010,260.4201,116.350-0.200
田舎郡新田分12018,401.700
田舎郡合計15829,778.270
鼻和郡本村分5414,358.37013,209.6301,147.7401.000
鼻和郡新田分497,972.890
鼻和郡合計10322,331.260
津軽領分本高13445,000.00041,160.4403,839.5600.000
津軽領分本高不一致00.000210.8702.450
津軽領分新田高(本村分)15,460.260
津軽領分新田高(新田分)202.00042,008.530
津軽領分新田高合計57,468.800
津軽領分新田高不一致0.010
津軽領分総計336102,468.800

ただ現時点で自分は正保国絵図の原本を見る機会はありません。また郷帳のまとめ方も地域によって揺れがあり、ある郷帳では本高で集計した後、寺社領高、小物成、新田高を別に記していますが、一方では、寺社領を本高に加えたり、あるいは新田高も本高に加えて集計している郷帳も存在します。そこで以下、とりあえず郷帳の総計として取り上げられているものを「草高」、新田高など全てを合計したものを「内高」として集計しました。なお斗以下の数字の方は『近世前期郷村高と領主の基礎的研究 : 正保の郷帳・国絵図の分析を中心に』に収録されているCD-ROMの方に入っています。村数もCD-ROMの収録分を参考にし、「新田村」「枝村」の数字が分かっている分に関しては村数に加算しました。また貫高等、石高以外のものは石高の計算に含めませんでしたが、陸奥国仙台領分については例外として1貫高=10石の換算を実施しました。参考までに菊地利夫『新田開発』と東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』収録の正保郷帳石高も列挙します。

旧国正保草高正保内高村数典拠菊地利夫村高比較表
山城国215,985.62170411郷帳215,982215,986.34817
大和国469,380.624601,220村高比較表459,380469,380.62460
河内国264,952.34320265,518.42520459郷帳264,952264,952.34100
和泉国159,117.72700159,628.55800279郷帳159,326159,326.77100
摂津国375,496.75500380,875.39700742郷帳375,478375,478.86000
伊賀国100,538.00000145国絵図100,540100,540.00000
伊勢国596,334.68500658,896.319001,089郷帳585,065585,065.16400
志摩国19,290.3260055国絵図20,06120,061.00000
尾張国526,493.51000919郷帳483,432
三河国350,880.05800359,991.680001,181寛永16年郷村帳350,888
遠江国280,733.49000301,404.18624930郷帳280,696280,696.00500
駿河国191,315.69100732郷帳191,315191,315.69100
甲斐国234,327.38100730国絵図245,298245,298.70600
伊豆国79,653.20800265国絵図79,65379,653.20800
相模国206,812.01700605寛文年中郷村帳220,617220,617.70000
武蔵国982,337.96580989,725.333802,415郷帳982,327982,337.96580
安房国92,641.68000245郷帳92,64192,641.68000
上総国351,731.00000971国絵図378,892
下総国444,829.84200928村高比較表444,829444,829.84200
常陸国840,801.828901,546村高比較表840,048840,801.82890
近江国830,594.42600833,636.883001,441郷帳832,122832,122.00000
美濃国627,966.11200628,912.852001,254郷帳609,718609,718.92800
飛騨国38,764.40000215慶長郷帳38,76438,764.40000
信濃国544,770.33800578,406.405001,346郷帳548,600
上野国515,221.29926520,963.875261,133寛文8年郷村帳515,214515,215.00000
下野国565,975.62000618,592.330001,118郷帳568,733568,733.91000
陸奥国1,702,588.351403,8381,672,8061,829,000.00000
[会津領分]257,029.00000770文禄3年郷村帳
[白河三春二本松領分]315,169.00000528国絵図
[磐城棚倉相馬領分]205,026.59540254,279.16440548郷帳
[米沢領分]121,186.92500148国絵図
[仙台領分]654,110.88000745,293.38000970郷帳
[南部領分]105,065.95100538郷帳
[津軽領分]45,000.00000102,468.80000336郷帳45,00045,000.00000
[磐城国]438,137.67540489,715.07440895
[岩代国]533,876.925001,089
[陸前国]434,938.85000506,025.74000692434,860434,938.85000
[陸中国]218,681.81400236,452.59400545
[陸奥国]72,437.29900129,906.09900503
出羽国951,523.476001,124,394.893002,113郷帳965,674951,523.47700
[米沢領分]180,000.00000196,994.58400348186,990186,990.00000
[山形領分]337,610.45900340,883.68800388337,610337,610.45900
[新庄領分]36,158.7420042,715.513005436,15836,158.74200
[庄内領分]195,373.04800268,128.71500690149,117195,373.04800
[秋田領分]200,251.33900273,542.50500626255,799202,381.22700
[羽前国]649,480.35200722,672.698001,071656,458656,470.35200
[羽後国]299,913.23600399,592.307001,035309,216302,043.12400
若狭国85,460.08890209郷帳85,09985,099.67000
越前国680,293.308001,393郷帳682,182622,182.00000
加賀国422,958.60000440,399.15000751郷帳422,957422,957.61000
能登国225,006.15000255,555.71000564郷帳225,006225,006.10000
越中国592,415.66000660,718.380001,117郷帳592,415592,415.00000
越後国611,960.427002,682国絵図611,960
佐渡国24,812.01200251国絵図24,81224,812.01200
丹波国289,829.14600777郷帳289,829289,829.14700
丹後国123,175.01000292国絵図123,175123,175.00000
但馬国129,069.75700607国絵図129,069129,069.75700
因幡国149,742.50000515寛永15年郷村帳149,539149,539.00000
伯耆国170,257.50000704寛永15年郷村帳170,254170,254.00000
出雲国253,596.79200500国絵図253,597253,597.64760
石見国139,242.99100413国絵図139,401139,401.53700
隠岐国11,601.3930061国絵図11,60111,601.39300
播磨国542,130.12700554,629.787001,570郷帳562,291562,291.44700
美作国186,500.00000237,630.30000594郷帳186,500186,500.00000
備前国280,200.00000296,402.00000897郷帳280,200280,200.03000
備中国236,491.825001,221郷帳236,691236,691.82500
備後国248,015.28700457元和5年郷村帳248,606248,606.91000
安芸国266,862.55600267,851.97100433元和5年郷村帳265,071265,071.18600
周防国202,787.60000152郷帳202,787202,787.60000
長門国166,623.40000152郷帳166,623166,623.40000
紀伊国398,395.453001,258国絵図398,395398,395.45300
淡路国70,186.50000220国絵図70,18670,186.50000
阿波国186,753.58300451国絵図186,753186,753.58300
讃岐国238,028.33100321寛永17年郷村帳173,554173,554.22700
伊予国400,271.87300402,538.14200939郷帳400,271400,271.87300
土佐国248,328.12000254,378.12000463寛文4年郷村帳202,626202,626.00000
筑前国522,512.60130617,948.27590741郷帳522,512522,512.60130
筑後国331,490.00000707国絵図302,089302,089.00000
豊前国231,680.00000602国絵図231,680321,680.00000
豊後国357,300.51500364,364.521171,418郷帳378,592378,592.00000
肥前国565,655.359601,505国絵図561,437561,437.00000
肥後国579,711.78700617,803.077001,112郷帳572,980572,980.00000
日向国290,180.97300375国絵図288,589288,589.00000
大隅国170,833.45100230寛文4年郷村帳170,82817,828.00000
薩摩国315,005.60012256国絵図283,482315,251.00000
壱岐国17,568.0300041国絵図15,98215,982.00000
対馬国6,269.71500121郷帳
琉球国123,711.8134869国絵図
[大島]32,828.7000017
[本琉球]90,883.1134852
合計23,653,973.6122624,572,941.7682755,46623,342,672

典拠のうち、郷帳、国絵図はそれぞれ正保郷帳、正保国絵図とされるもので、郷帳や国絵図が存在しない地域は、近い年次の郷村帳によります。なお、大和国、常陸国、下総国に関しては東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の数字を使いました。下総国は和泉清司本に数字がなく、また常陸国に関しては寛永年中郷村帳(54万1967石0斗6升4合)、大和国に関しては寛永16年郷村帳(44万4056石9斗2升、外屋敷高450石8斗6升1合)の数字があるものの、『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の数字の方は郡別石高があり、何らかの国絵図から数字を採用し、さらに寛永年中の石高よりも数字が更新されていると推測されたため、これらに関しては『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の数字を使いました。文禄3年の蒲生領高の数字を採用している陸奥国会津領分、慶長郷帳の飛騨国、寛永の数字を使っている三河国、因幡国、伯耆国、讃岐国に関しては、『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の方でより良い数字が見当たらないので(ほぼ同じ数字、あるいはより古い数字が採用されている)、和泉清司本の数字を採用しました。村数の内、相模国、下総国、常陸国などは菊地利夫本からの採用です。

また陸奥国内の旧国別人口の合計、出羽国内の旧国別人口の合計がそれぞれの草高、内高と一致しませんが、これは陸奥国南部領分と出羽国の郡別石高の合計と総計が一致しておらず、一部郡別の内訳が記されていない小物成高や新田高等が草高や新田高に加えられているせいです。村数についても一致しない箇所がありあすが、例えば出羽国の場合、個々の郡別本村数・新田村数と合計が一致しませんが、新田村の名前が記載されていない郡もあるため、正確な数字を検証できないためです。

津軽領分の事例を見れば分かるように、これらの石高は米の生産力だけを表したものではなく、麦や大豆、塩、あるいは屋敷や林など、面積で表せるものは米の生産力に換算した石高を設置して、租税を徴収していたわけです。また米で納められないものは物納や金納となり、面積で表せないものは小物成として別個記載されました。

一応石高はおおよそ第一次産業の生産高を米の収穫高に換算した数字で、実際に取れる米の収穫量は、これらの石高を下回るはずです。それでは実際の米の収穫高はどの程度だったのでしょうか?それについて次回まとめたいと思います。
[81124] 2012年 7月 16日(月)17:26:58【5】YT さん
1598年~1872年の旧国別石高の変遷 それぞれの史料について
以下[81123]の表の解説です。

【(1) 慶長3年】 『大日本租税志』「慶長三年検地目録」
[72089]でも紹介しましたが、慶長3年(1598年)の石高は『大日本租税志』収録の『慶長三年検地目録』によります。太閤検地の結果として色々な書物に引用されていますが、検地が十分実施されなかったところは石高が低目に出ています。

【(2) 江戸初期】 島原松平文庫 『御当地雑記』一「日本国知行高之覚」
ここに引用する数字は、大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」 (『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))記載のものです。なお原本では下総国の石高は空欄ですが、総石高2217万1689石6斗7升4合から他国の石高を引くことにより25万0131石と求まり、これは寛永10年の国絵図の下総国石高25万0140石とほぼ同じです。また出羽国石高石高には上杉弾正分10万石を含み、讃岐国石高には小豆島3186石7斗を含みます。

この江戸初期高で重要な点は、おそらく慶長10年(1605年)に徳川幕府によって提出を求められた慶長郷帳や慶長国絵図の石高だろうと考えられることです。大野瑞男による解説によると

江戸初期高は島原松平文庫「御当家雑記」一にある「日本国知行高之覚」による。このうち江戸初期の高とするものは、同書に「御統家ニ相定所也」とあり、これは慶長十年の国絵図・郷帳高と思われる。しかし国によって若干の違いがある。
 「鉄醤塵蓋抄」によれば、周防・長門の指出高八九万二千四〇〇石余、内一二万石が毛利秀元領、長府領五万石弟就清領、周防徳山領三六万九四〇〇石余、新田二九万三〇〇〇石余、合計六六万二四〇〇石秀就台所入となっている。「国主城主記」には、伊賀八万一〇〇〇石余(筒井伊賀守定次慶長十年指出高)、出雲・隠岐二十三万五〇〇〇石(堀尾出雲守忠氏慶長十年指出高)、美作一八万六〇〇〇石余(森美作守忠政慶長八年高)、二二万七〇〇〇石(慶長十年指出高)、備前三一万五〇〇〇石(池田三左衛門輝政慶長二年高)、二八万六〇〇〇石余(慶長十年指出高)、安芸・備後四九万八〇〇〇石余(福嶋左衛門大夫正則慶長五年指出高・十年指出高)、紀伊三七万四〇〇〇石(浅野紀伊守幸長慶長五年高・十年指出高)、阿波一八万六〇〇〇石余(蜂須賀彦右衛門家政天正十三年高・慶長十年指出高)となっており、このほか肥前・豊前・日向の石高記載もあるが、城地別の記載のみであって、総国高は知ることができない。
 「鉄醤塵蓋抄」の記載はともかく、「国主城主記」の記載の慶長十年高と「御当家雑記」の石高の千石以下の端数を除いたものであることが判明する。
 次に現在知られている国絵図・郷帳の石高と比較すると、摂津国絵図の高頭目録高二九万〇〇六八石六斗に対し、「御当家雑記」の石高は二九万〇九〇二石一斗で、八三三石五斗の差がある。外小物成分は六六八石一斗六升であるからこれとも一致しない。越前国絵図には総高六八万〇三二七石一斗二升とあり、「御当家雑記」の石高の六八万二四五四石とは差がある。周防・長門国絵図には周防六郡高辻一六万四四二〇石二斗一升二合、長門八郡高辻一三万四〇五九石九斗九升一合とあって「御当家雑記」の石高とは全く一致する。また福原家文書「慶長九年御両国物成御下書上ゲ」では、周防・長門両国高は二九万八四八〇石で「御当家雑記」の両国石高合計と一致する。慶長十年八月山内一豊が幕府に録上した土佐国総目録には、高二〇万二六二六石五斗とあり一致する。筑前国絵図の絵図目録記載五〇万二四一六石三斗一合三勺と比較すると、五二万二五一二石四斗と二万石以上の差違がある。慶長十年十月十五日の小豆島絵図の高頭目録の高都合は三一八六石七斗で、「御当家雑記」の石高とこれも一致する。
 以上のように国によっては相違はあるものの、「御当家雑記」の「日本国知行高之覚」の江戸初期高は、ほぼ慶長十年国絵図・郷帳高とみてよいであろう。

現在慶長郷帳は3点しか残っていませんが、活字化された慶長10年の飛騨国の郷帳は『岐阜県史 史料編 近世一』収録の「金森素玄領飛騨国石高帳」で読むことができます。最後の部分を引用すると

三郡之高
 惣都合三万八千七百六拾四石四斗
 内 田方弐万五千四百七拾五石三斗弐升七合
   畑方壱万三千弐百八拾九石七斗三合
 此物成都合壱万弐千百拾五石八斗三升余
               但三ツ一分弐朱八リンニ当ル
慶長拾乙巳季九月日 金森兵部卿法印素玄

ただ村高を並べているだけの元禄郷帳や天保郷帳に比べ、慶長郷帳は各村毎の石高と、田方、畑方の石高、物成(実際の租税収入)を列挙しており、はるかに情報量が多くなっています。さらに上の飛騨国の場合は田方、畑方、物成の記載のみですが、必要に応じて小物成(貨幣納による租税)、寺社領なども記載されました。これらの数字は現存する国絵図にも記載されているそうです(この辺については黒田日出男「江戸幕府国絵図・郷帳管見-1-慶長国絵図・郷帳について」 (『歴史地理』 93(2), pp. 71-94 (1977年))、現存慶長・正保・元禄国絵図の特徴について : 江戸幕府国絵図・郷帳管見(二) (『東京大学史料編纂所報』 15, pp. 1-21 (1980年))等に詳しい説明があります)。

それはともかくとして、慶長3年からわずか7年の慶長10年の段階で、日本全国の石高が1851万石から2217万石と、366万石も増えています。これは新田開発だけでは説明がつかず、検地が徹底したことが最大の原因と言えます。よってこの2217万石を、1600年頃の実際の石高だと考える人も多くいます。

【(3) 寛永国絵図】 「寛永十年巡見使国絵図」
寛永10年(1633年)、江戸幕府が諸国へ巡見使を派遣し徴収した国絵図で、石高は川村博忠編『寛永十年巡見使国絵図日本六十余州図』, 柏書房 (2002年)を私が実際に読んで、書き集めました。尾張国と播磨国に関しては石高が書かれていないので、江戸時代初期高の数字を使って総石高を計算しました。また讃岐国の石高17万1815石に小豆島の石高3186石7斗を加算すると、讃岐国の江戸初期17万5001石7斗と等しくなり、合計の方では小豆島の石高も加算しました。

実際のところ寛永国絵図の石高は江戸時代初期高とほぼ同じで、三河、陸奥、越後、対馬で石高に改訂が見られるほか、誤記か改訂か微妙なもの(摂津、相模、常陸、越中、備後、豊前)が並んでいます。

【(4) 正保郷帳】
これについては後で詳しく説明しますが、用いた資料は

● 和泉清司 『近世前期郷村高と領主の基礎的研究 : 正保の郷帳・国絵図の分析を中心に』, 岩田書院 (2008年)
東京大学史料編纂所所蔵の内務省令写『正保・元禄・天保・明治村高比較表』

の二点です。

一般に江戸時代の過去の石高として引用されているのは、菊地利夫著『新田開発』ですが、この内旧国別石高・村数、あるいは郡国別石高・村数の記述があるのは以下の2つの版で、他の同じ著者による『新田開発』には石高が載っていません。
● 菊地利夫著『新田開発』, 至文堂 (1963年):旧国別石高が掲載されている
● 菊地利夫著『新田開発 - 続 事例編』, 古今書院 (1986年):郡国別石高が掲載されている
両者で一部石高、村数に変更があります。

【(5) 元禄郷帳】
石高は大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」(『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))によります。但し磐城国白川郡の石高修正に伴い、磐城棚倉相馬領分と磐城国の石高に修正を加えてます([80368]参照;なお[80368]で「該当する郡は磐城国白河郡」と書いてしまいましたが、「磐城国白川郡」の間違いです)。郡別石高については[80366][80367][80368][80369][80370][80371][80377]参照。なお元禄郷帳の石高は原則として「表高」です。

【(6) 天保郷帳】
石高は木村礎校訂『旧高旧領取調帳』, 近藤出版社 (1969年~1979年)、近世繪圖地圖資料研究会編『天保郷帳 : 天保五年甲午十二月石高帳 解読篇』, 科学書院 (2009年~2010年)、大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」(『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))などによりますが、原本の実物を国立項公文書館で見ることができます。郡別石高については[76916][76917][76918][76919][76920][76921][76922]参照。なお天保郷帳の石高は「内高」が原則となっているはずなのですが、主だった藩が適当な報告をしていることが様々な研究により分かっています。例えば長州藩の「郷村高帳草案」によると、支藩を含む天保の周防・長門両国の内高は97万0941石8斗1升5合5勺1才と集計していますが、実際に幕府へ報告した内高は、各村毎に一律石高を減じ、寛政4年(1792年)の検地高である89万4282石1斗を報告しています。徳島藩では把握した石高を一割ほどカットし、新田村を無視し、既に消滅した村を含めて適当に村高を分配し、合計がカットした数字と一致するように報告しています(宇山孝人「阿波藩における幕府への報告石高の内実 - 天保郷帳を中心として」 (『徳島県文書館研究紀要』 (3), pp. 14-26 (2002年))参照)。加賀藩も新しい村の報告を怠っていることは、元禄郷帳と旧高旧領取調帳との比較から明らかで、薩摩藩はそもそも正保郷帳の時代から一貫して同じ石高を報告し続け、表高をもって内高であるという建前を貫いています。

【(7) 郡村石高帳】
石高は東京大学史料編纂所所蔵の『郡村石高帳』によりますが、薩摩国・大隅国の石高は『明治八年 共武政表』による修正を加えました([81068]参照)。明治5年(1872年)の石高であることは、[80384][80385]で考察した通りで、郡別石高については[81059][81060][81061][81062][81063][81064][81065][81066][81067][81068]参照。

表にはまとめられませんでしたが、『旧領旧高取調帳』の石高([76816][76817][76818][76819][76820][76821][76822])は、明治3年(1870年)頃の石高の状況を示していると考えられます。

飛騨国の慶長郷帳ついでに『岐阜県史 史料編』を読んだところ、美濃国・飛騨国に関する『旧領旧高取調帳』の原書と思われるものが「明治元年同四年美濃国郡村旧高及所轄沿革取調帳」、「明治元年明治四年飛騨国大野益田吉城郡村々旧高及所轄沿革取調帳」という表書きで岐阜県立図書館に所蔵されているそうで、岐阜県の『旧領旧高取調帳』は、廃藩置県の行われた明治4年(1871年)に前年度の明治3年(1870年)段階での地租の状況をまとめたか、あるいは明治4年(1871年)度までの府藩県三治制下での地租の状況を、明治5年(1872年)以降にまとめたかということになります。
[81123] 2012年 7月 16日(月)17:21:50【1】YT さん
1598年~1872年の旧国別石高の変遷
[81081] オーナーグリグリさん
落書き帳への大量の連続書き込みであり、気になる方もいらっしゃるかと思います。

すみません。郡別データに関しては、[81068]で打ち切りです。

江戸時代の石高のデータとしては、あと慶長郷帳と正保郷帳が残っていますが、現存する慶長郷帳は3ヶ国分、現存する正保郷帳が33ヶ国分36点だけであることから、完全な再現はほぼ不可能です。江戸時代に作成された郷帳・国絵図に関する詳しい説明に関しては、和泉清司「近世初期一国郷帳の研究 - 正保郷帳を中心に」(pdf) (『地域政策研究』, 8(2), pp.1-19 (2005年))に載っています。

とりあえず、1598年から1872年までの旧国別石高については、以下の通りです。旧国別石高については、菊地利夫著『新田開発』, 至文堂 (1963年)、および菊地利夫著『新田開発 - 続 事例編』, 古今書院 (1986年)がよく引用されていますが、正保と明治の数字はかなり不正確です。以下に示す石高は、現時点でもっとも記録された石高に近いものを列挙できたものと思います。

旧国慶長3年江戸初期寛永国絵図正保郷帳元禄郷帳天保郷帳郡村石高帳
山城国225,262.00216,070.700216,070.0215,985.62170224,257.78816230,131.760865222,368.70517
大和国448,945.50444,134.000444,134.0469,380.62460500,497.30868501,361.691560503,686.23676
河内国242,105.80308,857.620308,857.0265,518.42520276,329.82954293,786.634500293,118.58720
和泉国141,512.70138,797.090138,797.0159,628.55800161,692.12640172,847.986000176,190.77610
摂津国356,069.10290,902.100299,902.0380,875.39700392,707.69987417,399.127000416,521.93580
伊賀国100,000.0095,594.10095,594.0100,538.00000100,540.00200110,096.536000110,917.96640
伊勢国567,105.14572,786.900572,786.0658,896.31900621,027.44200716,451.492700714,376.41500
志摩国17,854.9117,849.30017,849.019,290.3260020,061.6410021,470.39800019,279.20300
尾張国571,737.40480,841.700526,493.51000521,480.51800545,875.793000764,774.16620
三河国290,715.00336,000.000350,000.0359,991.68000383,413.44230466,080.746800472,373.71000
遠江国255,160.00268,800.000268,800.0301,404.18624328,651.43658369,552.575180372,546.34901
駿河国150,000.00170,000.000170,000.0191,315.69100237,937.40728250,538.753090251,954.16486
甲斐国227,616.00250,000.000250,000.0234,327.38100253,023.27103312,159.329490312,185.17685
伊豆国69,832.0079,353.00079,353.079,653.2080083,791.2823584,171.29362084,037.20836
相模国194,304.00191,524.000191,920.0206,812.01700258,216.58202286,719.756890289,776.73197
武蔵国667,126.00840,000.000840,000.0989,725.333801,167,862.983391,281,431.0688201,282,000.77090
安房国45,045.0091,779.12091,779.092,641.6800093,886.2102395,736.23907095,641.42350
上総国378,892.00285,300.000285,300.0351,731.00000391,113.95411425,080.453410427,313.77094
下総国393,255.00250,131.000250,140.0444,829.84200568,331.11374681,062.631660687,373.86055
常陸国530,008.00753,600.000752,600.0840,801.82890903,778.458001,005,707.489030921,629.15250
近江国775,379.00832,122.600832,120.0833,636.88300836,829.72078853,095.305590857,849.52528
美濃国540,000.00581,523.000581,523.0628,912.85200645,101.50300699,764.321660729,654.88365
飛騨国38,000.0038,764.40038,764.038,764.4000044,469.2190056,602.30900057,196.05800
信濃国408,358.00547,360.000547,360.0578,406.40500615,818.73754767,788.077600786,950.00098
上野国496,377.00468,000.000468,000.0520,963.87526591,834.44887637,331.633100635,851.10734
下野国374,083.80464,000.000464,000.0618,592.33000681,702.80146769,905.027038758,648.44071
陸奥国1,672,806.001,729,000.0001,822,000.01,900,492.220401,921,934.887452,874,239.0598803,007,005.48628
[会津領分]257,029.00000272,011.81600337,218.127500343,656.44250
[白河三春二本松領分]315,169.00000341,022.55885434,581.248070439,753.20706
[磐城棚倉相馬領分]254,279.16440277,935.46360300,419.556810328,427.89967
[米沢/福島領分]121,186.92500199,867.89900203,825.844500204,216.18405
[仙台領分]745,293.38000600,000.00000992,057.260000994,594.59300
[南部領分]105,065.95100128,000.00000288,874.793000355,370.11100
[津軽領分]102,468.80000103,097.15000317,262.230000340,987.04900
[磐城国]438,137.67540517,082.53095613,924.675660650,488.88237
[岩代国]533,876.92500641,269.51650755,703.961220760,923.54591
[陸前国]506,025.74000398,958.83000697,838.180000700,649.30800
[陸中国]236,452.59400228,520.61400423,134.490000471,842.91200
[陸奥国]129,906.09900136,103.39600383,637.753000423,100.83800
出羽国318,095.00870,000.000870,000.01,124,394.893001,126,248.834401,295,323.5214401,515,446.19503
[米沢領分]196,994.58400193,993.53420216,161.220230337,240.91500
[山形領分]340,883.68800352,513.70720366,147.135970365,370.03946
[新庄領分]42,715.5130051,072.3418062,387.45380084,057.51631
[庄内領分]268,128.71500198,618.39220234,302.356140235,244.72071
[秋田領分]273,542.50500330,050.85900416,325.355300493,533.00355
[羽前国]722,672.69800733,879.23040804,569.693740946,971.30568
[羽後国]399,592.30700392,369.60400490,753.827700568,474.88935
若狭国85,000.0085,099.60085,099.085,460.0889088,281.5224091,018.82220091,767.05810
越前国499,411.00682,654.000682,654.0680,293.30800684,271.80960689,304.819870690,243.61775
加賀国355,570.00442,507.400442,507.0440,399.15000438,281.77000483,665.848700511,716.01839
能登国210,000.00216,891.300216,891.0255,555.71000239,208.79540275,369.990210307,602.82896
越中国380,298.28530,637.300536,037.0660,718.38000611,000.10000808,008.461820899,831.93900
越後国390,770.00450,060.900606,370.0611,960.42700816,775.730771,142,555.5358501,150,567.52359
佐渡国17,030.0020,599.00020,599.024,812.01200130,373.91100132,565.491000135,206.12300
丹波263,887.00280,570.200280,570.0289,829.14600293,445.54740324,136.268670329,465.47386
丹後国110,784.00123,170.200123,170.0123,175.01000145,821.18200147,614.804460148,002.13030
但馬国114,235.00123,960.000123,960.0129,069.75700130,673.23500144,313.084030148,147.75427
因幡国88,500.00131,649.600131,649.0149,742.50000170,728.28900177,844.624000195,632.64500
伯耆国100,947.00175,032.000175,032.0170,257.50000194,416.56700217,990.822280251,069.40700
出雲国186,650.00223,477.100223,477.0253,596.79200282,489.73900302,627.465000320,709.91100
石見国111,770.00137,370.000137,370.0139,242.99100142,499.23500172,209.768320182,136.89850
隠岐国4,980.0011,802.90011,802.011,601.3930012,165.2030012,559.60000012,562.90700
播磨国358,534.00521,300.000554,629.78700568,517.57900651,964.813500660,557.81626
美作国186,018.70227,115.500227,115.0237,630.30000259,353.70100262,099.098000262,333.86400
備前国223,762.00286,200.000286,200.0296,402.00000289,224.71000416,581.854000418,964.53800
備中国176,929.00227,894.800227,894.0236,491.82500324,455.62300363,915.614210371,355.17580
備後国186,150.00238,838.000238,138.0248,015.28700295,678.88800312,054.932000315,876.18155
安芸国194,150.00259,384.900259,384.0267,851.97100269,478.31000310,648.489000314,669.48710
周防国167,820.00164,420.200164,420.0202,787.60000202,787.67000489,428.677000552,160.21518
長門国130,660.00134,059.900134,050.0166,623.40000166,623.64500404,853.333000458,143.48989
紀伊国243,550.00395,247.700395,247.0398,395.45300397,668.01900440,858.377710444,283.13335
淡路国62,104.0063,621.10063,621.070,186.5000070,428.1000097,164.784000136,637.98183
阿波国183,500.00186,753.500186,753.0186,753.58300193,862.28500268,894.329000310,484.46474
讃岐国126,200.00175,001.700171,815.0238,028.33100186,394.04100291,320.256400309,814.75380
伊予国366,200.00381,640.800381,640.0402,538.14200429,163.25854460,997.639340443,321.68842
土佐国98,200.00202,626.500202,626.0254,378.12000268,484.97400330,026.520000510,572.19470
筑前国335,695.00522,512.400522,515.0617,948.27590606,981.42000651,782.278440633,404.63540
筑後国265,998.00302,085.500302,085.5331,490.00000331,497.76900375,588.897800536,742.90265
豊前国140,000.00330,744.644300,740.0231,680.00000273,801.84830368,913.640500366,948.08138
豊後国418,313.00378,592.400378,592.0364,364.52117369,546.79160417,514.227150459,184.41734
肥前国309,935.00561,437.400561,437.0565,655.35960572,284.12310706,470.723196685,116.89762
肥後国341,220.00572,989.000572,989.0617,803.07700563,857.17800611,920.291100851,237.05291
日向国120,088.44288,589.500288,589.0290,180.97300309,954.52817340,128.861790418,142.35665
大隅国175,057.23170,828.100170,828.0170,833.45100170,833.45100170,833.451000263,363.29063
薩摩国283,482.74315,251.700315,251.0315,005.60012315,005.60012315,005.600120323,483.49953
壱岐国0.0015,982.30015,982.017,568.0300018,072.8060032,742.92100032,853.88500
対馬国0.000.0008,163.06,269.715000.000000.0000005,818.11600
琉球国123,711.81348123,711.81348123,711.813480147,024.09296
[大島]32,828.7000032,828.7000032,828.70000052,793.39202
[本琉球]90,883.1134890,883.1134890,883.11348094,230.70094
合計18,509,043.7422,171,689.67422,426,237.924,572,941.7682725,910,641.4180630,558,917.84113932,373,824.45675
[81075] 2012年 7月 12日(木)18:09:14【2】YT さん
人口・町数など
[81073] 白桃さん
1.「市街名邑及び町村二百戸以上戸口表」に記載されている人口の出典元はどこなのか・・・「共武政表」に続く「徴発物件一覧表」なのでしょうか?

明治20年版の『徴発物件一覧表』には名邑毎の人口は掲載されてなく、戸長役場の管轄毎の人口が載っています。『共武政表』を含め、これらの人口の出典元は、内務省が把握しているはずの戸籍人口でしょうが、オリジナルの統計が残っていないために、『共武政表』の方に詳しい情報が残ったというのが実情でしょう。ただ残念なことに『明治八年版の共武政表』は明治5年~明治7年の本籍・現住人口が適当に採用されています。また『徴発物件一覧表』の方は明治16年度から始まりますが、

明治16年度版:明治16年1月1日調の国郡別人口を掲載
明治17年度版:明治17年1月1日調の国郡別人口を掲載
明治18年度版:明治18年1月1日調の国郡別人口を掲載
明治19年度版:明治19年1月1日調の国郡別人口を掲載
明治20年度版:明治19年12月31日調の、戸長役場所在地別人口を掲載

明治16年~明治19年に関しては、町村レベルでの人口は掲載されていません。また掲載されている人口は現住人口のようなのですが、内務省統計局の戸口表と数字がずれています。明治20年版の徴発物件一覧表は、戸長役場の管轄区毎の人口という点で、内務省の統計である『日本帝国民籍戸口表. 明治19年12月31日調』よりも情報が多いはずなのですが、数字がずれています。詳しい比較を行っていませんが、『地方行政区画便覧』と同じで、まとめた人間はそれほど人口の定点観測には注意を払っておらず、明治20年年末の数字が入手できたらそれで置き換えてしまっていたりしているのでしょう([69010]参照)。

2.「日本地誌提要」には町村数が載っていますが、市町村制度が発足する以前に、どこが町で、どこが村かという規準と町村の一覧表というのがあったのでしょうか。

町村数に関しては、過去にokiさんが[58109]でまとめられています。例えば陸中国磐井郡は、『天保郷帳』では86村、『日本地誌提要』では86村1町となっていますが、内務省地理局編纂物刊行会編『内務省地理局編纂善本叢書:明治前期地誌資料』収録の『明治前期全国村名小字調査書』 (1986-1987年)(むっくんさんの紹介[54378] )収録の「水沢県管下各区並村名調」では全て「村」と称し、西磐井郡(第八大区)、東磐井郡(第九大区)合わせて合計87村となっています。

大区小区村数
第八大区一小区7
第八大区二小区7
第八大区三小区5
第八大区四小区8
第八大区五小区5
第八大区六小区9
第八大区小計41
第九大区一小区8
第九大区二小区3
第九大区三小区11
第九大区四小区6
第九大区五小区2
第九大区六小区4
第九大区七小区5
第九大区六小区3
第九大区九小区4
第九大区小計46
第九大区合計87

このうち第八大区四小区八ヶ村の内訳は、鬼死骸村、一関村、二関村、三関村、下黒沢村、上黒沢村、山目村、赤荻村で、これらは明治7年5月中の状況を記しています。

一、本書は、明治七年五月二十七日、内務省地誌課が各府県に村名の調査を命じ、これを受けて各府県から提出された「各府県村名調査報告」と、明治十四年十一月二十六日、内務省地理局が各県へ宛てて町村の字小名を照合した「各町村字小名取調調」「各町村字名称調」等のうち現存するものを収録するものである。

一、明治七年の達によって提出された調査書は同年五月三十日までの期提出期限を定められたが、二十三県については五月中に提出され、あとはおおむね同年十二月迄に提出を終えている。但し、栃木、三重、宮城の各県は翌年一月、浜田県は翌年二月になって提出している。

ところで町村数を調べていくうち、確か『明治前期全国村名小字調査書』の解説の中で引用されていた亀掛川浩『明治地方自治制度の成立過程』(1955年)を読んだところ、以下の表を見つけました。

(一) 町村編制の変化 大村文書中にある「明治七年―十九年町村合併分離調」によれば、左表に示すごとく、明治八年頃から斬減してきた全国町村数は、十一年頃からほぼ安定していたのが、十九年にいたって多少の減少を示している。

表は左から年次、合併の旧町村数/新町村数/差引減町村数、分離の旧町村数/新町村数/差引増町村数、新設の増町村数、合併・分離・新設を合計した差引増減町村数、年末現在での町村数です。

年次旧町村数新町村数差引減町村数旧町村数新町村数差引増町村数増町村数差引増減年末現在数
明治7年20571134121-13378,280
明治8年3,3479822,3651735189-2,33875,942
明治9年4,2161,5342,6821335225-2,65573,287
明治10年1,9267261,2002257358-1,15772,130
明治11年754270484228765-41971,711
明治12年5272113167533025514-4771,664
明治13年13457774116712625171,715
明治14年27499175106333227146671,781
明治15年152638995337242716071,941
明治16年304882166720714020-5671,885
明治17年5325281542274371,888
明治18年24791156267145111071,888
明治19年1,0291588712469455-82171,067
合計13,1684,3758,7935241,7721,248199-7,346

計算上は、明治6年年末の時点で7万8413の町村が存在したことになります。

残念ながら、大森文書の肝心の原本には目を通せていない状況ですが、明治初期の町村数の変遷を知る上で参考になるでしょうか。

【追記】大森文書について、図書館の検索を中心に以前調べましたが、先ほど
改めてgoogleで検索したところ、

梅村 又次 『松方財政と殖産興業政策』 (1983年)

ところで,明治初期の町村分合に関する全国的統計としては「明治七年――十九年町村合併分離調」(大森文書)が著名だが,「大森文書」による1874(明治7)年の町村合併による町村数の減少134カ町村は井戸の調査による旧筑摩県の243カ町村よりもはるかに少ないことからみてこれは信頼しがたい31).

31) 井戸庄三「明治初期町村分合に関する二,三の問題―長野・山梨両県を中心として」,『人文地理』18巻4号,1966年,28ページ.

井戸庄三, 『明治地方自治制の成立過程と町村合併』(pdf), 人文地理, 21(5), pp. 29-53 (1969年)
その数値にやや疑問があるが,『大森文書』の「明治七年~十九年町村合併分離調」によれば,全国の町村数は明治7年に78,280町村であったのが,明治10年には72,130町村になり,6,150町村の減となっている。

ということで、上の数字は信頼が低いもののようです。
[81068] 2012年 7月 10日(火)00:59:34【2】YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (10)
旧国郡/島間切数村数郡村石高帳間切数村数町数日本地誌提要共武政表人口
薩摩国鹿児島郡2525130,085.91174089,374
薩摩国谿山(谷山)郡88112,691.71797021,087
薩摩国給黎郡8129,653.00647021,554
薩摩国頴娃郡71411,060.16994015,676
薩摩国河辺(川辺)郡3538231,056.12876071,277
薩摩国阿多郡202318,390.70511025,207
薩摩国日置郡535546,930.25687069,013
薩摩国薩摩郡2831141,426.71124033,052
薩摩国伊佐郡5046148,225.79866031,720
薩摩国出水郡3939244,959.84667042,735
薩摩国高城郡1011112,866.19167016,912
薩摩国甑島郡14143,580.39394015,172
薩摩国揖宿郡1217212,556.66049023,562
薩摩国十三郡309323,483.00000033311323,483.502510323,483.499530476,341
薩摩国大島1312917,200.065980713417,200.065980
薩摩国喜界島63010,836.61282063010,836.612820
薩摩国徳ノ島(徳之島)64215,820.83065034415,820.830650
薩摩国与論島262,413.485950262,413.485950
薩摩国沖永良(沖永良部)島3386,522.3966203386,522.396620
薩摩国属島(州南諸島)3024552,793.3920202125252,793.392020
薩摩国合計30554376,276.3920202158511376,276.894530323,483.499530476,341
薩摩国不一致000.0000000000.000000-12,856.187670101
薩摩国総計30554376,276.3920202158511376,276.894530310,627.311860476,442
※明治5年~明治8年当時、州南諸島(奄美群島)は薩摩国扱いであった。『共武政表』は州南諸島の統計を欠く。
※『郡村石高帳』の薩摩国十三郡の郡別石高は不明だが、『郡村石高帳』の薩摩国石高総数は概数であり、『共武政表』の薩摩国十三郡郡別石高合計32万3483石4斗9升9合5勺3才とほぼ等しく、郡別石高に関しては『共武武表』の郡別石高で補間可能である。
※『共武政表』の薩摩国十三郡石高総計・人口総計は、郡別石高合計・郡別人口と異なるが、その差は『共武政表』の大隅国の郡別石高合計・郡別人口合計と石高総計・人口総計の差に等しく、集計上の問題と推測される。
※『日本地誌提要』の薩摩国十三郡石高総計は『地理局雑報』の石高と一致するが、『地理局雑報』の奄美群島の石高3万2828石7斗とは異なる。
※『共武政表』の薩摩国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口58万6324人から州南諸島本籍人口10万8426人を減じた薩摩国十三群本籍人口47万7898人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
壱岐国壱岐郡67117,796.38900017,614
壱岐国石田郡59115,057.49600015,315
壱岐国合計126232,853.88500032,929
壱岐国不一致000.0000000
壱岐国総計2232,853.885000126232,853.88500032,853.88500032,929
※『郡村石高帳』の壱岐国の郡別村数、郡別石高は不明だが、『郡村石高帳』の壱岐国石高総数は『共武政表』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致し、郡別石高に関しては『共武武表』の郡別石高で補間可能である。
※『共武政表』の壱岐国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の壱岐国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
対馬国上県郡529,670
対馬国下県郡62120,080
対馬国合計114129,750
対馬国不一致000
対馬国総計1105,818.116000114129,750
※『郡村石高帳』の対馬国石高総計は麦高。
※『地理局雑報』の対馬国石高総計は空欄で、『日本地誌提要』の石高は不詳とある。
※『共武政表』の対馬国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口2万9740人とほぼ等しい。

※『共武政表』は琉球国の記載が無い。以下『天保郷帳』の石高を記載する。
旧国郡/島村数郡村石高帳間切数村数町数日本地誌提要天保郷帳
琉球国沖縄島62,199.000000
琉球国沖縄島 中頭11189
琉球国沖縄島 島尻15162
琉球国沖縄島 国頭9134
琉球国恵原屋(恵平屋)島541.600000
琉球国伊是那島750.200000
琉球国伊恵島3,643.000000
琉球国計羅摩(慶良間)島29203.000000
琉球国戸無島45.100000
琉球国粟島727.400000
琉球国久米島2193,677.700000
琉球国先島1087
琉球国宮古島12,458.792420
琉球国八重山島6,637.321060
琉球国合計4960094,230.700940
琉球国不一致000.000000
琉球国総計94,230.7009404960094,230.70094094,230.700940
※『郡村石高帳』の琉球国の島別村数、島別石高は不明だが、『郡村石高帳』の琉球国石高総数は『日本地誌提要』、『天保郷帳』の石高と一致し、島別石高に関しては『天保郷帳』の島別石高で補間可能である。
※『地理局雑報』の琉球国石高総計9万4230石7斗1合。
※琉球国の明治6年2月1日調本籍人口は16万6789人。

これらの石高の実態について、明治7年の『府県物産表』における米の収穫高、農林水産業・鉱工業生産高や明治9年~15年の『全国農産表』における米の収穫高・農産高との比較を次回まとめようと思います。
[81067] 2012年 7月 10日(火)00:57:37【1】YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (9)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
豊後国国東郡118181,138.60490088,735
豊後国速見郡59359,139.33096057,774
豊後国大分郡142271,464.15111098,833
豊後国海部郡167360,961.601150146,311
豊後国直入郡68150,357.25907040,150
豊後国玖珠郡26130,201.54883021,891
豊後国日田郡50133,076.88441050,261
豊後国大野郡162172,845.03691061,505
豊後国合計79213459,184.417340565,460
豊後国不一致000.0000000
豊後国総計459,184.41734079213459,184.417340459,184.417340565,460
※『郡村石高帳』の豊後国の国郡別村数、郡別石高は不明だが、『郡村石高帳』の豊後国石高総数は『共武政表』の石高と一致し、郡別石高に関しては『共武武表』の郡別石高で補間可能である。
※『共武政表』の豊後国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の豊後国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
筑前国遠賀郡8554,956.34987094354,956.34987048,326
筑前国宗像郡6256,306.4522406256,306.45224037,411
筑前国鞍手郡6860,628.83284069160,628.83284041,294
筑前国穂波郡6138,103.41077061138,103.41077021,657
筑前国嘉麻郡6346,349.64586064146,349.64586022,264
筑前国上座郡3425,596.6380003425,596.63800025,392
筑前国下座郡4321,436.2826604321,436.28266012,994
筑前国夜須郡5240,286.56963052240,286.56963028,865
筑前国御笠郡5837,512.69700057137,512.69700020,741
筑前国粕屋郡8562,854.03270085162,854.03270036,875
筑前国席田郡99,899.32907099,899.3290702,504
筑前国那珂郡7042,611.35544077142,611.35544061,333
筑前国早良郡5345,153.32008053245,153.32008038,252
筑前国志摩郡4844,058.2706405144,058.27064023,015
筑前国怡土郡6547,651.44860063147,651.44860020,252
筑前国合計856633,404.63540087414633,404.635400441,175
筑前国不一致00.000000000.0000000
筑前国総計856633,404.63540087414633,404.635400633,404.635400441,175
※『共武政表』の筑前国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の筑前国人口総計は明治5年旧暦1月29日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
筑後国生葉郡5926,882.99000057126,882.99000026,856
筑後国竹野郡8922,875.1200008722,875.12000020,646
筑後国山本郡3016,559.7000003016,559.7000009,512
筑後国御原郡3633,304.90000036133,304.90000014,920
筑後国御井郡7256,528.33000051156,528.33000043,617
筑後国上妻郡11579,479.484000115179,479.48300069,864
筑後国下妻郡3729,921.4740003729,944.90500014,845
筑後国三潴郡164140,130.0630001623140,243.15800089,084
筑後国三池郡7253,071.81265070153,125.28265035,947
筑後国山門郡11577,989.029000110277,958.36800068,365
筑後国合計789536,742.90265075510536,902.236650393,656
筑後国不一致00.000000000.0000000
筑後国総計789536,742.90265075510536,742.902650536,902.236650393,656
※『郡村石高帳』の筑後国石高総計は『日本地誌提要』の石高と一致する。
※『地理局雑報』の筑後国石高45万9184石4斗1升7合は、豊後国の石高と一致し、明らかに誤写である。
※『共武政表』の筑後国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
肥前国基肄郡2112,776.0996008,422
肥前国養父郡4419,612.69160021,216
肥前国三根郡3412,826.0251009,686
肥前国神崎郡15841,936.35070036,232
肥前国佐嘉(佐賀)郡352485,677.199200100,274
肥前国小城郡138241,137.96660046,512
肥前国松浦郡7997205,741.252250138,093.445000286,301
肥前国杵島郡16967,169.72813072,893
肥前国藤津郡116133,033.06100056,153
肥前国彼杵郡510981,675.622000220,867
肥前国高来郡281667,932.516000216,242
肥前国合計2,62229601,870.7049301,074,798
肥前国不一致0067,647.807250-30,081
肥前国総計1,476365,416.6362702,62229685,117.597620669,518.5121801,044,717
※『郡村石高帳』の肥前国の郡別村数、郡別石高は不明。
※『日本地誌提要』の肥前国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『郡村石高帳』の肥前国の石高は地米31万9700石2斗6升1合3勺5才を含まない。地高の郡別内訳も不明である。
旧国地米加算前石高地米地米加算後石高
肥前国総計365,416.636270319,700.261350685,116.897620
※『共武政表』と『旧高旧領取調帳』の石高を比較すると以下の通りである。
旧国共武政表旧高旧領取調帳石高差
肥前国基肄郡12,776.09960012,776.0996000.000000
肥前国養父郡19,612.69160017,901.354600-1,711.337000
肥前国三根郡12,826.02510014,537.3621001,711.337000
肥前国神崎郡41,936.35070041,936.3507000.000000
肥前国佐嘉(佐賀)郡85,677.19920095,677.44020010,000.241000
肥前国小城郡41,137.96660041,137.798600-0.168000
肥前国松浦郡138,093.445000216,163.76264078,070.317640
肥前国杵島郡67,169.72813067,773.728130604.000000
肥前国藤津郡33,033.06100033,033.0610000.000000
肥前国彼杵郡81,675.62200082,565.274930889.652930
肥前国高来郡67,932.51600067,942.4977509.981750
肥前国合計601,870.704930691,444.73025089,574.025320
肥前国不一致67,647.8072500.000000
肥前国総計669,518.512180691,444.73025021,926.218070
※『共武政表』の肥前国養父郡本籍人口1万1216人は明治13年1月1日調本籍人口1万9750人、明治12年1月1日調三養基郡本籍人口4万3009人との比較から2万1216の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の肥前国佐賀郡本籍人口9万0274人は明治12年1月1日調本籍人口1万0770人との比較から10万0274人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の肥前国松浦郡本籍人口27万6301人は、明治12年1月1日調東西松浦郡本籍人口13万0949人、明治12年1月1日調南北松浦郡本籍人口17万0564人、明治5年旧暦1月29日調肥前国内佐賀県本籍人口47万6983人、明治5年旧暦1月29日調肥前国内長崎県本籍人口59万7477人との比較から、28万6301人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の肥前国人口総計104万4717人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口107万4460人と比べて約3万人ほど過少であり、107万4717人の可能性が高い(養父郡・佐賀郡・松浦郡の人口を修正)。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
肥後国天草郡9025,661.051700132425,661.051700163,662
肥後国蘆北郡20421,023.699190261221,023.69919045,398
肥後国球麻(球摩)郡4064,787.232360415164,787.23236053,660
肥後国八代郡9662,985.400160304162,985.40016072,852
肥後国益城郡389193,985.3816501,0152193,985.381650126,401
肥後国上益城郡616198,327.07294064,350
肥後国下益城郡399195,658.30871062,051
肥後国宇土郡6435,794.852370193135,794.85237037,400
肥後国飽田郡18272,409.231830345372,409.231830125,706
肥後国詫摩郡5932,101.57889088132,101.57889031,446
肥後国合志郡10451,839.052030167251,839.05203035,232
肥後国山本郡6326,654.640360123226,654.64036018,170
肥後国玉名郡227110,614.9157205794110,614.915720109,906
肥後国山鹿郡9651,007.204040379251,007.20404042,845
肥後国菊池郡8129,572.275480200129,572.27548025,502
肥後国阿蘇郡21572,800.537130783272,800.53713062,207
肥後国合計1,910851,237.0529104,98428851,237.052910950,387
肥後国不一致00.000000000.0000002
肥後国総計1,910851,237.0529104,98428851,237.052910851,237.052910950,389
※『共武政表』の肥後国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の肥後国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
日向国諸県郡140167,956.6653501502167,956.665350116,243
日向国宮崎郡3139,982.61362034139,982.61362026,490
日向国那珂郡80107,588.093980803107,588.09398076,941
日向国児湯郡5259,651.35248053259,651.35248051,413
日向国臼杵郡7342,963.63122077242,963.631220111,023
日向国合計376418,142.35665039410418,142.356650382,110
日向国不一致00.000000000.0000000
日向国総計376418,142.35665039410418,142.356650382,110
※『共武政表』の日向国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の日向国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口38万2564人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
大隅国菱刈郡151417,083.3335807,687
大隅国桑原郡313322,730.39935013,978
大隅国姶羅郡4139142,141.17108030,967
大隅国囎唹郡3845375,166.08784057,479
大隅国肝属(肝付)郡4043164,787.26608041,302
大隅国大隅郡4647230,075.10589042,093
大隅国熊毛郡18159,810.37889018,949
大隅国馭謨郡13181,569.5479207,107
大隅国合計2422547263,363.290630219,562
大隅国不一致00012,856.187670-101
大隅国総計242261,793.7427102547261,793.742710276,219.478300219,461
※『郡村石高帳』の大隅国の郡別石高は不明だが、『郡村石高帳』の大隅国石高総数は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致し、『共武政表』の大隅国石高総計から大隅国馭謨郡石高1569石5斗4升7合9勺2才を除した石高とも一致しており、大隅国馭謨郡の石高を含む大隅国石高は『共武政表』の石高であり、郡別石高に関しては『共武武表』の郡別石高で補間可能である。
※『共武政表』の大隅国石高総計・人口総計は、郡別石高合計・郡別人口と異なるが、その差は『共武政表』の薩摩国十三郡の郡別石高合計・郡別人口合計と石高総計・人口総計の差に等しく、集計上の問題と推測される。
※『共武政表』の大隅国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口22万0578人とほぼ等しい。
[81066] 2012年 7月 10日(火)00:54:55YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (8)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
安芸国沼田郡4225,941.93490045125,941.93490098,322
安芸国佐伯郡8539,540.56850086139,540.56850096,337
安芸国豊田郡8858,944.20220090258,944.202200100,034
安芸国山県郡7431,639.6630007431,639.66300054,084
安芸国高宮郡3617,923.64200035117,923.64200032,139
安芸国賀茂郡9057,857.0100009257,857.010000101,376
安芸国安芸郡4838,986.1605005038,986.160500131,797
安芸国高田郡5943,836.30600059143,836.30600059,213
安芸国合計522314,669.4871005316314,669.487100673,302
安芸国不一致00.000000000.0000005
安芸国総計522314,669.4871005316314,669.487100314,669.487100673,307
※『共武政表』の安芸国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の安芸国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口67万3301人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
周防国大島郡2235,453.579500332135,453.57950080,429
周防国都濃郡48104,332.3602704853104,332.36207080,762
周防国佐波郡4090,230.635820497290,230.63582066,799
周防国玖珂郡112122,720.1453803442122,720.145380122,543
周防国吉敷郡34111,624.2115004671111,624.21150078,556
周防国熊毛郡4187,799.282710518287,799.28271069,643
周防国合計297552,160.2151802,64311552,160.216980498,732
周防国不一致00.000000000.000000-50,000
周防国総計297552,160.2151802,64311552,160.215180552,160.216980448,732
※『郡村石高帳』の周防国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の周防国人口合計は明治6年1月1日調本籍人口と一致し、『共武政表』の周防国人口総計は誤写と推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
長門国豊浦郡152141,364.9685403103141,364.968540101,206
長門国大津郡2047,734.022000293147,734.02200037,254
長門国美祢郡2467,292.02600042567,292.02600031,307
長門国厚狭郡3195,714.59680024195,714.59680053,076
長門国見島郡21,308.69900031,308.6990001,833
長門国阿武郡59104,729.1775509593104,729.177550106,652
長門国合計288458,143.4898902,2317458,143.489890331,328
長門国不一致00.000000000.0000000
長門国総計288458,143.4898902,2317458,143.489890458,143.489890331,328
※『共武政表』の長門国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の長門国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
紀伊国伊都郡16238,032.878810160138,032.87881052,000
紀伊国那賀郡25791,117.964360256191,117.96436070,302
紀伊国名草郡15088,889.648900157288,889.64890097,444
紀伊国海部郡5926,244.4962006226,244.49620073,761
紀伊国有田(在田)郡13747,333.262600140147,341.44590055,809
紀伊国日高郡15348,760.71350017848,752.53020077,181
紀伊国牟婁郡471103,904.1689804602103,904.168980188,253
紀伊国牟婁郡(和歌山県)33767,851.102980
紀伊国牟婁郡(度会県)13436,053.066000
紀伊国合計1,389444,283.1333501,4137444,283.133350614,750
紀伊国不一致00.000000000.0000000
紀伊国総計1,389444,283.1333501,4137444,283.133350444,283.133350614,750
※『共武政表』の紀伊国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の紀伊国人口総計は明治5年旧暦1月29日調本籍人口61万3925人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
淡路国津名郡12477,882.036060134377,882.03606094,681
淡路国三原郡13458,755.945770133158,755.94576070,804
淡路国合計258136,637.9818302674136,637.981820165,485
淡路国不一致00.000000000.0000000
淡路国総計258136,637.9818302674136,642.763130136,637.981820165,485
※『共武政表』の淡路国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の淡路国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
阿波国三好郡3222,947.67124032222,947.67124053,916
阿波国美馬郡2710,737.37813026110,737.37813070,230
阿波国阿波郡3112,665.9657703112,665.96577037,190
阿波国板野郡13561,791.276510135161,791.27651099,568
阿波国麻殖(麻植)郡3216,711.24006031116,711.24006040,252
阿波国名西郡3828,837.0533203828,837.05332041,040
阿波国名東郡5438,749.85310054238,749.853100105,085
阿波国勝浦郡4634,319.18160046134,319.18160030,603
阿波国那賀郡14265,261.020970148165,261.02097076,373
阿波国海部郡5418,463.82404077118,463.82404035,791
阿波国合計591310,484.46474061810310,484.464740590,048
阿波国不一致00.000000000.0000000
阿波国総計591310,484.46474061810310,484.464740310,484.464740590,048
※『郡村石高帳』の阿波国麻殖郡の村数は外町1。
※『共武政表』の阿波国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の阿波国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
讃岐国大内郡3416,161.82200034316,161.82200030,147
讃岐国寒川郡2723,248.03000027223,248.03000043,127
讃岐国三木郡2018,151.1230002018,151.12300023,840
讃岐国山田郡3330,807.8950003330,807.89500037,098
讃岐国香川郡4942,131.42400049342,131.42400096,196
讃岐国阿野郡3633,125.38600036133,125.38600049,806
讃岐国鵜足郡3030,424.44800030130,424.44800036,109
讃岐国那珂郡4730,423.99860046230,423.99860057,104
讃岐国多度郡2418,428.66750024118,428.66750023,884
讃岐国三野郡3732,948.06130037132,948.06130059,341
讃岐国豊田郡4622,562.83700045222,562.83700055,355
讃岐国小豆島99,095.629000119,095.62900038,920
讃岐国塩飽島61,519.564400121,519.56440010,689
讃岐国直島3542.02200011785.8680002,709
讃岐国男木島189.046000
讃岐国女木島154.800000
讃岐国合計402309,814.75380041516309,814.753800564,325
讃岐国不一致-70.000000000.0000000
讃岐国総計395309,814.75380041516309,814.753800309,814.753800564,325
※『郡村石高帳』の讃岐国村数合計402と村数総計が一致せず。
※『日本地誌提要』の讃岐国の町村数総計は村数390町数16属島25だが、属島25(小豆島2、直島11、塩飽島12)はすべて村数として計上。
※『共武政表』の讃岐国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の讃岐国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口56万4351人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
伊予国宇摩郡56122,639.69280056,900
伊予国新井(新居)郡54137,670.72800059,957
伊予国周布(周敷)郡39124,712.78355025,780
伊予国桑村郡3114,675.22200015,509
伊予国越智郡106147,438.92100092,261
伊予国野間郡29116,688.78900022,994
伊予国風早郡84118,590.42100028,359
伊予国和気郡24116,424.22500024,955
伊予国温泉郡34223,204.73700046,568
伊予国久米郡2917,604.90000013,815
伊予国伊予郡38128,098.51766022,233
伊予国浮穴郡103139,219.86200060,348
伊予国喜多郡85234,330.50111067,249
伊予国宇和郡2652102,022.388300241,632
伊予国合計97715443,321.688420778,560
伊予国不一致000.000000-4
伊予国総計968443,321.68842097715475,556.573340443,321.688420778,556
※『郡村石高帳』の伊予国の郡別村数、郡別石高は不明だが、『郡村石高帳』の伊予国石高総数は『共武政表』の石高と一致し、郡別石高に関しては『共武武表』の郡別石高で補間可能である。
※『共武政表』の伊予国国石高総計は『郡村石高帳』の石高と一致するが、『日本地誌提要』、『地理局雑報』(44万3855石5升8合3勺2才)の石高とは異なる。
※『共武政表』の伊予国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
土佐国安芸郡5054,308.312700129151,557.87300066,394
土佐国香美郡3570,088.289000155270,112.00700071,874
土佐国長岡郡5475,245.48800015474,947.49200060,710
土佐国土佐郡3152,288.859000117151,913.16100075,445
土佐国吾川郡4443,098.130000124143,181.34900052,241
土佐国高岡郡76110,354.0700002263112,556.929000110,003
土佐国幡多郡136105,189.0460002882105,370.18000089,618
土佐国合計426510,572.1947001,19310509,638.991000526,285
土佐国不一致00.000000003,060.0000000
土佐国総計426510,572.1947001,19310512,698.991000512,698.991000526,285
※『共武政表』の土佐国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の土佐国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
豊前国企球郡11145,796.075080249245,796.07508045,655
豊前国田川郡7154,787.97600091354,787.97600038,086
豊前国京都郡7134,620.6892007234,620.68920019,413
豊前国中津(仲津)郡7641,694.16660092341,694.16660031,103
豊前国築城郡4123,247.2285008623,247.22850020,422
豊前国上毛郡7838,108.54210081238,108.54210033,693
豊前国下毛郡9849,338.90850098149,338.90850059,181
豊前国宇佐郡22579,354.495400150279,354.49540059,979
豊前国合計771366,948.08138091913366,948.081380307,532
豊前国不一致00.000000000.0000000
豊前国総計771366,948.08138091913366,948.081380366,948.081380307,532
※『共武政表』の豊前国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の豊前国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。
[81065] 2012年 7月 10日(火)00:53:17【1】YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (7)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
伯耆国河村郡10828,991.95100010728,991.95100023,912
伯耆国久米郡12047,011.309000119147,011.30900027,624
伯耆国八橋郡10836,038.157000108136,038.15700023,109
伯耆国汗入郡7528,737.63800075128,737.63800019,092
伯耆国会見郡18572,603.812000181472,603.81200071,802
伯耆国日野郡18237,686.54000017837,686.54000029,972
伯耆国合計778251,069.4070007687251,069.407000195,511
伯耆国不一致00.000000000.0000004
伯耆国総計778251,069.4070007687251,069.407000251,069.407000195,515
※『共武政表』の伯耆国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の伯耆国八橋郡人口3万3109人は明治12年1月1日調本籍人口2万4034人との比較から2万3109人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の伯耆国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
出雲国島根郡5726,358.11000056226,358.11000049,860
出雲国秋鹿郡2411,382.5840002411,382.58400012,646
出雲国楯縫郡3524,216.04500036124,216.04500025,333
出雲国出雲郡3230,323.9720003230,323.97200017,709
出雲国神門郡8360,614.07500085260,614.07500067,106
出雲国飯石郡6131,993.3920006231,993.39200030,014
出雲国仁多郡6921,651.6280007121,651.62800020,582
出雲国大原郡6528,793.6060006528,793.60600027,674
出雲国能義郡9548,057.37600096248,057.37600038,989
出雲国意宇郡4037,319.1230004737,319.12300050,309
出雲国合計561320,709.9110005747320,709.911000340,222
出雲国不一致00.000000000.0000000
出雲国総計561320,709.9110005747320,709.911000320,709.911000340,222
※『共武政表』の出雲国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の出雲国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
石見国安濃郡3014,673.39300030114,673.39300022,580
石見国邇摩郡4616,816.38300047216,816.38300032,993
石見国邑知(邑智)郡10636,383.75130010636,383.75130053,871
石見国那賀郡13249,168.939700136149,168.93970083,688
石見国美濃郡11737,439.546700118137,439.54670041,561
石見国鹿足郡11627,654.884800117127,654.88480027,342
石見国合計547182,136.8985005546182,136.898500262,035
石見国不一致00.000000000.0000000
石見国総計547182,136.8985005546182,136.898500182,136.898500262,035
※『共武政表』の石見国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の石見国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
隠岐国海士郡82,465.69700082,465.6970005,566
隠岐国知夫里(知夫)郡53,204.46400053,204.4640007,069
隠岐国越智(穏地)郡162,982.691000162,982.6910005,775
隠岐国周吉郡323,910.0550003213,910.05500010,684
隠岐国合計6112,562.90700061112,562.90700029,094
隠岐国不一致00.000000000.0000000
隠岐国総計6112,562.90700061112,562.90700012,562.90700029,094
※『共武政表』の隠岐国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の隠岐国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
播磨国明石郡14659,695.993200153159,695.99320054,442
播磨国美嚢郡17144,657.427500149144,657.42750028,344
播磨国加古郡10050,810.996000114250,810.99600047,265
播磨国印南郡11045,737.671800131245,737.67180048,724
播磨国加東郡16255,891.21700015255,891.21700043,162
播磨国加西郡13139,498.47720012839,498.47720035,743
播磨国多可郡12934,356.57000013034,356.57000031,049
播磨国神東郡7828,921.5894007928,921.58940022,764
播磨国神西郡7122,306.1883606922,306.18836018,302
播磨国飾西郡8041,016.26500016141,016.26500031,414
播磨国飾東郡7240,295.80900072240,295.80900067,277
播磨国揖東郡12356,242.67310014456,242.67310051,226
播磨国揖西郡10033,658.234100113233,658.23410039,427
播磨国赤穂郡12844,521.290600127144,521.29060055,910
播磨国佐用郡8824,279.7895008724,279.78950023,990
播磨国宍粟郡15138,667.624500147138,667.62450040,450
播磨国合計1,840660,557.8162601,95612660,557.816260639,489
播磨国不一致70.000000000.00000010,000
播磨国総計1,847660,557.8162601,95612660,557.816250660,557.816260649,489
※『郡村石高帳』の播磨国村数合計1840と村数総計が一致せず。
※『共武政表』の播磨国石高総計は『郡村石高帳』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の播磨国佐用郡本籍人口3万3990人は明治12年1月1日調本籍人口2万5331人との比較から2万3990人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の播磨国人口総計64万9489人は明治6年1月1日調本籍人口63万9576人と比べて過剰であり、63万9489人の可能性が高い(佐用郡の人口を修正)。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
美作国東南条郡2010,892.0700001310,892.07000010,309
美作国東北条郡4015,411.2370003115,411.23700011,325
美作国西々条(西西条)郡6126,805.0210005126,805.0210009,329
美作国久米北条郡5928,871.2330005428,871.23300023,397
美作国久米南条郡7222,988.6730006322,988.67300019,670
美作国勝南郡7824,657.9720006924,657.97200017,745
美作国勝北郡8434,139.4590005534,139.45900023,829
美作国大庭郡5920,836.76900046120,836.76900020,912
美作国真島郡11033,270.80700090133,270.80700029,899
美作国英田郡6513,662.42900056113,662.42900016,591
美作国吉野郡7219,954.2430006019,954.24300014,950
美作国西北条郡3110,843.95100022110,843.95100017,131
美作国合計751262,333.8640006104262,333.864000215,087
美作国不一致00.000000000.00000020,000
美作国総計751262,333.8640006104262,333.864000262,333.864000235,087
※『共武政表』の美作国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の美作国西北条郡本籍人口3万7131人は明治12年1月1日調本籍人口1万8550人との比較から1万7131人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の美作国人口総計23万5087人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口21万5602人と比べて過剰であり、21万5087人の可能性が高い(西北条郡の人口を修正)。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
備前国御野郡7952,824.75200079152,824.75200058,395
備前国津高郡12647,224.652000126147,224.65200036,849
備前国赤坂郡10243,267.32400010243,267.32400026,484
備前国磐梨郡6526,224.0160006526,224.01600015,711
備前国和気郡9628,871.1320009728,871.13200034,294
備前国邑久郡8670,645.47700086270,645.47700044,022
備前国上道郡11599,660.178000116199,660.17800046,151
備前国児島郡9750,247.00700097250,247.00700071,808
備前国合計766418,964.5380007687418,964.538000333,714
備前国不一致00.000000000.0900000
備前国総計766418,964.5380007687418,964.538000418,964.628000333,714
※『郡村石高帳』の備前国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の備前国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
備中国上房郡3124,702.03280099124,702.03280023,304
備中国阿賀郡4633,207.944000105133,207.94400029,150
備中国哲多郡3322,919.8946008722,919.89460018,523
備中国川上郡5731,196.35400087131,196.35400037,300
備中国小田郡7437,655.852700103137,655.85270064,164
備中国後月郡3918,308.7268005318,308.72680029,290
備中国下道郡2923,622.7056004723,622.70560025,634
備中国賀陽郡8350,416.341230110250,416.34123038,914
備中国都宇郡4835,707.82670012235,707.82670027,185
備中国浅口郡6155,201.1047007255,201.10470074,053
備中国窪屋郡5838,416.39267084138,416.39267032,028
備中国合計559371,355.1758009697371,355.175800399,545
備中国不一致00.00000000-0.0690000
備中国総計559371,355.1758009697371,355.175800371,355.106800399,545
※『郡村石高帳』の備中国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の備中国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口39万9467人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
備後国御調郡10039,828.25555090239,828.255550101,646
備後国世羅郡5033,650.49000049133,650.49000029,840
備後国三谿郡3819,342.0180003819,342.01800020,225
備後国三上郡1813,693.6710001813,693.67100012,251
備後国奴可郡4019,876.91600039219,876.91600020,684
備後国甲奴郡3215,624.4110003215,624.41100015,972
備後国沼隈郡4326,425.22000044126,425.22000067,176
備後国深津郡2826,851.07300035126,851.07300045,300
備後国安那郡2924,734.7090003024,734.70900024,179
備後国品治郡2111,709.0490002111,709.04900016,341
備後国蘆田郡2817,567.02000028117,567.02000030,783
備後国神石郡4022,345.9400004022,345.94000022,836
備後国三次郡5221,613.53700053121,613.53200030,335
備後国恵蘇郡4522,613.8720004122,613.87200021,708
備後国合計564315,876.1815505589315,876.176550459,276
備後国不一致00.000000000.0860000
備後国総計564315,876.1815505589315,876.181550315,876.262550459,276
※『郡村石高帳』の備後国石高総計は『日本地誌提要』と一致し、『地理局雑報』(35万5704石4斗3升7合1勺)の石高と異なる。
※『共武政表』の備後国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口45万9109人とほぼ等しい。
[81064] 2012年 7月 10日(火)00:51:54YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (6)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
若狭国大飯郡7320,404.61660072120,404.61660016,878
若狭国遠敷郡13544,510.765500144244,510.76550049,130
若狭国三方郡6126,851.6760006226,851.67600019,805
若狭国合計26991,767.058100278391,767.05810085,813
若狭国不一致00.000000000.0000000
若狭国総計26991,767.058100278391,767.05810091,767.05810085,813
※『共武政表』の若狭国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の若狭国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
越前国足羽郡15792,917.620000157192,917.62000076,336
越前国吉田郡14680,811.852000127180,811.85200033,608
越前国丹生郡23987,980.05800023687,980.05800060,122
越前国今立郡19886,268.894000202286,268.89400055,367
越前国南条郡9035,770.94860081235,770.94860033,375
越前国坂井郡355185,597.3012003563185,597.30120092,557
越前国大野郡26498,090.417700254298,090.41770076,506
越前国敦賀郡8822,806.52625079122,806.52625026,270
越前国合計1,537690,243.6177501,49212690,243.617750454,141
越前国不一致00.000000000.0000000
越前国総計1,537690,243.6177501,49212690,249.700400690,243.617750454,141
※『共武政表』の越前国石高総計は『郡村石高帳』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の越前国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口45万4229人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
加賀国河北郡27099,964.761000269299,936.20100074,871
加賀国石川郡332189,919.0220003365189,920.002000186,898
加賀国能美郡278137,775.2763902641137,766.27639087,432
加賀国江沼郡14180,950.068000140280,950.06800054,693
加賀国合計1,021508,609.1273901,00910508,572.547390403,894
加賀国不一致00.000000000.00000010,000
加賀国総計1,021508,609.1273901,00910508,572.547390508,572.547390413,894
※『共武政表』の加賀国石高総計は『日本地誌提要』の石高と一致し、『地理局雑報』(50万8578石3斗7升2合3勺9才)の石高と異なる。
※『郡村石高帳』の加賀国の国郡別石高は外受高3106石8斗9升1合を含まない。外受高の郡別内訳は不明である。
旧国受高加算前石高受高受高加算後石高
加賀国総計508,609.1273903,106.891000511,716.018390
※『共武政表』の加賀国河北郡本籍人口8万4871人は明治12年1月1日調本籍人口7万1453人との比較から7万4871人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の加賀国人口総計41万3894人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口40万3357人と比べて過剰であり、40万3894人の可能性が高い(河北郡の人口を修正)。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
能登国羽咋郡23899,726.117500239199,676.18750071,547
能登国鹿島郡20199,962.9786601961100,096.30106069,270
能登国鳳至郡32069,858.027500318269,858.02750081,837
能登国珠洲郡11235,935.52030011235,935.52030041,725
能登国合計871305,482.6439608654305,566.036360264,379
能登国不一致00.000000000.0000000
能登国総計871305,482.6439608654305,666.036340305,566.036360264,379
※『共武政表』の能登国石高総計は『日本地誌提要』の石高と一致し、『地理局雑報』(50万8578石3斗7升2合3勺9才)の石高と異なる。
※『郡村石高帳』の能登国の国郡別石高は外受高2120石1斗8升5合を含まない。受高の郡別内訳は不明である。
旧国受高加算前石高受高受高加算後石高
能登国総計305,482.6439602,120.185000307,602.828960
※『共武政表』の能登国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
越中国新川郡1,134295,756.0100001,0414301,417.882690256,817
越中国婦負郡368112,139.5020003652113,216.82800061,434
越中国射水郡331188,681.2370003373172,718.327090136,319
越中国砺波郡740281,187.3580007012275,890.847670169,407
越中国合計2,573877,764.1070002,44411863,243.885450623,977
越中国不一致00.000000000.0000000
越中国総計2,573877,764.1070002,44411877,764.107000863,243.885450623,977
※『郡村石高帳』の越中国の町数総計は外町18。内訳は、新川郡町7、婦負郡町3、射水郡町3、砺波郡町5。
※『郡村石高帳』の越中国の国郡別石高は外受高2万2067石8斗3升2合を含まない。受高加算前の国郡別石高は『日本地誌提要』の石高と一致し、受高加算後の石高は『地理局雑報』の石高と一致する。
旧国受高加算前石高受高受高加算後石高
越中国新川郡295,756.01000020,031.008000315,787.018000
越中国婦負郡112,139.502000390.765000112,530.267000
越中国射水郡188,681.237000697.335000189,378.572000
越中国砺波郡281,187.358000948.724000282,136.082000
越中国総計877,764.10700022,067.832000899,831.939000
※『共武政表』の越中国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
越後国頚城郡1,140225,199.7694001,0935225,199.769400281,635
越後国苅羽郡(刈羽郡)20275,890.293960186275,890.293958103,397
越後国魚沼郡422102,282.3181004112102,282.751000158,019
越後国古志郡29269,235.231600348269,234.79860098,559
越後国三島郡25578,509.007200181478,509.00720083,065
越後国岩船郡26861,820.382750249261,820.38275059,748
越後国蒲原郡1,967537,630.5205801,78423537,629.134580599,253
越後国蒲原郡(新潟県)1,897520,242.884580
越後国蒲原郡(若松県)7017,387.636000
越後国合計4,5461,150,567.5235904,252401,150,566.1374881,383,676
越後国不一致00.000000000.00000030,000
越後国総計4,5461,150,567.5235904,252401,150,836.3685801,150,566.1374881,413,676
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(115万0836石3斗2升8合5勺9才)の越後国の石高総計は全て異なる。
※『共武政表』の越後国人口合計は明治7年1月1日調本籍人口138万3572人とほぼ等しく、『共武政表』の人口総計は誤計算と推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
佐渡国加茂郡10048,345.14000094348,420.53600031,800
佐渡国雑太郡10164,521.93700089364,694.26900050,673
佐渡国羽茂郡6222,339.04600062122,399.67600021,932
佐渡国合計263135,206.1230002457135,514.481000104,405
佐渡国不一致00.000000000.0000000
佐渡国総計263135,206.1230002457135,206.123000135,514.481000104,405
※『郡村石高帳』の佐渡国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の佐渡国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
丹波国桑田郡23656,252.463400220156,227.72900052,135
丹波国船井郡22652,134.455100200152,134.45510045,723
丹波国何鹿郡11449,525.940800136149,525.94080040,422
丹波国氷上郡22567,462.689600177167,462.68960065,564
丹波国多紀郡11552,076.370600213152,076.37060043,933
丹波国天田郡12452,013.554360113152,013.55436047,904
丹波国合計1,040329,465.4738601,0596329,440.739460295,681
丹波国不一致0-0.000400000.0000000
丹波国総計1,040329,465.4734601,0596329,465.473860329,440.739460295,681
※『郡村石高帳』の丹波国石高合計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致し、『郡村石高帳』の石高総計は誤写と推測される。
※『共武政表』の丹波国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
丹後国与佐郡9442,655.44200095142,655.44200048,246
丹後国加佐郡15439,080.008500151139,080.00850054,999
丹後国中郡3521,987.89280034121,987.89280017,037
丹後国熊野郡5619,004.8770005319,004.87700016,073
丹後国竹野郡7325,273.9100007225,273.91000025,693
丹後国合計412148,002.1303004053148,002.130300162,048
丹後国不一致00.000000000.0000000
丹後国総計412148,002.1303004053148,002.130300148,002.130300162,048
※『共武政表』の丹後国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の丹後国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口16万2084人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
但馬国朝来郡9220,739.21600082120,739.21600026,958
但馬国養父郡11423,942.88400010423,942.88400036,460
但馬国二方郡5410,163.5490005610,163.54900021,390
但馬国七味郡7311,041.53980069111,041.53980015,009
但馬国気多郡8620,049.92030011020,049.92030021,125
但馬国城崎郡8421,758.95017078121,744.74577024,131
但馬国美含郡8311,993.6780007211,993.67800017,259
但馬国出石郡9728,458.01700085128,458.01700025,648
但馬国合計683148,147.7542706564148,133.549870187,980
但馬国不一致00.000000000.0000000
但馬国総計683148,147.7542706564148,147.754270148,133.549870187,980
※『郡村石高帳』の但馬国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の但馬国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
因幡国岩井郡5122,620.4330005122,620.43300016,193
因幡国法美郡6120,609.60400062120,609.60400014,624
因幡国八東郡8226,144.0320008926,144.03200019,102
因幡国八上郡6223,863.9990006223,863.99900014,675
因幡国知頭(智頭)郡9816,686.2420009916,686.24200015,418
因幡国邑美郡3317,379.60100031417,379.60100040,000
因幡国高草郡8441,187.21800083141,187.21800023,404
因幡国気多郡8327,141.51600083227,141.51600020,835
因幡国合計561195,632.6450005608195,632.645000164,251
因幡国不一致00.000000000.000000-101
因幡国総計561195,632.6450005608195,632.645000195,632.645000164,150
※『共武政表』の因幡国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の因幡国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口16万2396人とほぼ等しい。
[81063] 2012年 7月 10日(火)00:49:38YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (5)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
羽前国置賜郡263337,240.9150002955337,240.915000146,769
羽前国置賜郡(置賜県)223295,671.543000
羽前国置賜郡(山形県)4041,569.372000
羽前国村山郡478365,370.03946043911365,370.039390242,639
羽前国最上郡8684,057.51631085184,057.51631043,483
羽前国田川郡390160,302.8349104205160,302.834910132,399
羽前国合計1,217946,971.3056801,23922946,971.305610565,290
羽前国不一致00.000000000.000000-10
羽前国総計1,217946,971.3056801,23922946,971.304910946,971.305610565,280
※『郡村石高帳』の羽前国の村数総計は外町34。
※『郡村石高帳』の羽前国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の羽前国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口56万7361人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
羽後国飽海郡28474,941.885800284274,941.88590072,099
羽後国秋田郡289116,598.9560002824116,598.956000186,818
羽後国河辺(川辺)郡5927,174.16300059127,174.16300028,006
羽後国仙北郡184110,219.4870001792110,219.48700087,033
羽後国雄勝郡8852,848.28000086352,848.28000050,453
羽後国山本郡7842,231.17400076242,231.17400063,439
羽後国平鹿郡11567,264.044000114267,264.04400066,723
羽後国由利郡24377,196.899550240477,196.89955075,269
羽後国合計1,340568,474.8893501,32020568,474.889450629,840
羽後国不一致00.00000000-200.0000000
羽後国総計1,340568,474.8893501,32020568,474.889450568,274.889450629,840
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(56万8760石2斗7升5合4勺5才)の羽後国の石高総計は全て異なる。
※『共武政表』の羽後国石高合計は『日本地誌提要』の石高と一致し、『共武政表』の石高総計は誤写と推測される。
※『共武政表』の羽後国人口合計は明治6年1月1日調本籍人口63万0575人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
渡島国亀田郡29136,415
渡島国茅部郡179,680
渡島国上磯郡178,000
渡島国福島郡64,510
渡島国檜山郡21117,352
渡島国津軽郡13120,860
渡島国爾志郡87,011
渡島国合計1113103,828
渡島国不一致000
渡島国総計111354,814.894820103,828
※『日本地誌提要』の渡島国石高総計は物産高。
※『共武政表』の渡島国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口9万4610人と比べて過剰であり、現住人口ベース(明治6年1月1日調現住人口9万9909人)か。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
後志国久遠郡9854
後志国奥尻郡486
後志国太櫓郡4303
後志国瀬棚郡5531
後志国島牧郡151,039
後志国寿都郡81,583
後志国歌棄郡61,140
後志国磯屋(磯谷)郡41,304
後志国岩内郡613,075
後志国古宇郡62,009
後志国積丹郡81,620
後志国美国郡51,555
後志国古平郡612,663
後志国余市郡812,725
後志国忍路郡41,515
後志国高島郡41,115
後志国小樽郡515,413
後志国合計107428,530
後志国不一致00-5
後志国総計1074265,580.84719028,525
※『日本地誌提要』の後志国石高総計は物産高。
※『共武政表』の後志国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口1万9916人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口2万8388人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
石狩国石狩郡311,828
石狩国札幌郡1718,825
石狩国夕張郡39
石狩国樺戸郡78
石狩国空知郡0
石狩国雨竜郡0
石狩国上川郡0
石狩国厚田郡10708
石狩国浜益郡8577
石狩国合計38212,055
石狩国不一致000
石狩国総計38239,336.06952012,055
※『日本地誌提要』の石狩国石高総計は物産高。
※『共武政表』の石狩国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口7591人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口1万2123人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
北見国宗谷郡352
北見国利尻郡947
北見国礼文郡376
北見国枝幸郡157
北見国紋別郡10299
北見国常呂郡7140
北見国網走郡8248
北見国斜里郡5252
北見国合計302,771
北見国不一致00
北見国総計3026,977.4206602,771
※『日本地誌提要』の北見国石高総計は物産高。
※『共武政表』の北見国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口1647人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口2770人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
胆振国山越郡21,002
胆振国虻田郡4574
胆振国有珠郡52,930
胆振国室蘭郡711,020
胆振国幌別郡5442
胆振国白老郡3581
胆振国勇払郡161,476
胆振国千歳郡6297
胆振国合計4818,322
胆振国不一致007
胆振国総計48115,837.5042908,329
※『日本地誌提要』の胆振国石高総計は物産高。
※『共武政表』の胆振国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口7462人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口8421人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
日高国沙流郡181,895
日高国新冠郡11548
日高国静内郡162,162
日高国三石郡8390
日高国浦河(浦川)郡201,199
日高国様似郡23424
日高国幌泉郡91,531
日高国合計1058,149
日高国不一致00
日高国総計10548,505.6027708,149
※『日本地誌提要』の日高国石高総計は物産高。
※『共武政表』の日高国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口7479人と比べて過剰であり、現住人口ベース(明治6年1月1日調現住人口6137人)か。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
十勝国広尾郡1234
十勝国当縁郡356
十勝国大津(上川)郡2100
十勝国中川郡22539
十勝国河東郡5210
十勝国河西郡12225
十勝国十勝郡6146
十勝国合計511,510
十勝国不一致00
十勝国総計515,280.4400001,510
※『日本地誌提要』の十勝国石高総計は物産高。
※『共武政表』の十勝国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口1477人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口1505人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
釧路国白糠郡2361
釧路国足寄郡476
釧路国釧路郡81,132
釧路国善報郡
釧路国阿寒郡573
釧路国網尻郡60
釧路国川上(上川)郡5202
釧路国厚岸郡1711,146
釧路国合計4712,990
釧路国不一致000
釧路国総計47148,342.9878302,990
※『郡村石高帳』記載の善報郡は設置されず。
※『日本地誌提要』の釧路国石高総計は物産高。
※『共武政表』の釧路国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口2339人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口2994人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
根室国花咲郡70
根室国根室郡611,324
根室国野付郡4513
根室国標津郡2146
根室国目梨(芽梨)郡4187
根室国合計2312,170
根室国不一致000
根室国総計23135,572.8158302,170
※『日本地誌提要』の根室国石高総計は物産高。
※『共武政表』の根室国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口1786人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口2270人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
千島国国後郡5303
千島国択捉郡287
千島国振別郡2109
千島国紗那郡4204
千島国蘂取郡2223
千島国合計15926
千島国不一致00
千島国総計1511,778.777250926
※『日本地誌提要』の千島国石高総計は物産高。
※『共武政表』の千島国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口438人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口928人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
天塩国増毛郡52,114
天塩国留萌郡5764
天塩国苫前郡5506
天塩国天塩郡118
天塩国中川郡15
天塩国上川郡26
天塩国合計153,543
天塩国不一致00
天塩国総計1598,259.3245603,543
※『日本地誌提要』の天塩国石高総計は物産高。
※『共武政表』の天塩国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口1870人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口3543人と一致する。
[81062] 2012年 7月 10日(火)00:48:01YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (4)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
飛騨国大野郡13722,248.657000159122,248.65700039,896
飛騨国吉城郡17824,395.637000229224,395.63700034,126
飛騨国益田郡10010,551.76400012510,551.76400024,800
飛騨国合計41557,196.058000513357,196.05800098,822
飛騨国不一致00.000000000.0000000
飛騨国総計41557,196.058000513357,196.05800057,196.05800098,822
※『共武政表』の飛騨国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』の石高と一致し、『地理局雑報』(5万7195石9斗9升3合)の石高と異なる。
※『共武政表』の飛騨国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
信濃国佐久郡18897,567.455400273298,061.81940087,374
信濃国諏訪郡15843,787.16120079243,787.16120061,418
信濃国伊那郡298139,051.6748901103139,051.674890171,413
信濃国筑摩郡23884,459.961790103284,459.961790142,170
信濃国小県郡77,138.537700192177,288.58670083,460
信濃国埴科郡24,602.89400049123,650.56160038,407
信濃国更科(更級)郡59,511.92890011359,319.31590059,615
信濃国安曇郡17964,194.082000101164,194.08200080,802
信濃国水内郡110,120.3413003113109,613.469930127,264
信濃国高井郡86,515.963800170186,291.32857078,021
信濃国合計786,950.0009801,50116785,717.961980929,944
信濃国不一致0.000000000.0000000
信濃国総計786,950.0009801,50116786,411.668380785,717.961980929,944
※『日本地誌提要』の信濃国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『郡村石高帳』の国郡別村数は一部不記載。
※『共武政表』の信濃国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
上野国邑楽郡9380,142.04400088180,142.48400056,437
上野国新田郡11766,914.682320100167,151.96532029,735
上野国山田郡6436,657.46000060136,685.48100038,123
上野国佐位郡4721,625.68500038121,625.68500025,611
上野国那波郡6930,102.30629054130,102.30629017,024
上野国群馬郡234120,194.2505801932120,182.250580100,874
上野国勢多郡19277,348.46185017177,348.46185060,519
上野国利根郡14530,912.781000113230,900.90800031,032
上野国吾妻郡9825,126.6940008535,126.57100032,422
上野国碓氷(碓水)郡8541,484.86955074141,275.30155037,004
上野国片岡郡34,267.61400034,267.6140002,431
上野国多胡郡3212,605.1980002812,605.1980009,353
上野国緑埜(緑野)郡6031,438.55875046131,438.55875021,544
上野国甘楽郡17557,030.502000133157,030.50200055,296
上野国合計1,414635,851.1073401,18612645,883.287340517,405
上野国不一致00.00000000-0.000500-110,941
上野国総計1,414635,851.1073401,18612636,116.851340645,883.286840406,464
※『日本地誌提要』の上野国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の上野国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口52万1603人とほぼ等しく、『共武政表』の人口総計は計算間違いと推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
下野国河内郡272108,400.0060002031110,733.48976068,743
下野国芳賀郡276133,633.6411102411134,739.52120060,571
下野国塩谷郡15955,250.48721015255,683.46321037,010
下野国那須郡309119,500.0020902663119,959.54615067,159
下野国足利郡4632,474.02730043132,474.02730037,938
下野国梁田(簗田)郡2914,295.1800002714,295.18000010,783
下野国安蘇(安蘓)郡6462,582.97540046162,582.97540051,023
下野国都賀郡387223,551.3846003827223,674.500600161,371
下野国寒川郡138,960.737000138,960.7370003,868
下野国合計1,555758,648.4407101,37314763,103.440620498,466
下野国不一致00.000000000.000000-16,000
下野国総計1,555758,648.4407101,37314762,851.631820763,103.440620482,466
※『共武政表』の下野国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の下野国塩谷郡本籍人口3万1010人は明治12年1月1日調本籍人口4万0846人との比較から3万7010人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の下野国足利郡本籍人口2万7938人は明治12年1月1日調本籍人口4万1917人との比較から3万7938人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の下野国人口総計48万2466人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口49万8520人と比べて過少であり、49万8466人の可能性が高い(塩谷郡・足利郡の人口を修正)。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
磐城国白河郡10664,327.583000106164,327.58300029,670
磐城国石川郡8349,061.7550007549,061.75500019,148
磐城国田村郡143113,312.9497001411113,312.94970056,876
磐城国菊多郡6140,561.9409306140,561.94093019,264
磐城国白川郡9343,620.01344092143,620.01344024,785
磐城国磐前郡11355,515.814300112255,515.81430030,091
磐城国磐城郡5131,941.8940005131,941.89400015,070
磐城国楢葉郡4130,754.1850004030,754.18500011,117
磐城国標葉郡6429,437.1370006429,437.13700016,398
磐城国行方郡12166,919.63600012166,919.63600032,496
磐城国宇多郡5036,837.00000050136,837.00400022,879
磐城国宇多郡(磐前県)4129,677.279000
磐城国宇多郡(宮城県)97,159.721000
磐城国伊具郡3639,528.90700036139,528.90700030,550
磐城国亘理郡2624,678.0740002624,678.07400018,162
磐城国刈田郡3323,991.99300033123,991.99300022,768
磐城国合計1,021650,488.8823701,0088650,488.886370349,274
磐城国不一致00.00000000-0.0040000
磐城国総計1,021650,488.8823701,0088650,488.882370650,488.882370349,274
※『共武政表』の磐城国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の磐城国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口34万9594人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
岩代国会津郡30988,224.545500308288,221.33950065,276
岩代国大沼郡16153,035.58400016153,029.61600032,696
岩代国耶麻郡310126,274.5510003112126,244.94100054,035
岩代国河沼郡24876,121.762000245176,212.17100033,884
岩代国岩瀬郡8869,413.31340083169,413.31340031,437
岩代国伊達郡112114,246.0661701094114,255.30117075,614
岩代国安積郡4853,118.39660048153,116.18460028,454
岩代国安積郡(若松県)1112,123.29184012,121.079840
岩代国安積郡(福島県)3740,995.10476040,995.104760
岩代国信夫郡8889,970.11788087289,975.08788048,434
岩代国安達郡7490,519.20936067190,519.20936062,055
岩代国合計1,438760,923.5459101,41914760,987.163910431,885
岩代国不一致00.000030000.0000000
岩代国総計1,438760,923.5459401,41914760,937.750910760,987.163910431,885
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(76万0974石6斗8升9勺1才)の岩代国の石高総計は全て異なるが、国郡別石高の端数の比較から、『郡村石高帳』の石高総計は誤写と推測される。
※『共武政表』の岩代国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口43万0163人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
陸前国柴田郡3529,531.5940003529,531.59400021,458
陸前国名取郡6164,270.51000059164,270.51000042,922
陸前国宮城郡7975,087.12300078275,087.123000101,785
陸前国黒川郡4943,818.6400004943,818.64000020,399
陸前国賀美(加美)郡3838,913.9710003838,913.97100018,542
陸前国玉造郡2124,499.36000022124,499.36000014,246
陸前国志田郡6456,402.73000064156,402.73000027,820
陸前国遠田郡5962,372.4900005862,372.49000031,582
陸前国栗原郡93136,620.990000961136,620.99000079,711
陸前国登米郡2441,791.37000021141,791.37000031,158
陸前国牡鹿郡6015,514.07000059115,514.07000026,737
陸前国桃生郡6674,015.5200006674,015.52000040,070
陸前国本吉郡3322,184.18000032222,184.18000040,884
陸前国気仙郡2415,626.76000024215,626.76000042,225
陸前国合計706700,649.30800070112700,649.308000539,539
陸前国不一致00.000000000.0000000
陸前国総計706700,649.30800070112700,649.308000700,649.308000539,539
※『共武政表』の陸前国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の陸前国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口53万9614人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
陸中国磐井郡8684,007.06000086184,007.06000089,139
陸中国胆沢郡3775,764.26000037175,764.26000043,172
陸中国江刺郡4138,815.27000041138,815.27000035,544
陸中国和賀郡6953,170.80900069153,170.80900042,051
陸中国稗貫郡6851,689.69000067151,689.69000037,099
陸中国紫波郡7554,630.5110007454,630.51100034,466
陸中国岩手郡8552,333.36200085152,333.36200079,387
陸中国鹿角郡6920,965.04500070220,965.04500024,537
陸中国閉伊郡13828,559.015000138528,559.01500086,573
陸中国九戸郡5911,907.89000059111,907.89000041,155
陸中国合計727471,842.91200072614471,842.912000513,123
陸中国不一致00.0000000042,136.07000040,369
陸中国総計727471,842.91200072614469,073.737000513,978.982000553,492
※『共武政表』の陸中国石高合計は『郡村石高帳』の石高と一致し、『共武政表』の石高総計は誤写と推測される。
※『日本地誌提要』の陸中国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の陸中国人口合計は明治6年1月1日調本籍人口51万3273人とほぼ等しく、『共武政表』の人口総計は計算間違いと推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
陸奥国二戸郡7514,796.27000031914,796.27000029,507
陸奥国三戸郡12043,792.960000595142,952.69800092,896
陸奥国北郡8323,524.559000454223,524.55900059,279
陸奥国津軽郡876340,987.0490001,0074340,986.364000291,635
陸奥国合計1,154423,100.8380002,3757422,259.891000473,317
陸奥国不一致00.00000000-0.0200000
陸奥国総計1,154423,100.8380002,3757423,100.838000422,259.871000473,317
※『郡村石高帳』の陸奥国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の陸奥国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。
[81061] 2012年 7月 10日(火)00:46:36YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (3)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
武蔵国豊島郡19048,764.867890102348,764.551920739,773
武蔵国荏原郡11033,613.80418092133,613.54918086,654
武蔵国橘樹郡12655,087.514110123355,087.51411065,808
武蔵国多摩郡436139,574.3175803943139,574.317580174,233
武蔵国多摩郡(東京府)5511,777.943980
武蔵国多摩郡(神奈川県)381127,796.373600
武蔵国久良岐郡4416,614.42253053216,614.42253082,114
武蔵国新座郡4714,285.5486403314,190.54864018,387
武蔵国入間郡350100,814.350500250199,144.670500106,698
武蔵国高麗郡20427,574.26490011727,206.89350033,147
武蔵国秩父郡8831,452.17200084131,258.19600059,886
武蔵国男衾郡359,158.394860268,992.93536011,051
武蔵国大里郡4923,657.70592039123,560.70592022,029
武蔵国比企郡26560,968.63117016260,473.96517054,970
武蔵国横見郡4820,496.5910004720,412.25700010,343
武蔵国幡羅郡6439,593.9280005939,165.40800025,694
武蔵国榛沢郡9731,893.4000007431,755.80000034,049
武蔵国那賀(那珂)郡166,944.069000116,903.9830005,801
武蔵国児玉郡7027,606.92000060127,488.12000023,653
武蔵国賀美郡2812,705.8540002712,607.63400010,051
武蔵国埼玉郡466283,160.8416404248283,060.841640227,218
武蔵国足立郡429149,513.16579040510149,513.165790171,649
武蔵国足立郡(東京府)4318,932.878500
武蔵国足立郡(埼玉県)386130,580.287290
武蔵国葛飾郡288120,037.635590288151,767.206330127,904
武蔵国葛飾郡(東京府)12051,767.206330
武蔵国葛飾郡(埼玉県)16868,270.429260
武蔵国都筑郡7028,482.3716007228,482.37160027,744
武蔵国合計3,5201,282,000.7709002,942351,209,639.0577702,118,856
武蔵国不一致00.00000000-0.0016101,414,015
武蔵国総計3,5201,282,000.7709002,942351,282,000.4549301,209,639.0561603,532,871
※『郡村石高帳』の武蔵国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の武蔵国人口合計211万8856人は明治8年1月1日調本籍人口205万7870人と比べて過剰であり、現住人口ベースか。明治6年1月1日調現住人口210万8076人と数字が近く(東京府の現住人口は前後で年間3万~5万人増加)、約1万人ほど過剰となっているが、明治12年1月1日調本籍人口との比較で人口過剰となっている郡を特定できない。
※『共武政表』の人口総計は計算間違いと推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
安房国長狭郡6023,011.9270906323,011.92709038,459
安房国朝夷郡6222,641.0188106422,641.01881038,474
安房国平(平群)郡7226,137.34710075126,137.34710040,343
安房国安房郡5323,851.13050090223,851.13050038,055
安房国合計24795,641.423500292395,641.423500155,331
安房国不一致00.000000000.0000000
安房国総計24795,641.423500292395,641.42350095,641.423500155,331
※『共武政表』の安房国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の安房国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
上総国天羽郡7524,684.4497507624,684.44975026,825
上総国周淮(周准)郡10927,021.502700108127,021.50270031,235
上総国望陀郡19760,127.944430193160,127.94443055,015
上総国市原郡19256,739.004320187256,739.00432060,031
上総国夷隅郡18269,133.876670170269,133.87667078,698
上総国長柄郡13862,336.711210129162,336.71121058,955
上総国埴生郡4818,570.3143504818,570.31435018,111
上総国山辺郡13253,287.677050131153,287.67705053,721
上総国武射郡13255,412.29046013155,412.29046041,005
上総国合計1,205427,313.7709401,1738427,313.770940423,596
上総国不一致00.000000000.0000000
上総国総計1,205427,313.7709401,1738427,313.770940427,313.770940423,596
※『共武政表』の上総国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の上総国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
下総国葛飾郡662123,436.2542103313123,436.254210148,015
下総国猿島郡7945,575.34490080145,575.34490040,908
下総国結城郡9835,313.34240051135,313.34240019,562
下総国豊田郡8039,254.40824079139,254.40824027,179
下総国相馬郡14864,464.05748013464,464.05748060,630
下総国千葉郡13444,420.164890126144,420.16489059,123
下総国埴生郡6425,773.3296206225,773.32962018,542
下総国香取郡306148,826.7925903082148,826.792590103,664
下総国匝瑳郡8437,736.4295808237,736.42958039,301
下総国海上郡7626,713.13449075126,713.13449049,249
下総国岡田郡5623,375.2034405323,375.20344014,966
下総国印旛郡28770,139.536410240170,139.53641069,694
下総国合計2,074685,027.9982501,62111685,027.998250650,833
下総国不一致00.000000000.0000000
下総国総計2,074685,027.9982501,62111685,027.998250685,027.998250650,833
※『郡村石高帳』の下総国の国郡別石高は外反高2345石8斗6升2合3勺(千葉郡)を含まない。反高加算前の国郡別石高は『日本地誌提要』、『共武政表』の石高と一致し、反高加算後の石高は『地理局雑報』の石高と一致する。
旧国反高加算前石高反高反高加算後石高
下総国千葉郡44,420.1648902,345.86230046,766.027190
下総国総計685,027.9982502,345.862300687,373.860550
※『共武政表』の下総国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口(65万0863人)とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
常陸国茨城郡329151,062.5139003022151,057.762900124,283
常陸国那珂郡12787,229.057000127187,229.05700074,507
常陸国久慈郡14188,328.120000141188,328.12000065,219
常陸国多賀郡9252,235.6834108352,235.68341040,410
常陸国新治郡190116,603.6133001892116,572.04030078,976
常陸国真壁郡306133,448.7918002621133,460.17180069,201
常陸国筑波郡19780,660.073400173180,661.07340048,058
常陸国信太郡9544,798.2413409444,798.24134025,739
常陸国河内郡14463,658.394910144163,658.39491042,272
常陸国行方郡8353,008.44198082153,008.44198038,614
常陸国鹿島郡13150,596.221460130250,596.22146053,074
常陸国合計1,835921,629.1525001,72712921,605.208500660,353
常陸国不一致00.000000000.000000-7
常陸国総計1,835921,629.1525001,72712921,635.781500921,605.208500660,346
※『郡村石高帳』の常陸国の村数総計は外町3。
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(91万2453石5斗4升5勺)の常陸国の石高総計は全て異なる。
※『共武政表』の常陸国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口(66万1898人)とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
近江国犬上郡13362,137.207720110162,137.20772069,976
近江国愛知郡12864,802.52880012664,802.52880038,751
近江国神崎郡8648,425.1710008648,425.17100035,678
近江国蒲生郡244139,630.7746502142139,630.77465080,783
近江国甲賀郡13878,654.159160134178,654.15916059,438
近江国野洲郡10168,550.1747007868,550.17470034,117
近江国栗太郡12170,371.93765011070,371.93765041,401
近江国滋賀郡8846,218.55730078346,218.55730055,274
近江国高島郡15274,146.150000129274,146.15000045,335
近江国伊香郡7136,012.0554007736,012.05540020,863
近江国浅井郡14476,841.44180014476,841.44180038,688
近江国坂田(阪田)郡17392,059.367100165192,059.36710057,795
近江国合計1,579857,849.5252801,45110857,849.525280578,099
近江国不一致00.000000000.0000000
近江国総計1,579857,849.5252801,45110857,849.525280857,849.525280578,099
※『共武政表』の近江国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の近江国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
美濃国不破郡4641,418.7413004641,418.74130027,082
美濃国多芸郡6038,422.17360061138,422.17360023,020
美濃国石津郡7928,785.49790073128,785.49790024,044
美濃国安八郡15195,778.626500152295,778.62650068,585
美濃国池田郡6924,479.0349006924,479.03490020,428
美濃国大野郡12454,605.029800118154,605.02980031,687
美濃国本巣郡6840,354.49850067140,354.49850025,622
美濃国席田郡95,731.80490095,731.8049002,963
美濃国方県郡5436,834.8649005336,834.86490023,672
美濃国厚見郡5742,831.33480057242,831.33480047,615
美濃国山県郡4926,395.4800004726,395.48000022,403
美濃国武儀郡8644,210.25680080244,210.25680064,964
美濃国郡上郡16532,071.210700164132,071.21070048,945
美濃国加茂(賀茂)郡10747,329.22974010147,329.22974050,906
美濃国恵那(恵奈)郡8141,919.40963075341,919.40963056,316
美濃国土岐郡4922,597.1085804922,597.10858029,662
美濃国可児郡9434,032.5446007434,032.54460027,150
美濃国各務郡4120,733.4471003820,733.44710016,741
美濃国羽栗郡6324,162.45800062224,162.45800030,895
美濃国中島郡3115,212.2664003115,212.26640018,051
美濃国海西郡2611,749.8650002611,749.8650007,396
美濃国合計1,509729,654.8836501,45216729,654.883650668,147
美濃国不一致00.000000000.0000001
美濃国総計1,509729,654.8836501,45216729,654.883650729,654.883650668,148
※『共武政表』の美濃国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の美濃国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。
[81060] 2012年 7月 10日(火)00:43:42YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (2)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
伊勢国度会郡17755,535.694200198155,535.69420093,959
伊勢国多気郡13048,411.33150013048,411.33150035,267
伊勢国飯野郡4825,854.6120004425,854.61200014,614
伊勢国飯高郡11052,502.233500108152,502.23350045,795
伊勢国一志郡154105,666.9060001301105,666.90600073,216
伊勢国三重郡9167,117.63030090167,117.63030052,830
伊勢国朝明郡6633,811.7460006933,811.74600027,795
伊勢国桑名郡16162,901.355000166162,901.35500052,207
伊勢国員弁郡11050,570.09500011250,570.09500036,720
伊勢国河曲郡3834,176.29800038134,176.29800020,272
伊勢国鈴鹿郡8966,638.94650084266,638.94650041,562
伊勢国安芸(奄芸)郡6247,666.58200056147,666.58200034,634
伊勢国安濃郡8863,522.98500082163,522.98500055,858
伊勢国合計1,324714,376.4150001,30710714,376.415000584,729
伊勢国不一致00.000000000.0000000
伊勢国総計1,324714,376.4150001,30710714,376.415000714,376.415000584,729
※『共武政表』の伊勢国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の伊勢国人口総計は明治5年旧暦1月29日調本籍人口58万5988人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
志摩国答志(荅志)郡3711,564.43100039111,564.43100023,089
志摩国英虞郡197,714.772000197,714.77200023,854
志摩国合計5619,279.20300058119,279.20300046,943
志摩国不一致00.000000000.0000000
志摩国総計5619,279.20300058119,279.20300019,279.20300046,943
※『共武政表』の志摩国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の志摩国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
尾張国愛智(愛知)郡136124,473.7831001563124,473.783100206,114
尾張国春日井郡202151,462.5660002061151,462.566000110,581
尾張国丹羽郡13173,199.891100131173,199.89110069,453
尾張国葉栗郡4119,070.5140003719,070.51400024,602
尾張国中島郡164124,229.7450001621124,229.74500090,016
尾張国海東郡152127,615.0750001462127,615.07500075,991
尾張国海西郡9844,587.16200010944,587.16200031,328
尾張国知多郡147100,135.4300001482100,135.430000123,890
尾張国合計1,071764,774.1662001,09510764,774.166200731,975
尾張国不一致0.000000000.000000-1
尾張国総計764,774.1662001,09510764,774.166200764,774.166200731,974
※『共武政表』の尾張国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の尾張国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
三河国額田郡20652,555.102000186152,555.10200054,518
三河国碧海郡17897,311.004000179397,311.004000102,382
三河国加茂(賀茂)郡35767,537.997000353267,537.99700059,207
三河国幡豆郡19471,822.187000184171,822.18700073,697
三河国宝飯郡12158,041.91100011858,041.91100055,425
三河国設楽郡22430,171.544000230130,171.54400038,153
三河国八名郡7127,124.4210007427,124.42100023,755
三河国渥美郡13967,809.544000130267,809.54400078,333
三河国合計1,490472,373.7100001,45410472,373.710000485,470
三河国不一致00.000000000.0000000
三河国総計1,490472,373.7100001,45410472,373.710000472,373.710000485,470
※『共武政表』の三河国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の三河国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
遠江国榛原郡14050,382.506490140350,382.50649069,249
遠江国城東郡11168,988.173520116168,988.17352052,317
遠江国佐野郡9929,364.46551095129,364.46551030,616
遠江国山名郡11139,956.32453010939,956.32453024,902
遠江国周知(周智)郡9725,173.40110095125,173.40110028,740
遠江国磐田郡11,168.039000111,168.0390004,430
遠江国豊田郡26955,990.899310271355,990.89931066,961
遠江国長上郡12430,573.09936012630,573.09936031,519
遠江国鹿玉(麁玉)郡62,533.27131062,533.2713103,057
遠江国敷智(敷知)郡14249,254.380130146249,254.38013080,761
遠江国浜名郡21,269.52900021,269.5290003,187
遠江国引佐郡4917,892.25975050117,892.25975019,189
遠江国合計1,151372,546.3490101,15713372,546.349010414,928
遠江国不一致00.000000000.0000000
遠江国総計1,151372,546.3490101,15713372,546.349010372,546.349010414,928
※『共武政表』の遠江国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の遠江国人口総計は明治5年旧暦1月29日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
駿河国富士郡15751,258.014050153248,772.04610057,975
駿河国駿東郡17353,159.584930165251,960.88200070,608
駿河国安倍郡13021,230.783730125119,427.56985028,308
駿河国有度(有渡)郡11037,548.949050109135,090.98320083,962
駿河国庵原郡8722,275.93270083221,740.18780048,379
駿河国志太郡13654,340.92840012853,141.88600067,851
駿河国益津(益頭)郡3612,139.97200036211,912.90100016,296
駿河国合計829251,954.16486079910242,046.455950373,379
駿河国不一致00.000000000.0000000
駿河国総計829251,954.16486079910251,782.795400242,046.455950373,379
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(25万1918石9斗6升4合4勺5才)の駿河国の石高総計は全て異なる。
※『共武政表』の駿河国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口37万2674人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
甲斐国山梨郡14779,555.638700140178,019.23920072,741
甲斐国八代郡18168,037.682750151166,603.55779070,588
甲斐国都留郡10721,637.765500107321,339.52550067,311
甲斐国巨摩郡337142,954.0899002621141,622.011000152,333
甲斐国合計772312,185.1768506606307,584.333490362,973
甲斐国不一致00.000000000.0000000
甲斐国総計772312,185.1768506606307,584.333490307,584.333490362,973
※『郡村石高帳』の甲斐国石高は、外に貫高3貫500文(巨摩郡)。
※『共武政表』の甲斐国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の甲斐国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
伊豆国君沢郡7122,970.86769070153.87810022,916.98959030,474
伊豆国田方郡6925,835.4745407046.23700025,789.23754022,272
伊豆国加茂(賀茂)郡12830,642.909130126135.12546030,607.78367067,113
伊豆国那賀郡174,587.957000177.7150004,580.2420009,820
伊豆国合計28584,037.2083602832142.95556083,894.252800129,679
伊豆国不一致00.000000000.0000000
伊豆国総計28584,037.208360283283,894.25280083,894.252800129,679
※『郡村石高帳』と『日本地誌提要』の伊豆国の町村数総計には、郡が設置されていなかった伊豆七島(『日本地誌提要』によると、大島5村、利島1村、新島2村、神津島1村、三宅島5村、御蔵島1村、八丈島5村、小島2村、青島2村、合計24村)、小笠原島(『日本地誌提要』によると、父島3村、母島1村、合計4村)が含まれない。また伊豆七島、小笠原島は一般に無高とされていた。
※『郡村石高帳』の伊豆国の国郡別石高は過高142石9斗5升5合5勺6才を含む。過高加算前の国郡別石高は『郡村石高帳』、『共武政表』、『地理局雑報』の石高と一致する。
旧国過高加算前石高過高過高加算後石高
伊豆国君沢郡22,916.98959053.87810022,970.867690
伊豆国田方郡25,789.23754046.23700025,835.474540
伊豆国加茂郡30,607.78367035.12546030,642.909130
伊豆国那賀郡4,580.2420007.7150004,587.957000
伊豆国総計83,894.252800142.95556084,037.208360
※『共武政表』の伊豆国人口総計は、明治7年1月1日調本籍人口15万1774人より明治6年1月1日調の伊豆七島の口2万1791人(『日本地誌提要』によると、大島4460人、利島235人、新島2550人、神津島1445人、三宅島2790人、御蔵島239人、八丈島9423人、小島396人、青島253人)、波津島人口285人(『日本地誌提要』によると賀茂郡に含まれる)、小笠原島人口42人(『日本地誌提要』によると、父島38人、母島4人)を減じた値12万9656人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
相模国足柄上郡9835,074.4482609435,074.44826031,301
相模国足柄下郡9230,561.28810086130,561.28810046,051
相模国大住郡11966,244.425560115266,244.23190055,680
相模国淘綾郡208,108.4166601918,108.41666013,084
相模国愛甲郡4326,265.22507042126,252.01207025,748
相模国津久井郡2912,421.2702503012,421.27025019,881
相模国三浦郡7824,457.49530077324,457.49530062,052
相模国鎌倉郡8931,475.90219085231,475.90219037,985
相模国高座郡11055,168.260580111155,168.26058068,140
相模国合計678289,776.73197065911289,763.325310359,922
相模国不一致00.00000000-60.0000000
相模国総計678289,776.73197065911289,844.162310289,703.325310359,922
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(28万9700石2斗2升5合3勺1才)の相模国の石高総計は全て異なる。
※『郡村石高帳』の相模国の国郡別石高は過高13石4斗6合6勺6才(大住郡、愛甲郡)を含む。過高加算前の国郡別石高は『共武政表』の石高と一致する。また外に永高1122貫371文8分(鎌倉郡)。
旧国過高加算前石高過高過高加算後石高
相模国大住郡66,244.2319000.19366066,244.425560
相模国愛甲郡26,252.01207013.21300026,265.225070
相模国総計289,763.32531013.406660289,776.731970
※『共武政表』の相模国石高は、外に永高1322貫371文8分(鎌倉郡)。
※『共武政表』の相模国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口35万9598人とほぼ等しい。
[81059] 2012年 7月 10日(火)00:40:53YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (1)
[[80384]][[80385]]で、明治5年の石高について簡単にまとめましたが、今回『郡村石高帳』記載の郡別石高について一通り纏めることが出来たので、紹介します。

今回紹介する『郡村石高帳』とは、東京大学史料編纂所所蔵の手書きのものです。史料には
明治六年六月以租税寮蔵本膀写峻功
との記載があり、写本が作成されたのが、地租改正の始った年である明治6年の6月。つまり書き記されている石高は、明治5年度終了時点での、地租改正前の最後の地租であると推測されます。

実は全く同じ『郡村石高帳』というものが一橋大学の経済研究所付属社会化学統計情報研究センターにあります。こちらの史料についても内容を確認したところ、一橋大学所蔵のものは、総理府統計局図書館所蔵の『郡村石高帳』のコピーを取った複製品であることが分かりました。そこで東大史料編纂所所蔵の『郡村石高帳』と一橋大学所蔵の『郡村石高帳』(即ち総理府統計局所蔵のもののコピー)を実際に手にとって比較したところ、東大史料編纂所所蔵のものには朱書きによる修正が沢山入っているのに対し、一橋大学所蔵のものは修正が入っておらず、時系列的には一橋大学所蔵のものに修正を入れたのが東大史料編纂所所蔵のもので、情報量は東大史料編纂所所蔵のものの方が圧倒的にあることが分かりました。

ところで同じような郡別石高が、菊地利夫『続・新田開発―事例編』古今書院(1986年)にも載っています。この石高は、様々な辞書でも引用されているもでもありますが(例えば江戸と座敷鷹のサイトで引用されている石高は、元をただせば菊地氏の著作から)、
この統計の原本は内務省地誌課が正保郷帳・元禄郷帳・天保郷帳と明治六年の郷村石高帳を筆写した記録であり、東京大学史料館に所蔵されているものである。
とのことです。しかしながら、東大史料編纂所所蔵の『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の原本を私が確認したところ、『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の数字は不完全で、数字もどちらかといえば『旧高旧領取調帳』ベースのものを持ってきたと思われます([80385])。

木村礎校訂『旧高旧領取調帳』(1969年~1979年)の石高については過去に[76816][76817][76818][76819][76820][76821][76822][76904]でまとめましたが、これは関東大震災前に芦田伊人が内務省地理局地誌課に存在した原本を書き写したものを校訂したものです。『旧高旧領取調帳』の編纂経過・編纂年は不明ですが、おそらく『皇国地誌』製作事業の過程で製作されたもので、一部内容から明治9年以降に製作されたものとされています。ただ重要なのはその石高が何時のものかということで、旧領時代の史料となると府藩県三治制時代のもので、地租改正直前最後の明治5年の石高よりも数年前の状況を表しているものと推測されます。

[80384][80385]でもまとめましたが、『郡村石高帳』と同系列の石高を記しているものとして、『明治八年共武政表』(1875年)『日本地誌提要』(1875年)「大日本石高反別古今比較表」『地理局雑報』(8号)(1878年)があります。『日本地誌提要』は
戸数人口共ニ戸籍寮明治六年癸酉ノ表簿ニ据リ、田圃租税ハ其前年ノ数ニ係ル
『地理局雑報』は、
石高ハ明治五年郡村地租帳
と記述していることからも、『郡村石高帳』の石高が明治5年調であることが示唆されます。

さて、『明治八年共武政表』は明治一桁代の郡別人口(その多くは明治6年1月1日調本籍人口)を伝える数少ない史料です。一方『日本地誌提要』は明治7年頃の郡別町村数を記載していますが、その数は『郡村石高帳』の村数と大分異なります。『日本地誌提要』によると、
郡数ノ条。村町ヲ挙ゲ。村数ハ本支ヲ合計シ区分ハ之ヲ略ス。
とあるので、枝村や町の数を省略している『天保郷帳』や分類の曖昧な『旧高旧領取調帳』のものよりは、『日本地誌提要』の町村数の方がより正確とは思われます。

というわけで今回まとめるのは、『郡村石高帳』記載の村数と石高、『日本地誌提要』記載の村数、町数と石高、『共武政表』記載の石高と人口です。

以下、旧国毎に集計します。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
山城国葛野郡8535,655.4545108035,655.45451027,315
山城国愛宕郡9227,161.2737006127,161.273700257,835
山城国宇治郡4615,432.0524303915,432.05243011,330
山城国乙訓郡5225,792.7496005025,792.74960015,537
山城国紀伊郡3327,676.88837024127,676.88837037,421
山城国久世郡4028,420.10236037228,420.10236021,203
山城国綴喜郡6024,963.43900055124,963.43900027,075
山城国相楽郡7937,266.7452008837,266.74520033,730
山城国合計487222,368.7051704344222,368.705170431,446
山城国不一致00.00000000-9,999.999540-10,000
山城国総計487222,368.7051704344222,368.705170212,368.705630421,446
※『共武政表』の山城国石高合計は『郡村石高帳』、『日本地誌提出要』、『地理局雑報』の石高と一致し、『共武政表』の石高総計は誤写と推測される。
※『共武政表』の山城国人口合計は明治6年1月1日調本籍人口(皇族を除く)と一致し、『共武政表』の山城国人口総計は誤写と推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
大和国添上郡15658,233.123980140158,233.12398053,256
大和国添下郡7140,513.95040074140,513.95040038,176
大和国平群郡9031,797.7692008331,797.76920024,419
大和国山辺郡16149,131.41075014849,131.41075033,763
大和国宇陀郡11833,947.189100139133,947.18910025,794
大和国式上(城上)郡5722,711.8037005622,711.80370019,653
大和国式下(城下)郡4827,171.3380005327,171.33800014,410
大和国十市郡7042,455.3966308542,455.39663025,022
大和国広瀬郡3718,518.1890003418,518.18900013,368
大和国葛上郡7124,570.80800062124,570.80800019,740
大和国葛下郡8842,328.2830008642,328.28300033,920
大和国高市郡12841,756.66520012141,756.66520033,734
大和国忍海郡225,577.459000205,577.4590002,811
大和国宇智郡6918,388.7831006318,388.78310017,109
大和国吉野郡24646,584.067700325145,584.06770067,780
大和国合計1,432503,686.2367601,4895502,686.236760422,955
大和国不一致00.000000000.000000-20,000
大和国総数1,432503,686.2367601,4895502,686.236760502,686.236760402,955
※『郡村石高帳』の大和国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致し、『共武政表』の大和国石高総計は『日本地誌提要』の石高と一致する。
※『共武政表』の大和国人口合計は明治6年1月1日調本籍人口42万3004人とほぼ等しく、『共武政表』の大和国総計は誤写と推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
河内国茨田郡9738,222.96400069238,222.96400030,295
河内国交野郡6223,620.9025003923,120.90250021,092
河内国讃良郡4115,369.09000034115,369.90000013,910
河内国河内郡4216,095.4927002816,095.49270016,499
河内国若江郡7140,188.64330064140,188.55330027,873
河内国高安郡235,973.110000145,973.1200006,147
河内国渋川郡4223,134.19730033123,134.19730012,978
河内国大県郡184,717.102000114,717.1020004,647
河内国志紀郡2713,113.2693002213,113.26930010,323
河内国丹北郡5323,820.7770004523,820.77700020,154
河内国石川郡5425,140.21400046125,161.70100022,662
河内国錦部郡7118,204.8831004918,205.38310015,471
河内国安宿部(安宿)郡42,584.850000412,585.0500002,585
河内国丹南郡5122,573.2708005222,173.27080020,009
河内国八上郡1513,078.5500001113,078.5500006,117
河内国古市郡177,281.2712001317,281.7202006,910
河内国合計688293,118.5872005348292,241.953200237,672
河内国不一致00.00000000903.531000906
河内国総計688293,118.5872005348293,118.587200293,145.484200238,578
※『郡村石高帳』の河内国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致し、『共武政表』の郡別石高には様々な誤写があると推測される。
※『共武政表』の河内国人口合計23万7672人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口23万7678人とほぼ等しく、『共武政表』の人口総計は計算間違いと推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
和泉国大鳥郡15451,548.055000103251,491.34600081,089
和泉国泉(和泉)郡10431,037.62190082130,958.60190030,665
和泉国南(泉南)郡7636,833.14580073236,828.75080043,622
和泉国日根郡8256,771.95340075256,356.46740054,202
和泉国合計416176,190.7761003337175,635.166100209,578
和泉国不一致00.000000000.00000090,000
和泉国総計416176,190.7761003337176,190.776100175,635.166100299,578
※『郡村石高帳』の和泉国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の和泉国人口合計20万9578人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口20万9174人とほぼ等しく、『共武政表』の和泉国人口総計は誤写と推測される。

村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
摂津国島上郡9332,603.95120060232,597.73020024,685
摂津国島下郡14357,338.492300103257,399.66630035,350
摂津国豊島郡16231,656.67270087131,656.67270029,136
摂津国有馬郡11545,986.91140094245,986.91140032,010
摂津国八部郡5319,658.07840038219,658.07840050,455
摂津国兎原(菟原)郡6113,970.2940005113,970.29400024,538
摂津国武庫郡6023,759.55620056123,759.55620028,777
摂津国川辺(河辺)郡21767,186.241800178267,186.24180064,278
摂津国西成郡18154,054.030000124253,969.238000343,227
摂津国東成郡7736,744.27500058136,699.12500061,916
摂津国住吉郡6920,821.24280056220,761.91680025,147
摂津国能勢郡5412,742.1900004012,742.19000011,424
摂津国合計1,285416,521.93580094517416,387.620800730,943
摂津国不一致00.00000000416,387.6208000.0000000
摂津国総計1,285416,521.93580094517416,387.620800416,387.620800730,943
※『共武政表』の摂津国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の摂津国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
伊賀国阿拝郡6945,304.53500068145,304.53500049,839
伊賀国山田郡2517,775.1898002617,775.1898009,807
伊賀国伊賀郡5030,298.5674005130,298.56740021,639
伊賀国名張郡3817,539.67420043117,539.67420015,905
伊賀国合計182110,917.9664001882110,917.96640097,190
伊賀国不一致00.000000000.0000000
伊賀国総計182110,917.9664001882110,917.966400110,917.96640097,190
※『共武政表』の伊賀国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の伊賀国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。
[81018] 2012年 7月 1日(日)18:35:57【1】YT さん
明治8年、明治11年、明治12年、明治13年共武政表
陸軍参謀局が編纂した『共武政表』ですが、とうとう全巻を近代デジタルライブラリーで閲覧可能となっていました。

『明治八年共武政表 上』

『明治八年共武政表 下』

『明治十一年共武政表 全』

『明治十二年共武政表 上』

『明治十二年共武政表 下』

『明治十三年共武政表 上』

『明治十三年共武政表 下』

明治11年、明治12年、明治13年の『共武政表』に記載されている本籍人口は、実際にはそれぞれ明治12年1月1日調、明治13年1月1日調、明治14年1月1日調です。

以前から閲覧可能だった『明治八年共武政表』と異なり、これら三年分の『共武政表』はそれぞれの地方についてはるかに詳しい内容を含んでいます。是非皆さんも確認してください。
[81011] 2012年 6月 30日(土)01:05:50【1】YT さん
「国際戦略港湾」「国際拠点港湾」「重要港湾」と「地方港湾」
[81010] hmtさん
田尻町の本土側と 関空島との間の海域。ここには水上生活者は居ないと思います。
つまり、[81009]に引用された省令第一条第4項各号に該当せず、水面調査区ではないということです。

自分はずっと関西国際空港の陸側に向けて作られた泉州港は

一  港湾法 (昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第二項 に規定する国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾の同条第三項 に規定する港湾区域

に相当するため、水上生活者の有無に関わらず自働的に水面調査区が設置されるものと思ってました。ところがhmtさんの書き込みを読み、改めて大阪府の港湾を調べたところ、どうも泉州港は「国際戦略港湾」「国際拠点港湾」「重要港湾」の何れにも相当しない「地方港湾」だったようです。

大阪府の港湾港湾法の規定市町村
大阪港国際戦略港湾大阪市
堺泉北港国際拠点港湾堺市・泉大津市・高石市
阪南港重要港湾泉北郡忠岡町・岸和田市・貝塚市
二色港地方港湾貝塚市・泉佐野市
泉佐野港地方港湾泉佐野市
尾崎港地方港湾阪南市
淡輪港地方港湾泉佐野市・泉南郡田尻町・泉南市
深日港地方港湾泉南郡岬町
泉州港地方港湾泉南郡岬町

そうなってくると・・・関空と陸側の一部工場地帯を一個の特別調査区としたとかでしょうか?調査区地図の方は、統計図書館に出向かない限り確認しようがないので、ハードルが高いようです。
http://www.stat.go.jp/training/toshokan/micro.htm
[81009] 2012年 6月 29日(金)17:06:03【2】YT さん
水面調査区
[81008] hmtさん

関西国際空港連絡橋を経由しないと往来できない 田尻町や泉南市でも 「隣接」扱いですから、既存の2トンネルに加えて東京ゲートブリッジ[80265] が開通した中央防波堤埋立地も、当然に 23区と隣接した 人口集中地区ということになります。

同じように、1975年、1980年、1985年の北九州市若松区DIDは、八幡西区DIDや戸畑区DIDと隣接してません。それにもかかわらず「北九州連合集中地区」として同一の人口集中地区とされています。

この問題の本質は、「水面調査区」が地図上に図示されてないことによると思います。

昭和45年度版の『わが国の人口集中地区』の「利用上の注意」によると、人口と面積に関して:

(1) 人口集中地区に含まれる水面調査区の人口は,原則として人口集中地区の人口のなかに参入されていない。ただし,市区町村の全域が人口集中地区に相当する場合は,水面調査区の人口も当該人口集中地区の人口に含めた。

(中略)

(2) 人口集中地区に含まれる水面調査区の面積は,原則として人口集中地区の面積のなかに含めたが,港湾に設定された水面調査区の面積は,当該人口集中地区の面積から除外した。

つまり地図上では空白となっているが、その部分には「港湾に設定された水面調査区」が存在していることになります。

現在の国勢調査の調査区の設定の基準等に関する省令によると、

第一条  国勢調査令 (以下「令」という。)第八条第一項 の規定による調査区の設定は、市町村の区域を一般調査区、特別調査区又は水面調査区のいずれかに区分して行うものとする。

4  水面調査区は、総務大臣の定める方法により、次に掲げる区域を区分して設定するものとする。
一  港湾法 (昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第二項 に規定する国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾の同条第三項 に規定する港湾区域
二  港湾法第二条第二項 に規定する地方港湾の同条第三項 に規定する港湾区域又は漁港漁場整備法 (昭和二十五年法律第百三十七号)第二条 に規定する漁港の水域(前号の国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾に指定されている漁港の水域にあつては港湾区域に該当する水域を除いた水域)で居住者の存するもの
三  河川又は運河の河口及びその周辺水域で居住者の存するもの(前二号に該当するものを除く。)

ともかく「港湾に設定された水面調査区」と「準人口集中地区」に関する地図が入手できれば、[80928]で示したようにDIDを拡張し、人口集中地区・準人口集中地区が港湾に設定された水面調査区をはさんだ分を含めてひたすら隣接した地域の人口・面積の計算も出来るのですけど・・・

【追記】 そういえば[271]で、個々の人口集中地区,準人口集中地区について昭和35年から平成17年までの変遷をまとめて下さったsatoさんは、今どうしていらっしゃるのでしょう?そもそもsatoさんはどうやって準人口集中地区の情報を得たのでしょうか?

 また,準人口集中地区の境界を表示した地図は,本報告書には収録されていないが,総理府統計局に保管され,所定の手続きにより,一般の利用に供されている。

とあるのですが、この所定の手続きは楽なんでしょうかね?

あと、改めてDIDの定義の文([81006])を見返すと、どこにも水面調査区への言及がないですね。
(1) 広大な工場地域・鉄道用地・港湾施設・飛行場等のある特別調査区および社会施設など特殊な施設のある特別調査区。
港湾施設を形成する特別調査区・水面調査区の内、特別調査区のみをDIDに加えるというのは、定義として間違ってないんでしょうけど、「利用上の注意」まで読み進めて初めて「水面調査区」の言及がある。どうも定義の文に不備がある感じがします。
[81006] 2012年 6月 29日(金)02:14:42【1】YT さん
DIDの定義 再び
[80994] 白桃さん
それではと、7割1分3厘というYTさんの驚異的な数字を見て、やっとヒト安心。
人口の話題ばっかり書き込んでいるYTです。最近は過去の市町村別人口のまとめをそっちのけにして、正保郷帳、明治初期の石高にばかり気を取られていて、近い将来にそっちの投稿をする予定です。それはさておき・・・

[81003] hmtさん

東京の中心部にある千代田城一帯は、人口が極めて少ない地区だと思うのですが、なぜ DIDに含まれているのでしょうか?

羽田空港も巨大な人口希薄地帯の筈ですが、これもDID。
それどころか、所属する区が未定の中央防波堤埋立地までもピンクに着色されています。

この辺の例外については、総務省統計局が毎回出版している『我が国の人口集中地区』の方で詳しい解説があります。総ての回の定義部分をコピーして自分の手元に所持しているわけではないので、正確なことは書けませんが、以下は昭和45年版でのDIDの定義です。

2 設定の基準

 人口集中地区は,「市区町村の区域内で人口密度の高い調査区がたがいに隣接して,その人口が5,000人以上となる地域」をいう。
 今回の人口集中地区は,昭和45年国勢調査調査区を基礎単位地域として設定された。すなわち,昭和45年国勢調査調査区(調査区は,調査員の受持ち区域のことで,1調査区は約50世帯を含み,全国が約8万の調査区に区分されている。)のうち,原則として,人口密度の高い調査区(人口密度1平方キロメートルあたり約4,000人以上の調査区)が市区町村内でたがいに隣接して,人口(昭和45年国勢調査時現在)5,000人以上の地域を構成する場合,この地域を「人口集中地区」とした。
 また,これら人口密度の高い調査区につぎのような調査区が隣接している場合には,人口密度に関係なく,これを人口密度の高い調査区が集まっている地域に含めた。
(1) 広大な工場地域・鉄道用地・港湾施設・飛行場等のある特別調査区および社会施設など特殊な施設のある特別調査区。
(2) 学校・研究所・都市公園・神社・仏閣・運動場等の文教レクリェーション施設,工場・倉庫・事務所・鉄道用地等の産業施設または官公庁・病院・療養所等の公共および社会福祉施設のある地域が,原則として調査区の3分の1以上の面積を占めている調査区。 なお,同一市区町村内に2か所以上の人口集中地区が存在する場合は,人口の多い順に,I,II,III……の符号でそれぞれの人口集中地区を表した。

この頃は、まだ「基本調査区」が導入される前で、一般調査区、特別調査区、水面調査区などの「国勢調査調査区」が基本単位でした。そのため例外(2)では、調査区の3分の1以上の面積が例外施設で占められている調査区がDIDに含まれていましたが、1995年以降の「基本調査区」の設置で基本単位が狭くなり、そのために2分の1に基準がゆるくなったのでしょう。また昭和45年の定義だと皇居は例外(1)に相当する「社会施設など特殊な施設のある特別調査区」となります。現在の定義では例外(1)が残ってるのかは分かりませんが、ウェブ上ではなくて実際に最新の『我が国の人口集中地区』をチェックした方が確実でしょう。

都内であれば、『我が国/わが国の人口集中地区』シリーズは港区にある都立中央図書館で閲覧可能です。ただ書庫内から取り寄せないといけないので、そこよりも東京大学弥生キャンパスの農学生命科学図書館を薦めます。館内の2階には日本帝国統計年鑑の初巻や、一連の国勢調査報告書が揃っており、一度入館すれば煩雑な手続きなしに膨大な数の統計書を閲覧できます。
[80936] 2012年 6月 4日(月)13:59:53【1】YT さん
初期のDIDの定義
[80934] 千本桜 さん

例えば山梨県韮崎市のDID人口は昭和35年に4,070人、昭和40年に3,479人となっています。5,000人以上という規定を大きく下回っています。しかも、35年、40年の2回とも下回っているのは、やっぱり変ですね。昭和40年の調査で規定人口を大きく下回っているDIDとして、山梨県韮崎市3,479人、佐賀県厳木町3,565人、群馬県安中市4,401人、徳島県鴨島町4,490人、富山県福野町4,555人、北海道歌志内市4,593人などがありますが、これもやはり,『人口集中地区の設定に当たって,昭和40年国勢調査人口ではなく,昭和39年10月1日現在の調査区設定時の推定人口を用いたためである。』となるのでしょうか?。

当時の人口集中地区の定義を見る限り、韮崎市のケースなどは、前年度作成の世帯人員概数の算出が妥当で無かったとしか言えないですね。

総理府統計局編『わが国の人口集中地区 : 昭和35年国勢調査による人口集中地区の人口,面積,および地図』(日本統計協会,1961年)によると、

 人口集中地区は,昭和35年国勢調査調査区を基礎単位地域として設定されている。すなわち,昭和35年国勢調査調査区(1調査区は,約50世帯を含み,全国が446,512の調査区に区分されている。)のうち,原則として,人口密度の高い調査区(人口密度1平方キロメートルあたり約4,000人以上の調査区)が市区町村内でたがいに隣接して,昭和34年10月1日現在,人口5,000人以上の地域を構成している場合,これらの調査区の集まりを「人口集中地区」として設定した。

1. 人口集中地区は,昭和34年10月1日現在作成の「昭和35年国勢調査調査区一覧表」の世帯人員概数にもとづいて設定されているので,昭和35年10月1日現在では,設定基準の人口5,000人に達しない人口集中地区が若干ある。


総理府統計局編『わが国の人口集中地区 : 昭和40年国勢調査』(日本統計協会,1966年)によると

 人口集中地区は,昭和40年国勢調査調査区を基礎単位地域として設定された。すなわち,昭和40年国勢調査調査区(1調査区は,約50世帯を含み,全国が約49万の調査区に区分されている。)のうち,原則として,人口密度の高い調査区(人口密度1平方キロメートルあたり約4,000人以上の調査区)が市区町村内でたがいに隣接して,昭和39年10月1日現在,人口5,000人以上の地域を構成している場合,これらの調査区の集まりを「人口集中地区」として設定した。

1. 昭和40年国勢調査の人口集中地区は,昭和39年10月1日現在作成の「昭和40年国勢調査調査区一覧表」の世帯人員概数に基づいて設定されているので,昭和40年10月1日現在では,人口5,000人に満たない人口集中地区が若干ある。

総理府統計局編『わが国の人口集中地区 : 国勢調査報告 昭和45年 別巻』(日本統計協会,1972年)によると

 人口集中地区は,「市区町村の区域内で人口密度の高い調査区がたがいに隣接して,その人口が5,000人以上となる地域」をいう。
 今回の人口集中地区は,昭和45年国勢調査調査区を基礎単位地域として設定された。すなわち,昭和45年国勢調査調査区(調査区は,調査員の受持ち区域のことで,1調査区は約50世帯を含み,全国が約8万の調査区に区分されている。)のうち,原則として,人口密度の高い調査区(人口密度1平方キロメートルあたり約4,000人以上の調査区)が市区町村内でたがいに隣接して,人口(昭和45年国勢調査時現在)5,000人以上の地域を構成する場合,この地域を「人口集中地区」とした。

(2) 昭和40年の人口集中地区は,今回と異なり,昭和39年10月1日現在で作成の「昭和40年国勢調査調査区一覧表」の世帯人員概数に基づいて設定されているので,昭和40年の人口集中地区のなかには,人口5,000人に満たないものもある。

連合集中地区、準人口集中地区の設置も昭和45年の国勢調査からで(連合集中地区人口は昭和35年に遡って昭和45年版に掲載されている)、昭和35年・昭和40年の国勢調査の時と設置基準が少しだけ変わったことになります。

まあそれとは別に、

 また,準人口集中地区の境界を表示した地図は,本報告書には収録されていないが,総理府統計局に保管され,所定の手続きにより,一般の利用に供されている。

こちらの方はもっと楽に閲覧できないのでしょうかね?
[80928] 2012年 6月 2日(土)18:56:38【1】YT さん
DIDの定義 【訂正】
[80922] 白桃 さん

---ここで話を中断してすみませんが、昔の国勢調査資料をみてますと5000人に満たないのに、DIDになっているところがかなりあります。これは今と定義が違っていたのか、それとも準人口集中地区をも含めていたのか、詳しい方、お教えください。----
それはそれとして、不思議だったのは古座町のDIDの在り処です。

今手元に『我が国の人口集中地区』がないので正確な解説は書けませんが、確か当初は速報値だったか住基人口だったかをもとに人口集中地区を設置したため、国勢調査人口が確定した後、DID人口が基準値を下回ってしまう場合があるという註釈があったと思います。

というか、今はこういうサービスもあるんですね。
http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/jpgis/datalist/KsjTmplt-A16.html

その昔某所でこういう試算をしたことがありますけど、今ならもっと楽ですね。
http://mimizun.com/log/2ch/geo/1078037542/104-180

【追記】自宅に帰ってからDIDに関する文書を見返したところ、上の暫定人口・住基人口というのは間違いで、以下の理由によるものでした。

『昭和35年国勢調査の人口集中地区の中には,5,000人に満たないものもあるが,これは,人口集中地区の設定に当たって,昭和35年国勢調査人口ではなく,昭和34年10月1日現在の調査区設定時の推定人口を用いたためである。』


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