いつもの通り、十番勝負の感想文を書かせていただきます。
今回から実施期間が10日間に短縮され、スピード勝負となった上、実施期間が2度の連休を挟む期間となり、後半に一泊二日の遠出を入れていたことと、「一部に想定解が少なめの問題が出る」と予告されていたこともあり、こうした「売り切れの危険がある問題」は序盤のうちに片づけておかないと厳しい、ということを覚悟の上で臨むこととなりました。
今回も、前回と同様に出題時に想定解数の提示がなく、共通項がつかめなかったため、やはりこのところ取り続けている「最初は模様眺め」の戦術を採ることになりました。
では、解答できた順に。
問七~明治は遠くなりにけり~
答えの出方から、「植物に関係ありそうだ」と薄々見当がついていましたが、第一回採点が出て「やはりそうだった…」と。境界線がどこにあるのかつかめていませんでしたが、想定解が100市もあり、「雑学」にあった「植物名の付く区市町村」を開くと、植物名そのものだけでなく「木、林、森、草、花」など「植物用語も含む」、ということではないかと、ざっと数えて納得。「ご当地」の2市に付いている「豆」も仲間に入るので、このどちらかで十万石を狙うことも考えましたが、ここは領地奪還を目指し、「意外なところにDIDがある」(
[97530] 千本桜さん)、石ノ森章太郎氏の故郷・登米市を。
蛇足ですが、区町村ヒントで出た「菖蒲町」。既に消滅した町を挙げるのは反則ではないでしょうか。植物名の付く区や町村には、すぐに思いついただけでも、杉並区・葛飾区・松島町…など、いくらでもあるのですが。
…結局、ノーヒントで答えられたのはこの1問だけでした。
問四~象潟の雨に西施がねぶの花~
ここは既に解答のペースが速く進んでいましたが、ここまでの流れから「これは過去問にあったな」と…。第28回・問一「日本の渚百選」。この時出てきた答えとほとんどその大半が一致しており、内陸の湖畔にある諏訪市が入っていたのも同じ。たが、想定解が74市と、第28回の時(78市)と食い違っている。ここまで誰も「疑問」と思うような書き込みがなかったので黙っていましたが、「どうも参考にしたデータが違うのでは」ないか。前に出た時と同じなら、その後市になった大網白里市を加えた79市ではないか。結局、訂正が出たので氷解しましたが。
選んだのは、ここも領地奪還を目指し、今は往時とは景色が変わってしまった、芭蕉ゆかりの景勝地があるにかほ市。
問九~田子の浦に打ち出でて見れば白妙の~
第二ヒントが出て「昔の名前…」。ここまでの答えの流れから、「旧郡名と一致」、土佐市がNGなのは「土佐郡と無関係の旧町村から成る」ことか。前回領国を奪われ、「捲土重来を期す」(
[104735])と誓った富士市を1場所で取り返し。これで、3問連続で領地奪還となりましたが、これは「市盗り」導入後初めてのことでした。
問一~伊東に行くならハトヤ、電話は4126~
こちらもお題と答えの流れから、球場・高校野球の強豪校・名選手…と、「野球」に関係ありそうだ、と方向性はつかめていましたが、甲子園の常連・松商学園があり、プロ野球の試合が行われたこともある松本市がNGになるなど、いまいち線引きが分からない。結局決め手になったのは、町村ヒントにあった奈良県三宅町のHPを何気なく見ていると
日本野球聖地・名所150選に認定されました
というのがニュースのページにあり、リンク先に「野球伝来150年特設サイト」が出ている。そのページを開くと「
聖地・名所150選」があり、これまで出てきた正答も全て載っている。お題にあった、「迷彩」を成していた南砺市は、旧福光町に集中するバット生産工場(私は、半世紀近くも前、佐久間英氏の「お名前風土記」という本の中、富山県のページの中で「全国のバット生産の8割が福光町で作られている」といったことが書かれていたことで知っていた)。そして表の中から見つかったのが、伊東スタジアム跡。
プロ野球も東映【現・北海道日本ハム】が18年間春季キャンプを行い、1979年秋には長嶋茂雄監督の下、巨人の若手が地獄のキャンプを行ったことでも知られる
伊東市を答えたのは、第47回・問十以来、14大会ぶりでした。
問二~丘で眺めりゃ稲穂が揺れる~
お題を見て、県境にある市、それも東京から見て近い側にある市が並んでおり、最初「東京駅からその県内に列車で最初に到着する市」かな、と見たのですが、浜松や長野が正答になっていて振り出しに。次いで、区町村ヒントで「該当なし」と出たので、やはり「市盗り」関係かと見たのですが、領主がまだ不在のさいたま市がOKになっていたため「これではない」とそこで行き詰まり。第二ヒントが出て、「県境越えで通勤・通学者が県内最多」と見当がついたものの、国勢調査の最新データを開こうとすると「保護データが開けません」と出てきて、開くためのツールは検索して出てきたものの、操作するのに時間がかかりそうでまたも行き詰まり。正答を見ると、県境に接する市に交じって、名古屋・横浜・仙台…と「その県で圧倒的な人口集中がある『大都会』」もいくつか出ている。そこではっと浮かんだのが、「東京都では、やはり『実質・神奈川県』町田市がダントツではないか」。いろいろデータにあたって行くうちに、前回(平成27年)の国勢調査データは開けた。予想通り、町田市が2位以下に大差をつけてダントツ。おそらく最新データでもまず変わらないのではないか」と、ほぼ確信。その町田市がまだ出ていない。前回・第60回の問一に続き、2大会連続で領主の石高積み上げ。
問八~つがる娘は泣いたとさ~
問二と同様の理由で、最新の国勢調査データが開けず苦戦した問題でした。過疎、人口が大きく減っていそうな市が並んでおり、その方面の共通項かとまず思いましたが、データを開くとどうも違いそうだ。ようやく第二ヒントを解いて、「今日は何の日」。その日はちょうど敬老の日に当たっていて、「高齢者の比率」か、と見た。でもやはり国勢調査の最新データが開けない。そこで何とか手掛かりをつかもうとして、都道府県ごとの高齢化率(・ランキング)をネット検索してみると、いくつかの県のデータがヒットした。でも、そのデータの時点が国勢調査の時のものと、最新の県独自の集計のものがあったりして、混乱する。結局、答え選びに使ったのが、まだ答えが出ていなかった、青森県のデータ。国勢調査の時のデータであり、「まず間違いない」として、最高値になっている、4年前の夏、縄文遺跡を見て、農村集落の中の
一軒宿の温泉旅館に泊まったつがる市(
[96355],
[96376])を。実はその時点ではSVの意味が分からず、答えた後で「平均年齢(が高い)」ほうか、と思ったのですが、その平均年齢でも最高値になっており、これで正答を確信したのでした。
問六~名さえゆかりの小山田三つ葉~
今回想定解数が最も少ない上、お題が2市・NGが1市とこちらも少なく、しかも7日目にあたる22日から一泊二日の遠出を予定したため(道中記は後日書きます。でも天気が…)、「その前までに答えないと売り切れになって、連続完答記録が途切れる」という恐怖と常に向かい合わせという厳しい闘いでした。第二ヒントは「戸田市はもうすぐ」と解けたものの、何が「もうすぐ」なのかわからず、その次のSVを拡大して見ると、中央に雑居ビルの看板がある。並んでいる店の看板のどれなのか、しばらく考えているうちに、ふと「翡翠」の文字が目に留まり、その「翡翠」の字には、宝石のヒスイのほかに、鳥の名の「カワセミ」の意味もあることを思い出す。最近、「市のシンボル」が話題になったこともあり、「市の鳥がカワセミ」ではないか。そこで「市町村のシンボル」のページを開くと、町田市の市の鳥がカワセミ、とある。「そういえばそうだったな、『かわせみ号』というコミュニティバスか何かもあったな」と思い出す。戸田市の意味は、10月1日付で制定(
[105334] ピーくんさん)だからと分かる。これで、問二に続いてこれで2度目の町田市解答、領国「小山田城」の石高を14万石に、東京都の総領主石高も52万石に積み上げ。
これで、最難関を無事乗り越え、残る3問は想定解が70~100台と多く「売り切れ」の心配がないものばかり。万一答えられなくても、「旅先から戻ってくる2日の間で間違いなく行ける」と余裕ができたのでした。
問三~富士の高嶺に雪は降りつつ~
第二ヒントは「表記が一致」と解けたものの、何が一致するのが不明、その次のSVはただ田んぼの中の信号もない十字路。その画像を前方に進めると、新幹線の「越前たけふ」駅が見えてきましたが、「鉄無し」の土佐清水市が出ていたこともありその方向でないことは一目瞭然。ようやく第四ヒントが出て「車が集まる」と解け、まず高速道のSA・PAなどをあたったものの、土佐清水市には高速道・有料道が通っておらず、ふと「道の駅」では、と思い立ち、その道の駅関係のサイトをいくつか見ていると、「表記が一致」とは市名ズバリのほかに「市名と同表記の名称が入っている道の駅」も対象かな、と判断。ここは領主に復帰したばかりの富士市をもう一回。
ところで、意味不明だったSVの「越前たけふ」ですが、実は道の駅は開業が予定より遅れて現在も未開業だった(
[105859] Nさん、他)、ということだったのは、データを鵜呑みにした、出題者の調査不足だったのでしょうか?
問五~面白うてやがて悲しき鵜舟かな~
第一ヒントは「比較的若い」と読んで、「高齢化都市」の問八と対極か、と思ったものの、どうも違いそうだ。SVを見ると「四十九」の文字が見え、そこが境界線では、と見えたものの確信はできず。第四ヒントまで来て「市長の年齢」と解ける。そこで、「若年で就任した市長」のページと対比すると、どうやら「就任時ではなく現時点での年齢」「現在49歳以下」か、と見た。ここで再び「若年市長」のページに戻って、確実なところを探すことに。結局選んだのは、現市長の柴橋氏が4年前に38歳で就任、今年2月に再選し現在43歳の、未解答だった県庁所在地・岐阜市。
ちなみに、伊賀鉄道にできた「四十九」という名の駅については、
[95587]で書き込んでいました。
問十~七つの星も呼んでいる~
これも第四ヒントまで来てようやくわかった問題でした。これまでの解答とNGの市から判断して、「お互いに人口の差が9人以下」。データベース検索から人口順に並べ、当たって行くことに。いろいろ考えましたが、最終的に選んだのは、問八で答えたつがる市を訪れた時の道中で、新幹線で降り立ち、そして乗った北斗市でした。
ところで、第一ヒントに出ていた、春の連休で訪れた大河ドラマゆかりの「ご当地」の市。異例な「市」のヒント、想定解なのかと思ったら、市の人口ランキングから見ると明らかに非該当。実は「町村を含めたランキングだと9人差以内の範囲に入る」(
[105855]) ということだったということですが、やはり「誤解を与える」ということもあり、「反則」ではないでしょうか。「町村で該当する(組み合わせ)」を例示するのであれば、
こちらを見ればいくらでもあるはずですが。例えば、群馬県みなかみ町/東京都日の出町(人口が全く同じ)、青森県東北町/愛知県南知多町(3人差で前者の方が多い)、茨城県美浦村/青森県七戸町(1人差で前者が多い)等々…。和歌山県那智勝浦町>(5人差)群馬県板倉町>(8人差)鹿児島県肝付町>(9人差)長崎県佐々町、という「連続」もありました。SCも、画像が不鮮明で拡大してもよくわかりませんでした。
…これで、今回もノーミス完答となり、最終順位は前回より4つ上がって16位。しかしそういう実感がないのが正直なところで、多くの問題で正答順位が20位以下、入賞も前回に続いて無し。総合順位のUPは、各門の難易度が平均し、問題に対する回答者それぞれの得手・不得手のばらつきも微妙に影響していたことからなのでしょうか…。
♭今回の選曲は次の通り。
問七:登米市の旧登米町には、20年ほど前に訪れたことがあり、明治の面影を残す建物が数多く残り「宮城の明治村」の異名があり、昔の学校・警察署や、味噌蔵・薬屋?などの「街角博物館」を見たこと、当時は「軽便」仙北鉄道の旧駅舎が残っていたことを覚えています(
こちらに投稿)。
問四:芭蕉が「奥の細道」で往時の象潟の風景を詠み込んだ一句。その頃は水面に多数の小島が浮かぶ、今の「松島」に似た風景だったのが、のちに地震によって地盤が隆起して陸地となり、今のような地形となったのでした(
[93053] hmtさん)。
問九:山部赤人が詠んだ超有名な萬葉の名歌ですが、こちらは百人一首に採用された、新古今集で改変されたバージョンのほう。
問一:またも超ワンパターン…。子供の頃、耳にたこができるほど聞かされた名CM。
問二:「町田音頭」の4番の歌いだし。
問八:年配の方ならご存じの懐メロより。津軽平野ののどかな田園風景が浮かんできます…。
問六:問二に続き、町田音頭の5番の歌いだし。
問三:問九で選んだ赤人の和歌の、「百人一首バージョン」での下の句。
問五:岐阜市を代表する風物詩「長良川の鵜飼い」を詠んだ名句。
問十:サブローさんの代表曲の2番?の歌いだし。「七つの星」はもちろんどこかの豪華列車ではなく、市名の由来となった北斗星。