都道府県市区町村
白桃研究所長による人口テーマ専門誌

お昼の人口ですよ〜

トップ > 白桃市町村人口研究所 > お昼の人口ですよ〜
記事数=21件/登録日:2012年7月20日

バス旅行中に、ガイドさんから「○○市の人口は・・・」という案内を聞くとき、マニュアルが古くて15年前のデータであったとしても、その人口は通常、国勢調査の常住人口、すなわち夜間人口のことです。
認知、尊重?される夜間人口に対して、冷遇されがち?なのが昼間人口です。とは言いつつ、勤務地や通学地からはじき出された昼間人口は都市の中心性(求心力)を問題にするときには大いに重宝されます。「昼間の人口」とは言っても、ビルの夜警、夜の蝶々さん、アルセーヌ・ルパン氏等々、夜の「仕事」に携われる方はどうなるのだろう?
そんなことはさて置き、昼間人口と夜間人口、どっちが「本当の人口」に近いかな?と悩み続けて60年。週休二日制だから、
本当の人口=(昼間人口×5+夜間人口×2)÷7
と馬鹿げたことを考えた時期もありました。「『中心地』理論」の好きな地理の研究者、出店場所を模索する企業経営者は「昼間人口派」でしょうし、一方、「自治体の区域」に拘泥することのない無関心層にとってはどっちでも良いことでしょう。しかしながら、港区で勤務する川口市在住“埼玉都民”の住民税は埼玉県と川口市に納めなければならないのですから、「どこで働き、どこに住むか」より「いかに暮らしてゆくか」を重視する人も、たまには、夜間・昼間人口のことを考えてみませんか。(我ながら何の論理性も説得力も無いリードに唖然!)
ともかく、夜間人口に対する昼間人口の比率は、中枢都市においては高く、大都市近郊の「衛星都市」においては低い、というのが一般的ですが、札幌市はさほど高くなく、東大阪市が案外高い、など興味津津、勇気凛凛です。
最後に、この特集のネライは、昼間人口比率の高い処を褒めあげ、低い地を貶すことではないことを念のため申し添えます。

★推奨します★(元祖いいね)

記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[4452]2002年11月3日
ニジェガロージェッツ
[4509]2002年11月4日
白桃
[7916]2003年1月19日
白桃
[10909]2003年3月10日
太白
[11759]2003年3月24日
日和
[15996]2003年5月27日
なおき
[16041]2003年5月27日
千本桜
[23691]2004年1月12日
千本桜
[23717]2004年1月12日
YSK
[25741]2004年3月4日
千本桜
[28462]2004年5月20日
千本桜
[34577]2004年10月29日
今川焼
[42965]2005年7月11日
BEAN
[58334]2007年5月5日
白桃
[62686]2007年11月27日
千本桜
[64041]2008年3月16日
oki
[64042]2008年3月16日
oki
[76285]2010年10月2日
右左府
[81019]2012年7月1日
千本桜
[81023]2012年7月2日
白桃
[81027]2012年7月3日
白桃

[4452] 2002年 11月 3日(日)00:14:45ニジェガロージェッツ さん
神戸雑感
[4387]神戸在住のhiroさんから、果たして神戸は「都会」と呼べるか、との問いかけがあり、すぐに茨城県在住の雑魚さんから[4390]で「神戸は都会である」と明確に断言されていました。雑魚さんのように他府県にお住まいで、しかも地理に大変造詣の深い方から「都会」と認めて頂き、神戸っ子の一人として嬉しい限りです。
少し遅れレスになりましたが、1962年以来36年間(とはいっても1962-63年の記憶は当然ない)神戸市長田区に住む私からも神戸について述べさせて頂きたく存じます。
神戸(旧市街地)は南に海に面し、北には急峻な六甲山系が迫り、甚だ東西に広く南北に狭い市街地であるということは広く知られているところです。この奥行きのない云わば直線的な狭い市街地に東からはJR線を中心に北に阪急線、南に阪神線が平行して走り、西からはJR線と山陽電鉄線が平行して走り、他に神戸高速鉄道線、神戸電鉄線、市営地下鉄線が等が走っています。
このため、旧市街地においては大部分の地域が鉄道駅まで徒歩で行ける足回りの良さであるがために、駅から他の交通機関への乗り継ぎの必要性が少なく、それぞれの駅勢圏は狭くなっており、駅前に人が集中しにくい傾向にあります。このことは各鉄道駅の乗降者数が大都市の割りに極めて少ないことにも現れています。この各駅勢圏人口の少ないことが駅前の商業核を相対的に貧弱にさせ、訪れる人や住民が「神戸は都会だろうか?」と疑問に感じることと存じます。

またhiroさんは「神戸三宮ははっきり言って大都市というには程遠いくらい普通の街です。」と仰っていますが、この「普通」の意味するところが解せません。「普通」と言う言葉は聞き手によって如何様にでも解釈しうる言葉で非常に曖昧な言葉なのですが、ここでは恐らく、「普通」にある人口30万人程度の県庁所在地の都心並みの街を意味するのか、また大都市圏内に「普通」にある副都心或いは地域商業核クラスの街を意味するかのどちらかだと推察します。
ここで、人口151万人の神戸市と似た規模の大都市では、185万の札幌市、147万の京都市、137万の福岡市が挙げられますが、札幌、福岡の都心部はそれぞれ北海道地方、九州地方をバックボーンにもった一大中心地を形成しており、近くに大阪を控えた神戸の三宮とは別格ですが、京都の四条河原町と比べて見れば、それほど見劣りがするとは感じません。また、私の知っている人口136万のニジニノヴゴロド市都心の大ポクロフスカヤ街や人口110万のカザン市都心のバウマン街とくらべても何の遜色もありません。
また、現在の神戸の都心といえば三宮地区ですが、これも戦後に始まったことで、戦前の三宮は単に「交通の要衝」ぐらいの位置付けだったそうです。戦前の神戸市の中心だったのは湊川新開地で、数多くの映画館、劇場を擁した大繁華街で、市役所のあった神戸駅北側は行政の中心地でした。それが戦後、新開地地区の一部が米軍キャンプに永く占拠されたことや、赤線の廃止で隣接する福原(ふくわら。「ふくはら」ではない)から遊郭が消えたこと、映画産業の斜陽化もあり神戸の中心は元町、三宮へと東進し、1950年代後半になり「三宮トリオ」と言われた神戸市役所、神戸新聞会館、神戸国際会館(共に1995年1月17日の大震災で全壊)が建設されるにおよび、三宮の都心化が決定付けられました。

さて、一般に都市の優劣は人口でランキングされがちですが、この人口とは当然「夜間人口」のことです。しかし、人口で都会度を測るには「昼間人口」のほうがより実態にちかいと考えられます。
2000年10月1日の国勢調査によれば東京23区および政令指定都市各市の昼間人口は次の通りです。

都市名昼間人口夜間人口昼夜間比率
東京23区11,125,1358,092,268137.5
大阪市3,664,4142,595,394141.2
横浜市3,091,1663,414,86090.5
名古屋市2,514,5492,148,949117.0
札幌市1,820,7571,797,479101.3
京都市1,584,6261,454,368109.0
神戸市1,536,7161,492,143103.0
福岡市1,531,1741,336,662114.6
広島市1,163,4051,124,765103.4
川崎市1,097,0901,249,02987.8
仙台市1,090,1621,007,628108.2
北九州市1,044,9961,010,127103.4
千葉市858,702883,00897.2
(昼夜間人口ともに年齢不詳人口を含まない。夜間人口が国勢調査人口より少なめに出ているのはこのためです。)

これで見ると、首都圏は東京の一人勝ちですが、その他の政令市はそれなりに頑張っていると言えそうです。神戸市は大阪に近接し同一都市圏内にありながらも市全体としては決して大阪の郊外都市ではなく、独立した都市と言えるのではないでしょうか。もちろん「神戸に住み、京都に学び、大阪に働く」といった京阪神三都物語を地で行くライフスタイルもあり、また神戸市東部の東灘区などは大阪のベットタウン化しつつあるとの指摘もありますが、その東灘区でさえ昼夜間比率は100を少し下回っているに過ぎません。また、似たような規模にあり共に都心区の横浜市中区と神戸市中央区を比べると
横浜市中区(昼)250,575(夜)123,851昼夜間比率202.3
神戸市中央区(昼)280,227(夜)107,886昼夜間比率259.7
となり、神戸の都心も都会として恥ずかしいものではないと思います。

以上、郷土愛も手伝い、長々と書きました。郷土愛に毒された書き込みであることを割り引いてお読みください。
[4509] 2002年 11月 4日(月)11:26:38白桃 さん
独自に成長する都市について
その前に
[4502] 実は小学生 さんへ
 大変申し訳ありません。これからは、キリ番狙いはやめます。内容の希薄性と文章の
軽薄性と技術の稚拙さで勝負します。40近い年の差を超えて、真のライバルだと思って
おります。よろしく。
 ライバルで思い出しましたが、10年前にある会議の資料として各都道府県の職員に
行った「あなた県のライバル県は?」というアンケートの結果がありました。詳しくは
覚えておりませんが、相思相愛型?もあるかと思うと、片思い型?もあり興味深くみました。
岡山県は広島県をライバル視しているのに、広島県は宮城県を、肝心の宮城県は確か
福岡県(神奈川県だったかも?)でした。県の職員の意識は県民の潜在意識につながる
ところがあると思います。
本論
[4499] 再び 蘭丸さんへ
 諸外国において、大都市に近接していながら独自の発展(私は「都市の発展」という
言葉があまり好きではないので「成長」とさせていただきます。)を遂げているところ
があるだろうか、…というギモンに対してです。それを検証する前に、本当に日本では
そういう事例が果たして数多いのでしょうか。例えば、横浜は違うと思います。東京の
成長(膨張)に伴って外港的機能を分担し成長を遂げてきた。というふうに考察した
方がよろしいのではないでしょうか。昼間人口比をみてもは約90%です。(機能分化
で成長をしている厚木、武蔵野、立川などは昼間人口比約110%ですが、これらも
独自の成長とはいえないでしょう。)一方、神戸は「独自の成長」と認めてもよろしい
のではないかと思います。首都圏から狭義的に独立しているのは、西は小田原あたり
からではないか思います。ついでに三島・沼津、富士、静岡、浜松、(豊橋)、名古屋、
(彦根)、(京都)、大阪、神戸、姫路、岡山、倉敷、福山、尾道・三原、広島、岩国、
徳山、防府・山口、下関、北九州、福岡が東海道・山陽新幹線沿いの独立圏だと思いますが、
「大阪と神戸」以外には「岡山と倉敷」ぐらいしか近接し、独自の成長を遂げている事例
はないのでは。岡山と倉敷にしても、果たして成長と呼んでいいのかどうかわかりません
が、歴史的にみても備前・備中の中心として、それぞれ都市として成長してきたと思います。
(過去の事例では、昭和30年頃までの門司、小倉、八幡、戸畑、若松の5市が相互補完
しながら成長してきた典型的な事例だと思います。)

(例によって、シリキレトンボで終わった白桃でした。)
[7916] 2003年 1月 19日(日)15:50:01白桃 さん
センター試験と諸レス
 今日もセンター試験があるようですが、皆様、地理の問題できましたか?
 白桃、いつも問題を新聞で見ますが、地理は地図とか統計数字とか字が小さいのでやりません。(完全に老眼でしょうか…)そのかわり、数学だけはやってます。年々、問題を解くのに時間がかかるようになり、今年なんかは、数Ⅰの設問1だけでも2時間かかってしまいました。来年からもうやめよう・・・
 だんだん話しがミジメったらしくなって申し訳ありません。大体、センター試験も、共通一次のしくみも良くわからないのですから、別に一生懸命やらなくても良いのだ!(白桃の頃は、1期校、2期校、小林旭はホッキコウでした。)大体、一生懸命やらないといけない息子が全然やらずに、お年玉年賀はがきの当選番号を調べているとは情けない。

[7910]グリグリ(管理人)さん
 記事検索の引用部分のお色直しを早速やっていただきまして、誠にありがとうございます。

[7911]ごろごろ さん
 [7907]に対するレスありがとうございます。
 本当は、各人口の数字を入れなければならなかったのですが…
 国調人口、昼間人口、事業所従業者人口、都市圏人口以外にもDID人口がありますが、「都市の本当の実力」を量るうえでは、そんなに関係ないと思い割愛しました。昼間人口と事業所従業者人口は相互に関連するので指標としてとりあげるのは、どちらか一つでよいのかもしれません。都市圏人口こそ指標として1番重要なのでしょうが、その前に日経新聞がまとめた都市圏人口の算出の仕方を説明しなければいけないと思います。
 それによりますと、常住する15歳以上の就業者・通学者のうち10%以上が通っている周辺市町村があれば同一都市圏とみなし、通勤・通学先の都市を中心とした都市圏の人口が都市圏人口なのです。
例えば、岡山県総社市の場合、総社自体が周辺の中心として都市圏を形成していると同時に、岡山市と倉敷市の都市圏にも包含されているのです。ですから、総社市の人口56,531人は,岡山都市圏、倉敷都市圏、総社都市圏の3つにそれぞれカウントされているのです。また、他市への通勤・通学者が10%でも、90%でもその自治体の人口が一律に都市圏人口に加算されるのですから、「都市の本当の実力」を知るうえで大体の目安にはなりますが、ものすごく正確なものでもないと思います。
 都市圏人口を大雑把にご案内しますと、
東京が2900万、大阪1210万、名古屋530万、横浜520万、神戸270万、京都260万、福岡240万、札幌230万、以下は170万の千葉が続きます。
[10909] 2003年 3月 10日(月)13:37:15【2】太白 さん
仙台vs広島
仙台市と広島市について、人口以外の指標を中心に比べてみました。出典は主に横浜市のHP、データは基本的に平成12年のものです。(交通インフラは、他に詳しい方がいらっしゃると思い、割愛しました)

仙台市広島市
<基本データ・人口>
市制施行1889.4.11889.4.1
政令市移行1989.4.11980.4.1
人口1,019,1241,134,648
面積783.54741.75
市人口/県人口43.0%39.4%
外国人登録数8,67813,930
<産業>
昼間人口比率(%)108.6103.3
第2次産業人口(%)18.223.4
第3次産業人口(%)81.776.5
市内総生産(億円)40,12245,011
工場出荷額(億円)9,50118,716
<治安・公衆衛生等>
犯罪件数(H12)27,03629,194
交通事故件数(人身)6,0288,838
上水道普及率(%)99.796.5
下水道普及率(%)93.889.9
1人当り公園面積(m^2)10.77.9
平均寿命(男性)77.7976.98
一般病院5583
月間給与(ボーナス含む)333,423348,890
生活保護世帯数4,6147,409

<娯楽・サービスその他>
プロ野球なし広島東洋カープ
Jリーグベガルタ仙台サンフレッチェ広島
タクシー数2,6603,604
映画館1729
公営プール1425
パチンコ店88175
公営ギャンブルなし広島競輪場
マージャン店163267
毎年8月6日に行われるもの仙台七夕灯篭流し
※月間給与平均は県平均のデータ

 人口データ以外については、両市に有意な差がある指標を提示しました。窺えることは…
1.広島は自前の製造業があるが、仙台は典型的な支店経済である。
2.公園や上下水道などの社会インフラでは、仙台優位の指標が多い。
3.平均給料では広島優位だが、仙台の生活保護世帯は他の政令指定都市に比べても非常に少ない。
4.病院数など医療サービスの量的な指標は広島が優勢だが、平均寿命は仙台の方が長い。
5.全体的に、広島の方が仙台より娯楽施設が多い。特に、パチンコ店の数は2倍の差。

 広島市のHPでも、同じ地方中核都市として、札幌、福岡、仙台との比較がなされているので、少なくとも当局はライバルだと思っているようですね。

[10905] Kenさん
[10900] 般若堂そんぴん さん
 表作成のノウハウについてご教示ありがとうございました。
 今回は、数字の桁区切りありの表を作成したので、Kenさんの「あらかじめ%を入れる」というアイディアを採用させていただき、般若堂そんぴんさんの、タブ区切り方式で作ってみました。
 これでうまくいきました!(特殊文字も見つかりました)
 なお、タブ区切り方式で保存すると、数字データの前後に「”」が入ってしまうので、これを置換で消す必要がありますね。
[11759] 2003年 3月 24日(月)17:44:03日和[松戸] さん
東京周辺の政令指定都市たち
[11757]KNさん
でもいくら大都市の周辺といっても、大阪なら京都、堺、神戸
                 東京なら横浜、小田原、熊谷
                名古屋なら豊田、豊橋、浜松、四日市は寄せ集めではないと思います

私的にみれば、やはりちょっと千葉贔屓なんですが、千葉市も少しは独自の都市として頑張っている気はしています。
東葛飾や印旛の地域をはさんで東京とは少し離れていますし、昼間人口も中央区や美浜区は夜間を上回る値になっています。

川崎市は横浜と東京に密接して挟まれているので、両方のベットタウンとして住んでいる人の割合は大きいかもしれませんね。

さいたま市は・・・新都心などもできているらしいので、これから少しずつ変わってくるのでは?
[15996] 2003年 5月 27日(火)00:39:47なおき さん
はふぅ
宮城沖の地震は段々怪我人が増えてますね…
最近、仙南の話題が豊富で気になっていた時だけに心配です。
実は私いま、教育実習が始まってしまいてんやわんやです。
しかも教科は理科。まあ物理科ですしね。

で、ちょっとレスを…
[15927]白桃 さん 昼間人口比率データ
[15833]月の輪熊 さん 志布志
[15717]軒下提灯 さん 姶良
昼間人口については書きたいなと思っていたところで、手間が省けました(笑)
志布志町の昼間人口比率110.5ってのは凄いですよね。
加治木もそれなりですが、合併したら恐らく95%に満たないでしょう(汗)
志布志には鉄道では宮崎を経由しないと行けないのがネックなんですが、
大阪行きフェリーも出てますし、志布志といえば県内では通用します。
そういえば福山町の山の中に志布志港まで直進100Kmって看板があります。

姶良駅周辺は姶良と言うような言わないような…
一般的には姶良ニュータウンの事だったり、役場の事だったりと非常に曖昧です。
昔は何もなかった地域をまとめて姶良と称しているようです。
同時期にできた錦江駅の周辺は強いて言うなら加治木団地。
仙南の話題に触発されて。姶良にはマイカル系のサティがありますが…
作ったのは加治木初&唯一の百貨店の店長(爆)加治木のほうはもう廃業状態。
大儲けして隼人にも作ってます。先見の銘というのかなぁ…

でるでるさん
龍郷町が大島地区市町村合併協議会に正式に参加しないと決めました。
姶良中央地区の合併予定期日は2005.2となりました。では。
[16041] 2003年 5月 27日(火)21:57:01千本桜[軒下提灯] さん
昼間人口流出地帯
[15927]白桃さん
宮城県 大河原町 96.6

昼間人口96.6パーセント。そこまで下がってしまいましたか。大河原町の場合、四半世紀ほど前から、すでに今日あるを予測したような町づくりが進められてきました。近隣の柴田町、村田町、角田市、白石市が工業化に走るなか、小面積の大河原町は工業適地が無いとして、工場誘致には積極的でなかったのです。大河原町の工業が如何に貧弱かは工業出荷額に現われています。

で、大河原町はどうしたか。仙台および近隣市町のベッドタウンになる道を選んだのです。当時、大河原町の昼間人口は100パーセント前後を推移し、仙南地域では最も高率だったと記憶しています。行政の出先機関や企業の支店営業所が集積していますから、それなりに人の入り込みも多かったようです。そのような町が、近隣市町のベッドタウンになる道を選ぶ。一般的には考えられないでしょう。そして案の定、昼間人口比率は徐々に低下しはじめました。

変な政策をとる町だなと思っていましたが、今となってみれば、これで良かったのかな?と思ったりします。大河原町の場合、昼間人口比率の低下にともなって常住人口が増加してきました。いや、常住人口が増加するにつれ昼間人口比率が低下したと見るべきでしょうね。

ベッドタウンを目指した大河原町は、土地区画整理事業による宅地造成が進み、住宅地区と農地が明確に区分されてスッキリしています。宅地供給過多かな?とは思いますが、仙南地区では大河原に住みたいと言う人が多いのですよ。買物に便利!というのが魅力のようです。買物に便利な大河原町に住んで、村田町の工場へ働きに行く。このケース、多いと思います。そんな訳で、村田町の昼間人口比率は案外高率なのです。村田町と大河原町は結構、役割分担して共存しています。

ところで昼間人口比率といえば、仙台市より南の宮城県南部は、名取市はじめ4市9町すべてが昼間人口比率100パーセント割れしていませんか?。香川県に匹敵する地域に1つも昼間人口流入超過都市が無いというのも、ちょっと寂しい。やはり仙南はすべて仙台の属領なのか!
[23691] 2004年 1月 12日(月)12:43:01千本桜[軒下提灯] さん
Re:日常生活圏
[23673]両毛人さん
応答内容が両毛人さんの求めているものとズレているかもしれませんが悪しからず。
住民に身近な中心地機能の多くは、もはや中心市街地の独占物ではなくなってしまいました。
都市の郊外分散化は私も強く感じていますが、分散していく距離や度合が地域によって違いがあるようです。複数の小盆地から成り立つ仙南地域では、丘陵を越えて別の盆地に都市施設が分散していくケースは未だ少数に限られています。広々した平野で流動自由な両毛地域とは趣が異なるでしょう。人口密度や都市化において、仙南地域の白石、角田、大河原周辺の平坦地は平均的日本じゃないかなぁと思うのですが、今のところ郊外型店舗の進出先は市街地に密接した外縁部がほとんどです。大河原中心街から何かが移動しても、その行先が大河原市街地に密接した場所ですから、大河原の出来事として受け止めます。でも、両毛地域はもっとダイナミックに動いているのではありませんか。例えば、国道50号の太田市域にシネマコンプレックスがありますが、あの一帯を私は足利だと感じている。太田市域だと分かっているのに足利と感じるのですから、あの一帯は太田でも足利でもどちらでも良いことになります。線引き不要地帯です。両毛地域にはそういう地区って多いのではありませんか?。両毛地域よりももっと小都市が近接し、都市部と農村部がもつれあって渾然とした地域。例えば奈良盆地の奈良・高田・桜井エリアや、讃岐平野の坂出・丸亀・琴平エリアの人たちは、両毛人さん以上に地域のノーマライゼーションを感じているかもしれません。
通勤依存率
実は私、通勤依存率や昼夜間人口比率を基に中心性を論じることに疑問を感じています。市町村単位で集計した場合、周辺市町村から多数の第3次産業従事者が流入してくるのに、それを上回る数の第2次産業従事者を周辺市町村に流出し、結果として昼間人口100%割れする場合があるからです。勿論その逆もあります。宮城県大衡村などは村内に第3次産業の集積がなくても、第2次産業の立地によって昼間人口が100%を越えます。これをもって中心性の表われとするのは変ですよね。市町村単位の集計に疑問を感じるとともに、全産業を同質に扱うことへも疑問を感じているのです。
地図表示に関しては(中略)私個人的には、両毛地域で1つの点を打つということはせずに、何も点は打たないで、「両毛地域」という文字を記載していただけば十分だと思っています。
強引ですね(笑)。両毛人さん宛の地図には太文字ゴジック体で群馬県よりも大きく「両毛地域!」と記載しますね。それも、びっくりマーク付きで。ついでに、仙台よりもでっかく「大河原」と記載しますよ。しかも赤文字または金文字で!。あまり深く突っ込まないでくださいね。理論では両毛人さんに負けるんだから。
[23717] 2004年 1月 12日(月)22:30:34【1】YSK[両毛人] さん
生活圏を追いつづけた私
[23691]軒下提灯さん
改めて申し上げたいと思いますが、私は全国あまねく中心地機能の郊外化が進んでいて、もはや中心地理論は無用の長物だ、と主張してきたわけではないです。中心地理論や、都邑ごとに中心地機能を計測して地域構造を把握する理論は、地理学では十分に成熟したものであり、もっとも完成された地域把握法の手段の1つであると信じて疑いません。

私がこれまで述べてきたのは、地域構造を把握するのに、中心地理論的な考え方だけで十分なのか、人々の生活行動を把握することによって確定される「生活圏」にも注目する必要があるのではないか、ということです。

実は私、通勤依存率や昼夜間人口比率を基に中心性を論じることに疑問を感じています。市町村単位で集計した場合、周辺市町村から多数の第3次産業従事者が流入してくるのに、それを上回る数の第2次産業従事者を周辺市町村に流出し、結果として昼間人口100%割れする場合があるからです。勿論その逆もあります。
ですので、私は中心性を量るとか、そういった観点のみから地域構造を見るというお話をしています。人々の生の動きを投影した地域間の結びつき(生活圏)という視点からすれば、第二次産業に属する工場に集中するような構造も、「生活圏」の1つとなります。
従来の地理学では、中心地機能によって計測された地域構造が、その地域に形成されている地域構造のすべてである、という傾向がありました。しかしながら、それだけでは地域間の人々の動きを適切に把握できないのではないでしょうか。生活圏の構造を正しく反映できていない可能性があると考えるのです。

なぜ、私がこうまで「生活圏」にこだわるかといいますと、生活圏構造を把握することが、地域における適切な施設配置を考える上で最も大切なことであり、道路計画等の都市計画全体の策定の際にも、重要なことだと考えるためです。

ということで、軒下提灯さんのお考えが、中心地機能による地域の把握、私は生活圏と、視点が異なったまま議論をしてきたので、平行線を辿ったものだと思います。冒頭に書きましたとおり、私は軒下提灯さんのこれまでのお話はすべての部分にわたって正当だと思いますし、すべてのお考えに同調いたします。

強引ですね(笑)。
そうですか?私はむしろ、明確な中心地のない両毛地域を1つの点で代表させようとするほうが、強引だと思うのですが・・・。

ここまでお話していますと、前橋・高崎都市圏の生活圏構造を追っていた学生時代が懐かしくなってまいりました・・・。諸事情あり、研究者は辞めて地元で就職しておりますが、何だかまた研究したくなってきましたね。どなたか、こんな私を使ってくれるところないですか(笑)
[25741] 2004年 3月 4日(木)23:34:32【1】千本桜[軒下提灯] さん
両毛5都市考/中心街昼間人口編
先月の桐生訪問は葬儀のためでしたが、合間を見て桐生市街を見て廻りました。宮城県から同行した従兄弟を同乗させての中心街めぐりである。「どう?、桐生って大きな街だろう!」と私。「うだべが。白石とどっこいでねえの。」と従兄弟。どうやら従兄弟は桐生本町錦町のアーケード街を白石のアーケード街にダブらせているようだ。確かに、桐生も白石もアーケード商店街があることにおいては似ているが、都市規模の差は歴然である。ああそれなのに、それが従兄弟には見えないらしい。都市比較に関心のない人に都市比較をさせると、とんでもない答えが返ってくるから面白い。勿論、翌日の帰路は遠回り承知で足利市街経由です。五十部、今福を過ぎて足利の中心街に入った。「ここが足利だよ。桐生と比べて、どう?」と私。「う~ん、似たような大きさだね」と従兄弟。ほとんど関心がないようだ。ところが、通2丁目に差し掛かったあたりで、「ん?、桐生より、こっちの方が都会じゃないの?」と反応してきた。時刻は夕方の5時半。街が一番賑やかに見える時間帯だ。朝の7時に見て廻った桐生と、夕方5時半の足利を比較してもしょうがないが、桐生と足利の中心街を見比べて、足利の方を都会的と感じた従兄弟の目は正しいのだと思う。実は私もいつの頃からか、街路景観整備が済んだ足利の通2丁目界隈の方が都会的景観だな、と感じるようになっておりました。ただひとつ、人通りが少ないことを除いては。足利中心街の閑散原因を商業施設の郊外化に求めることもできましょうが、本当にそれだけなのだろうか。都市の大きさを知る手掛かりとなる統計はいろいろ有りますが、昼間人口も役にたちますね。そこで、市町村単位の統計ではなく、地域メッシュ統計から各都市の中心街における昼間人口をはじき出してみます。まず、昼間人口最多メッシュを都心と設定し、それに連接するメッシュの中から昼間人口の多いメッシュを3つ選びます。都心と合わせて計4メッシュになります。面積にして約4平方キロです。どの都市も同じく中心街4平方キロを設定し、その地区内の昼間人口を算出します。すると、なぜか足利の数値が思いのほか低いのです。中心街の昼間人口の少なさに、私は足利の弱さを感じるのです。

平成2年国勢調査と平成3年事業所統計調査のリンクによる中心街4平方キロメートルの昼間人口と昼夜間人口差(周辺諸都市のオマケ付き)
都市中心街昼間人口中心街昼夜間人口差
宇都宮74,087人48,056人
水戸71,101人57,505人
前橋49,501人24,931人
高崎49,263人28,930人
熊谷43,741人14,954人
太田35,748人20,257人
桐生35,230人13,383人
小山32,278人12,109人
足利29,474人12,467人
栃木26,277人5,541人
佐野23,584人5,031人
伊勢崎22,941人4,541人
古河22,279人-4,786人
館林19,659人2,578人

両毛地域では太田中心街が最多の昼間人口集中地区となっています。太田の場合は第2次産業従業者による昼間人口アップが考えられます。本当は第3次産業従業者数の集積で都市間比較をしたいのです。その方が都市の景観を映し出してくれそうですから。でも訳あって今はできません。伊勢崎も意外と少ないですね。佐野に比べると伊勢崎の場合は都心から離れた地域にもまんべんなく昼間人口が張りついている感じで、地域設定次第では佐野の上になる可能性があります。古河は昼夜間人口差がマイナス数値ですから、地域中心都市としての性格よりも、首都圏の衛星都市的性格が強いのではないでしょうか。

書込み訂正機能を使って追加します。
地域メッシュ統計の参考に→ http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/5577/my03tuki.html
[28462] 2004年 5月 20日(木)20:54:04千本桜[軒下提灯] さん
常住人口と昼間人口
[28395]たっくんのパパさん
ひょっとしてこれのことですかね?
平成12年国勢調査人口集中地区境界図
レスありがとうございました。ひょっとして、たっくんのパパさんも統計マニアでしょうか?。私もどちらかというと統計マニアなんですが、都市の経済力とか人口に片寄っているのが欠点です。で、子供の頃は市町村別人口に興味がありました。その後、市街地別人口(人口集中地区人口)が入手できるようになると、興味の的はそちらに移って行きました。ただし、人口集中地区人口は常住人口ですから、中心性・拠点性のもととなる都市機能の集積具合が伝わって来ません。何かもっと良い統計はないものかと思っていたころ、地域メッシュ統計という統計手法が出まわりはじめました。これは大変なすぐれもので、全国を約1平方キロメートルのメッシュで被ってあります。パチンコホールが何件あるとか食料品製造業従業者数が何人いるとかが、1平方キロメートル単位で分かるのです。この地域メッシュ統計の昼間人口編を利用して都市の大きさを量ろうとしているわけです。たっくんのパパさんが御紹介くださったのは都市の常住人口(夜間人口)が分かる統計。私が投げ掛けたのは都市の昼間人口を知るための統計。この違いがありますが、どちらも大事な統計ですね。それにしても、昔と違って統計資料が簡単に入手できるようになり、大変便利な世の中になったものだと思います。
[34577] 2004年 10月 29日(金)00:52:21今川焼 さん
合併を前に「氷上郡6町の記憶(1)」
合併まであと3日となった兵庫県氷上郡の各町の印象をまとめてみました。本当はいろいろ資料にあたってみてと考えていましたが、このところ何かと忙しく、合併期日も迫ってきましたので記憶と印象だけで綴ります。

●柏原町(かいばらちょう)
1955(昭和30)年に柏原町と新井村が合併して誕生。
平安時代に山城国の石清水八幡宮を勧請した八幡神社の門前町が町のルーツで、江戸時代は織田藩2万石の城下町として郡内の中心的地位を占めるようになりました。(ただし町は城下町と称していますが、城は造られず正確には陣屋町です。またその領地も郡内の一部地域にとどまっていました。)明治以降は、県立中学がいちはやく1897年に開校、また国・県の出先機関もことごとく柏原に設置され、郡内に2つある総合病院もいずれも柏原町と、公的機関の一極集中はさらに進みました。
柏原(かいばら)と変わった読み方をする町名ですが、もともと「栢原」と書いていたものを明治の初め佳字の「柏」に改めたものです。ですので町内に柏の木が多いわけではありません。むしろ街路樹などに多用されているのが町木のケヤキで、これは町中にある木の根が橋の欄干のように川をまたいでいる「木の根橋」に由来しています。(参考[5617] TN さん)
郡内でもっとも人口の増加率が大きく、また昼間人口率が129%と県内の町ではトップです。
人口約10000人


●氷上町(ひかみちょう)
1955(昭和30)年に成松町と生郷村・沼貫村・葛野村・幸世村が合併して誕生。
氷上盆地(とはあまり言いませんが)の枢要部を占める人口・面積とも郡内最大の町。古代の氷上郡の郡衙が町内の氷上地区に置かれていたと推定されることから「氷上町」を名乗っています。
町の東部で国道175・176号線、県道柏原青垣線が交差し、その付近が氷上郡の地理的中心になり、大型スーパーをはじめとするロードサイド店の集中出店ゾーンとなっています。また来年には舞鶴若狭道の春日I.Cから分岐して延びてくる高規格道路のインターチェンジが建設中で、新市の商業中心地が形成されようとしています。氷上町はこの付近を市役所新庁舎の候補地として推しています。(新庁舎完成までは現氷上町役場が市役所本庁舎として使用されます)
新市名「丹波市」に対しては反対意見が根強く、町議会の紛糾により合併関連議案の議決は6町の最後になりました。
町の東部に瀬戸内海側と日本海側を分つ「水分れ(みわかれ)」と呼ばれる「日本一低い分水界」があります。
人口約19000人
[42965] 2005年 7月 11日(月)22:15:14【2】BEAN さん
スーパータウン・スーパービレッジ・スーパーシティ?
[42910]千本桜 さん
[42916]白桃 さん
パラサイト型だと、もっとすごいところもあります。例えば山梨県昭和町、福岡県久山町などです。その中でも日本一は(全部を調べたわけではありません)青森県柏村(現・つがる市)次が鳥取県日吉津村だったと思います。とはいえ、
[42927]千本桜 さん
田んぼの中にぽつんと巨大ショッピングセンターができて吸引人口を増やしても、それをもって都市の規模がアップしたと思いたくないのは何故だろう。
という問題がありますね。パラサイト型でも、武蔵野市くらいになれば文句無く都会だと思いますが。
それから、「小売販売額÷人口」の県庁所在地中1位は、実は高松市なのですが、これにはセシールの影響があるようです。これは卸売と小売の分類の問題ですね。

「田んぼの中に(略」といえば、人口10万人以上の市としては商業力ワーストに近いであろう千葉県鎌ヶ谷市。新鎌ヶ谷駅前のジャスコはどの程度市の小売販売額を引き上げることができるのでしょうか。

でも、本当に知りたいのは買物客や通院客、観光客などを含めた入込人口ですよね。調査するのが難しいとは思いますが、そのような統計が有れば良いと思います。観光客などを含めた昼間人口ですと、ディズニーランドを抱えた浦安市が一気にドーンと跳ね上がる可能性があります。
従業者数だけでも、浦安にはそれなりの上積みがあります。

昼間人口夜間人口昼夜比
八千代市139,642168,72682.8
習志野市134,929153,95887.6
野田市134,656151,05489.1
佐倉市131,971170,78777.3
浦安市123,536131,46794.0
流山市105,644150,22270.3
    
市川市349,086448,48877.8
船橋市448,568548,98281.7
江戸川区502,598619,12181.2
(2000年国勢調査より)

[42931]白桃 さん
この県は、明治の市町村制度導入時点で鹿児島県同様「1市他はすべて村」状態で、2市目ができたのも1951年3月と高知県に次いで遅かったんです。こんなワンマン(one city)県はどこでしょうか?
数年前まで市部人口<郡部人口だったあの県ですね。
[58334] 2007年 5月 5日(土)17:43:49【1】白桃 さん
中核市の昼間人口
連休後半も3日目になりましたが、特にやることもありません。そうは言いながらも、毎日人口は見ておりますが・・・。

現在、中核市の数は35。その要件は「人口30万人以上」のみ。発足当初、要件の一つであった「50万未満の都市にあっては、昼間人口が夜間人口を上回ること」は名瀬かすぐ無くなりました。中核市って言うぐらいだから、この要件は残しておくべきだったと思うのですが。それどころか、個人的には政令市の要件にも(昼間人口にかかる何らかのハードル)を加えるべきだと思います。

2005年国勢調査で中核市35市の昼間人口についてみると、旭川、いわき、川越、船橋、相模原、横須賀、豊橋、岡崎、高槻、奈良、倉敷の11市が夜間人口(ここでは敢えて国勢調査人口とします)を下回っております。(函館と下関は人口30万未満のモグリ中核市なので論外)倉敷なんかは、合併したことにより下回ってしまいました。平成の市町村合併もこういう観点からみると面白い?です。

※中核都市を中核市に訂正
[62686] 2007年 11月 27日(火)08:29:10千本桜 さん
昼夜間人口比率と中心性
都市の中心性を知るための尺度として、昼夜間人口比率を用いることは本当に適切なのだろうか、という疑問を持ち続けています。2005年国勢調査による宮城県仙南地域2市7町の夜間人口に対する昼間人口比率は下記のとおりです。

自治体名昼間人口比率
七ヶ宿町101.9%
角田市100.8%
村田町98.7%
白石市98.7%
蔵王町96.4%
大河原町95.9%
柴田町91.8%
川崎町89.0%
丸森町87.3%
たぶん、地域住民が感じている中心性とは合致していない筈です。ズレが生じるのは、通勤通学者数はカウントされても、通院や買物で行き交う人の数は昼間人口にカウントされないからでしょう。ちなみに、宮城県で最も昼間人口比率が高いのは県央部に位置する大衡村の132.1%。大規模な工業団地がある村です。でも、私は現状の大衡村の景観に中心性を感じません。
[64041] 2008年 3月 16日(日)16:33:54oki さん
人口に比べて高校の多い都市
[64032] 今川焼 さん
ところで、福知山市は他に府立高校が3校ありますが、このような人口8万人クラスの市で、7校も高校を擁する市って他にあるでしょうか。

調査結果です。

市区町村人口総数高校数高校生徒数昼間人口昼夜間比
七尾市618719209465721106.2
高梁市387998142942635109.9
五所川原市621818298565487105.3
福知山市819778427088235107.6
天草市9647382916102339106.1
本庄市819577616983652102.1
栃木市823407600388095107.0
富士吉田市525726242353348101.5
萩市579906157360708104.7
能代市628586287268755109.4
佐渡市673866194372249107.2
栗原市802486235882282102.5
中津川市84080625428347499.3
中津市843686303386644102.7
宇和島市894446289897234108.7
大和郡山市916726277296070104.8
米沢市9317864267102641110.2
大仙市933526264197471104.4
<参考>
市区町村人口総数高校数高校生徒数昼間人口昼夜間比
高槻市3518269772429556584.0
川口市4800798679838954581.1
所沢市3361007565127007280.4
八尾市2734876475725739994.1
 ※資料:人口=05年国勢調査 高校数=05年学校基本調査

今回はデータ出所が確かですから、間違いないはずです。
人口が少なくて高校数が多いということは、中心性はあるものの、その及ぼす範囲の狭い都市ということです。また、歴史はあるものの現在は衰退傾向を示す、という予想も成り立ちます。その手の都市は、昼夜間人口比が高くなるはずと思って一緒に調べてみました。
予想通り、江戸時代に城下町や陣屋所在地だった都市が多く、ほかも門前町、宿場町、在郷町など。昼夜間比も、中津川市を除いて100%を超えています。
逆に、人口が多いのに高校数が少ないのは大都市圏のベッドタウンですね。
[64042] 2008年 3月 16日(日)16:55:46oki さん
表の訂正
今回はデータ出所が確かですから、間違いないはずです。
と言っておきながら、早速間違えてしまいました。[64032]今川焼さん ご指摘の室蘭市が抜けていたので、訂正しておきます。
また、福知山市の高校は7校とされていて、表の8校とは異なりますが、他の市と基準年を合わせるために、統計の数値のままにしてあります。05年以降に統廃合等があったのかもしれません。

市区町村人口総数高校数高校生徒数昼間人口昼夜間比
七尾市618719209465721106.2
高梁市387998142942635109.9
五所川原市621818298565487105.3
福知山市819778427088235107.6
天草市9647382916102339106.1
本庄市819577616983652102.1
栃木市823407600388095107.0
室蘭市9837273370111709113.6
富士吉田市525726242353348101.5
萩市579906157360708104.7
能代市628586287268755109.4
佐渡市673866194372249107.2
栗原市802486235882282102.5
中津川市84080625428347499.3
中津市843686303386644102.7
宇和島市894446289897234108.7
大和郡山市916726277296070104.8
米沢市9317864267102641110.2
大仙市933526264197471104.4
[76285] 2010年 10月 2日(土)01:19:47右左府 さん
大潟村の特異性
ちょっと興味深く感じた事があったので紹介します。大したことではありませんが……。

前回の国勢調査結果を基に大潟村の人口・産業等々を調べていたら、ある数字が目につきました。「昼夜間人口比率 121.9%」。
最初はどこの大都市かと思いました。村で昼間人口が夜間を上回るとは……。
そこで今度は、同様に昼夜間人口比率の高い村のデータを並べてみたのですが(下表)、そこでまた大潟村に際立つ数字を発見。「第1次産業従業者割合77.9%」

昼間人口(人)昼夜間人口比率(%)第1次産業従業者(%)第2次産業従業者(%)第3次産業従業者(%)
1飛島村 13,711313.813.628.856.2
2泊村 3,309151.48.835.156.0
3六ヶ所村 15,434 136.915.041.343.2
4大衡村 7,406132.116.429.753.3
5大滝村 2,282123.814.66.778.7
6十四山村 6,873122.39.731.957.8
7大潟村 3,970121.9 77.91.320.5
8恩納村 11,694121.417.312.168.7
9留寿都村 2,617120.929.37.563.3
(昼夜間人口比率120%以上の村を、その高い順に掲載)

こうして並べてみると分かる通り、他の村々は工業団地や発電所、リゾート地を抱えており、当然1次産業従業者割合は低くなっています。高くて留寿都村の3割弱。
その中で大潟村のそれは抜きんでており、これは全市町村の中でも最高値です。なお50%を超える村は下表の5村のみで、町も浜中町(52.2%)のみとなっています。、

昼間人口(人)昼夜間人口比率(%)第1次産業従業者(%)第2次産業従業者(%)第3次産業従業者(%)
1大潟村3,970 121.977.91.320.5
2川上村4,780 100.470.94.324.7
3北村3,308 91.457.19.533.4
4南牧村3,714106.356.56.136.8
5相馬村3,241 84.455.013.631.2

昼間人口が夜間人口を2割以上上回りながら、その8割近くが第1産業従業者。当たり前といえば当たり前なのですが、こうして実際の数字を見ると大潟村の特異性がよく分かりますね。
[81019] 2012年 7月 1日(日)21:18:51千本桜 さん
昼夜間人口比率
[80994] 白桃さん
総務省から「従業地・通学地による○○・産業等集計」が公表になります。これで、昼間○○、昼夜間○○比率が明らかになります。
地域における中心性が高まる一方で、それに背を向けるように昼夜間人口比率が低下していく大河原町。おそるおそる平成22年国勢調査の昼間人口を閲覧すると案の定、昼夜間人口比率の下落は止まらず、前回調査の95.9%から1.6ポイント下がって94.3%まで落ち込んでいました。あーぁ、ひよわな中心都市。県は仙南圏を白石市、角田市、大河原町、柴田町を中心とする地域としていますが、力が分散して強力な中心都市が育たない地域です。大局的に見れば、昼夜間人口比率が高ければ吸引力が強く、中心性の高い自治体ということになるのでしょう。それを否定するつもりはありませんが、仙南圏の様子からは昼夜間人口比率と中心性の関連が見えてこないのです。

平成22年の昼夜間人口比率の高い順に仙南圏の自治体を並べてみます。

自治体名H22比率H17比率比率の増減H22昼間人口H17昼間人口昼間人口減少数昼間人口減少率
角田市102.5%100.8%1.7ポイント31,336人33,453人2,117人6.3%
七ヶ宿町101.6%101.9%-0.3ポイント1,721人1,907人186人9.8%
村田町101.1%98.7%2.4ポイント12,121人12,574人453人3.6%
白石市98.6%98.7%-0.1ポイント36,894人38,971人2,077人5.3%
蔵王町96.7%96.4%0.3ポイント12,463人12,838人375人2.9%
大河原町94.3%95.9%-1.6ポイント22,195人22,370人175人0.8%
柴田町92.1%91.8%0.3ポイント36,217人36,542人325人0.9%
川崎町89.8%89.0%0.8ポイント8,961人9,416人455人4.8%
丸森町86.5%87.3%-0.8ポイント13,402人14,653人1,251人8.5%

昼夜間人口比率が100%を超えるのは角田市、七ヶ宿町、村田町の3自治体。しかも前回調査(H17)に比べて角田市は1.7ポイント上昇して102.5%、村田町は2.4ポイント上昇して101.1%になっています。対して大河原町は1.6ポイントも低下して94.3%に下落しています。この数字だけから判断すると、中心性を高める角田市と村田町。中心性を喪失した大河原町になります。でも、実態は大きく異なります。

角田市、村田町の昼夜間人口比率が上昇した原因は常住人口が減少したため。大河原町の昼夜間人口比率が低下した原因は常住人口が増加したためと考えられます。常住人口が減少したために起こる昼夜間人口比率の上昇って、あまり喜べないと思うのです。

ここで、昼夜間比率ではなく昼間人口そのものの増減率を見てみます。経済活動が冷えている仙南圏では全ての自治体が昼間人口を減少させています。仙南圏の中心都市と目される白石市、角田市、大河原町、柴田町の昼間人口減少率を比較します。減少率が少ない順に大河原町0.8%減、柴田町0.9%減、白石市5.3%減、角田市6.3%減となっていて、大河原、柴田両町が何とか現状維持ぷらぷら。白石、角田両市が明らかに衰退。不思議なのは、新幹線の駅があり、高速道路のICがあり、国道4号が縦貫し、国道113号が横断し、国道457号が接続する白石市が、なにゆえ衰退状況に陥っているのかです。
[81023] 2012年 7月 2日(月)14:31:44白桃 さん
昼夜間人口比率が上昇した東かがわ市
[81019]千本桜 さん
常住人口が減少したために起こる昼夜間人口比率の上昇って、あまり喜べないと思うのです。
あまりどころか、全然喜んでいない白桃です。
東讃の二大?都市を比較したとき、東かがわ市がさぬき市より昼夜間人口比率が高いのは、三本松のほうが志度や長尾より高松に遠いからでしょう。

市名H22比率H17比率比率の増減H22昼間人口H17昼間人口昼間人口減少数昼間人口減少率
東かがわ95.2%94.3%0.9ポイント31,996人33,891人1,895人5.6%
さぬき93.7%93.5%0.2ポイント49,656人52,104人2,448人4.7%
[81027] 2012年 7月 3日(火)09:21:20白桃 さん
平成22年国勢調査昼夜間人口比率
常住人口(夜間人口)に対する昼間人口の割合が高い市町村(120%以上)は以下の通り
1.飛島村愛知県290.9%---13.昭和町山梨県130.9%
2.芳賀町栃木県180.1%14.聖籠町新潟県129.2%
3.久御山町京都府174.8%15.中井町神奈川県127.8% 
4.泊村北海道158.3%16.竜王町滋賀県127.5%
5.箱根町神奈川県149.0%17.久山町福岡県127.5%
6.芝山町千葉県146.8%18.成田市千葉県126.7%
7.大口町愛知県143.7%19.磐梯町福島県123.4%
8.六ヶ所村青森県143.5%20.豊山町愛知県122.4%
9.大衡村宮城県139.4%21.留寿都村北海道121.4%
10.大熊町福島県137.4%22.宮若市福岡県121.0%
11.大阪市大阪府132.8%23.刈谷市愛知県120.9%
12.五霞町茨城県131.5%24.恩納村沖縄県120.0%
※東京特別区は130.9%
こうみると、成田、宮若以外は合併しなかった市町村です。
因みに、平成17年国勢調査時の(旧)成田市は141.2%、(旧)宮田町は124.0%です。

逆に低い町トップ(ワースト?)3はというと、
七ヶ浜町(宮城)65.0%、豊能町(大阪)65.8%、栄町(千葉)69.2%
になります。
当然ながら、「平成の大合併」によって昼夜間人口比率が極端に低い市町村数は、絶対数はもちろん比率的にも減少していると考えられます。
しかしながら、昼夜間人口比率が80%を下回っている市町村の数は85(も)あります。
昼間人口の割合が低いからって、ケチをつけるつもりではありませんが、昼間は1/5以上の人がその市町村から消えるわけですから、街が静かになるのは間違いないでしょう。
85も挙げるのは疲れますので、市だけ、その名前を。
鴻巣市、富士見市、鶴ヶ島市、志木市、北本市、鳩ヶ谷市(消滅)、流山市、鎌ヶ谷市、四街道市、八街市、稲城市、東大和市、狛江市、茅ヶ崎市、甲斐市、知多市、愛西市、岩倉市、木津川市、向日市、交野市、阪南市、川西市、生駒市、春日市(以上25市)

この特集記事はあなたのお気に召しましたか。よろしければ推奨してください。→ ★推奨します★(元祖いいね)
推奨するためには、メンバー登録が必要です。→ メンバー登録のご案内


都道府県市区町村
白桃研究所長による人口テーマ専門誌

パソコン表示スマホ表示