日本全国の市町村数はいくつ?
廃置分合が頻繁な時代ならともかく、安定期に入った現在では、このサイトの読者にとり「難問」とは思われません。
しかし、過去に遡って「町村制施行以来の全国市町村数の経年データを求める」となると、意外に てこずります。
私が最初の手掛かりにしたのは、
[99095] ekinenpyouさん に記されている当サイト内のページ【以下、uubデータと略す】です。
都道府県の市区町村数などをもとに調べてみると・・・
47都道府県の「市区町村数」は、「23特別区+792市+743町+183村、合計 1741 市区町村」でした。
内訳に記されているように、基礎的な地方公共団体である「市町村」の数に、特別地方公共団体ではあるが、公選制の区長、区議会、区立の小中学校などがあり、市町村に準じる自治体と認識されている 「特別区」23が加えられています。
この数字は、言うまでもなく、平成の大合併で大きく変化しました。
uubデータは、遡った年月日【各10月1日】を知ることができるので、篠山合併の前年【1998/10/1】の値を見ると、23+670+1994+568=3255 市区町村でした。
与党が平成合併の目標としていた 1000市町村【
出典】には届きませんでしたが、平成大合併による 3255→1741 という数字により、自治体数が半減近くまで減少したことが解ります。
そこで、もう一段階前の昭和大合併の前、具体的には 町村合併促進法施行前の市区町村数を知りたくなります。
残念ながら、uubデータを用いて 現在遡れる限度は 1960/10/1、つまり昭和合併後期でした。
別の調査によると、1953/10/1 には 286市+1966町+7616村= 9868市町村でした。出典は
総務省の説明文で、23特別区を加えると 昭和合併前は 9891市区町村で、平成合併前の約3倍、1万近い数の自治体が分立していました。
昔の市町村数を求めるならば、やはり統計局でしょう。
「長期統計」という分類があったと記憶していたので調べてみましたが、統計局サイトは開かず、WARPへの案内が出ました。
残念ながら、統計局では長期統計の更新を止めたようで、古い市町村数統計の存在を確認することができませんでした。
ここまで記して放置していたところ、
[99152] ekinenpyouさんの記事により、新たな情報を得ました。
例えば※日本の長期統計系列(第2章人口・世帯)の2-5都道府県,男女別人口などでは(後略)
リンクされたWARP記事から、日本の長期統計系列の目次に戻り、第1章に進むと、1-12表 都道府県別市区町村数(エクセル:65KB)の存在を知ることができ、ダウンロードすることもできます。
国勢調査データを基本にしているようなので 1920年10月1日以降の5年刻みです。
昭和20年のデータが補足されており、昭和22年は無視されています。
この長期統計では、昭和合併(1953年開始)以前の 1950/10/1 全国市町村数は 10500であったことが知れます。
昭和合併前のデータとしは、前記「1万近い数の自治体」の方が、5年刻みのデータより的確なものと考えます。
参考までに、1950年の内訳は 254市+1889町+8357村= 10500市町村。但し 254市の中に 23特別区を1市として算入してありますから、uubデータと揃えると 23+253+1889+8357= 10522市区町村となります。
5年刻み、特別区の扱いなど 現在のuubデータとの相違点はありますが、長期統計系列データを利用して、全国市町村数のuubデータを 1920/10/1まで遡及して頂いたら 利用者としては ありがたいと思います。
なお、1945年の「東京都制」時代は、府県制時代の東京市も 地方自治法の特別区も存在しなかった空白期です。
長期系列データに倣って(当時の35区域を)仮に1市と扱い、集計すればよいのではないかと思います。