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土井たか子さんが 「山が動いた」と語ったのは、1989年【30年前!】の参議院選挙の結果…
「十年一昔」前の記事の引用から始めましたが、昨年も今年も土砂災害が絶えないのは残念です。
そして 第15回参議院選挙があった 30年前は、平成への改元のあった年でした。
1993年の細川内閣を機に 一度は「山が動いた?」かと思われた「55年体制」も 元の座に戻っています。
それはさておき、国会議員選挙区の区分や定数は、都道府県の人口に影響されます。
「一票の格差」の著しい状態は 憲法違反であるとの考えに基づいて、2015年の公職選挙法改正によって、参議院選挙地方区の「合区」が行なわれました。
対象になったのは、鳥取県と島根県、そして 徳島県と高知県 でした。
その結果、2016年の参議院選挙では、鳥取県に住所を置く候補が選出されない 結果になりました。
これは、47都道府県で唯一ということで、地域代表を求める議論の対象になりました。例えば
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今回の選挙から導入された
「特定枠」制度は、その対策として昨年導入されたそうです。
私は 当時どのような議論が行なわれたのか を覚えていません。
今回配布された比例区選挙公報によって、その存在だけは知りましたが、この制度の意義は 投票後の報道を通じて理解した始末でず。
今回選挙の地方区当選者を確認してみると、鳥取・島根区は鳥取県、徳島・高知区は高知県の人でした。
そして、比例区自民党のトップに 特定枠候補の2人(徳島県・島根県)が居ました。
これにより、合区関係4県に関して、各県1人を確保する 立法者の意図が実現していたことを確認しました。
結果確認とは別に、比例区公報を見た当初から気になっていたのが、個人名を大活字で記した党の存在でした。
そのリスト中にも「特定枠」の記載がありましたが、最初は小活字の見落しに気付かず。
大活字の人物自身は 現職の参議院議員・改選候補者ですが、今回の選挙では 自らの議席を犠牲にして「看板」として働くことに徹したようです。
そこで 敢えて特定枠候補者にはならず、身体障害者である同志を 国会に送り込むテクニックとして「特定枠」制度を利用したのでした。
私がこのことに気付いたのは、投票を済ませた後のことでした。
一見すると単純な情報提供手段のように思われる選挙公報ですが、これを注意して読めば、隠された情報や テクニックが存在する。そんなことを思い知った選挙でした。