早いもので落書き帳への書き込みが50件になりました。また、過去ログも読み進めており、先日10,000件を突破しました。
そこで、というわけではないですが、横浜市の編入前の町村について調べてみました。
〈内容〉1920年当時の横浜市と横浜市編入前の町村の人口と、現在の同じエリアの人口を比較してみるという極めてしんどいデータを作る。
〈方法〉1.1920年の国勢調査のデータを手に入れる。→横浜中央図書館でゲット。
2.現在の町名ごとの人口データを手に入れる。→市のHPからゲット。
3.町名の変遷が分かる資料を用意。→『横浜の町名』
4.2と3を用いて、現在の町名を当時の市町村名に整理する。→骨折。
5.市町村ごとに当時の市町村域の現在の人口を割り出す。→ひたすら計算。
6.以下のようにまとめてみました。
〈表の見方〉
町村名…当時の市町村名を表す。当時は1市2町29村に分かれていました。
1920年…1920年当時の人口を表す。大正9年の国勢調査によるものです。
2007年…2007年の人口を表す。4月31日のデータ、「住民基本台帳・外国人登録原票」によるもので、
横浜市統計ポータルサイトによりました。
*…1920年の人口を100とした時の現在の人口です。小数第一位を四捨五入しています。
現在の区名…現在市町村が属している区の名前です。
編入…横浜市への編入時期。下記参照。
第一次市域拡張…1901年久良岐郡戸太町、中村、根岸村、橘樹郡神奈川町、子安村子安
第二次市域拡張…1911年
第三次市域拡張…1927年
第四次市域拡張…1936年
第五次市域拡張…1937年
第六次市域拡張…1938年
※区画整理等による町村界の変更はメインの町に集計していますが、判断がつかない神奈川区松見町、青葉区桜台、たちばな台、さつきが丘、すすき野、すみよし台は人口を半分ずつ2村に振り分けました。
また、よりデータを忠実にするため、当時は無かった埋立地(西区みなとみらい、金沢区並木など)の人口は2007年の人口には入っていません。
〈結果〉
横浜市(中区、磯子区の一部、神奈川区の一部、西区、南区の一部、保土ヶ谷区の一部)
市名 | 1920年(人) | 2007年(人) | * |
横浜市 | 422,938 | 421,397 | 100 |
久良岐郡(磯子区、南区の一部※、金沢区、港南区の一部)
町村名 | 1920年(人) | 2007年(人) | * | 現在の区名 | 編入 |
屏風浦村 | 2,658 | 112,638 | 4238 | 磯子区 | 第二次・第三次 |
大岡川村 | 2,621 | 163,208 | 6226 | 南区・港南区 | 第二次 |
日下村 | 3,912 | 138,256 | 3534 | 磯子区・港南区 | 第三次 |
金沢村 | 5,232 | 105,482 | 2016 | 金沢区 | 第四次 |
六浦荘村 | 4,219 | 83,494 | 1979 | 金沢区 | 第四次 |
※南区は全域が久良岐郡ですが、1920年当時一部が既に横浜市に編入されていました。
橘樹郡(神奈川区、鶴見区、港北区の一部、保土ヶ谷区の一部)
町村名 | 1920年(人) | 2007年(人) | * | 現在の区名 | 編入 |
保土ヶ谷町 | 21,431 | 144,664 | 675 | 保土ヶ谷区 | 第三次(一部は一次・二次) |
城郷村 | 5,294 | 108,401 | 2047 | 神奈川区・港北区 | 第三次 |
大綱村 | 4,782 | 169,982 | 3555 | 港北区・神奈川区 | 第三次 |
旭村 | 3,971 | 117,741 | 2965 | 鶴見区・神奈川区・港北区 | 第三次 |
生見尾村 | 15,225 | 90,198 | 592 | 鶴見区 | 第三次 |
町田村 | 16,949 | 93,746 | 553 | 鶴見区 | 第三次 |
日吉村※ | 3,769 | 67,476 | ― | 港北区・川崎市 | 第五次 |
※日吉村は川崎市のデータが取れないので、比較は無し。
都筑郡(保土ヶ谷区の一部、港北区の一部、旭区、緑区、青葉区、都筑区)
町村名 | 1920年(人) | 2007年(人) | * | 現在の区名 | 編入 |
都田村 | 5,022 | 60,674 | 1208 | 都筑区 | 第六次 |
新田村 | 3,537 | 57,668 | 1630 | 港北区・都筑区 | 第六次 |
中川村 | 3,285 | 106,395 | 3238 | 都筑区 | 第六次 |
山内村 | 3,060 | 125,494 | 4101 | 青葉区・都筑区 | 第六次 |
中里村 | 4,369 | 122,108 | 2795 | 青葉区・緑区 | 第六次 |
田奈村 | 3,958 | 120,328 | 3040 | 緑区・青葉区 | 第六次 |
新治村 | 4,446 | 139,913 | 3147 | 緑区・保土ヶ谷区 | 第六次 |
都岡村 | 3,996 | 127,337 | 3187 | 旭区 | 第六次 |
二俣川村 | 3,828 | 121,547 | 3175 | 旭区・保土ヶ谷区 | 第六次 |
西谷村 | 2,671 | 36,602 | 1370 | 保土ヶ谷区・旭区 | 第六次 |
鎌倉郡(戸塚区、瀬谷区、港南区の一部、泉区、栄区)
町村名 | 1920年(人) | 2007年(人) | * | 現在の区名 | 編入 |
戸塚町 | 4,289 | 71,750 | 1673 | 戸塚区 | 第六次 |
中川村 | 3,915 | 127,215 | 3249 | 戸塚区・泉区・瀬谷区 | 第六次 |
川上村 | 2,679 | 80,935 | 3021 | 戸塚区 | 第六次 |
永野村 | 1,235 | 94,312 | 7636 | 港南区 | 第六次 |
豊田村 | 2,272 | 50,990 | 2244 | 戸塚区・栄区 | 第六次 |
本郷村 | 3,106 | 102,737 | 3307 | 栄区 | 第六次 |
大正村 | 2,954 | 66,764 | 2260 | 戸塚区 | 第六次 |
中和田村 | 5,725 | 99,101 | 1731 | 泉区 | 第六次 |
瀬谷村 | 3,903 | 90,968 | 2331 | 瀬谷区 | 第六次 |
※都筑郡・橘樹郡から川崎市になった部分及び鎌倉郡から鎌倉市・藤沢市になった部分のデータは載せていません。
〈感想〉郊外の人口の伸びには凄まじいものがあって、永野村は76倍になっているのには驚きました。当時の横浜市域の人口は現在とあまり変わりないあたりも興味深いです。
地名コレクション関係 横浜スペシャル
ぺとぺとさん 「企業名由来町名」コレクション
鶴見区大東町(昭和16年~)
「大日本塗料」と「東亜科学」から1文字ずつとった地名です。倒産していたらダメだという事で調べたところ、「大日本塗料」は簡単に見つかりましたが「東亜科学」がどうなったのかが分かりません。
昭和26年の横浜市3000分1地形図鶴見(画像を直接貼れません)では、大東町には「大日本塗料」しか見当たらないので不安ですが、一応報告しておきます。
鐘紡は今月からクラシエホールディングスになっております。
笠津前浜さん 「職業由来町名」コレクション
栄区鍛冶ヶ谷町・鍛冶ヶ谷一丁目・二丁目
鎌倉時代に鍛冶氏が居住していたことに由来します。「鍛冶町」の形でなければいけないとは書いてなかったので。
星野彼方さん 「交通由来町名」コレクション
神奈川区新子安一丁目・二丁目
1910年 京浜電気鉄道「新子安駅」開設
1936年 神奈川区子安町字溝下、打越、神之木から「新子安」を新設
1943年 国鉄京浜線「新子安駅」開設 東京急行電鉄品川線「新子安駅」を「京浜新子安」に改称
1966年 神奈川区新子安、入江町、神之木台、子安台の各一部から「新子安一丁目」「新子安二丁目」を新設
新興住宅地ではないですが…。
表作りはかなり大変な作業でしたが、何とか見れるようになりました。くどい説明や不足な説明が多くて、今回に限らずご迷惑をお掛けしていますが、100件200件と、皆様に話題を提供していけるよう頑張っていきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。
【1】少々の加筆で、表を増強。
【2】白桃さんの指摘で表の数値のミスを訂正。その他の数値も手許のデータと照合して合っていることを確認しました。