[64050] EMM さん
少なくとも、七尾市に関しては何らかの注釈が必要だと思います。
また、ほかにも「移行期間中」の学校がある市がないかどうかの追加調査が必要なのではないでしょうか。
遅くなりましたが、追加調査の結果です(05年時点で高校数が7校以上の市に限定。「-」は不明です。表がちょっと複雑なので、きれいには整形されません)。
| 旧市のみ | | 合併市町村を含む | |
| 2002年 | | 2002年 | | 2005年 | | 2007年 | | |
市町村 | 高校数 | 生徒数 | 高校数 | 生徒数 | 高校数 | 生徒数 | 高校数 | 生徒数 | 備考 |
七尾市 | 6 | 1859 | 8 | 2331 | 9 | 2094 | 6 | 2041 | 09年4月から5校 |
高梁市 | 5 | - | 7 | - | 8 | 1429 | 6 | 1776 | 10年4月から5校 |
五所川原市 | 6 | - | 8 | - | 8 | 2985 | 8 | 2719 | |
福知山市 | 6 | - | 8 | - | 8 | 4270 | 8 | 4072 | |
天草市 | - | - | 8 | 3473 | 8 | 2916 | 8 | 2638 | |
本庄市 | 5 | 5237 | 7 | 6569 | 7 | 6169 | 7 | 5991 | |
栃木市 | 6 | 6044 | 6 | 6044 | 7 | 6003 | 7 | 5879 | 05年に1校開校 |
室蘭市 | 7 | 3619 | 7 | 3619 | 7 | 3370 | 7 | 3095 | 08年4月から6校 |
改めて調べて確認したのは、次の点です。
1.少子化に伴う高校の再編整備の行なわれている市があり、それに伴って高校数は減少する。今後減少を予定している市もある。
2.ただし、再編後の高校と閉校予定の高校は移行期間中に併存しており、閉校まで「瞬間風速」で高校数が増加することもあり得る。
3.逆に、平成の大合併の影響で、合併後の市の高校数は増加する。
4.生徒数が数10人程度の分校や定時制高校も1校に数えられており、高校の多さは必ずしも生徒数に連動しない。
以上の市のうち、高校の再編が行なわれているのは七尾市、高梁市、室蘭市で、前2市はすでに最高時より高校数が減少、室蘭市もその予定です(現時点で各市に存在する高校名と近年の再編経緯は、下の方に詳しく記載しています)。
また、七尾市と高梁市は瞬間風速で増加した事例で、七尾市はEMMさんご指摘の通り。高梁市も、高梁工業・成羽・川上農業の3校統合で高梁城南高校が誕生していますが、その開校時点である04年4月から3校閉校の06年3月まで、高校数が一時的に増えています。室蘭市は、室蘭東と室蘭商業が合併した室蘭東翔高が室蘭東の校舎に06年4月開校していますが、08年3月まで室蘭商業も存続し、見かけ上は高校数7校で変わっていません。
次に合併の影響では、上記のうち合併を経験していないのは栃木市と室蘭市のみ。他は合併で高校数が増加(水増し?)しています。天草市は、旧市そのものがないですから、合併による増加とは言えないでしょうが、合併前の最大自治体である本渡市の高校数は3校でした。
また、分校や定時制の高校も1校として数えられていますが、ほとんどの場合、その生徒数は少数です。たとえば、定時制の七尾城北高の生徒数は07年時点で45人、高梁市でも定時制である市立松山高・市立宇治高が2校合わせて55人、五所川原市の金木高校市浦分校(定時制でもある)が52人と言った具合。このような定時制高校・分校を、全日制と同列に置いて高校数を論じるのが妥当かどうか。
以上のような状況で、学校数が多いからといって、必ずしもその市の高校力(適当に作った言葉です)が高いとは限らず、生徒数等も加味して考える必要があると思います。
その中で異彩を放つというか、孤高を誇っているのが栃木市。8万人台の人口で、合併せずに高校が7校。生徒数は5879人で5991人の本庄市を少し下回りますが、本庄の7校のうち2校は旧児玉町所在ですから、旧市レベルでは栃木市の方が多い。しかも、他都市の多くで高校数が減少する中、05年4月の学悠館高校の開校で1校増えています。学悠館は定時制ですが、昼夜開講の単位制を取っており、07年の生徒数が661人と、全日制に引けを取りません。
何と言っても特筆されるのが、普通科の男子校である栃木高、女子校の栃木女子、実業科の栃木農業、栃木工業、栃木商業と、市名(ですよねこの場合)を冠した県立高が5校揃い踏みしていること。高校再編の進んだ現在、市名のついた県立の男女農工商高校が全部揃った都市などというのは、北関東や東北の県庁所在地レベルの都市でもなければ、滅多に見られないのでは(
[64054] 右左府さん によれば、能代市も以前はすべて揃っていたそうですが)。さすが元県庁所在地。人口10万人以下都市の「実質的な」高校力チャンピオンは栃木市で決定、というところですね。
[64047] いっちゃんさん
県南4市で人口最少となろうとも、栃木県南で揺るぎない「格」を備えているのが栃木市
と仰るとおりです。
ただし、その栃木市でも、02~07年の生徒数は6044人→5879人と減っています。07年の数字には学悠館の生徒数が加わっていますから、県立5校と國學院栃木の既存校では800人以上減少していることになります。栃木市といえども、少子化による生徒数減少の趨勢には抗し得ないということです。まして、他の市では大きく減っており、分かっている範囲では02~07年におおむね1割以上の減、天草市では1/4の減少です。学齢期人口は今後も減り続けますから、高校や生徒数も減少は確実。各都市の高校力は今後も衰えていくことが予想されます。寂しいことですが。
以下は、現時点で各市に存在する高校名と近年の再編経緯、および合併との関係。
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七尾市
公立全日制:七尾高校、七尾東雲高校(七尾工業・七尾商業・七尾農業の3高校を移行し、04年4月新規開校。3校の閉校は06年3月)、田鶴浜高校(旧田鶴浜町)、中島高校(09年3月七尾東雲高と統合して廃校予定。旧中島町)
公立定時制:七尾城北高校
私立高校 :鵬学園高校
高梁市
公立全日制:高梁高校、高梁城南高校高梁校地、高梁城南高校川上校地(高梁工業・成羽・川上農業の3高校が統合されて04年4月に高梁城南高校開校。ただし3校の閉校は06年3月。高梁校地は高梁工業の、川上校地は川上農業の校舎を引き継ぎ。川上校地は10年3月閉校予定。成羽は旧成羽町、川上農業は旧川上町所在)
公立定時制:市立松山高校、市立宇治高校
私立高校 :岡山県高梁日新高校
五所川原市
公立全日制:五所川原高校(定時制併設)、五所川原高校東校舎(分校)、金木高校(旧金木町)、五所川原農林高校、五所川原工業高校
公立定時制:金木高校市浦分校(旧市浦町)
私立高校 :五所川原第一高校、五所川原商業高校
福知山市
公立全日制:福知山高校、府立工業高校、大江高校(旧大江町)
公立定時制:福知山高校三和分校(旧三和町)
私立高校 :京都共栄学園高校、福知山成美高校、福知山女子高校、福知山淑徳高校
天草市
公立全日制:天草高校、苓明高校、天草工業高校(以上3校旧本渡市)、牛深高校(旧牛深市)、天草東高校(旧有明町)、倉岳高校(旧倉岳町)、天草高校西校(旧天草町。01年4月に、独立した天草西高校から天草高校の分校に移行)河浦高校(旧河浦町)
公立定時制:定時制のみの高校はなし
私立高校 :なし(通信制の勇志国際高校が本校を置くが、カウントせず)
本庄市
公立全日制:本庄高校、本庄北高校、児玉高校、児玉白楊高校(以上2校は旧児玉町)
公立定時制:なし
私立高校 :本庄第一高校、本庄東高校、早稲田大学本庄高等学院
栃木市
公立全日制:栃木高校、栃木女子高校、栃木農業高校、栃木工業高校、栃木商業高校
公立定時制:学悠館高校(05年4月開校)
私立高校 :國學院大學栃木高校
室蘭市
公立全日制:室蘭栄高校(定時制併設)、室蘭清水丘高校、室蘭工業高校(定時制併設)、室蘭東翔高校(室蘭東と室蘭商業が合併し、室蘭東の校舎に06年4月開校)、室蘭商業高校(08年3月閉校予定)
公立定時制:定時制のみの高校はなし
私立高校 :室蘭大谷高校、海星学院高校
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