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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[107191]2023年3月31日
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[103922]2022年2月4日
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[103913]2022年2月2日
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[103887]2022年1月22日
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[103852]2022年1月17日
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[103711]2022年1月10日
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[99289]2020年3月23日
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[99264]2020年3月17日
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[99136]2020年1月30日
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[99134]2020年1月30日
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[99132]2020年1月30日
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[99130]2020年1月28日
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[98131]2019年7月21日
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[98110]2019年7月14日
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[97583]2019年3月22日
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[97521]2019年2月9日
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[97520]2019年2月9日
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[97514]2019年2月4日
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[97511]2019年2月2日
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[97507]2019年1月29日
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[97502]2019年1月27日
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[97499]2019年1月25日
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[97046]2018年11月28日
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[97037]2018年11月26日
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[97027]2018年11月24日
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[107191] 2023年 3月 31日(金)13:12:05【1】訂正年月日
【1】2023年 5月 25日(木)17:15:42 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年12月31日調の現住人口、追加修正等の情報
総務省統計局図書館が所蔵している古資料を調べたところ、

『町村別戸口表 明治廿二年 上 その一』
『町村別戸口表 明治廿二年 上 その二』
『町村別戸口表 明治廿二年 下 その一』
『町村別戸口表 明治廿二年 下 その二』
『戸籍表 北海道之部 従明治十九年 至明治廿八年』

とは別に、

『戸籍表 明治二十二年 上』
『戸籍表 明治二十二年 下』

という資料があることに、今更ながら気付きました。現在総務省統計局図書館は工事中のため、古資料の閲覧はできませんが、上記資料はマイクロフイルム化されており、そちらを閲覧してみました。すると明治22年の陸軍・海軍の詳しい内訳がまとまっていました。例えば千葉県印旛郡内の場合

明治廿二年十二月丗一日調 第一師団諸隊下士卒在営現人員区分表 (抜粋)
兵種隊号屯営配置ノ地名下士(合計)
歩兵第ニ連隊三大隊千葉県印旛郡佐倉田町 佐倉旧白内1191,4851,604

明治廿二年十二月丗一日調 砲兵射的学校学校生及下士卒在営現住人員区分表
区分所在地名定期学士下士(合計)
教導中隊千葉県印旛郡下志津村22978109

というわけで、[107039]で披露した折角の考察も大分外れていました・・・

また東京府東京市芝区の3人の陸軍関係者の正体が不明でしたが、発足したばかりの東京憲兵隊の馬丁でした。

明治廿二年十二月丗一日調 憲兵隊場丁在営現住人員区分表
区分所在地名馬丁
東京憲兵隊本部麹町区大手町一丁目一番地1
東京憲兵隊第一管区首部麹町区大手町一丁目一番地6
東京憲兵隊第一管区首部牛込区左内坂町廿一番地ノ内二号・市ヶ谷田町一丁目八番地3
東京憲兵隊第一管区首部芝区栄町七・八番地3
東京憲兵隊第一管区首部下谷区下谷車坂町十八番地ヨリ三十二番地ノ内に至マデ3
大坂憲兵隊大坂市南区順慶町通安堂寺町通4
愛知憲兵隊愛知県名古屋市本町四番地3
宮城憲兵隊宮城県仙台市東二番町七十五番地3

上の事例ですと、市谷左内坂町と市谷田町一丁目を分離できないという問題がありますが、概ね東京市内町丁レベルまで陸海軍在営艦者を分けることができると思います。

以上より、[107043]

2. 千葉県印旛郡の入寄留の内、入寄留の陸海軍在営艦者1713人の分配の情報がないため、志津村(陸軍砲兵射的学校)と佐倉町(陸軍第一師団歩兵第二連隊)の現住人口が確定できない。一応[107039]に示す方法で推定値は出しました。

こちらの問題は解決しました。

また東京市, 大阪市, 堺市, 新潟市, 水戸市, 津市, 弘前市, 秋田市, 鳥取市, 福岡市, 久留米市を除く市について『町村別戸口表』に掲載がないという問題がありましたが、『戸籍表』の方には郡区レべルの出入寄留の情報が揃っており、さらに 伊豆七島, 小笠原全体の統計も載っておりました。よって他町村出入寄留の情報が全て揃いそうです。最初に町村別人口がまとまっていた『町村別戸口表』に出会ってしまったために見落としてしまっていましたが、『町村別戸口表』はむしろ『戸籍表』に付属する資料だったようです。

残る問題は

1. 東京府伊豆七島・小笠原島に関しては、細かい町村別人口の情報が完全に欠落。

3. 虫食いのため、茨城県東茨城郡の一部の町村(石崎村、常磐村、河和田村、長岡村、上野合村、伊勢畑村、磯浜町)の出寄留の囚人及懲治人が正確に得られず、現住人口が正確に算出できない。

4. 北海道庁釧路郡に所属する町村(真砂町、米町、洲崎町、幣舞町、浦見町、釧路村、桂恋村、鳥取村、昆布森村、跡永賀村、仙鳳趾村)に関し、郡全体での他町村出寄留は4人となっているものの、町村別の他町村出寄留が空欄となっており、これらの町村のいくつかの現住人口を正確に算出できない。これに関しては対処不能なので、とりあえず各町村の他町村出寄留を0として算出しました。

1と3についてはこれ以上の対処は不能で、2の虫食いの問題は、数年後、古資料閲覧が可能になった以降に、改めて確認します。

新たに情報を得た戸籍表を用いた修正はまあ数日かかりますが、修正結果の公表の方は4月末に行います。

現時点で気付いた修正点ですが、佐倉町、志津村の人口が修正されるほか、

広島県狩小川村の官報計算の現住人口を3,276から3,278に訂正、
飛騨国大野郡高山町の高山監獄の囚人28の処理に一部不具合あり
島根県楯縫郡の鳶巣村と鰐淵村は官報掲載の現住人口が計算値と±1ずれているが、こちらは修正なし
一部戸長役場連合、組合の集計に、範囲の指定の誤りあり

また区分として、東京市、函館区、札幌区内の下位区分について、~町を/町丁/、~村を/大字/として区別していましたが、徴発物件一覧表で町丁だろうが全部「大字●●町一丁目」といった表記をしていましたので、次の更新から全部/大字/に統一します。


なお、第五師団第十二連隊の「屯営配置ノ地名」は「香川県那珂郡丸亀 丸亀旧城内」となっていました。丸亀営所は戸長役場管轄地区の範囲外なのでしょうか。まあそもそも陸海軍兵営と監獄は、出入寄留届の対象外のようですので、丸亀営所の在営者は現状では、
「丸亀営所(元一番~四番丁)」として処理します。

参考までに広島の方は「広島県広島市基町 広島旧城内」、松山の方は「愛媛県温泉郡堀内町 松山旧城内」(堀内町は明治22年末の段階では松山市の一部になっており、「各地方郡市戸口表」「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」が誤って陸軍第五師団歩兵第二十二連隊1,559を温泉郡に加算してしまった原因がここに伺えます)と、大字レベルまでの住所は他の事例では示されています。
[107174] 2023年 3月 30日(木)00:48:15【2】訂正年月日
【1】2023年 3月 30日(木)01:01:05
【2】2023年 5月 25日(木)17:16:18 by オーナー(表組み改善)
YT さん
久栄村?
[107173] サヌカイトさん

一番丁~五番丁の調査、ありがとうございます。それにしても久栄村の件は、色々謎が多いですね。

昭和30年の国勢調査報告書に「付表2 市区町村の廃置分合,境界変更,名称変更一覧表-昭和25年10月2日~昭和30年10月1日」という項目があり、(pdf形式)でダウンロード可能です。これによると

年月日異動地域昭和25年人口 △は減
綾歌郡久万玉村6,172
29.4.1(新)綾歌郡栗熊村3,447
同富熊村2,725

とあって、久栄村の存在は無視されています。

一方香川県側では、例えば昭和29年の『香川県統計年鑑』に収録されている「市町村の廃置分合・境界変更及び名称変更」によると、

昭和25年国勢調査結果表より

などという謎の引用を掲げながら、

年月日合併町村
〃26.4.1綾歌郡富熊村及び栗熊村を廃し、その区域をもって久栄村を設置321141
昭和26.4.1綾歌郡久栄村を久万玉村とする。

と表記しており、久栄村の存在を示しています。

香川県側の証言としては、『香川県議会史 第1巻 (自昭和22年4月至昭和30年3月)』の346~347頁の記述によると、昭和26年3月10日土曜日の香川県議会議会で、以下のことが議決されており、この段階では4月1日付で久万村とすることが決まっています。

午後一時十三分再開

二十五号議案(仲多度郡南村を丸亀市の区域に編入)二十六号議案(綾歌郡栗熊村および富熊村を廃して久栄村とする)の二議案を追加上程、茨木議員が賛成、両議案とも賛成多数で可決承認、二十三、二十四号議案とあわせて陽春四月一日から二市一町八村が、二市一町一村として発足することとなった。

ところがむっくんさによると、[102330]に示したように、香川県報では昭和26年3月20日の段階では既に久万玉村となることが決まってしまっている。

香川縣告示第百二十一号
 綾歌郡栗熊村及び富熊村を廃して、この区域をもつて新に久万玉村を置き、昭和二十六年四月一日から施行する。
 なお、地方自治法施行令第百七十七條第一項第一号の規定に依る久万玉村の人口は六千百七拾弐人である。
昭和二十六年三月二十日 香川縣知事 金子正則

3月10日と3月20日の間の10日間に何があったのでしょう?昭和25年度3月の残りの議会の記録を読んでも、久栄村を久万玉村とすることに関する議論は掲載されていません。

そして、昭和26年5月21日の官報によると、この段階では既に4月1日付で久万玉村となったことが報告されています。

◎総理府告示第百六十五号
   村の廃置分合
地方自治法第七条第一項の規定により、昭和二十六年四月一日から、香川県綾歌郡栗熊村及び富熊村を廃し、その区域をもって久万玉村を置く旨、香川県知事から届出があった。 昭和二十六年五月二十一日
    内閣総理大臣 吉田 茂

以上を察するに、3月10日の段階で久栄村は議会で承認されたが、3月20日までに久万玉村となり、4月1日に正式に発足した際には久万玉村・・・というのが大まかな流れ。ところが、香川県内では、議案として久栄村の記録が残っており、例えば『香川県議会史 第1巻 (自昭和22年4月至昭和30年3月)』の年表の昭和26年四月一日・日の項目には、

綾歌郡栗熊村および富久万村を廃しその区域をもって久栄村を置く。綾歌郡久栄村を久万玉村とする。

と、4月1日に正式に久栄村が発足してしまったかのような記述になってしまってます。

あとは、

― (1) 「香川県報」に記載された告示が正しく、久栄村は存在しなかった
― (2) 香川県議会で決定されたように、久栄村は正式に発足したもので、香川県報の告示の記述は言葉足らずである

のどちらの立場を選択するかの問題に帰結されるかと思います。

個人的には(1)が正しく、久栄村は正式には発足しなかったと思われますが、香川県史、香川県統計年鑑、香川県議会史など、香川県側の記述は、この後大分経っても「久栄村」が正式に存在したとするものが多く、脚注で異論として併記が必要かも知れません。
[107168] 2023年 3月 29日(水)14:02:00【1】訂正年月日
【1】2023年 3月 29日(水)15:56:28
YT さん
Musashite?
[107164] サヌカイトさん

YTさん 丸亀市街問題について
 私のホームグラウンドということで郷土資料をとして手に入れやすいことから図書館で確認してきましたが、明確な記述は得られませんでした。その時メモを持って行き忘れたのでもう1回確認に行って記事にしますが、取り急ぎ香川県史(平成元年)に一から四番丁消滅の根拠記述っぽいのが載っていたことは報告しておきます。

わざわざ報告して頂きありがとうございます。[99158]の投稿からすると、サヌカイトさんは現在高校2年~3年の兄弟なのでしょうか?改めてこちらの落書き帳の年齢幅の大きさに驚かされます。

これはサヌカイトさんにとっては悪魔の囁きかも知れませんが、[107055]で示したように、国立国会図書館デジタルライブラリーの個人向けデジタル化資料送信サービス機能を使うことによって、自宅のパソコンで『香川県史』を閲覧することができます。ただそれによって自分がなすべき仕事が大いに阻害されることは間違いありません。一点問題となるのは、国立国会図書館の利用資格が年齢満18歳以上なことですが、兄の方は既に有資格者だと思います。

私が学生の時は、国立国会図書館の利用資格は満20歳以上でした。ただ当時真面目な大学生だった自分は、せっかく20歳の誕生日を迎えても、朝から晩まで授業を6コマ入れていた平日に全く利用する時間を作ることができず、確か土曜日?は夕方5時には閉まるし、行っても読みたい本を申請し(ぎりぎりOPACはあったかな・・・)、本が閲覧できるまでに30分以上も待たされ、とにかく利用し辛い図書館でした。その頃に比べたら、国立国会図書館は本館の方も大分利用し易くなりました。

おそらく丸亀営所に関する記述があるのは、『香川県史 5 通史編 近代I』(1987年3月)の92頁以降の「丸亀営所」の項目かと思います。こちらを読むと、丸亀一番丁~四番丁は「御用地」となり、さらに明治7夏の段階で丸亀五番丁~十番丁も将来の兵営地に指定されたものの、結局兵営地になったのは五番丁までで、残りは継続して住民が住み続けたことがうかがえます。ただ、結局明治22年末の段階で、一番丁~四番丁に建設された兵営所の住所表記はどうなるのかの問題は解決しませんね。

ちなみにこの県史、wikiの久栄村記述の出元ではないかと疑っております。県の呼びかけに従って早めに合併した模範事例としてわざわざ詳しく書かれており、そこにしっかり存在したと述べられていたので。ちなみに別出典ですが読みは「きゅうえい」だそうです。

こちらが載っているのは『香川県史 7 通史編 現代』(1989年3月)の359頁以降の「内海町と久万玉村」の項目ですね。いずれにせよ、国立国会図書館に利用登録をすれば膨大な数の本を閲覧できるようになります。


それにしても「サヌカイト」とは、なかなかセンスのある名前ですね。思えば自分は埼玉県浦和市生まれ、神奈川県川崎市育ち、最近は東京都稲城市在住なので、日本国内での居住は全て武蔵国内です。さしずめMusashite ムサシャイトかムササイト?となりますが、今更本名をイニシャルにしただけのメンバー名を変えるつもりはありません、


個人情報について

これまでこちらのサイトで個人情報に関する立場を表明したことはありません。ただ私の表の顔に関しては、これまでの自分の仕事をアピールするために個人情報は完全に公開されています。私の本名で検索すれば、ばっちり写真、学歴、職歴、出版物、公式のメールアドレスなどがすべて一発で分かります。将来犯罪を犯して捕まってしまえば、もうネットリンチを逃れることができないことになりそうですが、それも仕方ないような職業についています。今のところ身近な人に自分のこちらでの書き込みを公表したことはありませんが、万が一バレますと・・・「お前は自分の専門と全く関係ないことにこんなに時間を割いているのか!」と上司に言われ、職を失うリスクは多少はありますね。とはいえ、多分ポリティカルコレクトネスに重大に反する書き込みをしたことはないとは思います。

思えば個人情報は、昔は本当にユルユルでした。学校の名簿が事務からいつの間にか名簿業者に流出していたり(学習塾の広告のダイレクトメールの郵便番号が全部間違っていたので、間違った郵便番号が登録されていた学校の事務経由と推測され、また進研ゼミだけは別系統の名簿を使っていることも判明)、大学に合格すれば新聞や週刊誌に名前が出て、図書館に行けば近隣の高額納税者の名前が分かりました。それがいつの間にか法規制で個人情報の収集に制限がかかったのはいいんですが、業者を介してOB会開催した結果、OB会名簿の引継ぎが失われてしまうだとか、子供の小学校の緊急連絡網が存在しないとか、ちょっと行き過ぎているようにも感じます。個人情報に関しては幾分グリグリさんに近い意見になるかと思いますが、一方で職業柄若い人とも頻繁に会話するので、反対意見の方も理解できます。世代間の意見の違いを感じるとともに、自分も結構年増組になってしまったんだなあ・・・と思い知らされます。

【リンク修正】
[107127] 2023年 3月 21日(火)23:30:06【4】訂正年月日
【1】2023年 3月 21日(火)23:35:30
【2】2023年 3月 21日(火)23:44:31
【3】2023年 3月 21日(火)23:54:49
【4】2023年 3月 22日(水)00:06:06
YT さん
丸亀五番丁はおそらく明治23年まで存続、ただし丸亀営所は元一番丁~四番丁に設営
[107123] むっくんさん

これらからすると明治7年に、おそらく、住民の数が0人となった自治体としての丸亀一番町~四番町が無くなり、登記簿上のみに丸亀一番町~四番町が残った。その後、明治23年の市制町村制施行に伴う丸亀町の成立に伴い、他の町村の管轄区域ではない丸亀一番町~四番町(土地の登記簿上のみ存在)が自治体として一瞬だけ復活していることとしていたものと考えます。
#丸亀一番町~四番町のような事例としては、現在の京都市上京区の京都御苑に存在していた西殿町(M19.5.13廃止、M22.4.1に上京区の一部)が挙げられます。

当時の丸亀営所は丸亀五番町にあり、丸亀五番町は丸亀通町外二十二箇町連合を形成する一つの町ではないでしょうか。おそらく、何らかの手違いで丸亀五番町が抜け落ち、その為に丸亀通町外二十一箇町連合となったのでしょう。

考察ありがとうございます。

まず色々調べた結果、『丸亀市史』(閲覧には利用者登録が必要です:[107055]参照)の方に明治21年8月13日付で「丸亀通町外二十二箇町戸長」の人口戸数のデータが乗っており、「丸亀通町外二十一町丁」とするのは誤りであり、たとえ人口がゼロであっても「五番丁」は空欄として登録するべきであることが示唆されました。

一方で、この丸亀市史収録の報告書には・・・御供所町、北平山町、西平山町、瓦町、風袋町、葭町、宗古町、魚屋町、松屋町、米屋町、通町、富屋町、塩飽町、南条町、横町、福島町、六番丁、七番丁、八番丁、九番丁、十番丁の合計21町丁の情報が載っているのですが、浜町と五番丁が欠けています。五番丁は本籍人口ゼロだから仕方ないかもしれませんが、浜町は明治22年の本籍人口が522人ですし、データの収録ミスかも知れません。

さらに厄介なことが判明しました、少なくとも丸亀営所は、一番丁~四番丁の武家屋敷をつぶしたところに作られ、あとから五番丁が兵営地に編入されたと推測されるからです。

まず、国立公文書館デジタルアーカイブの方に『讃岐国丸亀絵図』がありますが、こちらの城絵図は、下の方が北、上の方が南、左の方が東、右の方が西となっています。現在の丸亀城址(丸亀市一番丁)は、中央の内堀の内側のみで、外堀は埋め立てられるか、暗渠になっているかしており、地図の上ではなんとなく過去の外堀・町割の跡を道路で確認できる程度です。

次に明治6年12月3日の山縣有朋による『丸亀兵営建築地所請取方伺』もまた、国立公文書館デジタルライブラリ―で閲覧できますが、この資料の3/7頁目に、まさに丸亀兵営地を作るために陸軍に引き渡される予定の5万9463坪4号9勺4才別紙図面が掲載されています。場所としては城の外堀の内堀に挟まれた地で、「土橋」の位置から、城絵図と比較すると、現在の丸亀城址の北側の、丸亀市大手町一丁目大手町二丁目大手町三丁目に相当する地域であることが分かります。

『新版 角川日本地名大辞典』によると、現在の「丸亀市大手町」は、

昭和25年~現在の丸亀市の町名。昭和57年からは1~3丁目がある。もとは軍用地の一部(丸亀市旧一番丁~四番丁の中央部分)。丸亀城大手門前の一帯にあたり,町名はそこに由来する。

ついでに「四番丁」は、

江戸期~明治7年の町名。丸亀城の外郭内の武家屋敷町の1つ。丸亀平野の北部に位置し,丸亀城の北にあたる。三番丁の南に位置し,南側は内堀に面した。東西に細長い町で,中央は広場となっており,橋を経て大手二の門の正面にあたった。生駒氏時代から家中の居住地であったと推定されるが,町の成立は不明。続く山崎氏時代の城郭図には町割が整い,「侍屋敷」と記されている。京極氏時代の文政11年城郭図には10前後の武家屋敷が記されている。明治7年広島鎮台丸亀営所創設にともない陸軍省が用地を買収し軍用地となり,町は消滅した。買収による取払民家数8軒(丸亀市史)

つまり、一番丁~四番丁は、現在の丸亀城址の北側に、かつての外堀と内堀の間を埋めていた城下町で、北から順番に外堀、一番丁、二番丁、三番丁、四番丁、内堀と東西に延びた町割であったようです。この地の約90家の武家屋敷が明治7年に取り潰されて、丸亀営所になったようです。現在の大手町は、かつての東西に細長い四層構造を南北のラインで東西3つの丁目にぶつ切りにしてしまっています。

丸亀市史』の方に、兵営接地のために取り払われた武家屋敷の所有者一覧と住所が書かれています。すなわち「元一番丁」、「元二番丁」、「元三番丁」、「元四番丁」が該当します。リストには華族として京極一門の名前もあり、割と上級武士の武家屋敷のようです。丸亀営所自体は明治7年9月に新築落成しています。


一方五番丁の方は

江戸期~明治初年の町名。丸亀城の外郭内の武家屋敷町の1つ。丸亀平野の北部に位置し,丸亀城の東にあたる。四番丁の南に位置した。南北に細長い町で,東西でそれぞれ外堀・内堀に面した。生駒氏時代から家中の居住地であったと推定されるが,続く山崎氏時代の城郭図では町割が整い,「侍屋敷」と記されている。京極氏時代の文政11年城郭図には30数軒の武家屋敷が記されている。また当町の北東端には番所があり,土橋を経て城外に至った。明治7年広島鎮台丸亀営所創設にともない,陸軍省が一番丁~四番丁の用地を買収,その後当町も歩兵第12連隊の作業場地域となり,町は消滅した。なお,昭和25年当町域は城東町の一部として再発足した。

こちらは現在の丸亀城址の内堀の東側に、南北に伸びた武家屋敷で、現在の丸亀市城東町二丁目に相当します。文章からすると後から陸軍に接収された土地です。ただ、『日本歴史地名大系』の方も

外郭内の武家屋敷は北から一番丁―十番丁まであったが、明治初期の丸亀歩兵連隊設置により一番丁―五番丁は消滅した。

とあり、『日本歴史地名大系』や『新版 角川日本地名大辞典』の記述に従うところの五番丁の消滅(?)時期が不明です。

結局具体的な丸亀営所の住所表記は分かりませんが、『陸軍省第十年報: 明治十七年 自一月 至十二月』の方だと、歩兵第十二連隊の営所の住所は、「那珂郡丸亀一番ヨリ九番地マデ丸亀城」となっています。

以上をまとめると、

1.「五番丁」は実態は無くとも居住地としては生きており、「町村別戸口表に掲載なし」という備考を加えた上でデータとして追加するべきである。

2.「通町外二十一町丁」は「通町外二十二町丁」に改訂するべきである。

3.「丸亀営所」は、元一番丁~元四番丁を接収して建設された。よって、「丸亀営所(旧一番丁~旧五番丁)」は「丸亀営所(元一番丁~元四番丁)」と改訂するべきである。



まあ今回改めて感心したのは、よく本丸、天守閣を潰して兵営地を建設しなかったことです!万が一天守閣を潰していたなら、丸亀城は現存十二天守の資格を失っていました。丸亀に関わった陸軍の幹部は、丸亀城の天守閣を潰さずに、あくまでも武家屋敷を潰して外堀と内堀の間に兵営所を建設し、その他の重要な軍備施設は城郭建物を転用していたようです。丸亀城が生き残れたのも、本当に幸運のなせる業と言えるでしょう。

【文章を色々修正/追記】丸亀藩・京極家は幕末尊皇派として行動し、明治維新後も率先して廃藩置県に応じたことから、丸亀城郭存続に効いたのかも知れません。明治時代~昭和時代の丸亀城周辺の地図を掲載しているサイトを見つけました。明治32年の地図(pdfファイル)を見る限り、兵営地があったのは現在の丸亀市大手町三丁目と現在の大手町二丁目で、元一番丁~四番丁の西側の半分という感じです。元一番丁~四番丁の東側は「練兵場」となり、五番丁は「作業場」になっています。
[107114] 2023年 3月 20日(月)14:42:22【3】訂正年月日
【1】2023年 3月 20日(月)18:07:40
【2】2023年 3月 20日(月)21:35:49
【3】2023年 5月 25日(木)17:21:26 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治23年北海度庁の町村別人口4カ所の人口訂正と、明治22年における丸亀営所の所属町村の問題
[107111] 白桃さん

注1:表中1886年の(人口)は、「市街名邑及町村二百戸以上戸口表」(M.21年「内務省総務局」に記載された現住人員(1886年12月31日調)、1890年の(人口)は、YTさんが算出された現住人口(日本帝国民戸口表基準)、1908年の(人口)は「日本帝国人口静態統計」によります。

早速使って頂きありがとうございます。

ただ、[107050]でアップロードしました明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口については、[107077]に加え、北海道庁の一部市区町村に間違いがありましたので、追加訂正します。

【1】

修正前:
市区町村本籍男本籍女本籍人口現住戸数現住人口(官報基準)現住人口(日本帝国民籍戸口表基準)
茅部郡蛯谷村29825655471559559
茅部郡石倉村13712025730268268

修正後
市区町村本籍男本籍女本籍人口現住戸数現住人口(官報基準)現住人口(日本帝国民籍戸口表基準)
茅部郡石倉村29825655471565565
茅部郡蛯谷村13712025730262262

『戸籍表 北海道之部 従明治十九年 至明治廿八年』は、明治23年の戸口表に関して、本籍人口と現住戸数をまとめた「各郡区町村別戸口表」と、出入寄留をまとめた「各郡区町村別人口出入表」が分離しているのですが、両者で順番が違っていたのを見落とし、誤って逆にまとめて算出してしまいました。この間違いは『明治二十四年 徴発物件一覧表』との数値の比較で気付きました。本籍男~現住戸数の数値は逆で、[出]外国行~[入]他町村入寄留の数値は正しいです。ただし修正するにあたっては、「各郡区町村別戸口表」の順番を優先し、石倉村と蛯谷村を逆にし、出]外国行~[入]他町村入寄留の数値を入れ替えました。結果、現住人口(官報基準)と現住人口(日本帝国民籍戸口表基準)の数値が変わります。


【2】

修正前:
市区町村本籍男本籍女本籍人口現住戸数現住人口
(官報基準)
現住人口(日本帝国
民籍戸口表基準)
備考
室蘭郡輪西村17118835967504503
室蘭郡元室蘭村8286421,4703001,5201,520M23.5.15改称

修正後:
市区町村本籍男本籍女本籍人口現住戸数現住人口
(官報基準)
現住人口(日本帝国
民籍戸口表基準)
備考
室蘭郡輪西村8286421,4703001,6151,614本籍男171, 本籍女188, 本籍人口359, 現住戸数67を修正
室蘭郡元室蘭村17118835967409409M23.5.15改称; 本籍男828, 本籍女642, 本籍人口1,470, 現住戸数300を修正

こちらはむしろオリジナルは『戸籍表 北海道之部 従明治十九年 至明治廿八年』に従ってまとめてました。即ち「各郡区町村別戸口表」の方は元室蘭村、輪西村、各郡区町村別人口出入表」の方は輪西村、元室蘭村の順番に数字が示されており、入力の際にはちゃんと順番を入れ替えて表にまとめました。しかしがら『明治二十四年 徴発物件一覧表』との数値の比較で数値がおかしいことに気付きました。明治22年、明治24年の人口と比較すると、明治23年だけ特異的に室蘭村と輪西村の人口が不自然に反転していました。そこで『明治二十四年 徴発物件一覧表』の掲載の値が正しく、「各郡区町村別戸口表」の方で誤って元室蘭村と輪西村の順番を間違えてしまったと判断し、本籍男~現住戸数の数字を輪西村と元室蘭村の間で交換するという修正を行いました。[出]外国行~[入]他町村入寄留の数値は、人口比からも数字的に元データが正しいと判断し、こちらは修正しませんでした。結果、現住人口(官報基準)と現住人口(日本帝国民籍戸口表基準)の数値が変わります。

以上の間違いは『明治二十四年 徴発物件一覧表』との数値の比較で気付きましたが、他の地域については官報掲載の現住人口との比較である程度この手の入力誤りは防げていたと思います。北海道庁・沖縄県・奄美・トカラ・対馬・隠岐に関しては、官報掲載の現住人口によるチェックができないため、このような間違いがほかにあるかも知れません(明治22年に関しては、『町村別戸口表』の方に欄外で官報掲載の現住人口が記載されているため、北海道庁と、そもそも情報漏れの伊豆・小笠原以外は数値のチェックができます)。

この他、戸長役場連合、町村組合管轄の範囲について、SUM関数の指定を誤っている箇所が既にいくつか見つかっていますが、これについてはまあ追加修正は一々メモっていないので、次回の更新で突然の修正がいくつも出てきますがすみません。


なお、今回香川県の過去の人口をまとめていらっしゃいますが、明治22年(1889年)12月31日調の香川県の現住人口について、一点扱いに困っている項目があります。それは、丸亀城下におかれた「丸亀営所(旧一番丁~五番丁)」の扱いです。明治22年末の香川県那珂郡は、無籍在監人2人、入寄留の囚人及懲治人208人、入寄留の陸海軍在営艦者1,598人の存在を確認できますが、この内無籍在監人2人は那珂郡丸亀御供所町に加えると、官報掲載の現住人口とも一致することからも、丸亀監獄が丸亀御供所町に存在したことが確認できます。一方で入寄留の陸海軍在営艦者1,598人とは、すなわち丸亀営所に現住戸籍を届けた陸軍第五師団歩兵第十二連隊の下士・卒・生徒であることに相違ありません。問題はその所在地ですが、『新版 角川日本地名大辞典』などによると、例えば那珂郡丸亀五番丁について、

明治7年広島鎮台丸亀営所創設にともない,陸軍省が一番丁~四番丁の用地を買収,その後当町も歩兵第12連隊の作業場地域となり,町は消滅した。なお,昭和25年当町域は城東町の一部として再発足した。

とあり、丸亀営所は旧那珂郡丸亀一番丁~五番丁に設置されたことがわかります。実際官報の方では那珂郡丸亀六番丁~十番丁の記載がありますが、那珂郡丸亀一番丁~五番丁はありません。

となると、丸亀営所に居住の兵卒は、どこに現住の戸籍を置いたのでしょう?既に丸亀一番丁~五番丁は消滅しています。仕方ないので「丸亀営所」とでもするしかない町丁名同等地区が存在すると仮定して集計し、戸長役場管轄としては丸亀通町外二十一箇町丁連合の方に合算しましたが、ここの当時の住所の扱いが分かれば、集計方法を今後変えるかも知れません。

【言葉の間違いや繰り返しを一部訂正】
[107077] 2023年 3月 14日(火)01:05:57【3】訂正年月日
【1】2023年 3月 14日(火)01:37:18
【2】2023年 3月 14日(火)09:49:34
【3】2023年 5月 25日(木)17:21:58 by オーナー(表組み改善)
YT さん
徴発物件一覧表との比較による明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口の一部修正
[107050] でまとめた明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口については、[105242] に書きましたように、現在総務省統計局図書館所蔵が耐震改修工事対応のため利用できないため、残った数カ所の再チェックはあと数年実行できなくなりました。

しかしながら、明治23年(1890年)12月31日調については[87941]にまとめたように、『明治二十四年徴発物件一覧表』が存在します。
本書は大字別単位で膨大な情報が掲載されており、その中に大字別人口の情報もあります。8年前、[88602]に示したように、この情報をエクセルファイルにまとめようとしましたが、結局この徴発物件一覧表の人口データは本籍人口と現住人口、その他いい加減な計算結果が入り乱れているものであり、数値のチェックが困難なことから、まとめることを断念しました。今回[107050]で戸籍表に基づく現住人口がある程度まとまったので、改めて大字別人口を盛り込んで行こうと思っています。

ところで、[105313]に示したように、明治23年12月31日調の現住人口に関しては、

2. 虫食いのため、いくつかの町村の出寄留の囚人及懲治人、陸海軍在営艦者の情報が正確に得られず、現住人口が正確に算出できない。

という問題が発生していました。具体的には京都府の相楽郡加茂村、相楽郡当尾村、愛知県の愛知郡千種村、愛知郡鍋屋上野村、知多郡半田町、知多郡亀崎町、知多郡岡田村、碧海郡大浜町、碧海郡中島村、碧海郡占部村、幡豆郡味沢村、幡豆郡五保村、額田郡相見村、額田郡深溝村、西加茂郡藤河村、西加茂郡高岡村、西加茂郡豊原村、東加茂郡介木村、東加茂郡生駒村が該当します。

改めて徴発物件一覧表掲載の人口と比較したところ、少なくとも愛知県知多郡、碧南郡、幡豆郡に関しては、徴発物件一覧表掲載の人口が現住人口に対応しているらしいことが判明しました。他の京都府相楽郡と愛知県西加茂郡は一部現住人口、愛知県愛知郡と東加茂郡は本籍人口、愛知県額田郡は本籍人口と独自算出の混合ということで、他については既に推定値と合致する場合と、本籍人口ベースのだめにそもそも検証不能の場合とが混在します。

町村府県庁本籍官報[出]陸海軍[出]囚人懲治人現住(未確定)徴発物件虫食い箇所
相楽郡加茂村京都府3,7563,734573,7223,717[出]囚人及懲治人
相楽郡当尾村京都府1,4671,452111,4501,450[出]囚人及懲治人
愛知郡千種村愛知県2,7572,612212,6092,757[出]囚人及懲治人
愛知郡鍋屋上野村愛知県1,3491,318201,3161,350[出]囚人及懲治人
知多郡半田町愛知県4,9735,162765,1495,147[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
知多郡亀崎町愛知県5,8466,0501056,0356,034[出]囚人及懲治人
知多郡岡田村愛知県2,0502,017332,0112,014[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
碧海郡大浜町愛知県5,6845,50015125,4735,472[出]囚人及懲治人
碧海郡中島村愛知県1,6251,446211,4431,441[出]囚人及懲治人
碧海郡占部村愛知県2,6772,299442,2912,293[出]囚人及懲治人
幡豆郡味沢村愛知県2,1381,923301,9201,919[出]囚人及懲治人
幡豆郡五保村愛知県2,6862,439022,4372,438[出]囚人及懲治人
額田郡相見村愛知県3,1332,981492,9683,133[出]囚人及懲治人
額田郡深溝村愛知県2,7692,560372,5502,608[出]囚人及懲治人
西加茂郡藤河村愛知県1,6491,595421,5891,589[出]囚人及懲治人
西加茂郡高岡村愛知県2,0132,032332,0262,026[出]囚人及懲治人
西加茂郡豊原村愛知県1,9001,833021,8311,832[出]囚人及懲治人
東加茂郡介木村愛知県1,2371,240101,2391,237[出]陸海軍在営艦者
東加茂郡生駒村愛知県73172300723731[出]陸海軍在営艦者

[107050]の段階では修正を加えていませんが、少なくとも知多郡半田町、知多郡亀崎町、知多郡岡田村、碧海郡中島村、碧海郡占部村、幡豆郡味沢村、幡豆郡五保村については以下のような修正を、次のバージョンで入れることにしました。碧海郡に関しては、項目として隣接する中島村、占部村の数字が一致するよう、大浜町よりも優先して修正しました。

町村府県庁本籍官報[出]陸海軍[出]囚人懲治人現住(未確定)徴発物件虫食い箇所
相楽郡加茂村京都府3,7563,734573,7223,717[出]囚人及懲治人
相楽郡当尾村京都府1,4671,452111,4501,450[出]囚人及懲治人
愛知郡千種村愛知県2,7572,612212,6092,757[出]囚人及懲治人
愛知郡鍋屋上野村愛知県1,3491,318201,3161,350[出]囚人及懲治人
知多郡半田町愛知県4,9735,162785,1475,147[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
知多郡亀崎町愛知県5,8466,0501066,0346,034[出]囚人及懲治人
知多郡岡田村愛知県2,0502,017302,0142,014[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
碧海郡大浜町愛知県5,6845,50015125,4735,472[出]囚人及懲治人
碧海郡中島村愛知県1,6251,446231,4411,441[出]囚人及懲治人
碧海郡占部村愛知県2,6772,299422,2932,293[出]囚人及懲治人
幡豆郡味沢村愛知県2,1381,923311,9191,919[出]囚人及懲治人
幡豆郡五保村愛知県2,6862,439012,4282,438[出]囚人及懲治人
額田郡相見村愛知県3,1332,981492,9683,133[出]囚人及懲治人
額田郡深溝村愛知県2,7692,560372,5502,608[出]囚人及懲治人
西加茂郡藤河村愛知県1,6491,595421,5891,589[出]囚人及懲治人
西加茂郡高岡村愛知県2,0132,032332,0262,026[出]囚人及懲治人
西加茂郡豊原村愛知県1,9001,833021,8311,832[出]囚人及懲治人
東加茂郡介木村愛知県1,2371,240101,2391,237[出]陸海軍在営艦者
東加茂郡生駒村愛知県73172300723731[出]陸海軍在営艦者

ついでに[107043]の明治22年の町村別戸口表の虫食い箇所の表がおかしくなっていたので以下のように修正します。こちらの地区の徴発物件一覧表掲載の明治22年末人口は完全に本籍人口が採用されていたので、徴発物件一覧表のデータから修正はできません。

町村府県庁本籍人口官報掲載[出]囚人及懲治人現住人口(未確定)徴発物件一覧表掲載
東茨城郡石崎村茨城県2,6332,71522,7112,633
東茨城郡常磐村茨城県2,4842,48882,4782,484
東茨城郡河和田村茨城県1,9581,95231,9481,958
東茨城郡長岡村茨城県3,2743,29633,2893,274
東茨城郡上野合村茨城県2,6642,66952,6622,664
東茨城郡伊勢畑村茨城県1,2521,23911,2371,252
東茨城郡磯浜町茨城県8,8968,868138,8508,896

【追加訂正】最後の表に本籍人口と徴発物件一覧表掲載の人口を追加
[107055] 2023年 3月 9日(木)13:01:49YT さん
国立国会図書館デジタルコレクション「送信サービスで閲覧可能」について
YTです。

国立国会図書館デジタルコレクションの個人向けデジタル化資料送信サービスが始まってそろそろ1年になりますが、こちらで誰も言及していないので、改めて紹介します。

ここでもかなりの方が国立国会図書館デジタルコレクションを利用していると思いますが、国立国会図書館デジタルコレクションに登録されている資料の方は、以下の3種類があります・

1.ログインなしで閲覧可能
2.送信サービスで閲覧可能
3.国立国会図書館内限定

この内、

1.ログインなしで閲覧可能

については既に多くの方が利用されていているので省きます。

3.国立国会図書館内限定

については、実際に国立国会図書館でカードを作り、パスワードを設定し、国立国会図書館内の端末にカードを置いて、操作して閲覧する必要があります。必要箇所のコピーを取りたい場合は、その場で会計で現金支払いが必要となります。

今回説明したいのは

2.送信サービスで閲覧可能

です。こちらに関しては、数年前から地方の図書館の端末で閲覧可能でありましたが、結局のところ図書館の端末で出向かないといけないので、それほど便利というわけではありませんでした。

ところが、2022年2月1日 「個人向けデジタル化資料送信サービス」の開始について(令和4年5月19日予定)(付・プレスリリース)を見て頂ければわかるように、去年の5月下旬から、自宅で送信サービス限定の資料を閲覧することが可能となりました。

例えば以前[76316][76317][76319]で紹介しましたが、『統計集誌』に掲載されていた明治3年頃の府藩県三治制下での府藩県別の族籍別人員表や、[77095]で紹介した、蒲生氏郷の子孫が記述した文禄2年の蒲生領での人口調査なんかも、ログインIDとパスワードがあれば簡単に閲覧できます。

また、例えば[99389]でMIさんが

なお、この『高畠町史』は国会図書館のデジタルコレクションに収められてはおりますが、「インターネット公開」ではなく「図書館送信資料」ですから、送信サービス参加館で閲覧可能となっております。しかし全国の図書館は臨時休館を余儀なくされているでしょうし、国会図書館の遠隔複写サービスも受付休止になってしまいました。

と書かれていますがが、該当する箇所も図書館に行かず、直接閲覧可能です。

いずれにせよ、閲覧するには、ログインIDとパスワードが必要です。

自分の場合、十数年前に国立国会図書館でカードを作り、さらに国立国会図書館内の端末で検索する過程でいつのまにかパスワードを設定しました。またIDの延長は3年毎に必要だったようなのですが、自分の場合国立国会図書館でのコピーサービスを仕事で利用する関係で、なんとなく自動で延長を続けていました。どうやって自動延長したか、確かなんかサイトでクリックして簡単に自動延長できたような気がしましたが、その辺の細かい経緯はすっかり忘れてしまいました。昨年新聞記事のコピーを国会図書館に依頼する過程で(ログインIDとパスワードで遠隔依頼でき、料金は後から送られてくる支払い書で銀行口座振り込み)、偶然国会図書館デジタルコレクションの送信サービスが個人で利用できることに気付きました。サービス開始は昨年の5月19日からのようです。

自分が登録した時の詳しい経緯はすっかり忘れてしまいましたが、国立国会図書館の利用者登録(個人)についてによると、

国立国会図書館の利用者登録(個人)は、利用できるサービスの範囲によって次の2種類に分かれています。登録方法については、ご希望の登録種別に該当するページをご参照ください。なお、登録は無料です。

デジタル送信サービスを利用できるのは本登録のみですので、本人確認書類の提示が必要です。

国立国会図書館の利用者登録(個人)について:本登録に詳しいことが書かれております。確実なのは、本人確認書類を持って国立国会図書館に出向いて、カードを作り、ログインIDとパスワードを設定することですが、今ならオンラインでもIDとパスワードを作る方法があるようです。

国立国会図書館オンラインの「新規利用者登録」画面から手続ができます。
本人確認書類を写した画像ファイル(JPEG形式またはPNG形式)のアップロードが必要です。

電子メールアドレスを登録すると、当館から、申込手続画面を案内するメールを送信します。発信元のドメイン名は「ndl.go.jp」です。
電子メールアドレスの登録後24時間以内に申込手続画面にアクセスして、「本登録」を選択して申込手続を行ってください。
登録申込受付後、当館から、登録利用者IDを記したメールを送信しますので、ご確認ください。本人確認が完了するまでは「簡易登録利用者」として当館のサービスをご利用いただけます。
本人確認完了後、「登録利用者(本登録)」としてご利用いただけます。当館から、本人確認完了をお知らせするメールを送信します。

本人確認には5開館日程度かかります。申請の集中等の理由により、手続に相当の日数を要することがあります。あらかじめご了承ください。
本人確認書類として有効なものについては、「本人確認書類について」の項をご参照ください。

ログイン方法や操作方法については国立国会図書館オンラインのヘルプ「9-3新規利用者登録(本登録)(1-b)」をご参照ください。


国立国会図書館デジタルコレクションの送信サービスを個人利用できるようになったことに気付いてない方は、参考までにどうぞ。
[107050] 2023年 3月 8日(水)00:05:43YT さん
明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.50
以前[105313][105314]でアップロードしました明治23年(1890年)明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口の方ですが、こちらの方も組合の情報を追加し、一部データの誤りを訂正してVer 0.50としてアップロードし直しました。

https://u6.getuploader.com/SR1gou/download/931

[107048] かつさん

「組合」というのは、明治21年以降町村制が施行された際、複数の町村が役場業務をまとめて行うために置かれた行政組織です。

もともと町村制施行前は、戸長役場が単一または複数の町村の業務を一括して行い(単独戸長役場、連合戸長役場)、そのために複数の町村を統括する「連合」というのが置かれました。例えば香川県大内郡馬宿村に四つの村を統括する戸長役場が置かれ、[107043]でアップロードしたファイルでは、「馬宿村外三村」という名称でまとめましたが、より正確な呼称は、「馬宿村外三箇村連合」だったようです。

明治21年以降の明治の大合併後も、結局地方によっては人口希薄のために複数の町村をまとめて役場を置く方が効率が良いという事態も発生し、そういうところでは町村制施行前の「連合」に変わって「組合」が置かれたのです。例えば飽田郡の内田村と銭塘村を統括する役場が、銭塘村に置かれ、「銭塘村外一箇村組合」または「銭塘村内田村組合」が設置されたのです。

町村制施行前は大字レベルの細かい町村を統括する戸長役場連合が多数存在したのですが、町村制施行後に置かれた組合は限られた地域にのみ存在しており、結局は徐々に合併等によりこれも解消されていきます。

[107047] オーナーグリグリさん

データの本体の方はエクセルファイルの方ですが、出入寄留の生データが膨大かつ一部欠落もあり、しかも現在世間に知られている、明治22年12月31日調の人口1万人以上の市町村現住人口の表を大幅に訂正する内容となるので、そのままこれを外に見える形の表にするのは難しいかも知れません。エクセルファイルを転がしておいて、各自ダウロードして閲覧する現在の形の方が良いのではないでしょうか?

なお明治22年は試行錯誤が多かったのか、正直データとしては翌年の明治23年の方が内容の誤りが少ないように感じます。
[107046] 2023年 3月 7日(火)19:20:11【2】訂正年月日
【1】2023年 3月 7日(火)21:03:10
【2】2023年 5月 25日(木)17:22:26 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年(1889年)12月31日における人口5000人以上の戸長役場連合など
【訂正】題名が「明治22年(1890年)」からのコピペ処理になっていたので、全部修正!

『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』「人口一万以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」では、さらに香川県の高松、丸亀、沖縄県の那覇(広義)、北海道庁の福山、江差、小樽の現住人口が掲載されています。この内那覇(広義)は行政区分として存在するもの、北海道道庁の福山、江差、小樽は、「町」の人口を合算した市街のものということで予想はつきます。一方香川県に関しては、おそらく高松が高松城下六十町、丸亀が丸亀城下二十七町と、後に丸亀市に吸収される中府村・地方村の合算だと予想はされるのですが、どう足しても掲載の数字と一致しません。

城下・区域・市街府県庁現住人口官報基準本籍人口
香川郡高松城下(CE)香川県32,87732,18332,635
那珂郡丸亀城下(CF)香川県18,25416,49615,672
那覇(広義)沖縄県40,21240,22035,947
松前郡福山市街北海道庁12,03112,04711,063
檜山郡江差市街(CG)北海道庁13,88613,8999,772
小樽郡小樽市街(CH)北海道庁12,60612,6147,819

備考
(CE) 日本帝国人口静態統計掲載の高松の現住人口32,081は高松城下六十町のものと推定されるが、高松監獄の囚人及懲治人816を加算せず。差分20は計算間違いか(詳細不明)。
(CF) 日本帝国人口静態統計掲載の丸亀の現住人口18,295は丸亀城下二十七町及び中府村・地方村のものと推定されるが、計算間違いか(詳細不明)。
(CG) 日本帝国人口静態統計掲載の江差市街の現住人口13,798は他町村出寄留109、他町村入寄留190、江差分署の囚人7を加除せず。
(CH) 日本帝国人口静態統計掲載の小樽市街の現住人口12,629は他町村出寄留508、他町村入寄留485を加除せず。

連合戸長役場・島役所単位だと、宮古島、八重山島は全体で一つの島役所が管轄しており、およそ行政単位として似つかわしくないほどの巨大な組織になります。香川県では、高松が4つに分割されています。

(開く)明治22年(1889年)12月31日における人口5000人以上の戸長役場連合

今回徴発物件一覧表の情報から組合の情報をさらに加えましたが、これは戸長役場以上に変遷情報をたどるのが困難と思われます。組合に関しては局部的なまとまりもないので、ここでは集計を省略します。
[107045] 2023年 3月 7日(火)19:17:39【2】訂正年月日
【1】2023年 3月 7日(火)20:57:16
【2】2023年 5月 25日(木)17:23:19 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位501位~1000位市区町村など
順位を1000位まで拡大してみます。神奈川県橘樹郡川崎町は935位ですが、この時点では川崎大師のある神奈川県橘樹郡大師河原村891位の方が人口が多かったようです。現相模原市域で最大の人口を有していた神奈川県高座郡大野村は3175位(現住人口3,327、官報基準3,333、本籍人口3,339)で、これでも圏外です。

(開く)明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位501位~1000位市区町村


『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』「人口一万以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」では追加で沖縄県の間切の人口の情報が掲載されていますので、以下人口5000人以上の間切の人口をまとめます。なお、明治22年版の『町村別戸口表』では沖縄県の間切に関し、
備考 本県ハ郡ノ設ケ無 之ニ付各間切島ヲ郡ニ該当製表ス
との脚注があり、間切は郡市相当として扱われており、間切の現住人口は他町村出入寄留の加除を行わずに算出しました。

間切現住人口官報基準本籍人口
那覇(狭義)27,95527,95923,714
首里26,20526,10226,449
中頭中城間切14,85714,85915,083
宮古島砂川間切13,79413,79413,666
島尻小禄間切12,10811,92011,857
国頭本部間切11,93911,93911,885
中頭西原間切11,80411,80611,990
中頭具志川間切(CD)11,22811,22811,224
中頭美里間切10,85410,85410,861
島尻大里間切10,55210,55210,651
国頭今歸仁間切10,49410,49710,434
中頭読谷山間切10,47310,47610,550
宮古島平良間切9,6879,6879,644
国頭名護間切9,4529,4549,120
中頭浦添間切9,4059,4059,670
国頭羽地間切9,3429,3429,240
中頭宜野湾間切9,2199,2199,342
島尻兼城間切9,0399,0399,116
中頭北谷間切8,8038,8038,929
島尻真和志間切7,6527,6527,711
島尻豊見城間切7,5397,5397,727
宮古島下地間切6,9936,9936,973
島尻南風原間切6,9386,9416,948
国頭国頭間切6,8746,8746,849
中頭与那城間切6,1906,1906,164
国頭大宜味間切6,0446,0456,038
八重山島大浜間切6,0296,0335,850
国頭金武間切5,5875,5875,582
中頭越来間切5,5735,5735,601
島尻玉城間切5,3595,3595,383
中頭勝連間切5,1985,1985,198
島尻東風平間切5,1605,1605,281

備考
(CD) 日本帝国人口静態統計掲載の現住人口11,220は計算間違いか(出入を反転?)。
[107044] 2023年 3月 7日(火)19:14:53【1】訂正年月日
【1】2023年 3月 7日(火)20:56:22
YT さん
明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位1位~500位の市区町村
折角ですので、明治22年12月31日時点で現住人口上位500位までの市区町村のリストを以下に示します。宮崎県宮崎郡宮崎町は311位、北足立郡浦和町は453位です。この時点で浦和町は南埼玉郡岩槻町(573位)などよりも人口が多かったようです。香川県、隠岐、対馬、トカラ群島、奄美群島、沖縄県、北海道庁は市制町村制施行前であり、各町村が細かく分かれていますが、北海道庁では函館区が17位に、香川県では豊田郡観音寺村が136位に、沖縄県では那覇西村が448位にランクインしています。

[105305]で示した明治23年(1890年)12月31日における日本国内の上位500市区町村における脚注の数と比べて頂ければわかるように、多くの文献で明治22年の市区町村別人口として引用されている『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」、およびそれに一部データを追加した『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』「人口一万以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」からして計算間違いが多い!またそれに加え、『町村別戸口表 明治廿二年』の方では、集計が間に合わなかったために空欄であったり、明らかに府県統計書の方がよりアップデートされた数字が採用されているケース(京都府)などがあります。ここまで間違いが多いと、今後は香川県を含む本土四島での町村制施行が完了した明治23年(1890年)12月31日の方のデータをエポック的な統計として取り上げて欲しい気がします。

(開く)明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位1位~500位の市区町村

[107043] 2023年 3月 7日(火)19:13:13【1】訂正年月日
【1】2023年 5月 25日(木)17:23:47 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.50
[107039]で予告した明治22年(1889年)12月31日の日本の市区町村別人口についてですが、以下のサイトからダウンロードできます。

https://u6.getuploader.com/SR1gou/download/930

原資料は基本的に総務省統計局統計図書館が所蔵する

『町村別戸口表 明治廿二年 上 その一』
『町村別戸口表 明治廿二年 上 その二』
『町村別戸口表 明治廿二年 下 その一』
『町村別戸口表 明治廿二年 下 その二』
『戸籍表 北海道之部 従明治十九年 至明治廿八年』

の5点です。男女別本籍人口、現住戸数などの情報は現住人口を計算する上で必要ありませんが、原資料に載っているのでそのまままとめました。入寄留の無籍在監人、囚人及懲治人は

『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方在監有籍者及無籍者人口表」

によります。なお、東洋書林出版『国勢調査以前日本人口統計集成 〈3〉 明治22―25年 近代日本歴史統計資料』収録のものは、「各地方在監有籍者及無籍者人口表」のうち、鹿児島県(一部)・沖縄県・北海道に関する134頁~135頁分が欠落していますので、総務省統計局統計図書館所蔵の『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』原本を利用しました。

この他、郡市区の現住人口、府県別の各種出入寄留などの情報は

『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方郡市戸口表」
『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方人口出入表」

の情報を上位とし、現住人口1万人以上の都市の現住人口の情報に関しては、

『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」
『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」

から数値を補いました。

官報掲載の現住人口は

『官報 第二千百八十二号附録 明治二十三年十月六日』「各地方市別現住人口表」、「各地方町村別現住人口表」

に示されています。

そして組合、戸長役場連合、間切番所、島役所管轄地域については

『明治二十三年 徴発物件一覧表』

の情報を用いました(中身は明治22年12月31日調の人口ですが、現住人口算出の基準がいい加減で、本籍人口を載せている箇所も多い)。戸長役場連合などの中には郡を超えて設定されているものもありますが(特に北海道)、戸長役場の人口集計方法に正式に採用されているものもなさそうなので、ここでは全て町村と同格とみなし、他町村出入寄留の加除を行いました。『明治二十三年 徴発物件一覧表』掲載の戸口、人口は戸籍表系の数字と一致することも、全く一致しないことも多々ありますが、折角なのですべて表にまとめました。

既に[104836] にもまとめましたが、以下の問題点が残っているので、現時点でVer. 0.50として公開します。次回の改訂予定は5年後になりそうです。

1. 東京府伊豆七島・小笠原島に関しては、細かい町村別人口の情報が完全に欠落。

2. 千葉県印旛郡の入寄留の内、入寄留の陸海軍在営艦者1713人の分配の情報がないため、志津村(陸軍砲兵射的学校)と佐倉町(陸軍第一師団歩兵第二連隊)の現住人口が確定できない。一応[107039]に示す方法で推定値は出しました。

3. 虫食いのため、茨城県東茨城郡の一部の町村(石崎村、常磐村、河和田村、長岡村、上野合村、伊勢畑村、磯浜町)の出寄留の囚人及懲治人が正確に得られず、現住人口が正確に算出できない。

具体的には以下の通りで、明治23年の情報などから推定して数値を入力していますが、正解である保証はありません。

町村府県庁官報掲載[出]囚人及懲治人現住人口(未確定)
東茨城郡石崎村2,71522,711
東茨城郡常磐村2,48882,478
東茨城郡河和田村1,95231,948
東茨城郡長岡村3,29633,289
東茨城郡上野合村2,66952,662
東茨城郡伊勢畑村1,23911,237
磯浜町8,868138,850

4. 北海道庁釧路郡に所属する町村(真砂町、米町、洲崎町、幣舞町、浦見町、釧路村、桂恋村、鳥取村、昆布森村、跡永賀村、仙鳳趾村)に関し、郡全体での他町村出寄留は4人となっているものの、町村別の他町村出寄留が空欄となっており、これらの町村のいくつかの現住人口を正確に算出できない。これに関しては対処不能なので、とりあえず各町村の他町村出寄留を0として算出しました。

5. 『戸籍表』原本の閲覧ができなくなった

[105242]に書いた通りです。大きな変更は今後ないでしょうが、今後修正が可能となるのは5年後です。

実は町村別戸口表 明治廿二年には、欄外に各町村、各郡市区について、官報掲載の現住人口に相当する数字の書き込みがあります。官報の方では北海道庁、沖縄県、および島嶼部については現住人口の記載がないので、ある程度数字の確認が可能です。おそらく当時町村別戸口表を作成した人は、まずそれぞれの郡市区町村について「官報掲載の現住人口」を計算した後、監獄と軍隊の統計を追加して、『日本帝国民籍戸口表』を作成したと推測されます。ただ、この作業が初めてなのかは知りませんが、[104158][104836]に示したように、「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」を作成する段階で膨大な数の計算間違いしています。
[107039] 2023年 3月 6日(月)13:10:29【1】訂正年月日
【1】2023年 5月 25日(木)17:24:01 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年の千葉県印旛郡の入寄留の陸海軍在営艦者の分配、および明治の健脚問題
色々多忙でこちらの書き込みから遠ざかってしまっておりましたが、 [104836]で問題にしておりました千葉県印旛郡の入寄留の陸海軍在営艦者の問題について、ある程度の推論を立てましたので、こちらにその詳細を記します。

2.千葉県印旛郡の入寄留の内、入寄留の陸海軍在営艦者1713人の分配の情報がないため、志津村(陸軍砲兵射的学校)と佐倉町(陸軍第一師団歩兵第二連隊)の現住人口が確定できない(明治23年に関しては[103921]に示すように分配済)。

まず総務省統計局統計図書館所蔵『戸籍表 明治廿三年 上 その一』の「廿三年十二月現在陸海軍在営艦兵士卒人口」によると、明治23年の入寄留の陸海軍在営艦者1,624は以下の内訳となっています。
明治23年末各兵営現在人員人員下士生徒
佐倉町: 第一師団歩兵第二連隊1,4741221,3439
志津村: 陸軍砲兵射的学校150911922
合計1,6241311,46231

一方『陸軍省第三回統計年報』の「諸隊人員」/「諸学校学舎及教員人員」/「学生及諸生徒人員増減」と『陸軍省第四回統計年報』の「諸隊人員」/「諸生徒隊人員」/「諸学校学舎及教員人員」/「学生及諸生徒人員増減」などによると、 陸軍第一師団歩兵第二連隊と陸軍砲兵射的学校教導中隊における下士、 卒、 生徒の人員は以下となっています。

明治23年末各兵営現在人員右合計下士生徒
第一師団歩兵第二連隊1,4871301,3570(不明)
砲兵射的学校教導中隊1701011941
合計1,6571401,47641


明治22年末各兵営現在人員右合計下士生徒
第一師団歩兵第二連隊1,5761391,4370(不明)
砲兵射的学校52100(不明)42
合計1,6281491,43742

まずいずれの年も第一師団歩兵第二連隊所属の生徒は0であり、 明治23年末の佐倉兵営現住の生徒は正式な軍人という扱いではないと推測できます。砲兵射的学校の生徒の一部が佐倉兵営に居住していた可能性も考えましたが、佐倉兵営のある佐倉城内から砲兵射的学校があった志津村下志津字下志津原までの距離は8.9キロ、徒歩約2時間も離れています(google map先生)。いくら健脚だった昔の人でも時速6キロと仮定して片道1時間半、往復3時間でちょっと考えられません(一応自転車は町中や別荘地では普及しつつあったようですが)。砲兵射的学校の生徒数41と実際に砲兵射的学校内の施設に居住する生徒の人数23の間にもえらく差がありますが、砲兵射的学校に通うような生徒は下士や卒よりも比較的裕福であり、必ず兵営の外に居住を持つ士官以上と同様に、兵営・学校の外に居住を持っていた人が多いからと推測しました。

また明治23年の砲兵射的学校の卒については、「諸学校学舎及教員人員」の方に「戸山学校教導大隊ノ下士卒並ニ砲兵射撃学校教導中隊ノ兵卒ハ近衛師団ヨリ分遣スルモノニ係ル故ニ此人員ハ所隊人員ト重複ス」との脚注があります。 明治22年の統計では「諸学校学舎及教員人員」の項目がないため、砲兵射的学校の卒の人員を示す独立した統計が存在しませんが、これは砲兵射的学校などに出向していた兵卒は、正式な所属の上では近衛師団であり、明治22年の段階ではあえて独立した統計を作らなかったせいだと考えられます。つまり上の表でいずれも「0」としたのは、真に0ではなく、実際にはこれらの階級がそれぞれの隊や学校の正式な構成員とされていなかったため、統計から数字が落ちてしまったからだと思われます。なお明治22年の砲兵射的学校の下士の人数11の方は「諸学校学舎及教員人員」にも掲載されていますので(軍人20から砲兵少佐1、砲兵大尉2、一等軍医1、砲兵中尉3、二等獣医1、砲兵少尉1を除き、砲兵曹長1、砲兵一等軍曹5、火工下長1、二等看護長1、砲兵二等軍曹3の合計)、表に数字を出すことができました。

明治23年の統計の場合、佐倉兵営における下士階級の兵営居住率は93.8%、下士階級の兵営居住率は98.9%、砲兵射的学校における下士階級の兵営居住率は90%、下士階級の兵家居住率は100%です。一方砲兵射的学校における生徒の兵営居住率は53.7%です。

参考までに戸山学校の場合は

明治23年末人員右合計下士生徒
牛込区下戸塚町の戸山学校居住者91744631242
戸山学校教導大隊98147631303

であり、兵営居住率は下士階級が93.6%、士卒階級が100%、生徒が79.9%です。

あれ?やはり砲兵射的学校の生徒の一部は佐倉城内から往復3時間かけて通っている?
その場合生徒の居住率は53.7%(22/41)ではなくて75.6%(31/41)になりますので、戸山学校の数値に近くなります。まあ真実は謎です。

以上において、 明治22年と明治23年の間における陸海軍在営艦者の減少分89人は、 第一師団歩兵第二連隊の下士の減少分9と卒の減少分80の合計89と等しいことが分かります。ただし砲兵射的学校の方も下士と生徒が1名ずつ減っております。

一応それぞれの階級の兵営居住率を考慮すると、それぞれの実際の居住者の減少の期待値は

佐倉町:9×0.938+80×0.989≒87.56
志津村:1×0.900+1×0.537≒1.44

と、それぞれ88人、1人減少とするとちょうど合計89人になります。

寄宿の生徒が佐倉町と志津村の兵営に分離して生活していたと仮定すると、期待値的には志津村の生徒の減少期待値はそのままで、佐倉町に1人×22.0%(9/41)≒0.22人減が追加されるだけなので、やはり佐倉町が88人減、志津村が1人減となります。

明治22年における砲兵射的学校の下士の人数が結局不明など片手落ちですが、以上から、明治22年の印旛郡佐倉町の入寄留の陸海軍在営艦者を明治23年よりも88人多い1,562人、印旛郡志津村の入寄留の陸海軍在営艦者を明治23年よりも1人多い151人と推定しました。

明治22年の日本全国の市区町村別の現住人口については、今週中にある程度公表できると思います。
[106124] 2022年 11月 16日(水)10:25:53YT さん
自分の経県値(市区町村版)
[106091]グリグリさん
経県値(市区町村版)リリースありがとうございます。

早速マピオンの地図を見ながら、何とか自分の経県値(市区町村版)を登録しました。道路、鉄道路線のチェックにおいては、市区町村毎に色を変えて表示可能なマピオンが一番役に立ちます。

なお自分は免許取得後の運転は、兄の車を借りた延べ1時間程度しか経験がありません。長らく車の必要のない通勤通学生活のみを続けた結果、完全に無事故・無違反のペーパードライバーでして、自分が結婚する前の家族旅行も、車好きの父や兄の車に同乗するばかりでした。そのせいで詳しい経路の記憶が曖昧なため、登録した経県値(市区町村版)の2割程度は自信がありません。

主な問題としては、

・小学校低学年までの旅行の記憶が曖昧。
・自分で手配した旅行でない場合、泊まったホテルの場所が曖昧。
・高速道路でどのSA,PAに入ったか、記憶が曖昧。

まあ私の両親は健在ですが、親も詳しいことを忘れているでしょうし、わずかな記憶と推測に基づきマッピングしました。

逆に市区町村チェックをした結果、
「そういえば山口県の萩に高校2年の時の修学旅行で泊まった気になってたけど、実際は広島から出雲まで一日の強硬スケジュール(広島からバスで移動し、岩国散策→山口はバスから見るだけでスルー→秋芳洞で昼→萩自由行動→出雲市駅まで電車で移動→出雲大社前のホテルまでバスで移動)だったかな?」
と思い出し、山口県の経県値を4から3に下げる、などといった、都道府県別経験値に関する記憶の整理も行うことができました。

一方青森県と秋田県の県境の十和田湖には、小学2年の家族旅行と、中学2年のクラス旅行で2度も泊まりましたが、困ったことに宿泊施設が青森県十和田市と秋田県小坂町の県境に分布。中学2年の時は団体で泊まれるユースホステルで、おそらく青森県十和田市側のユースホステル。一方家族旅行の時は完全に記憶が曖昧です。都道府県別経験値にも関係しますが、とりあえず青森県十和田市側と仮定して、秋田県の経験値は3を維持しました。

それにしても、自分は和歌山~四国全土~九州・沖縄5県が未踏のままです。高校2年の時の修学旅行を除けば大阪府以西は全て現在の仕事関係での宿泊であり、家族旅行での行先の選択肢が車で運転手交代せずに行ける範囲ということで、割と東日本に偏っていたようです(特に宮城県は母方の実家であるため、宿泊は2桁)。その仕事での宿泊機会も、コロナ以降の会議オンライン化のために大分減ってます。家族旅行で予定を組まない限り、当分経県値は増えそうにないです。

[106116] BANDALGOM さん
%1987年5月といったら、私も中学2年生でした。
以前[91228]で少しだけ自分のことを書きましたが、私と同い年ですね。中学2年といえば・・・冬のある日突然クラスメートが複数欠席して、「風邪が凄い流行っているんだな」と無邪気に思っていたら、なんと某有名ファミコンソフトの続編を買うために学校をサボってたとのこと(自分の家はそもそもファミコン禁止)。該当する生徒は後で集められて教師にこっぴどく叱られ、反省文を書かされていました。
[105943] 2022年 10月 13日(木)20:58:16【1】訂正年月日
【1】2022年 10月 13日(木)23:50:19
YT さん
福生市南田園に存在する非人口集中地区
[105923]あきごんさん
[103279]白桃さん

 2020年国勢調査の東京都DID地区の境界図を見てみると、前回疑ってストリートビューで捜索をしていた横田基地の南側は今回の境界図ではすべてDID地区に含められていました。
 福生市でDID地区を外れているのは、市の西部の多摩川の河川敷一帯のみのように思われます。

小地域集計には、その地域が人口集中地区に含まれるかどうかの情報も記載されています。よって小地域集計によって該当の地域がどこであるかを確認できます。

実際にチェックしてみると、令和2年の国勢調査で2世帯男2人が住む非人口集中地区とは、

市区町村コード基本単位区番号調査区番号都道府県名市区町村名大字・町名字・丁目名人口集中地区符号総数世帯数
13218007000010507.2.東京都福生市南田園2202

であることが分かります。

南田園は一丁目~三丁目がありますが、件の非人口集中地区は、唯一丁目記載なしの南田園ということになります・・・が、マピオンなどの地図ではそのような地区の確認ができません。他の統計を見ると、該当地区は個人情報保護の観点からか、「秘匿地域」という扱いとなり、「合算地域あり」として南田園一丁目の数字に含まれてしまっています。

【訂正:南田園三丁目に無人の非人口集中地区がありましたので、以下の説明文を修正します】
一応国勢調査の小地域集計の情報を信じるなら、該当する「南田園」は、大字南田園の中で、南田園三丁目の無人の非人口集中地区と並んで、有人の人口集中地区が設置されていない地域ということなります。マピオンなどの情報と比較すると、南田園三丁目の無人の非人口集中地区に該当するのは関東地方整備局京浜河川事務所多摩川上流出張所(地番の上では南田園3-64-2)です。そしてそれ以外の大字南田園内の非人口集中地区となると、該当するのは河川敷に続くロータリー的な場所の周辺の河川敷のみとなります・・・がどこまでこの情報を信用できるか分かりません。

参考までに、平成27年の国勢調査では6世帯男6人が住む非人口集中地区として、

市区町村コード基本単位区番号調査区番号都道府県名市区町村名大字・町名字・丁目名人口集中地区符号総数世帯数
13218007000010498.2.東京都福生市南田園6606

が存在し、そのまま非人口集中地区が継続していることになります。

以上を察するに、おそらく2015年の6人、2020年の2人は、多摩川河川敷に居住する生活者なのでしょう。

調査区の境界把握に用いる調査区地図・調査区一覧表によると

国勢調査の調査区地図及び調査区一覧表は,市区町村内の町丁・字等別の地域範囲や基本単位区の境界確認に用いるものです。これらは,所定の手続を行った上で,総務省統計図書館及び都道府県,市区町村の統計主管課で閲覧できます

とありますので、一応調べる方法はありますが、これ以上そこまでして調べる気力はありません。
[105314] 2022年 8月 20日(土)11:08:39【3】訂正年月日
【1】2022年 8月 20日(土)13:58:35
【2】2022年 8月 21日(日)00:14:13
【3】2022年 8月 21日(日)00:17:04
YT さん
明治23年(1890年)における人口流入、流出市区町村
せっかく明治23年(1890年)12月31日調の現住人口をまとめたので、当時の人口流入・流出について考察します。

明治23年(1890年)12月31日の人口は、すべてが戸籍をベースに集計されており、本籍人口に対して出入寄留届などを加除して現住人口を算出しておりました。よって通勤・通学による昼間、夜間人口の差異などを計算することはできませんが、本籍人口と現住人口の比較により、人口の流出、流入の状況をある程度外観することができます。そこで本籍人口に対する現住人口の超過、不足から、人口流入、流出の割合を算出し、そこから明治中頃の人の移動の様子を見てみました。

まず人口流入の状況。じつのところ本籍人口が0なのに現住人口がいるため人口流入率+∞な地域・町村が15もあり、その全てが北海道です(例えば雨竜郡(村名未定)の現住人口44、花咲郡婦羅理村の現住人口35)。また本籍人口0で現住人口0の町村という困った地域・町村も47あり、その全てが北海道です。その中には明治23年8月7日に発足し、後に栄光と転落の夕張市へと発展した夕張郡登川村も含まれます。なぜ人口ゼロなのに村が発足?と思われるかも知れませんが、人口調査が12月31日に集計されている点が重要です。つまり移住したとしても寒い北海道を越冬できないため、冬の間だけ本土や然るべき近隣の町村で過ごす、という人口の流れが相当多かったようです。

こういった除算を定義できない地域・町村を除いたとしても、流入率トップ20の内、足尾町を除く19の町村がすべて北海道です。

市区町村府県庁現住人口本籍人口流入率(%)備考
空知郡奈江村北海道庁14234,633.3
国後郡東沸村北海道庁318112,790.9
国後郡留夜別村北海道庁314112,754.5
国後郡米戸賀村北海道庁205101,950.0
厚岸郡末広村北海道庁6941,625.0
勇払郡覚生村北海道庁7871,014.3
高島郡北浜町北海道庁2221,000.0
川上郡熊牛村北海道庁2,459240924.6釧路集治監
空知郡市来知村北海道庁4,816479905.4空知集治監
勇払郡小糸魚村北海道庁202900.0
花咲郡珸瑤瑁村北海道庁7611590.9
国後郡秩苅別村北海道庁12318583.3
宗谷郡稚内村北海道庁2,238344550.6
国後郡泊村北海道庁51681537.0
上都賀郡足尾町栃木県11,8921,964505.5足尾銅山
利尻郡沓形村北海道庁645111481.1
根室郡松本町北海道庁6011445.5
利尻郡本泊村北海道庁805151433.1
紗那郡別飛村北海道庁8316418.8
釧路郡洲崎町北海道庁641127404.7

このように北海道がまさに本土人にとってのフロンティアである様がみてとれますが、このままでは本土の人口の流入・流出の状況が分からないので、以下北海道を除いた市区町村(流入率50%以上)の状況を見てみましょう。北海道であっても参考までに札幌区と函館区、および人口1万人以上の流入率40~50%の都市をリストアップしました。

市区町村府県庁現住人口本籍人口流入率(%)備考
上都賀郡足尾町栃木県11,8921,964505.5足尾銅山
西彼杵郡高島村長崎県6,2521,724262.6高島炭鉱
久米島仲里間切山城村沖縄県361140157.9明治12年より沖縄島からの移住者が銭田原と真我里原を開拓
東蒲原郡両鹿瀬村新潟県3,0671,289137.9草倉銅山
下県郡竹敷村長崎県447202121.3春日丸停泊
企救郡文字関村福岡県6,8693,230112.7門司築港開発中
東彼杵郡佐世保村長崎県10,1974,810112.0佐世保鎮守府
(札幌区)(北海道庁)24,32711,704107.9道庁所在地
郡上郡畑佐村岐阜県803398101.8畑佐銅山
西成郡川崎村大阪府7,6413,803100.9大阪市に隣接
西彼杵郡戸町村長崎県8,7394,48195.0長崎市に隣接
横浜市神奈川県127,98766,71191.9県庁所在地
三浦郡横須賀町神奈川県18,1949,92183.4横須賀鎮守府
西彼杵郡高浜村長崎県4,9642,71083.2端島炭坑(軍艦島)
宮崎郡宮崎町宮崎県7,5234,13182.1県庁所在地
北足立郡浦和町埼玉県6,7183,87773.3県庁所在地
三浦郡豊島村神奈川県8,2934,80672.6横須賀監獄支署
宇土郡三角浦村熊本県1,24772572.0三角港(明治20年8月開港)
安芸郡和庄村広島県8,5494,98171.6呉港開発中
東葛飾郡市川町千葉県4,9922,92071.0陸軍教導団
久良岐郡戸太村神奈川県11,2966,63070.4神奈川県監獄署
信夫郡福島町福島県17,68710,66165.9県庁所在地
小城郡北多久村佐賀県5,8753,55765.2唐津炭田
安芸郡宮原村広島県5,0003,05663.6呉鎮守府
池田郡池野村岐阜県82551161.4池野花柳界
千葉郡千葉町千葉県23,50814,64360.5県庁所在地
下県郡大手橋町長崎県1,6151,00660.5厳原城下町繁華街
渥美郡豊橋町愛知県14,2688,93659.7養蚕業
(函館区)(北海道庁)55,67735,19958.2陸軍第二師団歩兵第五連隊分遺隊
周吉郡西郷西町島根県2,2601,43157.9西郷監獄支署
三池郡大牟田町福岡県11,6867,42557.4三池集治仮留監
那覇西村沖縄県6,6794,31354.9那覇中心市街
南多摩郡八王子町神奈川県22,16414,35854.4織物業
北甘楽郡富岡町群馬県7,5054,96451.2富岡製糸工場
長崎市長崎県58,14238,66150.4県庁所在地
入間郡所沢町埼玉県4,9683,31150.0織物業
(岐阜市)(岐阜県)29,46219,78648.9県庁所在地
(東群馬郡前橋町)(群馬県)32,12921,80547.3県庁所在地
(神戸市)(兵庫県)136,96892,98647.3県庁所在地
(大阪市)(大阪府)473,541328,93044.0府庁所在地
(西群馬郡高崎町)(群馬県)25,98118,06643.8織物業
(東京市)(東京府)1,155,290820,01340.9帝都
(甲府市)(山梨県)32,05222,85440.2県庁所在地

一応備考には、県庁所在地以外に人口流入の原因となる要因をまとめてみました。産業としては、鉱山、養蚕・織物工業、および近代港の開港が目立ち、そして監獄と兵営地が目立ちます。詳しい分析はしませんでしたが、県庁所在地等は学校の設置が人口流入の要因の一つになっている可能性はあります。そして人口流入の原因として花街の存在なんかもあるようです。

逆に人口流出の方ですが、こちらも本籍人口に対して現住人口0、つまり流出率100%という町村が北海道だけで4つ存在します。上で述べたように、北海道の場合は越冬のために現住人口流出の事例が多々あるので、こちらも北海道を除いたリスト(流出率20%以上)を作成してみました。流出率10~20%であっても本籍人口5000人以上の市区町村も参考までに並べてみました。

市区町村府県庁現住人口本籍人口流出率(%)備考
八代郡椎原村熊本県19537648.1
敷知郡三方原村静岡県25448147.2
刈羽郡下宿村新潟県6741,12640.1下宿湊
中頸城郡柿崎村新潟県2,4013,79736.8柿崎宿
下石津郡安田村岐阜県13420935.9明治24年10月28日濃尾地震全壊14戸・半壊14戸・負傷者4
岩船郡村上本町新潟県2,5773,92634.4村上城
海西郡草場村岐阜県9714734.0明治24年10月28日濃尾地震全壊10戸・半壊9戸(全戸被害)・負傷者3
安八郡築捨村岐阜県29643431.8明治24年10月28日濃尾地震全壊23戸・半壊37戸(全戸被害)・死者2・負傷者7
愛知郡東小椋村滋賀県2,4023,50231.4
不破郡室原村岐阜県64592630.3明治24年10月28日濃尾地震全壊7戸・半壊21戸
羽栗郡坂丸村岐阜県16022127.6明治24年10月28日濃尾地震全壊30戸(全戸被害)・死者3・負傷者4
西蒲原郡角海浜村新潟県42857625.7
中頸城郡高城村新潟県4,9746,59724.6高田城下の一部
一志郡久居町三重県2,9383,84923.7久居城
益津郡西益津村静岡県3,4124,45023.3
後月郡神代村岡山県1,1871,54423.1
葛上郡東松本村奈良県20125922.4
北蒲原郡松塚村新潟県2,8923,68921.6
喜多郡新谷村愛媛県2,1912,76620.8新谷陣屋
市原郡菊間村千葉県2,5853,24020.2菊間陣屋
安八郡塩喰村岐阜県62077620.1明治24年10月28日濃尾地震全壊106戸・半壊8戸(全戸被害)・死者5・負傷者50
大野郡(美濃国)稲畑村岐阜県9612020.0明治24年10月28日濃尾地震全壊4戸・半壊4戸・負傷者3
(大分郡鶴崎町)(大分県)4,7115,66516.8鶴崎湊
(三島郡寺泊町)(新潟県)5,2306,24716.3寺泊湊
(阿武郡萩町)(山口県)19,92323,18114.1萩城
(北会津郡若松町)(福島県)24,35227,67312.0若松城
(東葛飾郡関宿町)(千葉県)5,1285,81411.8関宿城
(朝来郡生野町)(兵庫県)7,0827,95110.9生野代官所
(出石郡出石町)(兵庫県)5,3726,02810.9出石城
(北蒲原郡新発田本村)(新潟県)6,5067,32711.2新発田城
(安芸郡矢野村)(広島県)4,7075,28911.0矢野大井港
(中蒲原郡白根町)(新潟県)5,6206,29210.7明治20年に大火(800余戸焼失)
(中蒲原郡村松町)(新潟県)6,7897,59710.6村松城
(上北郡野辺地村)(青森県)6,2936,99210.0野辺地代官所

人口流出の方は微妙に原因がまとめられませんでしたが、本籍人口が多い町村では、明治時代に地方の中心都市になれなかった城下町・地方町からの人口流出が目立ちます。会津若松よりも旧長州藩庁があった萩の方が人口流出が高いという、なんともいえない状況も見てとれます。【備考を追記。ただし全ての町村について出寄留と関連しそうな内容を埋めることはできませんでした。岐阜県に関しては直前の濃尾地震の被害が多大であったことが判明。】
[105313] 2022年 8月 19日(金)15:57:20【2】訂正年月日
【1】2022年 8月 19日(金)16:11:01
【2】2022年 8月 19日(金)17:01:03
YT さん
明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.10
[105305]で予告した明治23年(1890年)12月31日の日本の市区町村別人口についてですが以下のサイトからダウンロードできます。今やGoogle driveなどでのファイル共有が当たり前となり、この手のアップローダは絶滅しかけておりますが、10年近くリンクが生きているので、折角なので使わせて貰いました。

https://u6.getuploader.com/SR1gou/download/925

原資料は基本的に総務省統計局統計図書館が所蔵する

『戸籍表 明治廿三年 上 その一』
『戸籍表 明治廿三年 上 その二』
『戸籍表 明治廿三年 下 その一』
『戸籍表 明治廿三年 下 その二』
『戸籍表 北海道之部 従明治十九年 至明治廿八年』

の五点です。男女別本籍人口、現住戸数などの情報は現住人口を計算する上で必要ありませんが、原資料に載っているのでそのまままとめました。入寄留の無籍在監人、囚人及懲治人は

『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方在監有籍者及無籍者人口表」

により、この他、郡市区の現住人口、府県別の各種出入寄留などの情報は

『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方郡市戸口表」
『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方人口出入表」

の情報を上位とし、現住人口1万人以上の都市の現住人口の情報に関しては、

『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」
『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」

から数値を補いました。

上のリンク先のファイルには元文献の入力を忘れてしまいましたが、官報掲載の現住人口は

『官報 第二千四百六号 明治24年7月8日 水曜日』

によります。

そして沖縄県の間切に関しては

『明治廿三年 沖縄県統計書』「出入人員 十二月三十一日現在」

の情報を集計に用いました。なお、明治22年版の『町村別戸口表』では沖縄県の間切に関し、
備考 本県ハ郡ノ設ケ無 之ニ付各間切島ヲ郡ニ該当製表ス
との脚注があり、間切は郡市相当として扱われており、間切の現住人口は他町村出入寄留の加除を行わずに算出しましたが、今回の明治23年版では間切は町村と同格とみなし、他町村出入寄留の加除を行いました。

そして戸長役場連合、間切番所、島役所管轄地域については

『明治二十四年 徴発物件一覧表』

の情報を用いました(中身は明治23年12月31日調の人口で、大字別の情報も含まれているが、現住人口算出の基準がいい加減で、本籍人口を載せている箇所も多い)。戸長役場連合などの中には郡を超えて設定されているものもありますが(特に北海道)、戸長役場の人口集計方法に正式に採用されているものもなさそうなので、ここでは全て町村と同格とみなし、他町村出入寄留の加除を行いました。その結果首里の現住人口については異なる二種類の数値が存在することになります。

既に[105242] にもまとめましたが、以下の問題点が残っているので、現時点でVer. 0.10として公開します。次回の改訂予定は・・・5年後になりそうです。

1. 東京府伊豆七島・小笠原島に関しては、細かい町村別人口の情報が欠落。

2. 虫食いのため、いくつかの町村の出寄留の囚人及懲治人、陸海軍在営艦者の情報が正確に得られず、現住人口が正確に算出できない。

具体的には以下の通りで、明治22年の情報などから推定して数値を入力していますが、正解である保証はありません。

町村府県庁官報掲載[出]陸海軍在営艦者[出]囚人及懲治人現住人口(未確定)虫食い箇所
相楽郡加茂村京都府3,734573,722[出]囚人及懲治人
相楽郡当尾村京都府1,452111,450[出]囚人及懲治人
愛知郡千種村愛知県2,612212,609[出]囚人及懲治人
愛知郡鍋屋上野村愛知県1,318201,316[出]囚人及懲治人
知多郡半田町愛知県5,162765,149[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
知多郡亀崎町愛知県6,0501056,035[出]囚人及懲治人
知多郡岡田村愛知県2,017332,011[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
碧海郡大浜町愛知県5,50015125,473[出]囚人及懲治人
碧海郡中島村愛知県1,446211,443[出]囚人及懲治人
碧海郡占部村愛知県2,299442,291[出]囚人及懲治人
幡豆郡味沢村愛知県1,923301,920[出]囚人及懲治人
幡豆郡五保村愛知県2,439022,437[出]囚人及懲治人
額田郡相見村愛知県2,981492,968[出]囚人及懲治人
額田郡深溝村愛知県2,560372,550[出]囚人及懲治人
西加茂郡藤河村愛知県1,595421,589[出]囚人及懲治人
西加茂郡高岡村愛知県2,032332,026[出]囚人及懲治人
西加茂郡豊原村愛知県1,833021,831[出]囚人及懲治人
東加茂郡介木村愛知県1,240101,239[出]陸海軍在営艦者
東加茂郡生駒村愛知県72300723[出]陸海軍在営艦者

虫食いがひどいのはほぼ愛知県です。冊子の内側がかなりやられてしまっており、他の出入寄留の情報も虫食い状態ですが、官報掲載の現住人口を合算した郡別の数値に矛盾がないので、これらの出入寄留の情報が不明でも現住人口の算出に問題ないと判断しました。実際のところ上の京都府や愛知県以外の箇所にも虫食いが散発してありましたが、該当地区の官報掲載の現住人口が信頼に足るものと判断し、現住人口の計算に影響が出た箇所がありません。また虫食いで読めない箇所であっても、集計値との差分などから単独で元の数値を類推できる個所はすべて断りなしに推定値を確定値として入力しています。

以上のほか、沖縄県中頭北谷間切に所属する北谷村、玉代勢村、伝道村、桑江村、伊礼村、平安山村、浜川村、砂辺村、野里村、野国村、屋良村、嘉手納村のいずれかの村で、他町村入寄留1人の情報が欠落しています。白黒のマイクロフイルム版ではなく、『戸籍表』原本を確認して虫食いの箇所を確定できれば、ここも修正できるかも知れませんが・・・

3. 『戸籍表』原本の閲覧ができなくなった

[105242]に書いた通りです。大きな変更は今後ないでしょうが、これらの修正が可能となるのは5年後です。

データをまとめる作業は、以下の通りに行いました。

1. 「各地方郡市戸口表」で表の骨子を作り、「各地方在監有籍者及無籍者人口表」で監獄の情報を入力。既に過去の遺産があるので新たに町村名入力は行っていませんが、この作業が簡単な県でも1時間かかります。
2. 官報計算の現住人口の入力:スムーズに行けば大体30分。
3. 本籍人口、現住戸数の入力:スムーズに行っても最低1時間
4. 出寄留の入力:スムーズに行っても最低1時間

実際のところ、階層構造が比較的単純で、マイクロフイルムのコピーが読み易かった県(山梨県、青森県など)でも入力に4時間かかっております。本表を作るのに、4月末から4ヶ月に渡り、延べ250時間程度手間がかかっております。[104836]でも書きましたが、次回は数か月後に明治22年の市区町村別人口の情報を公開しますが、こちらも既に去年の12月末から5ヶ月に渡り、延べ300時間程度、入力に時間がかかっております。

なお明治24年~明治30年の7年間についても、同様に戸籍表が存在し、表の作成が可能ではありますが・・・とてもではありませんが、自分ですべてを入力する気力はありません。残りの項目で作成するとなると、多分明治26年版(明治31年から5年毎に日本帝国静態統計として集計された情報を5年遡る形)か明治28年版(西暦1895年でキリが良い?)かのどちらかになると思いますが、現状図書館で原本を閲覧できない状況が5年続くし、白黒のマイクロフイルム版も一回A4の紙2000枚弱に物理的にコピーするという作業が必要なので、当分取り掛からないと思います。
[105305] 2022年 8月 18日(木)03:32:13【4】訂正年月日
【1】2022年 8月 18日(木)03:40:28
【2】2022年 8月 18日(木)04:05:53
【3】2022年 8月 18日(木)11:13:06
【4】2022年 8月 18日(木)11:25:23
YT さん
明治23年(1890年)12月31日における日本国内の人口上位500市区町村
[105242]で告知した明治23年(1890年)12月31日の日本の市区町村別人口についてですが、来週ぐらいにはダウンロードできる形にしたいと思います。それに先立ちとりあえず明治23年12月31日時点で現住人口上位500位までの市区町村のリストを以下に示します。

なお町村制未施行の町村(伊豆、小笠原、隠岐、対馬、吐噶喇、奄美、沖縄県、函館区と札幌区を除く北海道)について、戸長役場連合や間切ではなくて郡区町村制下、間切制下の各町村で集計しました。その結果、町村制未施行地域では唯一那覇西村のみがランクインしております。沖縄県の人口5000人以上の間切と、町村制未施行地域の戸長役場連合単位での人口5000人以上の町村連合については、人口上位500位までのリストの後に示しています。

市区町村府県庁現住人口官報基準本籍人口市区町村府県庁現住人口官報基準本籍人口
東京市東京府1,155,2901,141,991820,013吉敷郡井関村山口県8,4038,4298,581
大阪市大阪府473,541470,309328,930富士郡大宮町静岡県8,3968,4128,123
京都市京都府289,588288,867259,600津名郡洲本町兵庫県8,3948,2748,457
名古屋市愛知県170,433165,343136,118久良岐郡本牧村神奈川県8,3618,3736,955
神戸市兵庫県136,968136,22392,986佐伯郡大柿村広島県8,3208,3318,513
横浜市神奈川県127,987128,19566,711加佐郡舞鶴町京都府8,3108,3348,781
金沢市石川県94,66693,51799,954榛原郡相良町静岡県8,3048,3238,441
広島市広島県91,00086,02482,557三浦郡豊島村神奈川県8,2938,0124,806
仙台市宮城県66,31060,98460,678肝属郡高山村鹿児島県8,2828,3028,222
徳島市徳島県61,16760,12460,771日置郡中伊集院村鹿児島県8,2758,3048,647
富山市富山県58,58558,25257,842北松浦郡平戸村長崎県8,2458,2068,261
長崎市長崎県58,14257,61238,661山辺郡東金町千葉県8,2308,2447,893
鹿児島市鹿児島県56,64357,00156,626阿武郡椿郷東分村山口県8,2208,2828,917
和歌山市和歌山県56,04955,51155,457志田郡古川町宮城県8,2028,2117,856
函館区北海道庁55,67755,24835,199賀茂郡阿賀村広島県8,1418,1578,285
熊本市熊本県54,36749,62343,363今立郡上池田村福井県8,1358,1478,185
福岡市福岡県53,79251,86447,843北佐久郡小諸町長野県8,1348,1477,490
新潟市新潟県47,01946,47544,545安達郡二本松町福島県8,1218,1408,450
岡山市岡山県45,87145,17933,562御調郡向島西村広島県8,1058,1428,258
堺市大阪府45,56345,52042,825安積郡郡山町福島県8,0848,0967,300
福井市福井県40,15939,94840,753三野郡仁尾村香川県8,0808,1008,253
静岡市静岡県38,24638,32739,619西彼杵郡浦上山里村長崎県8,0398,0497,873
松江市島根県35,56535,32435,494板野郡川内村徳島県8,0148,0148,013
高松市(A)香川県34,61633,73533,863志太郡藤枝町静岡県8,0068,0297,842
松山市愛媛県34,56333,19230,282日置郡日置村鹿児島県7,9938,0048,160
東群馬郡前橋町群馬県32,12931,40921,805大野郡(飛騨国)大名田村岐阜県7,9457,9628,002
甲府市山梨県32,05231,67122,854山門郡柳河町福岡県7,9447,9737,877
高知市高知県32,04231,15726,389北魚沼郡小千谷町新潟県7,9327,9398,393
盛岡市岩手県31,86831,92532,188榛原郡川崎町静岡県7,8847,8997,976
滋賀郡大津町滋賀県31,12729,65624,237三好郡山城谷村徳島県7,8807,9058,125
河内郡宇都宮町(B)栃木県30,83130,13224,069北埼玉郡忍町埼玉県7,8627,8757,780
赤間関市山口県30,78730,43326,531大島郡久賀村山口県7,8487,8568,336
弘前市(C)青森県30,32330,38731,431南勢多郡富士見村群馬県7,8447,8587,100
高岡市富山県29,55429,61429,131海上郡銚子町千葉県7,8157,8277,940
岐阜市岐阜県29,46228,59019,786山辺郡二階堂村奈良県7,7967,8187,969
秋田市秋田県29,17528,70329,458姶良郡蒲生村鹿児島県7,7917,8367,741
山形市山形県29,08128,67526,963熊毛郡田布施村山口県7,7877,7998,017
米沢市山形県28,94428,91429,958住吉郡平野郷町大阪府7,7837,8027,471
鳥取市鳥取県28,52528,10129,445岩船郡村上町新潟県7,7787,7997,935
度会郡宇治山田町三重県28,03627,70824,891上伊那郡伊那村長野県7,7717,7777,295
姫路市兵庫県27,12025,76824,612西彼杵郡淵村長崎県7,7577,7695,960
津市三重県26,86626,16822,634熊毛郡上関村山口県7,7437,7568,003
佐賀市佐賀県26,75826,41126,017東臼杵郡富高村宮崎県7,7387,7517,679
水戸市茨城県26,60925,91523,586東葛飾郡行徳町千葉県7,7267,7418,145
西成郡難波村大阪府26,40526,50024,547美馬郡岩倉村徳島県7,7147,7147,802
東筑摩郡松本町長野県26,18726,00222,296安蘇郡植野村栃木県7,7047,7157,795
西群馬郡高崎町群馬県25,98124,26618,066東臼杵郡東海村宮崎県7,7017,7157,669
上水内郡長野町長野県25,84725,41518,931久米郡倉吉町鳥取県7,6987,7287,068
久留米市福岡県25,38025,22423,980天草郡牛深村熊本県7,6787,6907,830
谿山郡谷山村鹿児島県24,38124,51325,085甑島郡上甑村鹿児島県7,6727,6827,674
北会津郡若松町福島県24,35224,20827,673北豊島郡王子村東京府7,6657,6705,547
札幌区北海道庁24,32724,33811,704胆沢郡水沢町岩手県7,6647,6857,579
添上郡奈良町奈良県24,20924,00521,952南高来郡口之津村長崎県7,6427,6527,130
千葉郡千葉町千葉県23,50822,76514,643西成郡川崎村大阪府7,6414,7983,803
南多摩郡八王子町神奈川県22,16422,14814,358鈴鹿郡亀山町三重県7,6397,6877,354
飽海郡酒田町山形県21,03021,04020,455和気郡三津浜町愛媛県7,5837,6366,965
下都賀郡栃木町(B)栃木県20,54920,56916,126磐前郡平町福島県7,5657,5266,261
東津軽郡青森町青森県20,39918,99718,211吉野郡下市町奈良県7,5357,5537,691
中頸城郡高田町新潟県20,38120,39920,511山門郡有明村福岡県7,5297,5417,591
明石郡明石町兵庫県20,17120,21219,340宮崎郡宮崎町宮崎県7,5237,1714,131
犬上郡彦根町滋賀県20,06319,98019,686望陀郡木更津町千葉県7,5227,4626,853
那珂郡丸亀町香川県20,05218,48817,735西成郡木津村大阪府7,5197,5296,895
阿武郡萩町山口県19,92320,26923,181埴科郡松代町長野県7,5187,5338,092
頴娃郡頴娃村鹿児島県19,86819,90419,829北甘楽郡富岡町群馬県7,5057,5134,964
安八郡大垣町岐阜県19,78619,78418,306賀茂郡竹原町広島県7,4967,5157,400
西田川郡鶴岡町山形県19,51919,51520,292蒲生郡八幡町滋賀県7,4897,4976,981
川辺郡東南方村鹿児島県19,23119,28619,339薩摩郡隈之城村鹿児島県7,4847,4997,331
桑名郡桑名町三重県18,62718,65215,687窪屋郡倉敷村岡山県7,4787,5167,004
愛知郡熱田町愛知県18,35118,37217,989北村山郡東根村山形県7,4757,4937,555
小県郡上田町長野県18,32418,12314,589安蘇郡赤見村栃木県7,4687,4927,569
三重郡四日市町三重県18,31218,19313,991東臼杵郡門川村宮崎県7,4677,4817,389
三浦郡横須賀町神奈川県18,19414,7719,921仙北郡大曲村秋田県7,4657,4457,313
板野郡撫養町徳島県18,15118,24818,531楫東郡網干町兵庫県7,4337,4537,657
日置郡串木野村鹿児島県18,05918,09818,170葦北郡佐敷村熊本県7,4277,4397,355
入間郡川越町埼玉県18,03217,94516,728玖珂郡岩国町山口県7,4147,4817,902
御調郡尾道町広島県17,90017,63116,639西村山郡寒河江村山形県7,4137,4297,450
信夫郡福島町福島県17,68717,71310,661玖珂郡麻里布村山口県7,4047,4657,736
紀伊郡伏見町京都府17,24616,94716,167南高来郡島原村長崎県7,3977,3067,350
荏原郡品川町東京府17,21417,27112,897上新川郡東岩瀬町富山県7,3727,3997,362
牡鹿郡石巻町宮城県17,18417,22416,759大野郡上庄村福井県7,3597,3627,463
射水郡新湊町富山県17,05017,08417,222南高来郡深江村長崎県7,3557,3657,392
南諸県郡志布志村鹿児島県17,00517,08216,822阿蘇郡北小国村熊本県7,3447,3597,261
山田郡桐生町群馬県16,98917,01312,772北海部郡佐賀関町大分県7,3437,3727,295
企救郡小倉町福岡県16,54414,93313,624南豊島郡渋谷村東京府7,3257,3355,279
額田郡岡崎町愛知県16,25615,95912,940美馬郡江原村徳島県7,3197,3417,304
橘樹郡神奈川町神奈川県15,89715,92113,611北牟婁郡尾鷲町三重県7,3057,3187,358
大野郡(飛騨国)高山町岐阜県15,54315,52516,065名東郡加茂名村徳島県7,2977,3207,325
深津郡福山町広島県15,46515,53515,976東成郡玉造町大阪府7,2847,3046,347
海上郡本銚子町千葉県15,29215,31816,833南高来郡北有馬村長崎県7,2747,2897,285
安芸郡仁保島村広島県15,06015,12115,060吉敷郡秋穂村山口県7,2647,2907,358
足利郡足利町栃木県15,04715,06912,725東臼杵郡恒富村宮崎県7,2637,2887,430
出水郡阿久根村鹿児島県14,98715,01614,941大津郡仙崎通村山口県7,2627,2767,344
敦賀郡敦賀町福井県14,98515,04414,398西牟婁郡田辺町和歌山県7,2577,1437,135
給黎郡知覧村鹿児島県14,89114,93414,889周智郡奥山村静岡県7,2457,2557,339
揖宿郡指宿村鹿児島県14,68814,71714,757長狭郡天津町千葉県7,2317,2367,642
阿多郡伊作村鹿児島県14,63514,67815,168古志郡長岡本町新潟県7,2237,1237,549
鹿児島郡伊敷村鹿児島県14,53314,61715,414滋賀郡膳所村滋賀県7,2206,2866,915
南足立郡千住町東京府14,50314,52011,791雄勝郡湯沢町秋田県7,2117,2407,147
敷知郡浜松町静岡県14,33314,10913,250揖宿郡山川村鹿児島県7,2017,2137,314
南条郡武生町福井県14,30314,33713,629大津郡三隅村山口県7,1897,2077,299
渥美郡豊橋町愛知県14,26812,8208,936海上郡飯岡町千葉県7,1867,1937,255
吉敷郡山口町山口県14,26814,34811,356北秋田郡大館町秋田県7,1817,1897,327
東成郡天王寺村大阪府14,22614,29713,667津名郡由良町兵庫県7,1667,1857,172
足柄下郡小田原町神奈川県14,03114,04315,292南勢多郡木瀬村群馬県7,1597,1756,803
川辺郡川辺村鹿児島県13,80713,84714,200田村郡三春町福島県7,1547,1686,756
三浦郡浦賀町神奈川県13,78313,41213,049安芸郡吉浦村広島県7,1397,1516,775
川辺郡加世田村鹿児島県13,68813,73314,043日置郡西市来村鹿児島県7,1367,1607,262
川辺郡西加世田村鹿児島県13,65913,68213,744美馬郡脇町徳島県7,1327,1566,593
会見郡米子町鳥取県13,57413,42012,185山辺郡山辺村奈良県7,1307,1437,082
越智郡今治町愛媛県13,52713,56913,109石川郡上金石町石川県7,1227,1497,313
川辺郡尼ヶ崎町兵庫県13,47413,51813,555式下郡川東村奈良県7,1107,1227,373
能美郡小松町石川県13,45113,14712,290登米郡登米町宮城県7,1107,1317,176
南大隅郡垂水村鹿児島県13,28613,31213,441佐賀郡久保田村佐賀県7,0987,1177,234
下新川郡魚津町富山県13,20613,23013,285美馬郡郡里村徳島県7,0977,1257,254
賀茂郡広村広島県13,17813,21113,516南高来郡千々石村長崎県7,0967,1127,152
飯高郡松阪町三重県13,13813,17411,024宇佐郡長洲村大分県7,0967,1296,993
武庫郡西宮町兵庫県13,07913,14611,703朝来郡生野町兵庫県7,0827,0877,951
阿拝郡上野町三重県13,06713,00512,653西囎唹郡国分村鹿児島県7,0787,1097,146
下伊那郡飯田町長野県12,93312,84111,638南桑田郡亀岡町京都府7,0757,0997,208
下毛郡中津町大分県12,88312,77012,013大津郡深川村山口県7,0747,0827,017
安芸郡倉橋島村広島県12,82412,85813,330長上郡掛塚村静岡県7,0737,0876,914
添下郡郡山町奈良県12,77012,79613,310刈田郡白石町宮城県7,0737,0836,608
豊田郡観音寺町香川県12,74812,79912,815高市郡白橿村奈良県7,0707,0897,159
葦北郡水俣村熊本県12,72512,74412,506婦負郡八尾町富山県7,0617,0747,249
北蒲原郡新発田町新潟県12,62611,16211,544宇治郡山科村京都府7,0527,0597,033
雑太郡相川町新潟県12,59212,55312,107川辺郡伊丹町兵庫県7,0517,0807,166
勝浦郡小松島村徳島県12,51712,58212,617東囎唹郡財部村鹿児島県7,0437,0647,001
西北条郡津山町岡山県12,18011,89111,072玉名郡長洲町熊本県7,0397,0617,054
北宇和郡宇和島町愛媛県12,12111,99512,481南高来郡小浜村長崎県7,0357,0577,040
都濃郡徳山村山口県12,11312,14912,212幡豆郡西尾町愛知県7,0297,0476,919
東成郡東平野町大阪府12,00912,04310,416碓氷郡安中町群馬県7,0257,0435,563
上都賀郡足尾町栃木県11,89211,8951,964吉野郡大淀村奈良県7,0217,0297,011
東葛飾郡船橋町千葉県11,82211,84311,540三野郡詫間村香川県7,0097,0367,052
北諸県郡都城町(D)宮崎県11,78111,88611,412南高来郡湊町長崎県6,9977,0087,024
南秋田郡土崎港町秋田県11,75411,76911,869高岡郡高岡村高知県6,9907,0056,783
出水郡上出水村鹿児島県11,75111,77111,031上伊那郡赤穂村長野県6,9827,0016,948
三池郡大牟田町(E)福岡県11,68610,2077,425揖宿郡今和泉村鹿児島県6,9656,9867,199
射水郡氷見町富山県11,60211,63711,673香美郡槇山村高知県6,9646,9786,859
日置郡東市来村鹿児島県11,58611,61011,900北村山郡楯岡村山形県6,9506,9686,815
川辺郡東加世田村鹿児島県11,55911,57411,755大野郡勝山町福井県6,9486,9637,282
那珂郡湊町茨城県11,51511,53710,752赤穂郡赤穂町兵庫県6,9416,9637,201
安芸郡江田島村広島県11,45211,16210,550寒川郡志度村香川県6,9296,9516,940
山本郡能代港町秋田県11,42811,45411,275豊浦郡長府村山口県6,9286,9577,090
西白河郡白河町福島県11,37311,27710,246児玉郡本庄町埼玉県6,9276,9295,395
大分郡大分町大分県11,35910,6958,252美馬郡半田村徳島県6,9236,9416,959
大里郡熊谷町埼玉県11,32611,1958,480甲賀郡水口村滋賀県6,8996,9136,865
中島郡一宮町愛知県11,32311,34010,781安蘇郡佐野町栃木県6,8996,9026,569
久良岐郡戸太村神奈川県11,29610,4726,630東松浦郡入野村佐賀県6,8986,9076,929
香取郡佐原町千葉県11,27211,28910,454那賀郡池田村和歌山県6,8946,9207,395
姶良郡加治木村鹿児島県11,25711,36011,222西茨城郡笠間町茨城県6,8936,9076,960
西成郡曽根崎村大阪府11,22011,26010,706名東郡斎津村徳島県6,8846,9106,942
平鹿郡横手町秋田県11,18111,19311,408安芸郡坂村広島県6,8836,9017,107
安芸郡蒲刈島村広島県11,17811,20811,472企救郡文字関村福岡県6,8696,8733,230
海東郡津島町愛知県11,15311,17810,951楫西郡龍野町兵庫県6,8586,8016,907
最上郡新庄町山形県11,12511,13211,547西葛飾郡五霞村茨城県6,8536,8707,023
東牟婁郡新宮町和歌山県10,99011,02010,441栗原郡志波姫村宮城県6,8496,8656,879
三戸郡八戸町青森県10,88910,90510,974南都留郡桂村山梨県6,8396,8476,701
熊毛郡北種子村鹿児島県10,86910,79710,410淘綾郡大磯町神奈川県6,8356,8436,508
鹿島郡七尾町石川県10,85110,82010,426那賀郡見能林村徳島県6,8236,8526,938
西諸県郡小林村宮崎県10,79610,82710,352蒲生郡日野町滋賀県6,8216,8377,242
新治郡土浦町茨城県10,75610,4648,725那珂郡琴平町香川県6,8206,8386,428
大島郡家室西方村山口県10,71510,73111,164東諸県郡本庄村宮崎県6,8186,8316,608
東囎唹郡末吉村鹿児島県10,62010,63810,610多可郡中村兵庫県6,7966,8076,566
駿東郡沼津町静岡県10,61810,54111,320大津郡日置村山口県6,7956,8066,752
新治郡石岡町茨城県10,58210,5999,346賀茂郡伊東村静岡県6,7906,7976,744
川辺郡西南方村鹿児島県10,58110,59710,657日根郡佐野村大阪府6,7896,7996,931
安蘇郡田沼町栃木県10,57810,59110,814中蒲原郡村松町新潟県6,7896,8137,597
南高来郡西有家村長崎県10,47210,53010,563海上郡高神村千葉県6,7886,7936,779
坂井郡三国町福井県10,43410,46110,148八部郡林田村兵庫県6,7816,7966,641
上新川郡滑川町富山県10,42210,43110,647南高来郡東有家村長崎県6,7816,8066,830
吉野郡十津川村奈良県10,39910,40810,462敷知郡西浜名村静岡県6,7806,7897,015
有渡郡長田村静岡県10,35310,37010,616速見郡杵築町大分県6,7666,7796,946
鹿児島郡吉野村鹿児島県10,34810,43810,771有渡郡豊田村静岡県6,7556,7636,913
阿野郡坂出町香川県10,34310,3609,948熊毛郡中種子村鹿児島県6,7466,7586,613
安芸郡瀬戸島村広島県10,23410,24510,615宮城郡高砂村宮城県6,7446,7586,889
有田郡湯浅村和歌山県10,20010,24210,548西宇和郡伊方村愛媛県6,7356,7426,832
東彼杵郡佐世保村長崎県10,1978,9524,810磐田郡見付町静岡県6,7336,7405,919
結城郡結城町茨城県10,13910,1539,383西囎唹郡福山村鹿児島県6,7316,7506,718
佐波郡三田尻村山口県10,11910,17210,055仙北郡荒川村秋田県6,7306,7404,680
南巨摩郡増穂村山梨県10,11610,13910,204宇摩郡川之江村愛媛県6,7306,7586,967
三潴郡大川町福岡県10,11610,1489,544薩摩郡上東郷村鹿児島県6,7286,7426,788
高城郡水引村鹿児島県10,11510,1419,940北足立郡浦和町埼玉県6,7186,0473,877
北海部郡臼杵町大分県10,03410,08710,734姶良郡帖佐村鹿児島県6,7136,7856,835
鳳至郡輪島町石川県10,02110,06610,130下都賀郡野木村栃木県6,7086,7336,755
八代郡八代町熊本県9,9649,9799,832吉城郡国府村岐阜県6,7066,7257,038
坂田郡長浜町滋賀県9,8839,8976,828多度郡多度津町香川県6,6996,7186,389
給黎郡喜入村鹿児島県9,8519,90910,208庵原郡由比町静岡県6,6916,6996,911
中頸城郡直江津町新潟県9,8489,8679,227緑野郡藤岡町群馬県6,6886,6984,952
北豊島郡南千住町東京府9,8269,8396,913那覇西村沖縄県6,6796,6814,313
東茨城郡磯浜町茨城県9,7709,7919,197中蒲原郡新津町新潟県6,6716,6757,076
荏原郡大森村東京府9,7679,7809,734田方郡函南村静岡県6,6636,6786,912
西葛飾郡古河町茨城県9,7399,7599,647寒川郡長尾村香川県6,6586,6946,672
古志郡長岡町新潟県9,7299,7419,848玖珂郡高森村山口県6,6526,6816,755
岩瀬郡須賀川町福島県9,7159,7188,072南閉伊郡大槌町岩手県6,6506,6546,640
高城郡高城村鹿児島県9,6979,7519,796南蒲原郡見附町新潟県6,6496,6536,753
南諸県郡大崎村鹿児島県9,6549,6739,491南松浦郡岐宿村長崎県6,6426,6506,612
南蒲原郡加茂町新潟県9,6519,6689,859柴田郡槻木村宮城県6,6386,6526,614
南伊佐郡宮之城村鹿児島県9,6269,6589,649南那珂郡飫肥村宮崎県6,6386,6796,677
南蒲原郡三条町新潟県9,6069,6139,442長狭郡鴨川町千葉県6,6386,6476,900
志太郡島田町静岡県9,6069,6189,343宇智郡五條町奈良県6,6376,5346,300
上都賀郡鹿沼町栃木県9,5629,5827,906庵原郡蒲原町静岡県6,6336,6396,814
那賀郡浜田町島根県9,5149,3259,353那賀郡平島村徳島県6,6286,6556,844
西成郡上福島村大阪府9,4539,4648,901北諸県郡庄内村宮崎県6,6276,6566,675
北大隅郡西桜島村鹿児島県9,4059,4369,489中魚沼郡十日町村新潟県6,6136,6216,669
南松浦郡福江村長崎県9,3929,3979,406三好郡三野村徳島県6,5986,6236,779
桃生郡深谷村宮城県9,3799,4009,132厚狭郡宇部村山口県6,5876,6066,715
山田郡韮川村群馬県9,3749,3949,408南豊島郡内藤新宿町東京府6,5836,5936,004
与謝郡宮津町京都府9,3729,1749,512上都賀郡日光町栃木県6,5676,5756,334
肝属郡鹿屋村鹿児島県9,3229,3418,833牡鹿郡稲井村宮城県6,5666,5766,612
沼隈郡鞆町広島県9,3199,3519,550若江郡八尾村大阪府6,5606,5786,750
出水郡中出水村鹿児島県9,2029,2208,870海部郡牟岐村徳島県6,5496,5616,583
由利郡本荘町秋田県9,2019,2219,280栗原郡若柳町宮城県6,5236,5326,518
佐波郡佐波村山口県9,1639,2098,989北松浦郡生月村長崎県6,5156,5306,503
大野郡大野町福井県9,1559,1799,897雄勝郡院内村秋田県6,5156,5234,824
佐波郡中関村山口県9,1449,1859,080佐波郡右田村山口県6,5106,5276,650
南松浦郡富江村長崎県9,1259,1429,156南津軽郡黒石町青森県6,5086,5216,817
荏原郡羽田村東京府9,0789,0889,071北蒲原郡新発田本村新潟県6,5066,3927,327
邑楽郡館林町群馬県9,0609,0779,555平鹿郡山内村秋田県6,5066,5106,534
諏訪郡上諏訪村長野県9,0399,0618,812板野郡堀江村徳島県6,5056,5256,588
知多郡成岩町愛知県9,0379,0669,043丹羽郡犬山町愛知県6,5046,5186,791
東松浦郡唐津町佐賀県9,0229,0368,915射水郡伏木町富山県6,5036,5166,300
江沼郡大聖寺町石川県8,9949,0329,692土岐郡多治見町岐阜県6,4976,5055,152
豊田郡大野原村香川県8,9588,9819,079朝夷郡曦村千葉県6,4926,5026,211
西成郡北野村大阪府8,9268,9608,710山田郡毛里田村群馬県6,4836,4996,230
中蒲原郡沼垂町新潟県8,9248,9569,234佐伯郡大竹村広島県6,4806,5056,383
南高来郡加津佐村長崎県8,8718,8888,916南松浦郡有川村長崎県6,4736,4816,353
西村山郡谷地村山形県8,8438,8528,986南勢多郡南橘村群馬県6,4646,4735,720
西彼杵郡茂木村長崎県8,8258,8458,817愛知郡鳴海町愛知県6,4596,4786,732
益津郡焼津村静岡県8,7838,7978,686南海部郡佐伯町大分県6,4566,4716,094
足利郡北郷村栃木県8,7818,7908,644都濃郡富田村山口県6,4486,4676,561
榛原郡吉田村静岡県8,7678,7948,879三好郡三縄村徳島県6,4466,4596,491
君沢郡三島町静岡県8,7508,7687,918有渡郡大里村静岡県6,4456,4556,743
印旛郡佐倉町千葉県8,7427,2827,344加古郡高砂町兵庫県6,4336,4466,526
西彼杵郡戸町村長崎県8,7398,7504,481吉敷郡小郡村山口県6,4266,4616,302
三浦郡三崎町神奈川県8,7098,7288,866中頸城郡津有村新潟県6,4226,4356,503
阿多郡田布施村鹿児島県8,7078,7308,928豊田郡忠海町広島県6,4066,4286,362
刈羽郡柏崎町新潟県8,6918,7128,750北諸県郡三股村宮崎県6,4026,4356,407
西囎唹郡西国分村鹿児島県8,6878,7188,790東松浦郡相知村佐賀県6,4016,4146,165
熊毛郡室積村山口県8,6858,7089,044小城郡芦刈村佐賀県6,3936,4106,408
有田郡宮崎村和歌山県8,6728,6918,897三好郡三庄村徳島県6,3866,4026,525
大島郡安下庄村山口県8,6698,6838,997山辺郡片貝村千葉県6,3806,3886,602
甑島郡下甑村鹿児島県8,6448,6528,663那須郡那須村栃木県6,3596,3696,219
北秋田郡阿仁銅山村秋田県8,6418,6519,001赤穂郡塩屋村兵庫県6,3586,3706,473
小田郡笠岡村岡山県8,5918,6258,480阿多郡阿多村鹿児島県6,3526,3586,607
遠敷郡小浜町福井県8,5658,5989,255下都賀郡壬生町栃木県6,3476,3596,544
安芸郡和庄村広島県8,5498,5734,981大野郡(飛騨国)丹生川村岐阜県6,3346,3466,445
南高来郡南有馬村長崎県8,5398,5508,802三池郡三池町福岡県6,3326,3506,124
御調郡三原町広島県8,5378,5878,739養父郡北茂安村佐賀県6,3266,3426,385
礪波郡石動町富山県8,4898,4978,782那賀郡富岡村徳島県6,3256,3516,392
西成郡川南村大阪府8,4298,4426,524薩摩郡樋脇村鹿児島県6,3186,3346,277

脚注
A. 『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方郡市戸口表」掲載の現住人口33,357は高松市の香川県監獄署本署の囚人1,058, 懲治人1を香川郡に加算; 官報掲載の現住人口33,724は高松市の香川県監獄署本署の無籍在監人11を加算せず
B. 官報掲載の現住人口(河内郡宇都宮町30,120,下都賀郡栃木町20,581)は河内郡宇都宮町の栃木県監獄署の無籍在監人12を栃木監獄支署がある下都賀郡栃木町に加算
C. 『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」, 『日本帝国人口静態統計』「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」掲載の弘前市の現住人口30,316は修正前の他町村出寄留477, 他町村入寄留470を加除
D. 『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」, 『日本帝国人口静態統計』「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」掲載の現住人口11,768は北諸県郡都城町の都城監獄支署の無籍在監人1, 囚人12を加算せず
E 『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」, 『日本帝国人口静態統計』「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」掲載の現住人口10,182は三池郡大牟田町の三池集治仮留監の囚人1,504を加算せず

人口5000人以上の沖縄県の間切は以下の通りです。

間切現住人口官報基準本籍人口
那覇(狭義)30,00930,02326,455
首里25,60425,49525,720
中頭中城間切15,53215,53215,776
国頭本部間切14,75714,75714,682
宮古島砂川間切14,38214,38714,185
中頭具志川間切13,50413,50413,512
島尻小禄間切13,11212,91213,002
中頭西原間切12,98812,99113,038
中頭美里間切12,12412,12712,128
中頭読谷山間切11,35311,35511,397
島尻大里間切11,33711,34711,318
国頭今歸仁間切10,70010,70510,703
国頭名護間切10,43210,4339,986
宮古島平良間切10,04410,0519,966
中頭浦添間切9,8399,83910,070
国頭羽地間切9,7789,7819,690
島尻兼城間切9,6599,6599,659
中頭北谷間切9,6379,6379,802
中頭宜野湾間切9,4639,4639,542
島尻真和志間切8,4348,4378,497
島尻豊見城間切7,7567,7567,904
中頭与那城間切7,6627,6627,665
国頭国頭間切7,3257,3257,272
宮古島下地間切7,2077,2117,182
島尻南風原間切7,1177,1197,110
国頭大宜味間切6,5346,5356,463
国頭金武間切6,1506,1506,143
八重山島大浜間切6,0236,0235,942
島尻東風平間切5,9045,9045,971
中頭越来間切5,8875,8925,891
島尻玉城間切5,7475,7485,748
中頭勝連間切5,5005,5005,489
八重山島石垣間切5,0775,0784,943
那覇伊平屋島5,0765,0765,058
島尻佐敷間切5,0005,0005,036

一方連合戸長役場・島役所単位だと、宮古島、八重山島は全体で一つの島役所が管轄しており、およそ行政単位として似つかわしくないほどの巨大な組織になり、他方で那覇は更により細かい区分となります。そして厄介なのが奄美群島で、伝統的な間切を分断する形で戸長役場の管轄が決められた箇所があり(例えば大島郡早町村外十六村・大島郡湾村外十二村は喜界島西目間切、伊砂間切、荒木間切などを分割し、大島郡知名村外十七村・大島郡和泊村外十七村は永良部島西方を分割し、大島郡面縄村外十六村・大島郡亀津村外八村・大島郡山村外五村・大島郡阿布木名村外九村は徳之島西目間切、面連間切、東間切などを分割しています)、対応する伝統的な間切を単純に示すことができません。

町村連合(戸長役場・島役所管轄)府県庁現住人口官報基準本籍人口
宮古島西里村外三十七村(宮古島役所管轄)沖縄県34,75634,77234,455
首里当蔵村外十四村沖縄県25,62625,51725,720
那覇東村外五村地沖縄県25,59425,60821,900
小樽郡量徳町外三十八町村(小樽郡役所直轄町村;高島郡を含む)北海道庁24,59524,60814,236
中頭伊舎堂村外二十二村(中城間切)沖縄県15,53215,53215,776
八重山島登野城村外三十四村(八重山島役所管轄)沖縄県15,13715,14114,770
国頭渡久地村外十七村(本部間切)沖縄県14,75714,75714,682
中頭具志川村外十四村(具志川間切)沖縄県13,50413,50413,512
島尻小禄村外十四村(小禄間切)沖縄県13,11212,91213,002
中頭幸地村外十七村(西原間切)沖縄県12,98812,99113,038
中頭西原村外十八村(美里間切)沖縄県12,12412,12712,128
中頭喜名村外十五村(読谷山間切)沖縄県11,35311,35511,397
島尻南風原村外十九村(大里間切)沖縄県11,33711,34711,318
松前郡川原町外三十三町(松前郡役所直轄市街)北海道庁11,29111,31310,709
根室郡常盤町外二十九町村(根室郡役所直轄町村;花咲郡,得撫郡,新知郡,占守郡を含む)北海道庁11,25411,1704,218
国頭運天村外十九村(今歸仁間切)沖縄県10,70010,70510,703
大島郡面縄村外十六村鹿児島県10,54110,54810,546
国頭東江村外十二村(名護間切)沖縄県10,43210,4339,986
大島郡知名村外十七村鹿児島県10,43110,44410,380
中頭仲間村外十三村(浦添間切)沖縄県9,8399,83910,070
国頭親川村外十六村(羽地間切)沖縄県9,7789,7819,690
島尻豊見城村外二十村(兼城間切)沖縄県9,6599,6599,659
中頭北谷村外十一村(北谷間切)沖縄県9,6369,6369,802
中頭宜野湾村外十三村(宜野湾間切)沖縄県9,4639,4639,542
大島郡和泊村外十七村鹿児島県9,2279,2349,192
下県郡今屋敷町外十町村長崎県9,2109,0138,415
岩内郡御鉾内町外十二町村(岩内郡役所直轄町村)北海道庁9,1139,1135,130
有珠郡西紋鼈村外七村(室蘭郡を含む)北海道庁8,6098,6136,807
島尻上間村外十一村(真和志間切)沖縄県8,4348,4378,497
大島郡亀津村外八村鹿児島県8,3678,3738,349
大島郡湾村外十二村鹿児島県8,1718,1728,171
大島郡山村外五村鹿児島県8,1128,1168,096
大島郡阿布木名村外九村鹿児島県8,0838,0868,059
大島郡金久村外九村鹿児島県7,7807,7487,263
島尻豊見城村外二十村(豊見城間切)沖縄県7,7567,7567,904
中頭屋慶名村外八村(与那城間切)沖縄県7,6627,6627,665
大島郡早町村外十六村鹿児島県7,4247,4317,418
国頭奥間村外十五村(国頭間切)沖縄県7,3257,3257,272
島尻宮平村外九村(南風原間切)沖縄県7,1177,1197,110
余市郡浜中町外十一町村北海道庁7,0647,0685,129
札幌郡豊平村外四村北海道庁7,0587,0603,951
空知郡市来知村外三村(空知郡役所直轄村落)北海道庁6,9304,0321,259
知夫郡美田村外三村島根県6,6196,6276,565
国頭塩屋村外十五村(大宜味間切)沖縄県6,5346,5356,463
増毛郡永寿町外十四町村(増毛郡役所直轄町村)北海道庁6,4756,4723,253
爾志郡熊石村外二村北海道庁6,3586,3605,480
大島郡立長村外五村(与論島)鹿児島県6,2896,2936,306
寿都郡渡島町外六町(寿都郡役所直轄市街)北海道庁6,1986,1952,899
国頭金武村外六村(金武間切)沖縄県6,1506,1506,143
上磯郡上磯村外四村北海道庁6,1286,1345,668
島尻東風平村外十村(東風平間切)沖縄県5,9045,9045,971
中頭越来村外九村(越来間切)沖縄県5,8875,8925,891
大島郡中金久村外十一村(赤木名方)鹿児島県5,8715,8785,857
島尻富里村外十二村(玉城間切)沖縄県5,7475,7485,748
亀田郡大野村外五村北海道庁5,6355,6374,819
大島郡古仁屋村外十二村(東方)鹿児島県5,5635,5695,449
爾志郡乙部村外四村北海道庁5,5625,5624,865
亀田郡亀田村外五村北海道庁5,5115,2444,497
中頭平敷屋村外六村(勝連間切)沖縄県5,5005,5005,489
大島郡田検村外十二村(宇検方)鹿児島県5,4285,4355,418
大島郡押角村外十三村(渡連方)鹿児島県5,3575,3605,349
古平郡浜町外八町村北海道庁5,2735,2733,244
札幌郡札幌村外四村北海道庁5,1824,9334,276
那覇伊是名村外七村(伊平屋島)沖縄県5,0765,0765,058
島尻佐敷村外八村(佐敷間切)沖縄県5,0005,0005,036
『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」との対応については[105242]参照。なお首里の人口が間切リストと町村連合リストで微妙に違うのは、間切リストの方では首里を郡市相当として扱い、三市と同様に他町村出入寄留の加除を行わなかったのに対し、町村連合リストの方では他町村出入寄留の加除を一律で行っているからです。

過去に筑波大学村井研究室の歴史地理統計データの方で『明治二十四年 徴発物件一覧表』(データは明治23年12月31日のもの)掲載の市区町村別現住人口をまとまめたものがありますが(原本では人口は大字別で集計:[88602]参照)、徴発物件一覧表掲載の人口は現住人口の計算基準がバラバラで、一部本籍人口すら混ざったものです。今回まとめたものは戸籍表をベースとしたもので、より正確なものとなります。

【訂正・追記】:色々文章を細かく修正し、追記を行いました。修正箇所を【】のマークで示していましたが、読み辛く感じたのでマークを削除しました。
[105242] 2022年 8月 6日(土)12:05:32【2】訂正年月日
【1】2022年 8月 6日(土)12:24:44
【2】2022年 8月 6日(土)16:23:07
YT さん
明治23年の人口1万人以上の市区町村別人口まとめと今後の予定
[104836]で書いた予定通り、総務省統計局図書館所蔵の『戸籍表』を元に明治23年12月31日付の日本全国の市区町村別人口をまとめ終えました。

[103711]で書きましたように、総務省統計局図書館所蔵の『町村別戸口表』を使って明治22年12月31日付の市区町村別現住人口を再計算し、一応は作業が終わりましたが・・・色々検証するべき問題点が見つかりましたので、とりあえず公開の方は明治23年12月31日付のデータの方をまとめからにします。

ただ、明治23年度の現住人口をまとめたものの、これをそのまま公表するのは幾つか問題点が残りました。

1. 東京府伊豆七島・小笠原島に関しては、細かい町村別人口の情報が欠落しています。まあこれは大勢には影響は出ません。7年ほど前に自分は徴発物件一覧表掲載の明治23年の大字別人口をまとめようとして頓挫しましたが([87941][88602]等)、伊豆七島分の町村別レベルの人口に関しては[88602]のリンクがまだ生きていますので、そちらを参考にして下さい。

2. 虫食いのため、いくつかの町村の出寄留の囚人及懲治人、陸海軍在営艦者が得られず、現住人口が算出できない(特に愛知県):まあ官報による現住人口に相当するものを、隠岐、対馬、吐噶喇、大島、沖縄、北海道に拡大することはできました。

3. 『戸籍表』原本の閲覧ができなくなりました。

総務省統計局図書館所蔵の『戸籍表』はマイクロフイルム化されていてコピーを取ることは可能です。しかしながらこのマイクロフイルムの作成者の意識が低かったのか、冊子体のままコピーを取ったせいか、多くの頁で内側に入り込んだ数行が読めなくなっています。さらに白黒のため、朱で入れられた重ね文字が判別できません。そこで原本を閲覧することで、これらを修正することが可能となります、ところが総務省統計局の図書館に関し、工事が開始してしまい、原本閲覧ができなくなりました。

令和4年5月30日から総務省第二庁舎耐震改修工事対応のため、利用できる図書は開架式の書架(閲覧室)にある図書、電子資料、マイクロフィルムとマイクロフィッシュ、調査区関係資料のみになります。御不便をおかけして申し訳ございませんが、御了承願います。

まとめるにあたり、内側が読めないところからデータを入力し、1か月に一度ほど統計局図書館で該当箇所をチェックする、という作業をしておりましたが、6月以降は古資料の閲覧が不可となり、原本による『戸籍表』の最終チェックができなくなりました。工事が終わるのは5年後とのことですが、さすがにそこまで待つ訳にはいかないので、不完全な形として今月中に自分がまとめた明治23年12月31日の現住人口の再計算結果の表(官報掲載相当および日本帝国民籍戸口表掲載相当)を公表する予定にします。

とりあえず以下に人口1万人以上の市区町村の人口の比較をまとめます。比較対象は官報掲載の現住人口、『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』(残念ながら明治22、23年版はオンラインで閲覧できない:明治24年版は閲覧可能)収録の「各地方郡市戸口表」(「市」と「区」の現住人口が比較可能)と「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口、そして『日本帝国人口静態統計』収録の「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」掲載の現住人口です。

なお明治22年版の『町村別戸口表』では沖縄県の間切に関し、
備考 本県ハ郡ノ設ケ無 之ニ付各間切島ヲ郡ニ該当製表ス
との脚注があったので、明治22年の間切に関しては郡市と同等とみなし、[104158]では他町村出入寄留の加除を行わずに間切の現住人口の算出を行いましたが、明治23年版以降の沖縄県統計書では現住人口の算出に他町村出入寄留の加除を行っており、よって明治23年の間切に関しては町村と同等とみなし、他町村出入寄留の加除を行いました。

以下比較結果ですが、明治22年版([104836][104158])と異なり、官報でも明治23年版の『日本帝国民籍戸口表』でもおおむね正確に現住人口が算出されています。一部の計算間違いは、監獄の無籍在監人、囚人、懲治人の加算忘れ、加算間違いに起因するものが主です。弘前市のケースでは『戸籍表』原本に弘前市内の他町村出入寄留の数字が掲載されてしまっており、これを使って計算したか、その後の朱書きの訂正(同市内の町丁間の出入寄留は無視してゼロとするべき)を考慮して算出したかの違いです。一方明治41年版の『日本帝国人口静態統計』では後から「戸口表」を使って人口1万人以上の都市の現住人口を算出したとありますが(正に自分が行っているのと同じ方法)、比較的間違いが多いです。

市区町村府県庁旧国本籍人口現住人口(官報)再計算値現住人口再計算値備考
東京市東京府武蔵国820,0131,141,9911,141,9911,155,2901,155,290
荏原郡品川町東京府武蔵国12,89717,27117,27117,21417,214
南足立郡千住町東京府武蔵国11,79114,52014,52014,50314,503
京都市京都府山城国259,600288,867288,867289,588289,588
紀伊郡伏見町京都府山城国16,16716,94716,94717,24617,246
堺市大阪府和泉国42,82545,52045,52045,56345,563
大阪市大阪府摂津国328,930337,605337,605473,541473,541
西成郡難波村大阪府摂津国24,54726,50026,50026,40526,405
西成郡曽根崎村大阪府摂津国10,70611,26011,26011,22011,220
東成郡天王寺村大阪府摂津国13,66714,29714,29714,22614,226
東成郡東平野町大阪府摂津国10,41612,04312,04312,00912,009
三浦郡横須賀町神奈川県相模国9,92114,77114,77118,19418,194
三浦郡浦賀町神奈川県相模国13,04913,41213,41213,78313,783
足柄下郡小田原町神奈川県相模国15,29214,04314,04314,03114,031
横浜市神奈川県武蔵国66,711128,195128,195127,987127,987
久良岐郡戸太村神奈川県武蔵国6,63010,47210,47211,29611,296
橘樹郡神奈川町神奈川県武蔵国13,61115,92115,92115,89715,897
南多摩郡八王子町神奈川県武蔵国14,35822,14822,14822,16422,164
神戸市兵庫県摂津国92,986136,223136,223136,968136,968
武庫郡西宮町兵庫県摂津国11,70313,14613,14613,07913,079
川辺郡尼ヶ崎町兵庫県摂津国13,55513,51813,51813,47413,474
姫路市兵庫県播磨国24,61225,76825,76827,12027,120
明石郡明石町兵庫県播磨国19,34020,21220,21220,17120,171
長崎市長崎県肥前国38,66157,61257,61258,14258,142
東彼杵郡佐世保村長崎県肥前国4,8108,9528,95210,19710,197「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
南高来郡西有家村長崎県肥前国10,56310,53010,53010,47210,472
新潟市新潟県越後国44,54546,47546,47547,01947,019
北蒲原郡新発田町新潟県越後国11,54411,16211,16212,62612,626
中頸城郡高田町新潟県越後国20,51120,39920,39920,38120,381
雑太郡相川町新潟県佐渡国12,10712,55312,55312,59212,592
入間郡川越町埼玉県武蔵国16,72817,94517,94518,03218,032
大里郡熊谷町埼玉県武蔵国8,48011,19511,19511,32611,326
千葉郡千葉町千葉県下総国14,64322,76522,76523,50823,508
東葛飾郡船橋町千葉県下総国11,54011,84311,84311,82211,822
香取郡佐原町千葉県下総国10,45411,28911,28911,27211,272
海上郡本銚子町千葉県下総国16,83315,31815,31815,29215,292
結城郡結城町茨城県下総国9,38310,15310,15310,13910,139
水戸市茨城県常陸国23,58625,91525,91526,60926,609
那珂郡湊町茨城県常陸国10,75211,53711,53711,51511,515
新治郡石岡町茨城県常陸国9,34610,59910,59910,58210,582
新治郡土浦町茨城県常陸国8,72510,46410,46410,75610,756
東群馬郡前橋町群馬県上野国21,80531,40931,40932,12932,129
西郡馬郡高崎町群馬県上野国18,06624,26624,26625,98125,981
山田郡桐生町群馬県上野国12,77217,01317,01316,98916,989
河内郡宇都宮町栃木県下野国24,06930,12030,13230,83130,831官報掲載の現住人口は河内郡宇都宮町の栃木県監獄署の無籍在監人12を栃木監獄支署がある下都賀郡栃木町に加算
上都賀郡足尾町栃木県下野国1,96411,89511,89511,89211,892
都賀郡栃木町栃木県下野国16,12620,58120,56920,54920,549官報掲載の現住人口は河内郡宇都宮町の栃木県監獄署の無籍在監人12を栃木監獄支署がある下都賀郡栃木町に加算
安蘇郡田沼町栃木県下野国10,81410,59110,59110,57810,578
足利郡足利町栃木県下野国12,72515,06915,06915,04715,047
添上郡奈良町奈良県大和国21,95224,00524,00524,20924,209
添下郡郡山町奈良県大和国13,31012,79612,79612,77012,770
吉野郡十津川村奈良県大和国10,46210,40810,40810,39910,399
阿拝郡上野町三重県伊賀国12,65313,00513,00513,06713,067
津市三重県伊勢国22,63426,16826,16826,86626,866
桑名郡桑名町三重県伊勢国15,68718,65218,65218,62718,627
三重郡四日市町三重県伊勢国13,99118,19318,19318,31218,312
飯高郡松阪町三重県伊勢国11,02413,17413,17413,13813,138
度会郡宇治山田町三重県伊勢国24,89127,70827,70828,03628,036
名古屋市愛知県尾張国136,118165,343165,343170,433170,433
愛知郡熱田町愛知県尾張国17,98918,37218,37218,35118,351
中島郡一宮町愛知県尾張国10,78111,34011,34011,32311,323
海東郡津島町愛知県尾張国10,95111,17811,17811,15311,153
額田郡岡崎町愛知県三河国12,94015,95915,95916,25616,256
渥美郡豊橋町愛知県三河国8,93612,82012,82014,26814,268
敷知郡浜松町静岡県遠江国13,25014,10914,10914,33314,333
静岡市静岡県駿河国39,61938,32738,32738,24638,246
駿東郡沼津町静岡県駿河国11,32010,54110,54110,61810,618
有渡郡長田村静岡県駿河国10,61610,37010,37010,35310,353
甲府市山梨県甲斐国22,85431,67131,67132,05232,052
南巨摩郡増穂村山梨県甲斐国10,20410,13910,13910,11610,116
滋賀郡大津町滋賀県近江国24,23729,65629,65631,12731,127
犬上郡彦根町滋賀県近江国19,68619,98019,98020,06320,063
岐阜市岐阜県美濃国19,78628,59028,59029,46229,462
安八郡大垣町岐阜県美濃国18,30619,78419,78419,78619,786
大野郡高山町岐阜県飛騨国16,06515,52515,52515,54315,543
小県郡上田町長野県信濃国14,58918,12318,12318,32418,324
下伊那郡飯田町長野県信濃国11,63812,84112,84112,93312,933
東筑摩郡松本町長野県信濃国22,29626,00226,00226,18726,187
上水内郡長野町長野県信濃国18,93125,41525,41525,84725,847
仙台市宮城県陸前国60,67860,98460,98466,31066,310
牡鹿郡石巻町宮城県陸前国16,75917,22417,22417,18417,184
西白川郡白河町福島県磐城国10,24611,27711,27711,37311,373
信夫郡福島町福島県岩代国10,66117,71317,71317,68717,687
北会津郡若松町福島県岩代国27,67324,20824,20824,35224,352
盛岡市岩手県陸中国32,18831,92531,92531,86831,868
弘前市青森県陸奥国31,43130,38730,38730,31630,323「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計掲載の現住人口30,316は修正前の他町村出寄留477,他町村入寄留470を加除
30,32330,323「各地方郡市戸口表」掲載の現住人口は問題なし
東津軽郡青森町青森県陸奥国18,21118,99718,99720,39920,399
三戸郡八戸町青森県陸奥国10,97410,90510,90510,88910,889
山形市山形県羽前国26,96328,67528,67529,08129,081
米沢市山形県羽前国29,95828,91428,91428,94428,944
最上郡新庄町山形県羽前国11,54711,13211,13211,12511,125
西田川郡鶴岡町山形県羽前国20,29219,51519,51519,51919,519
飽海郡酒田町山形県羽後国20,45521,04021,04021,03021,030
秋田市秋田県羽後国29,45828,70328,70329,17529,175
南秋田郡土崎港町秋田県羽後国11,86911,76911,76911,75411,754
山本郡能代港町秋田県羽後国11,27511,45411,45411,42811,428
平鹿郡横手町秋田県羽後国11,40811,19311,19311,18111,181
福井市福井県越前国40,75339,94839,94840,15940,159
坂井郡三国町福井県越前国10,14810,46110,46110,43410,434
南条郡武生町福井県越前国13,62914,33714,33714,30314,303
敦賀郡敦賀町福井県越前国14,39815,04415,04414,98514,985
金沢市石川県加賀国99,95493,51793,51794,66694,666
能美郡小松町石川県加賀国12,29013,14713,14713,45113,451
鹿島郡七尾町石川県能登国10,42610,82010,82010,85110,851
鳳至郡輪島町石川県能登国10,13010,06610,06610,02110,021
富山市富山県越中国57,84258,25258,25258,58558,585
高岡市富山県越中国29,13129,61429,61429,55429,554
上新川郡滑川町富山県越中国10,64710,43110,43110,42210,422
下新川郡魚津町富山県越中国13,28513,23013,23013,20613,206
射水郡新湊町富山県越中国17,22217,08417,08417,05017,050
射水郡氷見町富山県越中国11,67311,63711,63711,60211,602
鳥取市鳥取県因幡国29,44528,10128,10128,52528,525
会見郡米子町鳥取県伯耆国12,18513,42013,42013,57413,574
松江市島根県出雲国35,49435,32435,32435,56535,565
西北条郡津山町岡山県美作国11,07211,89111,89112,18012,180
岡山市岡山県備前国33,56245,17945,17945,87145,871
御調郡尾道町広島県備後国16,63917,63117,63117,90017,900
深津郡福山町広島県備後国15,97615,53515,53515,46515,465
広島市広島県安芸国82,55786,02486,02491,00091,000
安芸郡仁保島村広島県安芸国15,06015,12115,12115,06015,060
安芸郡江田島村広島県安芸国10,55011,16211,16211,45211,452
安芸郡瀬戸島村広島県安芸国10,61510,24510,24510,23410,234
安芸郡倉橋島村広島県安芸国13,33012,85812,85812,82412,824
安芸郡蒲刈島村広島県安芸国11,47211,20811,20811,17811,178日本帝国人口静態統計は掲載せず
賀茂郡広村広島県安芸国13,51613,21113,21113,17813,178
大島郡家室西方村山口県周防国11,16410,73110,73110,71510,715
都濃郡徳山村山口県周防国12,21212,14912,14912,11312,113
佐波郡三田尻村山口県周防国10,05510,17210,17210,11910,119
吉敷郡山口町山口県周防国11,35614,34814,34814,26814,268
赤間関市山口県長門国26,53130,43330,43330,78730,787
阿武郡萩町山口県長門国23,18120,26920,26919,92319,923
和歌山市和歌山県紀伊国55,45755,51155,51156,04956,049
有田郡湯浅村和歌山県紀伊国10,54810,24210,24210,20010,200
東牟婁郡新宮町和歌山県紀伊国10,44111,02011,02010,99010,990
徳島市徳島県阿波国60,77160,12460,12461,16761,167
勝浦郡小松島村徳島県阿波国12,61712,58212,58212,51712,517
板野郡撫養町徳島県阿波国18,53118,24818,24818,15118,151
高松市香川県讃岐国33,86333,72433,73534,61634,616官報掲載の現住人口は高松市の香川県監獄署本署の無籍在監人11を加算せず;「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は問題なし
33,35734,616「各地方郡市戸口表」掲載の現住人口は高松市の香川県監獄署本署の囚人1,058,懲治人1を香川郡に加算
阿野郡坂出町香川県讃岐国9,94810,36010,36010,34310,343
那珂郡丸亀町香川県讃岐国17,73518,48818,48820,05220,052
豊田郡観音寺町香川県讃岐国12,81512,79912,79912,74812,748
松山市愛媛県伊予国30,28233,19233,19234,56334,563
越智郡今治町愛媛県伊予国13,10913,56913,56913,52713,527
北宇和郡宇和島町愛媛県伊予国12,48111,99511,99512,12112,121
高知市高知県土佐国26,38931,15731,15732,04232,042
福岡市福岡県筑前国47,84351,86451,86453,79253,792
久留米市福岡県筑後国23,98025,22425,22425,38025,380
三潴郡大川町福岡県筑後国9,54410,14810,14810,11610,116
三池郡大牟田町福岡県筑後国7,42510,20710,20710,18211,686「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は三池郡大牟田町の三池集治仮留監の囚人1,504を加算せず
企救郡小倉町福岡県豊前国13,62414,93314,93316,54416,544
下毛郡中津町大分県豊前国12,01312,77012,77012,88312,883
大分郡大分町大分県豊後国8,25210,69510,69511,35911,359
北海部郡臼杵町大分県豊後国10,73410,08710,08710,03410,034
佐賀市佐賀県肥前国26,01726,41126,41126,75826,758
熊本市熊本県肥後国43,36349,62349,62354,35754,357
葦北郡水俣村熊本県肥後国12,50612,74412,74412,72512,725
北諸県郡都城町宮崎県日向国11,41211,88611,88611,76811,781「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は北諸県郡都城町の都城監獄支署の無籍在監人1,囚人12を加算せず
西諸県郡小林村宮崎県日向国10,35210,82710,82710,79610,796
南諸県郡志布志村鹿児島県日向国16,82217,08217,08217,00517,005
姶良郡加治木村鹿児島県大隅国11,22211,36011,36011,25711,257
南大隅郡垂水村鹿児島県大隅国13,44113,31213,31213,28613,286
東囎唹郡末吉村鹿児島県大隅国10,61010,63810,63810,62010,620
熊毛郡北種子村鹿児島県大隅国10,41010,79710,79710,86910,869
鹿児島市鹿児島県薩摩国56,62657,00157,00156,64356,643
鹿児島郡伊敷村鹿児島県薩摩国15,41414,61714,61714,53314,533
鹿児島郡吉野村鹿児島県薩摩国10,77110,43810,43810,34810,348
谿山郡谷山村鹿児島県薩摩国25,08524,51324,51324,38124,381
給黎郡知覧村鹿児島県薩摩国14,88914,93414,93414,89114,891
給黎郡喜入村鹿児島県薩摩国10,2089,9099,9099,8519,851日本帝国人口静態統計は掲載せず
指宿郡揖宿村鹿児島県薩摩国14,75714,71714,71714,68814,688
頴娃郡頴娃村鹿児島県薩摩国19,82919,90419,90419,86819,868
川辺郡川辺村鹿児島県薩摩国14,20013,84713,84713,80713,807
川辺郡加世田村鹿児島県薩摩国14,04313,73313,73313,68813,688
川辺郡東加世田村鹿児島県薩摩国11,75511,57411,57411,55911,559
川辺郡西加世田村鹿児島県薩摩国13,74413,68213,68213,65913,659
川辺郡東南方村鹿児島県薩摩国19,33919,28619,28619,23119,231
川辺郡西南方村鹿児島県薩摩国10,65710,59710,59710,58110,581
日置郡串木野村鹿児島県薩摩国18,17018,09818,09818,05918,059
日置郡東市来村鹿児島県薩摩国11,90011,61011,61011,58611,586
阿多郡伊作村鹿児島県薩摩国15,16814,67814,67814,63514,635
高城郡水引村鹿児島県薩摩国9,94010,14110,14110,11510,115
出水郡上出水村鹿児島県薩摩国11,03111,77111,77111,75111,751
出水郡阿久根村鹿児島県薩摩国14,94115,01615,01614,98714,987
那覇沖縄県琉球国38,98642,26442,25042,250「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
首里沖縄県琉球国25,72025,49525,60425,604「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
小禄間切沖縄県琉球国13,00212,91213,07513,112「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は計算間違いか
大里間切沖縄県琉球国11,31811,34711,33711,337「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
浦添間切沖縄県琉球国10,0709,8399,839「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計は掲載せず
西原間切沖縄県琉球国13,03812,91112,98812,988「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
中城間切沖縄県琉球国15,77615,53215,53215,532「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
読谷山間切沖縄県琉球国11,39711,35511,35311,353「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
美里間切沖縄県琉球国12,12812,12712,12412,124「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
具志川間切沖縄県琉球国13,51213,50413,50413,504「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
名護間切沖縄県琉球国9,98610,43310,432「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計は掲載せず
今歸仁間切沖縄県琉球国10,70310,70510,80010,700「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は計算間違いか
本部間切沖縄県琉球国14,68214,75714,757「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計は掲載せず
本部村(本部間切+伊江島)沖縄県琉球国19,57319,69619,69419,694「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計では伊江島を含めて本部村として掲載
平良間切沖縄県琉球国9,96610,05110,04410,044「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
砂川間切沖縄県琉球国14,18514,38214,387「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計は掲載せず
砂川村(砂川間切+多良間島)沖縄県琉球国17,30717,51017,49517,505「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計では多良間島を含めて砂川村として掲載;日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は計算間違いか
函館区北海道庁渡島国35,19955,24855,67755,677
松前郡福山市街北海道庁渡島国10,70911,31311,29011,291「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は福山分署の囚人1を加算せず
檜山郡江差市街北海道庁渡島国9,81020,54214,62014,626「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は江差分署の囚人6を加算せず
小樽郡・高島郡小樽市街北海道庁後志国12,53921,39521,38321,383「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
札幌区北海道庁石狩国11,70424,33824,32724,327

【誤字等幾つか追加訂正】
[105165] 2022年 7月 30日(土)10:38:11YT さん
薩摩藩出身者と越後では村の規模に関する常識が異なった?
[105152] 未開人さん

ところで新潟県で1901年に大合併が行われたのはなぜなのでしょうか。岐阜県に比べると合併が不十分だった印象はないのですが、人口が多かったことが影響しているのでしょうか。

新潟県の明治から平成の合併に係る各市町村の系譜に掲載されている「第1章 新潟県における市町村合併の変遷」、および井戸庄三「明治22年 新町村名の研究」(地理学評論 49 (5), 285-299 (1976))によると、柏田盛文知事の独断だそうです。

当時、全国には江戸時代の自然発生的な町村の延長である町村が7万以上、新潟県には約4,500もあった。この小さな単位から、戸籍や小学校などの事務を処理できる300~500戸を標準として、全国一律の町村合併を進めることとした。計画が明らかになると県下全域は騒然となった。当時の町村は生活習慣、水利、産業など住民生活に密着しており、住民の意思を無視するようなケースには強硬な反対があった。それでも政府はこれを断行し、その結果、新潟県の市町村数は明治22年末には、5分の1以下の800余りに減少した。

これが明治の大合併である

しかし、新潟県下では規模が小さく財政的にも脆弱な町村がまだ多く残っていた。当時は全国の町村平均戸数が583戸に対し、新潟県は351戸に過ぎなかった。明治30年に伝染病予防に関する事務と費用負担が町村に義務づけられ、赤痢の大流行などによる衛生費の大膨張(明治31年には明治28年の13倍)や教育費の負担増などによって町村の財政は逼迫していく中で、明治34年2月、柏田新潟県知事は町村合併の実施を明らかにした。県の示した合併案に反対の町村会は80%にも達したが、県はこれを強行し、同年11月には町村数は816から456に減少した。

ただしこの第二次大合併を実施した柏田盛文知事は、外城制度を有する薩摩藩出身です。郷、外城規模で町村を制定し、1万人規模の村が当たり前に存在した鹿児島県の実情を知っている人からすると、新潟県の町村規模は許しがたいほど小さなものだったのでしょう。

明治34年8月28日付の新潟県知事柏田盛文より内務大臣内海忠勝あて「県下町村合 併之件禀請」によると

本県下町村の総数八百十有八、内戸数三百に満たざるもの実に四百五十余カ村の多を占む。其余の町村亦皆概して規模狭少、随って資力薄弱にして其為すべき事を挙ぐるに苦み殆んど独立の実を保つに堪え難しと認むるもの多し。
(中略)
惟くに県下今日の計は深く町村の実情に鑑み、断然小町村を合併し大に其資力を充実し、自治の根底を鞏固ならしめ、以って経営の完成を期す

なお柏田盛文知事は、翌明治35年に発覚した、教科書採択に関する全国規模の贈収賄事件「教科書疑獄事件」に関連して政治的にも失脚します。柏田盛文は新潟県の前に茨城県の知事でしたが、その元茨城県師範学校校長で教科書出版の「普及舎」社長でもあった山田禎三郎が、鉄道内に手帳を忘れたことにより事件が発覚します。摘発された関係者としては、新潟・宮城・栃木・島根・宮崎の各県知事や県会議長・府県書記官・視学官・視学、郡視学、師範学校長・同教諭や高等師範学校教諭、中学校長・女学校長などが含まれ、ほとんどの府県から逮捕者を出すという大疑獄となりました。予審に付された者は152名に上り、有罪者は100名を超え、追徴金も7万円に達しました。柏田盛文も有罪となり、以降政界に復帰することはありませんでした。

余談ですがこの事件発覚の原因となった山田禎三郎という人物、直後に仕事で英国に逃げていたため、逮捕を免れます。後に衆議院に出馬し当選しますが、事業失敗により辞職し、株券偽造で投獄されます。さらに1907年には中ノ鳥島を発見したと主張し、リン鉱石ネタで日本政府を騙すという、この落書き帳の別の話題もリンクするとんでもない詐欺師だったりします([65212])。
[104913] 2022年 7月 8日(金)13:54:23YT さん
「春狩国」の存在はかなり怪しい
[104908] 零参弐八さん

令制国時代に目黒にあったとされる春狩国のことを知ってる人はいませんか?

確かにネット上で検索すると、目黒にあったという「春狩国」に言及するサイトが複数ありますが、どれもここ10年以内に記述されたものばかりです。また自分はJapanKnowledge(『角川日本地名大辞典』、『日本歴史地名大系』、『国史大辞典』などを含む)にアクセスして全文検索できるのですが、一つとして関東地方の地名としての「春狩」「はるかり」が引っ掛かりませんでした。国立国会図書館デジタルアーカイブで『東京府史』や『埼玉県史』の武蔵国の黎明期部分を読んでも、「知々夫」(チチブ)や「无邪志」 (ムサシ/ムザシ)、「 胸刺 」(ムサシ/ムネサシ)の考察はあっても、一つとして「春狩」(ハルカリ)に言及している文献は見つかりませんでした。『目黒町誌』/『郷土目黒』はオンラインでは閲覧できませんが、項目だけなら目黒資料のページで検索できます。「无邪志国造」という項目はあるのに「春狩」はないです。CiNiiの論文検索でも一つとして「春狩」「はるかり」が引っ掛かりませんでした。

さらに元ソースまでは未確認ですが、twitter検索で目黒出身のミュージシャンの作り話という情報も出てきたので、これ以上は調べる気になれませんでした。

そもそも「目黒」に関連して「春狩国」が言及されているようですが、「目黒」/「馬畔」/「めぐろ」/「めくろ」という地名自体、『吾妻鏡』や『承久軍物語』に登場する「目黒」という武家の姓より遡ることができません。よって「寺社などに伝わった中世以降の古文書に、何等かの形で目黒と春狩を結びつける文献が新発見された」とかじゃない限り、これまで一般的に出版されている学術書に話が全く出てこないことを説明できませんので、この時点でかなり怪しい話と考えるべきです。北奥県([79597] [79620]参照)のように中央に情報が残らない可能性も否定はできませんが、新発見の旧国名なら然るべき論文として発表されているはずであり、むしろ近年発表の日本語論文なら容易にCiNiiなどの検索に引っかかるはずであり、まあ現時点では信じない方がよいと思います。
[104836] 2022年 6月 17日(金)11:24:58【1】訂正年月日
【1】2022年 6月 17日(金)17:41:38
YT さん
明治22年の市区町村別人口まとめ(後半)
[103711]で書きましたように、総務省統計局図書館所蔵の『町村別戸口表』を使って明治22年12月31日付の市区町村別現住人口を再計算し、一応は作業が終わりましたが・・・色々検証するべき問題点が見つかりましたので、とりあえず公開の方は明治23年12月31日付のデータの方をまとめからにします。

まず[104158]の訂正

市区町村「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の本籍人口官報掲載の現住人口「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の現住人口町村別戸口表等掲載の本籍人口現住人口(官報基準での再計算)現住人口(日本帝国民籍戸口表基準での再計算)備考
北蒲原郡新発田町11,21310,89410,95611,22610,89410,875「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他郡市出寄留623、他郡市入寄留529を加除せず、また本籍人口11,213(男5,689、女5,524)が異なる; [出]陸海軍在営艦者19を修正

[104158]では陸軍第二師団歩兵第十六連隊1,520を北蒲原郡新発田町に加えてしまいましたが、その後『陸軍省第三回統計年報』(明治22年12月31日付の情報が載っている版はオンラインで公開されておらず、某大学某図書館のマイクロフイルム版で確認しました)を閲覧したところ、この時は北蒲原郡新発田本村に陸軍第二師団歩兵第十六連隊の兵営があったことが判明したので、日本帝国民籍戸口表基準での再計算した現住人口を12,395から10,875に訂正します。

続いて宮城県~宮崎県の残りです(宮城県、島根県、佐賀県などは前と重複しますが、説明文にも一部変更入れましたので再掲します)。

市区町村「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の本籍人口官報掲載の現住人口「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の現住人口町村別戸口表等掲載の本籍人口現住人口(官報基準での再計算)現住人口(日本帝国民籍戸口表基準での再計算)備考
仙台市66,35086,50590,23166,35086,50491,796「各地方郡市戸口表」、「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は仙台市榴ヶ岡在営の陸軍第二師団歩兵第四連隊1,565を宮城郡に加算、また官報掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
牡鹿郡石巻町16,52816,94416,97416,52816,94416,920「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留150、他町村入寄留96を加除せず
西白河郡白河町10,06511,02410,91610,06511,02411,121「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留100、他町村入寄留305を加除せず
信夫郡福島町10,42316,96516,62910,42316,96516,939「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留126、他町村入寄留436を加除せず
北会津郡若松町27,45921,32521,58427,45921,32521,380「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留753、他町村入寄留549を加除せず
盛岡市32,11731,23931,15332,11731,23931,153
弘前市31,61530,56030,48731,61530,56030,487
東津軽郡青森町17,55320,00619,48417,55320,00620,280「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留100、他町村入寄留889、陸軍第二師団歩兵第五連隊1,055を加除せず、また残差7は計算間違いか(詳細不明)
三戸郡八戸町10,73210,63310,56810,73210,63310,602「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留172、他町村入寄留215、八戸監獄の囚人8を加除せず、また残差9は計算間違いか(詳細不明)
山形市26,70328,45529,01926,70328,45529,019
米沢市30,23429,62029,59130,23429,62029,591
最上郡新庄町11,56511,28911,27711,56511,28911,276「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
西田川郡鶴岡町20,41719,63019,56220,41719,63019,562
飽海郡酒田町20,41420,97320,91820,41420,97320,918
秋田市29,49329,06929,56829,49329,06929,568
南秋田郡土崎港町11,80611,70811,68811,80611,70811,699「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
山本郡能代港町11,14211,42711,26911,14211,42711,395「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留18、他町村入寄留144を加除せず
平鹿郡横手町11,23411,08810,96711,23410,96711,076「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留85、他町村入寄留193を加除せず、また残差1は計算間違いか(詳細不明)
福井市40,96140,63140,84940,96140,63140,849
坂井郡三国町10,15610,43210,40910,15610,43210,409
南条郡武生町13,41414,18814,17513,41414,18814,175
敦賀郡敦賀町14,24714,65914,60614,24714,65914,606
金沢市100,72994,40794,257100,72994,40795,812「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口94,257は金沢市在営の陸軍第三師団歩兵第七連隊1,555を加算せず
能美郡小松町12,03012,68312,70312,03012,68712,964「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留29、他町村入寄留290を加除せず、また官報掲載の現住人口は小松監獄の無籍在監人4を加算せず
鹿島郡七尾町10,36910,78710,54610,36910,78710,827「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留24、他町村入寄留305を加除せず
鳳至郡輪島町10,12610,12610,08610,12610,12610,113「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留18、他町村入寄留45を加除せず
富山市57,27757,85758,15957,27757,85758,159
高岡市28,57628,98628,92828,57628,98628,928
上新川郡滑川町10,50110,21410,19510,50110,21410,205「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留11、他町村入寄留21を加除せず
下新川郡魚津町13,10513,12313,03013,10513,12313,089「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留52、他町村入寄留111を加除せず
射水郡新湊町17,13517,06817,03417,13517,06817,041「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
射水郡氷見町11,47011,38111,38811,47011,38111,357「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
鳥取市29,39527,94228,39629,39527,94228,396
会見郡米子町12,05313,37313,30412,05313,37313,497「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留82、他町村入寄留275を加除せず
松江市35,65835,70135,93435,65835,70135,934
西北条郡津山町11,03611,62711,90311,03611,62711,870「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
岡山市33,56347,72448,33333,56347,72448,333
御調郡尾道町16,94218,13418,47316,94218,13418,427「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留480、他町村入寄留434を加除せず
深津郡福山町15,77415,10814,90015,77415,10815,040「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留480、他町村入寄留434を加除せず
広島市81,91783,89688,82081,91783,89688,820
安芸郡仁保島村14,98814,37014,28314,98814,37014,314「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留22、他町村入寄留53を加除せず
安芸郡江田島村10,30010,92510,86510,30010,92510,908「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村入寄留43を加算せず
安芸郡瀬戸島村10,48310,32510,34110,48310,32510,312「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留39、他町村入寄留10を加除せず
安芸郡倉橋島村13,20212,71812,69613,20212,71812,688「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留29、他町村入寄留21を加除せず
安芸郡蒲刈島村11,43811,22611,19511,43811,22611,204「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留1、他町村入寄留10を加除せず
賀茂郡広村13,36713,08913,06113,36713,08913,058「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留44、他町村入寄留41を加除せず
大島郡家室西方村11,08910,71310,70311,08910,71310,703
都濃郡徳山村12,20012,10712,05512,20012,10712,055
佐波郡三田尻村9,98110,20910,1429,97510,20910,136「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は町村別戸籍表掲載の本籍人口と異なる本籍人口9,981(男5,068、女4,913)で算出
吉敷郡山口町11,42514,18313,65311,42514,18314,117「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留44、他町村入寄留41を加除せず
阿武郡萩町23,38920,14619,80423,38920,14619,804
赤間関市26,55629,91429,91926,55629,91429,919
和歌山市56,07656,20256,71356,07656,20256,713
有田郡湯浅村10,55810,32410,28810,55810,32410,288
東牟婁郡新宮町10,25010,64810,62410,25010,64810,624
勝浦郡小松島村12,52612,72112,49212,52612,72112,665「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
板野郡撫養町18,57418,32918,25918,57418,32918,259
徳島市60,86160,14461,10760,86160,14461,107
香川郡[高松城下]32,18332,08132,63532,18332,877日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は高松城下60町のものと推定されるが、高松監獄の囚人及懲治人816を加算せず、また差分-20は計算間違いか(詳細不明)
阿野郡坂出村9,78910,17610,0669,78910,17610,154「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留13、他町村入寄留101を加除せず
那珂郡[丸亀城下]16,49618,29515,67216,49618,254日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は丸亀城下27町及び中府村・地方村のものと推定されるが、差分-41は計算間違いか(詳細不明)
豊田郡観音寺村11,53811,49311,41811,53811,49311,455「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留38、他町村入寄留75を加除せず
松山市30,09432,88232,73830,09432,88234,297「各地方郡市戸口表」「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は松山市堀内町在営の陸軍第五師団歩兵第二十二連隊1,559を温泉郡に加算
越智郡今治町13,19913,73413,16113,19913,73413,691「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留149、他町村入寄留679を加除せず
北宇和郡宇和島町12,64211,74211,96812,64211,74211,880「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留542、他町村入寄留454を加除せず
高知市26,72631,52932,24126,72631,52932,241
福岡市47,77051,05053,01447,77051,05053,014
三池郡大牟田町9,61211,1077,0299,61211,065「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は三池集治仮留監の無籍在監人42を加算せず
久留米市23,93724,70324,85923,93724,70324,859
企救郡小倉町13,58914,44916,09913,58914,44916,099
下毛郡中津町12,01312,58312,69212,01312,58312,692
大分郡大分町8,17410,80411,1688,17410,80411,383「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留28、他町村入寄留243を加除せず
北海部郡臼杵町10,73710,13910,10110,73710,13910,091「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
佐賀市25,50626,05526,40125,50626,05526,401
熊本市43,17648,58752,83343,17648,58753,172「各地方郡市戸口表」、「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は熊本市宮内町在営の陸軍第六師団工兵第六大隊(または熊本市古京町在営の陸軍第六師団輜重兵第六大隊)339を託麻郡に加算
葦北郡水俣村12,36112,53812,51612,36112,53812,513「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
北諸県郡都城町11,22711,77611,58711,22711,77611,686「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留92、他町村入寄留191を加除せず
西諸県郡小林村10,10710,63910,63910,10710,63910,618「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留60、他町村入寄留39を加除せず

香川県の高松、丸亀の現住人口は『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』収録の「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」によりますが、これに記載されている人口の範囲がどこまでなのか、さっぱり不明なので、日本帝国民籍戸口表基準での再計算の範囲を出すにせよ、ある程度近い数字になるように想像で範囲を指定するしかありませんでした。

改めて現時点で解決できない問題点としては

1.東京府伊豆七島、小笠原島の町村別人口の情報が完全に欠落している(明治23年版に関しても、大島、三宅島、八丈島、小笠原島内の町村の情報は欠落している)。
2.千葉県印旛郡の入寄留の内、入寄留の陸海軍在営艦者1713人の分配の情報がないため、志津村(陸軍砲兵射的学校)と佐倉町(陸軍第一師団歩兵第二連隊)の現住人口が確定できない(明治23年に関しては[103921]に示すように分配済)。
3.茨城県東茨城郡の出寄留の内、出寄留の囚人及懲治人に関する部分が虫食いのために判別できない箇所があり、一部の町村(石崎村、常磐村、河和田村、長岡村、上野合村、伊勢畑村、磯浜町)の現住人口を正確に算出できない。
【4】.北海道庁釧路郡に所属する町村(真砂町、米町、洲崎町、幣舞町、浦見町、釧路村、桂恋村、鳥取村、昆布森村、跡永賀村、仙鳳趾村)に関し、郡全体での他町村出寄留は4人となっているものの、町村別の他町村出寄留が空欄となっており、これらの町村のいくつかの現住人口を正確に算出できない。

この内、2に関連する入寄留の陸海軍在営艦者に関しては、『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方人口出入表」の方に府県別の集計があり、最終的に『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方郡市戸口表」の現住人口との差分から郡市別の入寄留の陸海軍在営艦者にまではたどり着けます。ところが、この情報と『陸軍省第三回統計年報』と比較したところ、いろいろおかしい点が出てきます。

まず、明治23年版に関しては、[103921]に示すように陸軍・海軍の在営艦者が全て分配されていますが、明治22年版に関しては、色々比較したところ、そもそも海軍の在営艦者が全て通常の入寄留として処理されており、実際に入寄留の陸海軍在営艦者として扱われているのは陸軍分のみです。

改めて明治22年の入寄留の陸海軍在営艦者を郡市区別で分配すると以下のようになります。残念ながら『陸軍省第三回統計年報』には、各部隊の総人員や階級別人員の情報は載っていても、実際に兵営に住んでいる兵員の情報が載っていないので、人口を分割することができません。また新しく発足した憲兵隊の場所の情報など、一部必要な情報が欠落しています。

府県郡区市[入]陸海軍在営艦者推定町村備考
東京府東京市麹町区5,608東京市麹町区代官町陸軍近衛歩兵第一第二連隊
東京市麹町区代官町陸軍近衛歩兵砲兵連隊
東京市麹町区代官町陸軍近衛軍楽隊
東京市麹町区外桜田町陸軍近衛歩兵第三第四連隊
東京市麹町区八代洲町陸軍近衛騎兵大隊
東京市麹町区八代洲町陸軍第一師団騎兵第一大隊
東京市麹町区永楽町一丁目陸軍第一師団輜重兵第一大隊
東京市麹町区内山下町二丁目陸軍第一師団騎兵第一大隊第三中隊
東京市麹町区有楽町二丁目陸軍軍楽基本隊
東京府東京市芝区3?東京憲兵隊?
東京府東京市麻布区1,413東京市麻布区新竜土町陸軍第一師団歩兵第三連隊
東京府東京市赤坂区1,502東京市赤坂区赤坂檜町陸軍第一師団歩兵第一連隊
東京府東京市牛込区2,036東京市牛込区市谷本村町陸軍第一師団砲兵第一連隊
東京府東京市下谷区3東京市下谷区下谷車坂町?東京憲兵隊?
東京府北豊島郡512北豊島郡岩淵町陸軍近衛工兵中隊
北豊島郡岩淵町陸軍第一師団工兵第一大隊
京都府紀伊郡337紀伊郡伏見町陸軍第五師団工兵第四大隊
大阪府大阪市南区4?大阪憲兵隊?
大阪府大阪市東区4,020大阪市東区法円坂町陸軍第四師団歩兵第廿連隊第三大隊
大阪市東区法円坂町陸軍第四師団歩兵第八連隊
大阪市東区法円坂町陸軍第四師団歩兵第廿連隊
大阪市東区法円坂町陸軍第四師団砲兵第四連隊
大阪市東区大手前ノ町陸軍第四師団輜重兵第四大隊
大阪府西成郡112東成郡清堀村陸軍第四師団騎兵第四大隊
清堀村が東成郡に移管されたことを無視し、誤って西成郡に加算してしまったと思われる
神奈川県三浦郡156三浦郡浦賀町陸軍要塞砲兵幹部練習所
兵庫県飾東郡1,568姫路市姫路本町陸軍第四師団歩兵第十連隊
姫路市の発足を無視し、誤って飾東郡に加算してしまったと思われる
長崎県長崎市16長崎市大黒町陸軍第六師団長崎分遺砲兵隊
長崎県下県郡187下県郡厳原村陸軍第六師団対馬警備隊
新潟県北蒲原郡1,520北蒲原郡新発田本村陸軍第二師団歩兵第十六連隊
千葉県東葛飾郡1,301東葛飾郡市川町国府堂陸軍教導団
千葉県印旛郡1,713印旛郡佐倉町佐倉城陸軍第一師団歩兵第二連隊
印旛郡志津村下志津原陸軍砲兵射的学校
群馬県西群馬郡1,478西郡馬郡高崎町陸軍第一師団歩兵第十五連隊
愛知県名古屋市4,319名古屋市南外堀町陸軍第三師団歩兵第六連隊
名古屋市南外堀町陸軍第三師団砲兵第十九連隊
名古屋市南外堀町陸軍第三師団砲兵第三連隊
名古屋市南外堀町陸軍第三師団工兵第三大隊
名古屋市南外堀町陸軍第三師団輜重兵第三大隊
愛知県渥美郡1,543渥美郡豊橋町陸軍第三師団歩兵第七連隊
滋賀県滋賀郡1,507滋賀郡大津町別所村陸軍第四師団歩兵第九連隊
宮城県仙台市2,715仙台市榴ヶ岡陸軍第二師団歩兵第四連隊
仙台市川内陸軍第二師団歩兵第十七連隊
仙台市川内陸軍第二師団砲兵第二連隊
仙台市川内陸軍第五師団工兵第二大隊
仙台市川内陸軍第二師団輜重兵第二大隊
宮城県宮城郡1,565?仙台市榴ヶ岡の陸軍第二師団歩兵第四連隊を宮城郡に誤って加算か?
青森県東津軽郡1,055東津軽郡筒井村陸軍第二師団歩兵第五連隊
石川県金沢市1,555金沢市大手町陸軍第三師団歩兵第七連隊
広島県広島市4,346広島市基町陸軍第五師団歩兵第十一連隊
広島市基町陸軍第五師団歩兵第廿一連隊
広島市基町陸軍第五師団砲兵第五連隊
広島市基町陸軍第五師団輜重兵第五大隊
広島市白鳥北町陸軍第五師団工兵第五大隊
香川県那珂郡1,598那珂郡丸亀(丸亀一番丁~五番丁)陸軍第五師団歩兵第十二連隊
愛媛県松山市1,559松山市堀内町陸軍第五師団歩兵第廿二連隊
福岡県福岡市1,527福岡市福岡城陸軍第六師団歩兵第廿四連隊
福岡県企救郡1,503企救郡小倉町陸軍第六師団兵兵第十四連隊
熊本県熊本市3,665熊本市二之丸町陸軍第六師団歩兵第十三連隊
熊本市二之丸町陸軍第六師団砲兵第六連隊
熊本市山崎町陸軍第六師団歩兵第廿三連隊
熊本市山崎町陸軍第六師団歩兵第廿三連隊第三大隊
熊本市山崎町陸軍第六師団騎兵第六大隊第一中隊
熊本市宮内町陸軍第六師団工兵第六大隊
熊本市古京町陸軍第六師団輜重兵第六大隊
熊本県託麻郡339?熊本市内の宮内町の陸軍第六師団工兵第六大隊か古京町の輜重兵第六大隊を託麻郡に誤って加算か?
沖縄県首里120首里当蔵村陸軍第六師団沖縄分遺歩兵隊
北海道庁亀田郡520亀田郡亀田町陸軍第二師団歩兵第五連隊第三大隊

ここでなぜか仙台市、熊本市で一部の入寄留の陸海軍在営艦者が、わざわざ近隣の郡に分割されている理由が不明です。

仙台市に関しては、明治18年時点で宮城郡南目村(のちに宮城郡原町)と仙台区榴ヶ岡(のちに仙台市)に渡って兵営が造営されていたことが確認できる陸軍第二師団歩兵第四連隊の分の取り扱いの問題と推測されますが(参考:『陸軍省第十一年報』)、熊本市/熊本区分に関しては、託麻郡内には兵営官舎がなく、小銃射的場ぐらいしか確認できず(参考:『陸軍省第十一年報』、何をどう間違えたらこうなるのかさっぱり分かりません。

というわけで、千葉県印旛郡の入寄留の陸海軍在営艦者を含め、明治22年12月31日付の現住人口に関しては、もう少し調査する必要があります。

【訂正】釧路郡の町村の他町村出寄留が空欄となっており、いくつかの町村の現住人口が正確に算出できていない可能性があることを【4】として追記
[104158] 2022年 4月 16日(土)12:01:04【4】訂正年月日
【1】2022年 4月 16日(土)12:11:34
【2】2022年 4月 16日(土)12:23:19
【3】2022年 4月 16日(土)12:38:28
【4】2022年 4月 17日(日)15:39:42
YT さん
明治22年の市区町村別人口まとめ(前半を終えて)
[103711]で書きましたように、総務省統計局図書館所蔵の『町村別戸口表』を使って明治22年12月31日付の市区町村別現住人口を再計算しておりますが、4月に入って全く手が付けらないほど忙しい状況になってしまっています。

現時点で集計を終えたのは、当時の府県順でいうところの東京府から宮城県、沖縄県、北海道、および特殊な離島を含む県(島根県、鹿児島県)までで、宮城県を除く東北、新潟県を除く北陸、島根県を除く中国、南海、長崎県と鹿児島県を除く九州などがまだ残っております。現時点でどうしても解決できない問題として残っているのは、

1.東京府伊豆七島、小笠原島の町村別人口の情報が完全に欠落している。

逆に島根県隠岐、長崎県壱岐・対馬、鹿児島県吐噶喇・奄美、沖縄県、北海道庁に関してはすべて情報が揃い、「官報掲載の現住人口」に相当するものもすべて補うことができました。

2.千葉県印旛郡の入寄留の内、「[入]陸海軍在営艦者」1713人の分配の情報がないため、志津村(陸軍砲兵射的学校)と佐倉町(陸軍第一師団歩兵第二連隊)の現住人口が確定できません(明治23年に関しては[103921]に示すように分配済)。


3.茨城県東茨城郡の出寄留の内、「[出]囚人及懲治人」に関する部分が虫食いのために判別できない箇所があり、一部の町村(石崎村、常磐村、河和田村、長岡村、上野合村、伊勢畑村、磯浜町)の現住人口を正確に算出できません。

なお「官報掲載の現住人口」と『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」や「各地方郡市戸口表」などに掲載されいてる、「民籍戸口表掲載の現住人口」(仮称)との間には、以下の式が成立します。

・官報掲載の現住人口=本籍人口-[出]外国行-[出]他府県出寄留-[出]他郡区出寄留-[出]他町村出寄留-[出]失踪+[入]他府県入寄留+[入]他郡区入寄留+[入]他町村入寄留+[入]無籍在監人

・民籍戸口表掲載の現住人口=本籍人口-[出]外国行-[出]他府県出寄留-[出]他郡区出寄留-[出]他町村出寄留-[出]陸海軍在営艦者-[出]囚人及懲治人-[出]失踪+[入]他府県入寄留+[入]他郡区入寄留+[入]他町村入寄留+[入]無籍在監人+[入]有籍囚人及懲治人+[入]陸海軍在営艦者

・民籍戸口表掲載の現住人口=官報掲載の現住人口-[出]陸海軍在営艦者-[出]囚人及懲治人+[入]有籍囚人及懲治人+[入]陸海軍在営艦者

『町村別戸口表』に載っているデータは、本籍人口、[出]外国行、[出]他府県出寄留、[出]他郡区出寄留、[出]他町村出寄留、[出]陸海軍在営艦者、[出]囚人及懲治人、[出]失踪、[入]他府県入寄留、[入]他郡区入寄留、[入]他町村入寄留です。

[入]無籍在監人、[入]有籍囚人及懲治人に関しては、『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方在監有籍者及無籍者人口表」の方に監獄別集計があります。

[入]陸海軍在営艦者に関しては、『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方人口出入表」の方に府県別の集計があるばかりで、最終的には『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方郡市戸口表」の現住人口との差分から郡市別の[入]有籍囚人及懲治人にまではたどり着けます。明治23年に関しては[103921]に示したようにリストが存在します。

官報掲載の現住人口に関しては、離島や沖縄県と北海道を除き、すべて官報に市町村別人口が掲載されており、そのため『町村別戸口表』掲載の[出]外国行、[出]他府県出寄留、[出]他郡区出寄留、[出]他町村出寄留、[出]失踪、[入]他府県入寄留、[入]他郡区入寄留、[入]他町村入寄留、[入]無籍在監人などに虫食いの判別不能箇所があっても、官報掲載の現住人口と郡別の各項目の集計を駆使することで、誤った箇所や虫食いの箇所を補うことができます。

一方民籍戸口表掲載の現住人口に関しては、『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」や「各地方郡市戸口表」からわかるのは1万人以上の都市、郡市別人口までで、1万人未満の都市に関しては集計がありあませんので、[出]陸海軍在営艦者と[出]囚人及懲治人に関しては虫食いがあった場合、官報掲載の現住人口から復元することができません。

また[入]陸海軍在営艦者に関しては現時点で町村別人口への分配を記した史料を入手できていませんので、同一郡内に複数の軍の施設があり、いずれも現住人口1万人未満であれば、郡別人口からさらに町村別へ現住人口を分配することができません。


とりあえず、明治22年の現住人口として広く出回っている数値にかなりの計算間違いがあったので、本籍人口、官報掲載の現住人口、日本帝国民籍戸口表の「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等(香川県、沖縄県、北海道に関しては『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』収録の「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」により数字を補った)に掲載の現住人口の3種類について、新たに『町村別戸口表』掲載の本籍人口、『町村別戸口表』から再計算した官報掲載基準の現住人口、日本帝国民籍戸口表基準で再計算した現住人口について、数値が正しかった分も含めて以下にまとめてみます。

【注意:まだ手を付けていない東北や西日本の府県の都市については再計算比較をしておりませんので、下の表はまだ完璧ではありません。】

市町村「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の本籍人口官報掲載の現住人口「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の現住人口町村別戸口表等掲載の本籍人口現住人口(官報基準での再計算)現住人口(日本帝国民籍戸口表基準での再計算)備考
東京市817,2081,378,1321,389,684817,2081,378,1321,389,684
荏原郡品川町12,58617,22117,10812,58617,22117,166「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留44、他町村入寄留102を加除せず
南足立郡千住町11,58414,02214,01011,58414,02214,010
京都市256,452279,165279,792256,452279,165279,792
紀伊郡伏見町16,34917,19717,50316,34917,19717,508「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留39、他町村入寄留44を加除せず
堺市42,95947,88348,16542,95947,88348,165
大阪市327,682473,417476,271327,682473,417476,271
西成郡難波村23,74125,70125,61723,74125,70125,617
西成郡曽根崎村10,55711,19111,16110,55711,19111,161
東成郡天王寺村13,52914,75414,69913,52914,75414,673「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留83、他町村入寄留57を加除せず
東成郡東平野町10,18612,28112,10210,18612,28112,249「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留28、他町村入寄留175を加除せず
三浦郡横須賀町17,08617,17124,3669,80617,17117,086「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は本来の現住人口を本籍人口17,086(男8,474、女8,612)として重複算出
三浦郡浦賀町13,01613,54613,62513,01613,54613,625
足柄下郡小田原町15,14813,85613,84515,14813,85613,845
横浜市65,372122,143121,98565,372122,143121,985
久良岐郡戸太村10,32310,33915,2536,15610,33911,086「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は本来の現住人口を本籍人口10,323(男5,238、女5,085)として重複算出
橘樹郡神奈川町13,50315,88215,38213,50315,88215,859「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
南多摩郡八王子町13,99821,72121,55513,99821,72121,754「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
神戸市89,363134,901135,63989,363134,901135,639
武庫郡西宮町11,60511,28611,22911,60511,28611,229
川辺郡尼ヶ崎町13,65613,62413,58013,65613,62413,592「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は修正前の他郡市出寄留86、他郡市入寄留102で算出
姫路市24,52925,54227,05524,52925,54227,055「各地方郡市戸口表」掲載の現住人口25,487は姫路市姫路本町在営の陸軍第四師団歩兵第十連隊1,568を飾東郡に加算
明石郡明石町19,27019,79019,81919,27019,79019,819
長崎市39,03454,63555,06339,03454,63555,063
南高来郡西有家村10,54410,50110,45410,54410,50110,454
新潟市43,91145,86146,35343,91145,86446,353官報掲載の現住人口は新潟監獄の無籍在監人3を加算せず
北蒲原郡新発田町11,21310,89410,95611,22610,89412,395「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他郡市出寄留623、他郡市入寄留529、陸軍第二師団歩兵第十六連隊1,520を加除せず、また本籍人口11,213(男5,689、女5,524)が異なる
中頸城郡高田町20,20420,12220,19120,20420,12220,091「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
雑太郡相川町12,11313,21313,24912,11313,21313,234「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留38、他町村入寄留23を加除せず
入間郡川越町16,64818,65117,98816,64818,65118,766「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留258、他町村入寄留1,036を加除せず
大里郡熊谷町8,37810,71410,5718,37810,71410,780「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留213、他町村入寄留422を加除せず
千葉郡千葉町14,40821,59922,25914,40821,59922,259
東葛飾郡船橋町11,41911,63911,62611,41911,63911,626
香取郡佐原町10,39711,49511,48110,39711,49511,481
海上郡本銚子町16,98815,58715,55616,98815,58715,556
結城郡結城町9,24310,28310,2719,24310,28310,271
水戸市23,20325,08825,59123,20325,08825,591
那珂郡湊町10,64011,24110,57310,64011,24111,229「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
新治郡石岡町9,22510,49810,4809,22510,49810,480
新治郡土浦町8,78610,61010,7548,78610,61010,825「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留44、他町村入寄留115を加除せず
東群馬郡前橋町21,38727,51228,11521,38727,51228,115
西群馬郡高崎町17,93823,99324,18217,93823,99325,660「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は陸軍第一師団歩兵第十五連隊1,478を加算せず
山田郡桐生町12,56317,59317,50412,56317,59317,557「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留193、他町村入寄留246を加除せず
河内郡宇都宮町23,62929,42430,69823,62929,42430,060「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は修正前の他郡市出寄留383、他町村出寄留152、他郡市入寄留2225、他町村入寄留1138で算出
上都賀郡足尾町1,90111,86911,8151,90111,86911,862「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村入寄留47を加算せず
下都賀郡栃木町15,85119,07319,05515,85119,07319,055
安蘇郡田沼町10,68810,67710,66110,68810,67710,661
足利郡足利町12,16113,93513,92412,16113,93513,924
添上郡奈良町22,00524,27424,45922,00524,27424,459
添下郡郡山町13,33512,82812,80413,33512,82812,804
阿拝郡上野町12,53112,92012,94112,53112,92012,941
津市22,49523,51628,15622,49527,62928,156官報掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
桑名郡桑名町15,69317,91217,89015,69317,91217,890
三重郡四日市町13,77817,38417,53113,77817,38417,531
飯高郡松阪町11,04113,07013,04011,04113,07013,040
度会郡宇治山田町24,64827,12227,36524,64827,12227,365
名古屋市135,126157,505162,767135,126157,505162,767
愛知郡熱田町17,89718,31018,27617,89718,31018,276
中島郡一宮町10,56710,85510,84010,56710,85510,840
海東郡津島町11,34611,62011,59411,34611,62011,594
額田郡岡崎町12,92515,78516,03412,92515,78516,034
渥美郡豊橋町8,79412,37913,9118,79412,37913,911
敷知郡浜松町13,16313,63013,85713,16313,63013,857
静岡市39,26137,72437,66439,26137,72437,664
駿東郡沼津町11,26610,23010,30011,26610,23010,302「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
有渡郡長田村10,47210,24110,21810,47210,24110,218
甲府市22,62230,76331,13522,62230,76331,135
南巨摩郡増穂村10,10710,07510,06710,10710,07510,067
滋賀郡大津町24,44430,92029,94124,44430,92032,365「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留157、他町村入寄留1,074、陸軍第四師団歩兵第九連隊1,507を加除せず
犬上郡彦根町19,73717,92817,56819,73717,92817,973「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留446、他町村入寄留851を加除せず
岐阜市19,19026,23327,08919,19026,23327,089
安八郡大垣町19,32820,10321,64018,23420,10320,063「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)、また本籍人口19,328(男10,281、女9,047)が異なる
大野郡高山町15,38515,42614,77516,02315,42615,426「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)、また本籍人口15,385(男7,632、女7,753)が異なる
小県郡上田町14,31517,03317,24214,31517,03617,196「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留829、他町村入寄留783を加除せず、また官報掲載の現住人口は上田監獄の無籍在監人3を加算せず
下伊那郡飯田町11,45812,48512,54411,45812,48712,544官報掲載の現住人口は飯田監獄の無籍在監人2を加算せず
東筑摩郡松本町25,69125,77329,31922,27225,77425,958「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)、また本籍人口25,691(男13,199、女12,492)が異なり、官報掲載の現住人口は松本監獄の無籍在監人1を加算せず
上水内郡長野町22,90126,34528,98018,57326,35226,810「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)、また本籍人口22,901(男10,565、女12,336)が異なり、官報掲載の現住人口は長野監獄の無籍在監人7を加算せず
仙台市66,35086,50590,23166,35086,50491,796「各地方郡市戸口表」掲載の現住人口は仙台市榴ヶ岡在営の陸軍第二師団歩兵第四連隊1,565を宮城郡に加算、また官報掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
牡鹿郡石巻町16,52816,94416,97416,52816,94416,920「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留150、他町村入寄留96を加除せず
松江市35,65835,70135,93435,65835,70135,934
佐賀市25,50626,05526,40125,50626,05526,401
南諸県郡志布志村16,64316,83916,76416,64316,83916,764
姶良郡加治木村11,08911,18311,10811,08911,18311,108
東囎唹郡末吉村10,44810,53610,52210,44810,53610,522
南大隅郡垂水村13,40713,28413,25213,40713,28413,252
熊毛郡北種子村10,26110,48610,52710,26110,48610,527
鹿児島市57,16257,75057,46557,16257,75057,465
鹿児島郡伊敷村15,32414,58614,51215,32414,58614,512
鹿児島郡吉野村10,62710,40110,30610,62710,40110,306
谿山郡谷山村24,87924,37724,24824,87924,37724,248
給黎郡知覧村14,79114,82414,79314,79114,82414,793
給黎郡喜入村10,1379,8409,78410,1379,8409,784
揖宿郡指宿村14,59514,54814,51714,59514,54814,517
頴娃郡頴娃村19,45419,52819,50019,45419,52819,500
川辺郡川辺村14,04613,71313,68214,04613,71313,682
川辺郡加世田村13,86413,56313,52613,86413,56313,526
川辺郡東加世田村11,65211,47311,44811,65211,47311,448
川辺郡西加世田村13,62813,57313,54713,62813,57313,547
川辺郡東南方村19,01519,05619,00719,01519,05619,007
川辺郡西南方村10,56710,50910,49910,56710,50910,499
日置郡串木野村18,12117,98417,94018,12117,98417,940
日置郡東市来村11,77511,54911,52211,77511,54911,522
阿多郡伊作村15,01714,54814,50715,01714,54814,507
高城郡水引村9,89910,07110,0919,89910,07110,126「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村入寄留35を加算せず
出水郡上出水村10,95711,64911,61810,95711,64911,618
出水郡阿久根村14,78414,85214,81414,78414,85214,814
那覇40,21235,94740,22040,212
首里26,20526,44926,10226,205
島尻小禄間切12,10811,85711,92012,108
島尻大里間切10,55210,65110,55210,552
中頭西原間切11,80411,99011,80611,804
中頭中城間切14,85715,08314,85914,857
中頭読谷山間切10,47310,55010,47610,473
中頭美里間切10,85410,86110,85410,854
中頭具志川間切11,22011,22411,22811,228日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は計算間違いか(出入を反転?)
国頭本部間切11,93911,88511,93911,939
国頭今歸仁間切10,49410,43410,49710,494
宮古島砂川間切13,79413,66613,79413,794
函館区33,82152,90933,82152,97952,909
松前郡[福山市街三十四箇町]12,03111,06312,04712,031
檜山郡[江差市街二十六箇町]13,7989,77213,89913,886日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は他町村出寄留109、他町村入寄留190、江差分署の囚人7を加除せず
小樽郡[小樽市街二十九箇町]12,6297,81912,61412,606日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は他町村出寄留508、他町村入寄留485を加除せず
札幌区10,02916,87610,02916,87716,876

官報掲載の現住人口が基本間違いが少ないのですが、たまに無籍在監人の追加を忘れていることがあります。あと、府県別に担当者が違うみたいで、岐阜県に関しては例外的に計算間違いが多かったです。

一方の「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の現住人口は間違いだらけ!特に神奈川県横須賀町の計算間違いは意図的な水増しを疑ってしまいます。

【用語等を追加修正】
[104019] 2022年 2月 28日(月)04:04:19【1】訂正年月日
【1】2022年 2月 28日(月)11:26:53
YT さん
哀悼
hmtさんのご訃報に接し、心から哀悼の意を表します。

土曜日の内に訃報に気付きましたが、土日なので子供が寝ている間に仕事をするという、個人的に超絶忙しい状況に追い込まれており、なかなか追悼文を書けずにおりました。

hmtさんとの話題の共有は様々ありましたが、とりわけ過去の人口情報の書き込みには頻繁に反応を頂きました。今取り掛かっている明治22年、23年の人口の入力作業も忙しくて滞っており、hmtさんに完成版を見せることができず残念です。

ところで私の本職は実のところ実験化学なのですが、ここに来てhmtさんの本職も化学(そういえば大阪の化学会社に就職したというのを書いていたような記憶が・・・[100051])ということで、とんでもない接点がありました。私はオフ会には一度も参加したことはありませが、専門が近かったとなると、是非ともお会いして話をしたかったです。

またhmtさんは2003年7月に70歳、亡くなった時には88歳だったということは、私の父の3歳上で、小学生の時に教育制度が新制に替わった世代ですね。私の父も専門は完全に理系ですが、とにかく教養を大事にする人で、今でもアマオケに参加して練習をする傍ら、歴史の本を読むという、専門に囚われない広い知識と教養を貪欲に求め続けています。私が専門で理系を選び、趣味で歴史関係にはまっているのは完全に両親の影響ですが、専門外のことまで妥協せずに色々調べ尽くす、hmtさんなどのこの世代の教養人の姿勢は、今後も見習いたいです。

【訂正】教育制度が変わったのは父が小学6年、hmtさんが中学3年の時で、私の父の場合は中学から新制度になりましたが、hmtさん自身は旧制中学で卒業した世代でしょうか?この辺数年の違いで差が出るので、リアルタイムに経験しないと分かりません。
[103922] 2022年 2月 4日(金)19:45:50【2】訂正年月日
【1】2022年 2月 4日(金)20:23:30
【2】2022年 2月 4日(金)20:35:32
YT さん
自己解決と新たな現住人口算出処理の間違いの発見
[103921]の西成郡の兵営に関連して新たな知見が得られたのと共に、『日本帝国民籍戸口表』「各地方郡市戸口表」における現住人口算出処理の間違いを見つけてしまいました。

まず『日本民籍戸口表』「各地方郡市戸口表」と『町村別戸口表』『戸籍表』を突き合わせることにより、大阪府における[入]陸海軍在営艦者の数値は以下の変遷としてまとめられます。

郡区明治22年明治23年明治23年当時の在営隊
大阪市東区4,0203,970歩兵第八連隊・歩兵第二十連隊・砲兵第四連隊・輜重兵第四大隊・軍楽隊・大阪憲兵隊
大阪市南区40
大阪市西区0173騎兵第四大隊
西成郡1120
大阪府全体4,1364,143

明治22年と明治23年で兵営人員に変化はほとんどありません。それ以前の明治20年の段階では、すべての兵営は大阪市東区法円坂、大阪市東区大手前にありましたが、この段階では大阪憲兵隊、騎兵大隊の兵営の記載がありません。調べたところ、大阪憲兵隊(それ以前は東京の憲兵隊の分遣隊扱い)と騎兵第四大隊が大阪府内に発足したのは明治22年。この内大阪憲兵隊に関しては、明治22年に大阪分遣憲兵大隊が大阪憲兵隊へと昇格したことによる名称変更で、その司令部が大阪市南区順慶町に置かれており、明治22年の南区の4人は大阪憲兵隊の在営人員そのものと思われます。

次に騎兵隊について改めて調べたところ、騎兵大隊自体が設置されたのは明治21年のことで(明治21年2月28日の官報)、発足当初は大阪に設置されませでした。第四師団配属となる騎兵第四大隊の場合は、まず東京で訓練され、その後明治22年11月28日にようやく大阪へ移転となったようです。そして遂に明治22年12月6日の官報に以下の文章を見つけました。

○騎兵中隊移転 第四師団騎兵第四大隊第一中隊ハ去月二十八日大阪府東成郡清堀村新築騎兵営ヘ移転セリ(陸軍省)

ん?西成郡ではなくて東成郡?これはどういうこと?

一応明治22年の西成郡と東成郡の出寄留情報は以下の通りです。西成郡川崎村には堀川監獄分署があり、無籍在監人13名と囚人及徴治人3,101人が居住していましたが、その分を除しても差分として112名の陸海軍在営艦者がいることが分かります。一方の東成郡の方は町村戸口表の出入寄留情報だけで現住人口が計算可能で、監獄も兵営地も所在者がゼロです。

出入寄留等西成郡東成郡
本籍人口139,21064,043
[出]外国行1713
[出]他府県出寄留2,406667
[出]他郡市出寄留3,0801,307
[出]他町村出寄留1,297414
[出]陸海軍在営艦者14668
[出]囚人及徴治人273158
[出]失踪2,2641,516
[入]他府県入寄留14,1035,514
[入]他郡市入寄留6,7073,408
[入]他町村入寄留1,297414
[入]無籍在監人130
[入]有籍囚人及徴治人3,1010
[入]陸海軍在営艦者1120
現住人口(「各地方郡市戸口表」掲載)155,06069,236


調べたところ、町村制施行以前は、清堀村は西成郡所属でしたが、明治22年4月1日に清堀村単独で町村制を施行した際、西成郡から東成郡へと所属が変更されたことが判明しました。明治20年の『陸軍省統計年報』を調べたところ、この段階で「陸軍所用見込地」として西成郡清堀村字小橋山・宰相山12115坪を取得しており、この土地が2年後の騎兵営地となったわけです。

よって私の出した結論としては、明治22年12月31日時点で西成郡に加算された兵員112名は、陸軍第四師団騎兵第四大隊第一中隊であって、東成郡堀成村に兵営していたが、「各地方郡市戸口表」の担当者が堀成村は西成郡所轄のままと勘違いして、うっかり西成郡の現住人口に加算してしまったのだろうということです。

「各地方郡市戸口表」における東成郡/西成郡という誤りは、姫路市/飾東郡の誤りに続いて2つ目となります。

なお当初西成区の兵営地として自分が考えていた天保砲台ですが、明治21年には天保山砲台周辺の土地は民間の遊園地となっていますので、明治21年中に軍用地から民間の土地になったと思われます。

【追記】『大阪府全志』の記述により、清堀村内の小字名を「小構山」から「小橋山」に改訂。
[103921] 2022年 2月 3日(木)21:00:45【2】訂正年月日
【1】2022年 2月 3日(木)23:20:55
【2】2022年 2月 4日(金)12:37:59
YT さん
明治23年の陸海軍在営艦者のまとめと、明治22年における陸海軍在営艦者の所在地の問題
[103852]
2.明治22年に関しては入寄留側の陸海軍在営艦者の統計が記載されていません(明治23年に関しては駐屯地毎の陸海軍の統計が存在する)。ただ府県別データは『日本帝国民籍戸口表』「各地方人口出入表」に掲載されていますので、郡市別データと監獄の統計からの加除により、ある程度は推測できます。
と書きましたが、実際には明治22年と明治23年で異なることが多く、大阪府と兵庫県で陸海軍在営艦者の所在地をはっきりとは断定できない問題が発生しました。そこで比較のためにまず以下に、明治23年の戸口表記載の情報から、明治23年末における「陸海軍在営者」62,494人の情報をまとめます。

府県区町村等人員区分
東京府麹町区代官町1,160陸軍近衛歩兵第一連隊
東京府麹町区代官町1,155陸軍近衛歩兵第二連隊
東京府麹町区代官町362陸軍近衛歩兵砲兵連隊
東京府麹町区代官町45陸軍近衛歩兵軍楽隊
東京府麹町区大手町10陸軍東京憲兵隊
東京府(下谷区下谷車坂町)
東京府麹町区元衛町62陸軍乗馬学校
東京府麹町区元衛町12陸軍蹄鉄学舎
東京府麹町区外桜田町999陸軍近衛歩兵第三連隊
東京府麹町区外桜田町997陸軍近衛歩兵第四連隊
東京府麹町区飯田町115陸軍砲兵工科学舎
東京府京橋区築地四丁目8海軍大学校
東京府京橋区築地四丁目33海軍主計学校
東京府芝区芝公園地6海軍水路部
東京府芝区芝赤羽町3海軍造兵廠
東京府芝区品川港354海軍高千穂
東京府芝区品川港333海軍扶桑
東京府芝区品川港307海軍浪速
東京府芝区品川港188海軍高雄
東京府芝区品川港210海軍葛城
東京府芝区品川港202海軍大和
東京府芝区品川港237海軍筑波
東京府芝区品川港54海軍鳳翔
東京府芝区品川港101海軍磐城
東京府麻布区新竜土町1,420陸軍第一師団歩兵第三連隊
東京府赤坂区赤坂檜町1,458陸軍第一師団歩兵第一連隊
東京府赤坂区溜池葵町1海軍参謀部
東京府四谷区千駄ヶ谷村328陸軍第一師団輜重兵第一大隊
東京府牛込区市谷本村町596陸軍第一師団砲兵第一連隊
東京府牛込区市谷本村町377陸軍士官学校
東京府牛込区市谷本村町246陸軍幼年学校
東京府牛込区下戸塚町917陸軍戸山学校
東京府荏原郡目黒村264陸軍近衛騎兵大隊
東京府荏原郡目黒村340陸軍第一師団騎兵第一大隊
東京府北豊島郡岩淵町160陸軍近衛工兵中隊
東京府北豊島郡岩淵町351陸軍第一師団工兵第一大隊
東京府南豊島郡大久保村24陸軍軍楽学舎
京都府紀伊郡伏見町350陸軍第五師団工兵第四大隊
大阪府大阪市西区173陸軍第四師団騎兵第四大隊
大阪府大阪市東区1,467陸軍第四師団歩兵第八連隊
大阪府大阪市東区1,467陸軍第四師団歩兵第二十連隊
大阪府大阪市東区612陸軍第四師団砲兵第四連隊
大阪府大阪市東区323陸軍第四師団輜重兵第四大隊
大阪府大阪市東区37陸軍第四師団軍楽隊
大阪府大阪市東区4陸軍大阪憲兵隊
神奈川県三浦郡浦郷村長浦159海軍横須賀水雷隊
神奈川県三浦郡横須賀町278海軍横須賀鎮守府
神奈川県三浦郡横須賀町1,399海軍横須賀鎮守府海兵団
神奈川県三浦郡横須賀町310海軍龍驤
神奈川県三浦郡横須賀町156海軍八重山
神奈川県三浦郡横須賀町382海軍武蔵
神奈川県三浦郡横須賀町200海軍迅鯨
神奈川県三浦郡横須賀町145海軍天城
神奈川県三浦郡横須賀町183海軍干珠
神奈川県三浦郡横須賀町130海軍愛宕
神奈川県三浦郡横須賀町21海軍筑紫
神奈川県三浦郡横須賀町105海軍赤城
神奈川県三浦郡横須賀町185海軍海門
神奈川県三浦郡浦賀町37陸軍要塞砲兵幹部練習所
神奈川県三浦郡浦賀町414陸軍要塞砲兵第一連隊
神奈川県橘樹郡神奈川町1陸軍神奈川砲台分遣
兵庫県神戸市90海軍麻耶
兵庫県姫路市1,423陸軍第四師団歩兵第十連隊
長崎県長崎市1陸軍長崎砲台分遣
長崎県長崎市88海軍満珠
長崎県長崎市94海軍鳥海
長崎県東彼杵郡佐世保村96海軍佐世保鎮守府
長崎県東彼杵郡佐世保村1,030海軍佐世保鎮守府海兵団
長崎県東彼杵郡佐世保村35海軍佐世保水雷隊
長崎県東彼杵郡佐世保村104海軍日進
長崎県下県郡厳原村201陸軍対馬警備隊
長崎県下県郡竹敷村152海軍春日
新潟県北蒲原郡新発田町1,481陸軍第二師団歩兵第十六連隊
千葉県東葛飾郡市川町1,259陸軍教導団
千葉県印旛郡佐倉町1,474陸軍第一師団歩兵第二連隊
千葉県印旛郡志津村150陸軍砲兵射的学校
群馬県西郡馬郡高崎町1,495陸軍第一師団歩兵第十五連隊
愛知県名古屋市1,463陸軍第三師団歩兵第六連隊
愛知県名古屋市1,479陸軍第三師団砲兵第十九連隊
愛知県名古屋市622陸軍第三師団砲兵第三連隊
愛知県名古屋市352陸軍第三師団工兵第三大隊
愛知県名古屋市321陸軍第三師団輜重兵第三大隊
愛知県名古屋市3陸軍愛知憲兵隊
愛知県渥美郡豊橋町1,464陸軍第三師団歩兵第七連隊
滋賀県滋賀郡大津町1,557陸軍第四師団歩兵第九連隊
宮城県仙台市榴ヶ岡1,487陸軍第二師団歩兵第四連隊
宮城県仙台市川内1,472陸軍第二師団歩兵第十七連隊
宮城県仙台市川内108陸軍第二師団騎兵第二大隊
宮城県仙台市川内597陸軍第二師団砲兵第二連隊
宮城県仙台市川内343陸軍第五師団工兵第五大隊
宮城県仙台市川内333陸軍第二師団輜重兵第二大隊
宮城県仙台市川内3陸軍宮城憲兵隊
青森県東津軽郡青森町1,023陸軍第二師団歩兵第五連隊
石川県金沢市1,471陸軍第三師団歩兵第七連隊
広島県広島市1,431陸軍第五師団歩兵第十一連隊
広島県広島市1,484陸軍第五師団歩兵第二十一連隊
広島県広島市106陸軍第五師団騎兵第五大隊
広島県広島市589陸軍第五師団砲兵第五連隊
広島県広島市344陸軍第五師団工兵第五大隊
広島県広島市330陸軍第五師団輜重兵第五大隊
広島県広島市3陸軍広島憲兵隊
広島県広島市宇品41海軍館山
広島県広島市宇品35海軍石川
広島県安芸郡江田島村120海軍兵学校
広島県安芸郡江田島村181海軍天龍
広島県安芸郡宮原村101海軍呉鎮守府
広島県(安芸郡和庄村)
広島県(安芸郡荘山田村)
広島県安芸郡宮原村1,443海軍呉鎮守府海兵団
山口県赤馬関市396陸軍要塞砲兵第四連隊
香川県那珂郡丸亀町1,456陸軍第五師団歩兵第十二連隊
愛媛県松山市1,494陸軍第五師団歩兵第二十二連隊
福岡県企救郡小倉町1,494陸軍第六師団歩兵第十四連隊
福岡県福岡市1,429陸軍第六師団歩兵第二十四連隊
熊本県熊本市1,480陸軍第六師団歩兵第十三連隊
熊本県熊本市1,162陸軍第六師団歩兵第二十三連隊
熊本県熊本市177陸軍第六師団騎兵第六大隊
熊本県熊本市615陸軍第六師団砲兵第六連隊
熊本県熊本市361陸軍第六師団工兵第六大隊
熊本県熊本市357陸軍第六師団輜重兵第六大隊
熊本県熊本市3熊本憲兵隊
沖縄県首里125陸軍第六師団歩兵第二十三連隊第八中隊
北海道庁函館区493陸軍第二師団歩兵第五連隊分遺隊
日本国内合計53,194陸軍
日本国内合計9,300海軍
外国行英国129海軍千代田
外国行外国航海中243海軍金剛
外国行外国航海中263海軍天龍
外国行合計635海軍

日清戦争前夜とはいえ、兵営・艦隊に居住する兵員が6万人って案外少ないように感じました。また東京湾の艦隊は「武蔵国品川」に停泊していますが、人口統計上はすべて東京府芝区として扱われています。また呉鎮守府101名の在営地として宮原村、和庄村、荘山田村、東京憲兵隊10名の在営地として麹町区大手町、下谷区車坂町の地名が列挙されていますが、統計上はそれぞれすべて宮原村、麹町区に集計されているようです。

それはさておき、明治22年末における「陸海軍在営者」の所在地を同定しようとして『町村別戸口表』の寄留情報と突き合わせたところ、『日本帝国民籍戸口表』「各地方郡市戸口表」においては、明治22年末における兵庫県内の「陸海軍在営者」1568人はすべて飾東郡で計上されていることが分かりました。

本籍人口51,586
[出]外国行1
[出]他府県出寄留337
[出]他郡市出寄留855
[出]他町村出寄留108
[出]陸海軍在営艦者80
[出]囚人及徴治人59
[出]失踪1,093
[入]他府県入寄留82
[入]他郡市入寄留311
[入]他町村入寄留108
[入]無籍在監人0
[入]有籍囚人及徴治人0
[入]陸海軍在営艦者1,568
現住人口(「各地方郡市戸口表」掲載)51,122

一方『町村別戸口表』には姫路市など一部市の情報が欠けておりますが、『兵庫県統計書』記載の出入寄留情報と官報掲載の現住人口の情報とを比較することで、『日本帝国民籍戸口表』「各地方郡市戸口表」においては、監獄や兵営の人口が姫路市の現住人口に入っていないことが確認できます。

本籍人口24,529
[出]外国行・他府県郡市出寄留・失踪3,645
[出]陸海軍在営艦者・囚人及懲収人55
[入]他府県郡市入寄留4,653
[入]無籍在監人0
[入]有籍囚人及徴治人0
[入]陸海軍在営艦者0
官報掲載の現住人口25,542
現住人口(「各地方郡市戸口表」掲載)25,487
現住人口(「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載)27,055

ところが同じ『日本帝国民籍戸口表』でも「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」の方では姫路市の現住人口は27,055人となっており、あからさまに軍人1,568人が姫路市の方に計上されています。

なお明治23年の段階では、陸軍第四師団歩兵第十連隊1,423人はすべて姫路市となっております。一方陸軍省統計年報によると、明治20年の段階で大阪鎮台歩兵第十連隊の兵営所在地は「播磨国飾東郡姫路」となっています。一応飾東郡播磨津須賀(17331坪)にも砲台がありますが、ここに1000人規模の兵営を置いたとは思えず、考えられるのは、「各地方郡市戸口表」の作成者が明治22年成立の姫路市を無視し、うっかり「飾東郡姫路」として飾東郡に陸軍第四師団歩兵第十連隊の人口を加算してしまったということでしょう。そうなってくると現住人口算出の上で間違いだらけの「各地方郡市戸口表」([103852][103913]を参照)が、姫路市に関しては正しい処理をしたことになります。

次に明治22年末の大阪市内の現住人口から、[入]陸海軍在営艦者4,136の分布を割りだしたところ、明治23年末とは異なり、大阪市西区には兵員はおらず、大阪市南区と西成郡内に兵員がいることが判明しました【表修正】。

郡区明治22年明治23年
大阪市東区4,0203,970
大阪市南区40
大阪市西区0173
西成郡1120
大阪府全体4,1364,143

明治22年末当時、大阪府南区順慶町に大阪憲兵隊の屯所が置かれていたそうなので、南区の4人は大阪憲兵隊で間違いありません。一方問題なのが西成郡の112名です。大阪四区は10年以上郡から分離しており、明治22年発足の姫路市のように所属郡をそのまま間違えたとは思えません。とりあえず西成郡内で該当しそうなものを探すと、明治20年の段階では西成郡八幡屋新田に天保山砲台(22801坪)が存在します。明治22年当時、砲兵分遺隊として100名程度がこの地に在営していた可能性はあります。ただ明治19年の段階ですと、陸軍省年報によると目標山(=天保砲台)の砲兵分遺衛兵は10名にすぎません。それよりも前だと天王寺の茶臼山にも陸軍関連施設があったようですが、明治20年段階ではその施設は存在しません。海軍だと112名はちょっとした艦船の規模ですが、少なくとも明治22年前後に大阪府内に海軍施設があったようには見えませし、艦船が停泊する軍港もありません。それ以外に陸軍・海軍関連施設が見つからないので、とりあえず112名は大阪府西成郡の天保山砲台にいたと仮定します。

ただここで天保山砲台の所在地を、陸軍省年報や陸軍省統計年報は「西成郡天保町」とせずに「西成郡八幡屋新田」としている点が気になります。八幡屋新田は天保町に隣接する地区で、明治22年以降川南村の大字となります。よって現時点では112名を西成郡川南村の現住人口としてカウントすることにしておりますが、これが正しい見解なのかさっぱり分かりません。明治22年版の陸軍省統計年報を閲覧できたらなら、多少情報が増えるかも知れませんが、現時点ではすぐに閲覧できません。

【漢字色々修正】自分は別に軍隊に造詣が深いわけではないので、艦船の字にまだ間違っている箇所があるかも知れませんが御容赦下さい。
[103913] 2022年 2月 2日(水)00:02:15YT さん
130年以上前の計算間違い発覚
[103910] オーナー グリグリさん

明治初期の市区町村の人口データがある程度纏まったら、ぜひ当サイトにも掲載させてください。

ありがとうございます。そのつもりで頑張ります。

ところで[103852]で指摘した、『日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の横須賀町と戸太村の本籍人口、現住人口がおかしい件ですが、あっさり解決しました。

まず横須賀町についてですが、戸籍表の本籍人口9,806人から正しく現住人口を計算すると、

9,806-(8+142+56+437+77+8+140)+(7,118+515+515)=17,086

ん? これは「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」が採用している横須賀町の本籍人口と等しい。つまり

本籍人口9,806→現住人口17,086 が正しい処理であり、それを再び本籍人口に代入して

本籍人口17,086→現住人口24,366

という二重処理をしてしまったという、とんでもない計算間違いを犯していたということになります。すでに明治22年の横須賀町の人口として24,366人(全国49位)が広く知られてしまっていますが、この数字自体が計算間違いに基づく誤りで、実際には全国77位相当の17,086人。

戸太村についてですが、こちらも戸籍表などから正しく現住人口を計算すると

6,156-(5+102+232+37+4+1+89)+(3,108+1,492+37)=10,323

これに戸籍表に載っていない情報である、無籍在監人11人、有籍囚人及懲治人752人を加えることで、正しい現住人口が求まります。

6,156-(5+102+232+37+4+1+89)+(3,108+1,492+37+11+752+0)= 11,086

そう、見ればわかりますが、監獄の人員を加える前の現住人口は、「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」が採用している戸太村の本籍人口と等しい。つまり


本籍人口9,806→現住人口11,086 が正しい処理であり、現住人口の計算の過程で出てくる10,323(監獄人口を加算する前)を再び本籍人口に代入して

本籍人口10,323→現住人口15,253

という二重処理をしてしまったという、こちらも同様の計算間違いを犯していたということになります。

こちらもすでに明治22年の戸太村の人口として15,253人(全国86位)が広く知られてしまっていますが、この数字自体が計算間違いに基づく誤りで、実際には1万人強の村(全国147位相当)だったことになります。

このように、まさかの130年以上前の人口算出の計算間違いが明らかとなりました。これは表作成者のミスなのか、故意の改ざんなのかは分かりません。
[103887] 2022年 1月 22日(土)12:51:05【2】訂正年月日
【1】2022年 1月 22日(土)12:52:54
【2】2022年 1月 22日(土)14:29:11
YT さん
明治22年、明治23年の北海道の市街地の現住人口の計算結果の比較
[103852]に関連した記事です。

明治22年~明治30年の間の都市人口に関しては、『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」(明治22年、明治23年に関しては、残念ながらオンラインで閲覧できない)が知られておりますが、掲載されているのは現住1万人以上の市町村のみです。また函館区と札幌区を除く北海道・沖縄・その他島嶼部の町村などは市制・町村制施行前ですので行政が細かく分かれたままでしたが、『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』収録の「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)の方で現住人口1万人以上として一部集計されています。ただ、肝心の市街地の区分は行政上の連合戸長役場等を考慮せず、「~町」という呼称を持つものを適当に集めて計算されており、表に載るかどうかは編集した人の恣意に依存しています。1万人未満に関しては官報に現住人口が掲載されておりますが、こちらも北海道、沖縄、島嶼部の町村については現住人口が割愛されています。

一方総務省統計図書館には「戸籍表 北海道之部 明治19年~28年」という資料がありますが、この資料には明治22年~明治28年の間に関して北海道の各区町村別の本籍人口、出入寄留の詳細が載っておりますので、これを使えば北海道の区町村別現住人口を補完することができるはずです。そこでとりあえず北海道について『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』収録の「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)掲載の明治22年末と明治23年末の本籍人口・現住人口を比較してみました。

都市札幌区(M22)札幌区(M23)函館区(M22)函館区(M23)小樽(M22)小樽(M23)福山(M22)福山(M23)江差(M22)江差(M23)
本籍人口10,02911,70433,82135,1997,81912,53911,06310,7099,7729,810
[出]外国行12812010300
[出]他府県出寄留78434175471615278613681917
[出]他郡市区出寄留1,4256523,7763,945297823535795263272
[出]他町村出寄留00005081,6089497109154
[出]陸海軍在営艦者003230221012126
[出]囚人及懲治人11113834610121186
[出]失踪3181922913666710121715894133
[入]他府県入寄留7,28310,74521,64322,6064,2438,8081,3391,1083,6444,235
[入]他郡市区入寄留2,1033,0762,3442,4821,0911,822429450778886
[入]他町村入寄留00004851,54575167190277
[入]無籍在監人0000000000
[入]有籍囚人及懲治人0000006176
[入]陸海軍在営艦者000493000000
現住人口116,87624,32752,90955,67712,60621,38312,03111,29113,88614,626
現住人口216,87624,32752,90955,67712,62921,44612,05011,22113,80514,503
人口静態統計掲載の現住人口16,87624,32752,90955,67712,62921,38312,03111,29013,79814,620
現住人口3(官報掲載の現住人口に相当)16,88724,33852,97955,24812,61421,39512,04711,31313,89914,632


※小樽は明治22年末と明治23年末では市街地とされている範囲が異なる。明治22年末の小樽は小樽郡量徳町外二十八町のみで計算されており、高島郡内色内町外五町は含まれない。明治23年末の小樽は小樽郡量徳町外三十四町で計算されており、高島郡内色内町外五町を含むが、明治23年新設の小樽郡沙崎町は人口0人ということで戸籍表に記載なし。行政上は小樽郡と高島郡の町村全域が連合戸長役場に相当する郡役所直轄町村の管轄であったが、市街地としては実務上の行政区部を無視して計算されている。
※明治22年末・23年末の福山は松前郡役場直轄町(河原町外三十三町)で計算されており、行政区分と一致している。
※明治22年末・23年末の江差は檜山郡中歌町外二十五町で計算されている。行政上は檜山郡五勝手村を含む檜山郡中歌町外二十六町村全域が連合戸長役場に相当する郡役所直轄町村の管轄であり、市街地としては実務上の行政区分を無視して計算されている。
※現住人口1:他町村出入寄留(同一郡内の異なる町村間での転居)を含め、本籍人口から全ての出入寄留を考慮して計算。本来であれば町村別現住人口はこの方法で計算するのが妥当。
※現住人口2:他町村出入寄留を無視して計算。函館区、札幌区はこの計算で問題なし。
※現住人口3:囚人及懲治人(但し本籍人口に含まれない無籍在監人は考慮する)、陸海軍在営艦者に関する出入寄留を計算に入れない(外国行と失踪は考慮する)。官報掲載の現住人口に相当。

明治22年末は陸軍在営520人が亀田郡(おそらく五稜郭のある亀田村)で集計されているのに対し、明治23年末では陸軍在営493人(第二師団歩兵第五連隊函館分遣隊)がすべて函館区で集計されている点に関しては疑問が若干残りますが、とりあえず函館区・札幌区は同一区内に他町村が存在しないので、他町村出入寄留自体が0となっており、現住人口1=現住人口2=公式の現住人口が成立しています。

一方で小樽市街地は、明治22年末と明治23年末でその範囲が異なる点にも問題があることながら、明治22年末では他町村出入寄留を加除せずに計算、明治23年末では他町村出入寄留を含めて計算と、年度によって計算方法が異なります。

福山は明治22年末、明治23年末ともに他町村出入寄留を加除して計算しておりますが、明治23年末では福山分署(松前郡新荒町)の囚人1人を加えていません(明治22年は囚人6人を加えている)。

江差に関しては、明治22年末は他町村出入寄留の加除を行わなわなかったのに対し、明治23年末は他町村出入寄留の加除を行っています。しかしながらどちらも江差分署(檜山郡豊部内町)の囚人7人または6人を加えていません。

このように概ね明治23年末以降の郡市区未満の行政の現住人口は、同一郡内での他町村出入寄留を含めて計算する方法が確立したのに対し、明治22年末に関しては他町村出入寄留を入れたり入れなかったりといい加減です。さらにほぼ誤差範囲とはいえ、囚人等の人口の加算を忘れているケースがあったりします。

まあ北海道の市街地の現住人口に関しては20年後の再計算だから囚人のカウント忘れは仕方ないかも知れませんが、明治22年分に関しては『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」の段階で、他町村出入寄留の加除の規則がいい加減という問題を抱えています。

【誤字修正】【~記載→~掲載】
[103852] 2022年 1月 17日(月)18:39:56【1】訂正年月日
【1】2022年 1月 17日(月)19:13:17
YT さん
明治22年(1889年)の現住人口の再計算、早くも頓挫
長文失礼します。ただ以下の情報は、何名かの方には非常に興味深い情報だと思いますので。

[103711]で明治22年の市区町村別人口を見直すと書きましたが、早々に『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方現住一万人以上市区町戸口表」と「各地方郡市戸口表」、『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』収録の「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)記載の甲種現住人口の数字が非常にいい加減な計算の上になりたっていることがわかり、行き詰っています。

見直そうと思ったきっかけは、総務省統計図書館所蔵の戸籍表に町村別の外国行、陸海軍在営艦者、囚人及懲治人、失踪等の統計が存在することを見出したからです。これにより、[82295]でも触れていた

さらに「官報による現住人口」を『日本帝国民籍戸口表』記載の現住人口に計算し直すためには、各市町村別で、【外国行・在監行・軍務行・失踪などの出寄留の統計】が必要ですが、自分が知る限りそのような統計は公表されていないので、現状では「官報による現住人口」から人口を修正する術がありません。

という問題が解決し、[68620][68621]のリストを増やすことが可能になるわけです!

しかしながら、いざ計算してみると・・・

1.京都市や神戸市、姫路市、金沢市、その他多くの市、伊豆・小笠原に関してはデータを欠いています。なお『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』の「各地方現住一万人以上市区町戸口表」と「各地方郡市戸口表」とで、姫路市(27,055, 25,487)・金沢市(94,257, 95,812)の人口が異なる点が以前より気になってきましたが、両者の差は入寄留側の陸海軍在営艦者(兵庫県: 1,568; 石川県: 1,555)と一致することに改めて気付きました。しかしながら現住人口自体は、姫路市に関しては「各地方現住一万人以上市区町戸口表」の方が1568人多く、金沢市に関しては「各地方郡市戸口表」の方が1555人多い?この段階でなんかいい加減な処理をしている疑惑が出てきました。

2.明治22年に関しては入寄留側の陸海軍在営艦者の統計が記載されていません(明治23年に関しては駐屯地毎の陸海軍の統計が存在する)。ただ府県別データは『日本帝国民籍戸口表』「各地方人口出入表」に掲載されていますので、郡市別データと監獄の統計からの加除により、ある程度は推測できます。

3.町村の現住人口を計算するにあたり、他町村出入寄留の処理がいい加減!

とりあえず1万人以上の人口を有する東京府・京都府・大阪府・神奈川県の町村で検証しました。[入]無籍在監人、[入]有籍囚人及懲治人は『日本帝国民籍戸口表』「各地方在監有籍者及無籍者人口表」により、[入]陸海軍在営艦者は「各地方人口出入表」等からの推定値です。

その結果官報記載の現住人口は以下の計算式で計算していることがわかりました。

官報記載の現住人口=本籍人口-[出]外国行-[出]他府県出寄留-[出]他郡区出寄留-[出]他町村出寄留-[出]失踪+[入]他府県入寄留+[入]他郡区入寄留+[入]他町村入寄留+[入]無籍在監人

また明治23年以降の日本帝国民籍戸口表記載の現住人口は以下の計算式で計算していることがわかりました。

民籍戸口表記載の現住人口=本籍人口-[出]外国行-[出]他府県出寄留-[出]他郡区出寄留-[出]他町村出寄留-[出]囚人及懲治人-[出]囚人及懲治人-[出]失踪+[入]他府県入寄留+[入]他郡区入寄留+[入]他町村入寄留+[入]無籍在監人+[入]有籍囚人及懲治人+[入]陸海軍在営艦者

【外国行・失踪・無籍在監人】のデータは官報記載の現住人口に織り込み済みであることが判明し、あとは出ていく側の【有籍の囚人及懲治人と陸海軍在営艦者の人口】を減じ、これに各監獄の有籍囚人及懲治人と駐屯地等の陸海軍在営艦者を加えれば、現住人口が求まることになります。しかしながら実際に計算してみると、明治22年に関しては民籍戸口表記載の現】住人口の計算方法がいい加減で、とりあえず半数ぐらいは以下のように他町村出入寄留が計算から除外されているケースが混ざっていることがわかりました。

民籍戸口表記載の現住人口=本籍人口-[出]外国行-[出]他府県出寄留-[出]他郡区出寄留-[出]囚人及懲治人-[出]囚人及懲治人-[出]失踪+[入]他府県入寄留+[入]他郡区入寄留+[入]無籍在監人+[入]有籍囚人及懲治人+[入]陸海軍在営艦者

A. 他町村出入寄留の加除が行われているケース
町村千住町難波村曽根崎村浦賀町小田原町
本籍人口11,58423,74110,55713,01615,148
[出]外国行020210
[出]他府県出寄留1711,179170163876
[出]他郡区出寄留7381,292197640538
[出]他町村出寄留571563344181
[出]陸海軍在営艦者32086520
[出]囚人及懲治人96422127
[出]失踪1131,25914246170
[入]他府県入寄留1,9663,958872959196
[入]他郡区入寄留1,5091,579231542150
[入]他町村入寄留423117332137
[入]無籍在監人00000
[入]有籍囚人及懲治人000016
[入]陸海軍在営艦者0001560
官報記載の現住人口14,02225,70111,19113,54613,856
日本帝国民籍戸口表記載の現住人口14,01025,61711,16113,62513,845

B. 他町村出入寄留の加除が行われていないケース
町村品川町伏見町東平野町天王寺村
本籍人口12,58616,34910,18613,529
[出]外国行3180
[出]他府県出寄留32325312991
[出]他郡区出寄留297343228202
[出]他町村出寄留44393883
[出]陸海軍在営艦者46121213
[出]囚人及懲治人9142068
[出]失踪212202350989
[入]他府県入寄留4,0487571,6141,441
[入]他郡区入寄留1,3648851,0491,092
[入]他町村入寄留1024417557
[入]無籍在監人0000
[入]有籍囚人及懲治人0000
[入]陸海軍在営艦者033700
官報記載の現住人口17,22117,19712,28114,754
日本帝国民籍戸口表記載の現住人口17,10817,50312,10214,699

同じ府県でもこんな具合に異なる現住人口の計算方法が混在しています・・・

C. 他町村出入寄留の加除が行われているが、元となる本籍人口から異なるケース
町村横須賀町戸太村
本籍人口(日本帝国民籍戸口表)17,08610,323
本籍人口(戸籍表)9,8066,156
[出]外国行85
[出]他府県出寄留142102
[出]他郡区出寄留56232
[出]他町村出寄留43737
[出]陸海軍在営艦者774
[出]囚人及懲治人81
[出]失踪14089
[入]他府県入寄留7,1183,108
[入]他郡区入寄留5151,492
[入]他町村入寄留51537
[入]無籍在監人011
[入]有籍囚人及懲治人0752
[入]陸海軍在営艦者00
官報記載の現住人口17,17110,339
日本帝国民籍戸口表記載の現住人口24,36615,253

官報による現住人口は戸籍表の本籍人口からの計算と一致します。『日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区町戸口表」記載の現住人口は、『日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区町戸口表」記載の本籍人口から戸籍表の出入寄留の加除を行うことで一応同じ数字が求まりますが・・・翌年の現住人口と比較する限り、「各地方現住一万人以上市区町戸口表」の本籍人口・現住人口の方がおかしい。

なお横須賀監獄は横須賀町ではなくて豊島村に存在することを確認しています(明治22年と明治23年のデータで検証済み)。逆に横浜監獄は横浜市ではなくて戸太村にありました。明治23年には横須賀町に3,494人の海軍関係者がいますが、明治22年は陸海軍併せて神奈川県内156人、すべて三浦郡内で、浦賀町の156人で計算が合いますので、明治22年の横須賀町内の[入]陸海軍在営艦者は0人と推測しました。

D. なんか知らないが数字が一致しない・・・
町村神奈川町八王子町
本籍人口13,50313,998
[出]外国行51
[出]他府県出寄留403160
[出]他郡区出寄留1,02996
[出]他町村出寄留152606
[出]陸海軍在営艦者131
[出]囚人及懲治人104
[出]失踪20362
[入]他府県入寄留2,6223,121
[入]他郡区入寄留1,3314,283
[入]他町村入寄留2181,243
[入]無籍在監人02
[入]有籍囚人及懲治人038
[入]陸海軍在営艦者00
官報記載の現住人口15,88221,721
日本帝国民籍戸口表記載の現住人口15,38221,555

八王子町に関しては、官報掲載の現住人口が1人(計算値は21,722人)ずれており、また現住人口が計算値(21,755)と200人ずれていますが、これらは印刷ミスがそのまま残ってしまったのではないかと推測します。神奈川町に関しては官報記載の現住人口は無問題ですが、『日本帝国民籍戸口表』記載の現住人口と計算値(15,859)ではそれなりに大きなずれが生じており、その原因は不明です。監獄や駐屯地があれば、むしろ現住人口は官報掲載の現住人口よりも増えるはずなのに減ってますので、監獄や駐屯地の見落としではありません。

このほか・・・『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)に示された北海道の人口の内、江差に関しては、他町村出入寄留の計算を除外したほか、江差分署の有籍囚人及懲治人7人を計算に入れていないが、福山では他町村出入寄留のみならず、ちゃんと福山分署の有籍囚人及懲治人6人を計算に入れている。函館区はちゃんと監獄、駐屯地の人口が加味されている。

というわけで、明治22年の統計は市制施行後の最初の人口統計として非常に重要なのですが、世間で知られている肝心の明治22年の現住人口の計算がいい加減という問題が様々見つかりました。数字自体はむしろ官報掲載の現住人口の方が計算方法が安定していてそれなりに信頼できます。すでに明治22年の現住人口は集計結果がいろいろ引用されており、今更現住人口の計算が結構間違っていたと指摘しても仕方ないし、正直計算し直す気力がなくなりつつあります。現状ではデータがよりしっかり残っていて、徴発物件一覧表に大字別人口まで残っている明治23年(1890年)ベースの方からまとめることになるかも知れません。

【】の部分の言い回しを微修正(有籍の囚人及懲治人の出入寄留は官報掲載の現住人口では無視)
[103711] 2022年 1月 10日(月)20:46:21YT さん
久々の投稿と今後の予定
何というか、色々なことが重なって、こちらのサイトから遠ざかってしまっているYTです。遠ざかってしまった原因としては

1.二人目の子供も生まれ、休日がすっかり子供のための時間になってしまったこと(これが一番大きい)
休日は朝から晩まで一緒に遊び、寝かせつけるとそのまま一緒に寝てしまう・・・ある意味休日を健康的に過ごすことになって、これはこれでいいのでしょうけど、調べものをする上では弊害となっています。

2.雑務の増加
自分は某大学で研究職を務めていますが、微妙に地位が中間管理職的なものとなり、雑務も増えてしまいました。拘束時間が増えることにより、勝手に専門外の調べものをする時間が減ってしまいました。

3.コロナの影響
某大学には豊富な古文書・図書があるのですが、コロナによって特に文系学部の図書室は事前予約を必要とするため、思い立った時に調べものというのができない状況となってしまいました。コロナが収束したと思いきや、この状況は3年目以降も続きそうです。

と、こういう状況が続いてしまっていますが、総務省統計図書館所蔵の戸籍表を元に、明治22年および明治23年の詳しい市区町村別本籍人口、現住人口(官報ベースと日本帝国民籍戸口表ベース)の再計算を今年中に行うことを目標に何とか頑張ります。
[99297] 2020年 3月 26日(木)02:16:20【6】YT さん
足柄郡
[99296] じゃごたろ さん

それは神奈川県の「足柄上郡」「足柄下郡」です。普通「上○○郡」「下○○郡」とか「北○○郡」「南○○郡」となるのが普通ですが、なぜここだけは「上足柄郡」「下足柄郡」とならずに、「足柄上郡」「足柄下郡」となったんでしょうかね?


明治維新の頃であれば、大和国には葛上(かつらぎのかみ→かつじょう)郡・葛下(かつらぎのしも→かつげ)郡、城上(しきのかみ→しきじょう)郡・城下(しきのしも→しきげ)郡、添上(そふのかみ→そえかみ)郡・添下(そふのしも→そえしも)郡、摂津国には島上郡(しまのかみ→しまかみ)、島下(しまのしも→しましも)郡、駿河国には長上(ながのかみ→ながかみ)郡・長下(ながのしも)郡(中世に消滅)があり、また古代には河内に堅上(かたかみ)郡・堅下(かたしも)郡(→大県郡)がありましたので、さほど珍しい名称ではないと思います(特に畿内と東海では一般的?)。ただ、足柄郡の例を除き、明治30年頃までに他はすべて合併等で消滅してしまったので、たまたま足柄上郡・足柄下郡の例が残ってしまったです。

一応『日本歴史地名体系』から解説を引用すると、奈良時代においては足上郡(あしのかみぐん)・足下郡(あしのしもぐん)が存在し、「足上郡」に関しては「続日本紀」霊亀元年(西暦715年)3月25日の条、「足下郡」に関しては正倉院文書の相模国封戸租交易帳(天平7年(西暦735年))にまで用例が遡るそうです。また倭名類聚抄では「足上」と書いて「足辛乃加美(あしがらのかみ)」と訓読させている例がみられることから、足柄上郡・足柄下郡の呼称も古代に遡り、郡名の起源は足下郡に属する郷の足柄「阿之加良(あしのがら)」に由来すると考えられます。「古事記」によると「足柄之坂本」でヤマトタケルが白い鹿に出会い、「常陸風土記」にも「足柄の岳坂」の記述があることから、「足柄」という地名は郡設置以前から存在し、「足柄郡」という呼称も地域名としては存在したが、郡としては最初から二分割されていたようです。

ただ様々な荘園の分割によりいつしか郡が意識されなくなり、平安後期の「更科日記」には「西富郡」という郡名が登場し、さらに後北条氏支配下の戦国時代の相模国は西郡(にしごおり=足柄上郡+足柄下郡に相当)・中郡・東郡・三浦郡・小坂郡(鎌倉郡)の五郡に再編され、「足柄(上・下)郡」は長らく記録から途絶えます。後に江戸時代の正保郷帳編纂の頃になって「足柄上郡」「足柄下郡」の古代に遡る(といっても完全には同じではない)地域区分が復活し、現在に至る、とのことだそうです。

【追記:江戸幕府による古代郡名の復活について】実のところ、郡というものは古代から脈々と伝わったわけではなく、荘園制度によって一度古代の郡域が乱され、そして幾つもの異なる郡へと再編されてしまっているケースが多いのです。江戸幕府は、郷帳・国絵図作成や朱印状の発給を通じて日本の国土を支配する過程で、国→郡→村という階層構造の把握と再編を行い、延喜式・倭名類聚抄に記された古代の郡名と郡域の復活を図りました。その修正の最大のものが寛文4年(1664年)の寛文印知で、正保郷帳記載の郡名や郡域がかなり訂正されています。しかしながら乱れた郡制を完全に正すことは不可能で、郡名を変えず領・庄名をもって郡名に変えざるを得なかったり、郡名を誤ったりと、色々なことが起こっています。例えば安芸国では寛文4年(1664年)古郡名復古の幕命により、安南郡を安芸郡、安北郡を高宮郡、佐東郡を沼田郡、佐西郡を佐伯郡と改めましたが、延喜式・倭名類聚抄や中世の郡域と異なり、豊田郡内の古沼田郡、高田郡内の古高宮郡とは全く違う地域となってしまい、民間ではなお従来の郡名も通用したという、古郡名復古の誤用が起こりました。

なお寛永17年~18年(1640年~1641年)の小田原領検地帳では「西郡」表記、正保年間(1645年~1648年)に作成された相模国の正保国絵図の写本とされる「慶安年間写 相模国国絵図」では「足柄上郡・足柄下郡」表記、万治元年~3年(1658年~1661年)の小田原領検地帳では「足柄上郡・足柄下郡」表記となっており、「足柄上郡・足柄下郡」の復古は正保の頃と思われます。ただし小田原藩領内の検地帳以外の行政文書では「小田原領西筋・中筋・東筋」という区分の方が一般的だったようです。
[99289] 2020年 3月 23日(月)13:29:08【1】YT さん
広島県 甲第137号布達はM.11.11.11.ではなくてM.11.11.1では?
[99259] むっくん さん
[99285] ekinenpyou さん

広島県 甲第137号布達 M11.11.11 M11.11.11

郡区町村編制法 - Wikipediaでの施行日がM11.11.1とあったため、以下の資料類を再確認した。

広島県史. 第1編(左隅)
公文録・明治十二年・第百七十一巻・府県判任官進退録第九(2コマ)

以上より、布達がM11.11.11に出されたという点に少々疑問が生じました。
(絶対にあり得ない話ではないと思いますが・・・)

戦後改訂された版の『広島県史』調べてみましたが、『広島県史 近代現代資料編I』(1974年)の393~394頁によると
八〇 郡区編制 明治一一・一一・一
               〔「広島県報」〕
 県甲第百三十七号
 今般第十七号公布ニ依り、従前之大小区ヲ廃シ別冊之通郡区編制所轄相定メ候条、此旨布達候事
  明治十一年十一月一日
    広島県令藤井勉三代理
           広島県少書記官 平山 靖彦

    郡区編制

|沼田郡 郡役所位置 沼田郡 南下安村
|高宮郡
  但元ト(二・七)大区ヲ所轄ス

 安芸郡 同     海田市
  但元ト三大区ヲ所轄ス

 佐伯郡 同     廿日市
  但元ト四大区並第一大区庚午新開ヲ所轄ス

 山県郡 同     加計村

 高田郡 同     吉田村

 賀茂郡 同     四日市

 豊田郡 同     忠海村

 御調郡 同     尾道

|深津郡 同     深津郡 福山
|沼隈郡

|安那郡
|品治郡 同     芦田郡 府中市村
|芦田郡

|甲奴郡
|世羅郡 同     世羅郡 甲山町
|三谿郡

|三次郡 同     三次郡 上里村
|恵蘇郡

|奴可郡 同     奴可郡 西城町
|三上郡

 神石郡 同     小畑村

 広島区 区役所位置 広島大手筋一丁目
  但元ト一大区(庚午新開ヲ除クノ外)ヲ所轄ス


また『広島県史年表(明治) 明治元年(1868)~明治45 年(1912)』(pdf)(24コマ目)

1878 明治11 戊寅

11- 1大区小区を廃し広島区と22 の郡を置き,15 の郡区役所を置く〔甲137〕。
11- 1広島県,新設の郡区庁の事務分課を庶務・勧業・租税・勧学・出納の5 掛と定める。177
11- 1町村戸長選挙規則制定〔甲138〕。
11- 1福山支庁廃止〔甲144〕。
11- 1区長・学区取締・医務取締・浦役人を廃止〔丙201〕。
11- 1広島左官町の瀬川浅吉,本覚寺の上隣りへ四階楼を新築し,飲食店を開店〔広島新聞10.5〕。

少なくとも『広島県史』(1972年~1984年版)の方では、明治11年11月11日絡みの法令や記述を確認できませんでした。『広島県史』の活字化の過程で元史料(「広島県報」)の記述を写し間違えた可能性は否定できませんが、[99285]でekinenpyouさんが見つけた戦前の『広島県史』の記述と、公文録の記録からすると、広島県 甲第137号布達が出されたのは明治11年11月1日の可能性の方が高いと思います。

【誤字訂正】
[99264] 2020年 3月 17日(火)16:48:20【6】YT さん
長野県のM12.1.4布達は乙第1号布達
[99259] むっくんさん
郡区町村編制法時の各府県布達の状況を詳しくまとめて頂き、ありがとうございます。
読んでいて所々「?」の箇所があったので、その辺についてこちらで調べさせて頂きました。

1.熊本県の郡区

熊本県 甲第5号布達? M12.1.20? M12.1.20?

熊本県 熊本区 甲第5号布達? M12.1.20?~M22.3.31


新熊本市史 史料編 第六巻 近代I』(1997年)の243~247頁収録の「39 〔郡区町村編成〕(抄) 明治12.1.20 布達便覧」により、甲第5号布達、M12.1.20共に間違いないと思います。以下、細かい町丁村名については(中略)と省略して引用しますと:

甲第五号
 今般太政官第十七号布告ニ拠り、従前ノ大小区画ヲ廃シ郡区トナシ、郡区ノ分割及郡区役所ノ位置別冊ノ通相定候条、此旨布達候事。
  明治十二年一月二十日    熊本県令 富岡敬明

熊本区
 役所ヲ飽田郡新町三丁目ニ置キ熊本区役所ト称ス。
  所轄町百十八 内丸印中二ヶ所当時陸軍省所轄、一ヶ所県庁敷地
 細工町一丁目 細工町二丁目 細工町三丁目
(中略)
 新屋敷町 白川町
飽田郡 詫摩郡
 役所ヲ飽田郡春日村ニ置キ飽田詫摩郡役所ト称ス。
  所轄町三 村百三十九(注:明治十二年一月二十五日甲第二十九号二つにより、「村百三十九」を「村百四十」と正誤。)
 上立田村 下立田村 弓削村
(中略)
以下詫摩郡
 本山村 平田村 高江村
(中略)
 鹿帰瀬村 戸島村
     <以下他郡は略>


『新熊本市史』は、現在熊本市の主な境域となっている熊本区・飽田郡・詫摩郡分しか掲載しておりませんが、明治12年1月20日甲第5号布達には郡区の設置と郡区役場の設置がすべて含まれていたことがわかるかと思います。

2.茨城県の郡区

茨城県 丙第123号布達? M11.12.2 茨城郡→東茨城郡、西茨城郡
葛飾郡(茨城県管下)→西葛飾郡
相馬郡(茨城県管下)→北相馬郡


なぜ「?」を残したのか分かりませんが、リンク先の通りM11.12.2の丙第123号布達で間違いないと思います。一応『茨城県史料 = 近代政治社会編 II』(1976年)の76~77頁から「一八 郡役所設置位置」の「丙第百弐拾三号」を引用しますと:

 丙第百弐拾三号
本年太政官第拾七号公布ニ依リ従前ノ大小区画ヲ廃シ郡治分画及郡役所位置左ノ通相定候条此旨布達候事
  明治十一年十二月二日     茨城県令 野村維章
  郡治分画
 常陸国東茨城郡  東茨城郡役所  東茨城郡水戸
 常陸国西茨城郡  西茨城郡役所  西茨城郡笠間町
 常陸国那珂郡   那珂郡役所   那珂郡菅谷村
 常陸国久慈郡   久慈郡役所   久慈郡太田村
 常陸国多賀郡   多賀郡役所   多賀郡高萩村
 常陸国真壁郡   真壁郡役所   真壁郡下館
 常陸国鹿島郡   鹿島郡役所   鹿島郡鉾田村
 常陸国行方郡   行方郡役所   行方郡麻生村
 常陸国新治郡   新治郡役所   新治郡土浦町
 常陸国筑波郡   筑波郡役所   筑波郡谷田部町
 常陸国信太郡   信太
             郡役所  信太郡江戸崎村
 常陸国河内郡   河内
 下総国西葛飾郡  西葛飾
             郡役所  猿島郡境町
 下総国猿島郡   猿島
 下総国結城郡   結城
 下総国岡田郡   岡田郡役所   豊田郡本宗道村
 下総国豊田郡   豊田
 下総国北相馬郡  北相馬郡役所  北相馬郡取手宿
     〔茨城県布達〕


3.新潟県の郡区

新潟県 甲第42号布達? M12.4.28? 蒲原郡→北蒲原郡、中蒲原郡、西蒲原郡、南蒲原郡
魚沼郡→北魚沼郡、南魚沼郡、中魚沼郡
頸城郡→東頸城郡、中頸城郡、西頸城郡

新潟県市町村合併誌 上巻』(1962年)の157頁収録の「甲第四十二號」により、甲第42号布達、M12.4.28共に間違いないと思います。以下、「甲第四十二號」と「甲第四十三號」を引用しますと:

 甲第四十二號
 昨十一年太政官第十七號公布ニ依リ従前ノ大小区ヲ廃シ郡区名称区域別冊之通相定候条此旨布達候事
 明治十二年四月廿八日
                新潟県令 永山盛輝


 甲第四十三號
 今般郡区制定候ニ付郡区役所位置左ノ通リ相定候左番地並開庁日限等追テ相達候迄ハ旧大小区ノ事務従前ノ通都テ旧正副区長ニ於テ取扱候条此旨布達候事
 明治十二年四月廿八日
                新潟県令 永山盛輝
    新潟区     新潟西堀通六番町
    北蒲原郡    新発田町
    中蒲原郡    新津町
    西蒲原郡    巻村
    南蒲原郡    三条町
    三島郡     与板町
    古志郡     長岡町
    北魚沼郡    小千谷町
    南魚沼郡    六日町村
    中魚沼郡    十日町村
    刈羽郡     柏崎町
    東頸城郡    安塚村
    中頸城郡    高田町
    西頸城郡    糸魚川町
    岩船郡     村上町
    雑太郡     
    加茂郡     相川町
    羽茂郡     


同日に甲第42号布達と甲第43号布達が出ており、郡区役所位置は分けて公布したようです。ただ最初に確認した『新潟県史 資料編15 近代三 政治編I』の方では「「県治報知」明治十二年」を典拠とする甲第43号しか収録されていなかったため、非常に混乱しました。困ったことに、『新潟県史 別冊1 年表・索引』の方では、以下のように謎のM12.4.9という数字が登場してしまいます。

1879  明治12.4.9  郡区改正によって、蒲原郡を4郡、魚沼・頸城郡を各3郡、岩船郡、刈羽郡、三島郡、佐渡3郡に分け、新潟に区制を敷く。これにより大区小区制廃止される((6)619)
1879  明治12.4.28  初代郡区長として16人が任命される((6)619)。


ここで「(6)619」というのは同じ新潟県史の通史編6巻の619頁を指しますが、通史編には叙述的な一般通史が記載されているだけで、詳しい日付や典拠までは示されていません。

さらに『新潟県のあゆみ : 概説』(1990年)の方の年表では:
1879  明治12.4.9  郡区改正、1区17郡となる。大区小区制廃止

新潟県百年史 下巻』(1969年)の方の年表では:
明治12(一八七九)  4-9  郡区改正、蒲原郡を四郡に、魚沼・頸城郡を各三郡に分け、新潟に区制を布く。これにより大区小区制廃止(新潟市史)。

ここでM12.4.9というのが古い方の『新潟市史 上下巻』(1934年;1973年に複製版)を典拠としていることが示されましたが(新しい方の『新潟市史』(1990年~)の方では新潟区の成立日を確認できなかった)、これ以上調べる気力が無くなったので放置します【追記2:調べました】。とりあえず『新潟県市町村合併誌』ではM12.4.9の出来事について何も触れていないので、何かしら間違った日付が残ってしまったと思われます。また元々新潟県の郡の区分の方は、あらかじめ事前に決められているものなので、その時の布告を誤って判断してしまった可能性もあります。

4.長野県の郡区


長野県 乙第4号布達? M12.1.4? 佐久郡→南佐久郡、北佐久郡
 高井郡→上高井郡、下高井郡
 水内郡→上水内郡、下水内郡
 筑摩郡→東筑摩郡、西筑摩郡
 安曇郡→南安曇郡、北安曇郡
 伊那郡→上伊那郡、下伊那郡


長野県史 近代史料編 第二巻(二)政治・行政 郡政』(1982年)の27~29頁収録の「一四 明治十二年一月 県令十六郡名称並郡役所位置・所属・町村等制定達」により、「乙第4号布達」ではなくて「乙第1号布達」が正しいと思われます。以下山林反別の情報を(中略)と省略して引用しますと:

乙第一号
 明治十一年第十七号公布ニ依リ、郡町村ヲ編制シ、郡ノ名称及郡役所ノ位置、所属町村別冊ノ通相定候条、此是布達候事
 但 郡役所仮位置ノ箇所ハ、位置未定ノ義ト可相心得事
  明治十二年一月四日     長野県令 楢崎寛直

 (別冊)
 「明治十二年乙第壱号布達
  編制郡町村
     長野県」
南佐久郡     郡役所位置 臼田村
(中略)
北佐久郡     郡役所位置 岩村田町
(中略)
小県郡     郡役所位置 上田町
(中略)
諏訪郡     郡役所位置 上諏訪村
(中略)
小県郡     郡役所位置 上田町
(中略)
上伊那郡     郡役所位置 伊那村
(中略)
下伊那郡     郡役所位置 飯田町
(中略)
西筑摩郡     郡役所位置 福島村
(中略)
東筑摩郡     郡役所位置 北深志町
(中略)
南安曇郡     郡役所位置 豊科村
(中略)
北安曇郡     郡役所位置 大町村
(中略)
更級郡     郡役所位置 塩崎村ノ内篠ノ井駅
(中略)
埴科郡     郡役所位置 屋代町
(中略)
上高井郡     郡役所位置 須坂町
(中略)
下高井郡     郡役所位置 中野町
(中略)
上水内郡     郡役所位置 長野町
(中略)
下水内郡     郡役所位置 飯山町
(中略)
     (『乙号布達綴 明治十二年』 長野市 長野県庁所蔵)


【追記】なお長野県の場合、郡の分割の方は既に明治11年12月10日付で長野県令楢崎寛直が内務卿伊藤博文に宛てた『内務省宛県令十六郡設置認可伺』(庶第486号)の方に詳しい予定が示され、明治11年12月21日付で内務卿伊藤博文が「書面伺之通聞届候事」として印を押したとしています(『長野県史 近代史料編 第二巻(二)政治・行政 郡政』に収録の史料で、典拠は(『公文編冊 官省指令 一 職務之部 知事官房外 明治十一年』長野市 長野県庁所蔵)としている)。つまりあらかじめ県の方で郡区の分割を決定して内務省に提出し、内務省から返事を貰い、改めて布達を出して郡区の分割を正式に公布するという手続きが存在したことになります。よって新潟県の場合は、郡の分割がこれらよりも前に実施されたと誤解するような文書の混入で、明治12年4月9日実施という誤った情報が一部で採択されたものと思われます。

【追記2】『新潟市史 上巻』の608頁に以下の文章があるのを確認しました。

 明治十二年四月九日、郡区改正あり、県下を新潟区・北・中・西・南蒲原郡・三島・古志郡・北・南・中魚沼郡・刈羽郡・東・中・西・頸城郡・岩船郡・佐渡三郡(雑太・加茂・羽茂)の一区十七郡に割ち新潟一円寄居・白山外新田を新潟区となし、新潟町会所を新潟区役所と改め、市中を二百四十一町一村と定めたり。


とあり、どこにも布達等の情報がありません。さらに612頁には

 明治十二年郡区改正に際し、西島屋野島を出来島新田に復帰せしめ、寄居白山外新田を合して、新潟区新潟町と称し、新潟町会所を新潟区役所と改め、四月三十日を以て、改正による処務を開始せり。


とあり、郡区が成立したとされるM12.4.9の日付も、布告のあったM.12.4.28の日付もなく、新潟区自体の都合による業務開始の日時が掲載されているだけです。よって、M12.4.9は根拠の乏しい数字ということで無視して良いでしょう。

【追記3~6】誤字修正、及び新潟県の甲第四十三號布告の文章修正
[99136] 2020年 1月 30日(木)10:47:26YT さん
99134の訂正
[99135] 白桃さん

ということから、「1947年国調時の境域に組み替えた1940年(昭和15年)国調時の小田原の人口」は55,005ということなのでしょうが、なぜ
昭和10年の国勢調査時の酒匂村の人口7,004人中、3,167人分(45.2%)
となっているのか、つまり、「昭和15年の国勢調査時の酒匂村の人口7,376人中・・・」になっていないのか?。
厚かましいお願いで恐縮ですが、この点、おわかりになれば教えてください。

すみません。内容を十分に検証せずに[99134]を投稿してしまいました。正しくは

「昭和15年(1940年)10月1日の国調時の酒匂村の人口7,376人中、3,167人分(42.9%)が小田原市に入った」

ということになります。
[99134] 2020年 1月 30日(木)04:08:59【1】YT さん
酒匂村の人口の約半分
[99133] 白桃さん

お願い
小田原が1940年(昭和15年)に市制施行した際に、【酒匂村の一部】がくっついていますが、それが何人だったかお判りになる方がおられましたらお教えください。


『昭和25年 国勢調査報告 都道府県編 第7巻 その14 神奈川県』収録の「第1表 面積、人口及び人口密度―市・町・村 (大正9年~昭和25年)」の脚注によると、【昭和10年→】昭和15年の国勢調査時の酒匂村の人口【7,004→】7,376人中、3,167人分(【45.2%→】42.9%)が小田原市に入ったようです。

105) 昭和15.2.11. 足柄下郡足柄村を足柄町とする。((15,188) 備考 昭和5 (13,580)、大正14 (12,868)、大正9 (11,945))
115) 昭和15.12.20. 足柄下郡小田原町 (27,860)、足柄町 (16,807)、大窪村 (4,688)、早川村 (2,483) 及び酒匂村の一部 (3,167) をもって小田原市 (計 55,005) を設置。


昭和10昭和5大正14大正9
(備考)小田原町27,74326,10225,33023,014
足柄町105) 参
大窪村4,4463,6443,6663,301
早川村2,4132,2012,2802,296

120) 昭和 17.4.1. 足柄下郡酒匂村を酒匂町とする。((7,376) 備考 昭和10 (7,004) 昭和5 (6,530)、大正14 (6,480)、大正9 (5,536))

【訂正】【】の部分を修正しました。
[99132] 2020年 1月 30日(木)00:33:10【1】YT さん
1944年2月22日人口調査における市部人口について新たな資料
日本占領関係資料の存在を [99122] ekinenpyou さんによって教えてもらいましたので、自分でも色々1944年人口調査の資料を漁ってみたところ、「米国戦略爆撃調査団文書(RG243」に分類されている「Population statistics: Population of cities on I February 1944. Report No. 55a(4)(d), USSBS Index Section 2」にまとめられている1944年2月22日現在の「市」の人口が、1977年出版の『昭和19年 人口調査 集計結果摘要』記載の「市」の人口と異なることに気付きました。

『昭和19年 人口調査 集計結果摘要』では、第2表に「都道府県、市町村及び男女別人口」がまとまっていますが(但し東京都に関しては集計後の原表が、1977年の出版までに何者かによって持ち去られてしまったため、1954年末~1955年始頃の境域で集計されてしまっている([98110]参照))、一部の市町村に関しては「報告もれ等を補正した人口」として、欄外に1,000人単位で修正人口が掲載されています。しかしながら「米国戦略爆撃調査団文書」に収録されていた「Population statistics: Population of cities on I February 1944. Report No. 55a(4)(d), USSBS Index Section 2」の人口は、大垣市を除き概ね『集計結果摘要』記載の人口を上回っていました。以下両者の人口と差分をまとめます。

A人口: 『集計結果摘要』記載人口
A'人口: 『集計結果摘要』記載の「報告もれ等を補正した人口」
B人口: 「米国戦略爆撃調査団文書」「Population statistics: Population of cities on I February 1944. Report No. 55a(4)(d), USSBS Index Section 2」記載人口

市区都府県庁A人口A'人口B人口差分(B-A)
札幌市北海道庁225,842225,981139
旭川市北海道庁92,12092,221101
小樽市北海道庁151,905152,148243
函館市北海道庁196,680197,351671
室蘭市北海道庁124,034124,04915
釧路市北海道庁58,92858,96234
帯広市北海道庁38,03938,06627
北見市北海道庁32,20432,2040
夕張市北海道庁75,01075,0100
岩見沢市北海道庁35,34835,3502
弘前市青森県51,03451,0395
青森市青森県100,077100,09316
八戸市青森県77,90977,9145
盛岡市岩手県90,38490,494110
釜石市岩手県41,25541,2550
宮古市岩手県34,73134,7310
仙台市宮城県261,117264,000264,2773,160
石巻市宮城県35,08735,0870
塩竈市宮城県32,12832,1280
秋田市秋田県97,36197,875514
能代市秋田県39,97539,9750
山形市山形県79,18479,20622
米沢市山形県46,82746,8314
鶴岡市山形県35,19235,1953
酒田市山形県39,18539,1905
福島市福島県47,45647,46610
若松市福島県46,74446,7495
郡山市福島県58,27958,2845
平市福島県28,73128,75625
水戸市茨城県66,08266,0820
日立市茨城県84,69984,6990
土浦市茨城県40,31245,00045,1604,848
宇都宮市栃木県90,14590,788643
足利市栃木県47,71547,7150
栃木市栃木県30,56930,854285
佐野市栃木県42,33442,3340
前橋市群馬県85,00885,386378
高崎市群馬県71,03071,04313
桐生市群馬県77,20577,2050
伊勢崎市群馬県40,45840,4580
川越市埼玉県38,45438,873419
熊谷市埼玉県52,20952,26657
川口市埼玉県99,45099,4500
浦和市埼玉県79,98780,161174
大宮市埼玉県69,93870,771833
千葉市千葉県110,130110,995865
銚子市千葉県62,90262,9020
市川市千葉県69,71169,7110
船橋市千葉県60,76260,7620
館山市千葉県31,07431,349275
木更津市千葉県31,55535,00035,2363,681
松戸市千葉県37,01137,0110
特別区東京都6,558,1616,577,62019,459
八王子市東京都77,47877,694216
立川市東京都51,62455,1443,520
横浜市神奈川県1,019,4661,035,0001,034,74015,274
横須賀市神奈川県298,132334,000333,50535,373
川崎市神奈川県380,919381,458539
平塚市神奈川県47,34650,00050,2192,873
鎌倉市神奈川県43,14843,1568
藤沢市神奈川県52,99254,6641,672
小田原市神奈川県57,51457,751237
新潟市新潟県177,289177,767478
長岡市新潟県67,12167,13918
高田市新潟県29,48229,4842
三条市新潟県36,45336,4530
柏崎市新潟県30,98230,9820
富山市富山県160,537160,58144
高岡市富山県112,818112,8257
金沢市石川県193,560193,812252
七尾市石川県31,26231,2653
小松市石川県52,20652,690484
福井市福井県99,47799,50629
敦賀市福井県30,54430,5440
甲府市山梨県105,001105,528527
長野市長野県77,66978,118449
松本市長野県70,24770,687440
上田市長野県34,52834,5379
岡谷市長野県34,08934,14556
飯田市長野県27,43727,4403
諏訪市長野県29,81629,8193
岐阜市岐阜県174,676175,655979
大垣市岐阜県56,99756,990-7
高山市岐阜県34,41334,4218
多治見市岐阜県30,67530,6750
静岡市静岡県211,666212,151485
浜松市静岡県162,754162,81662
沼津市静岡県57,33258,154822
清水市静岡県77,56577,5650
熱海市静岡県27,39827,40911
三島市静岡県35,83335,8330
富士宮市静岡県32,52532,5250
名古屋市愛知県1,344,1001,349,0001,349,2255,125
豊橋市愛知県141,220141,23515
岡崎市愛知県80,07380,443370
一宮市愛知県66,38066,3800
瀬戸市愛知県39,29239,461169
半田市愛知県60,72160,7210
春日井市愛知県38,40643,00043,2644,858
豊川市愛知県46,81675,00074,86928,053
津市三重県74,39375,6501,257
四日市市三重県114,250116,000116,3792,129
宇治山田市三重県64,79264,80715
松阪市三重県34,17534,1750
桑名市三重県42,92142,9210
上野市三重県31,32931,3290
鈴鹿市三重県55,05960,00059,5104,451
大津市滋賀県65,99566,662667
彦根市滋賀県39,69939,7034
長浜市滋賀県39,18639,1860
京都市京都府964,466965,399933
福知山市京都府30,67630,6760
舞鶴市京都府103,698121,000120,97517,277
大阪市大阪府2,833,3442,843,0002,842,9549,610
堺市大阪府217,939221,000220,8142,875
岸和田市大阪府77,71577,7150
豊中市大阪府43,98543,9850
布施市大阪府132,402132,537135
池田市大阪府36,07336,0730
吹田市大阪府63,92863,9280
泉大津市大阪府26,64126,6410
高槻市大阪府30,58430,5840
貝塚市大阪府40,96940,9690
神戸市兵庫県918,032919,1411,109
姫路市兵庫県102,359103,7331,374
尼崎市兵庫県270,073270,0730
明石市兵庫県78,58578,5850
西宮市兵庫県127,457127,4570
洲本市兵庫県27,59627,60711
飾磨市兵庫県36,68536,6850
芦屋市兵庫県37,76237,7620
伊丹市兵庫県40,70840,7080
相生市兵庫県33,52536,00036,0692,544
奈良市奈良県60,21560,727512
和歌山市和歌山県205,396205,505109
新宮市和歌山県29,71729,7170
海南市和歌山県27,16127,1610
田辺市和歌山県30,73530,78348
鳥取市鳥取県45,44945,4490
米子市鳥取県46,99447,03036
松江市島根県54,28254,791509
浜田市島根県31,48531,4927
出雲市島根県36,26936,2690
岡山市岡山県160,902162,0001,098
倉敷市岡山県38,63138,842211
津山市岡山県39,03739,05518
玉野市岡山県45,02045,134114
広島市広島県336,483343,000343,0346,551
呉市広島県293,632339,000339,27845,646
三原市広島県42,05242,0520
尾道市広島県48,36548,864499
福山市広島県57,49057,4900
下関市山口県206,961207,142181
宇部市山口県124,109124,309200
山口市山口県37,03737,11780
萩市山口県30,96030,9600
徳山市山口県42,16943,4521,283
防府市山口県59,20259,776574
下松市山口県38,16438,1640
岩国市山口県53,67255,1771,505
小野田市山口県51,27651,2760
光市山口県35,36250,00050,44615,084
徳島市徳島県116,734117,218484
高松市香川県107,202107,23735
丸亀市香川県25,67725,69114
坂出市香川県30,47530,4750
松山市愛媛県120,091120,636545
今治市愛媛県54,34154,3509
宇和島市愛媛県51,30651,32014
八幡浜市愛媛県30,69030,6900
新居浜市愛媛県51,60551,6050
西条市愛媛県35,13835,273135
高知市高知県136,699137,103404
福岡市福岡県324,499325,9251,426
若松市福岡県87,97689,7811,805
八幡市福岡県252,662252,6620
戸畑市福岡県82,73182,7310
直方市福岡県42,91942,9190
飯塚市福岡県44,76444,78521
久留米市福岡県92,02092,565545
大牟田市福岡県179,574179,5740
小倉市福岡県184,230192,000192,3688,138
門司市福岡県135,482135,4919
田川市福岡県67,48667,4860
佐賀市佐賀県49,17949,479300
唐津市佐賀県38,88338,8830
長崎市長崎県270,113272,000272,3122,199
佐世保市長崎県241,239265,000265,21823,979
島原市長崎県29,78529,7850
諫早市長崎県45,60748,00047,6432,036
大村市長崎県54,21866,00065,89111,673
熊本市熊本県211,011211,691680
八代市熊本県38,64538,6494
人吉市熊本県32,77232,7720
荒尾市熊本県44,31044,560250
大分市大分県80,00381,7871,784
別府市大分県67,26667,2693
中津市大分県41,09341,10411
日田市大分県36,33736,3370
佐伯市大分県32,96433,176212
宮崎市宮崎県79,32380,164841
都城市宮崎県59,57559,5750
延岡市宮崎県72,56672,5715
鹿児島市鹿児島県189,991190,925934
川内市鹿児島県33,85533,8550
鹿屋市鹿児島県52,14652,1460
那覇市沖縄県66,36366,3630
首里市沖縄県17,96417,9640
豊原市樺太庁42,15142,1510

【註】『集計結果摘要』には東京都武蔵野市(54,249)・三鷹市(36,943)・青梅市(26,927)・府中市(30,003)・昭島市(21,088)の人口の記載があるが、これらは1944年当時は存在しない。また豊原市の人口については[98110]を参照。

以上より「米国戦略爆撃調査団文書」でまとめられた市の人口は、『集計結果摘要』で「報告もれ等を補正した人口」とされているものに近く、調査をまとめた原表に1人単位でさらなる報告漏れ等の補正を加えたものが、「米国戦略爆撃調査団文書」のRG243 55a(4)(d)記載人口で、2000人以上の人口補正が合った場合のみ、「報告もれ等を補正した人口」として『集計結果摘要』の欄外に概数が記載されたと思われます(1977年段階で原表が失われた東京都を除く)。となると、『集計結果摘要』は補正人口に関する情報を大分切り捨てて活字化したことになります。

【追記】なお、日本全国での補正人口については[82202] にまとめた通りで、日本全国で+392,607人、都道府県別では広島県の+67,383人、神奈川県の+64,619人、長崎県の+46,344人、愛知県の+39,545人、東京都の+32,532人などの修正が加えられており、空襲等により一部集計結果が焼失してしまったことに対する補正と思われます。
[99130] 2020年 1月 28日(火)23:08:26YT さん
国勢調査報告書の情報の劣化?
DIDの集計を途中で放置して1年近く過ぎてしまい、ひさびさの書き込みです。

[99122] ekinenpyou さん

上記の詳しい経緯はわかりかねますが、S19.2人口調査における東京35区人口を記した資料は現存しています。

ご紹介ありがとうございます。ただ特別区部の問題は一部解決しても、以下のように多摩地区や島嶼部では分離できない人口情報が残ってしまっています(このほか人口異動を伴う境界変更が色々ありますが、練馬区が分離していなかったりするところから、多分そこまでは考慮されていません)。

集計調査摘要記載の市町村名1944.2.22銃後人口合併年月日1944.2.22当時の市町村
青梅市26,927(1951.4.1)西多摩郡青梅町・霞村・調布村
府中市30,003(1954.4.1)北多摩郡府中町・西府村・多磨村
昭島市21,088(1954.5.1)北多摩郡昭和町・拝島村
南多摩郡町田町19,481(1954.4.1)南多摩郡南村・町田町
三宅村2,615(1946.10.1)神着村・伊豆村・伊ヶ谷村
八丈村6,453(1954.10.1)三根村・樫立村・中之郷村・末吉村・鳥打村

CD収録一覧の6コマ(参考)に
10 都道府県間境界変更一覧
11 市区町村合併情報
とあってそのあたりに記載があるのかもしれませんが、統計表(CD収録)には含まれていないようなので、
冊子媒体付属のCDを確認しなければならないのでしょうか???

題名から察するに、冊子体の『平成27年 国勢調査報告 第1巻 人口・世帯総数』の方で、「参考4 都道府県間の境界変更一覧(大正9年10月2日~平成27年10月1日)」(792頁~801頁)と「参考5 市区町村の変更情報一覧(平成22年10月2日~平成27年10月1日)」(802頁)のことだと思います。この内「参考4 都道府県間の境界変更一覧(大正9年10月2日~平成27年10月1日)」に記入されている平成22年10月2日以降の異動は以下の相模原市~町田市のみです。

年月日移動地域
平成22.12.1神奈川県相模原市の一部(9世帯23人)を町田市に編入
平成22.12.1東京都町田市の一部を相模原市に編入(人口異動なし)
平成25.12.1神奈川県相模原市の一部(4世帯6人)を町田市に編入
平成26.12.1東京都町田市の一部を相模原市に編入(人口異動なし)

また、「参考5 市区町村の変更情報一覧(平成22年10月2日~平成27年10月1日)」の方は、熊本市の区の設置以外、基本的に人口の異動を伴う境界変更の情報が皆無です。

都道府県名実施年月日旧市町村名合併の内容合併、市・町制施行後の状況市区町村コード
岩手県2014.1.1岩手郡滝沢村市制滝沢市03216
2011.9.26東磐井郡藤沢町一関市へ編入一関市(同郡消滅)03209
栃木県2014.4.5下都賀郡岩舟町栃木市へ編入栃木市09203
2011.10.1上都賀郡西方町栃木県へ編入栃木市(同郡消滅)09203
埼玉県2012.10.1南埼玉郡白岡町市制白岡市11246
2011.10.11鳩ケ谷市川口市へ編入川口市11203
千葉県2013.1.1山武郡大網白里町市制大網白里市12239
石川県2011.11.11石川郡野々市町市制野々市市(同郡消滅)17212
愛知県2012.1.4愛知郡長久手町市制長久手市23238
2011.4.1幡豆郡一色町・吉良町・幡豆町西尾市へ編入西尾市(同郡消滅)23213
島根県2011.10.1簸川郡斐川町出雲市へ編入出雲市(同郡消滅)32203
2011.8.1八東郡東出雲町松江市へ編入松江市(同郡消滅)32201
熊本県2012.4.1熊本市政令指定都市熊本市43100
2012.4.1中央区43101
2012.4.1東区43102
2012.4.1西区43103
2012.4.1南区43104
2012.4.1北区43105

総務省統計局の方針が変わったのでしょうか?どうみても境界変更の情報が足りていません!

念のため平成22年度版の「参考6 廃置分合・境界変更・名称一覧」の「(2) 市区町村の境界変更一覧 (平成17年10月2日~平成22年10月1日)」が印刷されている冊子体を確認したところ、『平成22年 国勢調査報告 第1巻 人口・世帯総数』の方に収録されていました。しかしながら今回の平成27年度版では、市区町村の境界変更一覧は1巻に収録されていません。このほか、1巻の内には都道府県ごとに面積や人口集中地区の変更の情報はまとまっていますが、どこからどうみても境界変更の情報が、都道府県単位の場合しか掲載されていません。『人口等基本集計結果』で各都道府県の項目も調べましたが、やはり面積の変更とDIDの変更の情報は載っていても、稲沢市と清須市、貝塚市と泉南郡熊取町、高岡郡中土佐町と四万十町の間の人口異動を伴う境界変更についての情報は全く掲載されていませんでした。

これについては総務省統計局に問い合わせた方が良い案件かも知れません。
[98131] 2019年 7月 21日(日)15:49:46【1】YT さん
北海道の道名について
先日NHKで放送の「永遠のニシパ ~北海道と名付けた男 松浦武四郎~」を見ました。面白かったのですが、途中の時代描写が駆け足で、もう少し3回ぐらいに分割してじっくりとしたドラマ映像化をして欲しかったと思いました。一方で無駄にフィクション描写を増やすくらいなら、ドキュメンタリー番組として作り直して欲しい気もします。

[98123] hmt さん

この資料には、蝦夷地全体を指す「北加伊道」など6つの地名候補は示されていないようです。


いしかり市民カレッジの「第1回「明治維新と北海道~蝦夷地から北海道へ」」に詳しい経緯が載っていますが、北海道の6つの地名候補については、松浦武四郎が明治2年(1869年)旧暦7月17日付で上申した「蝦夷地道名之儀勘弁申上候書付」に掲載されているようです。残念ながら原本の写しは、北海学園大学が北駕文庫として所蔵しており、オンラインで全貌を閲覧できませんが、「北加伊道」部分の意見書については、いしかり市民カレッジのサイトで閲覧ができます。

・「北加伊道」の項には、江戸中期の尾張国の医師・伊藤信民が出版した『参考熱田大神縁起』(文化8年(1811)の「頭書」を引、「加伊」の字を使った理由を、「夷人自呼其国加伊。加伊蓋其地名。其地名加伊、其人鬚長故用蝦夷字。...」と、「夷人」が自らの「国」を「加伊」と呼んでいたから、と記している。
*文久2年(1862)に出版した『天塩日誌』安政4年(1857)6月27日の部分に、現在の音威子府の辺りでアイヌの長老アエトモから「カイとは此国に産れし者の事」という話を聞いた、という話題を紹介している。

⇒武四郎としては、「北加伊道」に、「北のアイヌ民族が暮らす大地」という意味を込めた、と考えられる。

この内、松浦武四郎著『天塩日誌』『参考熱田大神縁起』の該当箇所]は国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能です。

『天塩日誌』には松浦武四郎が音威子府の地に住む長老アエトモから聞いた話として、以下の文章が確認できます。

北蝦夷にてアイノ(蝦夷人の通称)をカイナーと呼しが此山中に来り見るに同じくカイナーと呼けり。・・・右にて考る時は此国はカイと言やらん


ただ、いしかり市民カレッジの講座の解説によると

(1) 実は、「北海道」は既定路線であった?
・水戸藩主徳川斉昭著『北方未来考』に「松前蝦夷、西ハカラフト、東ハシコタン等、北ハ千島カンサツカ迄ヲ北海道と定、新二国名御附二相成」とある。
・新政府役人であった井上石見と三澤揆一郎が慶応4年(1868)に提出した意見書に「蝦夷二嶋の儀は...北海一道を置かせられて至当の御儀と存じ奉り候、是迄、五畿七道の内、北海道の名目がこれ無きは、祖宗の深意、今日を待たせられ候にもこれ有るべきか」とあって、武四郎の提案以前、政府内部では既に道名として「北海道」が候補に上がっていた。
⇒五畿七道に照らせば、「北海道」は、ある意味、自然な名付けとも言える。
(2)決定過程の資料が確認できない。


とあり、本当に松浦武四郎が「ほっかいどう」を決めたのか、単に空気を読んで「ほっかいどう」を提案した形にしたのかは、はっきりしないところがあるようです。いずれにせよ、旧国名や郡名はほぼ松浦武四郎が提案した通りに採用されたようです。

【誤字等の修正】
[98110] 2019年 7月 14日(日)00:23:50YT さん
昭和19年2月22日における、樺太庁の銃後の市町村別現在人口
[97521]を書き込んだ後、仕事が忙しくなって、DIDの再チェックの作業が止まってしまってもう5ヶ月ぐらい経ってしまいました。こういうのは勢いがないと難しいですね。

それはさておき2ヶ月ほど前、人口集中地区関係の調べものをするために新宿区にある総務省第二庁舎にある総務省統計図書館に行った際、長年懸念事案であった、昭和19年人口調査における東京都の人口問題[82202][82278][85612][85625][85700]に関し、「昭和19年人口調査結果原表」をマイクロフィルム化したものをDVD化したものが、総務省図書館にあることに気付き、閲覧しました。

その結果・・・全国の都道府県、市町村の男女別人口表が見事に収録されていることが分かったのですが、肝心の東京都の部分の3頁分が欠落していましました。表には判子で通し番号がなされているので、丁度東京都の市町村別人口の表だけ作成後に紛失してしまったと断定できます。つまり1977年出版の『昭和19年人口調査 集計結果摘要』において、東京都に関しては1955年1月頃の境界によって人口が集計されてしまった原因は、おそらく「昭和19年人口調査結果原表」に通し番号が振られた時期(1949年出版の『昭和15年國勢調査昭和19,20,21年人口調査結果報告摘要』のために整理されたと思われる)から、1977年出版の『昭和19年人口調査 集計結果摘要』のために「昭和19年人口調査結果原表」をマイクロフィルム化した時期までの約30年弱の間に、職員の誰かが東京都の部分の表3頁を抜き去ったまま、返さなかったことが原因と考えられます。

こちらの方は残念な結果でしたが、それとは別に樺太の市町村別人口の表が収録されていることを発見しました。

というわけで、10年前[70223]

樺太の昭和15年調国勢調査人口、昭和19年2月22日調人口調査人口について市町村・大字別人口を調べましたが、どうも総人口(昭和15年10月1日現在人口41万4891人、昭和19年2月22日調現在人口39万1825人)以外の統計は、これまで公表されないという結論に達しました。

と書きましたが、今回新たに昭和19年2月22日調人口調査人口の結果が存在することが分かりました。16年前にニジェガロージェッツさんが、1920年から1935年までの国勢調査時の樺太の大字別人口をまとめられましたが([10790][10885][11105][11247][11285][11305])、今回紹介する1944年2月22日人口調査における市町村別人口は、書籍で公開されていない新しい情報の追加となると思います。

ただ(1) 残念ながら大字別人口の表はない (2) 原表に読めない箇所がある、という問題があります。特に読めない問題は深刻です。多分マイクロフィルム化した際に白黒データとなってしまったため、原表の折れやかすれや汚れが全部一緒の濃淡となってしまったのでしょう。今の技術でならグレースケールで処理できそうなものですが、そこは残念です。特に好仁村と海馬村の部分が読解不能(丁度そこで原表が二つ折りになって保存されていたと推測される)なのですが、何とか総数からの減算で、表の人口を埋めました。

地域総数備考
樺太庁計206,764184,756391,520
(樺太庁計追記)3032305
(追記修正後の樺太庁計人口)207,067184,758391,825
市部計20,95820,90941,867
(市部計追記)2822284
(追記修正後の市部計人口)21,24020,91142,151
郡部計185,806163,847349,653
(郡部計追記)21021
(追記修正後の郡部計人口)185,827163,847349,674
豊原市20,95820,90941,867
(豊原市追記)2822284
(追記修正後の豊原市人口)21,24020,91142,151
豊原支庁48,89845,03393,931
 豊北村2,1081,7743,882
 川上村3,3512,6135,964
 落合町15,36213,38028,742
 栄浜村1,6231,8413,464
 白縫村2,5602,0374,597
 大泊町11,70011,35923,059
 千歳村1,1541,2052,359
 深海村7698091,578
 長浜村1,9791,6153,594
 遠淵村1,0531,0362,089
 知床村1,0971,1422,239
 富内村1,1611,0962,257
 留多加町3,2783,6356,913
 三郷村1,4001,1792,579
 能登呂村303312615
真岡支庁46,39744,58890,985
(真岡支庁追記)21021
(追記修正後の真岡支庁人口)46,41844,58891,006
 本斗町5,6135,67011,283
 内幌町6,1595,24911,408
 好仁村2,8532,3235,176女数読解不能、総数は51*0か51*6
 海馬村297320617男数と総数読解不能、女数320か325か326
 真岡町10,22410,39520,619
 (真岡町追記)21021
 (追記修正後の真岡町人口)10,24510,39520,640
 広地村2,3412,3994,740
 蘭泊村2,9893,0806,069
 清水村2,3811,9084,289
 小能登呂村1,8921,6873,579
 野田町3,4973,4966,993
 泊居町5,1445,23510,379
 名寄村1,4761,5353,011
 久春内村1,5311,2912,822
恵須取支庁55,86344,829100,692
 珍内町6,7555,66112,416
 鵜城村2,3071,8484,155
 恵須取町18,80917,15935,968
 塔路町15,44611,02526,471
 名好町9,0256,79315,818
 西柵丹村3,5212,3435,864
敷香支庁34,64829,39764,045
 元泊村2,6002,3664,966
 帆寄村9836921,675
 知取町7,5937,47715,070女数477→7477に訂正
 敷香村16,79313,81330,606
 内路村2,9252,4885,413
 泊岸村3,2032,0775,280
 散江村5514841,035

上で(追記)と書いたのは、原表に数字が追加で書き込まれている箇所です。おそらく刑務所等に収監された在監人の人数と思われますが(『昭和17年 樺太要覧』によると、豊原市と真岡町に刑務所があって、受刑者合計401人)、これを合計した数字を仮に(追記修正後の人口)として上にまとめました(原表にはこの数字は掲載されていない)。よって[82278]
もっとも豊原市の人口が

男 女 男女合計
20,958 20,909 41,867

となっており、[82202]の樺太市部の人口42,151人と矛盾します。
に関しては、疑問が解決しました。

なお国立公文書館の方には「昭和15年・国勢調査結果原表・第14表(三重県~樺太)」なるものが存在するので、もしかしたらこちらも請求すれば、昭和15年10月1日における樺太庁の市町村別、大字別人口の情報が得られるかも知れません。
[97583] 2019年 3月 22日(金)10:24:37YT さん
Googleマップとゼンリンの契約解除
1ヶ月ほど前から仕事が再び忙しくなり、DIDの再チェックの作業が止まってしまっています。

[97574][97577] ekinenpyou さん
遅ればせながら、分かり易い時系列地図を作成して頂きありがとうございます。

※H27長野県松本市DID1の人口は138,658・面積は30.02が正当など(元データは同市DID1&2合計値を誤記と推測)

手元の『平成27年 我が国の人口集中地区 人口集中地区別人口・境界図』のコピーでは、そもそも松本市DID1の人口は138,658人、面積は30.02 km2と印刷されています。よって国土数値情報ダウンロードサービスの誤入力が原因ですね。

「有効桁数」が1桁に過ぎない、どころか1という数字で割るという行為により1桁目すら怪しいことを考慮すれば、そもそも人口密度が正確に5万人/km2以上だったのかも怪しいのですが
転じて、実態上の面積が0.1km2を下回っていた激レア?な人口集中地区がもしあった場合、
人口密度は5万を大きく上回ることもあるという事ですね・・・

[97521]に示すように、5万人/km2を超えるDIDは過去に10箇所程度しかありません。時間があれば全部検証しますが、例えば一番人口密度が高い、昭和40年の久留米町IのDIDの当時の人口集中地区について、地図から大雑把に面積を求めてみると、大体0.7 km × 0.2 kmの長方形で、総面積は0.14 km2と推定されます。よって、人口密度は8,705/0.14 ≒ 62,179前後となります。人口密度が5万人を切るには、面積が0.1741 km2以上あることが必用ですが、一応該当DIDは0.75 km × 0.22 km = 0.165 km2の長方形にすっぽり入る感じなので、実際に人口密度が5万人を超えたDIDは過去に存在したことは間違いないと思います。

それとは別に、気になったニュースがあります。

「Googleマップが劣化した」 不満の声が相次ぐ ゼンリンとの契約解除で日本地図データを自社製に変更か

なんでもGoogleマップとゼンリンの契約解除により、Googleマップのデータがカーナビの代用品とするには心もとないことになりそうとのこと。それよりも、ここのサイトでのGoogleマップの使用に多少なりとも影響が出るかも知れません。
[97521] 2019年 2月 9日(土)17:54:56【3】YT さん
人口密度5万人/km2以上の人口集中地区の共通点といえば…
[97508] 白桃さん

2.DID人口5,059人の方は、世界的に見ても人口密度が超高かったのです。また、DIDエリア内には世界遺産に登録されているものがあります。

該当人口集中地区は昭和35年において唯一人口密度が5万人/km2を超えていました。しかしながら昭和40年にはこれを上回る、人口密度87,050人/km2という人口集中地区が、現在の東京都東久留米市上の原1丁目~2丁目(東久留米団地)にありました(久留米町第1人口集中地区)。

人口密度5万人/km2を超えた人口集中地区をまとめますと、以下の通りです。

コード上位区分DIDs人口面積人口密度調査年
13-031東京都北多摩郡久留米町I8,7050.187,050昭和40年
22201静岡県静岡市II7,3940.173,940昭和55年
11329埼玉県入間郡日高町5,9230.159,230昭和50年
11219埼玉県上尾市VI5,6350.156,350昭和50年
14109神奈川県横浜市港北区III5,3260.153,260昭和50年
14109神奈川県横浜市港北区III5,2010.152,010昭和55年
11221埼玉県草加市II5,1350.151,350昭和50年
42-012長崎県西彼杵郡高島町II5,0590.150,590昭和35年
27207大阪府高槻市V5,0020.150,020昭和50年

【昭和35年と昭和40年は自治体コード導入前なので、国勢調査報告書記載の通し番号を仮に載せてます。】

これらの共通点といえば・・・要するに面積0.1 km2の人口集中地区です。人口集中地区は人口5,000人以上と定義されていますので、0.1 km2の人口集中地区は即人口密度5万人以上となります。また人口集中地区の面積が小数点以下第2位までとなって以降は人口密度5万人以上の人口集中地区はなくなりました。「有効桁数」が1桁に過ぎない、どころか1という数字で割るという行為により1桁目すら怪しいことを考慮すれば、そもそも人口密度が正確に5万人/km2以上だったのかも怪しいのですが、まあこういう結果となりました。
[97520] 2019年 2月 9日(土)17:32:26【1】YT さん
昭和60年人口集中地区の泉大津市の面積データ
[97507]で昭和55年の人口集中地区の面積データについて、表に記載されていない小数点以下第2位の数字までが人口密度、面積総計の算出に使われているケースをまとめましたが、同様に昭和60年の人口集中地区についても、該当する人口集中地区をまとめました。その結果、

(4)全域が人口集中地区に相当する市区町村の人口密度は,建設省国土地理院の「昭和60年全国都道府県市区町村別面積調」の面積を用いて算出したため個々の数値を計算して得た数値と一致しない。

に該当しない地域であるはずの、大阪府泉大津市についても、なぜか小数点以下第2位までの数字が使われていたことを見出しました。

まず、市区町村の全域が人口集中地区となっている場合の、昭和60年の『我が国の人口集中地区』記載の小数点以下第1位までの面積(面積1)、「全国都道府県市区町村別面積調」記載の小数点以下第2位までの面積(面積2)、およびそれぞれの数字を用いて算出した少数点以下第1位までの人口密度(人口密度1=人口/面積1,人口密度2=人口/面積2)とその差(人口密度1-人口密度2)を、数字に影響が出る連合人口集中地区(特別区部、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、広島市、福岡市)と都道府県(埼玉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、広島県、福岡県)、全国のデータと共に以下にまとめます。実際に『我が国の人口集中地区』に記載されている面積は面積1で、記載されている人口密度は人口密度2であり、人口密度や面積の集計・算出に実際に使われている数字は、小数点以下第2位までの数字です。

コードDIDs人口面積1面積2人口密度1人口密度2人口密度差
00000全国73,344,12110,570.710,570.716,938.46,938.40.0
11000埼玉県4,204,944553.6553.577,595.67,596.0-0.4
11220与野市71,5978.38.288,626.18,647.0-20.9
11223蕨市70,4085.15.0913,805.513,832.6-27.1
11226鳩ヶ谷市55,4246.26.208,939.48,939.40.0
13000東京都11,483,075994.7994.7311,544.311,543.90.4
13100特別区部連合8,354,615597.9597.8913,973.313,973.5-0.2
13101千代田区50,49311.511.524,390.74,383.17.6
13102中央区79,97310.110.057,918.17,957.5-39.4
13103港区194,59120.019.999,729.69,734.4-4.8
13104新宿区332,72218.018.0418,484.618,443.641.0
13105文京区195,87611.411.4417,182.117,122.060.1
13106台東区176,80410.010.0017,680.417,680.40.0
13107墨田区229,98613.813.8216,665.716,641.524.2
13108江東区388,92736.936.8910,540.010,542.9-2.9
13109品川区357,73220.920.9117,116.417,108.28.2
13110目黒区269,16614.414.4118,692.118,679.113.0
13111大田区662,81449.449.4213,417.313,411.95.4
13112世田谷区811,30458.858.8113,797.713,795.32.4
13113渋谷区242,44215.115.1116,055.816,045.110.7
13114中野区335,93615.715.7321,397.221,356.440.8
13115杉並区539,84233.533.5416,114.716,095.519.2
13116豊島区278,45513.013.0121,419.621,403.216.4
13117北区367,57920.620.5517,843.617,887.1-43.5
13118荒川区190,06110.310.3418,452.518,381.171.4
13119板橋区505,55631.931.9015,848.215,848.20.0
13120練馬区587,88747.047.0012,508.212,508.20.0
13121足立区622,64053.353.2511,681.811,692.8-11.0
13122葛飾区419,01733.933.9012,360.412,360.40.0
13123江戸川区514,81248.348.2610,658.610,667.5-8.9
13203武蔵野市138,78311.011.0312,616.612,582.334.3
13204三鷹市166,25216.816.839,896.09,878.317.7
13208調布市191,07121.821.798,764.78,768.7-4.0
13210小金井市104,64211.411.359,179.19,219.6-40.5
13211小平市158,67320.920.857,592.07,610.2-18.2
13214国分寺市95,46711.411.408,374.38,374.30.0
13216田無市71,3316.96.8910,337.810,352.8-15.0
13217保谷市91,5688.88.7710,405.510,441.0-35.5
13219狛江市73,7846.26.1511,900.611,997.4-96.8
13222東久留米市110,07913.012.988,467.68,480.7-13.1
14000神奈川県6,622,947835.2835.187,929.87,930.0-0.2
14100横浜市連合2,673,495289.3289.269,241.39,242.5-1.2
14101鶴見区237,08332.632.567,272.57,281.4-8.9
14103西区78,8586.36.2712,517.112,577.0-59.9
14104中区118,27419.119.126,192.46,185.96.5
14105南区191,57812.512.5115,326.215,314.012.2
14130川崎市連合1,056,101117.1117.129,018.89,017.31.5
14131川崎区193,95432.932.945,895.35,888.17.2
14132幸区137,30610.110.0613,594.713,648.7-54.0
14133中原区183,45514.614.5812,565.412,582.6-17.2
14134高津区152,72616.116.149,486.19,462.623.5
23000愛知県4,336,549714.2714.186,071.96,072.1-0.2
23100名古屋市連合2,008,458253.5253.477,922.97,923.8-0.9
23101千種区163,76218.618.558,804.48,828.1-23.7
23102東区71,5067.77.709,286.59,286.50.0
23103北区175,82717.617.629,990.29,978.811.4
23104西区143,11717.117.108,369.48,369.40.0
23105中村区153,12616.316.319,394.29,388.55.7
23106中区67,2789.59.527,081.97,067.014.9
20107昭和区108,43410.910.929,948.19,929.918.2
23108瑞穂区115,12211.411.3610,098.410,134.0-35.6
23109熱田区65,0218.18.138,027.37,997.729.6
23112南区162,96818.618.568,761.78,780.6-18.9
23341西琵琶島町17,8623.23.215,581.95,564.517.4
26000京都府2,055,488231.6231.598,875.28,875.5-0.3
26100京都市連合1,332,038124.2124.1910,724.910,725.8-0.9
26102上京区92,8977.07.0113,271.013,252.118.9
26104中京区100,0157.27.2413,891.013,814.276.8
26106下京区78,7446.76.7411,752.811,683.169.7
27000大阪府8,127,754824.2824.219,861.49,861.30.1
27100大阪市連合2,635,604211.8211.8412,443.812,441.52.3
27101北区44,5015.55.548,091.18,032.758.4
27102都島区91,9255.95.8615,580.515,686.9-106.4
27103福島区57,4974.74.6812,233.412,285.7-52.3
27104此花区68,98711.111.086,215.06,226.3-11.3
27105東区27,5855.95.924,675.44,659.615.8
27106西区58,1575.35.2710,973.011,035.5-62.5
27107港区92,0338.38.2611,088.311,142.0-53.7
27108大正区82,3309.29.158,948.98,997.8-48.9
27109天王寺区55,9394.74.6811,901.911,952.8-50.9
27110南区34,8073.02.9611,602.311,759.1-156.8
27111浪速区49,0743.83.8312,914.212,813.1101.1
27112大淀区46,7844.54.5110,396.410,373.423.0
27113西淀川区92,41113.113.127,054.37,043.510.8
27114東淀川区170,83113.213.1512,941.712,991.0-49.3
27123淀川区159,98112.712.7112,596.912,587.09.9
27115東成区83,8974.54.5118,643.818,602.441.4
27116生野区162,0588.28.2419,763.219,667.296.0
27117旭区110,1476.16.1118,056.918,027.329.6
27118城東区157,4668.58.4718,525.418,591.0-65.6
27124鶴見区89,3368.18.1011,029.111,029.10.0
27119阿倍野区112,4346.16.0618,431.818,553.5-121.7
27120住吉区162,3529.29.1617,647.017,724.0-77.0
27125住之江区135,92319.319.277,042.67,053.6-11.0
27121東住吉区149,3319.79.6815,394.915,426.8-31.9
27122西成区144,2607.47.4219,494.619,442.052.6
27203豊中市413,21336.636.6011,290.011,290.00.0
27205吹田市348,94836.636.609,534.19,534.10.0
27206泉大津市67,72311.511.475,889.05,904.4-15.4
27209守口市159,40013.113.1312,167.912,140.127.8
27223門真市140,59012.212.2111,523.811,514.39.5
27226藤井寺市65,2528.78.707,500.27,500.20.0
27341忠岡町17,2233.63.564,784.24,837.9-53.7
28000兵庫県3,786,168478.9478.877,906.07,906.5-0.5
28202尼崎市509,11549.549.4710,285.210,291.4-6.2
34000広島県1,650,227269.3269.346,127.86,126.90.9
34100広島市連合781,291103.8103.847,526.97,524.02.9
34101中区135,88314.714.749,243.79,218.725.0
40000福岡県2,988,378478.3478.346,247.96,247.40.5
40130福岡市連合1,033,018127.9127.948,076.88,074.22.6
40133中央区140,70714.814.849,507.29,481.625.6

さて、問題となるのが泉大津市の人口集中地区ですが、[97502]でも書いたように、昭和55年の面積の数字が、昭和60年版でいつの間にか修正されてしまったという曰くつきの人口集中地区です。昭和60年版の『我が国の人口集中地区』に記載の数字をまとめると以下の通りです。

DID人口(S55)人口(S60)増減率(%)面積(S55)面積(S60)人口密度人口%(S55)人口%(S60)面積%(S55)面積%(S60)
206 泉大津市67,43567,7232880.411.011.55,904.499.9100.097.199.5

まず人口集中地区の人口密度5,904.4人/km2から人口集中地区の面積を計算すると、67,723÷5,904.4≒11.46992 km2、つまり面積としては11.47 km2が人口密度の算出に使われています。なお昭和60年の国勢調査報告書記載の泉大津市全域の人口と面積はそれぞれ67,723人、11.53 km2です。よって人口集中地区が占める割合は人口では67,723/67,755≒0.99953、面積では11.47/11.53≒0.99480、つまり%の小数点以下第2位で四捨五入すると100.0%、99.5%となり、『我が国の人口集中地区』の記載とも一致し、全域に占める人口集中地区の割合は、人口の方では全域ではないにも関わらず「100.0%」表記になってしまうのです。なお11.5km2で人口密度を小数点以下第1位まで算出すると5,889.0人/km2となるので、『我が国の人口集中地区』では泉大津市に限り、原則を破って少雨数点以下第2位までの数字を面積の算出に使ったという事実が判明しました。

なお平成2年版の『我が国の人口集中地区』をチェックすると・・・なぜか昭和60年における泉大津市の人口集中地区が全域に占める面積の割合が勝手に100.0%に修正されています。11.47 km2では99.5%、11.5 km2では99.7%となってしまうので、100.0%に該当するのは11.53 km2以外考えられません。ところが人口の方は67,723人のまま修正されていません。

DID人口(H02)人口(S60)増減率(%)面積(H02)面積(S60)人口密度人口%(H02)人口%(S60)面積%(H02)面積%(S60)
206 泉大津市67,03567,723-668.0-1.011.711.55729.5100.0100.0100.0100.0

仮に11.53 km2に後から修正されたとすると、面積が+0.06 km2となり、四捨五入後の大阪府の面積は824.3 km2となっていまいます・・・が、平成2年版以降に記載の昭和60年の大阪府の人口集中地区面積は824.2 km2のままです。よって平成2年版の『我が国の人口集中地区』が、昭和60年における泉大津市の人口集中地区の面積が全域に占める割合に関して誤植をしてしまったと考えるのが妥当です。

まあ泉大津市のケースは、人口集中地区の人口が全域に占める割合が四捨五入の結果100.0%になるという例外的な事態に至った結果、面積の方でも特殊な処理をしたのかも知れませんが、このような特殊例がほかにも出てくるかも知れません。
[97514] 2019年 2月 4日(月)23:22:58【1】YT さん
昭和40年の大阪市連合人口集中地区を構成する区の人口集中地区について
[97513] ekinenpyou さん

[97511]での投稿に関し、色々誤った点を指摘して頂き、大変申し訳ありません。先週の土曜日の昼にまとめた際、その辺のチェックを怠っていました。

参考・S45は全国1003・大阪府62(S50横浜市連合DIDのような集約漏れが原因?) → S55で全国1002・大阪府61

これも昭和55年版で数値を入力していて、昭和45年・昭和50年版で数字が異なることを完全に見落としていました。今調べ直したら、昭和45年版、昭和50年版ともに昭和40年の大阪府のDID数が62、全国が1003となっており、昭和55年版で再修正が行われたようです。

改めて昭和35年と昭和40年のDID数をまとめると以下の通りです。

都道府県S40年版S45・S50年版S55年版以降
全国 (S35)970888891
全国 (S40)108610031002
東京都 (S35)492424
東京都 (S40)563333
神奈川県 (S35)443636
神奈川県 (S40)524343
愛知県 (S35)574646
愛知県 (S40)695656
京都府 (S35)211313
京都府 (S40)261818
大阪府 (S35)634242
大阪府 (S40)826261
兵庫県 (S35)403434
兵庫県 (S40)423636
福岡県 (S35)514851
福岡県 (S40)464242

今となっては大阪市内のどのDIDが、昭和45年、昭和50年版で想定された、昭和40年の連合人口集中地区から抜けてしまったのか不明です。昭和40年の人口集中地区地図を見ると、大阪市を構成する22区の第1となる人口集中地区(城東区I、東住吉区I、およびその他20区の人口集中地区)が明白に連担しており、連担していないのは城東区IIと東住吉区II(八尾市を介して実際には市外から連担している)、東住吉区III、東住吉区IVでした。よってDID数に関しては82-22+1=61となる、昭和55年版以降の数字が正しいです。

【題名等訂正】
[97511] 2019年 2月 2日(土)17:31:03【1】YT さん
昭和35年の北九州市人口集中地区と、昭和50年の横浜市連合人口集中地区に関する問題点
もう少しまとまってから投稿しようと思いましたが、[97510]で白桃さんが「連合人口集中地区」について投稿されたので、改めて表題の件について問題点等を投稿します。

昭和35年の国勢調査で人口集中地区が設置された際、当初同一政令都市(東京都特別区部を含む)で連担していても、区が異なれば異なる人口集中地区が設定されていました。しかしながら昭和45年の国勢調査で編纂された『わが国の人口集中地区』では、「連合人口集中地区」が新たに設置されました。その際、過去の人口集中地区の数についても、

連合人口集中地区は、1人口集中地区として数えた。


との修正が加わり、東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県・福岡県の昭和35年と昭和40年度の人口集中地区数に変更が遡って加えられました。というわけで昭和35年版の『わが国の人口集中地区』、昭和40年度版の『わが国の人口集中地区』と、昭和45年度版以降の『わが国の人口集中地区』を比較すれば、過去の連合人口集中地区を構成する区の数が分かります。

都道府県S35(S35/S40版)S35(S40/S45版)S35(差)S35(S55-H27版)S40(S40版)S35(差)S40(S45-H27版)S40(差)
全国97088882891791086100284
東京都4924252425563323
神奈川県4436836852439
愛知県5746114611695613
京都府2113813826188
大阪府6342214221826121
兵庫県4034634642366
福岡県5148351046424

実のところ、昭和45年以降に再集計された、昭和35年と昭和40年の連合人口集中地区を構成する区の情報は、「わが国/我が国の人口集中地区」シリーズに記載されておりません。しかしながら、上の人口集中地区数の情報と、昭和35年、昭和40年の人口集中地区の地図を比べることにより、以下のように昭和35年、昭和40年の連合人口集中地区の構成が判明します。

昭和35年の連合人口集中地区
DIDs人口 (人)面積 (km2)人口密度 (人/km2)構成DIDs数構成DIDs
特別区部連合8,108,157466.617,377.126千代田区,中央区,港区,新宿区,文京区,台東区,墨田区,江東区,品川区,目黒区,大田区,世田谷区,渋谷区,中野区,杉並区,豊島区,北区,荒川区,板橋区,練馬区,足立区I,足立区II,足立区III,足立区IV,葛飾区,江戸川区
横浜市連合1,015,01087.611,586.99鶴見区,神奈川区,西区,中区,南区,保土ケ谷区I,磯子区,金沢区II,港北区I
名古屋市連合1,446,705128.711,240.912千種区,東区,北区,西区,中村区I,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区I,港区,南区
京都市連合1,137,51578.314,527.79北区,上京区,左京区,中京区,東山区I,下京区,南区,右京区,伏見区I
大阪市連合2,973,635186.515,944.422北区,都島区,福島区,此花区,東区,西区,港区,大正区,天王寺区,南区,浪速区,大淀区,西淀川区,東淀川区,東成区,生野区,旭区,城東区,阿倍野区,住吉区,東住吉区,西成区
神戸市連合944,39750.518,700.97東灘区,灘区,葺合区,生田区,兵庫区,長田区,須磨区
(北九州市連合)696,13466.810,421.24八幡市I,戸畑市,小倉市,門司市


昭和40年の連合人口集中地区
DIDs人口 (人)面積 (km2)人口密度 (人/km2)構成DIDs数構成DIDs
特別区部連合8,762,034507.717,258.324千代田区,中央区,港区,新宿区,文京区,台東区,墨田区,江東区,品川区,目黒区,大田区,世田谷区,渋谷区,中野区,杉並区,豊島区,北区,荒川区,板橋区,練馬区,足立区I,足立区II,葛飾区,江戸川区,(境界未定地域)
横浜市連合1,341,258117.511,415.010鶴見区,神奈川区,西区,中区,南区,保土ケ谷区,磯子区,金沢区,港北区I,戸塚区IV
名古屋市連合1,650,018146.211,286.014千種区I,東区,北区I,北区II,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区I,港区,南区,守山区
京都市連合1,157,39977.214,992.29北区,上京区,左京区,中京区,東山区I,下京区,南区I,右京区I,伏見区I
大阪市連合3,089,450191.216,158.222北区,都島区,福島区,此花区,東区,西区,港区,大正区,天王寺区,南区,浪速区,大淀区,西淀川区,東淀川区,東成区,生野区,旭区,城東区I,阿倍野区,住吉区,東住吉区I,西成区
神戸市連合992,08754.518,203.47東灘区,灘区,葺合区,生田区,兵庫区I,長田区,須磨区
北九州市連合867,88795.69,078.35門司区,小倉区,若松区,八幡市I,戸畑区

さて、上で問題となるのが昭和35年の「北九州市連合人口集中地区」です。昭和45年版の『わが国の人口集中地区』で過去に遡って人口集中地区が設置された際、北九州市に関しては、昭和35年の人口集中地区が設置された市町村数の項目に

昭和38年に北九州市となった若松市,八幡市,戸畑市,小倉市及び門司市はまとめて1市として数えた。


という脚注が入り、更に福岡県の人口集中地区数も51から48へと、3つ減っています。よって北九州市成立前にも関わらず、北九州市連合集中地区が過去に遡って設置され、集計されたことになります。具体的に当時の地図を見ると、八幡市I,戸畑市,小倉市,門司市の4地区が連担しており、若松市は分離していることから、八幡市I,戸畑市,小倉市,門司市の4地区に北九州市連合人口集中地区が設置されたことになるかと思います。ところが昭和55年度版の『我が国の人口集中地区』以降では、上の脚注が消え、さらに福岡県の昭和35年の人口集中地区数が、再び51に戻っています。以上をまとめると

(1) 昭和35年の国勢調査時には、八幡市I,戸畑市,小倉市,門司市の人口集中地区は連担していた。
(2) 昭和45年の国勢調査時に「連合集中地区」という概念が導入された際、昭和35年の八幡市I,戸畑市,小倉市,門司市の人口集中地区に関し、「北九州市連合人口集中地区」という集計がなされた。
(3) 昭和55年の国勢調査時になって、北九州市成立以前にまで「北九州市連合人口集中地区」を設置するのは変だという話になったのか、昭和35年の「北九州市連合人口集中地区」はなかったことになった。

こういう流れがあったと思われます。よって現在において過去の連合人口集中地区を議論する場合、昭和35年の連合人口集中地区は、特別区部・横浜市・名古屋市・京都市・大阪市・神戸市のいわゆる六大都市にのみ、後から設置され、昭和40年の連合人口集中地区は北九州市を含めた七大都市に、後から設置されたとする解釈が正しいと思われます。

さて、昭和45年度から導入された『連合人口集中地区』ですが、昭和45年、昭和50年度版では連合人口集中地区を構成する区の人口集中地区にはアスタリスク(*)がつけられたものの、連合人口集中地区としての人口、面積の集計がなされておらず、連合人口集中地区としての集計がなされたのは昭和55年度版の『我が国の人口集中地区』からです。念のため昭和45年度、昭和50年度版の連合人口集中地区の集計を行ったところ、昭和50年の横浜市連合人口集中地区におかしな点を見出しました。

昭和45年の連合人口集中地区
DIDs人口 (人)面積 (km2)人口密度 (人/km2)構成DIDs数構成DIDs
特別区部連合8,793,123549.316,007.923千代田区,中央区,港区,新宿区,文京区,台東区,墨田区,江東区,品川区,目黒区,大田区,世田谷区,渋谷区,中野区,杉並区,豊島区,北区,荒川区,板橋区,練馬区,足立区,葛飾区,江戸川区,(境界未定地域)
横浜市連合1,809,305192.09,423.513鶴見区,神奈川区,西区,中区,南区,保土ケ谷区,磯子区,金沢区,港北区I,戸塚区I,港南区,旭区,瀬谷区
名古屋市連合1,771,396182.99,685.118千種区I,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区I,昭和区IV,瑞穂区,熱田区,中川区I,中川区II,港区I,港区II,港区III,南区,守山区,緑区I
京都市連合1,194,98490.013,277.69北区,上京区,左京区,中京区,東山区I,下京区,南区I,右京区,伏見区I
大阪市連合2,969,242202.914,634.022北区,都島区,福島区,此花区,東区,西区,港区,大正区,天王寺区,南区,浪速区,大淀区,西淀川区,東淀川区,東成区,生野区,旭区,城東区I,阿倍野区,住吉区,東住吉区,西成区
神戸市連合972,76561.015,947.07東灘区,灘区,葺合区,生田区,兵庫区I,長田区,須磨区
北九州市連合857,409110.17,787.55門司区,小倉区I,若松区,八幡市I,戸畑区

昭和50年の連合人口集中地区
DIDs人口 (人)面積 (km2)人口密度 (人/km2)構成DIDs数構成DIDs
札幌市連合966,057112.18,617.88中央区,北区I,東区I,白石区I,豊平区I,豊平区II,南区I.西区I
特別区部連合8,643,033576.914,981.923千代田区,中央区,港区,新宿区,文京区,台東区,墨田区,江東区,品川区,目黒区,大田区,世田谷区,渋谷区,中野区,杉並区,豊島区,北区,荒川区,板橋区,練馬区,足立区,葛飾区,江戸川区,(境界未定地域)
横浜市連合(修正前)2,106,371227.09,279.214鶴見区,神奈川区I,西区,中区,南区,保土ケ谷区I,保土ケ谷区II,磯子区,金沢区,港北区I,戸塚区I,港南区,旭区,緑区V
横浜市連合(修正後)2,195,811239.59,168.315鶴見区,神奈川区I,西区,中区,南区,保土ケ谷区I,保土ケ谷区II,磯子区,金沢区,港北区I,戸塚区I,港南区,旭区,緑区V,瀬谷区
川崎市連合947,293102.89,214.95川崎区,幸区,中原区,高津区I,多摩区I
名古屋市連合1,903,057221.08,611.121千種区,東区,北区I,北区II,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区I,港区I,港区II,南区,守山区I,守山区II,緑区,名東区I,名東区II,天白区I,天白区III
京都市連合1,194,276100.611,871.510北区,上京区,左京区,中京区,東山区II,下京区,南区I,南区II,右京区,伏見区I
大阪市連合2,778,268206.213,473.726北区,都島区,福島区,此花区,東区,西区,港区,大正区,天王寺区,南区,浪速区,大淀区,西淀川区,東淀川区,東成区,生野区,旭区,城東区,阿倍野区,住吉区,東住吉区,西成区,淀川区,鶴見区,住之江区,平野区
神戸市連合908,74367.613,442.97東灘区,灘区,葺合区,生田区,兵庫区,長田区,須磨区I
北九州市連合880,031127.76,891.47門司区,若松区,戸畑区,小倉北区,小倉南区I,八幡東区,八幡西区
福岡市連合852,862104.08,200.65東区,博多区,中央区,南区,西区I

上の表は基本的に*印のついた人口集中地区のみを合算して算出した値なのですが、これを人口集中地区の地図と比較すると、昭和50年の横浜市におかしな点がありました。

昭和50年(1975年)の横浜市瀬谷区周辺の人口集中地区地図(背景の地図は現在のもので、上に昭和50年の人口数中地区のShapeFileを張り付けたもの)をこちらにアップロードしましたが、昭和50年の横浜市瀬谷区の人口集中地区はどうみても隣接する旭区の人口集中地区と連担しているにも関わらず、『我が国の人口集中地区』の表では連合人口集中地区に含まれていません(アスタリスク(*)の表記がない)。瀬谷区は昭和45年の段階でがっつり長い接線を通じて旭区と連担しており(さらに前の昭和40年の戸塚区第4人口集中地区~保土ケ谷区の時代から連担している)、これが別個の人口集中地区されることが変なのです。

また昭和50年の神奈川県の人口集中地区の数の集計は52とあるのに対し、連合集中地区を構成する人口集中郁を全部別個の人口集中地区として数えた場合、その合計は70となります。川崎市連合人口集中地区を構成する人口集中地区が5、横浜市連合人口集中地区を構成する人口集中地区が14とすると、連合人口集中地区を1個として数えた場合の神奈川県人口集中地区の数は70-4-13=53となり、合計が合いません。この52という数字は平成27年度版の『我が国の人口集中地区』でも取り消されずに採用されている数字です。

以上から、昭和50年度版の『我が国の人口集中地区』において、「正誤表」からは記載が漏れてしまったものの、昭和50年の横浜市連合人口集中地区は実際には横浜市瀬谷区人口集中地区を含むものとして集計するのが正しく、瀬谷区の項目から誤ってアスタリスク(*)が欠落してしまったと判断しました。

なお、昭和35年~昭和45年の連合人口集中地区に関しては、wikipediaの「人口集中地区」の項目で誰かが(私ではありません)集計した結果が載っております。ここに記載の数値はほぼ私の集計と同じで、昭和35年の北九州市連合人口集中地区は設置しない点も同じですが、昭和55年の横浜市連合人口集中地区の方は瀬谷区を除いた数値を採用しています。

【リンク等を修正】
[97507] 2019年 1月 29日(火)23:52:17【1】YT さん
昭和55年人口集中地区の面積データの、表に記載されていない小数点以下第2位の数字について
[97506] ekinenpyou さん

どっとうpろだ.orgにアップロードされた画像の閲覧(参照)可能期間は恐らくかなり短いので、
(掲示板のログなどで)画像参照用として使うのはあまり適さないかもしれません。

御指摘ありがとうございます。手軽に直接リンクできるサイトで、まあ1ヶ月程度保存されていれば良いかぐらいの気持ちで使ったのですが、最後に作成したファイル以外全部消えてしまうとは思いませんでした。まあソフトの使い方の練習も兼ねていたので、重要な箇所に関してはいずれファイルを作成し直すと思います。

それはさておき[97502]で少し触れました、昭和55年の『我が国の人口集中地区』に記載の面積について検討した内容を以下まとめます。

人口集中地区の定義まわりは大体2回の調査ごとに細かい改訂が行われおり、昭和35年の回では1年前の調査で人口集中地区を設定していたのに対し、昭和45年の回からは1年前の調査で人口集中地区を設定することを止め([80928]参照)、準人口集中地区と連合人口集中地区の概念が導入され、さらに昭和55年の回からは面積に関して大きな改訂がなされました。

実のところ昭和55年の[『我が国の人口集中地区』]に記載されている面積の説明は、ほぼ昭和50年の『我が国の人口集中地区』に記載されている面積の説明と同じで:

2 面積
(1) 人口集中地区の面積は,原則として,人口集中地区境界原図に基づき,建設省国土地理院発行の5万分の1地形図を基図として作成した人口集中地区面積測定図によりプラニメーターを使用して測定した。ただし,市区町村の全域が人口集中地区に相当する場合は,建設省国土地理院発行の「昭和55年全国都道府県市区町村別面積調」によった。
(2) 人口集中地区に含まれる河川の面積の中に含めたが,港湾に設定された水面調査区の面積は,当該人口集中地区の面積から除外した。
(3) 全国,都道府県及び市区町村の全域面積は,建設省国土地理院発行の「昭和55年全国都道府県市区町村別面積調」によっている。同書では,各面積を小数点以下第2位まで掲載しているが,本書では小数点以下第2位を四捨五入した数値を用いているため,必ずしも個々の数値を合算して得た数値と総数とは一致しない。

これに対して昭和60年版の『我が国の人口集中地区』から、以下の定義が加わりました。

(4) 全域が人口集中地区に相当する市区町村の人口密度は,建設省国土地理院の「昭和60年全国都道府県市区町村別面積調」の面積を用いて算出したため個々の数値を計算して得た数値と一致しない。

つまり人口集中地区の面積は小数点以下第1位までしか示されないが、昭和60年版からは、市区町村の全域が人口集中地区に相当する場合、小数点以下第2位までの数字が載っている「全国都道府県市区町村別面積調」を使うようになったということになります。

しかしながら昭和55年度版の人口密度の数字を詳しく見ると、既に昭和55年度版から、市区町村の全域が人口集中地区に相当する場合、小数点以下第2位までの面積の数字を使って面積を算出していることが分かります。例えば昭和55年度の国勢調査で設定されている人口集中地区の人口と面積、人口密度は、それぞれ69,934,854人、10,014.7 km2、6,983.3人/km2(改訂後の数字、[97502]参照)と記載されていますが、69,934,854人を10,014.7 km2で割って得られる数字は6,983.22...人/km2となり、四捨五入しても6,083.3人/km2になりません。仮に計算に用いた面積が小数点以下第2位で離散したデータであると仮定するなら、10,014.66~10,014.74 km2の範囲では人口密度は6,083.2人/km2となり、人口密度に一致する面積は10,014.65 km2以外ありえないことになります。

以下、市区町村の全域が人口集中地区となっている場合の、昭和55年の『我が国の人口集中地区』記載の小数点以下第1位までの面積(面積1)、「全国都道府県市区町村別面積調」記載の小数点以下第2位までの面積(面積2)、およびそれぞれの数字を用いて算出した少数点以下第1位までの人口密度(人口密度1=人口/面積1,人口密度2=人口/面積2)とその差(人口密度1-人口密度2)を、数字に影響が出る連合人口集中地区(特別区部、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、広島市、福岡市)と都道府県(埼玉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、広島県、福岡県)、全国のデータと共に示します。なお小数点以下第2位の数字がゼロの場合、人口密度に差はなくなりますが、昭和55年当時全域が人口集中地区であると設定された行政地区を示すため、表に残します。実際に『我が国の人口集中地区』に記載されている面積は、人口密度2であり、人口密度や面積の集計・算出に使われた数字は、小数点以下第2位までであることが分かります。


コードDIDs人口面積1面積2人口密度1人口密度2人口密度差
00000全国(改訂前)69,934,85410,015.610,015.556,982.66,982.60.0
00000全国(改訂後)69,934,85410,014.710,014.656,983.26,983.3-0.1
11000埼玉県3,781,440513.9513.877,358.37,358.7-0.4
11220与野市72,3268.38.288,714.08,735.0-21.0
11223蕨市70,8765.15.0913,897.313,924.6-27.3
11226鳩ヶ谷市55,9506.26.209,024.29,024.20.0
13000東京都(改訂前)11,294,147979.5979.4811,530.511,530.8-0.3
13000東京都(改訂後)11,294,147979.4979.3811,531.711,531.9-0.2
13100特別区部連合8,351,893591.9591.9414,110.314,109.40.9
13101千代田区54,80111.511.524,765.34,757.08.3
13102中央区82,70010.110.058,188.18,228.9-40.8
13103港区201,25719.519.4810,320.910,331.5-10.6
13104新宿区343,92818.018.0419,107.119,064.742.4
13105文京区202,35111.411.4417,750.117,688.062.1
13106台東区186,04810.010.0018,604.818,604.80.0
13107墨田区232,79613.813.8216,869.316,844.924.4
13108江東区362,27036.236.2410,007.59,996.411.1
13109品川区346,24720.520.5416,890.116,857.232.9
13110目黒区273,79114.414.4119,013.319,000.113.2
13111大田区661,14748.248.2013,716.713,716.70.0
13112世田谷区797,29258.858.8113,559.413,557.12.3
13113渋谷区247,03515.115.1116,359.916,349.110.8
13114中野区345,73315.715.7322,021.221,979.242.0
13115杉並区542,44933.533.5416,192.516,173.219.3
13116豊島区288,62613.013.0122,202.022,184.917.1
13117北区387,45820.620.5518,808.618,854.4-45.8
13118荒川区198,12610.310.3419,235.519,161.174.4
13119板橋区498,26631.931.9015,619.615,619.60.0
13120練馬区564,15647.047.0012,003.312,003.30.0
13121足立区619,96153.353.2511,631.511,642.5-11.0
13122葛飾区420,18733.933.9012,394.912,394.90.0
13123江戸川区495,23145.145.0610,980.710,990.5-9.8
13203武蔵野市136,91011.011.0312,446.412,412.533.9
13204三鷹市164,52616.816.839,793.29,775.817.4
13208調布市180,54821.821.798,282.08,285.8-3.8
13210小金井市102,45611.411.358,987.49,027.0-39.6
13211小平市154,61020.920.857,397.67,415.3-17.7
13214国分寺市91,01011.411.407,983.37,983.30.0
13216田無市66,9766.96.899,706.79,720.8-14.1
13217保谷市91,2598.88.7710,370.310,405.8-35.5
13219狛江市70,8366.26.1511,425.211,518.0-92.8
13222東久留米市106,55613.012.988,196.68,209.2-12.6
14000神奈川県6,109,371799.3799.297,643.47,643.5-0.1
14100横浜市連合2,419,231271.8271.808,900.88,900.80.0
14101鶴見区231,47731.531.507,348.57,348.50.0
14103西区80,5396.36.2712,784.012,845.1-61.1
14104中区121,47618.418.406,602.06,602.00.0
14105南区192,02012.512.5115,361.615,349.312.3
14130川崎市連合1,000,863113.8113.818,794.98,794.20.7
14131川崎区199,14832.532.476,127.66,133.3-5.7
14132幸区138,58510.110.0613,721.313,775.8-54.5
14133中原区185,28314.614.5812,690.612,708.0-17.4
23000愛知県4,146,376684.6684.596,056.66,056.7-0.1
23100名古屋市連合1,979,558247.4247.388,001.48,002.1-0.7
23101千種区166,83718.618.598,969.78,974.6-4.9
23102東区70,0467.77.689,096.99,120.6-23.7
23103北区179,26617.617.6110,185.610,179.85.8
23105中村区163,97816.316.3110,060.010,053.86.2
23106中区66,5629.59.527,006.56,991.814.7
20107昭和区112,91210.910.9210,358.910,339.919.0
23108瑞穂区120,67911.411.3610,585.910,623.2-37.3
23109熱田区65,5538.18.138,093.08,063.129.9
23112南区163,76818.618.568,804.78,823.7-19.0
23341西琵琶島町18,5333.23.215,791.65,773.518.1
26000京都府1,994,322224.2224.198,895.38,895.7-0.4
26100京都市連合1,347,797123.9123.8910,878.110,879.0-0.9
26102上京区99,2627.07.0114,180.314,160.120.2
26104中京区105,9217.27.2414,711.314,630.081.3
26106下京区86,8216.76.7412,958.412,881.576.9
27000大阪府(改訂前)7,957,380805.7805.709,876.49,876.40.0
27000大阪府(改訂後)7,957,380804.9804.909,886.29,886.20.0
27100大阪市連合2,647,484209.7209.7112,625.112,624.50.6
27101北区43,7415.55.547,952.97,895.557.4
27102都島区83,5845.95.8614,166.814,263.5-96.7
27103福島区60,1014.74.6812,787.412,842.1-54.7
27104此花区73,38611.010.976,671.56,689.7-18.2
27105東区27,1095.95.924,594.74,579.215.5
27106西区53,6955.35.2710,131.110,188.8-57.7
27107港区96,4168.38.2611,616.411,672.6-56.2
27108大正区84,0419.29.159,134.99,184.8-49.9
27109天王寺区55,2774.74.6811,761.111,811.3-50.2
27110南区36,9823.02.9612,327.312,493.9-166.6
27111浪速区50,1043.83.8313,185.313,082.0103.3
27112大淀区44,2284.54.519,828.49,806.721.7
27113西淀川区90,69113.113.126,923.06,912.410.6
27114東淀川区165,37013.213.1512,528.012,575.7-47.7
27123淀川区154,26912.712.7112,147.212,137.69.6
27115東成区89,1384.54.5119,808.419,764.543.9
27116生野区173,7838.28.2421,193.021,090.2102.8
27117旭区114,1826.16.1118,718.418,687.730.7
27118城東区157,1458.58.4718,487.618,553.1-65.5
27124鶴見区88,6878.18.1010,949.010,949.00.0
27119阿倍野区117,5276.16.0619,266.719,393.9-127.2
27120住吉区166,7989.29.1618,130.218,209.4-79.2
27125住之江区115,22717.317.256,660.56,679.8-19.3
27121東住吉区156,9999.79.6816,185.516,218.9-33.4
27122西成区150,8207.47.4220,381.120,326.155.0
27203豊中市403,17436.636.6011,015.711,015.70.0
27205吹田市332,41836.636.609,082.59,082.50.0
27209守口市165,63013.113.1312,643.512,614.628.9
27341忠岡町18,0533.63.565,014.75,071.1-56.4
28000兵庫県3,686,192460.7460.718,001.38,001.10.2
28202尼崎市523,65049.149.1110,665.010,662.82.2
28000広島県1,551,718245.7245.746,315.56,314.51.0
34100広島市連合698,84990.290.247,747.87,744.33.5
34101中区138,48614.714.749,420.89,395.325.5
40000福岡県2,857,791461.5461.486,192.46,192.7-0.3
40130福岡市連合966,247125.2125.187,717.67,718.9-1.3
40133中央区123,61413.113.089,436.29,450.6-14.4

注目するべき点は世田谷区のデータで、事実上人口最大の行政区である世田谷区の面積が、表の数字と計算に用いた数字が0.01 km2違うことにより、人口密度で2.3人/km2の差が出ています。つまり、小数点以下第1位まで示されている人口密度の数字で人口を割ることにより、人口密度の算出に用いた面積が仮に小数点以下第3位で離散したデータだったとしても正確な面積を算出することが可能ということになります。

実のところ平成12年以降の人口集中地区のデータはエクセル形式で既に入手済みなのですが、平成17年以降の国勢調査における人口集中地区の面積(小数点以下第2位で示されている)に関しては、個々の数字の合計が一致していないという問題を確認しており、これが何を意味しているのか、後々検討が必用となります。
[97502] 2019年 1月 27日(日)01:14:37【1】YT さん
昭和45年の国勢調査における人口集中地区面積の改訂について 追記
[97499] で疑問点として挙げた以下の点ですが、自己解決しました。

昭和45年の『わが国の人口集中地区』によると、日本全国の人口集中地区面積は沖縄県を除いて6,392.1 km2, 琉球政府下の沖縄県の人口集中地区44.9 km2を加えて6,437.0 km2とされています。これに青梅市と鎌倉市Iの面積の訂正(+2.0 km2と+5.3 km2)を加えると、訂正後の昭和45年の人口集中地区面積は、トータルで6,444.3 km2になるはずです。ところが昭和50年以降の国勢調査報告書では、昭和45年の口集中地区面積はトータルで6,444.1 km2と、0.2 km2少ない値となっており、現在に至るまでこの数値が使われております。東京都(805.6 km2 → 807.6 km2)や神奈川県(502.5 km2 → 507.8 km2)の面積は、それぞれ+2.0 km2, +5.3 km2増えているだけです。丸め誤差が原因とも考えられますが、そもそも昭和50年以前は、人口集中地区の面積は小数点以下第1位までの数字で固定されていますので、昭和45年の数字だけ例外が導入されたとは考えにくいです。よって訂正を行った際、合計を確認しなかっために誤った数値が独り歩きしている気がします。


昭和50年の『わが国の人口集中地区』の方で、長崎県西彼杵郡高島町の昭和45年の人口集中地区の面積が、1.2 km2から1.0 km2に改訂されていました。よって改訂後の総面積は「6,444.1 km2」で正しいことになります。

昭和55年の『わが国の人口集中地区』に記載の、昭和55年の人口集中地区総面積と昭和60年の『わが国の人口集中地区』記載の昭和55年の人口集中地区総面積でも、0.9 km2の違いがあったのですが、こちらも昭和60年版でしれっと大阪府泉大津市の昭和55年の人口集中地区面積が11.8 km2から11.0 km2に改訂されていました。

もう一か所の0.1 km2の改訂は東京都東村山市です。昭和55年版では、東村山市人口集中地区人口が東村山市の総人口(123,798人)の99.4%に相当する118,679人なのに対し、東村山市人口集中地区面積は東村山市の総面積(16.58 km2)の100%に相当する16.6 km2となっていました。昭和55年以降、人口集中地区設定区域が行政全域と一致する場合、面積の情報は行政域面積として採用されている下二桁までの数字を使う(即ち118,679/16.58 ≒ 7,158.0 人/km2)とされていましたが、実際に表に載っていた人口密度は118,679/16.6 ≒ 7,149.3 人/km2の方でした。

まあこの時点で色々矛盾があってもやもやしていたのですが(何故人口集中地区設定の人口が行政域全域じゃないのに、面積の方は行政域全域以上になる?)、これが昭和60年版では遡って総面積の99.5%に相当する16.5 km2に改訂されていました。

いずれにせよ、「正誤表」で対応できなかった修正が、次の国勢調査の報告書で修正されている例が色々あるみたいです。

【東村山市の詳細を追加】
[97499] 2019年 1月 25日(金)23:31:52【3】YT さん
初期の人口集中地区のデータの疑問点
[97021] 他 白桃さん
[97025] 他 千本桜さん
[97032] 他 ekinenpyou さん

数か月前から人口集中地区について話題になっていましたが、[97021][97032]で白桃さんやekinenpyouさんに国土数値情報ダウンロードサービスを紹介して頂いたことにより、自分は総ての人口集中地区のシェープファイルを入手することができました。ただ、シェープファイルを地図上に表示する方法が分からず、とりあえずフリーのSuperMap Viewer2008やQGIS3.44を導入しましたが、まだ使いこなすには至っていません。

それはさておき折角なので、改めて過去に調べた人口集中地区の連担について、人口・面積と変遷の情報をエクセルファイルにまとめ直すことにしました。とはいえ、過去の国勢調査のデータ自体は総務庁のサイトからダウンロードできますが、昭和や平成初期の報告書はpdf化された画像ファイルのままですので、数値を改めて入力し直す必要があります。現在、人口密度の計算で数値をチェックしながら1960年~1975年までの4回分を入力し終えましたが、結婚して子供が生まれてからというもの、深夜に作業するだけの気力が残らず、入力作業も相当時間がかかりそうです。今回は、[97037]でも指摘しました、

それよりもDIDの設置でわけがわからないのは、

■□
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のように、交差点を挟んでDIDが接している場合、「我が国の人口集中地区」付録の地図の解像度だと、「点で接している」としか言えない状況で、両者を同一のDIDとするのか、別のDIDとするのか、2種類のケースがある点です。


について、昭和35年と昭和40年のケースで、問題点を指摘した地図画像ファイルを作成しましたので、それについて投稿します。また昭和45年以前のケースで国勢調査報告書自体に誤りがるという事例が複数見つかりましたので、それについてもまとめます。なお今日になってQGIS3.44で地図上にシェープファイルを表示させる方法が分かりましたが…SuperMap Viewerで作成したシェープファイル由来のみの画像を今回は用います。

昭和35年(1960年)の国勢調査で初めて人口集中地区が設置されましたが、同一自治体内で連続しているようにしか見えないのに、わざわざ別個の人口集中地区とされてしまっている例が全国で多数散見します。例えば『わが国の人口集中地区』収録の地図では、広島市Iと広島市IIはどうみても同一自治体内で連担してますが、人口集中地区としては別にされています。その同じ広島県の呉市Iと呉市IIまわりのシェープファイルをこちら(外部アップローダ)に示しますが、『わが国の人口集中地区』に表示された地図にせよ、今回のシェープファイルにせよ、一点で接しているように見えます。同様のことが福岡市Iと福岡市IIIの連担(外部アップローダ)でも言えます。

一方、昭和40年の松原市Iと羽曳野市IIIの方に関しては、『わが国の人口集中地区』収録の地図では、羽曳野市III(外部アップローダ)や松原市I(外部アップローダ)に示すように、それぞれが一点で接しているようにみえます。ところがシェープファイルの方では、こちら(外部アップローダ)に示すように、接していません。(なお某所に投稿した昭和40年の阪神地区に取り込まれている「松原市I(河内天美)」は、「松原市II」の間違いであることが判明しました。)

『わが国の人口集中地区』収録の地図では、分かりにくいのですが、該当箇所は日本で5番目に大きい古墳である大塚山古墳(雄略天皇陵墓参考地)の北側で、近鉄南大阪線の北側の道路で接しているように見えます。先程地図を読み込ませることに成功したQGIS3.44で、該当する昭和40年の大阪府のファイルを読み込んだところ、どうも松原市Iのシェープファイルの座標が西方向にずれているのではないかという気がします。

【追記:QGIS3.44の使い方が分かって来たので、現在の地図に昭和40年の大阪府松原市I~羽曳野市III周辺の人口集中地区のシェープファイルを載せた画像を作成してみました(外部アップローダ)。『わが国の人口集中地区』収録の地図の羽曳野市III(外部アップローダ)や松原市I(外部アップローダ)が正しいとすると、松原市Iから大塚山古墳の北側の方まで伸びているはずの人口集中地区が、シェープファイルを作成した際に誤ってカットされてしまったことになります。】

以上のほか、昭和40年の『国勢調査報告 第1巻 人口総数』では、昭和35年の美唄市II→昭和40年の美唄市I、昭和35年の北海道の美唄市I→昭和40年の美唄市II、となっているのに対し、昭和40年の『わが国の人口集中地区』では美唄市I→昭和40年の美唄市I、昭和35年の美唄市II→昭和40年の美唄市IIとなっています。地図等との比較から美唄市の人口集中地区は番号が入れ替わっていたとするのが正しいことが分かります。ならば『国勢調査報告書 第1巻 人口総数』の方が正しいのかといえば、そんなことはなく、『国勢調査報告書 第1巻 人口総数』では昭和35年の京都府宇治市II→昭和40根の宇治市II、昭和35年の宇治市III→昭和40年の宇治市IIIとなっているのに対し、『我が国の人口集中地区』の方では、昭和35年の宇治市II→昭和40年の宇治市III、昭和35年の宇治市III→昭和40年の宇治市IIとなっており、こちらに関しては『我が国の人口集中地区』の情報の方が正そうです。複数の図書館で昭和40年の『我が国の人口集中地区』の中身を確認しましたが、残念ながら正誤表の存在が確認できませんでした。

さらに昭和40年の『わが国の人口集中地区』では、関西のデータを中心に、昭和35年の人口集中地区が昭和40年になって分割されたのか、昭和35年の人口集中地区が昭和40年の人口集中地区Iに成長し、一方で別に昭和40年の人口集中地区IIが形成されたのか、表記法の統一が中途半端が故の曖昧表記が生じており、人口集中地区の地図の情報からの再チェックが必用そうです。

次の昭和45年の『わが国の人口集中地区』からは正誤表が存在し、割と重要な訂正がなされております。人口密度の訂正や面積・人口の割合と増加率の訂正を除くと、重要な訂正は以下の点です。

表側表頭
209 相模原市I面積 (km2) 昭和45年19.213.2
209 相模原市I面積 (km2) 昭和40年16) 8.317) 5.1
209 相模原市II面積 (km2) 昭和45年13.219.2
209 相模原市II面積 (km2) 昭和40年17) 5.116) 8.3
222 羽曳野市I人口 昭和40年12) 882114) 6823
222 羽曳野市I面積 (km2) 昭和40年12) 1.114) 0.7
222 羽曳野市II人口 昭和40年13) 337812) 8821
222 羽曳野市II面積 (km2) 昭和40年13) 0.712) 1.1
222 羽曳野市III人口 昭和40年14) 682313) 3378
222 羽曳野市III面積 (km2) 昭和40年14) 0.713) 0.7

また

東京都青梅市の人口集中地区面積および神奈川県鎌倉市の人口集中地区I面積は、再測定の結果、つぎのように訂正する。
・東京都青梅市の人口集中地区面積 ― (旧) 3.8 km2 (新) 5.8 km2
・神奈川県鎌倉市の人口集中地区I面積 ― (旧) 10.0 km2 (新) 15.3 km2

昭和45年の[『わが国の人口集中地区』によると、日本全国の人口集中地区面積は沖縄県を除いて6,392.1 km2, 琉球政府下の沖縄県の人口集中地区44.9 km2を加えて6,437.0 km2とされています。これに青梅市と鎌倉市Iの面積の訂正(+2.0 km2と+5.3 km2)を加えると、訂正後の昭和45年の人口集中地区面積は、トータルで6,444.3 km2になるはずです。ところが昭和50年以降の国勢調査報告書では、昭和45年の人口集中地区面積はトータルで6,444.1 km2と、0.2 km2少ない値となっており、現在に至るまでこの数値が使われております。東京都(805.6 km2 → 807.6 km2)や神奈川県(502.5 km2 → 507.8 km2)の面積は、それぞれ+2.0 km2, +5.3 km2増えているだけです。丸め誤差が原因とも考えられますが、そもそも昭和50年以前は、人口集中地区の面積は小数点以下第1位までの数字で固定されていますので、昭和45年の数字だけ例外が導入されたとは考えにくいです。よって訂正を行った際、合計を確認しなかっために誤った数値が独り歩きしている気がします。

なお昭和55年以降、全域が人口集中地区となった自治体に関しては小数点以下第2位までの面積(km2)が使われるようになりますし、平成17年以降だと、小数点以下第2位までの面積の数字を足しても合計が合わない(小数点以下第2位よりも細かい数字を用いている?)という状況となっています。

初期の連合人口集中地区の数値に関しては別の機会にまとめます。

【訂正1:後半の丸め誤差の説明を訂正】
【訂正2:松原市I~羽曳野市IIIの人口集中地区の分布示す画像ファイルを追加でアップロード】
【訂正3:その他誤字訂正】
[97046] 2018年 11月 28日(水)23:46:19【1】YT さん
DID上の隠れ大都市:明石と川越
すみません。[97027]で、

(川越は2005年以降完全に京浜とつながったような気がしますが、ちょっと2005年の集計結果が手元にないので確認できません)
と書きましたが、リンク先に示すように2015年現在も、柳瀬川を境とするDIDの途切れは健在で、富士見市~ふじみ野市~川越市~狭山市~入間市~飯能市と続く、DID上の隠れ大都市川越は今なお健在のようでした。

明石~垂水と阪神を結ぶラインも、山の方の妙法寺付近で分離したままのようです。

【地理院地図へのリンクの方法を修正】
[97037] 2018年 11月 26日(月)18:18:24【1】YT さん
DIDが点で接している場合の判断
[97019] 白桃さん
[97025] 千本桜さん
[97032] ekinenpyou さん

国土地理院の地図は、国道を赤色で表示し、人口集中地区の境界線も赤色で表示しています。そのため、判読しにくい個所が生じています。地図をどんどん拡大してみましょう。すると、鎌倉市の稲村ガ崎と坂ノ下の間は境界線が途切れずに連担していることが判読できます。なので、連担する大船、腰越、鎌倉は3地区あわせて1つの鎌倉市人口集中地区になり、それに連担する逗子市、葉山町の人口集中地区も大東京DIDに組み込まれます

例えば[97019]白桃さんで取り上げられている腰越と鎌倉のDIDは[97025]千本桜さんにもある通り
現状(H27)ごくわずかな領域がつながっているだけですが、平成7年以降現状に近い領域になったらしく、
平成2年はもう少し広い領域(連担が明瞭)だったようです。(DID面積はH2→H7で27.6→24.1km2と縮小)

先程図書館で歴代の「我が国の人口集中地区」収録の地図を閲覧してようやく意味がわかりました。平成27年度版の収録の地図の方では「鎌倉海浜公園」という文字の上の方にDIDが設置されているようですが、該当する箇所には公園はなく、道路そのものがDIDとして設置されているようですね。

ekinenpyou さんも分析されていますが、1960年(S35),1965年(S40)には、該当する道路周辺にはDIDはなく、1970年(S45)には腰越方面に向けて太い帯状のDIDが設置され、1975年(S50)~1990年(H2)は腰越と鎌倉中心部が太いDIDで接続されていたが、1995年(H7)から突然、鎌倉市内のDIDの設置が地形にそったきめ細かなものに変更となり、それと同時に坂ノ下は一本の道だけでDIDが繋がる状態となり、現在に至るようです。まあ理不尽といえば理不尽ですが、国勢調査の地区ごとの担当の裁量によるところが大きいのか、あるいは市街化調整区域の設置が絡んでいるのか、その辺の事情は分かりません。

それよりもDIDの設置でわけがわからないのは、

■□
□■

のように、交差点を挟んでDIDが接している場合、「我が国の人口集中地区」付録の地図の解像度だと、「点で接している」としか言えない状況で、両者を同一のDIDとするのか、別のDIDとするのか、2種類のケースがある点です。単に地図の解像度が悪いだけで、別のローマ数字が降られているは、「本当は両者は接していないから」という解釈も成立しますが、そうなってくると、異なるDIDについて地図から「接している」と判断して加算した場合、それが本当に接しているの?という疑問も生じ得ることになります。手元にDIDのチェックをした時のメモがないので記憶が曖昧ですが、確か1960年~2005年までの間で、10箇所近く悩むようなシチュエーションがあったように記憶しています。

【追記】あと、「我が国の人口集中地区」付録の地図では、それぞれの地図でタイトルに示されるメインとなる市区町村について、DIDが実線と実線内の赤枠で囲われて示され、周辺のDIDは斜線の赤枠で示されることで、複数のDIDが接していたり、近くに存在することを察することができるのですが、確か周辺のDIDの記入漏れがそこそこあったと思います。
[97027] 2018年 11月 24日(土)17:51:15YT さん
DID人口の合算について
最近仕事と私生活がリアルに忙しくて、余りこちらに書き込む余裕がなかったのですが、DID人口の話題が出ているのでひさびさに書き込みます。

[97019]白桃 さん

[69204][80928]にも書きましたけど、その昔1960年~2000年の間について、地図の上で連続したDIDを足した人口を算出し、某所に投稿したことがあります。その後の2005年分を含め、図書館で『我が国の人口集中地区』の地図を確認しながら国勢調査報告書のコピーに連続の有無を総てメモっておりましたが。それらのメモは実家に置いて来てしまっており、現在すぐに確認はできません。今日白桃さんの投稿に気付き、そういえば『我が国の人口集中地区』では鎌倉周辺はどういう変遷となっているのかしらん?と思って昼間に仕事場から数分の距離にある某図書館に行きましたが、今日は休館日で確認できませんでした。

なお鎌倉に関して言えば、1970年以前は藤沢I~茅ヶ崎I~鎌倉II(腰越)と、鎌倉I~逗子~戸塚区II(笠間)~葉山が独立しており、藤沢や鎌倉まで京浜に飲み込まれたのは1975年以後のようです。その一方で、2000年の段階では阪神と京都、阪神と明石~垂水、京浜と川越などが分離するなど、色々合算に悩むところもあります(川越は2005年以降完全に京浜とつながったような気がしますが、ちょっと2005年の集計結果が手元にないので確認できません)。2000年の例だと、定規を使って地図を測った結果、以下のDIDが分離しているとする自作のテキストファイルメモが手元に残っていました。

我孫子市I(京浜地区)~取手市I 約1.2 km (利根川対岸)
志木市(京浜地区)~富士見市I(富士見地区) 約50 m (接するのは時間の問題?)
大井町I(川越地区)~大井町II(富士見地区) 約30 m (接するのは時間の問題?)
鶴ヶ島市II(川越地区)~鶴ヶ島市I(坂戸地区) 約50 m (過去に接しているケースあり)
所沢市I(京浜地区)~所沢市II(川越地区) 約500 m
上尾市(京浜地区)~蓮田市 約300 m
袖ヶ浦市I(京浜地区)~木更津市I 約920 m
大磯町I(京浜地区)~大磯町II(小田原地区) 約80 m (接するのは時間の問題?)
岩倉市(名古屋地区)~一宮市I(岐阜地区) 約2.3 km
岩倉市(名古屋地区)~江南市 約860 m
扶桑町(犬山地区)~江南市 約110 m
春日井市I(名古屋地区)~春日井市II(高蔵寺地区) 約170 m
東海市(名古屋地区)~大府市I 約740 m
刈谷市I(刈谷地区)~大府市I 約900 m
安城市(安城地区)~知立市I(刈谷地区) 約120 m
大津市I~大津市II(草津地区) 約160 m (瀬田川対岸; 過去に接しているケースあり)
大津市VII(京都地区)~大津市I 約1.7 km
八幡市(阪神地区)~島本町(京都地区) 約640 m (淀川対岸)
高槻市I(阪神地区)~高槻市II(京都地区) 約280 m
堺市I(阪神地区)~堺市II(光明池地区) 約100 m (接するのは時間の問題?)
神戸市須磨区II(阪神地区)~神戸市垂水区I(明石地区) 約1.2 km
神戸市須磨区II(阪神地区)~須磨区I(妙法寺桃山台地区) 約50 m (崖あり)
神戸市垂水区I(明石地区)~垂水区II(妙法寺桃山台地区) 約60 m (第二神明道越し)
北九州市門司区~下関市I 約400 m (門司区側は関門橋の中途までDID設定)
北九州市小倉南区I(北九州地区)~北九州市小倉南区II 約30 m (過去に接しているケースあり)
北九州市小倉南区II~北九州市小倉南区III 約400 m
苅田町~北九州市小倉南区III 約50 m (過去に接しているケースあり)

[81009]にも書きましたが、一番の問題点は水面調査区を介して隣接している場合、その水面調査区の設置場所を調べる術が自分にはわからない点です。

例えば北九州市の場合、1960年と1965年は、若松地区と他の北九州市の諸地区は分離していましたが、1970年には橋を介して一個の巨大なDIDとなります。ところが1975年~1985年には橋の上のDIDの設置がなくなり、両者は再び分離します・・・が、「連合人口集中地区」として連結する扱いとなっています。

1960年
696,134人/66.8km2八幡市I/小倉市/門司市/戸畑市 (全国5位)
75,721人/7.5km2若松市I

1965年
787,849人/84.2km2北九州市[八幡区I/小倉区/門司区/戸畑区] (全国5位)
80,038人/11.4km2北九州市若松区

1970年
857,409人/110.1km2北九州市[八幡区I/小倉区I/門司区/戸畑区/若松区] (全国5位)

1975年
922,081人/134.3km2北九州地区 [福岡県] (全国7位)
【1】843,382人/121.5km2北九州市[小倉北区/八幡西区/門司区/八幡東区/戸畑区/小倉南区I]
/中間市/水巻町 [福岡県]
【2】78,699人/12.8km2北九州市若松区 [福岡県]

水面調査区や準人口集中地区を含め、その詳細を調べる方法が分からないのがもどかしいです。


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