地番の根拠となるのは、不動産登記法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M32/M32HO024.html です。地番の単位について、第79条1項に次のように書かれています。
登記所ハ政令ノ定ムルトコロニ依リ地番区域ヲ定メ土地一筆毎ニ地番ヲ附スルコトヲ要ス
地番の単位は「地番区域」ということです。これについては、不動産登記法施行令
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35SE228.html 第1条に次のように書かれています。
地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもつて定める。
という訳で、
[28456]N-H さん
冗長にも「丁目」がある。(略)どうしてこのようなことになったのでしょうね。
かつて「○○町」がひとつの「地番区域」だった。後に“丁目”分けされ、各々別の「地番区域」に分割されたが、その際に地番を敢えて振り直すことをしなかったため、地番の重複が無い。…といった理由が思いつきます。
# なぜ地番区域を分割したのかは不明ですが、“丁目”をつけて、住所を特定しやすくする意図があったのかもしれません。
または、通常住所を書くときは“丁目”をつけるが、登記上の「地番区域」は「○○町」全体で編成されている、ということもあるかもしれません。
地番は、「大字」毎に一意なことが多いようですが、地域によっては「大字」よりも小さい単位(いわゆる「小字」、単に「字」とする場合も多い)毎でないと一意にならないそうです。
http://www.biwa.ne.jp/~toda-m/hometown/p7essay.html によれば、
番地の振り方には小字不要の流儀(大字単位で番地を通し番号にしている)を採用する場合と、小字必須の流儀(小字毎に番地を独立に付与している)を採用する場合とがあり、その分布は全国的に見てもグシャグシャに入り交じっているらしい。
要は、当初の地番区域が市町村合併の末に現在「大字」と呼ばれているか「小字」と呼ばれているかの違いのような気がします。
ところで、不動産登記法の施行は1899年ですが、地番そのものはもう少し前からあったのかもしれません。
[6604]Issieさんによれば、
制度上で意味を持つのは,1873(明治6)年に始まる地租改正事業で,個々の土地所有者=地租負担者を台帳に登録する際の“コード”として採用されたことにあります(この際の“登録番号”が「地番」(○○番地)です。
[28458]両毛人さん
地番は江戸期の藩政村の単位(「大字」と呼ばれることが一般的)にナンバリングされました
住居表示未実施地域では多くの地番区域が明治時代から変化してないことが推測できますが、地番区域が変更されたところもあります。
街区方式の住居表示にあわせて“町丁名”を変えたところは、それが新しい地番区域になることが多いようです。住居表示すれば地番が表に出ることは少なくなりますが、登記簿には生き続けます。そしてほとんどの場合地番は変更されないようです。
住所表示を実施しない場合でも、新たに“丁目”をつけて地番区域を分割することがあります。私の知る例で、八尾市の一部や鳥取市の一部では、地番区域の変更と併せて地番の整理(振り直し)がされています。他にも該当例はあると思います。
「○○町」を「○○1~3丁目」に分割して、1,3丁目は住居表示が実施され、2丁目は未実施ということもあります。この場合2丁目の地番はそのままだったり、整理されたり、いろいろです。
# 道路方式の住居表示実施区域においては、郵便物等の宛名は「道路名+住居番号」ですが、不動産登記には「地番区域+地番」で登録されているはずです。そう考えると道路方式の住居表示は登記の手続きでの戸惑いが大きいのかもしれません。