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[86370] 2014年 9月 10日(水)04:38:30YT さん
第一次府県統合と、それそれの府県での人口上位3位までの都市人口
[86367] アクアさん、初めまして。

2.非最大都市規模で非明治政府領を県庁に置いた県

おそらく旧領石高と城下町に比例関係があると仮定して都市規模を算出しているのでしょうが、大隈重信蔵書「府藩県石高人口表」を見てわかるように、石高と人口の相関は必ずしも良くありません。それに第一次府県統合では、各地に散らばっている各藩の飛び地を抹消しているので、単純に藩の石高で統合後の規模に順番を振るのもどうかと思います(旧高旧領取調帳で調べているのでしたらすみません)。

そこで明治6年頃の都市人口による各府県の人口上位3位までの都市と人口をまとめてみました。都市人口は『日本地誌提要』(明治6年1月1日調人口、[68751][68752][68793][68794][68845][68846][68962][68963][68964][68965]参照)を基礎とし、『明治八年 共武政表』(明治5年~8年の本籍人口)の人口を用いると各府県別での都市人口順位が上がる場合には『共武政表』の人口で補正しました(●印をつけた都市)。但し明らかに人口に誤りがある場合(『日本地誌提要』の鹿沼の人口と『共武政表』の気仙沼の人口など)はこの限りではありません。また県庁所在地が4位以下の場合は別途記載しました。

使府藩県M5人口1位人口2位人口3位人口4位以下人口
開拓使123,668箱館28,825小樽3,903札幌1,785
東京府779,361東京595,905千住11,368品川10,293
京都府567,334京都238,663伏水22,334亀岡7,029
大坂府530,885大坂271,992天王寺16,560難波8,128
琉球藩166,789首里44,984那覇14,610久米9,800
神奈川県492,714横浜64,602神奈川10,660八王子7,675
兵庫県198,559神戸・兵庫40,900尼ヶ崎12,404西之宮8,699
長崎県630,487長崎29,656島原18,682福江17,787
新潟県635,484新潟33,152新発田18,312村上17,647
埼玉県426,989成田(忍)7,224岩槻5,077幸手4,294浦和1,750
入間県410,952川越9,357熊谷4,171本庄3,573
足柄県339,582小田原12,710浦賀●7,081鎌倉6,420
木更津県574,652木更津4,381一之宮4,215鶴舞3,126
印旛県456,689船橋9,494古河9,343佐倉6,681流山●1,946
新治県470,509銚子17,688土浦7,788石岡6,938
茨城県366,505水戸19,010那珂湊8,254下館4,947
群馬県382,697前橋15,063高崎11,285沼田3,828
橡木県388,934館林9,007佐野4,960鹿沼●4,201栃木3,968
宇都宮県234,124宇都宮15,061烏山2,435大田原2,284
奈良県418,326奈良21,158郡山14,988御所町3,507
堺県446,85238,838岸和田8,852佐野5,388
安濃津県413,86522,080桑名18,064上野12,385
度会県363,732山田22,473松坂8,781鳥羽4,746
名古屋県604,116名古屋125,193熱田15,211一之宮7,399
額田県606,252岡崎12,969大浜8,885豊橋7,506
浜松県414,928浜松11,103新居6,438横須賀5,516
静岡県368,505静岡31,555沼津10,684島田●7,461
山梨県360,068甲府15,529市川4,095鰍沢3,562
大津県305,232五別所・大津17,924膳所6,371膳所6,371
長浜県271,332彦根24,368長浜5,369高宮●3,754
岐阜県660,896今泉・岐阜10,800大垣10,158八幡5,364
筑摩県550,841松本14,275高山13,081飯田8,944
長野県466,652松代7,976長野6,928小諸6,152
仙台県404,577仙台51,998石巻10,325馬場谷地●4,964
福島県268,576二本松10,435白河7,250福島5,813
平県242,906三春5,0864,241白石●3,313
若松県203,722若松20,588坂下2,972高田●1,987
一関県372,562水沢5,166気仙沼4,377一之関●4,365
盛岡県319,486盛岡21,306遠野●5,175花巻4,426
青森県473,244弘前32,886福山16,092青森10,965
山形県299,291山形17,631新庄8,361谷地6,587
置賜県130,293米沢24,945宮内2,858上小松●2,331
酒田県203,676鶴岡24,964酒田18,619大山3,430
秋田県582,297秋田38,118横手8,169本荘6,423
敦賀県199,819小浜19,271敦賀11,476武生9,416
福井県346,700福井39,784大野9,052坂井9,044
金沢県403,357金沢109,685小松9,970大聖寺9,416
七尾県397,511高岡23,724新湊18,904七尾8,216
新川県480,638富山44,682魚津10,098八尾5,981
柏崎県718,249高田27,460長岡24,067柏崎14,081
相川県103,098相川12,632夷町3,400小木2,602
豊岡県505,073宮津9,398舞鶴9,073出石6,796豊岡4,926
鳥取県385,531鳥取20,782米子10,237倉吉4,809
島根県340,042松江37,808杵築7,674広瀬3,877
浜田県259,611津和野7,088浜田3,943益田●2,503
飾磨県635,791姫路24,521明石14,410赤穂7,134
北条県215,602津山15,411真島(勝山)2,747久世1,749
岡山県387,459岡山32,372日生●3,511牛窓3,219
深津県546,430福山17,643鞆津●8,495笠岡6,415
広島県919,047広島74,305尾道9,722三原8,565
山口県827,53645,318赤間関18,500岩国11,684山口9,279
和歌山県556,919和歌山61,124新宮9,134田辺7,485
名東県750,985徳島48,861洲本7,267由良5,935
香川県559,712高松32,736丸亀13,875坂出6,465
松山県418,561松山26,141今治12,000川江5,860
宇和島県357,413宇和島12,209外海●6,280吉田5,042
高知県524,511高知39,757高岡5,827安芸4,479
福岡県441,175博多20,985福岡20,650秋月5,178
三潴県391,535久留米20,381柳河8,865瀬高3,860榎津2,555
小倉県304,574中津11,538小倉7,459長洲4,500
大分県562,318臼杵10,738大分6,8215,975
伊万里県506,667佐賀21,660厳原8,806唐津7,987伊万里4,005
熊本県513,593熊本44,620長洲5,706川尻4,712
八代県439,444八代9,021牛深7,590御領●6,017
都城県310,121国府17,144加治木9,386都城7,390
美々津県201,798宮崎11,929延岡6,861広瀬●3,884美々津1,881
鹿児島県670,864鹿児島●89,374加世田31,595鹿籠24,902


平県(磐城平:都市規模4位/6藩)
更津県(桜井:都市規模15位/15藩、天領1)
群馬県(高崎:都市規模3位/8藩、天領1)
埼玉県(岩槻:都市規模2位/2藩、天領1)*
額田県(岡崎:都市規模3位/10藩)
豊岡県(豊岡:都市規模8位/9藩、天領2)
大分県(府内:都市規模3位/7藩)

都市規模としては平は1位と大差のない2位、桜井(木更津内)は1位、高崎は1位と大差のない2位、岩槻は1位と大差のない2位、岡崎は1位、豊岡はやや1位と差のある5位(4位は篠山の5,931人)、大分はやや1位と差のある2位です。

1番、2番、3番、それ以下の差異をどの程度考慮するかにもよりますし、また明治22年の市制町村制施行までは「都市域」の定義が曖昧であるため、資料によって集計範囲が異なるという難点がありますが、一部の例外(浦和、流山、榎津、伊万里、美々津)を除き、当時の県庁所在地はその地域の中心となる都市が選ばれていることが判るかと思います。

この掲示板等でも、県によっては人身一心の理由で県名を改めたということが言われていますが、具体的にどのような資料でそのようなことが書かれているのでしょうか?

これは多分中央にはまとまった資料がなくて、個々に地方史をあたらないとわからないと思います。宮武外骨の『[府藩県制史]』における賞罰的県名論も、細かいところで矛盾がありますし。
[86357] 2014年 9月 3日(水)21:20:39YT さん
蛇落地からの改名は江戸時代?
最近色々私的に忙しかったのですが、久々に投稿します。

先日広島の災害地について流れたニュースによると:

崩れ落ちて形が変わった山を眺める住民たちは「20年住んでいますが、こんなことはとても思わなかった」と話す一方で、山肌を指さしながら「あそこが水の通り道だと聞いていましたね」と語る。一帯は「蛇落地悪谷」(じゃらくじあしだに)とよばれていたという。

平野孝太郎さん(71)は「昔は蛇が降るような水害が多かったので、悪い谷・悪谷と名がついたそうです。八木蛇落地悪谷が八木上楽地芦谷と改名され、さらにいまは八木だけが残ったようです」という。名前が変わるうちに「土砂崩れ」の教訓も忘れ去られたらしい。

130年つづく浄楽寺の住職によると、竜がいて、その首をはねたところから「蛇落地」とついたという。「竜は水の神で、水害を収めたということかもしれません。記録にはないが、語り継がれてきました」

近くの光廣神社に残る絵には、竜を討伐した武将のかたわらを激流が走る。こうした伝えは水害への警戒を促すと解釈できる。

これについて、日本歴史地名大系や角川地名辞典を調べましたが、蛇落地という地名を確認出来ませんでした。また地図資料編纂会『正式二万分一地形図集成』を閲覧したところ、明治31年測量、明治33年印刷・出版の地形図が収録されており、これが今回災害のあった地域の地形図の最古のものと思われます。[86330]でペーロケさんが指摘されておりますが、この段階で「山手」「上楽地」「小原」という地名が書かれており、改名はこれよりも古いものと推測されます。また『広島県史』によると浄楽寺は
由緒 元和五年創立、貞享五年寺号免許、もと仏護寺末。
とあり、130年どころか400年近く前の元和5年(1619年)の創立となっており、また角川地名辞典にも、130年前よりも前の明治7年に境内で小学校開校とあり、記事がちゃんと調べられずに書かれているように見受けられます。

さらに『佐東町史』を閲覧したところ、宝暦12年(1762年)の「沼田郡八木村地こぶり帳」という、芸藩時代の近世村としての八木村の検地帳が収録されており、そこに既に字名として本百姓8人の名前が記載されている「字 上楽寺」(上楽地・浄楽寺ではない)や本百姓1人の名前が記載されている「字 山ノ手」、本百姓36人の名前が記載されている「字 小原」などの記述があり、一方で「蛇落地」などという字名はなく、仮に蛇落地から上楽寺/地への改名が事実としても250年よりも前のこととなります。むしろ浄土真宗本願寺派である浄楽寺から上楽寺という字名となり、それが上楽地となったと考える方が素直です。

『佐東町史』には八木村の村会議員の選挙定員を決める明治13年の公文書が収録されており、それによると
一ノ部 議員一人 字鳴ル渡リ/十歩一
二ノ部 議員二人 字真蒲/上細野/中細野/下細野
三ノ部 議員一人 字代/一ツ矢
四ノ部 議員一人 字迫田/細田/田中
五ノ部 議員二人 字関城/柏谷/室屋/野地
六ノ部 議員一人 字上楽地/浄光院/小原
七ノ部 議員二人 字市/土居
となっており、明治13年の段階では既に「字 上楽地」の漢字が正式なものとなっております。なお宝暦12年の字の数は大小50個ほどですが、上の明治13年の段階では20個程に統合されており(これら字名はほぼ全てが宝暦12年の検地帳に記載されている)、おそらく大区小区制がらみの字の統廃合があったものと推測します。また「字 山手」が消えておりますが、こちらは明治13年~明治33年の間に復活したのでしょう。

宝暦12年と明治13年の間を補う地理書として、1820年代に完成した『芸藩通志』がありますが、こちらには近世村毎の地図が100枚前後収録されています。地図には字名が全て書かれているわけではありませんが、ヘツ所(別所)、浄楽寺、ムロヤ(室屋)、ノシ(野地)、コハラ(小原)などの地名を確認できます。芦谷という地名は確認できませんでしたが、別所古墳発掘調査報告書収録の地図に足谷遺跡というのがあり、宝暦の頃には字名としてはありませんでしたが、幕末にはアシヤと呼ばれる字名があり、明治の時に上楽地などに吸収されてしまった小字であると推測できます。何れにせよ『明治前期全国村名小字調査書』や角川地名辞典には旧八木村の明治初期の字名が漏れており、これ以上詳しく調べることはできませんでした。

最後に蛇の伝説ですが、これは江戸時代初期に書かれた『陰徳太平記』の「香川勝雄大蛇ヲ斬ル事」に詳しく載っており、天文元年(1532年)に香川勝雄が阿武山山中にて大蛇を倒したという話が既に17世紀には完成しておりました。物語によると香川勝雄は、阿武山の山頂に近い大きなカヤの木で眠っていた大蛇の首を切り落とし、落とした首が七八町飛んで「太刀ノブ」という湿地帯に落下し、さらにそれが飛び跳ねて一町先の「蛇王池」または「蛇王子」に落ちたとあります。『芸藩通志』附録の地図によると、阿武山(阿生山)の頂きの一つに「龍王」という地名があり、そこに大カヤと「竜王二社」があることになっています。「タチノフ」は麓の地名ということになっています。

『佐東町史』で「蛇落地」という地名に関して唯一触れているのが「蛇落地観世音像」ですが、これは弘化4年(1847年)に阿武山山頂にあった観音像を麓に移したとのことで、『芸藩通志』収録の八木村の地図では「龍王」の近くにある建物のマークの一つということになります。浄楽寺の住職によると蛇落地というのは蛇の首を切った場所と解説していますが、蛇の首を切った場所は阿武山山頂付近であり、蛇落地は山頂の地名といことになり、ますます上楽地との関係が不明となります。

結局のところ蛇落地が上楽地に改名されたというのは怪しく、仮に事実としても250年以上前のことです。また300年以上前にはすっかり地元の有力者が先祖の功績を讃える大蛇退治の物語として完成してしまっており、そこから土石流の伝承を読み説くことは不可能に近いといえます。大蛇退治の物語も、『陰徳太平記』の記述が『芸藩通志』や『広島県史』、『佐東町史』で繰り返し引用されており、『佐東町史』では地元なら誰でも知っている伝説とまで書かれています。そもそも今回土石流が発生した区域は「字 上楽地」だった地域でも「足谷遺跡」のある所でもなく、「字 小原」だった地域です。いくら地名が過去の教訓を示すと言っても、場所が微妙に異なります。そんなことよりハザードマップを周知徹底させたり、土砂災害警戒区域を設定するなど、最新の科学に頼った調査の方がはるかに重要で、信用出来ると言えます。
[85707] 2014年 6月 8日(日)17:42:58YT さん
今後の予定
これまでの人口や面積のデータは、この一つのファイルに集約されていると考えてよろしいでしょうか。

送ったファイルは作業のために列の順番が入れ替わっていますが、その通りです。

ただ、1950年~1970年の沖縄県、1950年の奄美の面積はまだ数字の入力が流動的ですし、1935年3月31日調の面積は入力が40%程度しか済んでいません。また1995年以降は統計局のデータベースから数字を流し込んだ結果、市区町村名と人口・面積のズレが発生している可能性があり、簡単な再チェックが必要です。中身をみて頂ければわかるように、送ったファイルはチェック用のSum関数が入ったままのシートだけですので、一回中身をテキストファイル経由で別のエクセルファイルにコピーしないと加工しにくいかと思いますが、所属未定地のみが残っている1980年以降の人口・面積の表はすぐに作れると思います。

自分の予定としては、1935年3月31日現在の面積を入力した後、1944年・1945年・1946年の人口調査、1948年の常住人口調査の人口を再チェックし、各種地方統計書のデータを元に1950年の面積の分割案を作った段階で次のまとめた結果をデータ(ver.0.2)として公表しようかと考えています。

その後、国勢調査報告書に載っている1920年~1930年の市・郡別面積を入力し、各種地方統計書のデータを元に1935年10月1日の面積合同分の分割案を出し、1935年10月1日~1948年の面積を独自調査で入力し、この段階でまとめた結果をデータとして公表(ver.0.3)。

これが終わったら、国勢調査以前の5回分の現住調査の人口を再チェック、明治22年~明治30年前の人口について、『日本帝国民籍戸口表』記載の現住人口と官報による現住人口を入力、明治22年以前について郡区別面積と、明治14年の郡区別面積を入力、などと予定を建てていますが、どうなるかは分かりません。
[85705] 2014年 6月 8日(日)13:09:10【1】YT さん
xlsよりもcsv
[85703] オーナー グリグリさん

すみません。

(1) 落書き帳に書き込む前に、公開したいデータのエクセルファイルを私宛にメールで送付。

この部分を見落としていました。

とはいっても総ての情報をエクセルにするのは作業が煩雑になるので、例えばカラム数が8以上、または一部のセルが折り返し表示になってしまうケースについては別個のファイルとして公開ということでよろしいでしょうか?その場合ですと、別に計算式の入力も必要ないので、例えばCSV形式などのテキストファイルでの公開の方が安全かも知れません。

【追記】

すみません。

さきほどオーナー グリグリ さんに、現時点でまとめ終えた面積・人口の情報を送付しましたが、ファイルの圧縮を忘れたため、10 Mb越えのファイルを送ってしまいました。

メールが読めない場合には、あらためて圧縮したファイルを送り直します。
[85704] 2014年 6月 8日(日)12:55:06【1】YT さん
エクセルファイルの公開について
[85703] オーナー グリグリさん

そこで今回のご指摘を受けて、当面は次のようにしたいのですが、YTさん、如何でしょうか。

(1) 落書き帳に書き込む前に、公開したいデータのエクセルファイルを私宛にメールで送付。
(2) エクセルファイルを当サイトのサーバの然るべき場所に格納する。
(3) 格納場所のリンク(URL)をYTさんに連絡する。
(4) そのリンクを利用してYTさんが書き込みを行う。
(5) ファイルの差替えなどもメールで行う。

御迷惑をおかけしてすみません。ただ、エクセルファイルの公開を暫時行うにはいろいろ問題があり、誠にすみませんが対応できません。

まず最近書き込んだ内容は、最終的にエクセルに纏める前の段階のものです。面積の情報は人口の情報以上に中途半端で、富山県下新川郡宇奈月町・朝日町の面積([85587]参照)の例のように、所属不明以外の面積情報の問題も1975年まで続いています。そのため公開するにもこういった面積不明・所属不明の情報の纏め方もまだ統一した状態になっていません(そのための問題点を、[85559][85587][85604][85605][85609][85623][85624][85659][85673]にまとめたつもりです)。こういった「市町村の情報をまとめるための個別の情報」というだけで、面積に関するものだけでもすでに20個以上のシート(バックアップを含めると確実に100個以上)を作成しています。公開するとなるとそこに含まれるであろう膨大な数の情報の再チェックも必要となり、作業量が現状よりも大幅に増えてしまいます。

二点目は、エクセルファイルそれ自体のセキュリティの問題です。エクセルは別名でセーブする度に個人情報が追加されますし、なぜか同名のファイルで作業していてもいつの間にか個人情報が追加されることがあります。公開する際にはかならずセキュリティチェックをしており自分の個人情報を消しているつもりですが、適時修正となるとそのチェックに不安が残ります。将来的にはエクセル以外の形式を用いるというのも手ですが、現状では自分のパソコンで作業する際にはエクセルが一番便利です。

三点目はファイルのサイズが大きくなりすぎている点です。普段一番メインに修正しているファイルのサイズはすでに40 Mbに達成していますが、メインとなるシートだけで別名で保存したところ、それだけでファイルサイズが10 Mbを超えました。

というわけでエクセルファイル形式での公開は避けたいと思います。

なお面積の方の入力ですが、現在1950年から2010年までの国勢調査時の市区町村別面積と、1935年の『昭和十年 全国市町村別面積調』記載の面積の内、大阪府以西分の入力は終わっています。ただ1950年の面積情報、そして1935年の面積情報についても、市区町村に分割されていないデータがあり、1935年~1950年の間の面積情報の拡張も可能かどうか現状では判りません。
[85702] 2014年 6月 8日(日)01:34:14【1】YT さん
面積調査の報告と東京都の昭和19年の人口について
[85701] ロム人 さん
YTさんがかなり積極的にご自身の調査内容を書き込んでいらっしゃるようですが、これはこれで有用な情報かもしれませんが、たしかかなり以前の過去ログを読んだ記憶では、このような(Wikipediaでいう)独自研究の書き込みは自身でサイトをたちあげて公表し、落書き帳でそのような発表をしないように促していたと思うのですが、その辺の立ち位置も変わってしまったのでしょうか?


すみません。私の方は普段の生活サイクルからしても、とても自分でホームページを立ち上げるほどの時間は取れません。

ただ、一応[84549]でアップした人口情報の内、抜けている情報(昭和19年の東京都の市区町村別人口)と、昭和10年以降の市町村別面積の遷移について、現時点での調査結果を報告しているのですが、これらの書き込みは迷惑でしょうか?

あと、(Wikipediaでいう)独自研究と言われておりますが、私は極力引用元を挙げて数字や元資料の客観性を保っているつもりなのですが、変遷情報や数字に恣意的なものが目立つのでしょうか?
[85700] 2014年 6月 8日(日)01:06:55【2】YT さん
昭和19年~昭和20年の東京都区部の人口
[85612][85625]で触れた、昭和19年人口調査における東京都の市区町村別人口ですが、残念ながら決定打となるデータが見つかりません。国立公文書館で、昭和19年人口調査関係書類綴、昭和20年人口調査関係書類綴に関連する、公開されているマイクロフィルムに一通り目を通しましたが、どこにも昭和19年人口調査における市区町村別人口が掲載されている書類が含まれておりません。なお昭和20年人口調査関係書類綴に含まれるものの中には「要審査」となっていて公開されていない文書が多数あるようですが、副題を見る限り昭和19年人口調査の市区町村別人口の情報は載っていないようにみえます。

一方『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)のまえがきによると、

 昭和19年人口調査は資源調査法に基づき当時の内閣統計局が実施したものであるが,当時調査結果は公表されず,昭和24年3月に刊行された「昭和15年国勢調査・昭和19年人口調査・昭和20年人口調査・昭和21年人口調査 結果報告摘要(総理庁統計局)」に,集計結果の一部が掲載されているのみである。
 現在,戦前戦後の人口に関する資料が不足しているので,統計局に保存されている集計結果原表のうち破損等のない原表をもとにして,できるだけ多くの情報が得られるよう留意し,原表を組み替えるなどして作成したのが本書である。
 本書が戦時中の人口の状況をは握するための資料として,各方面の方々の参考となれば幸いである。
 昭和52年3月
 総理府統計局 吉岡邦夫

とあり、昭和19年人口調査の原表は総理府統計局にあることになりますが、総理府統計局の図書館でこういった資料が公開されているようには見受けられません。。

なお東京都の歴史書等を調べたところ、『東京百年史 第5巻 復興から壊滅への東京(昭和期戦前)』(1972年)に昭和19年人口調査における区別人口が掲載されているのを見つけました・・・しかしながら、[85612]の朝日新聞の記事と同様、合計が一致しません。さらに本表の人口は、『東京都戦災誌』からの引用でした。このほか『都政十年史』などに『東京都防疫年鑑』記載の人口が、昭和19年と昭和20年の『警視庁統計書』に、昭和19年末と昭和20年末の現住人口が見つかりましたので、以下これらの人口をまとめます。

調査年月日S15.10.1S19.2.2S19.11.?S19.?S19.12.31S20.2.?S20.4.20S20.5.?S20.5.27S20.6.?S20.6.10S20.11.1S20.?S20.12.31
区部6,778,8046,658,1625,392,5945,063,5095,535,6874,986,6003,256,6493,286,0102,692,6592,537,8482,581,8292,777,0103,226,6502,882,747
麹町区58,52148,45739,41737,31840,24839,98037,31828,3374,50010,43510,43517,97617,95412,387
神田区128,178102,29169,62769,94978,26267,28719,15522,32222,32221,50621,50626,43631,88727,188
日本橋区101,77772,82357,78150,71956,71549,39117,00018,66715,66718,66718,66722,87626,86122,980
京橋区142,269115,04889,86980,12286,53178,62657,79957,79944,20044,70044,70053,34463,52953,041
芝区191,445163,396125,388114,745128,643113,706105,00080,00058,60061,00061,00067,11677,33964,641
麻布区89,16379,69960,93855,99160,80055,36855,36346,8067,67821,95021,95020,69724,79821,632
赤坂区55,70448,70240,72238,17441,86437,68732,85330,0781,0006,0126,0128,79111,2259,428
四谷区76,44067,82853,91250,42256,50549,58629,00026,6474,62614,83114,83111,24513,75911,797
牛込区128,888115,81694,08487,27795,91186,32862,00044,69713,18815,68715,68720,77124,46921,103
小石川区154,655141,307113,943106,877118,774105,664105,17096,44024,90139,35339,35343,44451,89147,802
本郷区146,146129,686105,85198,103108,88295,73455,42155,42138,15239,82039,82049,30455,27650,710
下谷区189,191169,426134,426125,366136,919123,30348,93749,80149,80147,48247,48259,98870,80764,939
浅草区271,063233,991185,818170,433190,139161,24122,34028,65021,88022,58322,58324,58131,43331,290
本所区273,407241,049186,109166,615186,693165,45310,30010,0078,9938,9938,99312,75317,15214,618
深川区226,754210,853168,873157,264167,437155,06116,00015,63813,55213,20113,20114,09420,67616,067
品川区231,303214,274166,376152,437171,729149,853126,937126,937103,0008,064108,06489,782105,94394,266
目黒区198,795202,533173,120165,424148,420164,329158,625138,605118,00073,575118,000121,333141,21053,126
荏原区188,100181,497146,736130,182247,252127,706114,87793,99375,00059,67359,67353,70863,214159,881
大森区278,985297,761241,070229,242207,576226,019220,000194,959183,697156,000156,000160,865186,60558,644
蒲田区252,799267,023203,448198,067291,989196,10470,44075,00069,04069,04069,04052,13565,286287,851
世田谷区281,804303,473277,510272,830180,579272,073212,463311,835227,173235,595172,500276,450311,753122,507
渋谷区256,706339,499197,563187,124202,434187,345180,000183,00096,66291,53791,53884,06798,06888,546
淀橋区189,152175,957143,156134,099144,386132,84196,61996,61967,03042,92042,92051,09063,03549,792
中野区214,117216,724183,955176,770193,337174,370166,982147,079139,950127,237126,793124,011141,226142,487
杉並区245,435259,746228,910214,962242,244211,455210,416207,776184,856184,896184,856211,229245,886215,412
豊島区312,209302,057250,952236,415260,805233,25468,02365,000106,502106,502106,50292,192109,48392,536
滝野川区130,705125,035100,48194,888103,87893,25825,30042,91635,50232,99632,99636,49441,89038,135
荒川区351,281334,380262,780248,707243,899244,69052,00079,74780,48076,43676,43684,010100,581237,712
王子区220,304216,517168,681159,539174,164157,704132,000110,000103,984105,143105,143101,807117,840102,049
板橋区233,115271,226163,656238,174272,896234,920164,334218,110131,000180,75298,752217,974245,32284,746
足立区231,246250,553222,530216,890254,664214,543184,124184,124158,700157,510157,510172,437198,856181,630
向島区206,402197,065157,121147,289163,932143,55573,72473,04656,00056,00356,00364,84277,70973,432
城東区192,400185,474143,043126,547164,887122,83513,0008,8258,8699,5769,57611,11414,792160,105
葛飾区153,041181,574166,652162,472142,549161,107170,000185,000150,614150,614150,614171,557196,28227,974
江戸川区177,304194,509173,636162,066169,744160,218143,129143,129126,945127,998127,598146,497162,613142,293
練馬支所82,50082,000
玉川支所63,09563,095
不一致91394,46010-5,994-11,000-5,00099,561

●S15.10.1:国勢調査による現在人口。
●S19.2.2:『東京都戦災誌』引用の昭和19年人口調査による銃後の現在人口で、合計に不一致があります。
●S19.11.?:『東京都戦災誌』引用の都民調査による人口で、合計に不一致があります。
●S19.?:『都政十年史』引用の東京都防疫年鑑による人口で、おそらく昭和20年末の数字で、合計に不一致があります。
●S19.12.31:『第五十四回 警視庁統計書』記載の現住人口。
●S20.2.?:『東京都戦災誌』引用の都民調査による人口で、合計に不一致があります。
●S20.4.20:『東京都戦災誌』引用の防衛局企画課防空通信係による人口。
●S20.5.?:『東京都戦災誌』引用の戦援調査による人口で、合計に不一致があります。
●S20.5.27:『東京都戦災誌』引用の防衛局企画課防空通信係による人口で、合計に不一致があります。
●S20.6.?:『東京都戦災誌』引用の民政局戦時援護課による人口で、合計に不一致があります。なお、以下の昭和20年6月10日の人口と同じなのかもしれませんが、細部に異なる点があるので別としました。
●S20.6.10:『東京都戦災誌』引用の帝都防空本部による推定人口。
●S20.11.1:昭和20年人口調査による軍人等を除いた現在人口。
●S20.?:『都政十年史』引用の東京都防疫年鑑による人口で、おそらく昭和20年末の数字。
●S20.12.31:『第五十五回 警視庁統計書』記載の現住人口。

現時点ではここからさらに元資料にたどり着くことはできておりません。

昭和19年頭には銃後人口だけで700万人近くいた東京35区の人口が、昭和19年末には500万人に減り、空襲開始と共に激減し、終戦時には250万人前後に減り、その後昭和20年末には300万人近くに復帰したようです。

【追記】上表で昭和20年末の警視庁調査の現住人口の入力に誤りがあったので訂正しました。警視庁による現住人口も、それほど実態とは離れてなかったようです。
[85673] 2014年 6月 1日(日)03:25:41YT さん
1950年~1965年の琉球の面積の問題点
[85624]でもまとめたように、1975年以降の国勢調査報告書では、1950年~1965年の沖縄の面積はほぼ一貫して2,388.22 km2であったとされております。しかしながら当時の琉球における国勢調査時の市町村別面積の内訳に関しては、色々問題があり、これが正解というものがありません。とりあえず複数の資料による当時の琉球の市町村別面積(単位:km2)をまとめると以下の通りです。なお1950年の奄美群島の市町村別面積については別の問題があり、これについては別個考察します。

資料S10面積調S15県統S25要覧(戦前)S25要覧(戦後)S25国勢S30琉統S35国勢S40国勢
全琉球(奄美を除く)2,388.242,388.242,388.222,388.222,388.22
沖縄県2,386.242,386.242,388.24
全琉球の補正面積-1.27
沖縄群島1,498.661,498.661,500.691,500.691,500.691,500.671,500.671,500.67
沖縄群島の補正面積-1.24
南部地区369.91369.90
那覇市5.115.115.116.2320.9734.4435.68
首里市2.452.452.452.45
島尻郡404.98404.98407.00361.23
島尻郡の補正面積6.70
小禄村12.2912.2912.29
真和志市13.47
真和志村14.5914.5913.47
南部地区335.46335.46
豊見城村18.1518.1518.1518.1518.1518.15
糸満町1.821.821.821.821.8245.34
兼城村10.1610.1610.1610.1610.16
三和村24.1224.1224.12
真壁村10.2910.29
喜屋武村6.186.18
摩文仁村7.657.65
高峰村9.249.249.249.249.24
東風平町15.0215.0215.0215.0215.0215.02
具志頭村12.5712.5712.5712.5712.5712.57
玉城村16.6716.9716.6716.6716.6716.67
知念村10.4110.4110.4210.4110.4110.41
佐敷村10.9010.9010.9010.9010.9010.90
与那原町4.894.894.894.89
大里村17.0117.0112.1212.1212.1212.12
南風原村11.1711.1711.1711.1711.1711.17
仲里村42.8342.8342.8342.8342.8342.83
具志川村25.8225.8227.8227.8227.8227.82
鳥島
渡嘉敷村26.4426.4426.4426.4426.4426.44
座間味村19.5712.5719.5719.5719.5719.57
粟国村9.799.799.799.799.799.79
渡名喜村5.815.815.815.815.815.81
大東島45.9645.96
南大東村25.9125.9125.9125.91
北大東村20.0520.0520.0520.05
伊平屋村44.6444.64
伊是名村
中部地区287.80287.79287.79287.79
石川市19.1419.1419.1419.14
中頭郡287.79287.79287.80268.66
美里村42.9942.9923.8523.8523.8523.85
与那城村24.8324.8324.8324.8324.8324.83
勝連村13.6313.6313.6313.6313.6313.63
具志川村32.8232.8232.8232.8232.8232.82
コザ市24.2924.29
越来村24.2924.2924.2924.29
読谷村37.1037.0937.0937.09
読谷山村37.0937.09
嘉手納村15.9515.9515.9515.95
北谷村29.1029.1013.1513.1513.1513.15
北中城村11.9211.9211.9211.92
中城村27.9227.9216.0016.0016.0016.00
宜野湾市18.48
宜野湾村18.5218.4818.4818.4818.48
西原村18.4818.5218.5218.5218.5218.52
浦添村18.1218.1218.1218.1218.1218.12
北部地区842.98842.98842.98842.98
国頭郡798.33798.33798.33842.98
国頭郡の補正面積-30.0162.58
国頭村196.03196.03196.03196.03196.03196.03
大宜味村63.9163.9163.9163.9163.9163.91
東村67.3597.3567.3567.3567.3567.35
羽地村68.8068.8062.9462.9462.9462.94
屋我地村5.865.865.865.86
今帰仁村41.5041.5041.5041.5041.5041.50
上本部村11.1611.1611.1511.16
本部町44.8144.8144.8144.81
本部村55.9755.97
屋部村20.3720.3720.3720.37
名護町66.8666.8646.4946.4946.4946.49
恩納村52.0452.0552.0552.0552.4852.05
久志村92.4892.4892.4892.4829.4892.48
宜野座村29.8829.8829.8829.88
金武村69.4169.4139.5339.5339.5339.53
伊是名村11.4111.4111.4111.41
伊平屋村33.2333.2333.2333.23
伊江村23.9823.9823.9823.9823.9823.98
宮古地区250.01250.01250.01250.01250.01250.02
宮古郡250.02250.02250.01
宮古郡の補正面積-0.01-0.01
平良市72.2972.2972.29
平良町72.2972.29
下地町・上野村48.6848.68
下地町48.6848.6825.65
上野村23.03
城辺町60.9260.9260.92
城辺村60.9260.92
伊良部村38.5338.5338.5338.5338.53
多良間村29.6029.6029.6029.6029.60
八重山地区637.54637.54637.54637.54637.54637.56
八重山郡637.56637.56637.54
八重山郡の補正面積-0.02-0.02
石垣市92.5792.57235.36
石垣町92.5792.57
大浜町142.79142.79
大浜村142.79142.79
竹富町372.42372.42372.42
竹富村372.42372.42
与那国町29.7829.7829.78
与那国村29.7829.78
奄美群島1,289.041,289.041,289.00
全琉球(奄美を含む)3,677.283,677.283,677.24

各資料は以下の通りです。

●S10面積調:『昭和十年 全国市町村別面積調』
島尻郡鳥島の面積は「?」となっています。

●S15県統:『昭和十五年 沖縄県統計書 第一編』
『昭和十四年 沖縄県統計書 第一編』が閲覧できませんでしたが、その変わりに『昭和十五年 沖縄県統計書 第一編』が閲覧できましたので、代わりに本表にまとめます。備考によると
備考 鳥島ハ未測量ノ為メ本表面積ニ包含セズ
とあり、鳥島の覧は空欄となっております。このほか、郡別面積と町村別面積の合計が一致しない箇所が多々あり、その幾つかの市町村別面積は誤植と判断可能ですが(島尻郡玉城村、島尻郡座間味村、国頭郡恩納村)、とりあえずそのまま載せます。注目するべき点は、昭和十年 全国市町村別面積調』に比べて中頭郡宜野湾村と西原村の面積が入れ替わり、国頭郡恩納村の面積が0.01km2増えている点です。

●S25要覧:『1950年版 沖縄群島要覧』
那覇市の面積を5.11km2とする戦前の面積の表と、那覇市の面積を6.23km2とする戦前の面積の表の二種類が掲載されております。前者については宮古地区、八重山地区、および奄美群島に関しては総面積のデータがあるものの、市町村別面積を掲載する後者の表は、沖縄群島の市町村別面積のみで、宮古地区、八重山地区、および奄美群島の市町村別面積のデータは掲載されておりません。また後者の表では、既に伊是名村、伊平屋村の面積が国頭郡の面積に含まれていることになっております。前者の表によると

イ,沖縄県総面積,戦前の分2,386.24平方粁は鳥島(硫黄)2方粁を含有せざりしに付,今回包含せしめたり。宮古,八重山の面積を控除した沖縄の分総面積1500.69粁中に鳥島の2方粁は含有せり。

戦前沖縄県総面積が154.718方里なりしも今回総面積が154.848方里(方粁,エーカー,坪等も之に順ず)となれるは鳥島(硫黄)の面積0.13方里が戦前の分に包含せざるを本表に包含せしめたるによる。

「鳥島の面積2.00 km2が増えたので、沖縄県の面積が2,386.24 km2から2,388.24 km2に増えた」と単純そうに見えますが、よく見ると『昭和十年 全国市町村別面積調』に比べて、沖縄群島が2.03 km2増え、宮古郡が0.01 km2減り、八重山郡の面積が0.02km2減っています。沖縄群島で増えた0.03 km2の内訳は、中頭郡読谷村が中頭郡読谷山村に比べて0.01 km2、島尻郡知念村が0.01 km2、そして前述の国頭郡恩納村が0.01 km2増え、中頭郡西原村と宜野湾村の面積が入れ替わっています。また島尻郡真和志村の内1.12 km2が那覇市に異動となっています。


●S25国勢:『琉球統計報告 1952年 第2巻 第5号』
昭和25年の琉球の国勢調査には、市町村別面積は掲載されておりませんが、地区別面積が掲載されており、その面積は上述の『1950年版 沖縄群島要覧』の面積と同一です(奄美群島を除く)。脚注によると
1、面積は参謀本部陸地測量部の5万分の1の地形上における1940年1月26日の調査を基礎にして算出したものである。
2、沖縄郡島の面積は、硫黄鳥島(2方粁)を含んだ数字である。
3、奄美群島の面積には、十島村(18.39方粁)を含む。
なお昭和30年の琉球の国勢調査報告書にも市町村別面積の記載はありません。

●S30琉統:『第1回 琉球統計年鑑 1955/56年』
沖縄で復活した地方統計書の最初の巻ですが、
面積は主として昭和14年沖縄県統計書(第1編, 内務)による1939年12月末現在の数字で、( )内の数字は沖縄郡島要覧(1950年版)による数字で、鳥島(硫黄)の面積0.13方里(2.00方粁)を含む。
とあります。主な相違点としては、中頭郡読谷村と島尻郡知念村の面積は『昭和十年 全国市町村別面積調』における面積が採用されているため、『1950年版 沖縄群島要覧』に比べて面積が0.02 km2減っています。また八重山地区・宮古地区は最初から合計が異なることが前提で、町村別面積合計の面積と地区別面積の双方が並べて示されています。

●S35国勢:『1960年国勢調査報告 人口編 第1巻 総括編 その1』
琉球の国勢調査報告書としては初めて市町村別面積の記載があります。
面積は1939年12月末(昭和14年沖縄県統計書第1編内務)による数字で()内の数字は沖縄郡島要覧(1950年版)による数字である。
とあり、八重山地区・宮古地区の面積は最初から合計が異なることが前提となっています。また北部地区の上本部村・恩納村・久志村の面積は誤植と思われますが、そのまま上表にまとめました。

●S40国調:『1965年臨時国勢調査報告』
昭和35年の国勢調査の面積と同じですが。
面積は主として、昭和14年沖縄県統計書(第1編, 内務)による1939年12月末現在の数字である。

沖縄総面積は1939年12月末現在(昭和14年沖縄県統計書第1編内務)による数字であって、那覇地区旧市村別面積は那覇市統計書1966年版による1965年7月16日現在の数字である。
とあり那覇市の面積は合計が合わなかろうが、1.24 km2増えています。また八重山地区と宮古地区の面積は、市町村別面積の合計通りとなっています。

と、こんな感じで琉球の国勢調査は誤植も多く、面積も細かいところで多々合計の不一致があります。昭和25年~昭和40年の面積として2,388.22 km2を採用するのであれば、『第1回 琉球統計年鑑 1955/56年』及び『1960年国勢調査報告 人口編 第1巻 総括編 その1』をベースとし、宮古・八重山については合計0.03 km2分を誤差として計上するしかないことになります。

昭和10年の面積調2,386.24 km2 + 硫黄鳥島 2.00 km2 = 2,388.24 km2をベースとするのなら、宮古・八重山の市町村別面積合計で増えた分0.03 km2 - 恩納村で増えた分 0.01 km2 = 0.02 km2 が2,286.22 km2との差として処理することも可能です。
[85659] 2014年 5月 29日(木)00:48:57【2】YT さん
国勢調査における昭和25年以降の市区町村に含まれない所属未定地の面積
[84549]でアップした中身について、
1920,1925,1930,1935,1940,1947,1950年の国勢調査人口を、1950年の国勢調査報告書を使って順次チェック(2~3ヶ月前後か?)
(2) 1955年以降の国勢調査人口をチェック(1ヶ月前後か?)
(3) 1948,1946,1945,1944年の常住人口、人口調査人口をチェック(2ヶ月前後か?)
(4) 1920年よりも前の現住人口チェック(各1ヶ月、合計5ヶ月か?)
といった感じで、多分全部のチェックには1年掛かるかも知れませんが、とりあえず現時点で一応形にはなりました。
という計画を立てましたが、(1)については昭和25年国勢調査報告書掲載の面積を入力しつつ終えましたが、昭和30年以降については面積の入力と人口のチェックの両立が困難だったため、とりあえず面積だけの入力を平成22年度分まで終えました。現在は『昭和十年年 全国市町村別面積調』の数字を入力しているところです。

昭和25年以降の国勢調査報告書に記載の面積は、建設省地理調査所→建設省国土地理院→国土交通省国土地理院による全国都道府県市区町村別面積調ですが、一部の境界未定地域については
一部境界未定のため,総務庁統計局において推定した。
として、統計局の判断で各市町村に面積を統合しております。それでも分割・統合がされていない地域が、昭和25年の諸地域([85604][85604]参照)、昭和35年の福井県大野郡旧石徹白村から岐阜県郡上郡白鳥町へ異動した地域、昭和35年~昭和50年の富山県下新川郡宇奈月町・朝日町の面積([85587]参照)、昭和40年の秋田県南秋田郡大潟村([85605]参照)です。そしてデータそのものにかなり問題があるのが、米国軍政下の琉球の国勢調査(これについては後で詳しく問題点をまとめる予定)です。また歯舞群島にからんで、過去の面積が修正されている問題と、竹島・北方領土の面積の取り扱いなどもあります([85623][85624])。

それはともかくとして、総務省統計局の方では、市町村に含まれない所属未定地の面積については、そのまま脚注に示し、市町村の面積には加えておらず、各郡別面積・市部面積・郡部面積・都道府県別面積・全国郡別面積・全国面積等で加算しております。オーナーグリグリさんが現時点での所属未定地を[85618]でまとめられていますが、それ以前の国勢調査における昭和25年以降の市区町村に含まれない所属未定地の面積を以下にまとめます(北方領土と竹島や、本土復帰前の小笠原・沖縄・奄美は除きます)。


都道府県支庁・郡等地域H22H17H12H7H2S60S55S50S45S40S35S30S25
北海道十勝総合振興局然別湖3.613.61
北海道(その他)風蓮湖57.7457.7457.5057.5057.50
北海道網走支庁サロマ湖150.35
青森県南津軽郡五郷村外錯雑地3.79
青森県(その他)小川原湖62.3062.3062.72
青森県上北郡小川原沼62.7262.26
青森県(郡部)十三湖20.5720.55
都道府県外(その他)十和田湖61.0261.0261.0261.0259.7759.7759.7759.7759.7759.7759.7759.86
宮城県玉造郡西大崎村外六ヶ村入会地5.57
秋田県(その他)八郎潟調整池の一部境界未定地域22.0222.0222.0222.0222.02
秋田県(その他)八郎潟の一部境界未定地域35.5935.59
秋田県(その他)八郎潟の一部境界未定の地域35.83
秋田県(その他)八郎潟36.36218.62219.23219.23
秋田県(郡部)八郎潟222.21
山形県東村山郡長崎町外三ヶ村入会地0.08
山形県東村山郡豊田村長崎町入会地0.36
山形県西置賜郡西根村平野村入会地105.96
福島県(その他)猪苗代湖103.32103.32103.87103.87103.87103.87103.96103.96103.96
福島県(郡部)猪苗代湖104.15
茨城県(その他)北浦35.1635.1635.16
茨城県(郡部)北浦35.16
茨城県(その他)霞ヶ浦167.63167.63167.63167.63
茨城県(郡部)霞ヶ浦の一部境界未定の地域19.7219.5419.5421.32
茨城県(郡部)霞ヶ浦の所属未定地21.3227.52
茨城県行方郡霞ヶ浦の所属不明地域67.28
茨城県行方郡霞ヶ浦30.97
茨城県真壁郡飛地0.08
千葉県(市部)市川市及び船橋市の境界地先の土地0.140.140.140.140.14
千葉県印旛郡印旛沼の所属不明地域5.49
千葉県印旛郡所属不明印旛沼15.19
千葉県君津郡秋元村三島村入会地0.25
東京都特別区部荒川河口の境界未定部1.151.151.151.151.15
東京都特別区部中央防波堤内側埋立地1.641.641.641.641.64
東京都特別区部中央防波堤外側廃棄物処理場2.012.012.012.012.01
東京都三宅島三宅村,阿古村及び坪田村の共有地5.52
東京都三宅島三ヶ村共有地5.48
東京都(郡部)鳥島4.794.794.794.794.794.414.414.414.414.414.65
東京都(郡部)ベヨネース列岩0.000.000.000.000.000.010.010.010.01
東京都(郡部)ベヨネイス列岩0.010.010.010.02
東京都(郡部)須美寿島0.020.020.020.020.020.030.030.030.030.030.030.030.05
東京都(郡部)嬬婦岩0.000.000.000.000.000.000.000.000.000.000.000.000.01
神奈川県足柄上郡南足柄町外隣接町村の組合地26.10
神奈川県足柄上郡北足柄村外九ヶ村組合地11.14
神奈川県足柄上郡南足柄村外九ヶ村組合地9.23
神奈川県足柄上郡岡本村外九ヶ村組合地5.44
神奈川県足柄下郡湯河町外一ヶ村入合地0.39
神奈川県足柄下郡宮城町村外隣接町村の入会地5.05
神奈川県足柄下郡宮城町村外七ヶ村組合地5.10
新潟県佐渡郡所属不明の加茂湖0.97
富山県下新川郡黒部国有林351.79
富山県東礪波郡庄川町外一村の入会地1.44
富山県東礪波郡庄川町外隣接町村の入会地1.44
富山県東礪波郡東山見村外一ヶ村入会地1.45
富山県西礪波郡石黒村吉江村入会地1.62
富山県西礪波郡西野尻村外隣接町村の入会地2.48
富山県西礪波郡東石黒村西野尻村入会地2.53
石川県(その他)河北潟21.2021.6421.7422.9023.0223.02
石川県珠洲郡河北潟22.85
石川県(その他)邑知潟3.963.96
石川県珠洲郡邑知潟3.964.74
石川県(その他)芝山潟の所属不明地域2.44
福井県大野郡西谷村外隣接町村の入会地2.52
福井県大野郡大野町外三ヶ村入会地2.47
山梨県東八代郡八代町及び石和町の入会地2.272.27
山梨県東八代郡花鳥村外隣接町村の入会地9.29
山梨県東八代郡花鳥村外五ヶ村入会地5.49
山梨県東八代郡旧岡村外二ヶ村入会地1.56
山梨県東八代郡増田村富士見村外二ヶ村入会地2.30
山梨県(郡部)本栖湖4.70
山梨県(その他)本栖湖4.70
山梨県西八代郡本栖湖4.704.704.70
山梨県北巨摩郡駒城村外二ヶ村入会地38.11
長野県(その他)諏訪湖14.0614.0614.0614.1614.1614.16
長野県諏訪郡諏訪湖14.45
長野県上伊那郡美篶村高遠町錯雑地0.11
都道府県外(郡部)岐阜県郡上郡白鳥町に編入された福井県大野郡旧石徹白村の一部77.32
岐阜県安八郡旧北平野村3.76
岐阜県加茂郡旧富岡村10.23
静岡県賀茂郡天城御料地78.21
静岡県田方郡棚塩山御料地4.06
静岡県田方郡天城御料地73.61
静岡県駿東郡小山町外二ヶ村入会地0.66
静岡県富士郡富士御料地28.61
静岡県引佐郡猪鼻湖5.485.485.485.57
静岡県(その他)浜名湖及び猪鼻湖68.7968.8069.2769.33
静岡県(その他)浜名湖64.9764.9764.9764.9764.2664.89
静岡県(郡部)浜名湖64.8970.74
愛知県(その他)名古屋港口埋立地1.141.141.141.141.14
都道府県外(その他)三重県及び愛知県にまたがる木曽岬干拓地ほか4.524.52
三重県一志郡嬉野町外隣接町村の入会地5.83
三重県一志郡豊地村外三ヶ村入会地5.98
三重県北牟婁郡紀伊長島町と海山町の入会地0.180.180.180.180.160.160.160.16
三重県北牟婁郡長島町及び海山町の入会地0.160.160.16
三重県北牟婁郡長島町及び桂城村入会地0.14
滋賀県(その他)琵琶湖670.25670.25670.33670.49672.36673.77673.90685.49693.46694.50694.50
滋賀県(郡部)琵琶湖695.47
京都府(その他)阿蘇海4.814.814.914.914.915.005.005.00
京都府与謝郡阿蘇海5.215.215.215.215.19
京都府熊野郡久美浜湾7.137.137.137.30
大阪府(市部)和泉大津市及び高石市の境界部地先海面の埋立地0.53
大阪府南河内郡河内村及び白木村の錯雑地1.63
大阪府南河内郡河内村白木村錯雑地1.63
大阪府南河内郡中村及び河内村の錯雑地0.97
大阪府南河内郡中村及び河内村錯雑地0.93
奈良県北葛城郡陵西村外隣接町村の入会地1.01
奈良県北葛城郡陵西村外三村入会地0.93
和歌山県伊都郡妙寺町信太村入会地0.54
鳥取県東伯郡東郷池4.084.084.084.174.174.174.174.174.184.184.32
都道府県外(その他)境水道2.13
都道府県外(その他)中海86.7997.7198.4699.0199.12100.38101.67101.67
島根県簸川郡旧乙立村27.11
島根県(その他)中海内の堤防等0.47
島根県(その他)宍道湖79.0879.1679.6679.7079.7080.3681.0381.8181.8182.32
岡山県(市部)児島湖7.13
岡山県(その他)児島湖7.137.137.137.13
岡山県(その他)児島湾干拓第7区16.65
山口県(市部)宇部市及び小野田市境界部地先海面の埋立地0.000.00
山口県豊浦郡鷹の羽国有林3.89
鹿児島県(市部)鷹島0.04
鹿児島県(郡部)鷹島0.040.040.040.04
鹿児島県(市部)津倉瀬0.01
鹿児島県(郡部)津倉瀬0.010.010.010.01
鹿児島県川辺郡所属未定地1.611.611.61
鹿児島県大島郡横当島3.88
沖縄県(その他)うるま市及び国頭郡金武町の境界部地先海面の埋立地0.180.18
沖縄県(その他)石川市及び国頭郡金武町の境界部地先海面の埋立地0.180.180.18

「都道府県外」とは、都道府県の面積には加算はされていないが、全国の面積には加算されていることを意味します。
「(郡部)」とは、特定の郡・支庁に面積は加算されていないが、その都道府県の郡部面積には加算されていることを意味します。なお昭和35年の「岐阜県郡上郡白鳥町に編入された福井県大野郡旧石徹白村の一部」の面積は、都道府県別面積には加算はされていませんが、全国の郡部面積には加算されています(よって[85587]の郡部合計は誤りです)。
「(市部)」とは、その都道府県の市部面積に加算されていることを意味します。
「(その他)」とは、その都道府県の市部・郡部面積には加算はされていないが、その都道府県の面積や、あるいは全国の面積には加算されてることを意味します。

【追記】面積の単位はkm2です。それにしても平成22年の国勢調査の面積でも丸め誤差が発生しておりませんね。小数点以下第3位で四捨五入しているとすると、本当の面積のデータは±0.005 km2の範囲に存在し、四捨五入後の値との誤差の絶対値の平均は0.0025 km2となります。2000前後の自治体でこの誤差を合算すると、二項分布を考えれば全国の面積合計で√2000 × 0.0025 ≒ 0.11 km2程度の丸め誤差は出て当たり前のはずですが、そのような誤差は見当たりません。

ということは、面積の処理では単純な四捨五入ではなく、合計に端数が出ないように微妙な調整をしているということになりますね。
[85625] 2014年 5月 18日(日)01:16:18【1】YT さん
昭和19年人口調査の東京都内人口について追記
[85612]について、昭和19年2月22日調の東京都の人口調査の結果が載っていないかと、昨日、立川の多摩都立図書館に行き、昭和19年から昭和21年までの東京都公報・警視庁公報のマイクロフィルムを閲覧しましたが、残念ながら人口に関する資料は全く載っておりませんでした。

改めて当時の新聞記事を確認すると、毎日新聞昭和20年10月14日東京朝刊1頁によると

わが国の実人口は去る昭和十五年十月一日施行による国勢調査の結果を「軍密」といふ深いヴェールの中に厳重に包んでしまひ、また昨年二月一日現在で行った人口調査も勿論未発表なので内務省は実人口の急速なる調査の必要に応ずるため内閣統計審議会の手で昨十九年二月一日施行された人口調査の数字を基準に各種資料を換算、なほ応召、入密軍人の復員完了を想定する等苦心調査の結果、こゝに本年八月末現在でわが国の人口が五年ぶりで明らかにされた
細かい日付が間違っていますが、どうやら昭和19年2月22日の人口調査の結果は、少なくとも終戦まで公表された事実はないようです。

一方読売新聞昭和20年11月22日の記事によると、「統計局」が昭和20年11月21日に、昭和20年11月1日調の人口調査の結果の速報を公表し、昭和19年の人口調査7247万3836人に対し、47万7359人減の7199万6477人だったと報告されています。

ここで昭和19年人口調査の人口とされている「7247万3836人」は、[82202]でまとめた補正後の人口総数7345万6141人から、樺太と沖縄県の人口を除いた数字に相当します。

一方昭和20年人口調査の速報値とされている「7199万6477人」は、官報で昭和20年11月26日付に公表された数字と一致しますが、官報の方には11月22日の朝日新聞の記事([85612])にあったような人口の増減は記載されておりません。[82196]にまとめたように、その後に公表された数字は一部改訂されています。

現時点で推測されることは、どうも昭和20年11月21日に、内閣統計局が昭和20年の人口調査の速報値の資料をマスメディアに公表したが、そこには少なくとも県・市・区レベルでの昭和19年人口調査と比べての人口増減が載っていたらしいということです。ただしこの段階で公表されているのはおそらく郡市区別人口までで、郡内の町村別人口の資料はおそらく公表されていません。

となると、国立公文書館で[82278]に書いたような昭和19年の人口調査資料を調べたのが間違いで、昭和20年の人口調査資料の方に、人口の増減が載っている可能性が残っており、調べるべきは昭和20年の人口調査資料ということになります。[76192]でむっくんさんに紹介して頂いた「昭和二十年人口調査ノ結果ニ拠ル昭和二十年十一月一日現在ノ都道府県郡島嶼市区町村別人口」(pdf)には、残念ながら人口の増減は載っておりません。また「昭和二十年人口調査ノ結果ニ拠ル昭和二十年十一月一日現在ノ都道府県郡島嶼市区別人口」(pdf)というのもオンラインで閲覧できますが、こちらにも人口の増減までは書かれておりません。
[85624] 2014年 5月 17日(土)01:57:36【4】YT さん
国勢調査における面積の遡及データの取り扱いの問題点:昭和60年の歯舞群島の面積改定の問題
沖縄県が復帰した後の昭和50年(pdf)と昭和55年(pdf)の国勢調査では、北方領土と竹島への意識が強く働いたのか、国勢調査の遡及データを含め、日本が実効支配していない地域の面積を含めて合計の数字を記載するようになります。その一方で人口密度を計算する際には、北方領土と竹島の面積を除いて計算するというルールが現在まで続いています。このほか、三島村・十島村は鹿児島県大島郡から鹿児島県鹿児島郡所属に変更、隠岐島穏地郡は隠岐郡となり、過去の遡及データも所属郡が変更されて再計算されています。

地域昭和15年昭和20年昭和25年昭和30/35年昭和40年昭和45年昭和50年昭和55年
北海道88,775.0483,455.4383,481.8183,504.4283,507.3583,509.0383,512.8783,516.57
 得撫郡, 新知郡及び占守郡5,319.61
 択捉島 (紗那村, 留別村, 蘂取村)3,139.003,139.003,139.003,139.003,139.003,139.003,139.003,139.00
 国後島 (泊村, 留夜別村)1,500.041,500.041,500.041,500.041,500.041,500.041,500.041,500.04
 色丹島 (色丹村)255.12255.12255.12255.12255.12255.12255.12255.12
 根室市536.88536.88536.88504.81504.88518.52518.82518.91
  歯舞群島 (水晶島, 勇留島, 秋勇留島, 志発島, 多楽島)101.59101.59101.59101.59101.59101.59101.59101.59
  その他の地域435.29435.29435.29403.22403.29416.93417.23417.32
 その他の地域78,024.3978,024.3978,050.7778,105.4578,108.3178,096.3578,099.8978,103.50
東京都2,144.802,148.492,137.262,133.032,135.112,141.112,145.382,156.35
 小笠原村102.94106.14106.14106.14106.14106.14106.14106.14
 その他の地域2,041.862,042.352,031.122,026.892,028.972,034.972,039.242,050.21
島根県6,624.606,624.426,626.296,625.266,625.956,626.126,626.806,627.41
 隠岐郡348.03348.03347.84347.94347.94347.97348.15348.23
  五箇村51.8651.8651.6751.8051.8051.8051.9751.98
   竹島0.230.230.230.230.230.230.230.23
   その他の地域51.6351.6351.4451.5751.5751.5751.7451.75
  その他の地域296.17296.17296.17296.14296.14296.17296.18296.25
 その他の地域6,276.576,276.396,278.456,277.326,278.016,278.156,278.656,279.18
鹿児島県9,103.819,170.977,913.229,140.179,141.589,144.979,153.389,162.81
 奄美群島 (那瀬市及び大島郡)1,270.611,237.051,237.051,237.131,237.821,238.301,238.83
 鹿児島郡105.59206.31205.57205.61205.61205.61205.61205.61
  三島村 (硫黄島, 竹島, 黒島)31.6131.6131.6131.6131.6131.6131.61
  十島村及び横当島 (吐噶喇列島)18.4387.5487.5487.5487.5487.5487.5487.54
  その他の地域87.1687.1686.4286.4686.4686.4686.4686.46
 その他の地域7,727.617,727.617,707.657,697.517,698.847,701.547,709.477,718.37
沖縄県2,386.242,388.223,625.272,388.222,388.222,239.222,245.872,249.91
その他42府県273,510.93273,510.44273,315.23273,359.98273,468.96273,648.23273,850.69273,995.04
全国382,545.42377,297.97377,099.08377,151.08377,267.17377,308.68377,534.99377,708.09

昭和50年、昭和55年の国勢調査の面積の遡及データを確認したことにより、実行支配していない地域の過去の面積については、実効支配に復帰した直後の面積で代用する(沖縄県を除く)という方針が定まっているのかと思いました。しかしならが昭和60年の国勢調査報告書を読んだ時(以下の面積の遡及データはオンラインでは確認できない)、この方針が破られていることに気づきました。


地域昭和15年昭和20年昭和25年昭和30/35年昭和40年昭和45年昭和50年昭和55年昭和60年
北海道88,775.0483,455.4383,481.8183,504.4383,507.3683,509.0483,512.8783,516.5783,519.22
 得撫郡, 新知郡及び占守郡5,319.61
 択捉島 (紗那村, 留別村, 蘂取村)3,139.003,139.003,139.003,139.003,139.003,139.003,139.003,139.003,139.00
 国後島 (泊村, 留夜別村)1,500.041,500.041,500.041,500.041,500.041,500.041,500.041,500.041,500.04
 色丹島 (色丹村)255.12255.12255.12255.12255.12255.12255.12255.12255.12
 根室市536.88536.88536.88504.82504.89518.53518.82518.91519.03
  歯舞群島 (水晶島, 勇留島, 秋勇留島, 志発島, 多楽島)101.60101.60101.60101.60101.60101.60101.60101.60101.60
  その他の地域435.28435.28435.28403.22403.29416.93417.22417.31417.43
 その他の地域78,024.3978,024.3978,050.7778,105.4578,108.3178,096.3578,099.8978,103.5078,106.03
東京都2,144.802,148.492,137.262,133.032,135.112,141.112,145.382,156.352,162.34
 小笠原村102.94106.14106.14106.14106.14106.14106.14106.14106.18
 その他の地域2,041.862,042.352,031.122,026.892,028.972,034.972,039.242,050.212,056.16
島根県6,624.606,624.426,626.296,625.266,625.956,626.126,626.806,627.416,628.42
 隠岐郡348.03348.03347.84347.94347.94347.97348.15348.23348.42
  五箇村/隠岐の島町51.8651.8651.6751.8051.8051.8051.9751.9851.98
   竹島0.230.230.230.230.230.230.230.230.23
   その他の地域51.6351.6351.4451.5751.5751.5751.7451.7551.75
  その他の地域296.17296.17296.17296.14296.14296.17296.18296.25296.44
 その他の地域6,276.576,276.396,278.456,277.326,278.016,278.156,278.656,279.186,280.00
鹿児島県9,103.819,170.977,913.229,140.179,141.589,144.979,153.389,162.819,165.03
 奄美群島 (那瀬市及び大島郡)1,270.611,237.051,237.051,237.131,237.821,238.301,238.831,239.38
 鹿児島郡105.59206.31205.57205.61205.61205.61205.61205.61205.63
  三島村 (硫黄島, 竹島, 黒島)31.6131.6131.6131.6131.6131.6131.6131.61
  十島村及び横当島 (吐噶喇列島)18.4387.5487.5487.5487.5487.5487.5487.5487.54
  その他の地域87.1687.1686.4286.4686.4686.4686.4686.4686.48
 その他の地域7,727.617,727.617,707.657,697.517,698.847,701.547,709.477,718.377,720.02
沖縄県2,386.242,388.223,625.272,388.222,388.222,239.222,245.872,249.912,254.17
その他42府県273,510.93273,510.44273,315.23273,359.98273,468.96273,648.23273,850.69273,995.04274,071.96
全国382,545.42377,297.97377,099.08377,151.09377,267.18377,308.69377,534.99377,708.09377,801.14

昭和60年の国勢調査では、歯舞群島の面積が101.59 km2から101.60 km2に改定されています。それだけでなく、過去の歯舞群島の面積も101.60 km2に改定されています。その結果、まず昭和15年の現根室市境域内の内歯舞群島を除く面積が0.01 km2減らされています。まあこれは『昭和十年 全国市町村別面積調』の面積が165.00 km2なので、そこから歯舞群島分の面積を引いたということで、トータルで±ゼロということでいいでしょう。

しかしながら、昭和25年の現根室市境域内の内歯舞群島を除く面積が0.01 km2減らされています。これは昭和25年の国勢調査報告書の面積を、30年以上後になって改定した行為に相当します。一方で昭和30年~45年までの面積は、歯舞群島の面積のみに0.01 km2を加算した結果、総数も0.01 km2増えております。昭和50年以降は国勢調査自体が北方領土の面積を含める表記となったので、現根室市境域内の内歯舞群島を除く面積が0.01 km2減らされていますが、根室市のトータルの面積は過去の国勢調査のままを保ちます。なぜ昭和60年の段階で、歯舞群島の面積を0.01 km2に改定しただけでなく、その過去の面積まで変えてしまったのか、しかも過去の国勢調査における実効支配内の市区町村の面積まで変えてしまうような改定を中途半端に行ったのか、たかが0.01 km2ですので丸め誤差の範疇ですが、その理由がわかりません。

なお平成2年以降の国勢調査の面積の遡及データは以下の通りですが、昭和60年以前の面積の遡及データを変更することなく現在まで続いています。竹島や北方領土の面積は頻繁に改定されているようですが、昭和60年の歯舞群島の面積改定とは異なり、過去の面積にまで修正がなされていません。

地域平成2年平成7年平成12年平成17年平成22年
北海道83,408.3583,451.5983,453.0483,455.7383,456.87
 得撫郡, 新知郡及び占守郡
 択捉島 (紗那村, 留別村, 蘂取村)3,139.003,184.043,184.043,184.043,184.04
 国後島 (泊村, 留夜別村)1,500.041,498.831,498.831,498.831,498.83
 色丹島 (色丹村)255.12253.33253.33253.33253.33
 根室市514.21512.62512.64512.60512.72
  歯舞群島 (水晶島, 勇留島, 秋勇留島, 志発島, 多楽島)101.6099.9499.9499.9499.94
  その他の地域412.61412.68412.70412.66412.78
 その他の地域77,999.9878,002.7778,004.2078,006.9378,007.95
東京都2,183.262,186.622,186.902,186.962,187.50
 小笠原村104.41104.41104.41104.41104.41
 その他の地域2,078.852,082.212,082.492,082.552,083.09
島根県6,626.246,706.706,707.296,707.566,707.95
 隠岐郡345.88345.97346.04346.19346.22
  五箇村/隠岐の島町52.3952.3952.39242.97242.95
   竹島0.230.230.230.230.21
   その他の地域52.1652.1652.16242.74242.74
  その他の地域293.49293.58293.65103.22103.27
 その他の地域6,280.366,360.736,361.256,361.376,361.73
鹿児島県9,183.269,185.999,186.719,187.699,188.78
 奄美群島 (那瀬市及び大島郡)1,238.661,239.791,240.021,240.231,240.39
 鹿児島郡219.69219.70219.70132.71132.71
  三島村 (硫黄島, 竹島, 黒島)31.3631.3631.3631.3631.36
  十島村及び横当島 (吐噶喇列島)101.35101.35101.35101.35101.35
  その他の地域86.9886.9986.99
 その他の地域7,724.917,726.507,726.997,814.757,815.68
沖縄県2,264.002,266.042,271.302,274.592,276.15
その他42府県274,072.00274,032.47274,067.82274,102.25274,132.85
全国377,737.11377,829.41377,873.06377,914.78377,950.10

この場合、昭和60年の国勢調査における歯舞群島の面積の改定に伴う、過去の面積の遡及データの改定は無かったものとして集計するべきなのでしょうか?

なお米軍占領下の琉球政府の国勢調査の面積については、追加修正で対応するしかない問題が見つかりましたが、これについては項を改めて後日まとめます。
[85623] 2014年 5月 17日(土)01:52:33【3】YT さん
国勢調査における面積の遡及データの取り扱いの問題点:遡及改定をどこまで考慮するべきか
国勢調査報告書に載っている面積を入力して行く内に、人口データでは余り意識を払わなかった問題が、面積データの場合にはそれなりに重要な問題と成り得ることが判りました。それは、国勢調査報告書に載っている面積が、その対象年度の国勢調査時における面積と、その後に出版された国勢調査に収録されている遡及データとしての過去の国勢調査時における面積とが一致しないケースが多々ある点です。特に問題となるのは、領土問題等で面積のデータが不足しているケースです。

まず『昭和25年 国勢調査報告 第8巻 最終報告書』記載の昭和25年の調査地域及び昭和15年以前の調査地域は以下の通りです。

地域昭和15年以前の調査地域昭和25年の調査地域
旧版図675,313.35368,284.15
 旧内地 (樺太を除く)382,470.03368,284.15
  沖縄県を除く46都道府県380,083.79368,284.15
   北海道88,801.4278,486.06
    根室支庁13,805.813,490.45
     泊村538.99
     留夜別村961.05
     色丹村255.12
     紗那村959.53
     留別村1,429.73
     蘂取村749.74
     得撫島1,468.68
     新知郡540.79
     占守郡3,310.14
     歯舞村165.0063.41
      水晶島, 勇留島, 秋勇留島, 志発島および多楽島101.59
      その他の地域63.4163.41
     その他の地域3,427.043,427.04
    その他の地域74,995.6174,995.61
   東京都2,134.062,031.12
    八丈支庁82.3982.39
     宇津木村1.511.51
     島打村1.711.71
     青ヶ島5.295.29
     鳥島4.654.65
     その他の地域69.2369.23
    小笠原102.94
    その他の地域1,948.731,948.73
   島根県6,627.366,626.06
    穏地郡348.91347.61
     五箇村52.7451.44
      竹島1.30
      その他の地域51.4451.44
     その他の地域296.17296.17
    その他の地域6,278.456,278.45
   鹿児島県9,205.727,825.68
    大島郡1,411.6531.61
     十島村115.3931.61
      硫黄島, 竹島および黒島31.6131.61
      その他の地域83.78
     横当島3.88
     その他の地域1,292.38
    その他の地域7,794.077,794.07
   その他の42府県273,315.23273,315.23
  沖縄県2,386.24
 外地292,843.32
  樺太36,090.30
  朝鮮220,791.81
  台湾35,961.21
旧版図外5,611.25
 関東州3,462.45
 南洋群島2,148.80
合計680,924.60368,284.15

ここで「昭和15年以前の調査地域」とありますが、総面積の368,284.15 km2自体、京都府に関する面積改定
(A) 昭和28年9月に市町村面積の改測を行った結果第一巻に掲載の面積より市部(1.14方粁減)、郡部(3.09方粁増)、県計(1.95方粁増)がそれぞれ増減している。
が反映されておりますし、鹿児島県大島郡十島村の総面積である115.39 km2も、『昭和十年 全国市町村別面積調』記載の18.43 km2から改定されております(そもそも18.43 km2という面積が明らかに誤りですが)ので、これはあくまでも昭和25年国勢調査の結果をまとめた段階で、総理府統計局が把握していた最新の面積ということでしょう。

次に『昭和30年 国勢調査報告 第一巻 人口総数』の「調査の概要」(pdf)記載の昭和15年~昭和30年の面積と『昭和30年国勢調査 全国都道府県郡市区町村別面積改定表』記載の改定された昭和30年の面積をまとめると以下の通りになります。

調査地域昭和15年昭和20年昭和22年昭和25年昭和30年昭和30年改定
北海道88,775.0478,459.6878,459.6878,486.0678,664.4878,508.67
 根室支庁13,811.493,496.133,496.133,490.453,439.413,445.01
  得撫郡, 新知郡および占守郡5,319.61
  泊村, 留夜別村, 紗那村, 留別村および蘂取村4,639.04
  色丹村255.12
  歯舞村165.0063.4163.4163.4163.4063.40
   水晶島, 勇留島, 秋勇留島, 志発島および多楽島101.59
   その他の地域63.4163.4163.4163.4163.4063.40
  その他の地域3,432.723,432.723,432.723,427.043,376.013,381.61
 その他の地域74,963.5574,963.5574,963.5574,995.6175,225.0775,063.66
東京都2,144.802,041.862,041.862,031.122,020.882,023.01
 小笠原村102.94
 その他の地域2,041.862,041.862,041.862,031.122,020.882,023.01
島根県6,624.606,623.306,623.306,626.066,625.046,625.04
 穏地郡348.03346.73346.73347.61347.71347.71
  五箇村51.8650.5650.5651.4451.5751.57
   竹島1.30
   その他の地域50.5650.5650.5651.4451.5751.57
  その他の地域296.17296.17296.17296.17296.14296.14
 その他の地域6,276.576,276.576,276.576,278.456,277.336,277.33
鹿児島県9,103.817,814.777,833.207,825.689,190.919,140.17
 大島郡および那瀬市1,289.0418.4331.611,411.531,356.20
  三島村 (硫黄島, 竹島および黒島)18.4331.6131.6131.61
  十島村および横当島 (吐噶喇列島)18.4387.5487.54
  その他の地域 (奄美群島)1,270.611,292.381,237.05
 その他の地域7,814.777,814.777,814.777,794.077,779.387,783.97
その他の42府県273,510.93273,510.93273,510.93273,315.23273,264.58273,363.85
誤差0.890.89
380,159.18368,451.43368,469.86368,284.15369,765.89369,660.74
沖縄県2,386.24

●昭和15年の面積に沖縄県の面積を足した382,545.42 km2は『昭和十年 全国市町村別面積調』の総面積と完全に一致しています。なお昭和15年の鹿児島県大島郡十島村の面積18.43 kmは三島村(硫黄島, 竹島および黒島)を含んでの数字ですが、表記の都合上、上表では十島村にのみ18.43 km2を記入しております。
●昭和20年人口調査と昭和22年臨時国勢調査の誤差については
昭和15年の総面積から調査結果に含まれていない地域を除いた数値との間に0.89平方粁の誤差がある。
とありますが、そもそも昭和20年人口調査と昭和22年臨時国勢調査には市区町村別面積の情報が記載されておりませんので、今回ここでは検証しません。昭和22年の鹿児島県の面積には、なぜか大島郡十島村・三島村の総面積18.43 km2が加算されているのですが、これについては、三島村の項に追加しておきました。
●昭和25年の面積は、先の昭和25年国勢調査報告書のものと一致します。

このように『昭和30年 国勢調査報告 第一巻 人口総数』では、たとえ面積がおかしかろうが、「作成当時の」調査結果を尊重して表を作っていることが判ります。

一方昭和30年までに復帰した鹿児島県大島郡の面積1,411.53 km2は、昭和25年国勢調査報告書記載の1,411.65 km2に比べて0.12 km2減っておりますが、これは十島村の面積の減少(83.78 → 83.66 km2; 横当島の面積3.88 km2は変わらず)に相当します。なお昭和30年の国勢調査の面積は、最終的に『昭和30年国勢調査 全国都道府県郡市区町村別面積改定表』で一部改定されておりますが(オンラインでは閲覧できない)、このことが昭和35年(pdf)、昭和40年(pdf)、昭和45年(pdf)の国勢調査報告書記載の面積の遡及データにも影響を与えております。


調査地域昭和15年昭和20年昭和25年昭和30/35年昭和40年昭和45年
北海道88,775.0478,459.6878,486.0678,508.6778,511.6078,513.28
 根室支庁および根室市13,811.493,496.133,490.453,445.013,445.083,458.71
  得撫郡, 新知郡および占守郡5,319.61
  泊村, 留夜別村, 紗那村, 留別村および蘂取村4,639.04
  色丹村255.12
  根室市536.88436.29436.29403.22403.29416.88
   水晶島, 勇留島, 秋勇留島, 志発島および多楽島101.59
   その他の地域435.29436.29436.29403.22403.29416.88
  その他の地域3,060.843,059.843,054.163,041.793,041.793,041.83
 その他の地域74,963.5574,963.5574,995.6175,063.6675,066.5275,054.57
東京都2,144.802,041.862,031.122,026.892,027.372,141.11
 小笠原村102.94106.14
 その他の地域2,041.862,041.862,031.122,026.892,027.372,034.97
島根県6,624.606,623.306,626.066,625.036,625.726,625.89
 隠岐島348.03346.73347.61347.71347.71347.74
  五箇村53.1650.5651.4451.5751.5751.57
   竹島1.30
   その他の地域51.8650.5651.4451.5751.5751.57
  その他の地域296.17296.17296.17296.14296.14296.17
 その他の地域6,276.576,276.576,278.456,277.326,278.016,278.15
鹿児島県9,103.817,814.777,825.689,140.179,141.589,144.97
 大島郡および那瀬市1,289.0431.611,356.201,356.281,356.97
  三島村 (硫黄島, 竹島および黒島)31.6131.6131.6131.61
  十島村および横当島 (吐噶喇列島)18.4387.5487.5487.54
  その他の地域1,270.611,237.051,237.131,237.82
 その他の地域7,814.777,814.777,794.077,783.977,785.307,788.00
その他の42府県273,510.93273,510.93273,315.23273,359.98273,470.56273,648.23
誤差0.89
380,159.18368,451.43368,284.15369,660.74369,776.83370,073.48

昭和35年以降の国勢調査の面積の遡及データでは、奄美群島の昭和20年~25年の面積が、復帰直後の昭和30年の改定版面積に置き換わってしまっています。つまり昭和30年以降の統計局の方針は、国勢調査の対象外だった地域の過去の面積については、復帰直後の国勢調査時の面積に置き換えるというものになったように見えます。なお昭和35年まで、復帰した小笠原、奄美群島を含め、日本が実行支配していなかった時期の地域の面積は過去のデータも総計から除外していたようです。また歯舞村は根室市に合併され、過去の面積のデータも根室市で再計算されています。
[85612] 2014年 5月 13日(火)21:52:36【3】YT さん
昭和19年の人口調査における東京都の区部の人口
昭和19年2月22日に日本の内地では、配給制度への備えを目的として銃後人口の人口調査を実施しました。その時の市町村別人口の詳細は戦後に『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)として出版されておりますが、[82202]に示したように、東京都の人口に関しては、1955年1月頃の境界によって人口が集計されてしまっております。

これに関し今日、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞で、戦中・戦後の人口に関する記事を調べたところ、昭和20年11月22日の朝日新聞の東京版朝刊において、昭和20年11月1日の人口調査の結果(都道府県・市・区別のみ)とともに、昭和19年の人口調査に対する増減が記述されていることを見出しました。つまりこの朝日新聞の記事の数字を使えば、昭和19年2月22日の東京都の当時の区部別人口が一応計算できることになります。

朝日新聞の新聞記事の数字(S20人口、増減)と、この記事により算出可能な昭和19年人口(S19計算値)『昭和19年人口調査 集計結果摘要』の数字(S19文献値)と市区名(対応する地区)、及び人口の一致の有無をまとめると以下の通りになります。

地区S20人口増減S19計算値S19文献値対応する地区一致
旧東京2,777,010-3,800,6106,577,6206,558,161特別区部×
八王子63,192-14,28677,47877,478八王子市
立川34,586-17,03851,62451,624立川市
麹町区17,976-30,48148,457150,748千代田区
神田区26,436-75,855102,291千代田区
日本橋区22,876-50,94773,823188,871中央区
京橋区53,344-61,704115,048中央区
芝区67,116-96,080163,196291,997港区×
麻布区20,697-59,00279,699港区×
赤坂区8,791-3,99212,783港区×
四谷区11,245-56,58367,828359,601新宿区
牛込区20,771-95,045115,816新宿区
小石川区43,444-97,863141,307270,993文京区
本郷区49,304-80,282129,586文京区
下谷区59,988-109,441169,429403,420台東区
浅草区24,581-209,410233,991台東区
本所区12,753-228,296241,049438,114墨田区
深川区14,094-196,759210,853396,337江東区
品川区89,782-124,492214,274395,770品川区×
目黒区121,333-81,200202,533202,533目黒区
荏原区53,708-127,789181,497品川区×
大森区160,865-136,896297,761564,784大田区
蒲田区52,135-214,888267,023大田区
世田谷区276,450-27,023303,473303,473世田谷区
渋谷区84,067-155,432239,499239,499渋谷区
淀橋区51,090-124,867175,957新宿区
中野区124,011-92,713216,724216,724中野区
杉並区211,229-48,517259,746259,746杉並区
豊島区92,192-209,865302,057302,057豊島区
滝野川区36,494-88,541125,035341,552北区
荒川区84,010-250,370334,380334,380荒川区
王子区101,807-114,710216,517北区
板橋区217,974-53,152271,126271,226板橋区+練馬区
足立区172,437-78,116250,553250,553足立区
向島区64,842-132,223197,065墨田区
城東区11,114-174,370185,484江東区
葛飾区171,557-10,017181,574181,574葛飾区
江戸川区146,497-47,712194,209194,209江戸川区
区部合計2,777,010-3,744,6336,521,6436,558,161特別区部×


八王子市と立川市、そして東京特別区部の大部分で、新聞記事から求められる数字と『昭和19年人口調査 集計結果摘要』の人口が一致しますが、品川区+荏原区→品川区に関しては『昭和19年人口調査 集計結果摘要』よりも1人多く、麻布区+赤坂区+芝区→港区に関しては『昭和19年人口調査 集計結果摘要』よりも36,319人足りません。おそらく赤坂区の人口減少の数字が桁落ちして印刷されているのでしょう。実際各区の減少分を合計(3,744,633)しても、旧東京全体の減少分(3,800,610)と一致しません。なお新聞記事から求めることが可能な昭和19年の特別区部の人口(6,577,620または6,521,643)は、『昭和19年人口調査 集計結果摘要』の昭和19年の特別区部の人口(6,558,161)とも微妙に異なります。

まあ一応は、麻布区、赤坂区、芝区以外の昭和19年人口調査における区別人口はほぼ確定しました。

官報の方では11月26日に、郡市区別人口が公表されておりますが、ここには人口の増減が載っておりません。11月23日に、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞が一斉に昭和20年11月1日付の人口調査の結果速報を発表しているということは、官報よりも先にメディアに公開された情報があり、そこに昭和19年の人口との比較が載っていたのでしょうか(毎日・読売の記事には昭和19年の人口との比較が載っていない)?それとも朝日新聞は独自に昭和19年の人口との比較をしたのでしょうか?

[82278]にも書いたように、国立公文書館で昭和19年人口調査関連の資料に一通り目を通しましたが、何れも市区町村別人口の情報が記載されていませんでした。また東京都公文書館の統計資料室に問い合わせた限りでは、該当するような資料は保管しておりませんでした。あと調べていないのは東京都公報ですが、こちらは立川にある都立多摩図書館にマイクロフィルムとして収められているのがほぼ唯一?の全閲覧可能な資料状態で、載っているかも分からない情報を端から端まで調べるのは大変そうです。
[85609] 2014年 5月 13日(火)01:23:24YT さん
北方領土・竹島の面積の扱い
余り政治的な話には立ち入りたくないのですが、国勢調査における北方領土・竹島の面積の扱いが時代とともに変化しているようです。

昭和25年から昭和45年の国勢調査までは、北方領土と竹島の面積は日本全国の面積に含んでおりません。しかしながら昭和50年以降の国勢調査からは、歯舞諸島を根室市に、他3島を北海道の郡部に、竹島を島根県隠岐郡五箇村の面積に加算するように変更がなされております(昭和50年国勢調査令(昭和50年4月10日政令第114号))。しかも厄介なことに、昭和50年以降の国勢調査では、面積の集計には含めるものの、人口密度の算出には面積に含めないという、面倒な計算方法が今日まで続いているようです。

北方領土・竹島の面積について、昭和25年~昭和40年の国勢調査においても遡って同様の修正をするべきなのか、面積の問題は人口問題以上に微妙な問題を含んでおります。
[85605] 2014年 5月 11日(日)00:49:48【2】YT さん
1965年、1970年の国勢調査の面積の問題点
[85587]に引き続き、1965年、1970年の国勢調査における面積を入力しましたが、現時点で最大の問題は、国勢調査報告書の面積に誤りが多すぎる点です。現在統計局のサイトから一通りの報告書をダウンロードできますが、総てをダウンロードできるわけではありません。例えば昭和40年の国勢調査の場合、ダウンロードできるのは1巻だけですが、こちらを使って市区町村別面積を入力したところ、合計が合わないという問題が発生しました。どうも東京都の面積に1.60 km2のズレが生じる問題があるようですが(これとは別に1巻では鳥島の面積の表中での扱いに誤りがある)、オンラインでは訂正をまとめたページも確認できないし、1巻のpdfだけでは問題が解決しませんでした。そこで昨日図書館で『昭和40年 勢調査全国都道府県市区町村人口総覧 都道府県の部 その13 東京都の人口』を閲覧し、結果23区の一部の面積等が改訂されていることを確認しました。ただ1巻の訂正をまとめた資料の存在を確認できませんでした。

それよりもひどいのが、昭和45年の国勢調査報告書です。pdfの質が悪いだけではなく、面積のデータでは、実際にフォント上で「5」と「6」の活字が30箇所以上間違っています。これは原稿を書いた人が悪筆だったせいなのでしょうか?あるいは人口はチェックしていても、面積の方までは再チェックがされなかったせいなのでしょうか?間違いの箇所の半分以上は人口密度を再計算することで正しい数字を見積もれますが(つまり原稿段階では正しい面積と人口密度が計算されていた)、小数点以下第二位の数字が間違っている場合は計算しても違いがでないことが多く、その場合は前後の年の国勢調査の面積を比較して正しそうな数字を選んでいますが、とにかく間違いが多過ぎです。

内容の方で昭和40年の国勢調査で問題になりそうなのが、秋田県南秋田郡大潟村の面積です。人口の方は16人と、郡別人口の方に集計されていますが、面積の方は、

2) 八郎潟の面積(218.62 km2)のなかに含まれている。

とあり、その八郎潟の面積の方は市郡別面積の方には加算されていません。正しい解釈としては昭和40年10月1日の時点で開拓が済んだ面積をどっから持ってくる必要がありますが、[85587]で示した、岐阜県郡上郡白鳥町に編入された福井県大野郡旧石徹白村の一部(人口は岐阜県郡部に加算されているが、面積は都道府県別や郡部・市部から除外)、岐阜県中津川市と長野県西筑摩郡山口村の間の境界紛争地域(人口は都道府県別や郡部・市部から除外されているが、面積は各県の郡別・市別に分割)と同じように、改訂すると郡市別・都道府県別面積の数字が変わってしまう問題を含んでいます。現時点でこれらのケースについては、国勢調査報告書の県別・市郡別のグルーピングを尊重し、面積の再分配は止めた方がいいのかも知れません。

また[85604]のケースや、[85587]で示した富山県下新川郡宇奈月町・朝日町の面積(これは昭和40年・昭和45年の国勢調査でも継続して問題となる)については再分配するべきなのか、まだ意見がまとまっていません。

とりあえず面積というのは自分が予想していた以上にいい加減なデータのようです。地積を積み上げてビルドアップで計算するのではなく、全体の地図を作製して、そこからビルドダウンで計算するのが基本のようです。有効となる数字も小数点以下第二位なのか小数点以下第三位なのかよく分かりませんが、国土地理院の方法によると万5千分の1の地図を使用とあるので、0.01 km2 = 1 haは、4 mm×4 mm四方となり、小数点以下第三位まで見積もるのには適していませんね。少なくともビルドダウンで計算した結果、丸め誤差が発生しないように分配されてしまっているようです。まあそもそも水平面って何なのでしょう?満潮干潮はどこまで考慮するのか、測量ではブーゲー異常を考慮するのか、多分これを調べ出すと、それだけで一冊の本ができそうですね。
[85604] 2014年 5月 11日(日)00:14:47YT さん
昭和25年において市町村別面積が示されていない地域の面積の分割試算
[85559]で、東京都新島若郷村と新島本村の面積が『昭和十年 全国市町村別面積調』、『昭和25年 国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その13 東京都』において合計となっている問題を指摘しましたが、改めて東京都統計年鑑を見たところ『第1回 東京都統計年鑑』(昭和27年、人口は昭和28年1月1日調)と『第2回 東京都統計年鑑』(昭和28年、人口は昭和28年1月1日調)において、人口密度が若郷村と新島本村とで異なることに気付きました。つまり東京都総務局統計部では、面積は合計で表しつつ、人口密度算出の際には独自に面積を決めていることになります。そこで人口密度から面積を逆算してみますと:

都道府県年月日人口人口密度面積最小値面積最大値下2桁有効と仮定した場合の面積
東京都新島若郷村1953.1.15873491.67951.68441.68
東京都新島本村1953.1.14,36016825.875426.029925.88~26.02
東京都新島若郷村1954.1.15633351.67811.68311.68
東京都新島本村1954.1.14,29116625.771825.927525.78~25.92

よって東京都統計年鑑からは、新島若郷村1.68 km2と新島本村25.90 km2 (合計27.58 km2より1.68 km2を除することで算出)が確定しました。

また石川県河北郡金津村・高松町について、『昭和26年 石川県統計書』によると

都道府県町村面積
石川県河北郡金津村8.00
石川県河北郡高松町13.20

面積の合計は21.20 km2であり、こちらも一応石川県統計書による面積が確定しました。

昭和25年において市町村別面積が示されていない地域([85559]参照)について、残りについても面積を分割算出しようと地方統計書の類と比較検討してみましたが、他は残念ながら重大な問題がありました。

まず埼玉県児玉郡阿久原村・渡瀬村について『昭和29年 埼玉県統計年鑑』によると

都道府県町村面積
埼玉県児玉郡阿久原村7.4
埼玉県児玉郡渡瀬村4.9

面積の合計は12.3 km2です。埼玉県統計年鑑の面積は下一桁までであり、桁落ちしておりますが、一応合計の数字は1950年国勢調査報告書の12.30 km2と一致します。

次に岐阜県加茂郡旧富岡村村の件ですが、『昭和23年 岐阜県統計書』、『昭和24年 岐阜県統計書』、『昭和25年 岐阜県統計書』、『昭和26年 岐阜県統計書』と『昭和十年 全国市町村別面積調』、『昭和25年 国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その21 岐阜県』における、関連する市町村の面積を並べると以下の通りです。

都道府県町村県統S23県統S24県統S25県統S26面積S10国勢S25
岐阜県加茂郡富岡村10.2310.2310.23
岐阜県加茂郡富田村6.7610.4810.4810.486.766.76
岐阜県武儀郡関町28.9139.2710.78
岐阜県関市57.3265.832.40
岐阜県武儀郡瀬尻村8.20
岐阜県武儀郡倉知村9.93
岐阜県山県郡千疋村3.473.473.47
岐阜県加茂郡田原村18.4314.5818.4318.44
岐阜県武儀郡下有知村8.488.488.488.488.48
岐阜県上記合計76.2876.2876.2876.2876.2876.31


岐阜県統計書の方はこれらの地域で少なくとも昭和26年まで『昭和十年 全国市町村別面積調』の数字を使い続けており、昭和25年の国勢調査で一部改訂された面積の数字が使われておりません。実際昭和25年の国勢調査の面積は『昭和十年 全国市町村別面積調』の面積に比べ、加茂郡俵村・武儀郡旧関町・旧瀬尻村・倉知村の合計で0.03 km2増えています。しかしながら、旧富岡村と旧富田村の面積は、昭和25年の国勢調査でも同じであり、よって昭和25年国勢調査の旧富岡村の面積10.23 km2の内、3.72 km2が加茂郡富田村に入り(合計10.48 km2)、残りの6.51 km2が武儀郡関町に入った(合計38.91 km2)と、当てはめることが可能です。

なお昭和24年10月1日の加茂郡富岡村の廃止に先立ち、昭和23年12月10日に加茂郡田原村の一部(昭和22年臨時国勢調査で278人)が武儀郡田原村に編入されています。『昭和24年 岐阜県統計書』では田原村の面積が3.85 km2ほど減り、その分が昭和24年武儀郡関町に加算されておりますが、一方で『昭和25年 国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その21 岐阜県』では、田原村の一部の編入が考慮されているようには見えず、国勢調査報告書の面積が明らかに間違っています。が、このような誤りは一々チェックしたら切りが無いので見なかったことにします。

一方問題となるのが岐阜県安八郡旧北平野村の件です。『昭和24年 岐阜県統計書』、『昭和25年 岐阜県統計書』、『昭和29年 岐阜県統計書』、『昭和30年 岐阜県統計書』と『昭和十年 全国市町村別面積調』、『昭和25年 国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その21 岐阜県』、『昭和30年 国勢調査報告 第1巻 人口総数』における、関連する市町村の面積を並べると以下の通りです([85559]で安八郡本郷村・池田村と書いてしまった箇所がありますが、揖斐郡の間違いです)。

都道府県郡市町村県統S24県統S25県統S29県統S30面積S10国勢S25国勢S30
岐阜県安八郡北平野村3.783.783.76
岐阜県安八郡神戸町5.238.578.5718.155.235.2017.99
岐阜県安八郡南平野村4.924.924.924.924.89
岐阜県安八郡下宮村5.685.685.685.685.65
岐阜県不破郡赤坂町5.075.075.0715.625.075.0815.40
岐阜県不破郡青墓村9.539.539.539.539.55
岐阜県揖斐郡池田村4.034.03
岐阜県揖斐郡本郷村9.539.53
岐阜県揖斐郡温知村14.0014.0013.55
岐阜県揖斐郡八幡村12.0912.0912.0912.0912.08
岐阜県揖斐郡宮地村9.129.129.129.129.11
岐阜県揖斐郡池田町35.2135.54
岐阜県上記合計68.9868.9868.9868.9868.9868.8768.93

関連する境界異動は以下の通りです。

昭和25年4月1日安八郡北平野村を廃し、その区域を分割し一部を同郡神戸町に編入し、残部を揖斐郡池田村に編入
昭和25年8月1日揖斐郡本郷村と池田村を廃し、その区域をもって同郡温知村を設置
昭和29年4月1日安八郡南平野村、神戸町、及び下宮村を廃し、その区域を分割し、
南平野村の一部を不破郡赤坂町に編入し、残部をもって安八郡神戸町を設置
昭和29年5月1日揖斐郡温知村を廃し、その区域をもって同郡池田村を設置
昭和29年5月1日揖斐郡池田村を廃し、その区域をもって同郡池田町を設置
昭和29年9月1日不破郡赤坂町及び青墓村を廃し、その区域をもって同郡赤坂町を設置
昭和30年4月1日揖斐郡池田町、八幡村、及び宮地村を廃し、その区域をもって同郡池田町を設置

岐阜県統計書の方はこれらの地域で少なくとも昭和30年まで『昭和十年 全国市町村別面積調』の数字を使い続けているのに対し、国勢調査の方では昭和25年と昭和30年の直前に改訂作業が行われています。とりあえず昭和25年国勢調査と岐阜府県統計書の面積の違いを比較すると、旧北平野村・神戸町・池田村・本郷村の合計で0.06 km2、昭和25年国勢調査の方が面積が減っております。旧北平野村だけで0.02 km2、神戸町だけで0.01 km2、池田村・本郷村の合計で0.01 km2減っております。『昭和24年 岐阜県統計書』・『昭和25年 岐阜県統計書』だけで判断すると、旧北平野村3.78 km2の内、神戸町に異動した面積は3.34 km2、温知村に異動した面積は0.44 km2となりますが、ここから昭和25年国勢調査の面積に合わせるには、0.02 km2の面積を両者から除する必要があります。諦めて按分()で判断すると、0.02 km2分は総て神戸町側に異動した分(3.34 km2 × 3.76/3.78 ≒ 3.32 km2)となり、よって昭和25年の国勢調査における面積は、安八郡神戸町が8.52 km2、揖斐郡池田町が13.99 km2となります。

北海道に関しては『昭和25年刊 北海道市町村市勢要覧』、『昭和27年刊 北海道市町村市勢要覧』という資料を閲覧できましたが、それぞれ面積についてはkm2から下三桁までしめされており、項目のうち総面積民有地細別について

冊子基本法規出どころ調査年月日
昭和25年刊丑統第836号通牒による市町村報告昭和24年8.1
昭和27年刊26統第508号通牒による市町村報告昭和26年4.1

とあります。「市町村報告」がいかなる資料なのか、現時点で私には判断がつきません(わかる方がいらしたら教えてください)。

まず北海道常呂郡佐呂間村と同郡若佐村に関しては、下三桁で示されている『昭和25年刊 北海道市町村市勢要覧』の面積を四捨五入すれば、昭和25年国勢調査の面積と同じとなり、一応面積は以下のように求まります。

都道府県町村統S25国勢S25按分
北海道常呂郡若佐村151.409n.a.151.41
北海道常呂郡佐呂間村224.708376.12224.71
北海道常呂郡上記合計376.117376.12376.12

しかしながら、その他、北海道空知郡砂川町・上砂川町・歌志内町、上川郡朝日村・上士別村・上川郡、河西郡中札内村・更別村・大正村・中川郡幕別町・広尾郡忠類村・大樹村の三ケースでは、北海道市町村市勢要覧記載の面積と国勢調査記載の面積が異なります。あえて面積を出そうとするなら、以下のように按分する必要があります。

都道府県町村統S25国勢S25按分
北海道空知郡砂川町73.477116.1072.65
北海道空知郡上砂川町45.700n.a.45.19
北海道空知郡歌志内町57.29858.3956.65
北海道空知郡上記合計176.475174.49174.49

都道府県町村統S27国勢S25按分
北海道上川郡朝日村511.124n.a.511.13
北海道上川郡上士別村165.750676.88165.75
北海道上川郡上記合計676.874676.88676.88

都道府県町村統S27国勢S25按分
北海道河西郡中札内村290.184n.a.288.74
北海道河西郡更別村181.348n.a.180.44
北海道河西郡大正村120.394558.76119.79
北海道中川郡幕別町339.828364.20338.13
北海道広尾郡忠類村203.440n.a.202.43
北海道広尾郡大樹村627.237830.68624.11
北海道三郡上記合計1,762.4311,753.641,753.64


次に岡山県小田郡白石島村・神島外村に関して昭和25年から昭和30年までの『岡山県統計書』などをチェックしましたが、残念ながら昭和29年以前に関しては市町村別面積が記載されておらず、記載されてるのは民有地・官有地などの地目別面積(単位:町)のみです。この場合、固定資産税の対象となる地積のみの面積ですので、所有者の存在しない土地の面積が含まれません。『岡山県統計書』では昭和30年以降に町村別の面積が記載されるようになりますが、岡山県小田郡白石島村と神島外村は昭和30年4月1日に共に笠岡市に編入されており、『昭和30年 岡山県統計書』では既に両村の面積が記載されていません。そこで地積から無理矢理按分して面積を求めてみたところ、以下のようになります。

都道府県町村統計S25(町)km2換算国勢S25按分
岡山県小田郡神島内村446.54.42809910.608.38
岡山県小田郡白石島村118.01.170248n.a.2.22
岡山県小田郡上記合計564.55.59834710.6010.60

最後に島根県に関し、『昭和23年 島根県統計書』や『昭和28年 a島根県統計書』を閲覧しましたが郡別の地積の情報はあっても、町村別の面積・地積の情報は全くありません。島根県簸川郡朝山村は昭和30年3月22日に出雲市に編入されておりますが、それでも敢えて昭和30年の国勢調査の数字から逆算で計算しようとすると以下のようになります。

都道府県市郡町村国勢S25国勢S30S25年の面積へ按分
島根県簸川郡窪田村39.6948.6048.37
島根県簸川郡旧乙立村27.11
島根県簸川郡朝山村26.78
島根県出雲市57.56138.65137.98
島根県簸川郡稗原村21.41
島根県簸川郡上津村13.80
島根県1市1郡上記合計186.35187.25186.35

すなわち島根県簸川郡旧乙立村の面積27.11 km2の内、8.68 km2が窪田村(39.69 + 8.68 = 48.37 km2)に異動し、残りの18.43 km2が朝山村(26.78 + 18.43 = 45.21 km2)に異動したと、強引に推測できます。

このように、岐阜県の一部、北海道、岡山県、島根県に関しては、昭和25年の国勢調査で合計などでしか示されてない面積を無理に町村別に算出しようとすると、ある程度恣意性を排除することが出来ないことになります。
[85587] 2014年 5月 7日(水)02:04:44【2】YT さん
1960年の市区町村別面積の問題点
まず[85559]冒頭の備考の説明の番号が間違っているので訂正します。

(B) 十和田湖(59.86 km2)を含む。
に対応するのは全国計で、

(C) 十和田湖(59.86 km2)を含まない。
に対応するのは青森県・秋田県で、

(D) 宍道湖 (82.32 km2)は市部・郡部の面積に含まない
に対応するのは島根県です([85559]では(B)になっている)。

文章を書いている途中で後から十和田湖の面積の脚注を追加したので、番号がずれてしまいました。

現時点で昭和35年(1960年)の市区町村別人口を入力し終えたところですが、その面積にも3つほど問題となる箇所がありました。

1960年国勢調査における都道府県別・市郡別面積をまとめると以下のようになります。

都道府県合計市部郡部その他備考
全国369,660.7482,559.42285,577.661,446.34
北海道78,508.6710,207.5568,301.12
青森県9,612.652,225.917,324.0262.72小川原湖
岩手県15,274.463,987.0611,287.40
宮城県7,285.711,187.396,098.32
秋田県11,608.971,823.539,566.21219.23八郎潟
山形県9,325.152,983.136,342.02
福島県13,779.821,886.2011,789.66103.96猪苗代湖
茨城県6,087.921,562.884,525.04
栃木県6,419.441,959.634,459.81
群馬県6,349.961,033.975,315.99
埼玉県3,799.831,388.822,411.01
千葉県5,034.431,530.973,503.46
東京都2,026.891,030.55996.34
神奈川県2,361.371,277.991,083.38
新潟県12,575.333,452.659,122.68
富山県4,252.03970.733,281.30
石川県4,193.921,656.962,509.9826.98邑知潟 (3.96); 河北潟 (23.02)
福井県4,187.381,496.562,690.82
山梨県4,463.481,114.793,348.69
長野県13,581.562,591.6210,975.7814.16諏訪湖
岐阜県10,521.821,535.488,986.34
静岡県7,768.822,448.495,255.4464.89浜名湖
愛知県5,057.481,887.033,170.45
三重県5,765.811,866.703,899.11
滋賀県4,016.00443.722,877.78694.50琵琶湖
京都府4,612.072,026.012,586.06
大阪府1,831.471,312.94518.53
兵庫県8,329.922,371.515,958.41
奈良県3,692.15630.783,061.37
和歌山県4,714.99565.614,149.38
鳥取県3,488.39501.972,986.42
島根県6,625.031,490.855,052.3781.81宍道湖
岡山県7,059.931,685.705,357.5816.65児島湾干拓第7区
広島県8,431.231,525.256,905.98
山口県6,073.102,071.034,002.07
徳島県4,142.85541.243,601.61
香川県1,859.36391.331,468.03
愛媛県5,651.181,527.954,123.23
高知県7,104.241,990.385,113.86
福岡県4,900.771,491.323,409.45
佐賀県2,403.50888.911,514.59
長崎県4,086.381,121.752,964.63
熊本県7,371.411,373.215,998.20
大分県6,312.431,406.624,905.81
宮崎県7,732.511,786.535,945.98
鹿児島県9,140.172,308.226,831.95
十和田湖59.7759.77青森県・秋田県に含まず
中海101.67101.67鳥取県・島根県に含まず
岐阜県郡上郡白鳥町に編入された福井県大野郡旧石徹白村の一部77.3277.32福井県・岐阜県に含まず

続いて3つの問題点を列挙しますと:

(1) 岐阜県郡上郡白鳥町へ異動した旧石徹白村の領域(住民あり)の取り扱い

まずは福井県大野郡旧石徹白村です。大野郡石徹白村は昭和30年の国勢調査によると人口1,402人、面積103.07 km2ですが、昭和33年10月14日に石徹白村の一部(105人、25.75 km2)が福井県大野郡和泉村(昭和35年の面積 332.26 km2 = 旧下穴馬村128.29 km2 + 旧上穴馬村 178.22 km2 + 旧白鳥町 25.75 km2)となります。そして翌日の昭和33年10月14日に、白鳥町の残りの地区(1,297人、77.32 km2)が岐阜県群上郡白鳥町(昭和35年の面積 118.78 km2)となっております。

これに関して昭和35年国勢調査報告によると、

3) 岐阜県郡上郡白鳥町の面積のうち,昭和33年10月15日同町に編入された福井県大野郡旧石徹白村の面積は,全国の面積に含まれているが,境界不明のため,岐阜県および白鳥町の各面積には含まれていない。

とあり、人口1,297人が住んでいる77.32 km2の帰属をはっきりさせておりません。ただし昭和35年の国勢調査報告書の方では、13,658人中1,297人分が住んでいる土地を無視して、そのまま人口密度を計算しています(13,658人/118.78 km2 ≒ 115.0 人/km2)。

昭和40年(1965年)の国勢調査では、岐阜県郡上郡白鳥町の面積は196.24 km2(昭和35年より77.42 km2増加)、福井県大野郡和泉村の面積は332.26 km2(昭和35年と同一)となっており、77.32 km2の土地はそのまま岐阜県郡上郡白鳥町に加算されていることになります(残りのプラス0.10 km2は、昭和36年4月1日に大和村の一部が白鳥村へ人口異動なしに境界変更されたことに対応すると考えられます)。よって旧石徹白村の面積77.42 km2は、昭和35年の時点で岐阜県郡上郡白鳥町に加算して問題ないように思えるのですが、国勢調査の方を優先するべきか悩ましいところです。

(2) 岐阜県中津川市と長野県西筑摩郡山口村の間の境界紛争地域の面積
御存じのように昭和35年の国勢調査の場合、岐阜県中津川市と長野県西筑摩郡山口村の間の境界紛争地域の人口79人が岐阜県と長野県の人口に加算されておりません。

2) 岐阜県中津川市と長野県西筑摩郡山口村の間の境界紛争地域の人口 (79人) は,全国計に含まれているが,岐阜県および長穏県のいずれにも含まれていない。

ところがこの境界紛争地域の面積については何ら言及がなく、岐阜県中津川市と長野県西筑摩郡山口村の間で分割されているように見えます。

(1)の場合は、人口を分割しているのに、面積の分割を完了していないことになりますが、(2)の場合は、逆に面積を分割しているのに、人口を分割していないケースということになります。

(3) 下新川郡宇奈月町・朝日町の面積

昭和30年の国勢調査では、富山県下新川郡宇奈月町の面積424.82 km2、富山県下新川郡朝日町の面積146.76 km2と分割されておりました(合計571.58 km2)。その後昭和34年1月1日に朝日町の一部(昭和30年の人口1355人)が下新川郡舟見町(昭和30年の面積12.20 km2)へ異動しておりますが、さらに舟見町は同日昭和34年1月1日に下新川郡入善町(昭和30年の面積56.33 km2)に吸収されております(昭和35年の入善町の面積71.58 km2で、15.25 km2の増加)。よて昭和34年1月1日に朝日町から入善町へ異動した面積は3.05 km2と推測されます。

ところが昭和35年の国勢調査では、下新川郡宇奈月町・朝日町の面積は示されず、人口密度も空欄となっております。脚注によると


2) 下新川郡宇奈月町と同郡朝日町の境界未定。同町の各面積も測定不能。(両町の合計面積は 568.61 km2)。

とあります。昭和30年の国勢調査と比べて2.97 km2面積が減っており、朝日町から入善町への異動で面積が3.05 km2で減少したのほかに、0.08 km2の面積が増えたことになりますが、この辺は昭和30年の国勢調査において、

一部調査未了のため総理府統計局において推定した。

ことに伴う誤差と考えられます。

そこでより新しい国勢調査の面積を使って、下新川郡宇奈月町・朝日町の面積を推定できるのではないかと期待して、より新しい国勢調査の報告書をチェックしたところ、なんとこの面積の問題は昭和40年・昭和45年・昭和50年の国勢調査においても続いていることが分かりました。昭和40年の国勢調査報告書によると

2) 富山県下新川郡宇奈月町と同郡朝日町の各面積は推定不能 (両町の合計面積は 568.61 km2)。

昭和45年の国勢調査報告書によると

3) 富山県下新川郡宇奈月町と同郡朝日町の各面積は推定不能 (両町の合計面積は 568.61 km2)。

昭和50年の国勢調査報告書によると

2) 富山県下新川郡宇奈月町と同郡朝日町の各面積は推定不能 (両町の合計面積は 568.61 km2)。

昭和35年・昭和40年・昭和45年・昭和50年の国勢調査では、何れも両町の面積と人口密度は空欄となっております。昭和55年の国勢調査でようやく宇奈月町341.20 km2、朝日町227.41 km2という数字に落ち着いています(合計568.61 km2)。奇しくもこの地区に関しては1980年まで1960年の合計面積を使いまわしていたことが判明しましたので、結果として1960年まで遡って宇奈月町341.20 km2、朝日町227.41 km2を適用することも可能に見えますが、その一方でわざわざ20年近くにわたり、国勢調査では宇奈月町と朝日町の面積を確定せずに放置し続けていたのも事実です。これも国勢調査表記を優先する場合にはどのようにまとめるべきなのか、悩ましいところです。

【追記:タイトルが『「1950年」の市区町村別面積の問題点』となっていたので、「1960年」に修正しました。また白鳥町の所属郡が一部間違っていたので訂正。】
[85568] 2014年 5月 5日(月)22:32:20YT さん
国勢調査報告の変遷情報等では、日野郡江尾町と西伯郡外江町の町制施行日を取り違えている?
[85566] 白桃 さん
[85567] MI さん
鳥取県告示第四百九十二号
日野郡江尾村を江尾町とし昭和二十二年十一月一日から及び西伯郡外江村を外江町とし同年十一月三日から施行することを夫々同年十月八日許可した。
  昭和二十二年十月三十一日
    鳥取県知事 西尾愛治
 手許で確認した限り、これに関する「正誤」は出ておりません。とすれば、江尾村から江尾町への町制施行日は1947年10月1日でも11月3日でもなく「11月1日」が正当ということになります。YT さんご確認の「国勢調査報告」や上記「鳥取県の市町村変遷」は、この告示文を読み誤ったということになるのでしょうか。


この件に関して『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その31 鳥取県』から[85558]で紹介した前後の文章を見ると、

28) 昭和22. 11. 1. 西伯外江村を外江町とする。((4 270―昭和22.10.1 人口、この項以下同じ。) 備考 昭和15 (3 186)、昭和10 (3 379)、昭和5 (3 552)、大正14 (3 429)、大正9 (3 015)
29) 昭和22. 11. 3. 日野郡江尾村を江尾町とする。((2 705) 備考 昭和15 (2 321)、昭和10 (2 388)、昭和5 (2 512)、大正14 (2 221)、大正9 (2 529))

となっております。変遷情報に関しては広報等を優先するべきで、MIさんが指摘されたように日野郡江尾町の町制施行は昭和22年11月1日(現在鳥取県の変遷情報#82では1947(S22).10.1となっている)、西伯郡外江町の町制施行は昭和22年11月3日(現在鳥取県の変遷情報#83では正しく1947(S22).11.3となっている)とするのが正しいでしょう。

『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その31 鳥取県』と『鳥取県の市町村変遷』は、共に日野郡江尾町と西伯郡外江町をセットで日付を取り違えてしまっているように見えます。おそらく鳥取県の市町村変遷』が、参考文献としての『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その31 鳥取県』の記述の誤りを引き継いでしまったのではないでしょうか。
[85563] 2014年 5月 5日(月)10:05:24【1】YT さん
昭和15年10月~昭和22年9月までの福岡市の変遷情報
[85561] 白桃 さん

「1955年の国勢調査人口の要修正箇所・および変遷情報の要修正箇所」について(まだ十分に拝見させて頂いたわけではありませんが)、少なくとも上記の部分は明らかに間違いだと思います。


ご指摘ありがとうございます。自分も国勢調査報告書が完全なものだとは思っていません。

330,377という数字は、1940年(昭和15年)の福岡市、箱崎町、壱岐村、残島村、今宿村の人口の合計ですが、福岡市はその後、1942年に今津村を編入しております。今津と彦山を取り違えたのではないでしょうか?


ご指摘の通り、330,377という数字は、1940年(昭和15年)の福岡市(306,763)、箱崎町(16,454)、壱岐村(3,585)、残島村(917)、今宿村(2,658)の合計に相当します。『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その40 福岡県』から昭和15年10月~昭和22年9月の変遷情報の内、福岡市がらみの数字を抜き出すと、以下のようになっています([85558]で田川郡彦山村の変遷情報を51番目と書いてしましましたが、正確には81番目です)。

75) 昭和15. 12. 26. 糟屋郡箱崎町 (16 454―昭和15. 10. 1 人口、この項以下同じ。) を廃し、その区域を福岡市 (306 763…計 323 217) に編入。(備考 箱崎町 昭和10 (14 635)、昭和5 (11 945)、大正14 (8 926)、大正9 (7 145))

80) 昭和16. 10. 15. 早良郡壱岐村 (3 585)、残島村 (917) 及び糸島郡今宿村 (2 658) を廃し、その区域を福岡市 (323 217…計 330 377) に編入。

(備考)昭和 10昭和 5大正 14大正 9
早良郡 壱岐村3 5663 2843 0682 940
早良郡 残島村956806805813
糸島郡 今宿村2 6832 5992 5432 593


81) 昭和17. 2. 11. 田川郡彦山村 (3 426) を廃し、その区域を福岡市 (330 377…計 333 803) に編入。(備考 昭和10 (3 058)、昭和5 (2 949)、大正14 (2 804)、大正9 (2 785))

82) 昭和17. 4. 1. 糸島郡今津村 (2 172) を廃し、その区域を福岡市 (333 803…計 335 975) に編入。(備考 昭和10 (2 123)、昭和5 (2 029)、大正14 (2 075)、大正9 (2 040))


『昭和22年 臨時国勢調査結果報告』の方には、昭和21年人口調査との人口の比較が掲載されていますが、昭和15年国勢調査との人口の比較が掲載されていません。昭和15年の国勢調査の結果が出版されたのは、昭和22年の臨時国勢調査や昭和25年の国勢調査の結果が出版されたのよりも後のことであり、人口比較による十分なチェックが行われなかったため、誤った記述が昭和25年の国勢調査結果報告書の方にも記載されてしまったのでしょう。
[85560] 2014年 5月 5日(月)00:43:17【1】YT さん
1950年の市区町村別面積の問題点 (2) 沖縄県の問題
なお統計局のサイトでは閲覧できませんが、昭和30年の国勢調査における面積は、『昭和30年国勢調査 全国都道府県郡市区町村別面積改定表』で大幅に改訂されております。

都道府県合計市部郡部その他備考
全国369,660.7467,761.23300,598.951,300.56
北海道78,508.677,662.0670,846.61
青森県9,612.651,728.187,884.47
岩手県15,274.463,626.3411,648.12
宮城県7,285.71792.206,493.51
秋田県11,608.971,797.309,592.44219.23八郎潟
山形県9,325.152,105.677,219.48
福島県13,779.821,597.1112,078.75103.96猪苗代湖
茨城県6,089.681,162.094,927.59
栃木県6,437.641,736.494,701.15
群馬県6,331.86841.105,490.76
埼玉県3,802.421,019.782,782.64
千葉県5,033.921,367.693,666.23
東京都2,023.01919.221,103.79
神奈川県2,361.371,176.841,184.53
新潟県12,575.333,046.979,528.36
富山県4,252.03916.413,335.62
石川県4,193.921,064.193,104.2725.46河北潟(23.02); 芝山潟(2.44)
福井県4,264.701,350.792,913.91
山梨県4,463.481,106.743,356.74
長野県13,624.031,863.1911,746.6814.16諏訪湖
岐阜県10,479.291,350.899,128.40
静岡県7,768.751,775.875,992.88
愛知県5,057.551,592.333,465.22
三重県5,765.851,734.624,031.23
滋賀県4,016.00422.342,899.16694.50琵琶湖
京都府4,633.611,806.972,826.64
大阪府1,809.93977.35832.58
兵庫県8,329.921,953.066,376.86
奈良県3,692.11250.433,441.68
和歌山県4,714.99368.604,346.39
鳥取県3,488.39475.403,012.99
島根県6,625.041,311.525,231.7181.81宍道湖
岡山県7,059.931,623.245,436.69
広島県8,431.221,101.867,329.36
山口県6,073.101,995.874,077.23
徳島県4,142.85248.173,894.68
香川県1,859.36238.701,620.66
愛媛県5,651.181,228.564,422.62
高知県7,104.241,523.595,580.65
福岡県4,900.771,425.103,475.67
佐賀県2,403.50878.271,525.23
長崎県4,086.381,057.793,028.59
熊本県7,371.41999.066,372.35
大分県6,312.431,381.454,930.98
宮崎県7,732.511,416.836,315.68
鹿児島県9,140.171,743.007,397.17
十和田湖59.7759.77青森・秋田に含まず
中海101.67101.67鳥取・島根に含まず

このほか、小笠原は本土復帰するまで国勢調査が行われていませんが、沖縄では米国政府が国勢調査を行っています。

沖縄県の国勢調査の場合、1950年、1955年、1960年と、個別の市町村別面積は示されておりませんが、(1950年は奄美群島を除く)面積合計の方は2,388.24 km2のまま採用されております。ところが1965年の国勢調査で初めて沖縄県の個別の市区町村別面積が示されているのですが、その面積は

地区面積備考
合計2,388.22
沖縄群島1,500.67
(1) 北部地区(842.98)沖縄群島要覧
(2) 中部地区287.79
(3.1) 那覇地区35.68那覇市統計書
(3.2) 南部地区335.46
宮古群島250.02
八重山群島637.56

となっており沖縄群島の面積が、各地区の面積合計と等しくありません。これは

1. 面積は首都して昭和14年沖縄県統計書(第1編内務)による1939年12月末現在の数字である。
2. ( )は沖縄群島要覧による。
3. 那覇地区の面積は那覇市統計書1966年版による1963年7月16日現在の数字である。

とあり、1963年の那覇市統計書の数字の扱いに問題があることになります。つまり那覇市拡大に伴う面積の増減がきっちり処理されていないことを意味します。

実際、『第一回琉球統計年鑑』から数字を持ってくると、1950年、1955年、1960年の沖縄群島の南部地区+那覇地区の合計の面積は369.90 km2となり、沖縄群島の面積の方は何ら問題のないものになります。

一方、[85559]に示すように1950年の国勢調査で採用されている宮古群島の面積250.01 km2、八重山群島の面積637.54 km2を用いると、合計の数字にも問題がないことになりますが、市区町村別面積を合計すると、宮古群島と八重山群島では上に示すように合計0.03 km2面積が増えてしまいます。『第一回琉球統計年鑑』でこれらの数字を検証すると、少ない方の数字は『沖縄群島要覧』、多い方の数字は『昭和14年 沖縄県統計書』の昭和15年末の面積によることが明示されております。そこで『昭和15年 沖縄県統計書』から昭和15年年末の数字を持ってくると

地区面積備考
合計2,386.24鳥島(面積不明)を含まず
沖縄群島1,498.66
(1) 国頭郡798.33
(2) 中頭郡287.79
(3.1) 那覇市5.11
(3.2) 首里市2.45
(3.3) 島尻郡404.98
宮古郡250.02
八重山郡637.56

つまり昭和15年末の時点では2386.24 km2、その後昭和25年の『沖縄群島要覧』の時点で、鳥島2.0 km2の面積ほか、北部地区や南部地区の面積が改訂され、さらに宮古郡と八重山郡で合計0.03 km2の改訂が行われた。ところが市区町村別面積の方は、なぜか昭和15年の数字を引き継いだ表記が『琉球統計年鑑』でなされ、さらに昭和40年の国勢調査那では那覇地区だけで面積改訂を行ったため、昭和40年の国勢調査の方では市区町村別面積の合計と一致しないという事態が深刻化してしまった、ということになります。

琉球地区に関しては奄美群島の面積を含め、色々要調査箇所があり、現状としては『沖縄群島要覧』を閲覧し、この誤差が丸め誤差や換算誤差によるものなのか、それとも別なのか、その原因をつかむ必要があることなります。昭和25年~40年の沖縄県の面積として2,388.22 km2(奄美群島を除く)を用いるのであれば、まず『沖縄群島要覧』の数字が優先されるべきでしょう。
[85559] 2014年 5月 4日(日)23:45:51【2】YT さん
1950年の市区町村別面積の問題点 (1) 一部の市町村別面積の数字が分割・吸収前のまま
現時点で私の手元で沖縄・奄美・小笠原・北方領土・竹島を除く地域について、1950年と1955年の国勢調査報告書に記載の面積を一応まとめましたが、幾つか重大な問題が発生しています。まず昭和25年国勢調査の最終報告書(第八巻)における日本全土の都道府県別面積と、『昭和十年 全国市町村別面積調』をまとめると以下の通りです。

都道府県合計(km2)市部(km2)郡部(km2)その他(km2)備考昭和10年(km2)
全国368,284.1519,815.28348,326.69142.18382,545.42
北海道78,486.064,272.3474,213.7288,775.04
青森県9,623.55127.829,495.739,630.92
岩手県15,230.47483.6114,746.8615,235.31
宮城県7,266.04228.917,037.137,273.75
秋田県11,614.59202.2211,412.3711,663.86
山形県9,331.74210.959,120.799,325.76
福島県13,772.74177.3213,595.4213,781.61
茨城県6,092.17120.845,971.336,090.99
栃木県6,438.89107.106,331.796,436.59
群馬県6,334.12137.756,196.376,335.87
埼玉県3,808.09216.153,591.943,802.68
千葉県5,032.16363.674,668.495,062.09
東京都2,031.12618.071,413.052,144.80
神奈川県2,361.13819.571,541.562,352.81
新潟県12,570.46193.3912,377.0712,578.05
富山県4,257.21181.484,075.734,257.42
石川県4,195.75285.613,910.144,192.42
福井県4,253.87111.374,142.504,264.48
山梨県4,463.5650.184,413.384,465.87
長野県13,630.96267.4813,363.4813,626.13
岐阜県10,491.69310.8310,180.8610,494.70
静岡県7,771.13546.577,224.567,769.91
愛知県5,049.06576.684,472.385,081.14
三重県5,762.38430.185,332.205,765.28
滋賀県4,025.36135.093,890.274,050.93
京都府4,632.421,034.003,598.42(A)4,621.20
大阪府1,814.63649.301,165.331,813.63
兵庫県8,332.32879.667,452.668,322.85
奈良県3,687.9749.423,638.553,688.60
和歌山県4,732.40125.674,606.734,723.48
鳥取県3,488.5074.623,413.883,489.48
島根県6,626.06218.346,325.4082.32(B)6,624.60
岡山県7,059.00213.716,845.297,046.48
広島県8,422.16291.538,130.638,436.52
山口県6,098.11977.825,120.296,082.11
徳島県4,141.6391.414,050.224,143.22
香川県1,862.3488.261,774.081,858.73
愛媛県5,663.15277.375,385.785,667.26
高知県7,104.93132.906,972.037,103.62
福岡県4,906.35772.004,134.354,939.70
佐賀県2,403.7455.632,348.112,449.03
長崎県4,069.97541.103,528.874,075.98
熊本県7,385.28495.846,889.447,437.75
大分県6,329.31447.305,882.016,333.87
宮崎県7,744.04642.877,101.177,738.85
鹿児島県7,825.68581.357,244.339,103.81
沖縄県2,386.24
十和田湖59.8659.86

備考:
(A) 一巻,四巻(全国368,302.94 km2、京都府4,630.47 km2,鹿児島県7846.42 km2)と七巻,八巻で面積が異なる。
昭和28年9月に市町村面積の改訂を行った結果第一巻に掲載の面積より市部(1.14方粁減)、郡部(3.09方粁増)、県計(1.95方粁増)がそれぞれ増減している。
鹿児島県における面積修正(-20.74 km2)の原因は不明
(B) 十和田湖(59.86 km2)を含む。
(C) 十和田湖(59.86 km2)を含まない。
(D) 宍道湖 (82.32 km2)は市部・郡部の面積に含まない。

面積については以下のように解説されています。

1) 旧内地の面積は昭和10年内閣統計局刊行「全国市町村別面積調」を基礎として、建設省調査所の史料より訂正したもの。
9) 昭和25年国勢調査第一巻第1表の昭和25年の面積368,302.94方キロを本数字に改訂。


つまり面積のデータは基本的には『昭和十年 全国市町村別面積調』からの増減で対応していることが分かります。ただし面積の出所は「昭和25年 全国市町村別面積調査(建設省地地理調査所)」とありますが、そもそもこの資料が閲覧可能な印刷された資料なのかどうかが分かりません。

また『琉球統計報告 第2巻第5号』 (1952年)によると、1950年の国勢調査面積は以下の通りとなっております。

群島土地面積(km2)
全琉球3,677.24
沖縄群島1,500.69
奄美群島1,239.00
宮古群島250.01
八重山群島637.54

1、面積は参謀本部陸地測量部の5万分の1の地形上における1940年1月26日の調査を基礎にして算出したものである。
2、沖縄群島の面積は、硫黄島島(2方粁)を含んだ数字である。
3、奄美群島の面積には、十島村(18.39方粁)を含んだ数字である。


なお『琉球統計報告』などの1950年国勢調査報告書には琉球の市区町村別の面積の情報が記載されておりませんが、『沖縄県統計書 昭和15年第1編』および『琉球統計年鑑 第1回(1955-1956年)』と照らし合わせることにより、市区町村別面積について一応算出することが可能です。ただし1950年国勢調査における奄美群島の市町村別面積の情報がまだ得られておらず、『沖縄群島要覧』 (1952年)の閲覧・比較検討を予定しております。


既に上の表でも十和田湖と宍道湖が特別扱いとなっておりますが、昭和25年の国勢調査については以下のように市区町村の面積に含まれない地域が存在します。もっともこれらは市区町村面積とは別に集計することで対応可能です。

都道府県地域面積
青森県南津軽郡五郷村外錯雑地3.79
青森県上北郡小川原沼62.26
青森県(郡部)十三湖20.55
宮城県玉造郡西大崎村外六ヶ村入会地5.57
秋田県(郡部)八郎潟湖222.21
山形県東村山郡長崎町外三ヶ村入会地0.08
山形県東村山郡豊田村長崎町入会地0.36
山形県西置賜郡西根村平野村入会地105.96
福島県(郡部)猪苗代湖104.15
茨城県行方郡霞ヶ浦30.97
茨城県真壁郡所属不明の飛地0.08
千葉県君津郡秋元村三島村入会地0.25
千葉県印旛郡印旛沼の所属不明地域15.19
東京都(三宅支庁)三宅島三宅村阿古村坪田村共有地5.48
東京都(八丈支庁)鳥島4.65
東京都(八丈支庁)ベヨネイス列岩0.02
東京都(八丈支庁)須美寿島0.05
東京都(八丈支庁)嬬婦岩0.01
神奈川県足柄上郡北足柄村外九ヶ村組合地11.14
神奈川県足柄上郡南足柄村外九ヶ村組合地9.23
神奈川県足柄上郡岡本村外九ヶ村組合地5.44
神奈川県足柄下郡湯河町外一ヶ村入合地0.39
神奈川県足柄下郡宮城町村外七ヶ村組合地5.10
新潟県佐渡郡加茂湖の所属不明地域0.97
富山県下新川郡黒部国有林351.79
富山県東礪波郡東山見村外一ヶ村入会地1.45
富山県西礪波郡石黒村吉江村入会地1.62
富山県西礪波郡東石黒村西野尻村入会地2.53
石川県珠洲郡河北潟22.85
石川県珠洲郡邑知潟4.74
福井県大野郡大野町外三ヶ村入会地2.47
山梨県東八代郡花鳥村外五ヶ村入会地5.49
山梨県東八代郡旧岡村外二ヶ村入会地1.56
山梨県東八代郡増田村富士見村外二ヶ村入会地2.30
山梨県北巨摩郡駒城村外二ヶ村入会地38.11
長野県諏訪郡諏訪湖14.45
長野県上伊那郡美篶村高遠町錯雑地0.11
静岡県賀茂郡天城御料地78.21
静岡県田方郡棚塩山御料地4.06
静岡県田方郡天城御料地73.61
静岡県駿東郡小山町外二ヶ村入会地0.66
静岡県富士郡富士山御料地28.61
静岡県引佐郡猪鼻湖5.57
静岡県(郡部)浜名湖70.74
三重県一志郡豊地村外三ヶ村入会地5.98
三重県北牟婁郡長島町桂城村入会地0.14
滋賀県(郡部)琵琶湖695.47
京都府与謝郡阿蘇海5.19
京都府熊野郡久美浜湾7.30
大阪府南河内郡河内村白木村錯雑地1.63
大阪府南河内郡中村河内村錯雑地0.93
奈良県北葛城郡陵西村外三ヶ村入会地0.93
和歌山県伊都郡妙寺町信太村入会地0.54
鳥取県東伯郡東郷池4.32
島根県(市部・郡部外)宍道湖82.32
(都道府県外)(市部・郡部外)十和田湖59.86


しかしながら、以下の地域については、分割・吸収前の市区町村の面積が調査未了により残ってしまっています。

都道府県市区町村面積備考
北海道空知郡上砂川町n.a.昭和24年4月1日砂川町の一部及び歌志内町の一部を以て新設、調査未了。
北海道空知郡砂川町116.10
北海道空知郡歌志内町58.39
北海道上川郡朝日村n.a.昭和24年8月20日上志別町の一部を以て新設、調査未了。
北海道上川郡上士別村676.88
北海道河西郡中札内村n.a.昭和22年9月1日大正村の一部を以て新設、調査未了。
北海道河西郡更別村n.a.昭和22年9月1日大正村の一部を以て新設、調査未了。
昭和23年4月1日幕別町との間に境界変更、調査未了。
北海道河西郡大正村558.76
北海道中川郡幕別町364.20
北海道広尾郡忠類村n.a.昭和24年8月20日大樹村の一部を以て新設、調査未了。
北海道広尾郡大樹村830.68
北海道常呂郡若佐村n.a.昭和23年4月1日佐呂間村の一部を以て新設、調査未了。
北海道常呂郡佐呂間村376.12
埼玉県児玉郡阿久原村n.a.昭和24年12月1日児玉郡若泉村を廃し、その区域をもって渡瀬村及び阿久原村を設置。
埼玉県児玉郡渡瀬村12.30
東京都(大島支庁)新島本村27.58新島本村・新島若郷村あわせて面積27.58 km2。
東京都(大島支庁)新島若郷村27.58
石川県河北郡金津村n.a.河北郡高松町の一部をもって金津村を設置。
石川県河北郡高松町21.20
岐阜県安八郡旧北平野村3.76昭和25年4月1日安八郡北平野村を廃し、その区分を分割し、一部を同郡神戸町に編入し、残部を揖斐郡池田村に編入。
岐阜県安八郡神戸町5.20
岐阜県揖斐郡温知村13.55昭和25年8月1日安八郡本郷村及び池田村を廃し、その区域をもって同郡温知村を設置。
岐阜県加茂郡旧富岡村10.23昭和24年10月1日加茂郡富岡村を廃し、その区分を分割し、一部を同郡富田村に編入し、残部を武儀郡関町に編入。
岐阜県加茂郡富田村6.76
岐阜県武儀郡関町32.40
島根県簸川郡旧乙立村27.11昭和25年5月3日簸川郡乙立村を廃し、その一部を同郡窪田村に、他の一部を同郡朝山村に編入。
島根県簸川郡朝山村26.78
島根県簸川郡窪田村39.69
岡山県小田郡白石島村n.a.昭和24年4月1日小田郡神島外村の一部をもって設置、調査未了
岡山県小田郡神島外村10.60

当初これらの面積も昭和30年の国勢調査の面積を参考に加減することで対応可能と考えておりました。しかしながら実際に面積を比較したところ、昭和25年と昭和30年の間で面積の基礎資料に断絶があることが分かりました。『昭和30年 国勢調査報告 第一巻 人口総数』によると

この報告書に掲げた昭和30年の都道府県市区郡町村別面積は,建設省地理調査所および総理府統計局が,終戦後修正を施した5万分の1地形図(応急修正版)上において新たに測定した昭和30年10月1日現在の境域による市区町村の平面面積である。したがって,この数値は従来の5万分の1の地形図による面積とは,地域に異動がない場合でも,かならずしも一致しない。

とあり、昭和30年の面積から逆算して修正しようとしても、恣意性を排除することは不可能です。

そこで例えば北海道について地方統計書の記述を調べてみようと、試しに『第64/65回北海道統計書 (昭和30/31年)』を閲覧してみましたが、既に面積の方は昭和30年国勢調査ベースの方法で計算したものと一致しており、より古い北海道統計書との比較が必要なことが分かりました。

また東京都の新島本村・新島若郷村に関しては、『昭和28年 東京都統計年鑑』の段階では一緒の面積が記載され、『昭和29年 東京都統計年鑑』では合併が完了してしまっており、公的に両者を分離した数字がないようです。一応『昭和13年 市町村概観.』によると、

官有地民有地合計メートル法換算値(m2の単位で四捨五入)
新島本村60町98畝1036町51畝1097町49畝10,884,198
新島若郷村2町82畝26歩102町23畝26歩105町06畝22歩1,041,990

とあり、メートル法で換算すると合計11.93 km2となりますが、これは国勢調査報告書の数字である27.58 km2を大幅に下回り、官有地・民有地の設置されていない地域が16 km2近くもあることになります。
[85558] 2014年 5月 4日(日)22:58:48【1】YT さん
1920~1950年の西日本・および1955年の国勢調査人口の要修正箇所・および変遷情報の要修正箇所
[84605][85243][85280]に続き、近畿以西の都道府県(沖縄県と三島村を除く奄美群島)の1920,1925,1930,1935,1940,1947,1950年、および1955年の国勢調査人口をチェックしたところ、[84549]でアップした中身について以下の箇所に間違いが見つかりました。

区町村名修正箇所修正前修正後
滋賀県坂田郡息長村昭和22年臨時国勢調査現在人口4,3354,331
滋賀県坂田郡坂田村昭和22年臨時国勢調査現在人口4,3314,335
京都府北桑田郡宮島村昭和10年国勢調査現在人口1,7991,520
京都府北桑田郡鶴ヶ岡村昭和10年国勢調査現在人口1,5201,799
京都府何鹿郡山家村大正9年国勢調査現在人口2,7073,548
京都府何鹿郡口上林村大正9年国勢調査現在人口3,5482,161
京都府何鹿郡中上林村大正9年国勢調査現在人口2,1614,145
京都府何鹿郡奥上林村大正9年国勢調査現在人口4,1452,707
大阪府南河内郡藤井寺村大正9年国勢調査現在人口4,2803,773
大阪府南河内郡道明寺村大正9年国勢調査現在人口3,7734,280
大阪府南河内郡藤井寺村大正14年国勢調査現在人口4,6644,324
大阪府南河内郡道明寺村大正14年国勢調査現在人口4,3244,664
兵庫県養父郡西谷村大正9年国勢調査現在人口3,4392,536
兵庫県養父郡南谷村大正9年国勢調査現在人口2,5363,439
鳥取県東伯郡下中山村昭和10年国勢調査現在人口1,5941,857
鳥取県東伯郡上中山村昭和10年国勢調査現在人口1,8571,594
鳥取県日野郡江尾村 (A)昭和22年国勢調査町村制鳥取県日野郡江尾町鳥取県日野郡江尾村
島根県那賀郡国府村 (B)漢字・分離島根県那賀郡国分村島根県那賀郡国府村
岡山県吉備郡薗村昭和10年国勢調査現在人口2,1822,078
岡山県吉備郡新本村昭和10年国勢調査現在人口2,0782,182
岡山県上房郡上水田村昭和5年国勢調査現在人口2,5692,434
岡山県上房郡呰部町昭和5年国勢調査現在人口2,4342,569
広島県御調郡宇津戸村漢字広島県御調郡宇都戸村広島県御調郡宇津戸村
徳島県麻植郡山瀬町 (C)大正14年国勢調査町村制徳島県麻植郡山瀬村徳島県麻植郡山瀬町
香川県三豊郡上高野村昭和5年国勢調査現在人口4,2712,144
香川県三豊郡上高瀬村昭和5年国勢調査現在人口2,1444,271
愛媛県新居郡大生院村昭和10年国勢調査現在人口3,3882,563
愛媛県新居郡大保木村昭和10年国勢調査現在人口2,5633,388
福岡県田川郡彦山村 (D)編入先田川郡添田町福岡市
福井県大野郡下穴馬村昭和30年国勢調査常住人口2,2992,860
福井県大野郡上穴馬村昭和30年国勢調査常住人口2,8602,299


(A): 鳥取県日野郡江尾村が江尾町になったのは昭和22年10月1日ではなく昭和22年11月3日。
(B): 国分村等が合併し、昭和16年8月1日~昭和26年3月31日の間、国府村が存在していたにも関わらず、国分村が続いたかのように記述してしまっていた。
(C): 徳島県麻植郡山瀬村が山瀬町になったのは大正15年5月5日ではなく大正12年5月5日。
(D): 福岡県田川郡彦山村の編入先は田川郡添田町ではなく福岡市。

上の(A), (C), (D)に絡み、以下の3箇所について変遷情報を修正する必要があると思われます。

(1) 鳥取県日野郡江尾町の町制実施の年月日 (鳥取県#82)

『昭和25年 国勢調査報告 第1巻』の市町村の廃置分合、境界変更及び名称変更-昭和22年10月~昭和25年9月 の鳥取県の項目には全く書かれていませんが、『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その31 鳥取県』によると
29) 昭和22. 11. 3. 日野郡江尾村を江尾町とする。((2 705) 備考 昭和15 (2 321)、昭和10 (2 388)、昭和5 (2 512)、大正14 (2 221)、大正9 (2 529))
とあり、以下のように修正する必要があると思われます。

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
修正前821947(S22).10.1町制日野郡江尾町日野郡 江尾村詳細
修正後821947(S22).11.3町制日野郡江尾町日野郡 江尾村詳細

同時に昭和22年10月1日時点での正しい自治体名は『昭和22年臨時国勢調査』の「全国都道府県郡市町村別人口」に記載通り、「江尾町」ではなく「江尾村」と思われます。

(2) 徳島県麻植郡山瀬町の町制実施の年月日 (徳島県#35)

『大正14年 国勢調査報告 第1巻』の「市町村の廃置分合境界更及名称変更 (大正八年一月一日乃至大正十四年十月一日)」によると、
大正十二年五月五日 麻植郡山瀬村ヲ山瀬町ト改称
とあり、大正14年国勢調査の時点で既に改称済みであり、以下のように修正する必要があると思います。

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
修正前1926(T15).5.5町制麻植郡山瀬町麻植郡 山瀬村詳細
修正後1923(T12).5.5町制麻植郡山瀬町麻植郡 山瀬村詳細

(3) 福岡県田川郡彦山村の編入先 (福岡県#155)
『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その40 福岡県』によると(【追記:以下の変遷情報は51)ではなくて81)】)

51) 昭和17. 2. 11. 田川郡彦山村 (3 426)を廃し、その区域を福岡市 (330 377…計 333 803) に編入。(備考 昭和10 (3 058)、昭和5 (2 949)、大正14 (2 804)、大正9 (2 785))
とあり、以下のように修正する必要があると思います。

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
修正前1551942(S17).2.11編入田川郡添田町田川郡 添田町, 彦山村詳細
修正後1551942(S17).2.11編入福岡市福岡市, 田川郡 彦山村詳細

●以上の外、広島県豊田郡木ノ江町から木江町への改称(広島県#130)、高知県高岡郡興津村から与津村への改称(高知県#75)が、『昭和25年 国勢調査報告 第1巻』の市町村の廃置分合、境界変更及び名称変更-昭和22年10月~昭和25年9月 や『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その34 広島県』・『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その39 高知県』などで名称変更情報として扱われていません。

また岡山県和気郡英保村→英保町→吉永町の変遷について、『昭和25年 国勢調査報告 第1巻』の市町村の廃置分合、境界変更及び名称変更-昭和22年10月~昭和25年9月 の岡山県の項目には
昭和23年 10月 20日 和気郡英保村を英保町とする。
としか書かれていませんが、同じ[『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その33 岡山県』]によると
59) 昭和23. 10. 20. 和気郡英保村を英保町とし、英保町を吉永町とする。(英保村(3 442) 備考 昭和15 (2 628)、昭和10 (2 548)、昭和5 (2 298)、大正14 (2 142)、大正9 (2 056))
とあり、町制即日改称というように記述がなされております。しかしながら本県については過去に[83609][83612][83613][83616]のような議論があったことを知り、上の要修正項目から削除しました。ただ、国勢調査報告書では最終的に即日改称を採用していることになっております。

また三重県飯南郡大石村と櫛田村の昭和15年国勢調査人口が、『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その24 三重県』によると2691人、2380人となっておりましたが、『昭和15年 国勢調査報告 第一巻』の「世帯および男女別人口(全人口)-全国,道府県,郡,市区町村」に従い、2692人、2379人を採用したままにしました。本件の場合、郡別合計が一緒になってしまいますが、昭和25年国勢調査報告書よりも後に出版された昭和15年国勢調査報告書の方が男女別人口も載っており、より信頼できると判断しました。

市区町村昭和25年国勢調査報告書記載昭和15年国勢調査報告書記載
三重県飯南郡大石村2,6912,6921,3831,309
三重県飯南郡櫛田村2,3802,3791,1701,209
[85280] 2014年 4月 16日(水)21:54:58【2】YT さん
1920年~1950年の中部地方の国勢調査人口の要修正箇所
[85243] 白桃さん
[85247][85248] hmt さん
[85250] むっくんさん

色々フォローをありがとうございます。

正直申し上げますが、私の場合は「町制施行年月日がいつであったか」よりは、
「各国勢調査時点で町か村のどちらであったか」の方が大切なのです。(笑)

現在のところ、1920,1925,1930,1935,1940,1947,1950年の国勢調査人口を、1950
年の国勢調査報告書を使ってチェックしているので、自分も「各国勢調査時点で
町か村のどちらであったか」ことしかチェックしておりません。よって、白桃さ
んとほとんど立場が同じです。人口と面積の情報を入力し終わった暁には、改め
て個々の変遷情報の日付をチェックするかも知れませんが。

[84605][85243]に続き、中部地方の1920,1925,1930,1935,1940,1947,1950年の国
勢調査人口をチェックしたところ、[84549]でアップした中身について以下の箇
所に間違いが見つかりました。茨城県新治郡土浦町・真鍋町のように、人口の数
値自体を間違える誤りは見つかっておりません。

区町村名間違いの箇所修正前修正後
富山県婦負郡倉垣村昭和22年臨時国勢調査現在人口6,1221,978
富山県婦負郡八幡村昭和22年臨時国勢調査現在人口1,9786,122
富山県西礪波郡北蟹谷村昭和15年国勢調査現在人口1,6532,288
富山県西礪波郡東蟹谷村昭和15年国勢調査現在人口2,2881,653
山梨県北都留郡棡原村大正9年国勢調査現在人口1,8763,146
山梨県北都留郡西原村大正9年国勢調査現在人口3,1461,876
長野県上水内郡吉田町 (A)分離上水内郡吉田村上水内郡吉田町
長野県更級郡西寺尾村所属埴科郡で集計更級郡で集計
岐阜県本巣郡真桑村大正9年国勢調査現在人口1,8553,563
岐阜県本巣郡船木村大正9年国勢調査現在人口3,5631,855


(A): 大正3年4月1日~大正12年6月30日の期間、吉田町が存在していたにも関わ
らず(吉田村→吉田町→長野市に編入)、吉田村が直接長野市に編入したかのよう
に記述してしまっていた。

[85269] Shouta さん
というわけで現時点でも色々と要修正点が残っておりますが、[84549]でアップ
した圧縮ファイルをダウンロードして頂ければ、もっと包括的なデータが手に入
ります。

【オーナーグリグリ さんへ】

すみません

[85279]はパスワードを間違えて投稿してしましました。

削除をお願いします。
[85243] 2014年 4月 7日(月)03:06:18【4】YT さん
国勢調査人口の修正箇所と変遷情報の要修正箇所
[84549]でアップした中身について
今後の修正スケジュールですが、
(1) 1920,1925,1930,1935,1940,1947,1950年の国勢調査人口を、1950年の国勢調査報告書を使って順次チェック(2~3ヶ月前後か?)
(2) 1955年以降の国勢調査人口をチェック(1ヶ月前後か?)
(3) 1948,1946,1945,1944年の常住人口、人口調査人口をチェック(2ヶ月前後か?)
(4) 1920年よりも前の現住人口チェック(各1ヶ月、合計5ヶ月か?)
といった感じで、多分全部のチェックには1年掛かるかも知れませんが、とりあえず現時点で一応形にはなりました。
と修正計画を建てましたが、[84605]で北海道・東北地方について1920年、1925年、1930年、1935年、1940年、1947年、1950年の国勢調査人口と1950年の面積の情報を入力した後、某所で慶長国絵図・郷帳と正保国絵図・郷帳における郡別石高の整理の方に浮気をしてしまい、大幅に内容チェックが遅れてしまいました。先週よりようやく関東地方の修正に手を出した結果、以下のような入力間違いが見つかりました。昭和5年の茨城県新治郡土浦町・真鍋町の人口入力のミスは、昭和10年の町域に組み替えた人口を入力してしまったためであり、昭和5年の国勢調査の人口順位に関しても、【人口1万8186人~1万8338人の間の都市は1つ順位が上がり、人口5441人~5593人の間の都市は、1つ順位が下がるなど、該当する都市以外について】若干の修正が必要となりました。

市区町村名間違いの箇所修正前修正後
茨城県新治郡土浦町昭和5年国勢調査現在人口18,33918,186
茨城県新治郡真鍋町昭和5年国勢調査現在人口5,4415,594
群馬県北甘楽郡小幡町大正14年国勢調査町村制群馬県北甘楽郡小幡村群馬県北甘楽郡小幡町
埼玉県北足立郡志紀町【(A)】漢字・分離北足立郡志木町北足立郡志紀町
埼玉県北埼玉郡利島村大正14年国勢調査現在人口2,5653,442
埼玉県北埼玉郡川辺村大正14年国勢調査現在人口3,4422,565
東京府荏原郡平塚町【(B)】分離荏原郡平塚村荏原郡平塚町
神奈川県津久井郡小淵村大正14年国勢調査現在人口845822
神奈川県津久井郡沢井村大正14年国勢調査現在人口822845

【(A): 昭和19年2月11日~昭和23年3月31日の期間、志紀町が存在したのにも関わらず、昭和23年4月1日に分割・成立後の志紀町とまとめてしまっていた。】

【(B): 大正15年4月1日~昭和2年6月30日の期間、平塚町が存在していたにも関わらず(平塚村→平塚町→荏原町)、平塚村から直接荏原町に改称したかのように記述してしまっていた。】

また、以下の2箇所について変遷情報を修正する必要があると思われます。

(1) 群馬県北甘楽郡小幡町の町制実施の年月日 (群馬県#25)

『大正14年 国勢調査報告 第1巻』の市町村の廃置分合境界更及名称変更 (大正八年一月一日乃至大正十四年十月一日)によると、大正14年5月10日の時点で既に北甘楽郡小幡村を北甘楽郡小幡町に改称しており、以下のように修正する必要があると思われます。

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
修正前251926(T15).5.10町制北甘楽郡小幡町北甘楽郡 小幡村詳細
修正後251925(T14).5.10町制北甘楽郡小幡町北甘楽郡 小幡村詳細

(2) 埼玉県大里郡久下村の分割編入 (埼玉県#64)
『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編 その11 埼玉県』によると
57) 昭和16.4.10 大里郡久下村(1 939)を廃し、その一部(1 772)を熊谷市に、残部(167)を北足立郡吹上町に編入。(備考久下村昭和10 (2 009)、昭和5 (2 009)、大正14 (2 019)、大正9 (1 940)
とあり、以下のように久下村の吹上町への編入を追加する必要があります。【主・微で表記するのであれば、熊谷市に編入される分が主、吹上町に編入される分が微です。】

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
修正前641926(T16).4.10編入熊谷市熊谷市, 大里郡 玉井村, 大麻生村, 久下村詳細
修正後641926(T16).4.10編入熊谷市熊谷市, 大里郡 玉井村, 大麻生村, 久下村の一部詳細
修正後651926(T16).4.10編入北足立郡吹上町北足立郡 吹上町, 久下村の一部詳細

【一部文章を追加修正】
[84612] 2013年 12月 31日(火)01:02:50【3】YT さん
昭和30年の豊栄村への合併時には「てへん」の高擶村の方が正式?
[84609] 伊豆之国 さん

この地域にあるJR奥羽線の駅は、文字は「手へん」の「高擶」で、読みは「たかたま」と濁りません。


調べていただきありがとうございます。私も昭和58年頃に印刷された日本地図を見て、駅名が高擶駅、また天童市内に書かれいる地図上の大字名も「高擶」と、「てへん」になっていることを確認しました。高擶小学校のサイトを見ると、楡の木云々の謂れが載っておりますが、もはや「てへん」の「高擶」を正式に採用してしまっているようです。

で、[84605]を投稿した段階では、本当は「きへん」が正しくて、日本語入力システムの関係で仕方なく「てへん」の「高擶」に移行したものだと思っておりました。現に近代デジタルライブラリーで、「てへん」の「高擶村」で検索をかけても何も引っかかりませんが、「きへん」の「高ダマ」で検索を掛けると、『有栖川宮記念厚生資金選奨録』(【追記】中身を確認すると、昭和8年頃の段階で「きへん」の「高ダマ村社会事業協会」となっている)、『図書館叢書』(【追記】今中身を確認したら、左の文章中では昭和6年の段階で「てへん」の「高擶村青年団」になっていた)、『山形県史蹟名勝天然紀念物調査報告』(【追記】中身を確認すると、昭和2年頃の段階で「きへん」の「高ダマ城址」「高ダマ村」となっている)などの文献が引っかかることから、少なくとも当初は「きへん」の「高ダマ村」が正式とみなされていたと思われます。

一方官報では、「てへん」の「高擶」で2件引っかかりますが、実際に中身を見ると昭和5年9月5日の逓信省告示第二千百三十三号では「きへん」の「高ダマ」(逓信大臣 小泉又次郎って、小泉純一郎の祖父か)となっているのに対し、昭和8年8月4日の逓信省告示第千七百八十三号の方では、「てへん」の「高擶(タカタマ)」郵便局となっており、官報でも混乱が見られるだけかと思いました。

ところが官報で「きへん」の「高ダマ」で検索を掛けたところ、気になる情報が出てきました。昭和3年6月4日の逓信省告示第千四百六号によると、

●逓信省告示第千四百六号
昭和三年六月十一日ヨリ左記郵便局ヲ改称ス
 昭和三年六月四日
   逓信大臣 久原房之助
現名称 高ダマ(きへん)郵便局
改称 高擶(タカタマ)郵便局
位置 山形県東村山郡高擶村(てへん)


つまり昭和3年に郵便局の名称をわざわざ「きへん」から「てへん」に改称しているのです。となると、おそらくこの時期に、村の呼称も「きへん」から「てへん」に変える状況が発生したものと推測されます。

国立公文書館デジタルアーカイブで高擶村を検索すると、昭和30年1月1日の総理府告示第1084号として、「村の廃置分合(東村山郡干布村、高擶村を廃し豊栄村を置く)」という情報が出てきます。残念ながら昭和30年の官報に実際に印刷された画像を見ることはできませんが、「てへん」の方で情報は入力されています。

これらの情報を総合して判断すると

(1) 当初は「きへん」の「高ダマ村」が正式だった。
(2) ところがどういうわけか、昭和3年前後に、「てへん」の「高擶村」に改名するような事態があったらしい。
(3) 近代デジタルライブラリーで戦後に発行された地図を見ると、「高擶村」になっているが、国勢調査報告書の方は旧来の名称を引き摺って、「きへん」の「高ダマ村」と記述し続けた。
(4) 昭和27年に高擶駅ができた頃は既に「てへん」の「高擶」が正式と思われる。ただし戦前の文書は濁音に無頓着なので、「タカタマ」という振り仮名そのままに「たかたま」と命名してしまったのかもしれない。
(5) 合併して豊栄村になった時の官報の印刷原文は確認できないが、どうも合併時には「てへん」の「高擶村」である可能性が高い。
(6) JIS規格にには「てへん」の「擶」のみが採用され、また現在の大字名等も「てへん」の「擶」が正式。

といった感じかも知れません。

郵便局の名称変更の情報からすると、昭和3年頃に「きへん」から「てへん」の改名が行われたようですが、実際の村の呼称の方ではどういう形で改名が行われたのかは気になります。
[84605] 2013年 12月 30日(月)17:34:17【2】YT さん
山形県東村山郡たかだまむらは「てへん」の「高擶村」?「きへん」の「高だま村」 (機種依存文字)
現在[84549]でアップした中身について、1920年、1925年、1930年、1935年、1940年、1947年、1950年の国勢調査人口を、1950年の国勢調査報告によりチェックしつつ、1950年の面積の情報を入力しており、北海道と東北地方が終わったところです(全体の1/6)。

現時点で以下のような入力間違いが見つかっており、多分国勢調査開始以降だけでも、200箇所以上の入力間違いがあると推測されますので、[84549]を使う時には注意して下さい。まあ郡別に人口は集計してチェックしておりますので、入力の際に同一郡内での似たような名前の町村や似たような人口の町村の人口を交換してしまうというのが、主たるミスです。

市区町村名間違いの箇所修正前修正後
福島県伊達郡立木山村漢字福島県伊達郡立木山村福島県伊達郡立子山村
福島県北会津郡門田村大正9年国勢調査現在人口3,0665,251
福島県北会津郡大戸村大正9年国勢調査現在人口5,2513,066
福島県大沼郡氷玉岡村大正9年国勢調査現在人口2,7231,465
福島県大沼郡永井野村大正9年国勢調査現在人口1,4652,723
島県石城郡箕輪村昭和22年臨時国勢調査現在人口1,8591,852
福島県石城郡沢渡村昭和22年臨時国勢調査現在人口1,8521,859
島県相馬郡磯部村大正9年国勢調査現在人口1,9911,881
福島県相馬郡日立木村大正9年国勢調査現在人口1,8811,991

それはさておき、山形県東村山郡高擶村ですが、日本歴史地名大系でも、自分が普段使っているMicrosoft Office IME 2010でも、「たかだまむら」は「てへん」の「高擶村」です。ところが昭和25年の国勢調査報告書(pdfファイル)では、どうみても「きへん」の「高ダマ村」となっております。

【と、投稿しようとして気づきましたが、ダマの字は機種依存文字なんですね】

昭和30年の国勢調査報告の「市区町村の廃置分合,境界変更,名称変更一覧表」pdfファイルでは、山形県東村山郡豊栄村に合併された「たかだまむら」は・・・・・・印刷が切れていますが、辛うじて「きへん」に見えます。

昭和22年臨時国勢調査報告pdfファイル昭和10年国勢調査報告昭和10年全国市町村別面積調昭和5年国勢調査報告大正14年国勢調査報告大正9年国勢調査報告も「きへん」に見えます。昭和15年pdfファイルの国勢調査(そもそも戦後出版されたもの)は、「てへん」か「きへん」か微妙ですが
ネット上の情報では、天童市の観光ガイドによると、

 このあたり一帯は室町時代には「高楡」と書かれていましたが、江戸時代には「高擶」と記されるようになりました。このことから、吉田東伍(よしだ・とうご)博士は次のような説を唱えています。

吉田東伍(よしだ・とうご)博士の説 このあたりでは楡(ニレ)をタモやタマと呼んでいたことから、タカタマを「高楡」と記していた。それがいつのまにか誤って「高擶」と記されるようになり、現在まで続いている。

 このあたり一帯は立谷川(たちやがわ)扇状地の先端部に位置するため湿地が広がっており、ヤチタモと呼ばれる樹木が生い茂っていたため「高楡」とつけられたと考えられています。

今や吉田東伍の『大日本地名辞典』もオンラインで閲覧できますが、

高楡(タカタマ) 方俗、楡をダマに誤る
(中略)
ダマ、諸字書之を載せず、楡の譌のみ。楡は、和名にれなり。而も、東方の方俗、ニレをタモ、またタマと呼ぶ、故に此に楡字を用ゐたり。

とあって、天童市のサイトとはことなり、吉田東伍の原文では「きへん」で解説されております。

ダマの字が機種依存文字という問題を抱えていることに今この文を投稿しようとしたことに気づきました。ウェブ上では「擶」で表示するしかないとして、このような背景を踏まえた上で、「たかだまむら」のたまの字は「てへん」の「擶」とするべきか、それとも「きへん」の「ダマ」とするべきなのか、むしろ「楡」にするべきなのか、皆さんのご意見をお願いします。

【追記】機種依存文字といえば、[84551]を投稿した際に、「宝塚市」がなぜか機種依存文字判定されていたのですが、どうやら[84549]のファイルでは宝塚市だけ「ひげあり」の塚で入力してしまっていたようです。私はこの辺の違いは漢字のゆらぎの問題と思っており、[84549]のファイルの宝塚市も、手元にある最新版では通常の塚に修正しております。

その一方で「きへん」と「てへん」では別の漢字だと思うのですが、ウェブ上では自治体を含めて「てへん」表記の「高擶」が標準的にすらなっているようです。

場合によっては変遷情報の高擶村方も脚注が必要かも知れません。
[84575] 2013年 12月 24日(火)18:33:01【8】YT さん
戦前の市区町村別面積をどうするか
[84568] オーナー グリグリ さん
[84573] NTJ会長 さん

まずは、国勢調査人口データ(および面積データ)について、調査年毎の基本となるページを整備し、

まず現時点で「面積」については全くまとめ終っておりませんし、「面積」もまた時間によって可変なデータです。

【追記:以下の文章は12月25日に図書館で改めて調べ直した結果を踏まえ、元の文より一部内容が訂正されております】

さらに印刷された国勢調査報告書を図書館で改めて調べた結果、面積のデータ自体必ずしも国勢調査で一貫したルールでまとめれらていないことがわかりました。自分が調べた限り、各国勢調査報告書における面積データは以下のように収録されていました(○は記載あり、×は記載なし)。

報告書都道庁府県別面積支庁・郡市別面積市区町村別面積備考リンク
大正9年国勢調査○【方里・km2】××小数点以下下三桁『大正九年 国勢調査報告 全国の部 第一巻』
『大正九年 国勢調査記述編』
大正14年国勢調査○【方里・km2】○【方里】×小数点以下下三桁『大正十四年国勢調査報告 第二巻 全国結果表』
『大正十四年 国勢調査報告 第一巻 記述編』
昭和5年国勢調査○【km2】○【km2】×小数点以下下三桁『昭和五年 国勢調査報告 第一巻』
昭和10年国勢調査○【km2】○【km2】×小数点以下下二桁『昭和十年 国勢調査報告 第一巻 全国編』
昭和15年国勢調査×××なし
昭和22年臨時国勢調査×××なし
昭和25年国勢調査○【km2】○【km2】○【km2】小数点以下下二桁『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編』
昭和30年国勢調査報告○【km2】○【km2】○【km2】小数点以下下二桁『昭和30年国勢調査報告 全国都道府県郡市区町村別面積改定表』

大正9年の国勢調査報告には、庁府県別の面積しかありません。『大正九年 国勢調査記述編』では方粁(km2)単位で大日本帝国と庁府県別の面積が示されていますが、『大正九年 国勢調査報告 全国の部 第一巻』では方里(1 方里 ≒ 15.4234711 km2)を単位として庁府県別面積が示されています。

大正14年国勢調査報告でも、『大正十四年 国勢調査報告』 第一巻 記述編』ではkm2単位で、『大正十四年国勢調査報告 第二巻 全国結果表』では方里単位で庁府県別面積が掲載されています。また後者には市郡別面積(北海道に関しては、支庁(郡部のみの集計))が記載されていますが、その面積は方里単位で記述されています。

昭和5年国勢調査報告では方里が排除され、庁府県、市郡別面積共にkm2単位で掲載されております。

昭和10年には『昭和十年 全国市町村別面積調』が存在しますが、少なくとも国勢調査報告には市町村別面積の記載がありません。ただし市郡別面積は下三桁から下二桁に変更となっており、おそらく『昭和十年 全国市町村別面積調』を基礎資料として面積を計算したものと思われます。

また[84566]によると、最近の国勢調査に掲載されている過去の都道府県別面積の内、昭和10年~22年の数字は昭和10年全国市町村別面積調によるとありますが、そもそも昭和15年と昭和22年の国勢調査報告書には面積の記載が全くありません。

以上より、せっかく昭和10年3月末の市区町村別面積調のデータがあっても、昭和25年よりも前までの国勢調査報告書には市区町村別面積の記載がないことになります。これらの間の数字について、独自に推計して埋めるべきなのか、そうするべきではないのか。あるいはそれ以前に関しては市と郡の面積は利用可能ですが、最初の大正9年の面積はそもそも都道府県別しか記載されておらず、大正14年の市郡別の面積をさかのぼって割りあてるべきなのか。等々、色々データ処理に問題があり、全ての年次について単純に面積と人口のデータをくくりつけることができません。

なお現在昭和25年の面積調を入力しているところですが、現時点で「丸め誤差」が全くありません。丸め誤差というのは、例えば小数点以下第3位で四捨五入することにより得た小数点以下第二位の数字を足して得られる合計の数字と、小数点以下第3位まで考慮して合計した数字を四捨五入して得られる数字との間に生じるずれのことです。面積は人口と違って連続的な数値であるため、ある桁で四捨五入した数字を大量に足せば、本来なら必ず丸め誤差が生じるはずです。ところが丸め誤差がないということは、この時代の市区町村の面積が、全体の面積にたいして分割を繰り返して計算したという、ある意味ややいい加減な数字であることを意味します。一方、まだ確認しておりませんが、ここ最近の面積の方はおそらく丸め誤差があり、その辺の端数処理もどうするべきか思案中です。また方里・方粁の換算による有効桁の問題も発生します。

また統計局のホームページでは昭和30年の国勢調査時の面積の閲覧が可能ですが、一部の面積については『昭和30年国勢調査報告 全国都道府県郡市区町村別面積改定表』(オンラインで閲覧できない)によって改訂されており、注意が必要です。
[84566] 2013年 12月 22日(日)17:42:06【1】YT さん
昭和25年の市町村別面積データ
[84565] hmt さん

昭和30年(1955)以降の国勢調査には、全国の市町村別面積が掲載されています。


オンラインで公表されているデータでは閲覧できませんが、沖縄等を除く市町村別面積は『昭和25年国勢調査報告 第7巻 都道府県編』の方に掲載されております。本書は大正9年、大正14年、昭和5年、昭和10年、昭和15年、昭和22年の人口(実は先日まで、この本に掲載されているこれらの過去の人口は昭和25年の市区町村に組み替えた値だとばっかり思っていたのですが、先日改めて読み返したところ、全部当時の市区町村別人口のままで、合併・町制施行等のために呼称が変更された市区町村に関しては、凡て脚注に数字をまとめてあり、予想よりもこれらの年の市区町村と人口の対応のチェック作業は早く終わりそうです)が載っており、大正9年~昭和25年の国勢調査人口のチェック作業と同時に、昭和25年の国勢調査報告書掲載の面積を打ち込んでいるところです。

なお、『平成22年国勢調査報告 第1巻 人口・世帯総数』の方の「平成22年国勢調査の概要」に載っている面積の解説によると、

 本報告書に掲載した平成17年以前の各年の面積の出所については以下のとおりである。


大正9年大正9年国勢調査報告第1巻 (内閣統計局)
大正14年大正14年国勢調査報告第1巻 (内閣統計局)
昭和5年昭和5年国勢調査報告第1巻 (内閣統計局)
昭和10年~22年昭和10年全国市町村別面積調(内閣統計局)
昭和25年全国市町村別面積調査 (建設省地理調査所)
昭和30年昭和30年国勢調査報告第1巻及び昭和30年国勢調査全国都道府県
郡市区町村別面積改定表 (総理府統計局)
昭和35年以降各年の全国都道府県市区町村別面積調
(建設省国土地理院(平成12年以降は国土交通省国土地理院))

 これらのうち,大正9年の面積は当時の陸軍参謀本部の陸地測量部の測定によるものであり,大正14年及び昭和5年の面積は,大正9年測定当時の基本地図に改測又は修正を加えたものの面積である。
 昭和10年の面積は,陸地測量部と内閣統計局が共同で陸地測量部の指導の下に,同部発行の5万分の1地形図に基づいて,昭和10年3月末日現在により測定したものである。以後の昭和15年,20年,22年及び25年の面積は,昭和10年の面積を基礎とし,その後の調査地域の移動及び市町村の廃置分合, 境界変更等に伴う修正を行ったものである。
 ただし,昭和25年の面積は,再検討を要すると認められた市町村については,境界の移動の有無にかかわらず,その面積を改測し,また,昭和10年以降において海岸線が著しく変化した区域の市町村も改測した。
 昭和30年の面積は,建設省地理調査所(現国土交通省国土地理院)と総理府統計局(現総務省統計局)が終戦後修正を施した5万分の1地形図(応急修正版)上において新たに測定した昭和30年10月1日現在の境域による平面面積である。これ以降の昭和35年~60年の面積は,昭和30年の面積を基礎とし,その後の調査地域の廃置分合,境界変更等に伴う修正を逐次行ったものである。
 平成2年以降の面積は,国土地理院が昭和63年10月1日時点で,2万5千分の1地形図(国土地理院発行)上で新たに測定した昭和63年10月1日現在の境界である面積値を基礎とし,その後の異動を考慮した各回調査年10月1日現在の境域による面積である。


昭和5年以前の国勢調査には、道府県別面積は掲載されておりますが、市区町村別面積は掲載されていなかったはずです。

昭和10年の国勢調査では、支庁・郡市別面積は載っておりますが、市区町村別人口は載っておりません。ただし埼玉県が独自に出版している国勢調査報告には市町村別人口が掲載されています。ただ詳しい数字は、昭和10年4月1日~10月1日の間に実施された以下の変更に考慮しつつも、昭和10年3月末調の『昭和十年 全国市町村別面積調』で代用できます。

4.1富山県編入富山市富山市, 上新川郡 奥田村
福井県編入遠敷郡小浜町遠敷郡 小浜町, 雲浜村, 西津村
山梨県町制/改称北都留郡猿橋町北都留郡 大原村
静岡県編入田方郡三島町田方郡 三島町, 北上村
京都府編入久世郡淀町久世郡 淀町, 綴喜郡 美豆村
福岡県編入築上郡八屋町築上郡 八屋町, 宇島町
長崎県町制/改称壱岐郡勝本町壱岐郡 香椎村
熊本県編入天草郡本渡町天草郡 本渡町, 本戸村
町制/改称阿蘇郡小国町阿蘇郡 北小国村
鹿児島県町制日置郡串木野町日置郡 串木野村
4.3福井県町制吉田郡森田町吉田郡 森田村
4.15大阪府編入泉南郡貝塚町泉南郡 貝塚町, 木島村
4.29奈良県町制宇陀郡宇太町宇陀郡 宇太村
5.5栃木県町制塩谷郡藤原町塩谷郡 藤原村
6.1岐阜県編入大垣市大垣市, 安八郡 多芸島村
和歌山県町制東牟婁郡西向町東牟婁郡 西向村
6.15石川県編入江沼郡大聖寺町江沼郡 大聖寺町, 福田村
岐阜県編入岐阜市岐阜市, 稲葉郡 三里村, 鷺山村
7.1神奈川県町制/改称三浦郡大楠町三浦郡 西浦村
大阪府新設/町制泉南郡山直町泉南郡 山直上村, 山直下村
7.1鹿児島県改称姶良郡霧島村姶良郡 東襲山村
8.1福島県町制石川郡浅川町石川郡 浅川村
静岡県改称駿東郡愛鷹村駿東郡 鷹根村
8.1千葉県町制山武郡白里町山武郡 白里村
大阪府新設豊能郡池田町豊能郡 池田町, 細河村, 秦野村, 北豊島村
9.1高知県編入高知市高知市, 土佐郡 秦村, 初月村
佐賀県町制東松浦郡相知町東松浦郡 相知村
町制東松浦郡佐志町東松浦郡 佐志村
9.4大分県編入別府市別府市, 速見郡 石垣村, 朝日村, 亀川町
9.25鳥取県編入米子市米子市, 西伯郡 住吉村
10.1兵庫県編入姫路市姫路市, 飾磨郡 城南村, 高岡村

昭和15年の国勢調査報告の方ですが、おそらく戦後出版された報告書の方には市区町村別面積の情報は掲載されていなかったと思いますが、火曜日にでも図書館で確認してみます。

昭和22年の臨時国勢調査では、結果報告書の冊数自体が少なく、市区町村別面積は掲載されていなかったと思います。

というわけで、国勢調査報告書に初めて市区町村別面積の情報が掲載されたのは、昭和25年の国勢調査の時だと思います。資料とされる『全国市町村別面積調査』に関しては、そのような冊子の存在をnacsis webcat等で確認できないので、昭和25年の国勢調査報告書に掲載されている分が唯一のものかもしれません。

ただ報告書にも問題があります。上の解説によると

 ただし,昭和25年の面積は,再検討を要すると認められた市町村については,境界の移動の有無にかかわらず,その面積を改測し,また,昭和10年以降において海岸線が著しく変化した区域の市町村も改測した。

とあるのですが、少なくとも北海道に関しては、以下のような地域については面積の再計算が行われておらず、上砂川町、朝日村、中札内村、更別村、忠類村、若佐村の面積は空欄のままとなっており、砂川町、歌志内町、上志別村、大正村、幕別町、大樹村、佐呂間村等は変更前の面積のままとなっております。

1) 空知支庁 上砂川町 昭和24年4月1日砂川町の一部及び歌志内町の一部を以て新設、調査未了。
2) 上川支庁 朝日村 昭和24年8月20日上志別村の一部を以て新設、調査未了。
3) 十勝支庁 中札内村 昭和22年9月1日大正村の一部を以て新設、調査未了。
4) 十勝支庁 更別村 昭和23年9月1日大正村の一部を以て新設、調査未了。
        昭和23年4月1日幕別町との間に境域変更、調査未了。
5) 十勝支庁 忠類村 昭和24年8月20日、大樹村の一部を以て新設、調査未了。
6) 網走支庁 若佐村 昭和23年4月1日、佐呂間村の一部を以て新設、調査未了。


まだ詳しくは全部に目を通しておりませんが、本州以南に関しては昭和25年までの市区町村間の境域変更に伴う面積の変更は概ね修正されているようです。
[84560] 2013年 12月 20日(金)17:48:52YT さん
面積データ、現在の境域による過去の人口等
[84552] hmt さん
一応人口データの枠ができましたので、人口データのチェックと一緒に、以前[73992]でも言及しました面積の入力を行っていきたいと思っています。

[84554] MI さん
[84557] むっくん さん
その後官報第六〇五四号(明治三十六年九月四日)にて
○村改称
玖珂郡渋前村藤谷村を合併し坂上村と改称明治三十七年一月一日より施行す
明治三十六年九月 山口県
との訂正がありましたので、現状のままでよいものと考えられます。
調べて頂きありがとうございます。
となると、明治36年の渋前村、藤谷村の項目をn.a.とでもする必要があるのかもしれません。

[84555] オーナー グリグリ さん
[84558] 白桃 さん
人口データの内、戦中戦後の人口調査・常住人口調査・臨時国勢調査をどう扱うかにも方針が必要かも知れません。昭和19年の人口調査は、昭和20年と比較しての落差など、非常に面白いデータなのですが、東京都に関してはなぜか当時の市区町村境域による人口ではない、さらに都道府県別人口と市区町村別人口の間に無視できる量ではない補正が加わっており、どうにも困ったものです。昭和20年の人口調査も、官報に載った市区町村別人口と、その後に公表された都道府県別人口の間に若干の補正が加わっています。昭和22年の臨時国勢調査も、水害による補正が加わっています。昭和21年の人口調査にはそういう問題はありませんが、外地人や外国人の人口が除外されていたりします。

まあ[82404][82405]で放置されたままになっている、平成22年10月1日の境域における各回国勢調査時の市区町村別人口を絡めるのであれば、国勢調査と昭和22年の臨時国勢調査のみでデータベースを作るべきかも知れません。

[84559] NTJ会長 さん
あたしなら、「全ての合計」を記載しますねぇ多分。
で、当時の自治体名に構わず、「その領域の人口の遍歴」として表にしますね。
こちらに関しては計算結果をオーナーグリグリさん、白桃さん以外の方には見せておりませんが、例えば[81975]に示すように、一応過去に平成22年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口を計算したことがあります。ただその際に問題となるのは、人口異動を伴う境域変更があった場合、小地域集計データの実数をどこまで反映させるかです。

過去に『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』という本が出版されており、この場合は人口異動を伴う境域変更は直前の国勢調査における組替人口のみを考慮し、それ以前については人口比を保持したままの推計人口として扱っています。それをルール化すると例えば[82020]に示すようになます。実際には全てを計算するのは大変なので、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』を出発となる基礎資料とし、過去の国勢調査・臨時国勢調査に関して平成22年10月1日の境域による市町村別人口を計算してみました。

ただ、例えば2000年の上九一色村の小地域集計結果データを使って[84316]のような処理をしてしまうと、上記のルールは崩れてしまいます。国勢調査で小地域集計結果データが存在するのは1995年以降ですので([84321]参照)、「1995年以降の人口異動は小地域集計結果データを考慮し、1995年以降に人口異動を伴う境域変更があった地域のそれ以前の人口を推計する際は、1995年の人口比で計算する」といったルールを加えようかと思いましたが、残念ながら1995年の小地域集計データはオンライン、紙媒体で閲覧不可で、電子データを150万円程度で購入する必要があります。

何れにせよ、現在の境域による過去の人口に関してはまだコンセンサスができておらず、当時の境域による市区町村別人口の方がよほど扱い易いデータです。
[84551] 2013年 12月 19日(木)15:04:46YT さん
主要都市の各センサスにおける人口順位一覧(西日本編)
西暦19201925193019351940194419451946194719481950195519601965197019751980198519901995200020052010
津市5365765968759394949692949811212712713012912912713114377
四日市市88102897278434045434247454748636871737271707070
鈴鹿市10482889697104133130131130124121122118114114116112
神戸町37303316315434672842
伊勢市103117127144166178194206215229258194
宇治山田市70869483968886919898102
大津市10212313955708773767777859196106929791877877727166
京都市44544533333455555676777
舞鶴市190485958627475114115136160179198206218237242278304
舞鶴町526508505478
大阪市21122222222222223333333
鷺洲町64
豊崎町40
今宮町47
鶴橋町97
天王寺村90
堺市2221242524181619212121251514111212121414141515
岸和田市130137106114695261696666909490100103105105110110107110113
岸和田町109
豊中市116135135131848682714428272832343941424649
豊中町330185
豊中村1392558
吹田市749081809091891219557474948475253545658
吹田町570278195128
高槻市21417119620318118520714698623947484546525757
高槻町372327881792159181
守口市1301301271541099387101117125127131140158165
守口町525718221032547217227260238
枚方市182183183244145100695143414340414346
枚方町3018198016311235164188170178
茨木市235244233162114948484808183818082
茨木町16291162902730568597574578596
八尾市1081091089173656063677076777983
八尾町756656574404341332294290303
寝屋川市458314116736470748082869296
寝屋川町261248257263271284
寝屋川村81577794759068136201
東大阪市151618182121222628
布施市34373235363637423831
布施町48719692
布施村2522
神戸市35456666666666667767666
姫路市5558683842495317202022241918212325252726252725
尼崎市7489975425131920131312121212121517202224283337
小田村17613712280
明石市9611412710211067126121117118110798481747472727369687476
西宮市1211264043384647454542332722252730323443353231
西宮町114
加古川市15614013112912510894918880808285
加古川町963781394333258270285280291298
宝塚市20218414412411410210110010398102102
小浜村18091212952715605643573616579581603
奈良市6775867889947277758790838278726256514950475256
和歌山市2325251919222326252529312625283135384242434955
鳥取市1101191339910313110911411812112095106120135141143140142144144109116
松江市7999108849310610510410811296101105117132138139137141142139114120
岡山市1818182130314438343433282929261715151516161921
倉敷市162122168158143136145148143778689313031333738373032
倉敷町375339
広島市8777782721151411111011141111111010101111
呉市1015119121120222222303639435971839294981058795
福山市10812212973901011161131141141061357774504145454444454036
下関市2628342918211824232427293034495664717681847679
宇部市76694945395452464341495782110116113115115116117126136
宇部村76
山口市1471211541655050547191129133135151163162161160154153118117
山口町132143
防府市859688929799100105126141156164169171180186193211228
防府町164175194145
岩国市99109113112116120121117113123141154165182194206214244170
岩国町482462495449
周南市153161
徳山市13514171747983117142152157154162168178191202216
徳山町189200215130
徳島市2935373537425854515150435162677275757578798187
高松市5440494339467068525045563538415051525555575942
松山市4454454638413131323332323430343433302928262526
今治市1061121138592105165142131128123107114125137144153156170182192130144
宇和島市1081098697117154140129133129163176206238247262281311338372287319
宇和島町156
新居浜市1211161391281331321289385103126136142150161167174194215
新居浜町961799637321
高知市5045363441353332333234414650565554575760596260
北九州市7789101111111313
門司市27272931333641434446465568
小倉市91694032262628282728252725
若松市4973735351587572828576102104
八幡市16191412101521252823241617
戸畑市11191585661999595958010499
戸畑町92
大牟田市324235333627293030262835416090110120124134146155179213
福岡市1712888977777771010108888888
久留米市5739433750556660666762636683818688939292926972
飯塚市105113133169155148149140175210161207238237247259266281319189
飯塚町111126124
穂波町452632679704722750765771781845
穂波村81107134136141180222216215204211314
田川市81858185847899124182239293338350378404428495532
伊田町148182204144129
佐賀市9496102881011201081019910410874839611211911911811912012610798
長崎市7891111122518191916141416192124262833393738
佐世保市2126212016162223242726232836536574798588898888
大分市5862756861637773727370868842464540404037363433
別府市113118657782746257627397102107128132137146156166171187208
別府町112
熊本市2811151620201313121213131315171816161615152018
宮崎市92816272657871615658616364767666656765656848
宮崎町167
都城市13913511386959286919394128127121134146145151157160164175140
都城町131
延岡市76607697878688798292104123130136142155169178202191
延岡町35173065157
鹿児島市1417191822254334262918192326222019171719192223
鹿屋市114110100106113115136160193231255257266272281278312256
鹿屋町207219213179204
那覇市6070607585179873633405257596364666669
那覇区42

銚子市の前身は本銚子町だろだとか、田川市の前身は後藤寺町だろだとか、色々突っ込みはありそうですが、その辺は独断で取捨選択しました。

自分がまとめたファイルの方は、異なる各市区町村に別の人口を入れてしまったケースが大量にあるかも知れませんが、人口の総数の方はチェックしておりますので、人口の数値と順位の方には大幅な間違いはないと思います。
[84550] 2013年 12月 19日(木)14:59:49【1】YT さん
主要都市の各センサスにおける人口順位一覧(東日本編)
で、折角なので一度でもいいからやってみたかったことを実行します。
以下、1920年以降の各センサスで人口上位100位以内、特例市、北海道の旧支庁所在地の何れかに該当する都市の、前身となる町村を含めた各センサスにおける人口順位一覧です。ただし1945年~1948年は沖縄は対象外で、1950年~1970年は沖縄を含みます。また1944年の東京都の都市人口は1955年頃の境域によるもので、暫定的な人口順位です。そして東京都特別区部は1つに数えます。

西暦19201925193019351940194419451946194719481950195519601965197019751980198519901995200020052010
札幌市1313151517910101010999876555555
札幌区15
函館市9101317231214161719263137554750555966737381
函館区9
小樽市161724293324273131313945588599103116125133142168188
小樽区13
旭川市37443953544848474748474939374444444648515359
旭川区37
室蘭市7178614040455156555378737799117127145179199219256279
室蘭区41
釧路市9592777998112110110103728069688485929498107112124130
釧路区68
帯広市116142163156159151154151145111111121125124123121119118137142
帯広町260211173
夕張市746879766865921011552233824856499381121123312421211
夕張町45778710376
岩見沢市177151172168169163199208210227242243249263256260301296
岩見沢町141162166132159
網走市222226215300329356386437450474486498510587624
網走町121165179135163229193202
留萌市250259257429469407451521548582650708743821872
留萌町318374337268273266261227
稚内市245283266293299336379407454481505592644
稚内町368255265229247258253246255256
美唄市81120135220355490522553599647693784844
美唄町132111948983938981
沼貝町127
沼貝村100
根室市347343372418469515576623657754802
根室町287285274228254272366354440418403648
江差町8568639759261218116111091145119111991180119012491161115012071285136714471553157814191284
倶知安町265350398445528598536548547558552964987874896945986101710651124115311171069
浦河町11379858164947097548548147417306731110782789817891963102210741117113511311110
青森市5152523646509882675955404344575959626668676773
弘前市9911711598981199497103109111626787103113109111116115116131128
八戸市846663686367646357605363717980848789889197
八戸町209194
盛岡市6072675759563944484851596466808185869070717774
仙台市12141210131488888101113131414141212121212
秋田市8690957081533540414443384251586161616563636368
山形市5257665667664949535356484861758081828385828591
米沢市598710687105127106115121127135109123140168190207215226234237273299
福島市8710010493108123123125717271727970666967707172697575
会津若松市100116128143161163170177184191199205
若松市789711497109129101107115119124
郡山市91937988991049610010110111610746545860605856565865
郡山町128
いわき市324046464747495562
平市187231242234237241188143167191
平町179181191173
水戸市698096647386115111111110105887884919190909187878384
日立市58601701471391351326559658288969799108110112121
日立町171174124
日立村133
つくば市140135129111107
谷田部町26962583256423972180200721222020197920232260737847853844812670555
宇都宮市3334464252575755555454303332363738363534343527
足利市10511291107122118123136134146989788107115116119120124132145157
足利町93
日光市471511540619698807898972103510881106298
日光町232253263212219197232258265272286
足尾町981792031752392813183633914044369161117126015402302248525592636268927582036
前橋市3536424154596066686567445256616665666873756464
高崎市8282716365776163706974767669838387888991909054
桐生市94855055735157636469819099120131141153165180197184216
桐生町77
伊勢崎市128147144144157156161123138152170178176179182181172108108
伊勢崎町324241227190
太田市146157242195151155157155148148150148104106
太田町16201249123163912297122127140
さいたま市1010
浦和市1008364424649495258564742384142363024
浦和町436244188
大宮市79626465606457555244424243413532
大宮町191156164125131
川越市13214112013615912112613814014596103101937869636258586161
川越町135
熊谷市10813011210099105105112111120118131137135133132134135119110
熊谷町150148144
川口市8147523741424144685435353537373131302829
川口町320251222
所沢市1961861491189282686461606063
所沢町735585597535560192179177187189193
春日部市4894993841791421221171091051049399
春日部町500527559579618
粕壁町161413061218106810591049
上尾市42027013812111510910610099101104
上尾町35333749335825501587126210681031989929875434
草加市4271641291091011029794959693
草加町2020166314211174861760661649644627636503
越谷市2761721149386786967646567
越谷町280
越ヶ谷町53063292374930512905279021041949193619671984
千葉市98997449453839404040373224161313131313131414
千葉町95
銚子市9482919189929497122128143171196216230251269288338384
銚子町563465475
市川市9687806959606159696553454639393232333134
市川町677282236
船橋市100927675808087848145332521211920202322
船橋町303228218169
松戸市16614013412614114715313779513634282627292930
松戸町928641629256226
柏市2791911191118779696162614747
柏町1163899788647458448405389374
千代田村18821485
市原市1531069589857975767880
市原町19201382
八幡町35553411351431192969258624392320227124372463
特別区部111111111111111111
東京市12211
品川町636480
大井町835360
大崎町897883
目黒町8462
目黒村214
荏原町22
平塚村74038
世田谷町10956
世田谷村369
渋谷町242231
千駄谷町85104121
代々幡町1836859
淀橋町666674
中野町1584741
杉並町11551
杉並村1718
高田町12585100
西巣鴨町432326
滝野川町653232
南千住町465977
日暮里町625658
三河島町1595148
尾久町7955
尾久村950
王子町754839
千住町1036761
吾嬬町1055047
寺島町10698
寺島村188
亀戸町725564
八王子市7183887180728484889088646254524336312522212424
武蔵野市107100981109397117128134138149156156171180
武蔵野町306176125124108104
武蔵野村2257575
三鷹市16714712194108112118120123125122128126
三鷹町228196156137136137
三鷹村16731382970534
府中市2211831421029610099999695948990
府中町1592957836422355300289272276282
町田市166113776358545049464239
町田町2290184013431107667306396387386392386470
横浜市66665445555544332222222
鶴見町70
生見尾村283
川崎市61302397141111998889910999999
川崎町162
相模原市12611076393326222017172119
相模原町11180838789103
大野村2195207220481933714
横須賀市20242717211010991115172427303227293336383843
平塚市10711912416616115915714816110095959493898486838489
平塚町372186146
鎌倉市1261361201191237684115118108115111111114117121128135135
鎌倉町210195182155
藤沢市1401108990818286898967645755504845444545
藤沢町229188187148
小田原市1007985939293858791105104108104108106106113115
小田原町143155183163205
茅ヶ崎市166167168191177132122120112106101969697100
茅ヶ崎町208198217177191190158162
厚木市360307228180159129113105999799103
厚木町263722481604126011221037999963937918974
大和市380211146122114110107102100100101
大和町908387823687617488635
大和村27382841250120061790
新潟市1920232731281515181820212021242423232323231716
長岡市616372677183174145125115107677285981061061071121111099578
上越市140146154158162158105109
高田市115135156140186228186201201213232141159186211
富山市3643534435323637353535464040435352565657623940
高岡市8493907584443033373739658092102107110112114117120141134
金沢市1110162223241112141514182223292928273029313635
小松市1139098109111116138132145161174180192199203207231247
小松町300307324288294
福井市384965514851127118837963757075787778818284858686
甲府市394150454447555650524952607288969898103104108115114
長野市8044544762704753585761536171384849495151504850
松本市484657526478646974758354718697981001001021011019894
岡谷市127186203192212210236271255258262289319332360387411465509
平野村567482104
岐阜市3433383027292629293023222120232629353839404444
大垣市116124128909110311111610210295112108115119126131131136139145155149
静岡市2530201414191716171617151819202222242425271820
清水市8179696971877878787773744960707783869091
清水町551
浜松市3129282828305642393936201617181920191818181617
沼津市11011189951026565595860707580868997969597102106111
沼津町168
富士市331292244899095959393939492
富士町664466371390364341343348360
加島村860738
名古屋市53333354444333444444444
豊橋市3031332632343436383838343741485453535352485052
岡崎市7388634857626770737068515859707568646059555453
一宮市1201198266849510210710699505055687373767779785151
一宮町122
瀬戸市13195115152141165170173174167141154169153156158166164165176186
瀬戸町151134
半田市1049396105113117118158165174187203218217212210204213222
半田町220257319270
春日井市1601251371501551622111531101018276777474747271
勝川町844833805689644
豊田市302122796762585454534141
挙母市464
挙母町421412406395268251239240246249262
[84549] 2013年 12月 19日(木)14:32:26YT さん
明治31年以降の市区町村別人口変遷の変遷
[84256] オーナー グリグリさん

一応11月中に明治31年以降の市区町村別人口変遷の変遷が完成しました。その後、まず本サイトの市区町村変遷情報と見比べながら、市区町村の変遷情報をチェックしたところ、前にアップロードしたファイルの中に100以上の間違いを見つけました。

また当サイトの市区町村変遷情報に要修正箇所を改めて見つけましたので以下報告します。

(1) 鳥取県八頭郡山形村 (鳥取県#25)

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
251912(M45).4.1新設八頭郡山形村八頭郡大内村, 虫井村詳細

『自明治42年1月1日至大正2年12月31日 郡市町村廃置分合表』によると、明治45年4月は、八頭郡大内村と虫井村の間に組合が設置さえた日であり、両村が統合されておりません。『大正14年 国勢調査報告 第一巻 記述編』によると、
大正八年一月一日 八頭郡大内村、虫井村ヲ廃シ其ノ区域ヲ持テ山形村ヲ置ク
とあり、以下のように修正するべきでしょう。

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
XX1919(T8).1.1新設八頭郡山形村八頭郡大内村, 虫井村詳細

(2) 山口県玖珂郡坂上村 (山口県#22)

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
221904(T37).1.1新設玖珂郡坂上村玖珂郡 渋前村, 藤谷村詳細

『自明治三十六年十二月三十一日至明治四十一年十二月三十一日 郡市町村廃置分合一覧表』に該当する情報がなく、『明治三十六年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』ではすでに統合済みとなっています。
『自明治三十一年十二月三十一日至明治三十六年十二月三十一日 郡市町村廃置分合一覧表』によると、明治36年5月9日に統合が許可とあり、実施日は書いてありませんが、明治36年中に統合が実施されたのではないでしょうか?

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
XX1903(T36)..新設玖珂郡坂上村玖珂郡 渋前村, 藤谷村詳細

というわけで、「市区町村別人口 Ver. 0.10」として
以下に47todofuken01.lzhをアップしました(LHA圧縮、約7.3 Mb)。
解凍すると25Mbにもなります。
http://u6.getuploader.com/SR1gou/download/837/47todofuken01.lzh

Introductionシートには、簡単な解説
For Checkシートには、入力したデータとSUM関数による合計のチェック
Mainシートには、For Checkシートから関数を除去したもの
Rankシートには、国勢調査開始以降の各センサスの市町村別人口順位

が含まれます。

今後の修正スケジュールですが、
(1) 1920,1925,1930,1935,1940,1947,1950年の国勢調査人口を、1950年の国勢調査報告書を使って順次チェック(2~3ヶ月前後か?)
(2) 1955年以降の国勢調査人口をチェック(1ヶ月前後か?)
(3) 1948,1946,1945,1944年の常住人口、人口調査人口をチェック(2ヶ月前後か?)
(4) 1920年よりも前の現住人口チェック(各1ヶ月、合計5ヶ月か?)
といった感じで、多分全部のチェックには1年掛かるかも知れませんが、とりあえず現時点で一応形にはなりました。
[84442] 2013年 11月 16日(土)18:12:59【2】YT さん
東北を除く日本の明治31年以降の市区町村別人口の変遷
[84256] オーナー グリグリさん

関東地方の人口変遷をまとめる過程で、当サイトの市区町村変遷情報に要修正箇所を見つけましたので以下報告します。なおどれも本質的には間違いと言うほどのものではありません。

(1) 千葉県平川町 (千葉県#220、#222)
君津郡平川町への根形村の一部、富岡村の一部の編入は同日です。法令上では別になっているのかも知れませんが、他のケースでも同様に別扱いとしているのでしょうか?本件に関しては、千葉県#220、#222を合わせ、#222を消して以下のように変更するべきではないでしょうか?

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
2201955(S30).3.31編入君津郡平川町君津郡 平川町, 根形村の一部, 富岡村の一部詳細


(2) 埼玉県入間郡毛呂村の編入先 (埼玉県#55, (埼玉県#56))
『昭和25年 国勢調査報告 第7巻その11埼玉県』によると
昭和13. 4. 1. 入間郡毛呂村及び山根村の各一部(人口異動なし)を同郡高麗川村に編入。
昭和13. 4. 1. 入間郡毛呂村(3 329)及び山円村(2 668)を廃し、その区域をもって毛呂山町(計5 997)を設置。
とあり、人口異動なしとはいえ入間郡毛呂村の一部は、同様に人口異動なしの山根村の一部と同じ日付で高麗川村に編入されています。よって埼玉県#55を以下のように変更する必要があると思います。

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
551939(S14).4.1編入入間郡高麗川村入間郡 高麗川村, 毛呂村の一部, 山根村の一部詳細

(3) 世良田村の編入について (群馬県#102, (群馬県#103)
変遷情報では1957年(昭和32年)11月1日付で尾島郡世良田村と新田郡尾島町の間で境界変更、同日に尾島郡世良田村が佐波郡境町に編入とありますが、昭和35年国勢調査報告の「付表2 市区町村の廃置分合, 境界変更, 名称変更一覧表」(pdfファイル)によると、
32.11. 1 新田郡世良田村の一部(4,905)が尾島町に編入
とあり、異動人口は佐波郡 境町に編入された旧新田郡世良田村の人口(4368人)よりも多いくらいです。よって群馬県#102, #103の双方を編入とし、以下のように変更するべきではないでしょか?

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
1021957(S32).11.1編入新田郡尾島町新田郡 尾島町, 世良田村の一部詳細
103編入佐波郡境町佐波郡 境町, 新田郡 世良田村の一部詳細


(4) 久慈郡染和田村について (茨城県#127, #129)
変遷情報では1955年(昭和30年)3月1日付で久慈郡河内村の一部が久慈郡染和田村に編入後、同日に久慈郡山田村と久慈郡染和田村が合併して久慈郡水府村となっています。法令上は別でしょうが、このようなケースについて他の変遷情報ではまとめて記載しているように見受けられますがどうでしょうか?よってこれも両者を合わせて、茨城県#129を削り、以下のようにまとめるべきではないでしょうか?

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
1271955(S30).3.1新設久慈郡水府村久慈郡 山田村, 染和田村, 内村の一部詳細


というわけで、[84253] でアップしたエクセルファイルに、神奈川県、東京都/府、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県の情報を加えたものを以下にアップしました(LHA圧縮、約2.9Mb)。

http://u6.getuploader.com/SR1gou/download/796/41todofuken.lzh


●新潟県岩船郡粟島浦村については公的な出版物である『新潟県市町村合併誌 下』の記載に従いました。

●東京府/東京都に関しては、北海道/北海道庁や米軍下の沖縄県と同様に、エントリーの区別はつけませんでした。

●明治31年の東京府小笠原島の人口は、『明治三十一年 日本帝国人口統計』では合計4519人の情報しかありませんが、『明治三十一年 東京府統計書』により、島別人口の情報を補いました。ただし村別人口は不明です。

●明治31年の東京府管下伊豆七島中八丈島附属青ヶ島の現住人口682人は明治35年年7月8日の『官報 第5702号』により追加しました。

●明治41年の東京府管下伊豆七島中八丈島附属青ヶ島の現住人口(544人)の追加と三重県員弁郡大泉村の現住人口の改訂(1495人→1584人)は、『明治44年9月6日の『官報 第8464号』』によります。なお官報には他の訂正も載っていますが、『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』では東京府青ヶ島と三重県員弁郡大泉村の現住人口以外については修正・対応済みです。

●昭和22年臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」については、「追加補正」という分類により、以下のエントリーで対応しました。
地域名人口
宮城県玉造郡全域の内町村に配分せられない水害地の調査もれ数21
宮城県栗原郡全域の内町村に配分せられない水害地の調査もれ数71
宮城県登米郡全域の内町村に配分せられない水害地の調査もれ数60
宮城県本吉郡全域の内町村に配分せられない水害地の調査もれ数55
下都賀郡の内生井村、部屋村の2カ村に配分せられない水害地の調査もれ数60
足利郡の内毛野村、山前村、小俣村、山辺町の4カ村に配分せられない水害地の調査もれ数207
北埼玉郡の内利島村、川辺村、東村、原道村、元和村、豊野村の6カ村に配分せられない水害地の調査もれ数53
南埼玉郡の内桜井村、新方村、増林村、八条村、八幡村、潮止村、須賀村、鷲宮村の8カ村に配分せられない水害地の調査もれ数84
北葛飾郡全域の内町村に配分せられない水害地の調査もれ数321

●昭和20年人口調査における「報告もれ等の人口」については、昭和22年の臨時国勢調査での水害地の調査もれとは違い、実際には集計の訂正よる人口減も含まれてしまっています。これらの修正は、昭和20年末に官報に公表された数字と、『昭和15年国勢調査 昭和19年人口調査 昭和20年人口調査 昭和21年人口調査 結果報告摘要』(1949年)の出版の間で行われており、市部・郡部での総計の修正しか詳細は判りません([82196]参照)。これらについては、「追加修正」という分類により、以下のエントリーで対応しました。
地域名人口
宮城県市部の地域別不詳の報告もれ等778
宮城県郡部の地域別不詳の報告もれ等160
秋田県郡部の地域別不詳の報告もれ等-91
茨城県郡部の地域別不詳の報告もれ等-229
埼玉県郡部の地域別不詳の報告もれ等171
千葉県郡部の地域別不詳の報告もれ等-11
長野県市部の地域別不詳の報告もれ等100
愛知県市部の地域別不詳の報告もれ等288
愛知県郡部の地域別不詳の報告もれ等225
京都府郡部の地域別不詳の報告もれ等-1
山口県市部の地域別不詳の報告もれ等-49
香川県郡部の地域別不詳の報告もれ等147
熊本県郡部の地域別不詳の報告もれ等139

●東京都の昭和19年人口調査に関しては、『昭和19年人口調査 集計結果摘要』に従い、1954年末頃の区町村別境域に従った人口をイタリックで掲載しました([82202]参照)。なお昭和20年の人口調査と昭和22年の臨時国勢調査に関しては、人口の不一致の解消を図りましたが、昭和19年の人口調査は全ての都道府県で市区町村別人口の合計と都道府県別人口が一致しません。官報等で人口が報告されている気配もなく、これらの人口修正が行われた時期も不明であり、現状では昭和19年の人口調査のみ、人口不一致が残ったままとなっています。

入力が済んでいない残りは東北のみで、ほぼ全体の90%が完成といったところです。既にエントリー数は2万を超え、最終的には2万3千くらいになるでしょうか。なお相当数の入力間違いが含まれており、再チェックはとりあえず全貌が完成してからです。

入力作業で問題となるのは、国勢調査報告書に間違いがある点です。特に昭和15年の国勢調査報告書は、町⇔村の間違いが多く、昭和25年の国勢調査報告書は数字の間違いが多いようです。
[84321] 2013年 10月 27日(日)22:44:29【4】YT さん
国勢調査小地域集計データ
[84316] オーナー グリグリさん

ところで、小地域集計データはいつ頃からネットで公開されるようになったんですかね。


国勢調査で町丁・字別の集計を行うようになったのは平成7年(1995年)以降です。

また平成7年(1995年)のデータは「国勢調査 平成7年以前の小地域集計結果データについて」(pdfファイル【リンク修正】)によると:

平成7年以前の小地域(町丁・字等別)集計結果については,以下のとおりです。
●平成7年
町丁・字等別の結果データは,専用のデータ表示ツールを用いて利用する形態となっています。
このため,e-Stat には掲載しておらず,表示ツールと結果データを収録したCD-R を,統計図書館
(URL:http://www.stat.go.jp/training/toshokan/4.htm)や,都道府県庁に配布しております。
ご利用に当たっては,お近くの各機関にお問い合わせください。
●平成2年以前
町丁・字等別の集計を行っておりません。


とあり、e-statで閲覧できるのは平成12年(2000年)以降となります。

一年ぐらい前にまとめた「2010年の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口」のデータでは直前の国勢調査の組み替えのみしか考慮しておりませんでしたので、2005年~2010年の間の境域変更に関しては、e-statの2000年のデータを使ってそれ以前の人口推計をすぐにでも修正することが可能ですが、1995年のデータは自分は未だ実物をみたことがありません。

いずれにせよ、1990年以前の小地域集計結果は国の国勢調査レベルでは存在しないので、「2010年の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口」を実データで修正するとしても、(1995年の国勢調査の小地域集計結果が入手できたとして)可能なのは[81967]の1995年以降の15件+2005年以降の境域変更の合計20件前後ということになります。

【追記】と思いましが、1995年~2000年の境域変更分については1995年の組み換え人口データで反映されているので、実データによる修正を改めて為し得る対象の境域変更は、2000年以降の10件程度だけですね。なお都道府県によっては公的な統計サイトで国勢調査時の町丁・字等別人口を公表しているはずです。

【追記の追記】肝心の以下の疑問に答えるのを忘れました。
ところで、小地域集計データはいつ頃からネットで公開されるようになったんですかね。
平成12年、平成17年の小地域集計データの閲覧方法の解説で2012年1月10日の日付が見えることから、多分平成22年の国勢調査の最終結果も揃い始めた2012年初頭のことだと思います。

【追記の追記の追記】なお[81927]でも言及した統計情報研究開発センターから「平成7年国勢調査<集計結果データ>」の小地域集計を購入しようとしますと…

例えば「総数・男,年齢(3区分)別人口及び世帯の種類(2区分)別世帯数の結果(一般提供に限る)」が入っている「平成7年国勢調査基本単位区別集計A(年齢3区分有り)」が都道府県編合計で1,554,000円(税込)、「町丁・字等別集計結果に対応する地域の境界線(レイヤ),町丁・字等の名称等」が入っている「平成7年国勢調査町丁・字等別地図(境域)データ 」が都道府県編合計で1,533,000円(税込)もするもので、ちょっと個人で買えるものではありません。
[84314] 2013年 10月 27日(日)16:02:23YT さん
境界変更に関して
[84310] むっくんさん

私にはYTさんが何を問題とされておられるのかよく分かりません。


説明不足で済みません。[84269]の文章はむっくさんに問いただした内容ではなく、境界変更に関する記載のルールをもっと明確にした方がよいという一般論として書いたものです。

人口の変遷を色々調べた過程で、現状の変遷情報でも人口異動がゼロでも掲載されていたり、逆に数百人単位での人口異動がある例でも抜けている例が多数あります。また(微)・(主)の使い分けにしても、実際には(微)と書かれておりながら(主)の倍近くの人口が異動していた例がありました(境界変更に関してはメモを取ってなかったので、どれがおかしいかは今は指摘できませんが)。人口異動がゼロのケースは大字単位での境界変更があった事例とは思えないので、多分、元にした府県毎の二次資料か何かに引きずられてそのまま情報が残ってしまったものだと思います。現状では「境界変更のみ」の情報が一定のルールに従って掲載されているとは思えないのです。

そこで「大字単位での境界変更があるもの」「人口異動があるもの」「人口異動がないもの」の区別をつけるかはどうかとして、境界変更のみに関しては「市区町村変遷履歴情報」から外し、改めて「市制町村制施行時の情報」・「市区町村変遷履歴情報」とは別の情報としてまとめたらどうかと思った次第です。あるいは現状のまま「「大字異動」・「人口異動」の何れかでも確認された場合」に限り、境界変更情報を掲載することにするのでしょうか?現在の人口入力作業が完成した後でしたら、国勢調査報告書に掲載されている国勢調査開始以降の境界変更の情報をまとめたりして協力することはできますが、この辺のルールが未だ中途半端のまま放置されているようにみえるので、もう少しルールを明確にした方が良いと思ったのです。[84269]に示したように、人口異動の無いすべての境界変更を載せるのなら、別にまとめる必要がありますし、人口異動のあるケースも現状の情報からかなり抜けています。
[84269] 2013年 10月 25日(金)20:44:04【1】YT さん
境界変更情報の扱いについて
[84265][84266] むっくんさん

色々調べて頂きありがとうございます。自分は官報の検索には未だ不慣れな状況です。

ところで

[84187]にてYTさんが問われておられる市区町村変遷情報の収録範囲(境界変更を含む)についてです。

についてですが、例えば『昭和25年 国勢調査報告 第7巻その23愛知県』収録の市町村の廃置分合、境界変更及び名称変更(大正9年10月~昭和25年9月)から、境界変更だけの情報を抜き出すと以下の通りです。【追記:漢字・日付等を色々修正】

9)大正12.9.1.名古屋市東区の一部(91)及び西区の一部(人口異動なし)を中区に編入。
17)大正14.4.1.海部郡佐織村の一部(561)を津島町に編入。
19)大正14.10.1.額田郡幸田村と幡豆郡豊坂村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
20)大正14.11.10.一宮市、中島郡大和村、同郡萩原町及び今伊勢村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
21)大正15.3.1.南設楽郡新城町と同郡千郷村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
24)昭和2.6.20.名古屋市中区の一部(人口異動なし)を南区に、南区の一部(50)を中区に編入。
25)昭和2.12.1.愛知郡天白村と名古屋市南区及び中区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
26)昭和3.4.1.渥美郡老津村と同郡高師村及び高豊村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
27)昭和3.4.1.名古屋市南区の一部(97)を同市中区に編入。
28)昭和3.4.1.一宮市と中島郡大和村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
33)昭和3.11.1.一宮市と葉栗郡葉栗村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
34)昭和3.12.20.海部郡弥富町と市江村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
36)昭和4.6.1.名古屋市東区の一部(78)を同市西区に編入。
40)昭和5.3.15.名古屋市南区の一部(64)を中区に、中区の一部(人口異動なし)を南区に編入。
41)昭和5.5.15.名古屋市西区と西春日井郡庄内町との間に境界変更(人口異動なし)あり。
42)昭和5.9.10.幡豆郡一色町と同郡福地町との間に境界変更(人口異動なし)あり。
43)昭和5.9.10.名古屋市中区の一部(37)を南区に、南区の一部(21)を中区に編入。
44)昭和5.12.1.名古屋市南区の一部(人口異動なし)を同市中区に編入。
45)昭和6.1.1.名古屋市南区の一部(7)を同市中区に編入。
46)昭和6.5.1.名古屋市南区と愛知郡下之一色町との間に境界変更(人口異動なし)あり。
47)昭和6.7.15.愛知郡下之一色町の一部(人口異動なし)を名古屋市南区に編入。
48)昭和6.10.1.名古屋市西区と同市中区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
52)昭和7.12.1.名古屋市東区と西春日郡萩野村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
53)昭和7.12.10.名古屋市東区の一部(1,342)を同市中区に編入。
54)昭和8.3.1.碧海郡旭村と同郡明治村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
56)昭和8.4.1.名古屋市南区の一部(人口異動なし)を同市中区に編入。
57)昭和8.6.10.豊橋市の一部(38)を宝飯郡豊川町に編入。
58)昭和9.3.1.海部郡弥富町と市江村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
59)昭和9.6.1.名古屋市西区と中区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
60)昭和9.7.1.額田郡幸田村と幡豆郡豊坂村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
61)昭和9.7.1.碧海郡六ツ美村と幡豆郡三和村及び室場村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
62)昭和9.8.23.愛知郡天白村と名古屋市中区及び東区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
63)昭和9.9.10.渥美郡田原町と赤羽根村及び神戸村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
64)昭和9.10.1.名古屋市東区と中区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
65)昭和9.11.20.海部郡津島町と佐織村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
66)昭和10.10.2.名古屋市東区の一部(18)を同市中区に編入。
67)昭和10.12.1.名古屋市西区と中区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
68)昭和11.1.1.名古屋市西区の一部(195)を同市西区に編入。
69)昭和11.5.1.一宮市と中島郡大和村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
70)昭和11.7.15.名古屋市中区の一部(人口異動なし)を東区へ、東区の一部(10)を中区に編入。
71)昭和11.12.10.海部郡八開村、津島村、佐屋村、市江村、立田村及び弥富町との間に境界変更(人口異動なし)あり。
72)昭和11.12.10.海部郡弥富村と市江村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
77)昭和13.1.25.名古屋市港区の一部(人口異動なし)を中川区に編入。
78)昭和13.8.1.東春日井郡篠木村と同郡鳥居松村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
79)昭和13.8.20.渥美郡田原町と同郡神戸村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
80)昭和13.9.1.名古屋市中村区と同市中川区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
82)昭和14.12.15.名古屋市中村区と中川区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
84)昭和15.3.10.渥美郡田原町と同郡杉山村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
86)昭和15.6.11.瀬戸市と愛知郡幡山村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
88)昭和15.8.15.名古屋市中村区の一部(人口異動なし)を中川区に編入。
90)昭和15.9.25.名古屋市西区と東春日井郡守山町との間に境界変更(人口異動なし)あり。
91)昭和15.10.5.名古屋市港区と熱田区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
94)昭和18.1.1.海部郡甚目寺町の一部(817)を西春日井郡清洲町に編入。
95)昭和18.3.3.碧海郡上郷村と同郡高岡村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
102)昭和22.8.1.名古屋市中区の一部(人口異動なし)を東区に編入。
107)昭和24.11.1.東加茂郡下山村の一部(168)を南設楽郡作手村に編入。
108)昭和24.11.15.幡豆郡福地村と同郡平坂町との間に境界変更(人口異動なし)あり。

境界変更及び名称変更に関する脚注は年代順に全部で109まであり、上に示すようにその半分を超える57個が境界変更のみの情報です。つまり新設や名称変更の情報を合わせた数を超える数の境界変更情報があるわけです。愛知県のみのたった30年間だけでもこれだけの数の境界変更があり、これを変遷情報に載せるとなると、肝心の新設・名称変更等の情報の方が圧迫されてしまいます。また人口異動の有無などは官報等では確認できないでしょうし、国勢調査開始以前では大字の名前ぐらいしか確認することはできないはずで、人口異動の有無は調べようがないと思います。

そうなってくると、わりかし大きい境界変更のみの情報を含めて削除するか、境界変更のみの情報だけで別項目を作る必要があるかと思いますがどうでしょうか?
[84260] 2013年 10月 24日(木)00:37:56YT さん
Re:愛知県碧海郡上青野村など
[84259] MI さん

とあることより「上青野村」は誤りで「青野村」が正当と思われます。


フォローありがとうございます。

[84253]の人口データ入力時には「上青野村」を「青野村」に修正しておりましたが、その際に修正内容を「上青野村」としか脇にメモっておかなかったため、[84253]の文章を書いた時には修正の内容をすっかり忘れていました。
[84254] 2013年 10月 23日(水)19:11:45YT さん
粟島浦/粟島浦村改称問題
このほか新潟県岩船郡粟島浦村 (新潟県#242)の改称時期に関しても色々調べました。今頃になって過去に[68959][69163][78806]などでMIさんが調査されていて、結局これに関しては結論が出てないことに気付きましたが、一応参考になる情報も提供できるかと思い、自分が調べた内容を以下まとめます。

変遷情報では明治42年(1909年)中に粟島浦から粟島浦村へ改称したことになっており、同様の記述を平凡社の『日本歴史地名大系』と新潟県総務部地方課編『新潟県市町村合併誌 下』(1962年)の1576頁で確認しましたが、『自明治42年1月1日至大正2年12月31日 郡市町村廃置分合表』には記載がありません。

1898年9月13日の官報の「明治30年12月31日市町村現住人口調」では「粟島浦」となっているのに対し、『明治31年日本帝国人口統計』『明治30-31年新潟県統計書』(人口は明治32年12月31日現在;ただし別のコマでは[69162]でむっくんさんが指摘されているように「粟島浦」)やそれ以降の官報、日本帝国人口静態統計等では「粟島浦村」となっていることから、実際には明治31年(1898年)中に改称されたものと推測しました。

しかしながら『新潟県市町村合併誌 上』の549頁以降収録の「市制・町村制施行から明治三十四年まで 町村分合及び町村名改称一覧表」(明治34年の新潟県の町村の大合併よりも前のもの)、及び843頁以降の「明治三十五年から明治四十五年まで 町村分合及び町村名改称一覧表」(明治34年の新潟県の町村の大合併よりも後のもの)には、粟島浦の改称に関する官報告示・県報告示が全く載っていません。本書は新潟県総務部地方課によって編集されたもので、
市町村制施行以前と違って町村数も少なく、かつ県の公示機関も整備されており、大きなミスはないはずである。
との断りがあることからも、記載漏れの可能性は低いと思われ、過去に[68959][69163][78806]でMIさんが示唆しているように、粟島浦の改称は官報や県報で告示されたことがないようです。となると町村の呼称に関する規則の改訂等で自動的に「~村」に変わったのでしょうか?現状では明治31年に関しては状況証拠だけ、明治42年に関しても法令等を確認できず、改称時期に関しては保留にするしかないようです。

なお『新潟県市町村合併誌』の方は『新潟県史』、『新潟県百年史』等から引用を辿っていくうちに存在を知りましたが、過去にむっくんさんが[80724][83139]で既に紹介されていました。
[84253] 2013年 10月 23日(水)19:00:29【1】YT さん
明治31年以降の北海道、中部・近畿・中国・四国・九州地方の市町村別人口の変遷
[84183] オーナー グリグリさん

新潟県以西の人口変遷をまとめる過程で、当サイトの市区町村変遷情報に要修正箇所を見つけましたので以下報告します。

(1) 愛知県碧海郡上青野村 (愛知県#31、#136)
渡村と同様に、『明治36年12月31日-41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』や明治24年以降の官報による現住人口表等で上青野村の存在を確認できません。
【追記:修正内容を間違えました。[84259]でMIさんが指摘されているように、「上青野村」→「青野村」に修正する必要があります。】

(2) 愛知県中島郡平和村内の井長谷村の記述 (愛知県#161)
中島島郡明治村・中島郡千代田村(#183、#184)へ分割合併された井長谷村は、『明治36年12月31日-41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』によると、中島郡明治村(大字儀長)・中島郡千代田村(大字井掘)・中島郡平和村(大字須ヶ谷)に三分割されており、よって中島郡平和村新設(#161)に「中島郡井長谷村の一部」を追加する必要があります。

なお『明治36年12月31日-41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』によると、中島郡平和村の新設(#161)は、明治39年(1906年)5月2日ではなくて明治39年(1906年)5月10日であり、「1906(M39).5.10」に修正する必要があるかもしれません。同様に中島郡平和村の新設を「1906(M39).5.10」に修正すると、中島郡内の他の町村の新設と同時となり、中島郡千代田村新設(#184)の際の三宅村の記述は「三宅村の一部」に修正する必要があるかも知れません。ただし『郡市町村廃置分合一覧表』の施行日の記述が誤っている可能性もあります。

(3) 岐阜県厚見郡鳥屋村、本荘村 (岐阜県#4、#197、#243)
明治23年(1890年)3月24日に厚見郡鳥屋村が厚見郡本荘村に改称し(#4)、昭和6年(1931年)4月1日に岐阜市に編入した(#243)とありますが、明治30年(1897年)4月1日の厚見郡から稲葉郡への郡変更情報(#197)では「鳥屋村」となっております。厚見郡から稲葉郡への郡変更情報(#197)の「鳥屋村」を「本荘村」に修正する必要があります。

(4) 新潟県岩船郡塩屋村 (新潟県#238)
明治34年(1901年)11月1日に平林村に吸収された岩船郡「塩谷村」は、岩船郡「塩屋村」の間違いと思われます(『明治31年12月31日-36年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』)。

というわけで、[84165]でアップしたエクセルファイルに、滋賀県、三重県、愛知県、静岡県、岐阜県、長野県、山梨県、福井県、石川県、富山県、新潟県の情報を加えたものを以下にアップしました(LHA圧縮、約2.5Mb)。

http://u6.getuploader.com/SR1gou/download/782/34dofuken.LZH

沖縄県の変遷情報に修正を若干加えたほか、内訳が不明な島・村(戸長役場時代の鹿児島県大島郡、沖縄県の間切、国勢調査開始以降の北千島列島の郡)に関しては空欄にせず、「n.a.」 (not available)の文字を入れました。また、以前は明治31年以降に合併により郡名が変更した(岡山県、香川県など)の町村を同じエントリーに入れてまとめていましたが、整理のし易さを考えて、同じ町村でも郡名変更毎に全部別のエントリーにしました。

入力が済んでいないのは関東・東北で、ほぼ全体の70%が完成といったところです。ここ2ヶ月で全体の半分以上の入力が済んでおり、おそらく今年中には完成しそうです。ただ現在の作業では数字の入力を優先にし、漢字の間違い等のチェックは後回しにしておりますので、相当数の誤りがあるとは思いますので、注意して下さい。
[84187] 2013年 10月 5日(土)18:09:45【2】YT さん
境域変更情報を載せるガイドライン?
[84185] むっくんさん
[84186] MIさん

実は、近代デジタルライブラリ(国会図書館デジタル化資料)に収録されています。

私の把握している限りでは、市区町村変遷情報には愛知県の約100箇所の明白な誤りを筆頭に合計約300箇所の明白な誤りがあります。

情報ありがとうございます。平坂村から平坂町への改称は、福岡町と内海町の町制実施と同日の告示なのですね。

詳細は自宅に帰った月曜日以降ということになりますが、覚えている限りでは#92の分立は存在せず、#306と#315の境界変更は微小なものであり市区町村変遷情報の収録対象外であったと記憶しています。

#92の分立に関し、碧海郡渡村は、『明治36年12月31日調 日本帝国人口静態統計』でもその存在を確認できません。

なお昭和25年の国勢調査報告書の都道府県編に、1920年10月1日~1950年10月1日までの全ての境域変更の情報が掲載されておりますが(沖縄県等は対象外)、#306と#315の境域変更に関して、『昭和25年 国勢調査報告 第7巻その23愛知県』(ネット上では現状閲覧できないと思われる)を調べると:

25) 昭和2.12.1. 愛知県天白村と名古屋市南区及び中区との間に境域変更(人口異動なし)あり。
41) 昭和5.5.15. 名古屋市西区と西春日井郡庄内町との間に境界変更(人口異動なし)あり。

となっており、どちらも人口の異動をともなっていませんね。

なお1919年1月1日~1925年10月1日までの境域変更・変遷情報は、『大正14年 国勢調査報告 第一巻』の「市町村の廃置分合境界変更及名称変更(大正八年一月一日及至大正一四年十月一日)」の方に掲載されています。
明治32年1月1日~大正7年12月31日の20年分は、近代デジタルライブラリーで閲覧可能な『郡市町村廃置分合一覧表』4冊に掲載されていますので、一応明治32年1月1日以降であれば、日本全国で二次的にある程度まとまった変遷情報があることになります(但し明治41年以前の沖縄県、北海道などの変遷情報は不完全だし、国勢調査時代になっても人口異動の有無の不明な境域変更があります)([81919]参照)。

ところで境域変更についてですが、結局のところ現状では全てを載せているわけでもなく、また人口異動の有るものに限っても大量の情報が抜け落ちています。ただ境域変更は膨大な数があり、そもそも境域変更の情報を変遷情報と同じ欄に入れてまとめるべきなのでしょうか?
[84183] 2013年 10月 5日(土)16:20:29【1】YT さん
愛知県幡豆郡平坂村→平坂町→平坂村→平坂町に関する市区町村変遷情報の要修正案件
[84171] オーナーグリグリさん

愛知県幡豆郡の人口変遷をまとめている途中で、当サイトの市区町村変遷情報において1893年(明治26年)中の平坂村から平坂町への町制実施が抜けており、また1906年(明治39年)5月1日付で、平坂町等の合併による平坂村の新設について、平坂村を平坂町と修正する必要があることに気付きました。

『明治36年12月31日-41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』によると、明治39年5月1日に、幡豆郡平坂町、中畑村、西野町村の一部、奥津村の統合が実施され、平坂町から平坂村へ「格下げ」しております。

実は同じ幡豆郡では、明治25年5月13日に町制となった一色町、横須賀町が、明治39年5月1日の町村整理の際に、同様に再び村へ「格下げ」になっており、平坂町も同様の措置の一環と思われます。官報による現住人口を比較すると、明治25年末の時点では一色町、横須賀町が町となっているのに対し、平坂村は村となっており、平坂村は一色村・横須賀村と同時に町制が実施されたわけではないことが分かります。一方明治26年末の時点では「平坂町」となっており、明治26年中に町制が実施されたと推測されます。

実際「西尾市・幡豆郡3町の沿革」(pdf)によると、明治26年に平坂村から平坂町への改名が実施されたことになっています。

ただ、近代デジタルライブラリの『愛知県令達類聚』には明治26年分が収録されていないので詳細が分かりません。とりあえず、自分がすぐに調べられる文献には、平坂村の最初の町制実施に関する日付は載っておりませんでした。

なお、幡豆郡 横須賀村はその後吉良町に吸収されますが、一色村は再び町となっているので、平坂・一色の両町村に関しては


平坂村→平坂町→平坂村→平坂町
一色村→一色町→一色村→一色町

という変遷が成立します。

上の間違いに気付いたのは、『明治31年 日本帝国人口統計』『明治36年12月31日調 日本帝国人口静態統計』等で、「平坂町」としてエントリーしていたからです。

[84165]の明治31年以降の市区町村別人口変遷をまとめる作業は、滋賀県、三重県を終えて西日本分がとりあえず完成し、愛知県の途中というところですが、愛知県を含め、岐阜県・新潟県と、明治時代の町村の数が600~1000という、町村数という点で巨大な県が控えています。

【追加情報】

『愛知県幡豆郡誌』によると、

明治二十五年五月一色村、横須賀村を一色町、横須賀町と改む。同二十六年十月大字徳永を寺津村より分離し奥津村に編入す。同十一月平坂村を平坂町と改む。

と、明治26年11月という情報がありましたが日付は不明です。現状では

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容
XX1893(M26).11._町制幡豆郡平坂町幡豆郡 平坂村
YY1906(M39).5.1新設幡豆郡平坂村幡豆郡 幡豆郡 平坂町, 中畑村, 西野町村の一部, 奥津村の一部

のように修正する必要があると思われます。
[84182] 2013年 10月 5日(土)15:45:35YT さん
沖縄県令達類纂
[84168] むっくん さん
[84174] hmt さん

解説ありがとうございます。沖縄県のケースも、市制町村制施行に先行して行われた旧制度下の廃置分合の一種と考え、一日でも旧制度下での町村制が存在したと考えるべきだということですね。

69541]拙稿は愛知教育大学教授の青嶋敏氏の
愛知教育大学>『沖縄県町村諸規程』(横内家文書)とその収録令達について(PDF)
によりました。

リンク先を見ると、横内家文書のほかに『沖縄県令達類纂 明治44年版』にも県令第22号が収録されているようですね。ただ、沖縄県立図書館 調べ方案内No.3 「沖縄の令達・令規について調べる(戦前)」(pdfリンク)に所蔵状況についてまとめてありますが:

『沖縄県令達類纂 明治44年版』複製 6分冊(沖縄縣知事官房文書係[編・発行]、1911年)
本館所蔵本はハワイ大学宝玲文庫蔵書の複製
京都大学法学部図書室も原本所蔵
沖縄県立図書館
明治39年版の改訂増補版。明治44年4月時点の令達・令規849件を収録【K09/H45/374~383】

『沖縄県町村諸規定』(編者、出版者、出版年 不明)
那覇市歴史博物館所蔵横内家文書
明治41年施行の「沖縄県及島嶼町村制」に係る町村関係の令規51件を収録。

とのことで、どちらも国内で閲覧可能な図書館は限られており、横内家文書の方は原本以外に複製品がどこにもないようです。

もしかしたらと思い、『沖縄県史 第11, 12巻 資料編2, 3 沖縄県関係各省公文書』(1989年)を閲覧しましたが、県令第22号は収録されておりませんでした。収録されるとするのなら、現在編集中の『新沖縄県史』の資料編でしょうね。
[84165] 2013年 9月 29日(日)23:47:36【1】YT さん
明治31年以降の北海道、近畿5府県、中国・四国・九州地方の市町村別人口の変遷
[84154] オーナー グリグリさん
明治41年3月31日付での糸満町等の設置に関する法令根拠までは調べておりませんが、以下のように修正した方が妥当かもしれません。
この件ですが、変遷履歴情報についてはこれまで十分理解してフォローして来なかったこともあり、理解不足と不勉強で対応が遅れています。本件については、追記にあるように、明治41年(1908年)4月1日の沖縄県及島嶼町村制以前の情報がもう少し正確に判明するまでは保留としてよろしいでしょうか。

了解しました。

ただ以前にも紹介しました鈴江英一氏の報告書・著作を見る限り、どうも沖縄県は地上戦の影響で、特に沖縄本島の戸長役場時代の記録は官庁の建物と一緒にほぼ全部焼失・破壊されてしまっているらしく、多分県令の公的な記録も失われてしまったようですね。宮古郡・八重山郡の方は戦争の影響が少なく、戸長役場時代の書類もある程度残っているらしいですが。

また、[84113]の人口変遷データのダウンロードサイトの件、現在はダウンロードができないようです。ファイルを私宛にお送りいただければ、当サイトから直接ダウンロードできるように計りたいと思います。いかがでしょうか。

ありがとうございます。ただ現時点では内容も不完全ですし、全部が完成してから考えたいと思います。

とりあえず[84113]のエクセルファイルに、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の情報を加えたものを、以下にアップしました。

http://u6.getuploader.com/SR1gou/download/771/23dofuken.LZH

あと少しで全体の半分が完成といったところです。ここ1ヶ月で全体の25%ほどの入力が済んだことを考えると、このまま行くと今年中には入力作業が完了…

ただ来週末・再来週はしばらく忙しい日々が続くので、作業も停滞します。まあ来年の3月を目安に完了するつもりで作業を続けます。去年末の時点([82404][82405])で一応は完成している「平成22年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口」を含め、データベースの情報がより増えると思います。
[84154] 2013年 9月 28日(土)17:39:03【2】YT さん
沖縄県及島嶼町村制施行に関する疑問
市区町村別人口の変遷をまとめていく過程([84113])で、再び沖縄県の沖縄県及島嶼町村制の施行に関して疑問が出て来ました。

本サイトにおける沖縄県での沖縄県及島嶼町村制施行の情報は、[71746]で88さんが示されたように、

[69110] でご紹介いただいたように、M40.3.16付け勅令第45号沖縄県間切並東京府伊豆七島及小笠原島ニ於ケル名称及区域ノ変更等ニ関スル件が、M40(1907).10.12付け内務省令第24号によりM41(1908).1.1付けで施行され、この時点で、
間切を村(町村制未実施地域の村)とし、村(沖縄県に従来よりある間切の下位区分)を字とするものでした。
と、むっくんさんのご紹介を理解しました。従前の編集で「××村」を自治体扱いして羅列していましたが、勅令施行後は「○○村」は2種類あり、元「△△間切」の「△△村」が自治体に相当し、その下位区分である元々の「□□村」は「字の名称」ということですね。
これを踏まえ、
M41(1908).4.1付け沖縄県 沖縄県及当初町村制施行の情報を修正しました。

と、明治41年1月1日付で、間切・島→村のすげ替えが行われ、続いて明治41年4月1日付で沖縄県及島嶼町村制施行が施行されたと解釈し、明治41年4月1日付での市区町村変遷情報がまとめられています。

しかしながら、『明治36年12月31日―41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』によりますと、明治41年3月31日付けで島尻郡糸満町が兼城村より分立し、八重山郡では4村が合併し、また宮古郡ではやや複雑な大字のすげ替えが実施されています(『明治43年 沖縄県統計書』『明治39-40年 沖縄県統計書』を比較)。明治40年以前の島尻郡・中頭郡・国頭郡では、各間切・島に対して対応する戸長役場がそれぞれ置かれたようですが、宮古郡・八重山郡では郡に一箇所しか戸長役場が設定されておらず、そのことが宮古郡での町村の新設の際に、大字の間切からの所属変更を招いたようです([84113]では間切毎の人口は示しましたが、沖縄県の戸長役場管轄の記載はしませんでした)。

ここで明治41年3月31日から明治41年4月1日までの1日間だけ、沖縄県及島嶼町村制施行前の八重山村、糸満町等が存在したと考えるべきなのでしょうか?国勢調査報告書に付随されている市区町村廃置分合を見ると、なんか聞いたこともないような即日改称の市名・町名が結構存在することを私も確認しましたが、本事例の場合、施行された時間がそれぞれ3月末(3月31日24時0分)、4月頭(4月1日0時0分)であれば、同時に施行されたことになります。法令でのこういった日付の解釈はどうなのでしょうか?

明治41年3月31日付での糸満町等の設置に関する法令根拠までは調べておりませんが、以下のように修正した方が妥当かもしれません。

#変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
4村制島尻郡兼城村島尻郡 兼城村(一部)詳細
5町制島尻郡糸満町島尻郡 兼城村(一部)詳細
45村制宮古郡城辺村宮古郡 砂川村(一部), 平良村(微)詳細
46村制宮古郡伊良部村宮古郡 下地村(一部), 平良村(微)詳細
47村制宮古郡平良村宮古郡 平良村(一部), 砂川村(一部), 多良間村, 下地村(微)詳細
48村制八重山郡八重山村八重山郡 大浜村, 宮良村, 石垣村, 与那国村詳細
49村制宮古郡下地村宮古郡 下地村(一部), 砂川村(一部)詳細

なお人口変遷情報をまとめる作業の方は、昨日の時点で大阪府以西まで終了しました。

【追記】 [69541]でむっくん さんが本件について言及されてました。
県令第22号(島尻郡兼城村ヲ分割シテ二箇町村ト為シ、宮古郡ニ四箇村ヲ置キ及八重山郡ノ全区域ヲ八重山村ト称スルノ件)(明41.3.28付)

(注)県令第22号(島尻郡兼城村ヲ分割シテ二箇町村ト為シ、宮古郡ニ四箇村ヲ置キ及八重山郡ノ全区域ヲ八重山村ト称スルノ件)(明41.3.28付)は那覇市歴史博物館に1993年に横内家より寄贈された文書の一つ『沖縄県町村諸規定』でしか現在はその本文を確認できないようです。なお、施行日は郡市町村廃置分合一覧表(明治36年12月31日-明治41年12月31日)(著・出版:内閣統計局、明42.12.10)の記載に従いました。沖縄県勢要略(著・出版:沖縄県内務部、明44.3.3)によれば明治41(1908)年3月中であることには間違いはないようですが。

となると、1日以上4日以下の期間、これらの町村施行前の町村が存在したと解釈するのが筋ということになるのでしょうか
[84113] 2013年 9月 21日(土)17:14:15【4】YT さん
明治31年以降の北海道、中国・四国・九州地方の市町村別人口の変遷
前の投稿[80480]から更に1年半経ってしましましたが、新たに鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県の市区町村別人口の変遷の結果を加えたエクセルファイルをLHAで圧縮して以下のサイトにアップしました。これで北海道と、鳥取県以西の県に関し、明治31年以降の23回分の国勢調査・人口調査、国勢調査以前の5回分の人口静態統計の結果が入っているはずです。ファイルの中身は明治31年~平成22年の都道府県・支庁・市区郡別人口の変遷[82204]をベースとし、Sum関数によるチェックが加えられているシート(For Check)と、関数を外したシート(Shikuchoson)が含まれています。前回まで各都道府県毎にシートを作っていましたが、ファイルサイズがかさばること、チェックのし易さなどから、全部同一シートに含めました。

http://www1.axfc.net/uploader/so/3035127

戸長役場の管轄の呼称を以前は「~村外○○箇村連合」としておりましたが、統計書等で多く見られる「~村外○○村」と、より簡素化した呼称に変更しました。また「~市街」という呼称も廃止しました。例えば長崎県対馬の厳原市街などは『明治28年 島根県周吉穏地海士知夫郡統計表』でも『明治37年 島根県隠岐島統計書』でも「今屋敷町外十町村」が採用されています。

戸長役場の所在地に関しては、北海道については『北海道庁現行布令便覧 明治31年編 上巻』『北海道庁現行布令便覧』『新北海道史年表』(1989年)と平凡社の『日本歴史地名大系』などを活用して、現時点で把握できた戸長役場の変遷を再現しました。

島根県隠岐の戸長役場の位置については、『明治28年 島根県周吉穏地海士知夫郡統計表』『明治36年 島根県隠岐島統計書』『明治37年 島根県隠岐島統計書』などから判断しました。

長崎県対馬の戸長役場の位置については、『明治30年1月1日現在 長崎県職員録』第六師管徴発物件表(1901年)、『第十二師管徴発物件表』(1905年)、『明治36年12月31日―41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』などから判断しました。

鹿児島県大島郡の戸長役場の位置については、『明治26年 鹿児島県統計書』『明治32年 鹿児島県統計書』『明治36年 鹿児島県統計書』『明治36年12月31日―41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』などから判断しました。なお藩政時代に使われていた鹿児島県大島郡内の方・間切は、明治時代の統廃合により戸長役場の管轄とかなり異なる地域があることから、併記を止めました。

沖縄県の間切と構成町村の変遷に関しては、伝統的な間切表記をそのまま採用しました。各間切の町村の変遷に関しては、『明治30-32年 沖縄県統計書』『明治39-40年 沖縄県統計書』『沖縄県史 第20巻 沖縄県統計集成』収録の「明治卅六年十二月卅一日 郡区間切島ノ戸数及建物」などから判断しました。

分類の呼称も、「連合村」・「/町(連合)/」・「/村(連合)/」などから、「/連合村/」・「/単独村/」・「町(旧制)」・「村(旧制)」などに変更しました。分類で「//」を示す区分統計は、それが一般的な市町村人口統計の最小基本単位ではないことを示します(政令指定都市等の区を除く)。北海道の戸長役場制度は国勢調査時代に突入しておりますが、連合戸長役場の有無が統計で区別されていないことから、連合戸長役場管轄内の町村が統計単位とみなせます。また鹿児島県大島郡・沖縄県に関しては戸長役場管轄や間切が人口統計の最小単位となっており、こちらでは、「連合村」・「間切」、「/町(旧制)/」・「/村(旧制)/」などと表記しました。鹿児島県大島郡・沖縄県の下位の町村の現住人口は情報が入手できない状況なので空欄のままです(戸数や本籍人口の情報は一部ありますが)。
また列として都道府県、上位区分などの項目を追加しました。

以前まで市区町村の順番(大正9年の国勢調査を基準とする)に拘っていましたが、変遷情報の見易さを優先する方針に変えました。変遷情報は、その市区町村名が生まれたり無くなったりした時のみ加え、細かい境域の変更は一々記載しませんし、人口異動を伴わない分割情報は外しました。

このほか参考史料は[73422][82204]にまとめた通りです。

郡毎に数字をチェックしていますが、同一郡内で人口を取り違えるようなミスがまだ多数残っていると思われます。全部完成すれば最終的に再チェックをしますが、何か間違いが見つかりましたら指摘して下さい。

一応これで1/3程が完成したのかな?ここ3週間ほど時間に余裕ができたので編集作業を再開したところ、特に中国地方5県の人口変遷はほぼ1週間で完成しました。何となく編集方法のコツが掴めてきたので、個人的には完成までのプランは見えて来たような感じはしつつ、何時頃までに完成するのかは明言できません…

【追記】
昭和19年の人口調査では、多くの都道府県別で総人口と各市区町村別人口の合計が一致しません([82202])。同様に昭和20年の人口調査でも、一部の都道府県で合計が一致しません([82196] )。

また[82202]で指摘したように、『昭和19年人口調査 集計結果摘要』では、東京都の武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市や、様々な町村の人口に関し、1955年1月前後の境域によって1944年2月22日の人口が集計されてしまってしまっています。これに関し昨年の12月頃に国立公文書館所蔵の文書をいくつかチェックしましたが([82278])、結局追加調査分を含めて東京都内の昭和19年人口調査結果を得ることはできませんでした。数字的には『東京都統計年鑑』(過去の国勢調査・人口調査人口が載っている巻があるのを一度確認しましたが、今になってどの巻に掲載されていたのか分からなくなりました)に掲載されている市区町村別人口と一致することから、『昭和19年人口調査 集計結果摘要』の情報は東京都側に保存されていた文書に基づくのかも知れません。しかしながら都立中央図書館等には該当するような閲覧可能な文書はありません。

また[82204]で投稿した都道府県・支庁・市区郡別人口の変遷の方は、現在明治22年まで遡ってまとめましたが、各行政単位での現住人口の合計がそれより上の行政単位での現住人口と一致しないという情況(明治30年以前は、現住人口算出の際にわざわざ各階層内での人口異動を除いている)があり、極めて煩雑なものとなっております。

【追記2】
ダウンロードのリンク先にいかがわしい広告が表示されますが申し訳ありません。ダウンロードリンクが複数表示されますが、[3035127.lzhをダウンロードします。]のボタンを押してください。

以前使っていたアップローダは閉鎖されてしまったので上のサイトを選びましたが、次回からは別のアップローダを探します。
[84098] 2013年 9月 18日(水)11:54:40YT さん
続 『北海道・沖縄県その他島嶼における特別町村制及びその先行形態の自治体制度史の研究』
[84066] 紅葉橋律乃介 さん

[84060]で紹介した『北海道・沖縄県その他島嶼における特別町村制及びその先行形態の自治体制度史の研究』ですが、実際に報告書を読んだところ、幾つかの特定の戸長役場、及び制度全般に関する著作・論文を執筆するための、法令文書と文献の収集がメインで、戸長役場の変遷等についての情報は得られませんでした。また文献リストには『北海道市町村沿革台帳』やその関連文献が挙げられておらず、総合的な戸長役場の変遷に関しては興味の対象外のようです。

幾つか孫引き文献の取り寄せ・閲覧を検討していますが、現状では直に閲覧できない『北海道市町村沿革台帳』、不完全ながら『新北海道史年表』以外にまとまった情報源には行き着いてはおりません。
[84060] 2013年 9月 7日(土)14:59:49YT さん
『北海道・沖縄県その他島嶼における特別町村制及びその先行形態の自治体制度史の研究』
[84004][84058] 紅葉橋律乃介さん

「北海道立文書館」はよく行くので、「公文館」とはどこだろうと思いましたが、どうやらリンク先も「文書館」のようですね。

所蔵館の呼称を間違えて申し訳ありません。

また調査ありがとうございます。

『新北海道史年表』で事前に抜き出しておいて、それをこの「台帳」と照らし合わせる方が効率的?

この件に関してですが、北の住人さん([42811])、88さん([73500])などが触れられている『北海道町村制度史の研究』(北海道大学図書刊行会,1985年)をまとめられた鈴江英一氏が、以前科研費を貰った際に提出した報告書、『北海道・沖縄県その他島嶼における特別町村制及びその先行形態の自治体制度史の研究』というものが存在することが分かりました。

北海道・沖縄などの町村制は、全国の市制町村制(1888年)とは、異なる特別町村制が施行された。沖縄県区制・北海道区制・北海道一級町村制・同二級町村制・沖縄県及島嶼町村制がこれである。これらの町村制は施行区域・施行時期を異にするが、いずれも辺境にあって中央政府の支配力が強力に貫徹した地域である。これまで北海道・沖縄県等両制は、それぞれ別個に発想されたものと考えられてきたが、本研究またこれに先立つ研究によって、政策的連関、制度的類似性が明らかとなった。とくに政策の前提となる制度制定者の基底的認識については、本土の市制町村制が土地所有に依拠した農村の地域支配・社会統合機能に立脚すべく構築されたのに対し、これらの地域では農業の比重がいまだ少なく土地所有に基盤を置いた地方名望家層を得難い、とするものであったことを論究することができた。

また、基礎的調査として、基礎的自治体行政の枠組みを明らかにするため、北海道を中心とした近代初頭の役場文書引継目録の収集を行った。この地域は、北海道のほか、岐阜県、山梨県、京都府、福井県などに及んでいる。さらに制度制定過程の年表作成資料の作成、基礎的自治体制度研究の関係著作・論文目録(全国・北海道)を作成した。これらの基礎資料の収集によって、具体的な自治体を対象とする研究について、今後の展望を得ることができた。

科研費を貰った場合、貰った科研費の種類に応じて研究者は研究成果報告書を作成し、提出する義務があります。ここ数年の間に色々報告書の形態も変わったのですが、昔は、例えば所蔵する研究機関の図書館、および国立国会図書館に収蔵するため、最低2部の冊子を作成する義務がありました。実は先週の段階でこの研究成果報告書の存在に気付き、最寄りの図書館を通じて借用手続きを済ませておりますが、まだ現物が届いておりません。鈴江英一氏は、元北海道教育大学教授で、北海道立文書館係長を務めたこともあるようです。単に元文献の提示で終わっている可能性もありますが、上記科研費報告書内で初期の戸長役場の変遷について表をまとめてくれているのではないかと期待しています。

戸長の配置と戸長「役場」の設置は違うものなのでしょうか。

自分も詳しくは知りませんが、戸長役場自体は結構移動しているようですので、その辺に関する違いが法令に表れているのではないでしょうか?またちょっと気になったのは、例えば『北海道庁現行布令便覧 明治31年編 上巻』によると、小樽は支庁直轄となっており、量徳町にあった小樽支庁役場が戸長役場の業務を兼ねていました。この場合連合戸長役場の管轄名として「量徳町外三十八箇町村連合」を採用するのは正しいのでしょうか?そして明治32年(1899年)10月1日には小樽区が成立しますが、高島郡高島村・祝津村は管轄外となり、『新北海道史年表』(1989年)によると明治33年(1900年)6月13日に高島郡祝津村に祝津村外一箇村戸長役場が設置されたとあります。ということは…すでに小樽区が設立された1899年10月1日から1900年6月13日までの約8ヵ月間、高島郡高島村・祝津村の戸長役場業務は小樽区量徳町の支庁役場が行っていたことになりますが、この間についても高島郡高島村・祝津村については、「祝津村外一箇村連合」の管轄だったとしてよいのでしょうか?

などと、新たな疑問が色々湧いているところです。
[83999] 2013年 8月 25日(日)18:12:17【1】YT さん
北海道市町村沿革台帳について
私的に色々忙しくて久々の投稿となります。

[81134] むっくん さん
M31.7.31現在の連合戸長役場であるならば北海道庁現行布令便覧(明治三十一年)(上巻)(編・発行:北海道庁、M32.2.10)に載っています。

『北海道庁現行布令便覧』等の情報ありがとうございます。

あれから色々調べたところ、戸長役場の変遷に関して平凡社の『日本歴史地名大系』に、「市町村沿革台帳」なる資料が引用されていることを見出しました。この文献の正体が分からず仕舞いでしたが、最近になって『新北海道史年表』(1989年)(内容は『新北海道史 第9巻 史料3』(1980年)の年表を一部修正して再録したもの)の「政治」の項目に、ある程度戸長役場時代の町村の変遷について載っており、そこで引用文献として「580 北海道市町村沿革台帳 (道地方課蔵)」が挙げられておりました。

「北海道市町村沿革台帳」は出版物ではなく、北海道庁の内部資料だということがわかりましたが、調べたところ、北海道史編集資料として北海道立公文館に以下の資料が収容されているようです。

請求記号請求記号(マイクロ資料)資料名
A7-1/4417F-1/1571北海道市町村沿革台帳 其の一 自明治二年七月 至大正四年三月
A7-1/4418F-1/1572北海道市町村沿革台帳 其の二 自大正四年四月 至昭和二年十二月
A7-1/4419F-1/1573北海道市町村沿革台帳 其の三 自昭和二年十二月 至昭和七年十二月
A7-1/4420F-1/1574北海道市町村沿革台帳 其の四 自昭和八年一月 至昭和十八年二月
A11-1/12928F-1/1575北海道市町村沿革台帳 其の五 自昭和十八年三月 至昭和三十年三月
A11-1/12929F-1/1576北海道市町村沿革台帳 其の六 自昭和三十年四月 至昭和三十三年十二月
A11-1/12924F-1/1577北海道市町村沿革台帳 7 自昭和三十四年一月 至昭和三十八年十二月
A11-1/12925F-1/1578北海道市町村沿革台帳 8 自昭和三十九年一月 至昭和四十一年六月
A11-1/12926F-1/1579北海道市町村沿革台帳 9 自昭和41・7・20 至昭和45・7・31
A11-1/12927F-1/1580北海道市町村沿革台帳 10 自昭和四十五年八月 至昭和四十七年十二月

残念ながら館外貸出は行っていないようなので、現地に足を運ばないと内容を確認できません。

『新北海道史年表』の方に転載されている内容を、以前むっくんさんが[79348][79349]でまとめられた「北海道での廃置分合(明治22年~市制町村制施行直前)」と比較すると・・・残念ながら情報に抜けが相当数あり、『新北海道史年表』だけでは完璧に戸長役場の設置等の情報を抑えられません。一方でむっくんさんがまとめられた表について、日付について一部情報を追加できそうです。

変更年月日変更種別郡区名自治体名告示・施行の別
1311893(M26).12.16新設札幌郡広島村告示
1471898(M31).9.6新設上川郡東旭川村告示

北海道庁布告全書』の明治26年版が近代デジタルライブラリーで閲覧できないため、明治26年の廃置分合の日付まで決められなかったようですが、『新北海道史年表』は『北海道市町村沿革台帳』の引用として上の日付を挙げています。なお、#126~#130は情報が抜けています。

まだ明治36年以降に関しては、[79349]の表では占冠村の設立の情報が抜けてます。
変更年月日変更種別郡区名自治体名区制町村制施行前の町村名等告示・施行の別
01905(M38).5.31分立勇払郡占冠村勇払郡 辺富内村 (一部)告示
1741908(M41).3.28分立空知郡南富良野村空知郡 下富良野村(一部)告示
1908(M41).4.1開庁
1751914(T3).3.25分立雨竜郡上北竜村雨竜郡 北竜村(一部)告示
1914(T3).4.1開庁
1761915(T4).2.7分立有珠郡徳舜瞥村有珠郡 壮瞥村(一部)告示
177空知郡山部村空知郡 下富良野村(一部)
1781916(T5).3.26分立中川郡常盤村中川郡 中川村(一部)告示
1916(T5).4.1施行
1791918(T7).4.3分立雨竜郡幌加内村雨竜郡 上北竜村(一部)告示

ほとんどの町村の設置は告示の日付のみですが、明治40年頃からは告示日のほかに開庁・施行の日付が区別されて載っています。

というわけで、北海道の戸長役場についてはある程度まとまった情報を『新北海道史年表』から得ることができましたが、より包括的な情報については「北海道市町村沿革台帳」や、その内容をより正確に掲載している文献を当たる必要がありそうです。

【誤字修正】
[82929] 2013年 2月 24日(日)16:43:18YT さん
出羽国由利郡の天保郷帳石高のチェック
最後に出羽国由利郡です。ここでは石高を才(=10^-5石)の桁まで示します。
郷村石高郷村石高郷村石高郷村石高
小砂川村159.80520鹿爪村120.63400宮之内村280.92000中山村289.71900
大須郷村263.30700軽井沢村80.83300川西村563.41000八杉村299.82600
川袋村215.35300平岡村399.30400黒沢村467.05300指鍋村123.98400
大砂川村443.63350畑谷村489.06200川東村691.10500木在村216.70600
洗釜村120.02800柴野村370.92300屋舗村221.68400杉沢村494.38900
中野沢村242.25320川口村29.25000潟保村632.08000小坂村130.79500
関村188.62080中野目村237.54200川崎村364.74700下河内村537.18000
小滝村497.96500山田村269.01500沼田村542.04000伏見村185.22600
長岡村271.13770赤田村770.82400両前寺村71.84000上河内村1,027.56400
大飯郷村50.85180牛寺村169.49300琴浦村170.40700下笹子村560.60000
大野村751.22000女岡村172.99300室ヶ沢村294.91400上笹子村783.09600
神沢村88.10400中館村319.28800子吉村3,236.04900上直根村309.59500
芦川村141.64600漆畑村130.40000蟹沢村198.36100百宅村242.25100
親川村279.38900深沢村182.35000出戸村454.09800中直根村183.37700
大谷村205.42800院内村125.75000吉沢村150.62700前野沢村165.20400
米坂村56.67700黒瀬村408.14500山田村366.89200下直根村264.90800
下黒川村427.06400大浦村397.08300前郷村1,878.19300吉谷地村127.81500
上黒川村207.09600石脇村75.27800土蔵村236.13600猿倉村279.63000
下蛇田村205.15700川口村166.12300五十土村365.45900玉米村1,939.91500
上蛇田村391.47500町村642.01900窪田村301.95900下村1,782.92630
福俣村280.81800払川村128.71200川向村1,128.43200田代村847.90100
滝俣村454.34800増川村193.20100曲沢村354.98700黒渕村829.10050
赤寺村161.51700福田村305.34500芹田村853.50500本郷村248.34600
富田村527.95400道川村804.17000三森村436.49760横岡村536.14950
赤平村278.64600二古村300.99900黒川村684.98500寺田村78.24800
六呂田村208.70400君ヶ野村291.79000金浦村354.71800畑村250.22070
天鷺村82.00200勝手村262.28200飛村443.30700平沢村190.63400
中帳村288.20000新谷村345.24100赤石村353.14300長磯村121.46608
高尾村226.08200羽川村777.02300前川村489.94500鈴村79.36830
中野俣村290.98700長浜村491.60600塩越村974.36700田抓村339.56700
徳沢村302.98200桂根村81.88500大竹村495.26700院内村477.70320
大倉沢村216.38500名沢村265.27700百々目木村171.70900小国村532.37490
加賀沢村255.93700八田村590.60000樋口村152.79900石田村159.05440
葛葉見村267.63400繋村424.37800三日市村253.43500馬場村482.42460
及位村223.02700新波村449.09800中村103.51000水沢村31.90080
須山村98.87200神村676.57700立井地村141.76500麓村583.82000
長坂村328.41200碇田村448.83600中野村438.45200岩野目沢村202.39900
葛岡村534.47500萱沢村540.50900三十野村106.67300麓村638.73000
平岫村207.45500加津羅林村515.36100城内村581.15700伊勢井地村617.24780
中田代村633.56300福嶋村764.48200七日町村406.88600浜杉山村254.01992
小栗山村240.25000館前村1,027.20300荒沢村357.30800小羽広村62.75400
中向村72.68500滝ノ沢村787.04500新町村200.38500大羽広村183.78900
代内村65.07600鮎瀬村391.48400郷内村350.87500坂辺村278.36000
川倉村88.02200新輪村1,861.32200須郷田村203.77100横山新田43.40850
楢渕村19.84500沢村603.15000九日町村227.29400申開村222.61900
増沢村135.46000川口村368.49900小坂戸村63.92700由利郡合計72,674.44730
滝村103.21700横山村71.51600坂野下村260.40000
見岫村194.96300福田村188.21100平ヶ森村110.77300
芦渕村50.32200土屋村338.90300新庄村354.82300
『天保郷帳』記載の郡高は7万2670石3斗8升6合3勺でしたが、『解読篇』記載の村別石高合計は7万2674石4斗4升8合2才ですので、両者の間に4石6升1合7勺2才の差がありました。ところが改めて私がデジタルアーカイブの『出羽国郷帳 五』(125/130コマ目)で石高をチェックしたところ、長磯村の石高が『解読篇』記載の121石4斗6升6合8勺ではなく、121石4斗6升6合8才であることを見つけました([82913])。これにより7勺2才の違いは解消されましたが、まだ4石6升1合の違いが残っています。

以上出羽三郡について、天保郷帳に書かれた村高と石高の違いがあることを示しましたが、これらは全て同じ『出羽国郷帳 五』に収録されており、巻末に天保甲午五年十二月の作成年月、幕府の勘定奉行方役人の「明楽飛騨守・牧野中務・柑本兵五郎」の連名が記されています。天保郷帳の国郡別石高はそのまま天保国絵図の『出羽国秋田領』でも使われています。出羽国由利郡の内、4石余の違いはもしかしたら天保国絵図の村高を一生懸命読みとれば判明するのかも知れませんが、全ての村高が天保国絵図に載っているわけではなく、斗以下の端数が不明のままなので実行しませんでした。

久保田藩が幕府の役人に郷帳を提出する段階で間違えたのか、勘定奉行の秋田七郡担当役人が整理した際に間違えたのかは不明です。ただ少なくとも久保田藩の担当箇所だけで村数と石高を間違えていて、他地域では村数・石高の間違いが認められないことから、おそらく各地域の担当大名から提出を受けた石高を勘定奉行が全て再チェックして数字を修正したと思われ、秋田七郡担当の幕府役人がケアレスだったせいではないかと思います。それよりも全体として数字に誤りが少なかったことの方が驚きかも知れません。
[82928] 2013年 2月 24日(日)16:39:23【1】YT さん
出羽国仙北郡・平鹿郡の天保郷帳石高のチェック 【修正】
[82913]の続きです。

近世歴史資料研究会編『天保郷帳 : 天保五年甲午十二月石高帳 第3分冊 解読篇 (近世歴史資料集成)』(2009年)で再計算された村別石高の郡別小計と『天保郷帳』記載の郡別石高を比べた際、[76916][76917][76918][76919][76920][76921]に示したように一部の郡でズレが見られました。しかしながら石高が大幅にずれているケースでは、むっくんさんが示されたように、天保郷帳の冊子自体の綴じ方に間違いがあった結果と推測されます([79622][79623][82890][82891])。更に端数が違うケースでは、[82913]で示したように『解説篇』自体の転写間違いや、才の桁を落としてしまったことが原因と推測されます。ところが『出羽国郷帳 五』収録の出羽国仙北郡・平鹿郡・由利郡に関しては、デジタルアーカイブから直接私が読みとった情報と『解説篇』に纏められた数字の間に違いを認められず(最低五回は見直してます)、実際に原本の数字に誤りがあるものと思われます。以下三郡について郷村別石高をまとめます。

まずは出羽国仙北郡で、石高は合(=10^-3石)の桁まで示します。
郷村石高郷村石高郷村石高郷村石高
安本村300.346野中村426.492金沢寺田村806.119西明寺村469.175
飯詰村1,490.034椿村518.834岩野町村554.152鎌野川村246.926
佐野村414.701栗沢村249.325天神堂村471.086上荒井村729.835
六郷本館村732.114小沼村85.420二本柳村68.247西荒井村215.111
六郷高野村743.380白岩前郷村306.614上深井村333.492小渕野村582.010
六郷川内池村986.173卒田村465.287下深井村312.659熊野林村160.878
藤木村1,119.276梅沢村461.071六郷西根村663.689田中村204.619
鑓田村324.219刺巻村121.304川目村160.655米沢新田村473.799
中野村385.039生保内村713.176小貫高畑村773.717小館村91.274
畠屋村1,053.963田沢村423.473羽貫谷地村401.346角館東前郷村602.070
橋本村877.581小山田村690.125荻野目村112.633角館城面村366.317
戸蒔村327.112門屋村490.785野中村134.178山谷川崎村243.008
大曲村251.708院内村167.609六郷東根村1,682.792長戸呂村126.420
高梨村1,761.922国館村420.643大坂新田村165.373半道寺村736.608
土崎村865.809河原村607.618金沢東根村979.175刈和野村628.129
千屋村1,443.632勝楽村231.597宝門清水村96.982外小友村1,007.760
本堂城廻村1,060.001小勝田村297.425羽見内村108.927大曲西根村1,101.287
板見内村1,138.333雲然り村513.595東川村190.891蛭川村85.043
払田村904.295八割村220.323上野田村290.671宮林新田村758.950
戸地谷村793.539西長野村853.103安城寺村598.078金沢中野村2,159.768
四ツ谷村1,688.711稲沢村371.042小荒川村183.149飯田村603.950
鑓見内村1,130.816心像村628.850中里村258.393東長野村378.047
横堀村1,075.939今泉村354.849今宿村364.354上宮田村226.381
宮内村155.406小杉山村417.933堀見内村1,152.388神宮寺村1,742.343
駒場村793.030北楢岡村825.708高関下郷村1,614.897寺館尻引村305.072
沖野郷村1,107.736南楢岡村1,739.149高関上郷村1,260.204福部羅村25.884
野口村310.666内小友村1,619.041新谷地村389.062下淀川村641.940
横沢村473.112峯吉川村856.843大蔵村341.163中淀川村768.759
元本堂村560.925高城村32.749黒沢村186.976上淀川村465.763
川口村421.538九升田村135.343永代村107.512北野目村412.161
今泉村332.771金山沢村15.198大神成村278.187円行寺村446.395
大田村473.243強首村580.945金鐙村184.986木売沢村411.190
小神成村421.459小種村605.325長楽寺村140.898江原田1.748
斉内村750.280境村198.254館郷村412.330三条川原村61.236
谷地乙森村172.593荒川村542.104上鶯野村605.894玉川村36.230
村杉村371.233宿村970.718下鶯野村502.136大巻村32.113
黒土村652.329正手沢村81.216葛川村143.742松倉村51.716
長野村1,269.785寺村233.759白岩堂野口村59.347福田村299.607
袴田村261.270杉山田村67.604白岩広久内村298.931国見村1,026.479
野田村159.626金沢西根村2,465.510荒川尻村610.381八日市村117.968
下延村203.312金沢前郷村1,657.098上花園村156.517潟村69.260
八幡林村612.342境田村419.168下花園村386.817簗場新田村27.117
桜田村216.016逆高野村315.604上檜木内村335.989釣田新田村232.624
下桜田新田村355.282野荒町村218.354下檜木内村800.926仙北郡合計93,611.791
『天保郷帳』では9万3611石7斗9勺4合ですので、実際の村別石高合計との間に3合の差があります。おそらく五合と八合(五と八だと全然違うと思われるかも知れませんが、実際に使われている書体では、一見五は六や八と区別が付きにくい形になっています)をどこかで間違えたものと推測されます。

次に出羽国平鹿郡で、これも石高は合(=10^-3石)の桁まで示します。
郷村石高郷村石高郷村石高郷村石高
増田村1,464.023宮田村445.831下境村1,087.916猪岡村449.666
植田村1,473.869阿気村1,975.160角間川村298.449下吉田村485.645
今泉村1,346.832八柏村598.653新角間川村1,280.599下八町村573.309
別明村718.861八幡村682.132百万刈村302.792塚堀村429.840
今宿村629.171西野村324.112大松川村96.873中吉田村841.063
沼館村1,002.552真木村53.229小松川村37.522七日市村230.242
二井山村413.223下堀村168.797平野沢村122.939上樋口村657.137
大森村1,230.154柏木村373.223横手前郷村1,878.544三本柳村482.558
板井田村1,047.667道地村330.830三又村135.154上八町村401.864
黒川村1,657.536造山村202.261赤坂村620.512下河原村192.686
上境村1,139.143南形村275.628安田村317.149明永野村169.247
杉沢村684.294古内村185.175新藤柳田村582.850砂子田村241.563
黒沢村86.929新古内村306.563大屋新田村418.803客殿薊谷地村183.214
南郷村183.881梨木羽場村169.871大屋寺内村420.362小出村124.235
筏村187.759与作村470.500明沢村523.993常野村79.704
土渕村283.170新関村210.116腕越村241.523深井村415.315
大沢村333.077住吉荒田目村296.625亀田村1,211.690丹波村3.609
関根村494.966海蔵院村337.291縫殿村294.943源太左花馬村101.143
馬鞍村924.709越前村592.216静ヶ町村278.949赤川村148.037
石成村775.158志摩新田58.607杉野目村300.585東里村760.771
醍醐村876.269矢神村103.463二井田村516.051西石塚村370.334
上鍋倉村729.833田村899.101八木村257.244婦気大堤村296.908
樽見内村1,103.396門目村368.891下鍋倉村880.072見入新田村35.452
浅舞村2,997.892上溝村1,039.103木下村634.011根田谷地新田村54.579
深間内村288.899袴形村769.435平柳村111.483十五野新田村175.538
上吉田村1,093.553十日町村570.675下樋口村694.796平鹿郡合計59,949.662
大塚村475.377猿田村350.840外目村454.894
薄井村1,309.647八沢木村681.029桜森村254.108
『天保郷帳』では5万9950石2斗9勺2合ですので、実際の村別石高合計との間に6斗3合の差があります。おそらく七升と七斗の桁をどこかで間違えたものと推測されます。なお実際に郷帳に書かれた村の数は109で、集計されている107村と異なり、石高集計対象外の伊豆七島や蝦夷を除き唯一村数の集計が間違っています。

【訂正】 [82930] hmt さん

膨大なデータの転記には気を使っておられることと拝察しますが、たまたま誤記に気がついたので、お知らせします。

タイトルと柱書の部分は「平鹿郡」と正しく記されているのですが、データ部分の最初と最後の2ヶ所が「平群郡」となっております。

ご指摘ありがとうございます。郡名を修正しました。村名の漢字の方は『解読篇』の漢字表記をもとに一応2回はチェックしていますが、今回は一部の漢字(嶺と峰など)を除き新字体で統一しました。今回間違えた部分は記事投稿最後の段階で追加した部分で、うっかり大和国平群郡の方で変換してしまったような気がします。
[82923] 2013年 2月 23日(土)15:52:03【1】YT さん
1980年の幸手町の人口水増しの件について 【訂正あり】
1980年(昭和55年)11月11日火曜日の読売新聞朝刊23/30頁からの引用です。

国勢調査で人口水増し
「市」になりたい幸手町
“町民が熱心の余り…”

【久喜】市制施行を目前にした埼玉県北葛飾郡幸手町(田口勝美町長)で、人口五万人以上という“市制の条件”を満たそうと、一部町民が先月一日に実施された国勢調査の際、人口を水増しして調査表を提出していたことが、十日までに明らかになった。町当局では、「町民が熱心のあまりやったことで、町としては関知してない」として、確認された水増し分を差し引いた人口「五万六人」を県に報告したが、それでも十月の人口増加が極めて不自然な伸びをみせていることから、事態を重視した県では、改めて調査票の綿密なチェックを進める一方、場合によっては幸手町の国勢調査のやり直しも検討している。

“幽霊”315人引きスレスレ5万

 水増しが発覚したきっかけは調査票を回収中の十月初め、同町周辺の同郡杉戸町、草加市、茨城県 猿島郡五霞村などから、「うちの住民が幸手町の住民として、でたらめな調査票を提出している」と県統計課や同町に抗議が相次いだことから。
 同町で調べたころ、周辺の市町村に住んでいながら、世帯ぐるみで幸手町の勤め先や親類宅などに住んでいるよう調査票に書き込んでいたり、同町に寮を持つ民間企業の社員がそれぞれ自宅で住民登録、生活しているのにこの寮で長期間寝泊まりしているようにして、調査票の住所を同町にしているなど、計三百十五人の“水増し”が明らかになった。
 同町の話では、この不正工作は市制施行を熱望している一部町民が、熱心さのあまり、近隣に住む地元出身者を手分けして探し出し“協力”を呼びかけたものらしく、調査員も抱き込まれていた疑いもあるという。
 町では、確認されたこの水増し分を差し引き、町人口を五万六人として県国勢調査対策本部に報告したが、同本部では訂正して提出したこの調査票の中にも、まだかなりの水増し分が隠されているのではないかという疑いを捨て切っていない。
 これは地方自治法で規定されている市制施行の条件の“五万人”をうまいことに六人だけ上回ったという“間のよさ”もさることならが、十月の人口増加がそれまでの同町の人口動態とは明らかに違った推移を見せているため。
 九月一日現在の同町の推計人口(県統計課調べ)は四万八千九百五十五人。町の修正報告が正確だったとすれば、十月一日までのわずか一か月間に千五十一人も増えたことになる。ちなみに、八月から九月にかけての人口増加は六十六人だけ。いろいろな条件を考慮に入れても、極めて異常な伸びであることは確かだ。このため、同本部では改めて調査票の再審査を行う一方、この審査結果によっては町に調査報告の再修正を求め、さらにひどい場合は改めて同町の国勢調査のやり直しも検討している。
 幸手町では、商店主ら約四十人で市制施行推進協議会が結成され、「市制が施行されてば、町のイメージアップになる」などと熱心に運動する動きもあった。
 田口町長の話「町としては、去る七日に町村合併二十五周年の記念事業をやったばかりで、人口を水増ししてまで今、無理に市制施行する気など全くない。町民が熱心さのあまりやったことだと思う」

新聞記事のアーカイブに検索をかけた限りでは、この事件に関して後に逮捕者が出たという記事がなく、調査員レベルでの捏造ということで済んだようです。

人口水増しに関する統計法違反では、羽幌町に関する新聞記事が見つかっただけです。松本敏治町長ら町幹部四人が統計法違反、虚偽有印公文書作成、同行使事件に問われ、旭川地裁で1973年6月27日に判決が言い渡されています。

町長:懲役一年六月、執行猶予三年
元助役:同一年、執行猶予二年
前総務部長:同八月、執行猶予一年
前庶務部長:病欠のため9月3日に判決言い渡し

【訂正】[82925] にまんさん

引用部分なのですが
同町周辺の同郡松戸町、草加市、茨城県 猿島郡五霞村などから、
は、同郡杉戸町ですよね

すみません。ご指摘通り本文を松戸町から杉戸町に修正しました。
[82913] 2013年 2月 20日(水)22:02:21YT さん
天保郷帳における石高の記述について:追加検証
[82890] むっくんさん

以前YTさんが[76916][76917][76918][76919][76920][76921]にて天保郷帳の複製本(編:史籍研究會、1984)(YTさんはこの本のことを『原本』と表記されています)とその『解読篇』についての詳細をまとめられていました。

そして[79622]拙稿にて村数の差異について推測を述べ、[79623]YTさんにおいて確認をして頂きました。その続きです。

天保郷帳の石高について、活字化された近世歴史資料研究会編『天保郷帳 : 天保五年甲午十二月石高帳 第3分冊 解読篇 (近世歴史資料集成)』(2009年)の石高と天保郷帳原本(『複製本』こと、史籍研究會編『天保郷帳(内閣文庫所藏史籍叢刊)』(1984年)にせよ、国立公文書館デジタルアーカイブの『天保郷帳』にせよ、国立公文書館所蔵の原本からコピーなり画像なりを起こしているので、そこに書かれている集計結果の石高は『原本』の石高と表現しても問題ないと思いますが)の石高を比較した際、両者に村数や石高の差が生じてました。『解読篇』の解説によると
(7) 村ごとの石高の集計をより正確にすることを目的として、改めて石高の再計算を行った。その結果、郡や國の石高が原本の数字と合致しない場合が確認された。この件に関しては、原本のではなく、再計算された数字を採用したことをお断りしておきたい。
とありましたが、改めて[79622][79623][82890][82891]で検証されたように、実際には原本における冊子のたたみ方の誤りが原因(『複製本』では一部の頁(信濃国伊那郡)が脱落し(『デジタルアーカイブ』では修正済)、一部の頁が誤った箇所に差し込まれ(『デジタルアーカイブ』で修正済:上野国碓氷郡⇒利根郡、土佐国高岡郡⇒吾川郡;『デジタルアーカイブ』でも誤ったまま:和泉国泉郡・日根郡⇔南郡、武蔵国入間郡⇒高麗郡、出雲国神門郡⇒飯石郡))で、少なくとも村数に関しては『出羽国郷帳五』収録の出羽国平鹿郡(2村多い)、扱いの特殊な伊豆諸島・蝦夷松前以外は天保郷帳の集計が正しく、石高についても郷帳の集計がかなり正確なことが示されました。

そこで『解読篇』と『原本』の石高が異なる他の旧国郡についても、『解読篇』の石高の数字と『デジタルアーカイブ』の郷帳の画像とを比較しながら、改めて石高のチェックをしてみたところ、『解読篇』の石高にいくつか間違いを見つけました。

まず手始めに以前[77085][77086]でまとめた出羽国置賜郡の石高をチェックしました。[77085][77086]で記載した天保郷帳の村別石高は、実際には『解読篇』で活字化された数字です。ところが『解読篇』で619.11899石とされている北和田村の石高は、『出羽国郷帳一』の5/36頁目では、「高六百拾九石壱斗壱升八合九勺八才」、つまり619.11898石となっており、『解読篇』の石高に1才の誤りがありました。よって出羽国置賜郡の村別石高の合計も216,161.22023石となり、完全に原本に記載されている出羽国置賜郡の石高と一致しました。一方『解読篇』による出羽国置賜郡の石高は216,161.2202となっていますが、これは本来なら加えるべき4才(正しくは3才)を脱落させてしまったものと考えられます。

以上を踏まえ、『解読篇』と『原本』の村高を比べたところ、『解読篇』において以下の村高の間違いが認められました。なお石高は毛(10^-6石)の桁で揃えています。

旧国郷村『解読篇』石高『原本』石高石高差デジタルアーカイブ参考コマ頁
尾張国中嶋郡横地村252.711000253.7110001.000000尾張国郷帳 74/134
武蔵国豊島郡穏田村94.57170094.571070-0.000630武蔵国郷帳 5/190
武蔵国豊島郡池袋村601.655700601.655070-0.000630武蔵国郷帳 7/190
武蔵国豊島郡2村合計696.227400696.226140-0.001260
上総国市原郡門前村220.798600212.798600-8.000000上総国郷帳 55/159
下総国千葉郡神窪村52.77860052.778060-0.000540下総国郷帳 97/213
下総国印旛郡寺崎村804.602000804.062000-0.540000下総国郷帳 141/213
下総国印旛郡馬渡村540.924600540.924060-0.000540下総国郷帳 144/213
下総国印旛郡2村合計1,345.5266001,344.986060-0.540540
常陸国茨城郡大故山村135.619500135.619050-0.000450常陸国郷帳 25/225
常陸国那珂郡湊村2,645.8160002,645.815000-0.001000常陸国郷帳 41/225
常陸國久慈郡真弓村218.505000218.055000-0.450000常陸国郷帳 62/225
常陸國真壁郡古殿村261.228300261.228030-0.000270常陸国郷帳 124/225
近江国甲賀郡小山村689.351700689.035170-0.316530近江国郷帳 90/201
美濃国加茂郡細目村464.818000465.8180001.000000美濃国郷帳 156/216
信濃国筑摩郡埴原村1,558.5656001,558.565060-0.000540信濃国郷帳 101/211
信濃国高井郡深沢新田村322.144000332.14400010.000000信濃国郷帳 202/211
上野国群馬郡大久保村1,237.1570001,237.151000-0.006000上野国郷帳 69/164
下野国河内郡東蓼沼村813.905000813.9605000.055500下野国郷帳 6/180
下野国芳賀郡堀越村740.477150740.477105-0.000045下野国郷帳 51/180
陸奥国田村郡守山村622.256620622.2566700.000050陸奥国郷帳二 50/71
陸奥国安達郡塩沢村1,881.1732701,881.1732900.000020陸奥国郷帳二 55/71
陸奥国宇多郡大坪村1,005.6090001,105.609000100.000000陸奥国郷帳三 73/76
出羽国置賜郡北和田村619.118990619.118980-0.000010出羽国郷帳一 5/36
出羽国村上郡松原村1,664.7541001,564.754100-100.000000出羽国郷帳二 20/58
出羽国村上郡幾右衛門新田15.40900015.049000-0.360000出羽国郷帳二 56/58
出羽国秋田郡新館村109.322000119.32200010.000000出羽国郷帳五 22/130
出羽国由利郡長磯村121.466800121.466080-0.000720出羽国郷帳五 125/130
越前国坂井郡大年村464.799000465.7990001.000000越前国郷帳 117/200
越中国礪波郡清水村1,057.2990001,157.299000100.000000越中国郷帳 152/179
越後国頸城郡下増田新田464.823000465.8230001.000000越後国郷帳上 119/141
越後国蒲原郡日出谷村1,086.0890001,186.089000100.000000越後国郷帳下 61/238
佐渡国羽茂郡小比叡村26.86100036.86100010.000000佐渡国郷帳 36/38
日向国諸県郡井崎田村1,312.6580001,312.7580000.100000日向国郷帳 17/67

一方下総国葛飾郡、下総国河内郡、出羽国村上郡、出羽国田川郡については、原本の才の桁(10^-5石)を有する村高を足した結果を比較したところ、原本が記載する郡高との才の桁の数字が等しくなり、原本の数字は正しく集計されているものと推測されます。おそらく出羽国置賜郡の例に見られるように『解読篇』でこれらの郡の才の桁の数字を脱落させてしまったと考えられます(出羽国置賜郡については省略([77085][77086]参照))。

旧国郷村『解読篇』石高『原本』石高石高差デジタルアーカイブ参考コマ頁
下総国葛飾郡鷲巣村443.943670443.9436700.000000下総国郷帳 11/213
下総国葛飾郡深輪村660.889550660.8895500.000000下総国郷帳 12/213
下総国葛飾郡尾崎村648.205970648.2059700.000000下総国郷帳 15/213
下総国葛飾郡舩形村1,907.5775801,907.5775800.000000下総国郷帳 15/213
下総国葛飾郡駒木村116.482740116.4827400.000000下総国郷帳 23/213
下総国葛飾郡市野谷村313.720730313.7207300.000000下総国郷帳 26/213
下総国葛飾郡幸谷村511.906480511.9064800.000000下総国郷帳 30/213
下総国葛飾郡岩瀬村132.228330132.2283300.000000下総国郷帳 35/213
下総国葛飾郡中矢切村174.620670174.6206700.000000下総国郷帳 37/213
下総国葛飾郡高根村341.956980341.9569800.000000下総国郷帳 38/213
下総国葛飾郡奉免村62.10033062.1003300.000000下総国郷帳 38/213
下総国葛飾郡11村合計5,313.6330305,313.6330300.000000『解読篇』は3才を脱落か
下野国河内郡五分一村294.223410294.2234100.000000下野国郷帳 14/180
下野国河内郡木和田島村845.212910845.2129100.000000下野国郷帳 19/180
下野国河内郡石名田村878.248360878.2483600.000000下野国郷帳 19/180
下野国河内郡大町村1,701.0133301,701.0133300.000000下野国郷帳 21/180
下野国河内郡坂之上村460.633570460.6335700.000000下野国郷帳 21/180
下野国河内郡下蒲生村347.050230347.0502300.000000下野国郷帳 22/180
下野国河内郡三間在家村915.673290915.6732900.000000下野国郷帳 23/180
下野国河内郡上川島村109.432930109.4329300.000000下野国郷帳 26/180
下野国河内郡中川島村137.226920137.2269200.000000下野国郷帳 26/180
下野国河内郡別当河原村136.474620136.4746200.000000下野国郷帳 26/180
下野国河内郡下坪山村852.756940852.7569400.000000下野国郷帳 27/180
下野国河内郡11村合計6,677.9465106,677.9465100.000000『解読篇』は1才を脱落か
出羽国村上郡山形町25,809.22647025,809.2264700.000000出羽国郷帳二 7/58
出羽国村上郡小白川村1,364.7636201,364.7636200.000000出羽国郷帳二 7/58
出羽国村上郡植野村608.216360608.2163600.000000出羽国郷帳二 13/58
出羽国村上郡大野目村831.572620831.5726200.000000出羽国郷帳二 13/58
出羽国村上郡落合村1,445.9008901,445.9008900.000000出羽国郷帳二 13/58
出羽国村上郡南青柳村698.002790698.0027900.000000出羽国郷帳二 13/58
出羽国村上郡北青柳村890.909710890.9097100.000000出羽国郷帳二 13/58
出羽国村上郡谷柏村1,855.0146101,855.0146100.000000出羽国郷帳二 20/58
出羽国村上郡8村合計33,503.60707033,503.6070700.000000『解読篇』は7才を脱落か
出羽国田川郡中野京田村463.629430463.6294300.000000出羽国郷帳四 12/86
出羽国田川郡南野村654.168970654.1689700.000000出羽国郷帳四 36/86
出羽国田川郡町村632.178930632.1789300.000000出羽国郷帳四 44/86
出羽国田川郡興屋村348.698950348.6989500.000000出羽国郷帳四 44/86
出羽国田川郡朝丸村234.822160234.8221600.000000出羽国郷帳四 44/86
出羽国田川郡茗荷瀬村463.700530463.7005300.000000出羽国郷帳四 44/86
出羽国田川郡払田村206.411650206.4116500.000000出羽国郷帳四 44/86
出羽国田川郡常万村350.897730350.8977300.000000出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡西小野方村374.939370374.9393700.000000出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡大野村209.764900209.764090-0.000810出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡田谷村116.832730116.8327300.000000出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡中野村201.576160201.5761600.000000出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡南野新田村152.102400152.102040-0.000360出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡13村合計4,409.7239104,409.722740-0.001170『解読篇』は1才を脱落か

以上より、『出羽国郷帳五』以外においては、天保郷帳記載の国郡別石高は、正しく束ねられた状態ではそれぞれの村高と完全に等しいと推測され、そこには村数(伊豆群島・松嶋を除く)・石高の計算間違いは存在しないと推測されます。残るは秋田久保田藩が責任をもってまとめたはずの『出羽国郷帳五』ですが、少なくとも秋田郡新館村と由利郡長磯村の村高が間違っていました。しかしながら秋田郡の合計石高の違いは解消したものの、由利郡の合計石高の違いを説明できません。また仙北郡、平鹿郡の村高については、現時点で間違いを見つけらずにおり、仙北郡・平鹿郡・由利郡においては、実際に天保郷帳記載の郡別石高合計に誤りがあるようです。これについては項を改めて検証します。
[82891] 2013年 2月 15日(金)21:46:03YT さん
天保郷帳での記載について、石高の追加検証
[82888] オーナー グリグリさん [82889] 白桃さん
昨日、公益財団法人統計情報研究開発センター、通称Sinfonicaが主催する、統計情報セミナーに行ってきました。初めて参加したのですが、今までよく知らなかった国勢調査のデータの種類や調査方法などが分かり、とても有意義なセミナーでした。

昨年CD-ROMを購入したためでしょうか、実は私の所にもセミナーへの招待状が葉書で来てました。ただ私の方は仕事の関係で残念ながら出席できませんでした。

現在[82204]で投稿した都道府県・支庁・市区郡別人口の変遷のまとめを、明治初期まで拡大した表を作成中ですが・・・府県別現住人口と郡市別現住人口が異なる(明治30年以前は、現住人口算出の際にわざわざ各階層内での人口異動を除いている)ので、合計による数字のチェックができないという問題を抱えています。加えて毎年1月~3月は個人的に非常に忙しい!と言いつつ[82890]のむっくんさんの投稿を読んで、さっそく石高を検証してみたくなるという、サボり癖を発症中です。

[82890]むっくんさん

[76919]YTさん
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旧國旧郡村数『解読篇』石高村数『原本』石高石高差
和泉國泉郡8938,432.6906008931,077.9622007,354.728400
和泉國南郡6730,120.0766006737,289.234600-7,169.158000
和泉國日根郡7656,414.3006007656,599.871000-185.570400

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この三ヶ所についてもおそらく天保郷帳の編集の際のミスであろうと以前から推測していました。
そこで天保郷帳(和泉国)及び天保国絵図(和泉国)とを比較し、以下に、誤りと考えられるところを挙げます。

さっそく石高を計算してみました。

村名石高
土生村2,714.3240
尾生村1,225.8000
上松村735.5340
下松村979.7070
額原村326.9680
小松里村1,521.6770
下池田村505.9466
中井村564.9840
福田村150.0940
鳥羽村253.2090
新井村144.2620
小瀬村644.2080
永吉村87.8600
久保村376.0610
半田村689.0880
作才村373.6420
西之内村935.8110
別所村236.9880
沼間村540.2480
岸和田村2,118.5042
津田村228.3673
堀村496.0320
嶋村23.3400
貝塚村381.5570
泉郡→南郡小計16,254.2121

村名石高
春木川村99.6570
大沢村463.5710
父鬼村135.8950
大野村205.0360
坪井村238.7370
佛並村413.6380
下宮村199.5790
小野田村344.0090
鍛冶屋村244.3410
唐國村494.4210
内田村557.2070
春木村473.4960
松ノ尾寺村341.2330
久井村401.7200
若樫村334.4350
内畑村1,230.9491
観音寺村438.0380
寺門村111.9700
和気村348.6796
和気郷庄244.5000
小田村715.1424
今福村129.6420
寺田村263.1163
箕形村470.4713
南郡→泉郡小計8,899.4837

村名石高
五門村324.9040
紺屋村101.9097
野田村583.2539
小垣内村417.0520
小谷村390.6760
久保村1,253.2703
土丸村342.6720
大木村624.6510
畠中村413.3497
石才村393.2750
橋本村813.2630
堤村339.2840
地蔵堂村283.1880
王子村721.7020
七山村232.2941
大久保村694.7600
南郡→日根郡小計7,929.5047

村名石高
三田村898.1482
包近村628.7779
中村460.6081
稲葉村670.8256
積川村316.4937
河合村469.4730
相川村173.8380
塔原村166.8200
箕土路村484.0026
両大路村388.9296
大町村400.4196
池尻村481.3200
今木村370.1710
田治米村797.3444
新在家村637.6556
摩湯村399.1070
日根郡→南郡小計7,743.9343

郡名石高増減備考
泉郡-7,354.7284= 8,899.4837 - 16,254.2121
南郡+7,169.1580= 16,254.2121 + 7,743.9343 - 8,899.4837 - 7,929.5047
日根郡+185.5704= 7,929.5047 - 7,743.9343

よって和泉国の天保郷帳における郡別石高が村別石高と一致しないのは、国立公文書館が所蔵している原本冊子の綴り方の誤りが原因と推測され、それがそのまま複製本、解読篇、国立公文書館のデジタルアーカイブに引き継がれてしまっているという実態が確認できました。

解読篇と複製本で石高が異なるのは、残りは端数の問題だけですね。これに関しては何れまとめて検証したいです。
[82405] 2012年 12月 31日(月)03:07:49【2】YT さん
平成22年10月1日の境域における各回国勢調査時の市区町村別人口・追加修正案 2
●昭和15年以前の十島村・三島村の人口の扱い
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三島村の人口をゼロとし、すべて十島村の人口に割り振っているが、昭和30年の十島村・三島村の人口比で按分して計算し直すべきか

これだけは現時点では引き続き検討課題ですが、一応昭和5年10月1日以前の人口の推計を計算しました。

現時点では[82244]で示した以上の情報は得られておらず、『十島村誌』(1995年)内の引用されている該当部分の頁のコピーを入手したものの、内容としては羽原清雅氏による「トカラ・十島村の「格差」と地域の政治―どうなる七つに分散する離島村の闘い」以上のものはありませんでした。そこで昭和5年10月1日以前の人口につていは、昭和10年10月1日の南北トカラ列島の人口比から算出することにしました。以上により、昭和25年10月1日以前の十島村、三島村の人口は以下のように推計されます。

年次十島村三島村備考
大正9年3,3381,273昭和【10】年の人口比による
大正14年3,3401,274昭和【10】年の人口比による
昭和5年3,7231,420昭和【10】年の人口比による
昭和10年3,6671,399羽原清雅氏の論文による
昭和15年3,5641,232羽原清雅氏の論文による
昭和22年1,304
昭和25年2,9381,484確定値

但し上の数字は暫定値で、十島村を構成する島々の戦前の国調人口については、引き続き調査します。また昭和25年の十島村の人口が欠けていたのは、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』の明らかなミスです。

●以上のほか、白桃さんよりメールにて、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』の誤りが指摘されています。
1961.4.1に行われた旧美方町と旧村岡町の境界変更に伴う
人口異動を反映した1960年以前の国勢調査人口の数値が誤って
いるようです。
原因は、異動人口4,506人を1,506人と誤認したことによるもの
だと推察いたします。

ただ、美方郡村岡町と美方郡美方町は、平成17年4月1日に城崎郡香住町と合併し、美方郡香美町が発足していますので、平成22年10月1日境域における昭和35年以前の人口においては上記の計算間違いは影響しません。

【追記】[82404]で示した八条村の一部(立野堀)の計算方法が間違っていました。

※昭和22年10月1日の八条村立野堀の人口745人は、昭和22年10月1日の八幡村・潮止村・八条村の人口合計12,591人と、昭和55年10月1日境域による八潮市の人口11,846人の差
として計算しましたが、
昭和54年4月1日 草加市の一部(32人)が八潮市へ
の存在を忘れていました。

昭和55年10月1日境域からの計算が不可能となったので、八丈村内の八潮村、草加町への昭和50年10月1日異動人口の比から、八条村の一部(立野堀)の人口を推計すると、昭和22年10月1日の八丈村の人口3,965人に、草加村へ異動した八丈村の昭和30年10月1日の人口797を乗じ、昭和30年10月1日の八丈村の人口4,216人で割ることで、750人と計算されます(745人より5人増える)。同様に八幡村・潮止村・八条村(立野堀を除く)の人口は11,841人に修正されます(11,846人より5人減る)。ここで、八潮市と草加市に関し、
昭和55年10月1日境域から昭和50年10月1日境域に数字を戻す作業を行
ったところ、ちゃんと八潮市の人口が11,846人から11,841人に修正されたことから、上の計算は間違いでなかったことが分かります。なお、
昭和22年10月1日の人口に水害地の人口を加え、昭和55年10月1日境域に再び戻すという作業を行っても、四捨五入した数字の上では水害地分の人口に変動はありません。
という事実には変わりありません。

というわけで、[82404]の水害地の人口の按分自体には全く問題ありません。
[82404] 2012年 12月 31日(月)03:03:43【1】YT さん
平成22年10月1日の境域における各回国勢調査時の市区町村別人口・追加修正案
11月末から予想以上に忙しい日々が続きましたが、何とか今年中に平成22年10月1日の境域における各回国勢調査時の市区町村別人口に関し、[82194]で挙げた修正を検討し終えました。

●昭和35年の長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域(73人)
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では境界紛争地域の人口を除外しているが、最終的に山口村は中津川市に越境編入しており、この73人も現在の中津川市境域内の人口に加算するべきか

※中津川市・恵那郡・長野県西筑摩郡山口村における昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和58年4月1日中津川市の一部(24人)が恵那郡福岡町へ

平成17年2月13日に長野県西筑摩郡山口村、岐阜県恵那郡福岡町は中津川市に編入されており、昭和35年の長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域の人口はすべて現中津川市内と考えて問題ありません。長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域の人口73人を岐阜県中津川市の人口に加えることで、平成22年10月1日の境域による昭和55年の中津川市の人口は82,747人に修正されます。

市町村修正前修正後
中津川市82,67482,747

●昭和22年の臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三県の調査洩れ数を除外しているが、これらについても按分して計算し直すべきか

◎宮城県内
○宮城県玉造郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数21人を大崎市の人口に追加
○宮城県栗原郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数71人は以下の様に按分
境域水害地を除く昭和22年の人口水害地の人口
昭和22年の栗原郡136,39571
昭和22年の栗原郡内の現栗原市126,53866
昭和22年の栗原郡内の現大崎市9,8575

※昭和22年10月1日の栗原郡内の現大崎市境域の人口は、昭和22年10月1日の長岡村・宮沢村・清滝村の合計11,294人より清滝村小山田地区の人口1,437人を除いたもの。清滝村小山田地区の人口1,437人は、昭和55年10月1日の境域による昭和22年10月1日の高清水町の人口5,793人と、昭和22年10月1日の高清水町の人口4,356人の差。

※玉造郡・栗原郡・志田郡・遠田郡の昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和29年8月1日志田郡敷玉村の一部(4,291人)が古川市へ
昭和29年8月1日志田郡敷玉村の一部(1,799人)が遠田郡小牛田町へ
昭和30年3月31日志田郡下伊場野村の一部(978人)が志田郡松山町へ
昭和30年3月31日志田郡下伊場野村の一部(1,129人)が志田郡三本木町へ
昭和30年4月10日玉造郡岩出山町の一部(251人)が古川市へ
昭和30年4月14日古川市の一部(1,459人)が栗原郡高清水町へ
昭和30年4月1日栗原郡姫松村の一部(2,380人)が栗原郡栗駒町へ
昭和30年4月1日栗原郡姫松村の一部(1,824人)が栗原郡一迫町へ
昭和30年7月10日古川市の一部(1,405人)が志田郡三本木町へ
昭和30年10月1日志田郡三本木町の一部(292人)が志田郡松山町へ
昭和31年1月1日遠田郡小牛田町の一部(909人)が古川市へ
昭和31年8月10日栗駒郡栗駒町の一部(393人)が栗駒郡築館町へ
昭和31年8月10日栗駒郡栗駒町の一部(237人)が栗駒郡一迫町へ
昭和32年4月1日玉造郡岩出山町の一部(30人)が古川市へ
昭和44年9月1日遠田郡田尻町の一部(9人)が遠田郡小牛田町へ

昭和30年4月10日に玉造郡岩出山町の一部(251人)が古川市へ、昭和30年7月10日に古川市の一部(1,405人)が志田郡三本木町へ、昭和32年4月1日に玉造郡岩出山町の一部(30人)が古川市へ異動していますが、玉造郡岩出山町、志田郡三本木町、志田郡松山町は最終的に大崎市の境域となるので、昭和22年の人口の修正の際には考慮の必要はありません。昭和30年4月14日の古川市の一部(1,459人)の栗原郡高清水町(旧清滝村小山田地区)への異動は、昭和22年の人口の修正の際に考慮する必要があります。

○宮城県登米郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数60人を登米市の人口に追加

※登米郡の昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和27年11月1日登米郡石森町の一部(8人)が登米郡上沼村へ
昭和32年4月1日登米郡中田町の一部(2,427人)が登米郡迫町へ
これらは最終的に登米市の境域となるので考慮の必要はありません。

○宮城県本吉郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数55人は以下の様に按分
境域水害地を除く昭和22年の人口水害地の人口
昭和22年の本吉郡106,30455
昭和22年の本吉郡内の現登米市(津山町)7,1254
昭和22年の本吉郡内の現気仙沼市71,20437
昭和22年の本吉郡内の現南三陸町23,51812
昭和22年の本吉郡内の現石巻市(十三浜村)4,4572

以上をまとめると、平成22年10月1日の境域による昭和22年10月1日の宮城県内の人口は、水害地の様差漏れ数を加えることで以下のように修正されます。
市町村修正前修正後水害地
石巻市171,858171,8602
気仙沼市71,20471,24137
登米市123,110123,17464
栗原市126,538126,60466
大崎市138,925138,95126
南三陸町23,51823,53012

◎栃木県内
○栃木県下都賀郡内二村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数60人は以下の様に按分
境域水害地を除く昭和22年の人口水害地の人口水害地を含む昭和22年の人口
生井村・部屋村10,5426010,602
生井村4,338254,363
部屋村6,204356,239

下都賀郡生井村は昭和30年4月25日に下都賀郡野々田町を経て、昭和38年4月18日に小山市に編入、下都賀郡部屋村は昭和30年3月31日に下都賀郡藤岡町を経て、平成22年3月29日に栃木市に編入されます。

※小山市の昭和30年4月25日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和49年12月1日下都賀郡南河内町の一部(5人)が小山市へ
昭和53年1月1日野木町の一部(11人)が小山市へ
昭和54年7月1日下都賀郡大平町の一部(15人)が小山市へ
以上の外、昭和55年1月1日以降の諸境域異動等を全て考慮して改めて境域変動に伴う推定人口を計算し直しましたが、結局端数処理した後に昭和55年10月1日の境域による昭和22年10月1日の市町村別人口に変化が生じたのは、小川市と栃木市のみでした。

○栃木県足利郡内四町村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数207人は、足利郡毛野村・山前村・小俣村・山辺町で按分されるべきものですが、これらはすべて現足利市に編入されており、該当地域には特に複雑な人口異動を伴う境域変動が存在しないので、足利郡の水害地の人口は全て足利市の人口に加えます。

以上をまとめると、平成22年10月1日の境域による昭和22年10月1日の栃木県内の人口は、水害地の調査漏れ数を加えることで以下のように修正されます。
市町村修正前修正後水害地
栃木市131,230131,26535
小山市82,12382,14825
足利市143,149143,356207

◎埼玉県内
○埼玉県北葛飾郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数321人はまず以下の様に按分
境域水害地を除く昭和22年の人口水害地の人口
昭和22年の北葛飾郡121,659321
昭和22年の幸松村・豊野村8,36322
昭和55年境域の栗橋町・昭和22年境域の桜田村の一部15,67241
昭和55年境域の杉戸町16,61744
現松伏町8,82723
昭和55年境域の庄和町15,56541
現三郷市16,22243
現幸手市24,62265
現吉川市15,77142
※昭和22年10月1日境域の桜田村の一部(大字八甫・西大輪・東大輪・外野・上川崎)の人口3,957人は、昭和55年10月1日境域の南埼玉郡鷲宮町の人口8,768人と、昭和22年10月1日の南埼玉郡鷲宮町の人口4,811人の差
ただし春日部市、杉戸町、庄和町に関しては、昭和55年10月2日以降の人口異動を考慮しながらさらに昭和22年10月1日人口を修正する必要があります。

なお、以下の境域変遷情報は、昭和55年10月1日境域による昭和22年10月1日の人口として織り込み済みです。
※埼玉県北葛飾郡の昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和23年4月1日北葛飾郡栗橋町の一部をもって静村(4,877人)を設置
昭和23年4月1日北葛飾郡栗橋町の一部をもって豊田村(2,715人)を設置
昭和30年1月1日北葛飾郡桜田村の一部(3,849人)が南埼玉郡鷲宮町へ
昭和30年1月1日北葛飾郡桜田村の一部(784人)が北葛飾郡幸手町へ
昭和30年4月1日北葛飾郡豊田村の一部(845人)が北葛飾郡幸手町へ
昭和30年4月1日北葛飾郡豊田村の一部(1,085人)が北葛飾郡泉村へ
昭和31年1月1日北葛飾郡幸手町の一部(475人)が北葛飾郡杉戸町へ
昭和35年11月3日北葛飾郡杉戸町の一部(993人)が北葛飾郡庄和村へ

○埼玉県南埼玉郡内八村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数84人はまず以下の様に按分
境域水害地を除く昭和22年の人口水害地の人口
八村合計31,81084
桜井村・新方村・増林村10,40327
八幡村・潮止村・八条村(立野堀を除く)11,84631
八条村の一部(立野堀)7452
須賀村4,00511
鷲宮村4,81113
※昭和22年10月1日の八条村立野堀の人口745人は、昭和22年10月1日の八幡村・潮止村・八条村の人口合計12,591人と、昭和55年10月1日境域による八潮市の人口11,846人の差【追記:この計算は間違い!】

なお、以下の境域変遷情報の内、昭和31年9月28日八条村の分割は、昭和30年11月3日の北足立郡草加町から南埼玉郡越谷町への境域変更の後ですが、昭和54年4月1日の草加市と八潮市の間での境域変更は考慮する必要があります。もっとも昭和55年10月1日境域から昭和50年10月1日境域に数字を戻す作業を行い、昭和22年10月1日の人口に水害地の人口を加え、昭和55年10月1日境域に再び戻すという作業を行っても、四捨五入した数字の上では水害地分の人口に変動はありません。
※埼玉県南埼玉郡の水害を受けた八村に関連する昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和30年1月1日北葛飾郡桜田村の一部(3,849人)が南埼玉郡鷲宮町へ
昭和30年11月3日北足立郡草加町の一部(1,249人)が南埼玉郡越谷町へ
昭和31年9月28日南埼玉郡八条村の一部(3,419人)が南埼玉郡八潮村へ
昭和31年9月28日南埼玉郡八条村の一部(797人)が北足立郡草加町へ
昭和54年4月1日草加市の一部(32人)が八潮市へ

○埼玉県北埼玉郡内六村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数53人は、利島村・川辺村(後の北川辺村)と、東村・原道村・元和村・豊野村(後の大利根村)で按分されるべきものですが、これらはすべて現加須市に編入されており、該当地域には特に複雑な人口異動を伴う境域変動が存在しないので、北埼玉郡の水害地の人口は全て加須市の人口に加えます。

以上において、八潮市、草加市、杉戸町、宮代町、春日部市、越谷市、庄和町に関しては、昭和55年10月2日以降の境域変更についても再計算が必要ですが、実際のところ境域変更を考慮しても、四捨五入された水害地の人口には変更はありませんでした。

以上をまとめると、平成22年10月1日の境域による昭和22年10月1日の埼玉県内の人口は、水害地の調査漏れ数を加えることで以下のように修正されます。
市町村修正前修正後水害地
加須市80,67380,72653
春日部市46,42346,48663
草加市27,71727,7192
越谷市42,51342,54027
久喜市58,61658,67054
八潮市11,84611,87731
三郷市16,22216,26543
幸手市24,62224,68765
吉川市15,77115,81342
宮代町10,45310,46411
杉戸町16,61516,65944
松伏町8,8278,85023

以上、三県における昭和22年10月1日の水害地の人口の按分を行いました。
[82296] 2012年 12月 7日(金)23:28:32【2】YT さん
日本帝国民籍戸口表における郡市別と府県別現住人口の違いについて
[82204]で、明治31年以降の『日本帝国人口統計』などによる郡市区別現住人口をまとめましたが、明治30年以降のデータでは、府県別の現住人口と郡区別現住人口の合計、東京・京都・大阪市の現住人口と区別現住人口の合計、官報による現住人口と内務省の戸口表による現住人口が一致しないなど様々な問題があるため、まとめるにせよ一筋縄には行きません。

まず統計局のサイトでも国勢調査以前の都道府県別人口を掲載しておりますが、ここで採用されている人口は「乙種」現住人口と呼ばれ、生の統計情報である府県別の「甲種」現住人口に、全国の入・出寄留者の差数を各府県別の入・出寄留者数の比で各県に按分修正して算出するという、統計的補正を加えたものです。しかしながら乙種現住人口も実際の人口との乖離が激しく、さらにあくまでも「府県別人口」レベル以上でしか算出されていないものです。

一方の生データの現住人口に関しても、ある程度全国規模のものが系統立って把握できるものとしては、内務省内閣統計局がまとめた『日本帝国民籍戸口表』記載の「現住人口(甲種)」、内務省警保局が各所の交番を通じてまとめた「警察署調査現住人口」、各府県がまとめた「道府県調査現住人口」、そして官報掲載の「官報による現住人口」、この他、文部省や陸軍省も現住人口をまとめていますが、いまいち時系列情報に欠けるようです。

この内「警察署調査現住人口」がもっとも実際の人口に近いようですが、全国規模で把握できるのは明治41年と大正2年だけで、他の年次については警察署の発行する府県統計書を調べる必要があります。「道府県調査現住人口」は各府県の発行する府県統計書に掲載されているようですが、こちらも各府県の発行する府県統計書を調べる必要があります。
「官報による現住人口」は、官報が市区町村別に公表している現住人口で、本籍人口に対して入出寄留者の人口を加除して求めていますが、逃亡失踪者、陸海軍の兵営艦船に在る者、監獄に在る者、外国行きの者の人口の加除という補正を行っていません。

さて、問題は『日本帝国民籍戸口表』において、例えば『明治三十年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』を例にとると、「郡市別戸口」の現住人口の総計4452万0736人(註:リンク先では4452万0936人と記載されているが、『国勢調査以前日本人口統計集成』収録の『明治三十年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』では、手書きで「九」に「七」という修正が加わっており、府県別現住人口の合計と一致する)と、「府県別戸口」の現住人口の総計4397万8495人が一致しない点です。一般に明治30年の甲種現住人口として採用されているのは、後者の府県別戸口による現住人口の方ですが、改めて、明治28年~明治30年の府県別または郡市別戸口による本籍人口、本籍人口、府県別戸口による現住人口、郡市別戸口による現住人口をまとめると、

区分明治30年明治29年明治28年
本籍人口(府県別・郡市別戸口による)43,227,77642,706,97942,269,301
本籍人口43,228,86342,708,26442,270,620
現住人口(府県別戸口による)43,978,49543,499,83343,048,227
現住人口(郡区別戸口による)44,520,73644,072,23343,618,619

脚注(分かり易いように自分判断で句読点や段落を入れてます)によると

現住人ハ府県本籍人ヲ本トシ、之ニ他管ヨリ来往スル者、即チ入寄留者、陸海軍在営艦者、監獄ニアル囚人、懲治人、無籍人ヲ加ヘ、而シテ本籍地ヨリ他ヘ出往スル者、即チ外国行、寄留者、陸海軍入営艦者、囚人、及失踪者ヲ除キ算出セシモノナリ。

総計ニ於テ本籍人ヨリ現住人多キハ、入寄留者ノ現住地ニ入寄留届ヲナシ、本籍地ニ出寄留届ヲ為サザルモノアルト、寄留地ヲ去ルモ地主家主又ハ其地所ヲ管理スル者ヨリ退出届ヲ怠リシモノアルヨリ、一人ヲ両地ニ算入セシニ依ルナラン。

又第三府県別現住人ト本表合計現住人ト符号セザルハ、都市ニ係ル出入寄留届ノ差アルニ依ル。

まず府県別・郡市別戸口による本籍人口と、総計の本籍人口の違いは、無籍在監者の人口を加えるかどうかです。無籍在監者の所在地は明らかにされており、なぜこれを府県別や郡市別戸口による本籍人口に加えないのかは謎ですが・・・

区分明治30年明治29年明治28年
本籍人口(府県別・郡市別戸口)43,227,77642,706,97942,269,301
無籍在監者1,0871,2851,319
本籍人口(総計)43,228,86342,708,26442,270,620

次に府県別戸口での入寄留者の合計は:

区分明治30年明治29年明治28年
他府県より入寄留1,993,3341,887,5341,781,536
有籍者他府県より在監56,34063,11664,131
陸海軍在営者116,98095,59790,759
入寄留者合計(府県別戸口)2,166,6542,046,2471,936,426

次に府県別戸口での出寄留者の合計は:

区分明治30年明治29年明治28年
外国行51,73348,36349,762
他府県より出寄留911,577762,862659,157
有籍者他府県ヘ在監43,73746,24746,108
府県より陸海軍へ入営者125,665102,898104,560
失踪284,310294,308299,232
出寄留者合計(府県別戸口)1,417,0221,254,6781,158,819

本籍人口(総計)に、入寄留者合計(府県別戸口)を加え、出寄留者合計(府県別戸口)を減じることで、一般に甲種現住人口とされる現住人口(府県別戸口)が求まります。

区分明治30年明治29年明治28年
本籍人口(総計)43,228,86342,708,26442,270,620
入寄留者合計2,166,6542,046,2471,936,426
出寄留者合計1,417,0221,254,6781,158,819
現住人口(府県別戸口)43,978,49543,499,83343,048,227

一方、実際の郡市別現住人口の総計と府県別現住人口の間には人口差があるのですが、これは、同一府県内での、異なる郡市間の寄留寄留の人口移動を、わざわざ除いてやっているためです。今明治28年から明治31年までの現住人口の変化を見ると:

明治28年→明治29年 45万1606人の増加
明治29年→明治30年 47万8662人の増加
明治30年→明治31年 142万4546人の増加

と、いきなり明治31年で人口増加率が3倍に跳ね上がっています。

一方明治28年から明治30年までの郡市別現住人口の変化と、明治31年の甲種現住人口(4540万3041人)と明治30年の郡市別現住人口の変化を見ると:

明治28年→明治29年 45万3614人の増加
明治29年→明治30年 44万8503人の増加
明治30年→明治31年 88万2305人の増加

これでも明治31年で人口増加率が2倍に跳ね上がっています。

以上の状況証拠からすると、明治30年までは、(1) 郡市別現住人口の計算に当たり、同一郡内、同一市内の人口移動に伴う出入寄留者の人口を、合計からわざわざ除外する
(2) 府県別現住人口の計算に当たり、同一府県内の人口移動に伴う出入寄留者の人口を、合計からわざわざ除外するというこれらの作業を行っていたが、明治31年以降はこれらの努力を放棄し、ひたすら市町村別人口を単位として足しただけに変わったのだと推測できます。【むしろ明治30年以前は、わざわざ出入寄留の人口を各階層レベル除外するという余計な作業をおこなったため、「府県別人口」レベル以上の出入寄留人口だけが特別扱いで全国の現住人口に考慮されてしまっているともみなせます。】

府県別戸口による現住人口に、郡市間の出入寄留人口を加算すると、

区分明治30年明治29年明治28年
現住人口(府県別戸口)43,978,49543,499,83343,048,226
他郡市区より入寄留1,206,9511,179,6151,147,650
他郡市区へ出寄留755,416694,326655,910
計算上の現住人口(郡市別戸口)44,430,03043,985,12243,539,966
現住人口(郡市別戸口)44,520,73644,072,23343,618,619

なんかまだ郡市別戸口による現住人口との間に差が残っていますが、東京市、京都市、大阪市の三つに関しては、市内に区が設置してあり、市の現住人口(「現住人口一万人以上市区及町村別戸口」参照)と区の現住人口の総計が一致しておりません。

そこでこの三市の人口を区単位に修正すると:

区分明治30年明治29年明治28年
計算上の現住人口(郡市別戸口)44,430,03043,985,12243,539,966
東京15区と東京市の人口差82,16481,34585,573
京都2区と京都市の人口差01,4830
大阪4区と大阪市の人口差8,5405,6686,216
計算上の現住人口(郡区別戸口)44,520,73444,073,61843,631,755
現住人口(郡市別戸口)44,520,73644,072,23343,618,619
2-1,385-13,136

明治30年は2人違う・・・が、概ね正しい。一方で明治29年、明治28年はもっと違いが見られる、など、何故か最後まで数字が一致しません。ただ「現住人口一万人以上市区及町村別戸口」記載の市の人口と、「郡市別戸口」記載の市の人口は、本来なら一致するはずなのに、明治30年の例では鹿児島市、札幌区の人口が微妙に異なります。明治29年、明治28年の例でも、人口が異なる例が散発して存在し、ここまで来るとどちらが誤記なのか判断できません。【上の数字が一致しない原因は、京都市の人口にありそうです。京都2区内での人口移動が年によってゼロだったりそうでなかったりするのが不自然です。】

さらに「官報による現住人口」を『日本帝国民籍戸口表』記載の現住人口に計算し直すためには、各市町村別で、【外国行・在監行・軍務行・失踪などの出寄留の統計】が必要ですが、自分が知る限りそのような統計は公表されていないので、現状では「官報による現住人口」から人口を修正する術がありません。【よって明治30年以前の市町村別人口は、一般に都市人口として標準とされている『日本帝国民籍戸口表』の「現住人口一万人以上市区及町村別戸口」の数字に合うように、「官報による現住人口」から再計算し直すことはできません。】

【誤字修正、【】の部分の文章を修正】
[82294] 2012年 12月 7日(金)20:55:39YT さん
盛岡
昨日より出張で盛岡におります。

これまで私は盛岡に関しては乗換えや通り過ぎただけで、駅の外に出たのは初めてです。また昨日より盛岡では雪が降っており、今期の自分にとっての初雪を経験したところです。

駅前のアイーナという場所で開かれているある催しに出席しているのですが、同じ建物に岩手県立図書館があることに気付きました。岩手県立図書館には、たしか藩政時代の南部藩の人口の情報が記載されている南部藩家老席日誌(『盛岡藩雑書』として活字化されているが、まだ半分くらいしか刊行されていない)の原本があったはずで、時間があれば閲覧申請でもしようかと思ったところ、突然地震がありました。

なんか東北新幹線がまだ止まったままで、今日帰る予定の人はまだ駅に留められたままのようです。
[82288] 2012年 12月 3日(月)19:11:00YT さん
大正9年以降の人口異動を伴う境域変更の情報
[82281] 白桃さん

2010年境域での2005年の(旧)春日部市の人口が202,105人、越谷市の人口が315,792
2005年国勢調査報告で
2000年境域での2005年の(旧)春日部市の人口が202,105人、越谷市の人口が315,792
と全く同じ数字になっているのです。

先ほど自分も冊子の方の国勢調査報告でもそのようになっていることを確認しました。残念ながら修正の記載もありません。まあ国勢調査報告書も小さな間違いは色々ありますし・・・

ところで、白桃さんの[82241]とも関連しますが、図書館に行ったついでに過去の国勢調査報告書を閲覧したところ、人口異動を伴う境界変更について重要な知見がありました。[81919]でオーナー グリグリさんが過去の境域変更に関する情報をまとめていますが、実は昭和25年の国勢調査報告の『国勢調査報告 第7巻 都道府県編 (沖縄を除く全46冊)を閲覧したところ、各都道府県毎に「市町村の廃置分合, 境域変更及び名称変更 (大正9年10月~昭和25年9月)」という注記があり、昭和25年以前の人口異動を伴う境域変更についてもまとまっていました。よって沖縄県を除き、国勢調査開始以降の境域変更の日時は全て情報として存在します。沖縄県も、附録としてどこかに収録されているのかも知れません。

市町村の廃置分合及び境界変更について
 統計表第1表には大正9年国勢調査以来の市町村別人口の変遷を示しているが、これについては次の事柄を注意されたい。
 1 表に掲げてある人口は、昭和25年国勢調査当時と同一の市町村名を有するものに限りこれを掲げることとし、且その人口は各調査当時の境域による人口である。
 2 各調査間における市町村の廃置分合及び境界変更並びにこれらに伴う人口の異動はすべて注記してある。注記については次の事柄に注意されたい。
(1)人口の異動については、次回調査までの廃置分合による人口異動を前回の調査人口により組替え算出した。
(2)前回の調査時にあった市区町村が次回調査までの間に廃置分合によって消滅したときは、その市区町村の人口を備考として記載した。
(3)境界変更のうち人口異動の有無及び人口異動の不明なものをそれぞれ次のように表示した。
 (イ)人口異動があったものは異動人口のみを括弧内に表示した。
 (ロ)人口異動がなかったものは括弧内に「人口異動なし」と表示した。
 (ハ)人口の異動の不明なものは括弧内に「不明」と表示した。

つまり昭和25年の国勢調査報告を作成した時点で、すでに人口異動の有無の不明な境域変更もあったようです。

ただ一点問題なのは、戦中・戦後の酸性紙による冊子の劣化が激しく、ちょっとゼロックスコピーを許可されそうにない点です。というわけで現時点でこれらの情報は簡単にはまとめられません。
[82278] 2012年 12月 1日(土)17:17:55YT さん
国立公文書館所蔵の『昭和19年人口調査表・別表』
[82202]で挙げました国立公文書館所蔵の『昭和19年人口調査表・別表』について、先日国立公文書館に依頼して原史料を閲覧しました。閲覧した史料は、

請求番号簿冊標題
分館-11-003-00・昭54総統00824100昭和19年・人口調査表・別表(内地全体~沖縄県)
分館-11-003-00・昭54総統00825100昭和19年・人口調査表・別表(北海道~岐阜県)
分館-11-003-00・昭54総統00826100昭和19年・人口調査表・別表(静岡県~樺太)
分館-11-003-00・昭54総統00827100昭和19年・人口調査表・別表(香川県)

の四点で、戦中の酸性紙に手書きで書かれており、紙質が非常に悪く、閲覧に注意が必要です。

この内『昭和19年・人口調査表・別表(内地全体~沖縄県)』は、各県の男女別、郡市別、年齢別、職業別人口などをまとめたもので、[82202]にまとめた『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)の補正後、補正前の数字と完全には同じではないのですが、どちらかというと補正前の人口と一致する県が多く、最終集計前後の状態なのでしょう。

一方『昭和19年・人口調査表・別表(北海道~岐阜県)』と『昭和19年・人口調査表・別表(静岡県~樺太)』の二点は、市の年齢別・男女別・職業別人口をまとめた調査表を抜き取って集めたもので、残念ながら特別区部や町村の人口は対象外です。ざっと見た限り、ほぼ『昭和19年人口調査 集計結果摘要』の補正前人口と同一の数字で、当然三鷹市や府中市の表はありません。もっとも豊原市の人口が

男女合計
20,95820,90941,867

となっており、[82202]の樺太市部の人口42,151人と矛盾します。

最後の『昭和19年・人口調査表・別表(香川県)』は、香川県の全ての市町村について、それぞれの年齢別・男女別・職業別人口をまとめたものであり、まさに『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)の「第2表 都道府県、市町村及び郡別人口」の元となる原集計表そのものであることが分かりました。もっとも市町村別人口合計自体に違いは全くありません。

というわけで、東京都の人口を『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)記載の区分人口から修正するためには、『昭和19年・人口調査表・別表(東京都)』とでも言うべきものを閲覧する必要があるわけですが、残念ながら国立公文書館所蔵で公開されている史料にはそのようなものはないようです。

[82202]で挙げた残りの史料についても閲覧依頼を出しておりますが、報告できるのは3週間前後後になりそうです。
[82244] 2012年 11月 23日(金)03:03:23YT さん
1950年12月1日の十島村の国勢調査人口は2938人!
[82235]で1950年の十島村の人口が不明であるかのように書いてしまいましたが、改めて1950年の国勢調査報告を調べたところ、1950年国勢調査結果概要の中に、
1950年の人口には、外国人(連合国軍及び外交関係を除く)及び対日講和条約の規定により1951年12月5日、日本に帰属した奄美群島の十島村(2,938人)を含んでいる。
とありました。つまり琉球政府の公報第27号では省かれていた十島村でもちゃんと国勢調査が実施されており、「国勢調査の穴」というのは私の早とちりでした。

よって、琉球政府公報を元に[82204]以前に私がまとめたデータに関しても、1950年の奄美群島の現在人口は219,048人に、琉球列島米国軍政府管轄全琉球の現在人口も917,875人に改定する必要があります。また1950年の現十島村境域の人口は2,938人、現三島村境域の人口の割合も33.56%になりますし、なによりも、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』(昭和22年と昭和25年の十島村の人口が空欄で、昭和15年以前は三島村の人口が空欄となっており、総て十島村の人口として処理されている)での人口処理にミスがあったことがわかりました。

十島村に関してネット上で調べたところ少なくとも『十島村誌』には人口の情報があるようです。羽原清雅氏による「トカラ・十島村の「格差」と地域の政治―どうなる七つに分散する離島村の闘い」によると『十島村誌』などを参考にして以下の人口変遷が掲載されています。

年次中之島口之島宝島平島悪石島諏訪之瀬島小宝島臥蛇島
187910510529972118068767
18901331334079412185831,061
189714917843993137137991,229
19103332275351291652531101,752
19164282905771421682601281,993
1931646404652138171126992,236
1935793436580135150691052,268
1940873440562150114601332,332
1944768453529148140591152,276
19501,03972056919117395622,938
19521,57660560519718686453,394
19559285845602031829090572,658

1916年以前の人口は現住人口、1950年と1955年の人口は国勢調査人口なのは兎も角として、他の年号の人口は何の調査人口なのかは不明です。ただ、1935年、1940年、1944年の人口をそれぞれ国勢調査・人口調査による現在人口だと仮定すると、

調査年月現十島村境域内現三島村境域内合計三島村の人口の割合備考
昭和5年10月1日3,723
昭和10年10月1日2,2681,3993,66738.15
昭和15年10月1日2,3321,2323,56434.57
昭和19年2月22日2,2761,2603,53635.63
昭和22年10月1日1,304確定
昭和23年8月1日1,384確定
昭和25年10月1日2,9381,4844,42233.56確定
昭和30年10月1日2,6581,3524,01033.72確定
昭和35年10月1日2,6021,3633,96534.38確定

調べてみると案外分かるものです。


[82237] hmt さん

もちろん[65126]には「本土復帰」とは記されておらず、日付も違っております。

かなり以前に参考にした文書に昭和21年10月3日付けで本土に復帰という記述があったのですが、今調べ直したところ、10月3日は奄美群島の大島支庁が臨時北部南西諸島政庁へ以降した日で、三島村領域は昭和21年2月2日の2.2宣言により本土への所属が決定され、昭和21年2月28日内務省告示第22号で鹿児島県所属となったようですね。訂正します。

ところで内務省告示第22号によると

内務省告示第二十二号

昭和十七年七月内務省告示第四百九十号
府県地方事務所ノ名称、位置及管轄区域中左ノ通改正シ昭和二十一年二月二十二日ヨリ之ヲ施行セリ
 昭和二十一年二月二十八日
      内務大臣 三土 忠造
別表鹿児島県ノ部中「鹿児島郡、大島郡十島村ノ内黒島、竹島、硫黄島」ニ改ム

となっており、告示に先立つ昭和21年2月22日付けで鹿児島県の領域の改正が施行されておりますが、この場合は領域の変更は2月22日なのでしょうか?

[82241] 白桃さん
これはひょっとして昭和55年のことですか?

すみません。国勢調査報告に掲載されている人口異動情報は昭和30年までということで1955年と書きましたが、内容としては昭和25年10月2日まで遡るので、1950年10月2日以降の間違いです。

当たり前のことですが、異動人口(該当区域の境界変更直前の国勢調査人口)が分っているからこそ『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』なるものが出版されたのですよね・・・。

確かにその通りですが、公表された出版物の中で人口異動を伴う境域変更の情報がまとめて掲載されている分が、現時点で判明している限りでは1950年10月2日以降に限られるという点を銘記した上でまとめた方が、より情報がクリアになるということです。確かに統計局の倉庫の中には町丁目別人口の情報があるのかも知れませんが、少なくとも戦前の国勢調査報告書の実物を実際に手に取って見る限り、町村よりも狭い境域での人口の情報は公表されていません。また十島村・三島村の人口按分を行っていなかったりする点を見ると、統計局内部の情報にも何かしら限界があるように見えます。
[82235] 2012年 11月 22日(木)04:03:07【1】YT さん
1950年の琉球列島米国軍政府管轄全琉球における十島村の人口の謎
[82194]でも触れました十島村・三島村の過去の人口を調べている内に奇妙なことに気づきました。

過去に[65126]でむっくんさんが触れられているように、昭和21年10月3日付でトカラ列島北部の三島が「十島村」として本土復帰し、遅れて昭和27年2月10日付でトカラ列島南部が十島村として本土復帰します。その際に先に復帰した十島村は「三島村」となります。
1947年の臨時国勢調査から1950年の国勢調査まで、十島村の人口としてカウントされているのは、実際には後の三島村の人口です。

調査年月十島村三島村合計現三島村境域の人口の割合(%)
大正9年10月1日3,3383,338
大正14年10月1日3,3403,340
昭和5年10月1日3,7233,723
昭和10年10月1日3,6673,667
昭和15年10月1日3,5643,564
昭和19年2月22日3,5363,536
昭和22年10月1日1,304
昭和23年8月1日1,384
昭和25年10月1日1,484
昭和30年10月1日2,6581,3524,01033.72
昭和35年10月1日2,6021,3633,96534.38
昭和40年10月1日1,8488742,72232.11
昭和45年10月1日1,4076552,06231.77
昭和50年10月1日6281,1201,74835.93
昭和55年10月1日6199031,52240.67
昭和60年10月1日5527871,33941.22
平成2年10月1日5037901,29338.90
平成7年10月1日5137761,28939.80
平成12年10月1日5007561,25639.81
平成17年10月1日4626731,13540.70
平成22年10月1日4186571,07538.88

ところで昭和25年10月1日においては、現十島村境域は未だ米国統治下にあり、1950年12月1日付で実施された国勢調査琉球確定人口に十島村は含まれるはずです。ところが琉球政府広報を見ても、十島村の名前がありません。

可能性としては、確定人口が公表された1952年10月13日の時点で十島村は本土復帰をしており、国勢調査の結果表から欠落してしまったということでしょうが、こんなところにも国勢調査の穴が生じているとは予想外でした。

さて、過去の十島村の島毎の人口配分がどうであったかを調べてみましたが、残念ながら『三島村誌』『十島村誌』をすぐに調べられる環境にはありません。ただ明治30年度以前の『鹿児島県統計書』には島別の人口が掲載されていました。

M28M29M30
竹島134134148
硫黄島457457470
黒島346346354
口之島169173178
中之島151146149
臥蛇島939499
諏訪之瀬島129132136
平島979793
悪石島135138137
宝島437437439
現三島村境域937937972
現十島村境域1,2111,2171,231
現三島村割合(%)43.6243.5044.12

残念ながら戦前のトカラ列島の人口の割合の変化を推計するには情報が少なすぎますが、どうもトカラ列島は明治後半~大正にかけて南部の方でより人口が増えたようです。ただ多分昭和30年の人口比で按分してもそう実態とはかけ離れてはなかっただろうことは予想がつきます。【戦前の十島村の人口約3500人に対して30%~45%の人口比を按分すると、大体±300人程度の誤差が生じることになりますが、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』でこの辺の按分を行っていないということは、島別の人口の情報がないんでしょうね。】

なお[80480]以前の投稿を含め、自分がアップしたファイルでは昭和21年に十島村全域が復帰したかのように記述していましたので、そこは要修正です。

[82230][82231][82232][82233] 88 さん オーナーグリグリ さん
現在の境域における過去の国勢調査人口を推計するという観点では、1980年国勢調査時点での情報をまとめた『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』が利用できるので、1980年から2010年までの人口の異動を伴う境域変更を調べてまとめ、計算に利用しました。

しかしながら過去の人口異動を伴う境域変更が判明する時期は限られています。自分はこの件に関して特に意見表明をしていませんでしたが、確かに情報の整合性という点では問題があり、この点に関しては88さんの意見に賛同します。過去の人口異動を伴う境域変更に関しては情報源が1955年以降に限られることを銘記した上で雑学のページにまとめた方が良いかも知れません。
[82215] 2012年 11月 19日(月)00:30:22YT さん
日本最古の屋上観覧車
[82209] オーナーグリグリさん

自分はクイズが得意ではないので、クイズ企画にはあまり参加していないのですが、問1の問題が分かった時、5年程前に国登録有形文化財となったこちらを答えたくなりました。

現在では営業していませんが、こちらのサイトによると、毎週日曜日には動かしているようです。

観覧車は乗車できませんが、毎週日曜の正午と午後3時に各2回転動かしますよ。
このチャンスにぜひ記念撮影にきてね!
[82207] 2012年 11月 18日(日)17:17:15YT さん
昭和二十二年九月の水害
[82206] hmt さん

この水害に関しては栗橋という地名を記憶していたのですが、調べてみると これは濁流が最初に向かった町であり、決壊口そのものは 栗橋よりも少し上流、北埼玉郡東村(現・加須市)の 新川通 でした。

具体的な水害の方までは考えが及びませんでした。官報の方では「昭和二十二年九月の水害」と表記されていました。

私の父は当時都内の駒込に住んでいたので、リアルタイムでカスリーン台風の被害報道を知っているはずなのですが、「栗橋鉄橋に流木がどんどん引っかかり、やがて堤防が決壊」と記憶しているようです。もしかしたら当時の報道では栗橋鉄橋が流れを悪くした原因と何度も連呼されていたのではないでしょうか?

当時は厚木の中学に通学していた hmt は、関東地方とはいえ 被災地の様子を直接知ることはありませんでした。

私の父はカスリーン台風当時小学5年生ですので、hmt さんは私の父よりも数歳年上なんですね。ちょっと驚きました。
[82205] 2012年 11月 18日(日)06:19:17【3】YT さん
1940年~1950年の主要都市の人口変動
とりあえず市の人口については過去の人口がリストアップできるようになりました。
1940年~1950年という激動の時代の主要都市(町村は対象外で、当時の境域による)の一連のセンサス(国勢調査、臨時国勢調査、人口調査、常住人口調査)による人口変遷は以下の通りになります。順位は1940年10月1日における市の人口の順位です。特に1944年と1945年の間での人口落差が激しいので、その間の人口増加率(%、多くはマイナス)も掲載しました。

順位市名1940年1944年1945年1946年1947年1948年1950年44年/45年増加率
1東京市/特別区部6,778,8046,558,1612,777,0103,442,1064,177,5484,555,5655,385,071-57.66
2大阪市3,252,3402,833,3441,102,9591,293,5011,559,3101,690,0721,956,136-61.07
3名古屋市1,328,0841,344,100597,941719,382853,085915,7251,030,635-55.51
4京都市1,089,726964,466866,153914,655999,6601,040,1271,101,854-10.19
5横浜市968,0911,019,466624,994706,557814,379859,324951,189-38.69
6神戸市967,234918,032379,166443,344607,079644,217765,435-58.70
7広島市343,968336,483137,197171,902224,100246,134285,712-59.23
8福岡市306,763324,499252,282288,794328,548348,052392,649-22.25
9川崎市300,777380,919180,042210,157252,923277,903319,226-52.73
10八幡市261,309252,662151,378154,646167,829180,984210,051-40.09
11長崎市252,630270,113142,748174,141198,642208,644241,805-47.15
12呉市238,195293,632152,184170,285185,740188,949187,775-48.17
13仙台市223,630261,117238,250255,036293,816307,202341,685-8.76
14静岡市212,198211,666161,720182,058205,737220,284238,629-23.60
15札幌市206,103225,842220,139227,223259,602269,136313,850-2.53
16佐世保市205,989241,239147,617163,521175,233178,878194,453-38.81
17函館市203,862196,680181,531187,367211,441213,034228,994-7.70
18下関市196,022206,961155,623162,982176,666180,587193,572-24.81
19和歌山市195,203205,396147,523153,456171,800180,159191,337-28.18
20熊本市194,139211,011181,128206,016245,841252,547267,506-14.16
21横須賀市193,358298,132202,038249,702261,805268,587250,533-32.23
22鹿児島市190,257189,99193,698123,533170,416175,837229,462-50.68
23金沢市186,297193,560200,584207,287231,441237,350252,0173.63
24堺市182,147217,939168,348173,694194,048198,794213,688-22.75
25尼崎市181,011270,073153,051172,557233,183249,319279,264-43.33
26小倉市173,639184,230131,688149,047168,119176,322199,397-28.52
27岐阜市172,340174,676142,543148,637166,995174,891211,845-18.40
28浜松市166,346162,75481,497101,818125,767133,739152,028-49.93
29小樽市164,282151,905145,510150,611164,934169,700178,330-4.21
30岡山市163,552160,90292,862107,690140,631150,084162,904-42.29
31新潟市150,903177,289174,170184,246204,477210,830220,901-1.76
32豊橋市142,716141,220105,840115,226129,355135,131145,855-25.05
33門司市138,997135,48294,229101,540109,567113,414124,399-30.45
34布施市134,724132,402112,208123,082133,934140,615150,129-15.25
35富山市127,859160,537100,775113,968137,818144,229154,484-37.23
36大牟田市124,266179,574127,677144,177166,438179,687191,978-28.90
37徳島市119,581116,73480,68188,672103,320109,120121,416-30.88
38松山市117,534120,091117,396127,367147,967150,976163,859-2.24
39高松市111,207107,20272,65679,670101,403109,295124,545-32.23
40室蘭市107,628124,03491,17890,92396,722100,387110,443-26.49
41高知市106,644136,699111,630125,993147,120152,738161,640-18.34
42姫路市104,259102,35983,167175,734197,299200,668212,100-18.75
43西宮市103,774127,45790,80897,429108,893115,623126,783-28.75
44甲府市102,419105,00182,68587,195104,993109,022121,645-21.25
45宇部市100,680124,10982,76290,756108,728118,281128,569-33.32
46青森市99,065100,07756,65367,23490,82895,904106,417-43.39
47川口市97,11599,45097,709105,933116,007120,427124,783-1.75
48福井市94,59599,47745,55952,27877,32082,380100,691-54.20
49千葉市92,061110,13096,606106,420122,006125,134133,844-12.28
50久留米市89,49092,02075,77884,65590,99993,690100,997-17.65
51若松市88,90187,97668,19975,19678,69479,83289,574-22.48
52宇都宮市87,86890,14580,79088,07997,075100,468107,210-10.38
53旭川市87,51492,12089,62993,408107,508111,988123,238-2.70
54前橋市86,99785,00879,73281,40690,43294,12397,394-6.21
55桐生市86,08677,20585,18086,83691,48294,16795,53310.33
56戸畑市84,26082,73156,58560,82168,08371,74787,885-31.60
57岡崎市84,07380,07375,66677,54685,36189,92096,030-5.50
58日立市82,88584,69938,52543,37650,15952,44856,066-54.52
59盛岡市79,47890,38495,74899,114107,096111,889117,5785.93
60延岡市79,42672,56656,95464,35473,74277,88788,117-21.51
61大分市76,98580,00365,78174,13886,57088,34694,455-17.78
62長野市76,86177,66989,92389,90694,99398,075101,42615.78
63八戸市73,49477,90977,50680,95291,40594,315104,335-0.52
64松本市72,79570,24777,07779,13984,25885,75586,0059.72
65高崎市71,00271,03079,71282,58288,48391,00292,96412.22
66一宮市70,79266,38057,58858,44162,46064,94071,431-13.24
67山形市69,18479,18489,53191,84598,632101,048104,89113.07
68津市68,62574,39358,55461,11668,66271,57876,077-21.29
69清水市68,61777,56560,26868,89280,51583,29888,472-22.30
70大津市67,53265,99570,35772,00581,42684,11385,2516.61
71長岡市66,98767,12138,27443,47854,95861,35666,818-42.98
72宮崎市66,49779,32364,96877,16592,14498,642103,443-18.10
73水戸市66,29366,08249,49553,82461,41663,48667,163-25.10
74吹田市65,81263,92864,26667,66772,19774,67978,4150.53
75那覇市65,76566,36344,790
76別府市64,72467,26669,98983,80196,68594,38093,0334.05
77四日市市63,732114,25094,69698,819112,433118,682123,870-17.12
78釧路市63,18058,92850,65253,89361,42165,72193,357-14.04
79八王子市62,27977,47863,19265,85872,94775,67482,539-18.44
80秋田市61,79197,361101,009106,139116,300118,115126,0743.75
82浦和市59,67179,98793,87198,371106,176110,137115,01917.36
83高岡市59,434112,818121,574123,822133,858136,837142,0467.76
86市川市58,06069,71174,52284,85592,71995,091102,5066.90
88奈良市57,27360,21570,83470,73182,39978,36977,86617.64
92松江市55,50654,28254,03357,40162,13662,51774,018-0.46
93沼津市53,16557,33276,78282,25892,83896,235101,97633.93
99佐賀市50,40649,17952,94058,45564,97865,36766,8077.65
101鳥取市49,26145,44951,84853,15857,21858,34061,72114.08
106福島市48,28747,45647,04748,39686,76389,28493,435-0.86
112岸和田市46,48677,71585,12684,32988,65493,87198,8219.54
140山口市34,57937,03789,04291,50597,97589,64277,759140.41
158舞鶴市29,903103,69880,40785,28692,13987,95591,914-22.46
夕張市75,01074,66568,52382,12392,57799,530-0.46
大宮市69,93877,59482,43891,37895,465100,09310.95

[82204]のエクセルファイルの Gun-Shi シートをコピーし、「分類」の項目で並べ替えれば、市・郡の人口を抽出できるはずです。
[82204] 2012年 11月 18日(日)06:07:00【1】YT さん
明治31年~平成22年の都道府県・支庁・市区郡別人口の変遷のまとめ
市町村別人口をまとめる作業がかなり遅延状態だったので([80480])、とりあえず町村の人口は置いておき、郡の人口と市・区の人口だけを先にまとめることにしました。以下のサイトにエクセルファイルをアップしました。

http://touch.moe-lovers.net/up_ssize/download/1353185687.xls/attach

ダウンロードパスは Gun-Shi です。ファイルサイズは約1MBで、圧縮を掛けていません。またファイルにはコピー用とチェック用の計算シート(sum関数を使った合計による入力した数値のチェック)が含まれています。

参考資料は以下の通りで、28回分の人口調査、戸籍調査をまとめました。現時点では昭和19年の人口調査を除き、全てオンラインで市町村別人口を調べることができるようになっていますが、国勢調査以前の人口に関しては今でも印刷物の方でチェックしています。

明治31年明治36年明治41年大正2年大正7年調の『日本帝国人口静態統計』 (明治31年は『日本帝国人口統計』):『国勢調査以前日本人口統計集成』(東林書林)
・大正9年、大正14年、昭和5年、昭和10年、昭和15年の国勢調査:『戦前期国勢調査報告集』 (クレス出版)([80479][80480]参照)
・昭和19年人口調査、昭和20年人口調査、昭和21年の人口調査:『人口調査集計結果摘要』(総理府統計局) ([82196]参照)
・昭和22年臨時国勢調査:『昭和22年臨時国勢調査結果報告』(総理廳統計局編) ([80480]参照)
・昭和23年常住人口調査:『常住人口調査報告』(総理府統計局) ([82196]参照)
・昭和25年以降の国勢調査:各回の国勢調査報告の現物(総理府統計局)

また明治41年12月31日調と大正2年12月31日調人口に関しては、内務省内閣統計局調査の現住人口のほか、『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』『大正二年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』に掲載の警察署調査の現住人口についても別途まとめました。警察署調査現住人口は市別、郡別人口の内訳はあるものの、町村別人口の内訳は掲載されていないという点では問題ですが、警察署が交番毎に管轄調査した現住人口の方が、内閣統計局が計算して求めていた現住人口よりもより実態に近いと評価されているようです。

なお市区別・郡別人口でまとめるのであれば、明治30年以前の『日本帝国民籍戸口表』に記載されている市区別・郡別現住人口も追加してもよさそうに思えるかも知れませんが、区別現住人口の合計と市現住人口、あるいは市郡別現住人口の合計や支庁別現住人口と府県別現住人口が一致しないという不可解な現象があるので、今回は収録を見送りました。出入寄留者の人口の計算で同府県内の異動を排除とか、色々補正をしているんでしょうが、その詳細は不明です。

以上のほか:

●統計局の資料などでは北海道の支庁の人口は郡部のみを集計するが、今回は市部を含めて支庁として集計した。
『明治三十一年日本帝国人口統計』では現住人口総計45,402,359人となっているが、東京府管下伊豆七島中八丈島附属青ヶ島の現住人口(682人)の追加により、現住人口総計45,403,041人に修正。
『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』では現住人口総計51,741,853人となっているが、東京府管下伊豆七島中八丈島附属青ヶ島の現住人口(544人)の追加と三重県員弁郡大泉村の現住人口の改訂(1,495人→1,584人)により、現住人口総計51,742,486人に修正(『日本帝国第三十統計年鑑』参照)。
『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』『大正二年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』では勇払郡占冠村(明治41年:504人、大正2年:1,093人)は他の勇払郡所属町村と同様に室蘭支庁所属となっているが、上川支庁所属に修正。但し警察署調査現住人口の方は町村別人口の内訳が不明のため修正していない。
●昭和19年2月22日調人口調査:人口の不一致(392,607人)については[82202]参照。とりあえず東京府の特別区部を構成する特別区、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、西多摩郡、北多摩郡の現在人口は、『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)記載通りの儘として修正していない。
●昭和20年11月1日調人口調査:人口の不一致(1,627人)については[82196]参照。とりあえず市部・郡部別人口は補正前の現在人口の合計を示した。
●昭和35年10月1日調国勢調査:岡山県児島湾干拓第7区の常住人口(1,200人)は岡山県の常住人口に含めるが、市部・郡部別人口に含めない。また長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域の常住人口(73人)は長野県、岐阜県、市部、郡部別人口に含めないが、総計に含める。
[82202] 2012年 11月 17日(土)18:26:25【1】YT さん
昭和19年人口調査の結果摘要の問題点
日本で過去に実施されたセンサスである、国勢調査、臨時国勢調査、常住人口調査、人口調査のほとんどの市町村別人口をオンラインで閲覧可能であることが分かりましたが、唯一昭和19年の人口調査だけは官報にも掲載されず、オンラインで市町村別人口を閲覧することができません。現状では調査結果が印刷されている出版物は『昭和15年国勢調査 昭和19年人口調査 昭和20年人口調査 昭和21年人口調査 結果報告摘要』(1949年)と『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)だけのようですが、その内市町村別人口の掲載があるのは後者だけです。ただしその調査人口にかなりの問題があります。昭和19年人口調査では、補正後の市部・郡部人口は不明で、補正された人口は都道府県別・男女別・年齢別(五歳階級)人口のみが公表されているようです。『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)の「第1表 都道府県、市部郡部及び男女別人口」の総数(1), 2))と市部・郡部(3)に付けられた脚注によると:
1) 北海道根室支庁管内色丹村,東京都八丈支庁管内三根村・樫立村・中之郷村・末吉村・大賀郷村,大島支庁,三宅支庁及び沖縄県を含む。
2) 特別調査区域を含む。
3) 「総数」欄の地域の範囲(注記1)に対応する市部・郡部別の人口が不詳であるので,前記表章地域に合致するよう第2表から市町村を抜すいして合算した人口を,参考までに「市部」・「郡部」別に掲載した。

具体的に昭和19年人口調査における補正後と補正前の人口の違いは以下の通りで、樺太を除く全ての都道府県で人口補正が行われています。

都道府県総数(補正後)総数(補正前)市部(補正前)郡部(補正前)補正数(総数)
全国73,456,14173,063,53429,893,74443,169,790392,607
北海道3,256,1573,263,2691,030,1102,233,159-7,112
青森県1,009,1041,008,278229,020779,258826
岩手県1,104,0491,103,936166,370937,566113
宮城県1,275,8621,264,497328,332936,16511,365
秋田県1,048,7691,048,240137,336910,904529
山形県1,083,5691,083,535200,388883,14734
福島県1,599,3921,599,344181,2101,418,13448
茨城県1,656,6781,650,370191,0931,459,2776,308
栃木県1,203,6791,201,924210,763991,1611,755
群馬県1,319,5171,318,780273,7011,045,079737
埼玉県1,647,6251,643,892340,0381,303,8543,733
千葉県1,659,3451,652,007403,1451,248,8627,338
東京都7,271,0017,238,4696,856,473381,99632,532
神奈川県2,474,3542,409,7351,899,517510,21864,619
新潟県1,994,8171,994,001341,3271,652,674816
富山県819,614819,563273,355546,20851
石川県743,672742,933277,028465,905739
福井県621,933621,829130,021491,808104
山梨県634,897634,368105,001529,367529
長野県1,650,5111,649,550273,7861,375,764961
岐阜県1,266,0081,261,974296,761965,2134,034
静岡県2,027,8562,022,570605,0731,417,4975,286
愛知県3,280,2063,240,6611,817,0081,423,65339,545
三重県1,209,2661,200,917416,919783,9988,349
滋賀県691,972690,945144,880546,0651,027
京都府1,635,5281,616,0361,098,840517,19619,492
大阪府4,412,9534,396,6833,503,580893,10316,270
兵庫県3,224,3763,217,1591,672,7821,544,3777,217
奈良県606,789606,25960,215546,044530
和歌山県847,388847,033293,009554,024355
鳥取県476,284474,75292,443382,3091,532
島根県729,819729,307122,036607,271512
岡山県1,333,3001,331,817283,5901,048,2271,483
広島県1,962,9501,895,567778,0221,117,54567,383
山口県1,357,3681,337,984678,912659,07219,384
徳島県703,260702,580116,734585,846680
香川県713,134712,986163,354549,632148
愛媛県1,186,4911,185,771343,171842,600720
高知県693,053692,565136,699555,866488
福岡県3,066,4723,050,3951,494,3431,556,05216,077
佐賀県705,651705,35188,062617,289300
長崎県1,490,8901,444,546640,962803,58446,344
熊本県1,371,0051,369,749326,7381,043,0111,256
大分県973,707971,204257,663713,5412,503
宮崎県839,556838,612211,464627,148944
鹿児島県1,594,0091,589,502275,9921,313,5104,507
沖縄県590,480590,26484,327505,937216
樺太391,825391,82542,151349,6740

なぜか北海道だけ補正後人口が大幅に減っていますが、多分北海道の一部及び樺太の一部の地域では、それぞれ5月31日、6月30日の午前零時現在に人口調査が実施されたため、昭和19年2月22日零時現在の数字に揃えるための人口増加率に基づく補正が行われた結果、逆に推計人口が調査人口よりも減少したのだと思います。ただ樺太だけ補正前・補正後の人口が一致しているのは不自然で、おそらく樺太に関しては人口の補正作業を一切行っていないのでしょう。

それよりも一番の問題点は、昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)では、一部の地域で当時実際には存在しなかった境域で人口集計が行われている点です。例えば昭和19年の東京都の人口は、『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)の「第2表 都道府県、市町村及び郡別人口」によると、
総数
東京都7,238,469
市部6,856,473
郡部381,996
特別区6,558,161
千代田区150,748
中央区188,871
港区291,997
新宿区359,601
文京区270,993
台東区403,420
墨田区438,114
江東区396,337
品川区395,770
目黒区202,533
大田区564,784
世田谷区303,473
渋谷区239,499
中野区216,724
杉並区259,746
豊島区302,057
北区341,552
荒川区334,380
板橋区271,226
足立区250,553
葛飾区181,574
江戸川区194,209
八王子市77,478
立川市51,624
武蔵野市54,249
三鷹市36,943
青梅市26,927
府中市30,003
昭島市21,088
西多摩郡82,585
東多摩郡104,682
北多摩郡163,432
大島16,151
三宅島5,519
八丈島9,627

しかしながら、1944年2月22日当時は武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市は存在せず、また特別区部ではまだ22区(練馬区が直ぐに分離して23区)に統合されていません。1954年11月3日に成立した北多摩郡村山町の記述があり、1955年4月1日に市制が敷かれた調布市の項目がないことから、東京都に関しては1955年1月前後の境域によって1944年2月22日の人口が集計されてしまっている(但し分離した形の練馬区は例外)ことがわかります。

こうなってくると昭和19年人口調査結果の集計過程の非公式の冊子でも入手しない限り、当時の境域による東京都の市町村別人口を知るのは不可能です。国立公文書館のデジタルアーカイブで検索すると一般に公開されている

請求番号簿冊標題
分館-11-003-00・昭54総統00819100昭和19年・人口調査表・第1表~第6表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00820100昭和19年・人口調査表・第7表~第16表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00821100昭和19年・人口調査表・第17表~第19表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00822100昭和19年・人口調査表・第20表~第22表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00823100昭和19年・人口調査表・第23表~第25表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00824100昭和19年・人口調査表・別表(内地全体~沖縄県)
分館-11-003-00・昭54総統00825100昭和19年・人口調査表・別表(北海道~岐阜県)
分館-11-003-00・昭54総統00826100昭和19年・人口調査表・別表(静岡県~樺太)
分館-11-003-00・昭54総統00827100昭和19年・人口調査表・別表(香川県)

が該当するようですが、残念ながら画像化されていません。これらは都内の国立公文書館には所蔵されておらず、筑波の分館に所蔵されており、公開されているとはいえなかなか中身の確認が大変のようです。
[82196] 2012年 11月 17日(土)15:35:12【2】YT さん
昭和20年11月1日調人口調査における補正人口
ところで昭和22年10月1日付の臨時人口調査の前後に、銃後の産業・生活の把握や配給制度の実施のため、昭和19年2月22日、昭和20年11月1日、昭和21年4月26日付で人口調査が、昭和23年8月1日付で常住人口調査が実施されています。国勢調査という看板を掲げていないこれら4回のセンサスの内、昭和20年の人口調査の情報については以前[76192]でむっくんさんにより国立公文書館のサイトが紹介されましたが、昭和20年11月1日、昭和21年4月26日の人口調査、昭和23年8月1日の常住人口調査については官報で正式に調査結果の報告が告示されていることが分かりました。以下リンクをまとめます。

1.昭和20年人口調査の結果による昭和20年11月1日現在の都道府県郡島嶼市区町村別人口
1945年11月26日(郡市区別人口)
1946年01月12日
1946年01月17日
1946年01月21日
1946年01月22日
1946年01月23日
1946年01月24日
1946年02月06日
1946年02月08日
1946年02月09日
1946年02月13日

2.昭和21年人口調査の結果による昭和21年4月26日現在の都道府県郡島嶼市区町村別人口
1946年07月25日
1946年07月26日
1946年07月27日
1946年08月12日
1946年08月14日
1946年08月15日
1946年08月16日
1946年08月17日
1946年08月19日

3.昭和23年常住人口調査の結果による昭和23年8月1日現在の都道府県郡島嶼市区町村別人口

1948年11月25日
1948年12月07日
1948年12月18日

この内、昭和20年の人口調査に関しては、官報によると総数71,996,477人となっていますが、総務省統計局の『昭和15年国勢調査 昭和19年人口調査 昭和20年人口調査 昭和21年人口調査 結果報告摘要』(1949年)および『昭和20年人口調査 集計結果摘要』(1977年)では総数71,998,104人となっており、1627人ほど増えています。『昭和20年人口調査 人口調査集計結果摘要』(1977年)によると、
・第1表 都道府県、市部郡部及び男女別人口
では総人口71,998,104人を採用していますが、
・第2表 都道府県別、市町村及び男女別人口
では官報のままの数字を採用し、
 第2表の次の府県の人口は,報告もれ等の人口を除く人口である。
 宮城県,秋田県,茨城県,埼玉県,千葉県,長野県,静岡県,
 愛知県,京都府,山口県,香川県,熊本県
とう備考が記されています。残念ながらこれだけではどの郡市区町村に補正が入ったのかが不明ですが、第1表の市部郡部別人口(補正後人口)と第2表の市部郡部別人口(官報の数字と同じ補正前人口)を比べると、市部と郡部にどの程度の補正が入ったのかは計算できます。

都道府県総数(補正後)市部(補正後)郡部(補正後)総数(補正前)市部(補正前)郡部(補正前)補正数(総数)補正数(市部)補正数(郡部)
全国71,998,10420,022,33351,975,77171,996,47720,021,21651,975,2611,6271,117510
宮城県1,462,254308,8931,153,3611,461,316308,1151,153,201938778160
秋田県1,211,871143,4651,068,4061,211,962143,4651,068,497-910-91
茨城県1,944,344131,6851,812,6591,944,573131,6851,812,888-2290-229
埼玉県2,047,261372,8391,674,4222,047,090372,8391,674,2511710171
千葉県1,966,862406,8371,560,0251,966,873406,8371,560,036-110-11
長野県2,121,050312,5861,808,4642,120,950312,4861,808,4641001000
静岡県2,220,358492,5961,727,7622,220,358492,5961,727,762000
愛知県2,857,8511,034,1501,823,7012,857,3381,033,8621,823,476513288225
京都府1,603,796982,306621,4901,603,797982,306621,491-10-1
山口県1,356,491652,512703,9791,356,540652,561703,979-49-490
香川県863,700139,797723,903863,553139,797723,7561470147
熊本県1,556,490298,9441,257,5461,556,351298,9441,257,4071390139

備考の説明にも関わらず静岡県には補正前と補正後で数字の違いが認められません。もしかしたら市別・町村別人口レベルで合計の人口が差引ゼロとなるような集計の誤りがあったのかも知れません。
[82194] 2012年 11月 17日(土)15:19:37【1】YT さん
昭和22年の臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」の扱いについて
『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』では、昭和22年の臨時国勢調査人口における宮城県、栃木県、埼玉県の総人口は、「水害により調査を延期した地域における調査洩れの補正人口」を含み、市町村別人口の合計と一致しません。ところが改めて、昭和22年臨時国勢調査結果報告を読んだところ、水害によって調査を延期した地域には、東京都も含まれていました。

(註)水害によって調査を延期した地域は
1.東京都 足立区、葛飾区、江戸川区の三区
2.埼玉県 北葛飾郡の全域、南埼玉郡の内桜井村、新方村、増林村、八条村、潮止村、須賀村、鷲宮村の8カ村、北埼玉郡の内利島村、川辺村、東村、原道村、元和村、豊野村の6カ村
3.栃木県 下都賀郡の内生井村、部屋村の2カ村、足利郡の内毛野村、山前村、小俣村、山辺町の4カ町村
4.宮城県 玉造郡、栗原郡、登米郡、本吉郡の4郡全域
であって昭和22年12月中旬に、この地域に於ける100分の1の世帯を選び、此の世帯について調査洩れの抽出調査を行った結果3,109の調査洩れがあったことが推定せられた。この補正数を地域別に示せば次表の如くである。

都道府県郡区追加補正数補正後の人口
東京都足立区87233,217
東京都葛飾区407181,966
東京都江戸川区1,683173,422
東京都2,177588,605
埼玉県北埼玉郡5320,116
埼玉県南埼玉郡8431,894
埼玉県北葛飾郡321121,980
458173,990
栃木県下都賀郡6010,602
栃木県足利郡20736,227
26746,829
宮城県玉造郡2140,834
宮城県栗原郡71136,466
宮城県登米郡60116,045
宮城県本吉郡55106,359
207399,704
合計3,1091,209,128

なお南埼玉郡「8カ村」とありますが、文章中にはどうみても7カ村しか掲載されていません。ただ内訳が記されている地域の場合、上の表における「郡」の人口は該当する町村の人口の合計を示しているようです。実際に計算してみると、八幡村4278人に相当する人口が合計から不足しているので、残る一つは八幡村と思われます(【と思ったら、正誤表で訂正されており、確定です】)。また栃木県足利郡「小俣村」とありますが、昭和22年の時点では既に町になっています。内訳が示されている地域の人口を計算すると、以下の通りです。

埼玉県南埼玉郡桜井村2,978
埼玉県南埼玉郡新方村2,588
埼玉県南埼玉郡増林村4,837
埼玉県南埼玉郡八条村3,965
埼玉県南埼玉郡八幡村4,278
埼玉県南埼玉郡潮止村4,348
埼玉県南埼玉郡須賀村4,005
埼玉県南埼玉郡鷲宮村4,811
埼玉県南埼玉郡8村合計31,810
埼玉県南埼玉郡町村に配分し得ない調査洩れ84
埼玉県南埼玉郡8村合計(補正後)31,894
埼玉県南埼玉郡郡全域(補正後)200,729
埼玉県北埼玉郡利島村4,679
埼玉県北埼玉郡川辺村3,585
埼玉県北埼玉郡東村2,619
埼玉県北埼玉郡原道村2,803
埼玉県北埼玉郡元和村2,761
埼玉県北埼玉郡豊野村3,616
埼玉県北埼玉郡6村合計20,063
埼玉県北埼玉郡町村に配分し得ない調査洩れ53
埼玉県北埼玉郡6村合計(補正後)20,116
埼玉県北埼玉郡郡全域(補正後)202,003
栃木県下都賀郡生井村4,338
栃木県下都賀郡部屋村6,204
栃木県下都賀郡2村合計10,542
栃木県下都賀郡町村に配分し得ない調査洩れ60
栃木県下都賀郡2村合計(補正後)10,602
栃木県下都賀郡郡全域(補正後)247,744
栃木県足利郡毛野村10,072
栃木県足利郡山前村6,199
栃木県足利郡小俣町6,646
栃木県足利郡山辺町13,103
栃木県足利郡4町村合計36,020
栃木県足利郡町村に配分し得ない調査洩れ207
栃木県足利郡4町村合計(補正後)36,227
栃木県足利郡郡全域(補正後)98,348

なおこれら4都道府県の臨時国勢調査の結果は1948年3月24日付の官報にも掲載されていますが、
但し、右の調査洩れ人口は、地域町村は配分せず一括して郡末尾に「町村に配分し得ない調査洩れ」として掲げた。
との註があるにも関わらず、この段階で東京都足立区、葛飾区、江戸川区には調査洩れ人口が最初から区別に配分されています。実際の補正人口はそれぞれの地域におけるサンプリングの人口変動比から計算しているようなので、東京都を除く宮城県、栃木県、埼玉県のこれらの「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」も単純な按分処理により当時の境域における人口に割り振って問題ないようですが、

●昭和22年の臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三県の調査洩れ数を除外しているが、これらについても按分して計算し直すべきか
●昭和15年以前の十島村・三島村の人口の扱い
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三島村の人口をゼロとし、すべて十島村の人口に割り振っているが、昭和30年の十島村・三島村の人口比で按分して計算し直すべきか
●昭和35年の長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域(73人)
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では境界紛争地域の人口を除外しているが、最終的に山口村は中津川市に越境編入しており、この73人も現在の中津川市境域内の人口に加算するべきか

この辺の扱いについては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』に従った方がいいのかも知れませんが、昭和22年以降のこれら地域の境域変動を調べた上で、これらの人口を按分した推計人口を改めて試算してみようと思います。
[82021] 2012年 10月 29日(月)12:15:54【4】YT さん
相模原、町田市の人口の訂正
[82020]の説明について、改めて以前送付したエクセルファイルの中身をチェックしたところ、平成17年~22年の間の人口修正について、説明と違うことを行っていたので、修正します。

大正9年の人口で町田市の人口の計算過程を見ると、昭和55年の境域における大正9年の町田市の人口は23,585人。
(2)の修正により、23,585 + 7,170×6/167,935 ≒ 23,585 人 (変化なし)
(4)の修正により、23,585×(360,525 - 3)/360,525 ≒ 23,585 人 (変化なし)
(6)の修正により、23,585 + 27,016×42/605,561 ≒ 23,587 人
(8)の修正により、相模原市の人口が合併後境域に
(9)の修正により、23,587 + 10/701,630×58,101 ≒ 23,588 人

ところが改めて自分が送付したデータを確認したところ、(8) 相模原市の合併処理を、(9) 町田市と相模原市の間の境域変更の後に行っていました。すなわち

23,587 + 10/628,698×27,014 ≒ 23,587 人 (変化なし)

と、(9)の修正に際し、平成17年の国勢調査の境域による旧相模原市の人口で按分計算をしていました。よって[82006]で計算し直した貝塚市のケースに加え、このケースでも相模原市、町田市の人口を修正する必要があります。

送付した町田市、相模原市の平成22年国勢調査時境域による人口はD'、E'の通りで、正しい処理をした町田市、相模原市の平成22年国勢調査時境域による人口はD、Eの通りです。計算上は結局のところ±1人の差しか生じませんが。

番号ABCD'E'DED-D'
町田市相模原市相模原市町田市相模原市町田市相模原市人口差
備考平17境域平17境域合併直後境域誤修正誤修正正修正正修正
大正923,58727,01458,10123,58758,10123,58858,1001
大正1424,66928,17459,05424,66959,05424,67059,0531
昭和526,63130,04560,80426,63160,80426,63260,8031
昭和1027,60730,46260,99427,60760,99427,60860,9931
昭和1531,97537,87168,78431,97668,78331,97668,7830
昭和2250,31361,530100,24650,314100,24550,314100,2450
昭和2552,41468,893106,82252,415106,82152,416106,8201
昭和3058,26283,835120,81358,263120,81258,264120,8111
昭和3571,170101,649137,10871,172137,10671,172137,1060
昭和40115,757163,371200,758115,760200,755115,760200,7550
昭和45202,520278,309317,280202,524317,276202,525317,2751
昭和50255,334377,374421,967255,340421,961255,340421,9610
昭和55295,439439,272494,227295,446494,220295,446494,2200
昭和60321,218482,748546,487321,226546,479321,226546,4790
平成2349,084531,508602,402349,092602,394349,093602,3931
平成7360,562570,560646,476360,571646,467360,571646,4670
平成12377,536605,519681,108377,546681,098377,546681,0980
平成17405,534628,698701,630405,544701,620405,544701,6200
平成22426,987717,544426,987717,5440

ただ、実際の相模原市と町田市の境域変更は多分旧相模原市内が対象なので、先の計算結果も一概に誤りとは言えない気もしますが・・・

同じように合併と境域変更の順序を間違っているケースがないか、後でチェックし直します。

【追記】合併と境域変更が国勢調査の間の5年間で起こっているケースは、1980年10月2日~2010年10月1日の間で6例しかありません。

越谷市と春日部市のケースでは、境域変更後に合併の処理。
小県郡丸子町と小県郡東部町のケースでは境域変更後に合併の処理。
本巣郡穂積町と本巣郡穂積町のケースでは境域変更後に合併の処理。
伊勢市と度会郡玉城町のケースでは、合併後に境域変更として処理。

ということでこれらの処理には問題ありません。

太田市と深谷市のケースでは、合併後に境域変更が行われれたにも関わらず、境域変更が先にあったような処理をしていました。ただ合併したのは深谷市側であり、異動地域の推計人口は深谷市側へ人口異動が起こった太田市側の人口にのみ依存するので、結果としてこのケースでも計算間違いは生じませんでした。

よって現時点で修正が必要なのは、上の町田市と相模原市のケースと、[82005][82006]で二つの人口異動があることが判明した貝塚市と岸和田市のケースだけです。

[82006]のデータを作成した段階では1980年~2005年分についてはちゃんと合併と境域変更の順番をチェックしていましたが、2005年以降については境域変更日時の情報を整理していなかったため、こういう間違いをおかしてしまったようです。
[82020] 2012年 10月 28日(日)21:34:04【3】YT さん
境域変動と合併の計算について
[82019] オーナー グリグリさん

これはT年の国勢調査時の境域における補正と考えてよいですね。

[81974]の文章を書いた時、直前の国勢調査時の組替人口が生データと考えて文章を書いたのですが、[82014]に書かれているように、実際には境域変更前後で確認された人口異動と推計人口を元に、直前の国勢調査組替人口を計算するという作業があったりと、直前の国勢調査時の組替人口が生データではない可能性もあるのですね。

それはともかくとして、[81974]の文章を書いた時点では、t年というのは境域変更が行われる直前のT年の国勢調査を含め、境域変更以前の全ての国勢調査年を意味し、全部同じ補正を行うという意味で書きました。t = Tの時は、

A'(T) = A(T)*(A(T) - ΔA(T))/A(T) + B(T)*ΔB(T)/B(T) = A(T) - ΔA(T) + ΔB(T)

B'(T) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(T)*(B(T) - ΔB(T))/B(T) = B(T) - ΔB(T) + ΔA(T)

という当たり前の式になります。

境域補正前後の異動人口と推計人口が分かっていて、それをT年の人口とするとしても、t年はそのT年推計人口を含めた過去全ての国勢調査で成立し、全ての補正前人口に対して同じように修正作業をする必要があります。

T年以外の境域に関しては、T年の境域における補正を実施した人口に対して、合併による通常の人口組替を行う必要があると考えてよいですね。言い換えると、国勢調査年毎に5年分の境界変更に伴う人口補正を行い、次の国勢調査年の境域での組替えを行った上で次の5年分の境界変更に伴う人口補正を行い、これを繰り返す。間違っていないでしょうか。

一回の境域変更に対しては、同じ人口異動の計算を過去全ての国勢調査時の人口に対して行うことになります。わざわざA(t)やB(t)のことを国勢調査人口と呼ばずに、「補正前人口」と呼んだのは、境域変更の度に人口補正が行われているからで、今回の人口組替のほか、合併や分割などの人口異動はすべて、その度ごとに過去の人口を修正することとなります。今回の人口修正のデータの出発は『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』ですが、これは既に昭和55年以前の境域変更が行われていると仮定して、その詳細を検討していません。昭和55年以降に1回の境域変更が行われたケース(例えば貝塚市と岸和田市の[82006])であれば、その一回の境域変更により、境域変更前全てのデータの書き換えを行う作業を一回行うことになります。

もっと複雑な町田市、大和市、相模原市のケースですと、

(1) まず町田市、大和市、相模原市、城山町、津久井町、相模原町、藤野町に関して、昭和55年(1980年)10月1日の境域による昭和55年以前の13回分の国勢調査時の市町別人口を用意する。
(2) 1985年2月1日の境域変動に関する昭和55年国勢調査時異動人口(大和市から町田市に6人)を元に、昭和55年以前の大和市と町田市の人口を13回分全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の昭和55年の人口が昭和60年の国勢調査における昭和55年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する1度目の修正】
(3) 昭和60年~平成7年の各回国勢調査人口を各市町村の人口データとして(2)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成7年国勢調査時境域のものとして16回分揃う。
(4) 1999年12月1日の境域変動に関する平成7年国勢調査時異動人口(町田市から相模原市に3人)を元に、平成7年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成7年の人口が平成12年の国勢調査における平成7年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する2度目の修正】
(5) 平成12年国勢調査人口を各市町村の人口データとして(4)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成12年国勢調査時境域のものとして17回分揃う。
(6) 2004年12月1日の境域変動に関する平成12年国勢調査時異動人口(相模原市から町田市に42人)を元に、平成12年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成12年の人口が平成17年の国勢調査における平成12年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する3度目の修正】
(7) 平成17年国勢調査人口を各市町村の人口データとして(6)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成17年国勢調査時境域のものとして18回分揃う。
(8) 2006年8月20日と2007年3月11日の編入を反映させるため、平成17年以前の相模原市の人口に平成17年以前の城山・津久井・相模原・藤野町の人口を加算し、修正する。【合併に伴う修正】
(9) 2007年12月1日の境域変動に関する平成17年国勢調査時異動人口(相模原市から町田市に10人)を元に、平成17年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成17年の人口が平成22年の国勢調査における平成17年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する4度目の修正】
(10) 最後に平成22年国勢調査人口を(8),(9)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成22年国勢調査時境域のものとして19回分揃う。

ということで、町田市、大和市、相模原市に関して合併の影響をも考慮しながら2010年10月1日の境域に一致するように過去の人口を修正・推計することとなります。

もちろん[82007]で白桃さんが危惧されているように、境域変更部分についてもっと詳しい情報があれば、推計方法も違うものになります。

というわけで[82006]で送りましたデータは、大部分は合併のみを考慮すれば良く、まず境域異動を無視し、合併オンリーで修正データを作った後、境域変動があった地域については別個に合併の部分を含めて再計算を実施しています。

異動の計算に使った数字は国勢調査時の組替異動人口で、太田市や稲沢市のように境域変更前後の人口が公表されいるのであれば、その人口を修正に使った方がいいかも知れません(が、さすがにこの影響は±1人に留まるはずです)。ただ1980年10月2日以降の全ての境域変動時の人口異動の情報を集めるのはちょっと難しい気がしますし、計算の出発の時点で昭和55年以前の数字に既に施されいてる人口修正の中身のチェックに手をつけていないので、将来的に2010年10月2日以降の境域異動に伴う人口修正を行わない限り、国勢調査時の組替異動人口からの計算で充分だと思います。

【訂正】町田市、大和市、相模原市の人口修正の過程について、実際に修正を行った期間の説明に誤りがあったので、より詳しい説明を加えて訂正します。
【追記】以前送付したエクセルファイル中で行った平成17年~22年の間の人口修正について、上の説明と違うことを行っていたので、別途記事にします。
[82006] 2012年 10月 25日(木)20:43:49【5】YT さん
貝塚市と岸和田市の平成22年境域内推計人口を求める二通りの方法
貝塚市と岸和田市の過去の人口推計方法について稿を改めて説明します。

貝塚市、岸和田市の昭和55年10月1日の境域(平成17年10月1日の境域とも同じ)による国勢調査・推計人口、平成22年10月1日の境域による国勢調査・推計人口は以下の通りです。推計の起点となるのは平成17年の組替え人口で、貝塚市から岸和田市への実質的な人口異動の差である、47人のみを考慮するのか、それとも双方の人口異動(貝塚市から岸和田市へ174人、岸和田市から貝塚市へ127人)を考慮するのかによって、過去に遡っての平成22年境域人口の推計値に変化が生じます。

市名貝塚市岸和田市貝塚市岸和田市貝塚市岸和田市
境域昭55昭55平22平22平22平22
人口異動貝塚市→岸和田市貝塚市→岸和田市貝塚市⇔岸和田市貝塚市⇔岸和田市
大924,76860,76124,75560,77424,75960,770+4
大1429,37568,64029,36068,65529,36268,653+2
昭531,32074,08031,30474,09631,30674,094+2
昭1040,50782,84840,48682,86940,48182,874-5
昭1542,79783,70442,77583,72642,76783,734-8
昭2247,12991,53147,10491,55647,09691,564-8
昭2553,58698,82153,55898,84953,54598,862-13
昭3056,166107,64056,137107,66956,126107,680-11
昭3561,067120,26561,035120,29761,025120,307-10
昭4069,365143,71069,329143,74669,322143,753-7
昭4573,366162,02273,328162,06073,327162,061-1
昭5079,506174,95279,465174,99379,463174,995-2
昭5581,162180,31781,120180,35981,120180,3590
昭6079,591185,73179,550185,77279,555185,767+5
平279,234188,56379,193188,60479,200188,597+7
平784,653194,81884,609194,86284,613194,858+4
平1288,523200,10488,477200,15088,479200,148+2
平1790,314201,00090,267201,04790,267201,047
平2290,519199,23490,519199,234

まず、【貝塚市→岸和田市】という、人口異動差のみを考慮した場合、貝塚市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に(90,314 - 47)/90,314を乗じた値となり、一方の岸和田市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に47/90,314を乗じた値に、岸和田市の昭和55年領域人口を加えた値となります。

例えば大正9年の平成22年境域内人口は
貝塚市:24,768×(90,314 - 47)/90,314 = 24,755.110... ≒ 24,755
岸和田市:60,761 + 24,768×47/90,314 = 60,773.889... ≒ 60,774

一方【貝塚市⇔岸和田市】の間の相互の人口異動を考慮した場合、貝塚市の昭和55年領域人口の内、(90,314 - 174)/90,314は貝塚市の平成22年境域人口分で174/90,314は岸和田市の平成22年境域人口分となります。一方岸和田市の昭和55年領域人口の内、(201,000-127)/201,000は岸和田市の平成22年境域人口分で127/201,000は貝塚市の平成22年境域人口分と考えるのです。

つまり貝塚市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に(90,314 - 174)/90,314を乗じた値と、岸和田市の昭和55年境域人口に127/201,000を乗じた値を足した数字となります。同様に岸和田市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に174/90,314を乗じた値と、岸和田市の昭和55年境域人口に(201,000 - 127)/201,000を乗じた値を足した数字となります。


例えば大正9年の平成22年境域内人口は
貝塚市:24,768×(90,314 - 174)/90,314 + 60,761×127/201,000 = 24,758.672... ≒ 24,759
岸和田市:24,768×174/90,314 + 60,761×(201,000 - 127)/201,000 = 60,770.327.. ≒ 60.770

というわけでこのケースの場合、両者の推計人口は最大で13人の差(昭和25年)が生じます。

私個人としては、統計局が採用している按分方法は後半の通りだと解釈していますが、どうでしょうか?
[82005] 2012年 10月 25日(木)16:46:18【7】YT さん
市区町村の境界変更一覧(平成17年10月2日~平成22年10月1日)
[82001] オーナー グリグリさん
国勢調査人口比較における人口異動を伴う組替え要因と人口組替ページにリストアップした2005年から2010年の人口異動を伴う境界変更の一覧は、差引異動人口から割り出していますので、差引0の人口異動を伴う境界変更が隠れている可能性があります。[81921]に書いたように平成26年6月に刊行予定の平成22年国勢調査最終報告書を見れば正確なところが明らかになります。

[81966]にて
一方最新の平成22年分の国勢調査報告書第1巻の方は既に然るべき図書館に納められておりますが、統廃合の情報は載っているものの、残念ながら境界変更情報(都道府県の境界変更情報は残っている)が無くなっております。もしかしたら今後作成される他の冊子に収録されるのかも知れませんが。
と書きましたが、先ほど改めて『平成22年 国勢調査報告 第二巻 人口等基本集計結果 その2 都道府県・市区町村編』の方を閲覧したところ、市区町村の境界変更一覧(平成17年10月2日~平成22年10月1日)が載っておりました。人口異動を伴う境界変更は以下の通りですが、市区町村変遷情報掲載の日時と異なる日時が一部挙げられていました(【追記】仙台市泉区ではなくて仙台市宮城野区です【←と思ったら、『境界変更一覧』の方では多賀城市の一部(28人)を仙台市泉区に編入となっていますね・・・2010年と2005年の国勢調査人口を比較すると、2005年の宮城野区の人口で組み換えによる増加があるようなので、下の表では宮城野区の方を採用していますが、これも再チェックが必要かも知れません】)。

年月日異動地域異動人口コード市町村名平成17年人口組替人口異動人口
2006.7.102201 to 0236112202201青森市311,508311,386-122
02361南津軽郡藤崎町16,49516,617122
2009.4.1.04209 to 041022804209多賀城市62,74562,717-28
04102仙台市宮城野区182,678182,70628
2010.3.110205 to 1121813910205太田市213,299213,160-139
11218+11405+11406+11407深谷市146,461146,600139
2007.12.114209 to 132091014209+14421+14422+14423+14424相模原市701,630701,620-10
13209町田市405,534405,54410
2006.4.124461 to 242035724461度会郡玉城町14,88814,831-57
24203+24462+24463+24468伊勢市134,973135,03057
2007.1.127208 to 2720217427208貝塚市90,31490,267-47
2007.8.127202 to 2720812727202岸和田市201,000201,04747
2006.6.127231 to 272149727231大阪狭山市58,20858,111-97
27214富田林市123,837123,93497

上九一色村については「市区町村の変更情報」として別項目で扱われ、「分村:梯・古関」が甲府市に編入、「分村:富士ケ峰・本栖・精進」が南都留郡富士河口湖町に編入と記載されておりました。

以上より、[81975]で入力した人口情報の内貝塚市・岸和田市については、相互の異動を考慮して計算する場合には再計算が必要となりますが、人口の異動の差だけで計算するか、相互の異動を考慮するかで平成12年以前の推計人口に最大で13人(昭和25年)の差が生じます。

なお[81968]
(政令指定都市や東京特別区部の区に関しては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』でのデータも不完全なので省略)
と書きましたが、よくよく見ると特別区部に関しては大正9年まで按分データが遡れていることに気付きました。1980年10月1日以降の特別区部内の人口の異動を伴う境域変更は、多分1982年11月5日付で境界未定地域(1980年に37人)が江東区4人(362,270→362,274)、港区33人(201,257→201,290)に分割されたくらいです。そうなってくると、1970年~1980年の特別区部内の境界未定地域の人口(1970年:38人、1975年:125人、1980年:37人)をどう扱うかさえコンセンサスが得られれば、特別区部に限り区の人口に分割することも可能となるでしょう。

政令指定都市では、京都市、大阪市、名古屋市、北九州市なども大正9年まで区のデータが揃っていますが、まあ他の政令都市は分割による区の増加などにより、区別の人口データが対応できていないようです。

【追記】上記1970年~1980年の東京特別区部内の境界未定地域の人口は、1980年10月1日現在の境界未定地域に関する人口のようです。実際の1970年国勢調査における境界未定地域の人口は763人、1975年国勢調査における境界未定地域の人口は332人です。1979年4月25日にこの332人分は全て品川区所属となりますが、1979年10月1日付で旧江東区の一部が新たに境界未定地域(125人: 335,382→335,257)となり、これが1980年国勢調査の37人分に相当する地域です。よって境界未定地域の人口を以下のように港区と江東区で分割すれば解決です。
昭45昭50昭55
境界未定地域(昭和55年10月1日境域)3812537
港区分3411133
江東区分4144
港区(昭和55年10月1日境域)223,978209,492201,257
江東区(昭和55年10月1日境域)355,835355,257362,270
港区(按分後)224,012209,603201,290
江東区(按分後)355,839355,271362,274

【貝塚市と岸和田市の人口推計については稿を改めます】
[81998] 2012年 10月 24日(水)18:34:39【2】YT さん
九州の人口変遷情報の訂正
以前[80480]で投稿した明治31年以降の北海道、九州、沖縄県の市町村別人口の変遷をまとめたエクセルファイルですが、最近になって4箇所(全体では13箇所)人口が間違っていることに気付きました。

何れ情報を追加するであろう次回の改訂で修正しますが、以下の人口が間違っておりました。

調査日時地域修正前修正後
1935年10月1日福岡県2,755,8942,755,804-90
1935年10月1日福岡県市部1,153,4891,153,399-90
1935年10月1日福岡県戸畑市67,89067,800-90
1930年10月1日熊本県1,354,0001,354,993-7
1930年10月1日熊本県市部164,467164,460-7
1930年10月1日熊本市164,467164,460-7
1955年10月1日大分県1,277,2991,277,199-100
1955年10月1日大分県市部611,206611,106-100
1955年10月1日大分県豊後高田市30,70830,608-100
1947年10月1日宮崎県1,025,6691,025,689+20
1947年10月1日宮崎県郡部788,162788,182+20
1947年10月1日宮崎県南那珂郡119,977119,997+20
1947年10月1日宮崎県南那珂郡大束村8,0398,059+20

わざわざこの手の打ち間違いに気付くように、全体の人口集計、市別・郡別集計、郡別集計と、多重のチェックをしていた筈なのですが、どういうわけか差の数字の90人、7人、100人、20人をことごとく見落としていたようです。【と書き込んだ直後に大分県の数字の書き込み間違いを見つけたので、再修正】
[81975] 2012年 10月 18日(木)14:22:21【2】YT さん
2010年10月1日の境域による1920、1935、1950、1965、1980、1995、2010年の市町村別人口
とりあえず、1920年10月1日の人口10万人以上、2010年10月1日の人口45万人以上の諸都市、県庁所在地に関し、平成22年10月1日の境域による15年毎の市町村別人口と90年間の人口増加率をまとめると以下の通りです。

どちらかというと昭和・平成の大合併の影響の方で見慣れない都市が上位に来ています。

市町村順位1920年1935年1950年1965年1980年1995年2010年人口増加率(%)
特別区部13,358,5305,896,0085,385,0718,893,0948,351,8937,967,6148,945,695166.4
大阪市21,786,6333,022,4462,015,3503,156,2222,648,1802,602,4212,665,31449.2
神戸市3746,5341,058,033820,9561,216,6141,367,3901,423,7921,544,200106.8
京都市4736,4621,117,4391,130,1851,374,1591,480,3771,470,9021,474,015100.1
名古屋市5677,4521,182,8371,157,2631,935,4302,087,9022,152,1842,263,894234.2
横浜市6579,448796,579951,1861,788,9072,773,6743,307,1363,688,773536.6
北九州市7433,325669,392736,8951,042,6881,065,0781,019,598976,846125.4
新潟市8332,572402,102538,330603,733730,733796,456811,901144.1
浜松市9321,570418,865494,296598,076698,982766,832800,866149.0
広島市10305,773423,907447,174696,845992,7361,117,1171,173,843283.9
岡山市11288,599341,972382,969459,532590,242663,346709,584145.9
長崎市12286,980313,591375,222484,111502,799487,063443,76654.6
熊本市13266,842328,592412,745502,458619,236708,097734,474175.2
静岡市14263,098367,950467,752634,247727,260738,674716,197172.2
呉市15249,063335,202292,769301,955302,766270,179239,973-3.6
福岡市16239,957372,500487,891769,1891,088,6151,284,8361,463,743510.0
長岡市17224,411247,490282,136281,266289,234293,250282,67426.0
鹿児島市18216,682276,340325,919415,439547,756594,430605,846179.6
長野市19212,194239,526300,769310,399358,173387,359381,51179.8
いわき市20210,550234,717340,260333,881342,074360,598342,24962.5
姫路市21209,050244,556325,329412,507494,825527,854536,270156.5
金沢市22206,125231,125283,863335,830417,684453,975462,361124.3
富山市23203,824235,562303,168339,446391,554417,595421,953107.0
福山市24196,152218,253264,994301,376425,675453,791461,357135.2
上越市25196,144205,680243,519227,312216,139212,060203,8994.0
下関市26192,840237,248280,949317,146325,478310,717280,94745.7
仙台市27190,015278,824380,224520,071792,059971,3241,045,986450.5
和歌山市28189,977252,119243,520328,657400,802393,885370,36495.0
高松市29186,964222,546269,160307,550386,547412,626419,429124.3
佐世保市30183,863277,747313,259302,431288,231279,551261,10142.0
函館市31182,776260,665286,084314,135345,165318,308279,12752.7
松山市32181,496207,683265,678332,343442,147497,203517,231185.0
倉敷市33174,424202,991266,949308,908432,171453,618475,513172.6
津市34173,515188,487219,241230,315265,443286,519285,74664.7
堺市35161,721245,016283,708483,846839,428840,384841,966420.6
久留米市36160,055199,502230,858248,968280,291302,741302,40288.9
福井市37158,025185,873197,085223,949259,638272,970266,79668.8
前橋市38155,830192,096233,007254,595311,121338,845340,291118.4
高崎市39155,465183,593239,909260,106323,403353,879371,302138.8
横須賀市40154,249227,791250,533317,411421,107432,193418,325171.2
岐阜市41153,208211,035250,899366,975420,231418,574413,136169.7
大分市42147,979174,557222,336258,444385,635446,581474,094220.4
札幌市43144,651264,326393,770821,2721,401,7571,757,0251,913,5451,222.9
今治市44143,218159,392198,109188,814197,818185,435166,53216.3
唐津市45142,516123,016175,651148,741142,224137,436126,926-10.9
佐賀市46141,873154,272198,243207,774236,029246,674237,50667.4
尾道市47140,140142,500184,653181,038180,901159,890145,2023.6
宇都宮市48139,761173,704235,461287,947408,908477,215511,739266.2
徳島市49139,609166,824177,363213,328249,343268,706264,54889.5
松本市50134,336156,749185,663196,934223,637239,539243,03780.9
高知市51133,181162,079190,254241,676318,266339,864343,393157.8
豊橋市52131,909169,726185,984238,672304,273352,982376,665185.5
鳥取市53130,026139,158168,429168,067184,601197,959197,44951.9
福島市54128,941157,832199,334221,864270,487292,696292,590126.9
鶴岡市55126,228141,679172,467159,562153,330149,509136,6238.2
飯塚市56126,186144,952193,989141,445135,852140,463131,4924.2
小樽市57124,723174,358186,445196,716180,728157,022131,9285.8
山口市58124,410132,507169,296162,219173,590193,172196,62858.0
秋田市59124,229153,698200,525240,306304,823331,597323,600160.5
さいたま市60122,505175,843319,188530,733879,5101,078,5451,222,434897.9
天草市61122,203123,407169,391142,346121,574107,82389,065-27.1
大牟田市62121,133147,028191,978193,875163,000145,085123,6382.1
山形市63116,797145,018180,579193,737237,041254,488254,244117.7
青森市64115,186163,885197,605247,081309,647314,794299,520160.0
出雲市65112,767122,957149,542138,784142,451146,214143,79627.5
宮崎市66112,462148,389205,574236,674329,762384,415400,583256.2
上田市67112,012117,536143,882138,013151,801164,204159,59742.5
一宮市68111,645156,400187,699281,855335,465353,999378,566239.1
松江市69111,402127,961150,434159,580183,284195,353194,25874.4
松阪市70111,049121,436147,054139,148153,185163,131168,01751.3
四日市市71110,805139,679177,803230,786266,756296,623307,766177.8
郡山市72109,004145,420195,798223,236286,451326,833338,712210.7
高岡市73108,189122,048155,260166,207186,900186,827176,06162.7
佐渡市74107,351109,351125,597102,92584,94274,94962,727-41.6
宇和島市75106,993123,605145,233122,042110,920100,77684,210-21.3
旭川市76106,468139,373184,242271,930352,619360,568347,095226.0
一関市77106,295121,932154,323145,783136,031133,138118,57811.6
薩摩川内市78106,147116,855150,937119,063102,143106,73799,589-6.2
横手市79105,580122,485145,532130,597120,479112,60098,367-6.8
都城市80104,733132,880172,668166,237172,655174,054169,60261.9
岩国市81103,610115,487149,965162,015163,692156,347143,85738.8
石巻市82102,953131,937177,015176,363186,094178,923160,82656.2
岡崎市83101,376130,614167,008203,806271,243332,136372,357267.3
那覇市84100,127111,344108,673257,190295,778301,890315,954215.6
弘前市85100,119123,467159,409169,865192,291194,197183,47383.3
甲府市9094,950129,537146,873178,808205,070206,799198,992109.6
千葉市10188,767120,777185,546339,974746,430856,878961,749983.5
水戸市10387,934115,164141,143177,061239,747261,275268,750205.6
奈良市10685,992103,070131,259168,406305,614368,039366,591326.3
大津市10785,759120,567144,626166,764228,982295,574337,634293.7
川崎市10884,995191,702319,229854,8741,040,8021,202,8201,425,5121,577.2
盛岡市11083,797116,018155,575207,016272,814300,723298,348256.0
八王子市12078,668106,000131,408207,655387,178503,363580,053637.3
尼崎市12178,261173,051278,973500,472523,650488,586453,748479.8
西宮市19660,391130,436168,610337,391410,329390,389482,640699.2
相模原市21358,10160,994106,821200,755494,220646,467717,5441,135.0
東大阪市21856,762142,076228,691443,081521,558517,232509,533797.7
川口市30944,00474,015118,761249,112379,360448,854500,5981,037.6
船橋市40934,04854,380100,134223,989479,439540,817609,0401,688.8
市川市44331,67662,553120,595207,988364,244440,555473,9191,396.1
松戸市59323,92233,61759,813160,001400,863461,503484,4571,925.2

【追記】オーナーグリグリ さんへ
データの方は先ほどメールで送りました。確認をお願いします。

【追記】[81976] 白桃さんへ
後の記事を受けての修正となってしまいましたが、直しました。
[81974] 2012年 10月 18日(木)13:45:11YT さん
人口の按分方法
[81971] オーナー グリグリさん
2005年(平成12年)2月18日の宮崎県佐土原町と新富町の境界変更(佐土原町へ25人異動)が抜けているようです。

完全に見落としていました。

[81972] 白桃 さん

狭山市の昭和55年人口は124,029人です。

人口按分の過程で間違いに気付き、あとでこっそり修正しようと思ってました(笑)。


人口の按分の計算仕方ですが、人口異動を伴う境界変更が実施された直前のT年の国勢調査において、A町の補正前人口A(T)の内ΔA(T)がB町に異動し、B町の補正前人口B(T)の内ΔB(T)がA町に異動したとすると、過去t年におけるA町の補正前人口A(t)と補正人口A'(t)、B町の補正前人口B(t)と補正人口B'(t)は、それぞれ以下のように表現できます。

A'(t) = A(t)*(A(T) - ΔA(T))/A(T) + B(t)*ΔB(T)/B(T)
B'(t) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(t)*(B(T) - ΔB(T))/B(T)

B町からA町への人口異動が無かった場合はΔB(T) = 0なので、

A'(t) = A(t)*(A(T) - ΔA(T))/A(T)
B'(t) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(t)

ただこの式も三ヶ所の地域を同時に巻き込んだ場合の人口異動には対応していないので、一言目には

「異動前の地域人口に占める異動した人口の割合が過去において一定であると仮定することで、過去の人口を推計する」

だけで充分かも知れません。そして四捨五入による丸め誤差を防ぐため

「人口異動毎に人口を過去に遡って補正し、合計人口が変わらないように小数点以下を処理する」

ということになると思います。
[81969] 2012年 10月 17日(水)20:51:27【1】YT さん
計算上の問題点
過去の人口を遡って修正するに当たり、2つ程問題がありましたので列挙します。ただ何れも人口数人レベルの誤差ですが、人口には小数点が許されないことが原因です。

(1) 人口異動が相互に行われた場合

西茨城郡友部町と東茨城郡内原町のケースではそれぞれの地域に異動する人口が37人と30人で、差引7人ですが、これを37人と30人分でそれぞれ分けて計算するか、差引7人だけで計算するかにより推計人口が若干変わります。

特に宇奈月町と朝日町のケースでは、それぞれ3人が異動することにより差引ゼロです。ところが統計局の手法で1920年の宇奈月町の推計人口を算出すると:

5162人(昭和55年境域における大正9年の宇奈月町の人口)×7650/7653(昭和55年の宇奈月町の人口の内、残った分)+
16386人(昭和55年境域における大正9年の朝日町の人口)×3/18631(昭和55年の朝日町の人口の内、異動した分)=5162.61

となり、1人ほど推計人口が増えてしまうという結果となります(朝日町は逆に1人減ります)。

(2) 丸め誤差による合計の不一致

二つの地域の間での人口異動であれば丸め誤差による合計の不一致が起こることはほとんどありませんが(端数が1/2、1/2になるという特殊ケースがある)、三つの地域の間での人口異動であれば、このような不一致が頻繁に起こります。例えば町田市、相模原市、大和市に関して按分処理を行うと、昭和5年の人口は

大和市:8064.71人
町田市:26631.63人
相模原市:60803.66人

となり、単純に四捨五入をすると合計の人口が1人多くなってしまいます。上のケースでは端数の一番少ない町田市の人口を切り捨てて26631人とすることで対処しました。

【追記】 後者に関しては、境界変更の度に算出される人口補正を毎回四捨五入することにより、多くのケースでほぼ問題なく対応できることに気づきました。そもそも基本となっている資料が『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』ですので、最初から四捨五入による数値の丸めが実施されているので、数値演算をまとめて実施する意味があまりありません。
[81968] 2012年 10月 17日(水)20:24:31【1】YT さん
平成22年10月1日の境域による各回国勢調査時の市町村別人口
ところで[81962]で言及しました『国勢調査時系列表<普及編成データ>全国ファイル(大正9年~平成12年)』ですが、CD-ROMは都道府県別の市区町村人口の時系列をまとめたエクセルファイルが48点入っておりました。添付の解説によると

 平成12年10月1日の境域による
 各回国勢調査時の市区町村別人口
 (大正9年~平成12年:1920年~2000年)

 この「平成12年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口」は、国勢調査による市区町村別人口の長期間の時系列比較を可能にするため、大正9年以降の各回国勢調査の市区町村別人口を平成12年10月1日現在の市区町村の境域に合わせて組替又は推計したものである。
 ただし、昭和55年国勢調査以降の廃置分合については、市区町村単位の合併についてのみ組替処理を行っており、一部編入・分割の場合は組替を行っていない。

なお、利用に当たっては、次の点について注意されたい。
(1) 昭和15年以前の北海道の人口
 戦前の国勢調査では、歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島のほか、その更に北方にある地域の人口についても把握されているが、この組替・推計の対象地域から除いているため、昭和15年以前の北海道の人口には、これらの地域の人口は含まれていない。ただし、戦前における歯舞群島については、旧歯舞村(現根室市)の人口に含まれていたが、当該群島の人口が区分できないため、ここでは根室市に含めている。
(2) 昭和15年及び22年の年齢3区分人口
 昭和15年及び22年については、市区町村別に年齢別人口の統計が作成されていないため、男女別人口についてのみ組替・推計を行っている。
(3) 大正9年及び14年の年齢3区分
 大正9年及び14年の年齢3区分は、「0~14歳」、「15~59歳」、「60歳以上」の3区分である。
(4) 市区町村の一部編入・分割の場合の処理
 ア 昭和55年国勢調査以前に行われた一部編入・分割等については、次の方法により推計した。
   他へ編入・分割された区域の人口
    =当該市区町村への編入・分割時点の国勢調査人口
     ×他へ編入・分割された区域の人口 1)
     ÷当該市区町村の全域人口 1)
     ここで、1)は編入・分割時点の直前の国勢調査人口
   なお、編入又は分割された区域に係る人口が、都道府県の業務資料等により把握されている場合は、それらの資料による人口により組み替えた。
 イ 昭和55年国勢調査以降(昭和55年10月2日以降)に行われた一部編入・分割等については、上記アによる推計は行っていない。
   なお、人口異動を伴う市区町村の境域変更については、「昭和55年国勢調査以後(昭和55年10月2日)~平成12年国勢調査時(平成12年10月1日)までに人口移動を伴う境界変更があった市区町村」のとおりである
(5) 政令指定都市の区
 新たに指定都市になったり、区の再編成等があった場合は、原則として組替・推計を行っていない。
(6) 東京都小笠原村
 昭和22年~40年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。
(7) 鹿児島県名瀬市及び大島郡
 昭和22年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。昭和25年については、琉球列島軍政本部が実施した1950年の国勢調査(昭和25年12月1日現在)による市町村別人口によっている。
(8) 鹿児島県鹿児島郡十島村
 昭和22年及び25年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。
(9) 沖縄県
 市町村の廃置分合に関する資料は、沖縄県業務資料によっており、人口に関する資料は、次に示す琉球列島軍政本部又は琉球政府が実施した各回の国勢調査の報告書によっている。
  1950年国勢調査 (昭和25年12月1日現在)
  1955年臨時国勢調査 (昭和30年12月1日現在)
  1960年国勢調査 (昭和35年12月1日現在)
  1965年臨時国勢調査 (昭和40年10月1日現在)
  昭和45年国勢調査 (昭和45年10月1日現在)
 昭和22年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。

つまり1980年までは『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』と同じで(但し1980年~2000年に統合した自治体は、統合後のデータしか慶されていないので、例えば秋川市のケースでは『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』のデータを引用する必要がある)、それ以降に関しては境界変更による人口異動の処理をまったくしていないことになります。今回ここで2010年10月1日の境域に関する各回国勢調査時の市町村別人口を、1980年から2010年分の変更に関して独自に計算し公開する分には、ファイルの内容を公開するに当たらず(2000年と2010年の間で自治体の数がほぼ半減している)問題ないと思われます。

現在細かい境域変更を無視しして2010年の自治体毎の過去の市町村別人口を算出する作業は終了しており(政令指定都市や東京特別区部の区に関しては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』でのデータも不完全なので省略)、残るは人口を過去に遡って按分する作業だけです。[81966][81967]の内18のケースでは2010年までに再統合が行われており、人口異動を考慮しなくて済むことになるようです。今非常に忙しいにも関わらず仕事をさぼってこんな作業をこっそりやってましたが、とりあえず今から仕事に復帰するにせよ、どんなに遅くとも今月末には1920年から2010年までの、2010年10月1日現在の境域における各国国勢調査時の市町村別人口を算出する作業は終わっているはずです。

以上、オーナーグリグリさんの意見をお願いします。
[81967] 2012年 10月 17日(水)19:56:25【2】YT さん
平成2年10月2日~平成17年10月1日までの人口異動を伴う境界変更
年月日異動地域異動人口コード市町村名平成2年人口組替人口異動人口
1990.11.505445 to 054421205445平鹿郡十文字町14,96514,953-12
05442平鹿郡平鹿町16,11916,13112
1991.1.109208 to 093631109208小山市142,262142,251-11
09363下都賀郡国分寺町14,41014,42111
1995.3.112210 to 124223212210茂原市83,43783,405-32
12422長生郡睦沢町7,9567,98832
1992.5.120206 to 20214120206諏訪市52,46452,463-1
20214茅野市50,06450,0651
1993.1.122201 to 222041122201静岡市472,196472,187-9
22204 to 22201222204清水市241,523241,5329
1993.1.122484 to 222111322484磐田郡豊田町25,61425,603-11
22211 to 22484222211磐田市83,52183,53211
1993.9.123212 to 23210923212安城市142,251142,242-9
23210刈谷市120,126120,1359
1992.2.2025205 to 254012425205八日市市40,81640,792-24
25401神崎郡永源寺町6,5536,57724
1995.3.137442 to 37425637442三豊郡山本町8,0688,062-6
37425三豊郡豊中町11,90511,9116

年月日異動地域異動人口コード市町村名平成7年人口組替人口異動人口
1996.9.111202 to 11403811202熊谷市156,429156,421-8
11403大里郡妻沼町28,73428,7428
1996.9.111464 to 11442511464北葛飾郡杉戸町45,05645,051-5
11442南埼玉郡宮代町35,71235,7175
1999.12.113209 to 14209313209町田市360,525360,522-3
14209相模原市570,597570,6003
1999.8.2720208 to 203431920208小諸市45,71145,692-19
20343小県郡東部町24,70924,72819
1996.1.139323 to 392045339323香美郡土佐山田町21,95121,898-53
39204南国市48,19248,24553
1997.2.2540217 to 4021627640217筑紫野市81,98881,712-276
40216小郡市50,61250,888276
1998.1.140218 to 401304140218春日市99,20699,165-41
40130福岡市1,284,7951,284,83641
1996.4.141305 to 413065241305佐賀郡大和町21,50721,455-52
41306佐賀郡富士町5,7345,78652
1996.2.147343 to 47210247343島尻郡東風平町15,93815,936-2
47210糸満市53,49653,4982

年月日異動地域異動人口コード市町村名平成12年人口組替人口異動人口
2003.1.111214 to 1122211411214+11468春日部市(+北葛飾郡庄和町)240,924240,815-109
2003.1.111222 to 11214511222越谷市308,307308,416109
2004.12.114209 to 132094214209相模原市605,561605,519-42
13209町田市377,494377,53642
2001.5.1420341 to 20343320341小県郡丸子町25,55325,550-3
20343+20326小県郡東部町(+北佐久郡北御牧村)30,94430,9473
2001.6.121423 to 21383721423+21424本巣郡穂積町(+巣南町)46,57146,564-7
21383安八郡安八町15,07815,0857
2000.12.2037424 to 37428437424三豊郡大野原町12,79912,7990
37428 to 37420437428三豊郡豊浜町9,0019,0010
2004.8.2340382 to 40215440382遠賀郡水巻町31,62331,619-4
40215中間市48,03248,0364

もしかしたら見落としがあるかも知れませんが、その場合は指摘をお願いします。

これらの情報を元に『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』とその後の国勢調査人口に対して按分処理をすることで、大正9年から平成22年までの国勢調査時の市町村別人口を推計できることになります。
[81966] 2012年 10月 17日(水)19:54:27【3】YT さん
昭和55年10月2日~平成2年10月1日までの人口異動を伴う境界変更
[81949] オーナー グリグリさん

[81954] にて
色々参考になり有難うございます。ただ折角の修正ですが、少なくとも町田市と相模原市に関しては、2000年~2005年の間にも2000年国勢調査時において42人の人口増減を伴う境域の変更が実施されており、ここに関しては更なる補正が必要かと思います。
と書きましたが、こちらの勘違いでした。申し訳ありません。

[81919]
昭和60年から平成12年については残念ながらデータ化されていないようです。

昭和60年から平成17年分については、確かに冊子の方の国勢調査報告書第1巻に境界変更情報が載っておりました。一方最新の平成22年分の国勢調査報告書第1巻の方は既に然るべき図書館に納められておりますが、統廃合の情報は載っているものの、残念ながら境界変更情報(都道府県の境界変更情報は残っている)が無くなっております。もしかしたら今後作成される他の冊子に収録されるのかも知れませんが。

以下冊子の方の内容を元に、昭和55年10月2日~平成17年10月1日までの人口異動を伴う境界変更の情報をまとめした。なお同じ政令都市内での人口異動に関しては無視しました。また境界変更による転入人口と転出人口が等しい場合でも、過去の組替人口算出のための按分のやり方によっては推計人口に±1人程度の影響が出るので載せました(平成17年10月2日以降に関しては、転出人口と転入人口が共に存在するケースを現時点では判別できない)。

年月日異動地域異動人口コード市町村名昭和55年人口組替人口異動人口
1984.6.105204 to 053221305204大館市72,47872,465-13
05322北秋田郡比内町13,99214,00513
1981.3.108443 to 0820316708443稲敷郡阿見町33,72033,553-167
08203土浦市112,517112,684167
1983.10.109363 to 09302409363下都賀郡国分寺町13,58413,580-4
09302河内郡南河内町11,49711,5014
1983.4.110324 to 102021710324群馬郡群馬町26,08826,071-17
10202高崎市221,429221,44617
1982.11.111219 to 1120521911219上尾市166,243166,024-219
11205大宮市354,084354,303219
1983.4.111225 to 1121587711225入間市104,034103,157-877
11215狭山市124,029124,916887
1984.5.112215 to 12361812215旭市35,72135,713-8
12361海上郡海上町9,5429,5508
1985.2.114213 to 13209614213大和市167,935167,929-6
13219町田市295,405295,4116
1982.9.113215 to 13218214215海老名市77,49877,496-2
14218綾瀬市65,07865,0802
1983.1.115201 to 152209515201新潟市457,785457,690-95
15220白根市33,09233,18795
1984.6.115443 to 154442915443北魚沼郡小出町13,01713,014-3
15444 to 154432615444北魚沼郡湯之谷村6,4206,4233
1985.4.115523 to 1550111415523東頸城郡松代町7,1147,000-114
15501刈羽郡高柳町4,2424,356114
1981.5.1116341 to 16343316341下新川郡宇奈月町7,6537,6530
16343 to 16341316343下新川郡朝日町18,63118,6310
1982.4.120215 to 2020219920215塩尻市52,71152,570-141
20202 to 202155820202松本市192,085192,226141
1981.3.121404 to 214011621404揖斐郡池田町20,67220,656-16
21401揖斐郡揖斐川町19,15419,17016
1983.2.128422 to 282012428422播磨郡夢前町17,17117,147-24
28201姫路市446,256446,28024
1982.1.133201 to 3342318233201岡山市545,765545,583-182
33423都窪郡早島町10,81610,998182
1983.6.134323 to 34211434323佐伯郡大野町19,96819,964-4
34211大竹市36,07536,0794
1982.10.140384 to 403814540384遠賀郡遠賀町14,18814,143-45
40381遠賀郡芦屋町18,93418,97945
1985.4.140483 to 40481640483浮羽郡浮羽町18,89018,884-6
40481浮羽郡吉井町17,87217,8786
1981.6.143210 to 434064043210菊池市28,46028,420-40
43406菊池郡泗水町9,9409,98040
1982.1.145303 to 452081245303宮崎郡佐土原町26,93226,920-12
45208西都市37,83637,84812
1985.5.2346482 to 46481546482肝属郡東串良町8,4408,435-5
46481肝属郡串良町13,82813,8335

年月日異動地域異動人口コード市町村名昭和60年人口組替人口異動人口
1989.4.106365 to 06363706365最上郡大蔵村5,2035,196-7
06363最上郡舟形町7,9207,9277
1987.3.107543 to 07545707543双葉郡富岡町15,89515,888-7
07545双葉郡大熊町9,9889,9957
1985.12.108321 to 083053708321西茨城郡友部町28,51328,506-7
08305 to 083213008305東茨城郡内原町14,67714,6847
1988.6.109208 to 093662509208小山市134,242134,217-25
09366下都賀郡藤岡町20,41320,43825
1989.5.111219 to 11231611219上尾市178,587178,581-6
11231桶川市61,49961,5056
1989.5.2013226 to 132187613226秋川市45,73545,659-76
13218福生市51,47851,55476
1990.4.115308 to 153092515308北蒲原郡加治川村7,5557,530-25
15309新発田市8,2738,29825
1989.4.115541 to 1520517815541中頸城郡柿崎町13,47213,294-178
15205柏崎市86,02086,198178
1987.3.116422 to 162021616422西礪波郡西福岡町12,22612,210-16
16202高岡市175,780175,79616
1986.2.121303 to 21209221303羽島郡笠松町22,74622,744-2
21209羽島市59,76059,7622
1988.6.122505 to 222021322505浜名郡雄踏町14,00413,991-13
22202浜松市514,118514,13113
1986.4.123361 to 23217823361丹羽郡大口町17,24717,239-8
23217江南市92,04992,0578
1989.5.127219 to 27201827219和泉市137,641137,633-8
27201堺市818,271818,2798
1989.9.135202 to 3520912635202宇部市174,855174,729-126
35209小野田市46,36446,490126
[81962] 2012年 10月 16日(火)17:41:22YT さん
国勢調査時系列表<普及編成データ>全国ファイル(大正9年~平成12年)
ハンブルガーさん 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

ドイツに度々出張していらしたようですが、私も子供の頃にドイツに一年間暮らし、また私の兄なども現在進行形でドイツへ出張する仕事についており、ドイツに関するネタについて話せなかったことは残念です。

[81925] 白桃 さん
[81920] オーナーグリグリ さん

[81927][81954]で言及しました『国勢調査時系列表<普及編成データ>全国ファイル(大正9年~平成12年)』の方を入手しました。統計情報研究開発センターの方にファックスで注文すると、請求書等と一緒に送られてきました。中身はエクセルファイルの入ったCD-ROMと、簡単な解説冊子4頁です。これについては後ほど詳しく書きます。
[81954] 2012年 10月 14日(日)22:58:25【1】YT さん
町田市と相模原市の境域の変更について
[81949] オーナー グリグリさん

・国勢調査人口比較における人口異動を伴う組替え要因と人口組替

このページに、今回追加した2000年の自治体境域における境界変更による人口異動の補正についても詳述しました。というのも、2010年国勢調査データにある旧市町村人口は、2005年以降の境界変更が反映されてしまっており、それを戻す必要が有りました。具体的に言えば、例えば、2007年(平成19年)9月1日の青森県青森市と藤崎町との境界変更により、2005年国勢調査人口は青森市から藤崎町に122人異動しています。ところが、2010年調査データの2000年時点での旧市町村の2005年人口ではこの異動分を戻す必要があるにも関わらず、122人分は異動したままになっています。このため、独自に2005年人口に対して、境界変更による人口異動分を旧市町村に戻すようにしました。

色々参考になり有難うございます。ただ折角の修正ですが、少なくとも町田市と相模原市に関しては、2000年~2005年の間にも2000年国勢調査時において42人の人口増減を伴う境域の変更が実施されており、ここに関しては更なる補正が必要かと思います。

地域名平成22年国勢調査人口平成22年境域による平成17年組替人口平成17年国勢調査人口組替による人口増減
町田市426,987405,544405,534+10
相模原市717,544701,620701,630-10

※相模原市の平成17年の国勢調査人口701,630は、相模原市628,698、城山町23,067、津久井町28,695、相模湖町10,347、藤野町10,823の合計


地域名平成17年国勢調査人口平成17年境域による平成12年組替人口平成12年国勢調査人口組替による人口増減
町田市405,534377,536377,494+42
相模原市628,698605,519605,561-42

ところで[81927]で調べた『国勢調査時系列表(大正9年~平成12年)』ですが、国内で所有している図書館は一か所のみで、図書館間での図書借用システムを使って閲覧しようとしましたが、貸出の謝絶を受けました。よって実際に購入して中身を確認しないといけない手はずとなりました。

ただ仮に本冊子の中身が期待したものだったとしても、―(1)全国の主要な図書館でほとんど閲覧できず、実際に購入しないと数字を閲覧できない、(2)中身がそのものの数字である可能性が高い―となってしまうと、流石にこのデータをほとんど加工しないまま本サイトで公開するというのは著作権的にも問題になる可能性があります。

昭和55年以前であれば、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』という、全国72箇所の図書館に納入されている本が御座いますので、これを引用元としても使うデータはその一部だけですし、それ以降の変遷に関して調査し、過去にさかのぼって推計人口を計算すれば、それはそれでこのサイト独自に研究した数字ということになって問題点はクリアできるとは思いますが。
[81927] 2012年 10月 8日(月)18:13:20【2】YT さん
国勢調査時系列表
[81925] 白桃さん

標記の書物については、平成17年国勢調査が終了して3年後ぐらい、ですから今から4年前ぐらいに霞が関の政府刊行物センターで見かけました。本の後ろにCDが付いていたような気もします。国勢調査ごとに毎回出ているものではないはずです。

調べたところ、統計情報研究開発センターが出版している『国勢調査時系列表(大正9年~平成12年)』 (2005年10月出版)が該当しそうです。内容は

大正9年の第1回国勢調査から平成12年の第17回調査までの全国都道府県市区町村別人口を平成12年国勢調査時の市区町村の境域による人口(組替人口)として収録

とあり、全国ファイル2100円、都道府県ファイル3万9900円となっています。これって全国ファイルの方だけを買えばいいのでしょうかね?4万円の方は躊躇しますが、2100円の方はいずれ注文してみたいと思います。

【リンク修正】
[81923] 2012年 10月 8日(月)15:54:45【1】YT さん
現在の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口
[81914] 白桃 さん

はい、公開されております。と言うか、2005年国勢調査時の境域に組み替えた各国勢調査時点での自治体人口を記載した本があります。(3万円ぐらいする本でして、それを買うためにお小遣いをもらって、政府刊行物ナントカセンターに向かったのですが、どういうわけかエチルアルコールに代わってしまいました:マル秘)

自分が把握している報告書は、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』だけなのですが、これは最近でも毎回出ているものなのですか?

実は上の本を使ってOCRソフト経由で昭和55年以前の人口をまとめ、平成22年の国勢調査時の境域に組み替えた市区町村別人口を算出しようと数か月前に計画をたてたのですが、肝心のOCRソフトがエラー吐きまくりで、挫折しているところです。OCRソフトはワープロ組が当たり前となった最近の本であれば日本語フォントの再現も良いようですが、比較的最近の活版印刷であっても今いち反応が悪いようです。せめて数字だけでも正しく読み込んでくれたら楽なのですが・・・戦前のフォントに対してはほぼ無力なのは言うまでもありません。

9月後半になったら多少仕事が楽になると思っていたら、ここ最近は大量の仕事が舞い込んでおり、人口をまとめる作業に時間を割くことができない状況となっています。近代デジタルライブラリーなどで過去の統計表も公開されるようになっていますが、印刷の質の悪さと一部解像度の悪さもあって、例えば「8」と「3」、「5」と「6」などが同じに見えることもあり、結局個々の男女別人口をチェックしないと駄目だったりするケースが多いのがネックです。『日本帝国人口静態統計』などは、かえって縮小印刷版の方が読み易かったりします。
[81883] 2012年 9月 24日(月)03:19:58【5】YT さん
『日本帝国文部省年報』の都邑人口は途中から現住人口ベース?
[81882] 千本桜 さん

まずデータの出所は『日本帝国文部省年報. 第10(明治15年)』「根室県年表」の都邑学事統計と『日本帝国文部省年報. 第11(明治16年)』「根室県年表」の都邑学事統計です。この時代は府県の領域が揺れ動いていたため、[81875][81876]では旧国名で揃えています。また「人口及学齢就学児童増減比較表」によると、

本県管内人民ハ概シテ海産ニ依テ以テ其生計ヲ立ルモノナリ。故ニ一旦商業上景気ヲ失スルカ或ハ海産ノ不良ニ会スル時ハ惣チ四方ニ流離移転スルノ徒モ亦少シトセズ。本年ノ如キモ薄漁ノ積衰ト商業ノ不振トニ因リ昨十五年ニ比スレバ人口(北見千島両国ヲ除ク)男一千百五十二人女二百六十五人ヲ減少ス。

旧国人口明治15年度明治16年度
釧路国3,3222,118
釧路国2,1531,529
釧路国合計5,4753,647
根室国3,5233,575
根室国2,1982,557
根室国合計5,7216,132
総計6,8455,693
総計4,3514,086
総計合計11,1969,779

と、釧路国の人口は3600人~5500人で、かなり人口に変動があったことを記録しています。

これに対し内務省の『日本全国民籍戸口表. 明治15年調』、『日本全国民籍戸口表. 明治16年調』、『日本全国民籍戸口表. 明治17年調』によると明治15年1月1日調の釧路国の本籍人口は2616人、根室国の本籍人口は1092人、明治16年1月1日調の釧路国の本籍人口は2729人、根室国の本籍人口は1531人、明治17年1月1日調の釧路国の本籍人口は2821人、根室国の本籍人口は1472人です。また明治12年度の『日本帝国文部省年報』における人口の比較から、『共武政表』と同様に文部省の人口統計は、明治15年度は明治16年1月1日調、明治16年度は明治17年1月1日調の統計を採用していると推測されます。そこで1年年次をずらして文部省の人口統計と内務省の本籍人口統計を比較すると、それでも釧路国で文部省調査人口は本籍人口の1.3倍~2.0倍、根室国で文部省調査人口は本籍人口の3.9倍~4.2倍と、大分数字が異なります。このことより文部省の人口統計はおそらく「本籍人口」ではなく、「現住人口」で算出しているものと推測されます。明治13年以降の内務省による釧路国の本籍人口統計は以下の通りです(明治13年1月1日調の釧路国各郡の本籍戸数は不詳)。

M13年人口M14年戸口M14年人口M15年戸口M15年人口M16年戸口M16年人口M17年戸口M17年人口
厚岸郡532154581263585334702383699
釧路郡1,1212951,1763631,1953551,1383631,235
白糠郡38495384107399111431104431
川上郡24158242532385824758246
阿寒郡7918821882158225129
足寄郡1162711726117261291581
網尻郡9800
釧路国2,5716472,5828302,6168992,7299482,821

一方同じ内務省地理局の『地方行政区画便覧』は、戸口に関しては「明治17年1月現在」の戸口・人口を原則して載せているはずなのですが、釧路国1101戸6064人という人口は内務省調査の本籍人口の2.1倍となっており、地域別人口も異なります。明治18年以降の人口を採用している可能性もありますが、それでも内務省調査の本籍人口の1.4倍~1.7倍となっており(釧路国の明治18年1月1日調本籍人口は1101戸4270人と急増、明治19年1月1日調本籍人口は3629人と本籍人口641人の減少)、数字的には明治19年1月1日調の釧路国現住人口7715人(本籍人口の2.13倍)にむしろ近く、『地方行政区画便覧』も北海道のケースでは明治17年前後の現住人口を採用しているのかも知れません。

戸長役場ノ所在地町数村数戸数口数
厚岸郡湾月町472691,400
厚岸郡浜中村152351,437
釧路郡昆布村386472
釧路郡真砂町233281,820
阿寒郡(同上)41180
川上郡熊牛村555265
白糠郡白樺村398464
足寄郡(同上)419126
合計7341,1016,064

文部省統計における明治15年度の釧路国5475人中に占める浜中1227人、あるいは明治16年度の釧路国3647人に占める浜中891人という人口比率を、『地方行政区画便覧』の人口6064人に対して乗じると、大体1359人~1481人に相当します。これは『地方行政区画便覧』記載の浜中村外五箇町村連合の人口1437人とほぼ等しい数字です。

以上から『日本帝国文部省年報』では、浜中村に戸長役場を置く1町5村全体をそのまま浜中の都邑人口として扱ってしまったと推測できます。もちろん浜中村外五箇町村連合を構成する浜中村、霧多布村、琵琶瀬村、後静村、散布村、榊町のいずれかに、人口の大部分が集中していた可能性もありますが。

【追記】『共武政表.明治十二年』『共武政表.明治十三年』によると(明治13年1月1日調の釧路国、厚岸郡の総戸数は不詳):

輻輳地M13年始戸数M13年始人口M14年始戸数M14年始人口
奔渡村30125
湾月町2313254157
榊町2010163137
厚岸郡509106562
釧路国2,49757112,662

厚岸郡の明治14年1月1日調本籍人口106戸562人(釧路国全体では571戸2662人と、内務省の647戸2582人より若干少ない)の内、54戸157人が湾月町、63戸137人が榊町に暮らしていることになっています。人口はともかくとして、戸数は両者を足すと119戸となり、厚岸郡の総本籍戸数を上回るという奇妙な現象が見られます。これは世帯数に相当する戸数と、家の数を混用しているためかも知れません。内務省の数字である明治14年1月1日調の厚岸郡154戸581人を正しい数字と考えるなら、戸数的には明治14年年始の時点で厚岸郡の本籍戸数の1/3を榊町が占めていたことになります。明治15年度の文部省の人口統計が明治16年1月1日調現住人口(当時の北海道では本籍人口の数倍になることもあり、また厚岸郡の本籍人口は明治15年1月1日調263戸585人から明治16年1月1日調334戸702人に急増している)である可能性が高いこと、漁師の越冬地における現住人口の増減では数百人レベルで変化するのは当たり前、また明治12年から明治17年までは榊町に戸長役場が置かれていたことを考慮すると、仮に「浜中」という町場が存在したのなら、それは榊町のことということになります。

【細かい数字等を修正】
[81876] 2012年 9月 22日(土)18:33:10【1】YT さん
『日本帝国文部省年報』による明治10年~18年の都邑人口 (2)
旧国都邑明治10年明治11年明治12年明治13年明治14年明治15年明治16年明治17年明治18年
羽前米沢27,54429,35427,74128,05230,91430,40931,37433,16833,090
羽前山形24,14224,52521,58022,57123,37923,53323,88536,78523,803
羽前鶴岡25,06425,11424,82724,55622,08921,93321,82621,82621,049
羽後酒田18,83310,88517,43718,23218,23318,24718,36919,82719,827
羽後横手10,74910,69110,733
羽後秋田36,05433,32633,34630,44631,93132,20032,79830,28731,469
羽後土崎10,80510,75610,87910,64010,94111,08410,52610,694
羽後能代10,31910,02410,41610,05810,33910,32310,612
若狭小浜15,47915,52415,47215,28017,36914,84515,30115,19014,931
若狭高浜2,9912,9933,1683,3033,2403,335
越前敦賀12,65212,64112,84015,43216,03115,11815,33915,25715,706
越前武生11,11612,30711,56611,80611,26712,17012,52912,63913,023
越前鯖江4,7914,8094,7414,7234,7044,855
越前福井40,86341,56041,42141,31139,76841,59242,40043,61842,136
越前丸岡3,8573,772
越前坂井9,7269,99611,0679,4929,0969,8099,624
越前大野9,4599,4809,4599,6299,6319,6529,964
越前勝山6,8556,8746,8736,8606,8576,8936,894
加賀大聖寺9,84810,0669,9919,96810,03610,01110,05410,08710,038
加賀小松10,42110,54710,56110,69410,92511,13511,52711,51612,370
加賀金沢108,263106,897107,979108,956107,624108,546109,641107,005104,577
加賀美川5,3795,4585,3386,266
加賀松任4,9665,0394,7485,273
加賀金石9,7289,7949,7399,7769,87710,05810,02010,018
能登七尾8,4118,5718,4768,6188,7088,7978,999
能登輪島9,5299,4549,2439,95910,1189,6929,944
越中富山46,47347,96247,60848,63549,22144,25346,16648,17353,123
越中魚津10,79110,87210,64811,04310,61010,91011,02811,29211,112
越中泊町6,2144,8363,7764,916
越中滑川6,0775,0726,9354,987
越中今石動9,3179,4949,4475,038
越中井波5,4805,5975,5714,990
越中城端4,4764,4634,5584,638
越中福光4,4493,9733,8113,350
越中福野5,2605,4745,5502,038
越中高岡24,69425,22125,22426,37926,20620,85427,18123,20523,782
越中新湊19,36020,27919,48419,44618,50219,78919,86718,65421,599
越中氷見9,2468,8448,8838,713
越中東岩瀬6,6734,4975,7415,976
越後村上10,83611,21611,61511,868
越後新潟33,83237,35237,39437,07637,27237,29538,23138,68240,038
越後三条14,87315,87816,73310,64210,66818,35524,84418,90515,021
越後新発田18,06218,12917,66310,94518,44318,40517,05716,70018,000
越後長岡20,02916,14416,56020,74022,08822,07521,72221,91930,740
越後柏崎10,74411,15711,8149,08112,17311,75211,69911,69411,009
越後高田25,65124,74124,30724,41523,69323,38924,50924,26824,795
佐渡相川16,97913,03012,61912,59312,21712,54211,97812,32912,516
丹波亀岡7,2446,9366,5507,2237,0107,0577,121
丹波園部6,1566,1936,1756,6025,7124,1594,921
丹波福知山5,1494,9385,3175,3865,3665,3704,996
丹後舞鶴7,3837,4217,3307,3389,5499,4739,528
丹後宮津11,13311,06411,07211,37811,24011,43611,22111,657
因幡鳥取39,59338,54936,69735,46336,38035,49134,75934,99933,796
伯耆米子11,06810,65910,78711,41911,17611,61711,34411,44912,010
伯耆倉吉6,7836,7866,879
出雲松江38,38237,93337,48937,31437,03236,51938,60734,07228,291
播磨明石18,32716,76618,60818,51818,48020,19719,99418,50513,118
播磨姫路25,92427,44323,15824,95324,96029,32129,19923,01522,960
美作津山14,50015,20214,05714,56714,72414,75814,94114,88514,929
備前岡山32,95332,77134,56934,27034,67433,24431,97735,38733,424
備中笠岡6,9647,0537,234
備中倉敷7,3767,7897,593
備中高梁5,7285,6225,684
備後福山17,72117,64817,23717,02216,98817,09416,87416,08616,133
備後尾道16,29016,31216,04816,71516,34917,20216,24517,40117,127
安芸広島75,76078,00676,99075,98678,10473,45175,79973,73379,333
周防山口10,08510,77711,03010,84010,82410,99311,17512,09812,489
周防三田尻6,5668,0765,8585,3316,3806,9166,626
周防宮市6,3147,6235,0332,5343,3383,3703,131
周防徳山11,66811,73411,75811,79711,90012,05911,79311,82711,962
周防岩国11,29511,36611,52111,54511,55612,19312,18912,03611,331
長門30,50830,83841,88640,32543,09942,46443,63442,77141,135
長門下ノ関/赤間関19,53220,74320,22223,52823,79224,07327,47525,30425,463
長門豊浦6,1545,9885,9705,8916,3756,6256,644
紀伊和歌山62,19762,92260,49157,68257,24556,45156,88755,73454,511
紀伊田辺7,1007,16911,30811,26610,34810,33510,21311,39311,302
紀伊新宮6,8138,8879,1989,3649,1889,3749,592
紀伊木ノ本3,022
紀伊尾鷲4,943
阿波撫養10,04311,56510,65411,06529,56930,173
阿波徳島57,00349,47155,48962,01258,51857,50258,16666,12662,859
讃岐高松47,88348,17833,12933,15932,76439,76245,97045,46145,242
讃岐丸亀13,18312,14012,14112,96513,07012,98712,97615,28115,342
讃岐観音寺11,22911,147
伊予西条4,5584,5043,9384,125
伊予今治6,69212,93312,81413,44613,34013,91314,45812,48513,041
伊予松山28,29428,30627,93727,94927,82528,41629,13329,74030,075
伊予大洲3,6793,4547,1207,0436,9905,9496,282
伊予宇和島11,61612,63412,34612,23312,43412,33012,40412,42812,332
伊予吉田5,3045,3176,2984,5795,0396,0245,114
土佐高知27,01228,99637,11741,62642,42340,87842,08539,94744,207
筑前福岡22,34723,83121,74621,89022,08221,75021,07323,03220,534
筑前博多20,34021,65024,15424,38324,35824,20624,00424,07726,491
筑後久留米15,42015,48725,85225,64222,47622,25622,01622,28022,878
筑後柳川19,79119,95718,37418,43918,53317,39518,39718,29618,413
豊前小倉15,76515,7949,6019,80410,227
豊前今津11,676
豊前中津23,00012,25512,33112,25912,61212,95811,52314,85315,638
豊前宇佐1,6421,645
豊前長洲5,0745,075
豊後高田6,7465,1385,0535,062
豊後竹田5,9926,7629,0529,307
豊後杵筑6,5016,6456,3265,979
豊後日出3,9923,9844,057
豊後別府6,2506,1386,346
豊後大分7,58317,36811,32011,93513,57911,68614,44614,47814,412
豊後鶴崎5,2795,3685,485
豊後3,1092,2462,250
豊後日田/豆田8,2094,1424,0244,224
豊後1,9184,5414,659
豊後佐賀ノ関5,0565,0405,186
豊後臼杵10,12011,76311,60411,70211,94011,82012,32312,21912,212
豊後佐伯6,0275,7545,724
肥前佐賀29,51223,83725,74623,28524,07724,07721,72024,05724,688
肥前長崎46,66132,81532,87638,75639,56632,79233,07357,88547,790
肥後熊本44,77939,78043,96543,83645,89442,26142,21742,55242,511
肥後山鹿5,3204,7114,8635,2515,177
肥後八代9,4009,4939,5739,5229,504
日向延岡6,4106,0186,241
日向高鍋2,7933,8044,299
日向都城8,0617,4438,465
日向宮崎4,2364,2784,661
日向佐土原3,135
日向飫肥4,7364,6194,704
薩摩鹿児島53,94755,07155,45554,31654,47154,48254,72954,579
薩摩川内3,9533,025
琉球首里22,96024,92224,71224,49624,40924,60824,619
琉球那覇14,70613,35824,77224,28124,54838,16827,885
琉球久米村4,8836,038
琉球泊村4,3344,268
渡島函館37,75641,47143,14244,269
渡島福山13,60510,87911,94910,379
渡島江差13,43714,15114,88115,365
後志小樽11,000
石狩札幌13,08111,67815,256
釧路釧路2,4141,596
釧路厚岸1,2941,099
釧路浜中1,227891
根室根室4,6384,222
人口1万以上都邑合計3,563,7763,785,5203,871,2053,951,6994,009,0254,098,4524,286,4284,440,4274,545,793
都邑合計(非文献値)4,195,7874,585,1684,702,8374,739,4774,529,3874,641,1524,826,7004,440,4274,545,793

なお「府県学事年報要略」内の「都邑学事統計表」掲載の人口と「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口が一致しない場合がありましたが、以下の数字を採用しました。

明治11年の名古屋の人口は「人口一萬以上都邑学事統計表」の11万1433人ではなく、「府県学事年報要略」内の11万1430人を採用。理由はこの修正により、「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口合計と一致するため。

明治13年の足利の人口は「府県学事年報要略」内の1万1150人ではなく「人口一萬以上都邑学事統計表」の1万1077人を採用。
明治13年の宮津の人口は「人口一萬以上都邑学事統計表」の1万1373人ではなく「府県学事年報要略」内の1万1378人を採用。
明治13年の足利の人口は「府県学事年報要略」内の3万2159人ではなく「人口一萬以上都邑学事統計表」の3万3159人を採用。
理由はこれらの修正により、「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口合計と一致するため。

明治17年の彦根の人口は「府県学事年報要略」内の2万6834人ではなく「人口一萬以上都邑学事統計表」の2万7833人を採用。
明治17年の米沢の人口は「人口一萬以上都邑学事統計表」の3万3159人ではなく「府県学事年報要略」内の3万2159人を採用。
理由はこれらの修正により、「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口合計と一致するため。

文部省の都邑人口データは明治10年代の都市人口の情報を補うものではあるものの、内務省が提供する戸籍人口や陸軍の共武政表とは異なるため、どう評価していいのか判断に苦しみます。
[81875] 2012年 9月 22日(土)18:29:03【1】YT さん
『日本帝国文部省年報』による明治10年~18年の都邑人口 (1)
『日本帝国文部省年報』による明治10年~18年の都邑人口

[81192]でも述べましたが、以前[68674][68675]で、文部省調による明治12年と明治13年の「人口壱萬人以上ノ都邑」の人口を紹介しましたが、これの元データが『日本帝国文部省年報』の「人口壱万以上都邑学事統計表」であることが判りました。『日本帝国文部省年報』では、明治10年から明治18年まで、人口1万人以上の都邑の人口(「人口一萬以上都邑学事統計表」)と、明治10年から明治16年までの各府県の主だった都邑の人口(「府県学事年報要略」内の「都邑学事統計表」)がまとめてあり、量も多くはないので以下紹介します。

ただこの表で使われている人口は、共武政表や日本民籍戸口表の人口、あるいは明治17年1月1日調の『都府名邑戸口表』の本籍・現住人口と一致せず、色々問題のあるデータです。辛うじて明治11年の人口が、明治11年度の『共武政表』記載の明治12年1月1日調本籍人口と一致するようですが。

旧国都邑明治10年明治11年明治12年明治13年明治14年明治15年明治16年明治17年明治18年
山城京都229,810232,683231,308237,521239,425243,502248,468252,130246,238
山城伏見21,54422,01120,69620,51520,69720,84620,63920,45421,370
山城6,2226,1903,6613,5723,4403,3673,363
大和奈良22,74622,46522,69522,58223,03723,15922,58822,90922,734
大和郡山14,35114,57914,45314,44114,14513,74113,19912,22213,629
和泉40,59640,47040,84241,36743,25948,88749,09347,78946,315
和泉岸和田12,76512,765
摂津大坂284,105291,565287,984291,086293,686298,554309,180310,544324,706
摂津天王寺4,7344,89810,71112,86612,211
摂津難波15,12817,438
摂津平野6,9716,9606,877
摂津住吉5,9676,2806,383
摂津高槻4,0425,0392,831
摂津池田5,1095,1395,111
摂津尼ヶ崎14,19312,84714,10214,36014,17912,35713,88013,87413,704
摂津西宮11,17411,08811,11911,74110,64912,20211,09110,41810,592
摂津神戸11,03116,04713,29519,24820,57915,27816,07217,52418,583
摂津兵庫30,40831,63836,89639,62736,58727,21238,33040,57742,766
伊賀上野12,57613,40012,69812,58412,26612,52812,50712,47312,524
伊賀名張3,7653,8053,9143,9314,0734,1644,382
伊勢桑名15,20214,79014,87514,95715,19315,43715,42515,37713,149
伊勢長島6,8846,9496,7506,7263,4573,4353,424
伊勢神戸5,8183,6303,5782,8562,9272,9632,896
伊勢四日市11,25011,0417,9688,3728,6218,3048,48410,01010,423
伊勢菰野1,9121,9223,9514,0413,7084,1904,262
伊勢亀山6,2646,3936,4066,0676,6575,6974,650
伊勢白子3,8683,5644,1142,3682,4332,4212,328
伊勢一身田1,7571,8101,8161,9611,9381,8931,945
伊勢21,98122,31622,57624,98225,52625,35726,17923,71724,346
伊勢久居3,8593,7873,8113,8093,8063,8893,884
伊勢松坂9,96210,1749,39710,29210,27010,38711,78110,44710,951
伊勢山田18,43119,39219,89519,16919,37220,28620,89320,91620,467
伊勢宇治3,8274,4144,3175,2564,8814,4154,402
志摩鳥羽4,7804,7804,6724,6704,4894,3544,361
尾張名古屋135,715114,130112,427117,705118,450123,090124,461122,298124,542
尾張熱田15,35416,28016,76616,34616,78216,95617,46017,920
尾張亀崎5,0285,0975,0535,113
尾張稲置6,0446,3046,2946,362
尾張一宮7,7638,4589,1228,999
三河岡崎14,52415,10214,24914,94114,95415,27315,39715,71616,124
三河豊橋11,10510,79811,51511,36911,35811,73112,64612,31812,802
遠江浜松9,6598,34910,98010,60010,41212,47412,00612,00411,540
遠江掛川6,4546,4544,372
駿河静岡33,00032,02832,21232,43538,03837,79039,74734,38735,767
駿河沼津12,12512,0098,7878,97311,4318,7509,061
甲斐谷村3,2393,3633,3693,699
甲斐上野原村2,4852,5552,5672,639
甲斐甲府11,98415,01512,44915,31015,77716,19115,99417,42418,914
甲斐勝沼村2,5692,6431,1782,775
甲斐市川大門村4,3924,5614,6814,752
甲斐鰍沢村3,8183,8084,0414,068
甲斐河原部村2,5952,6101,8062,575
伊豆韮山1,4831,7831,7902,1342,1543,7292,198
相模小田原13,49513,57413,36313,69513,78614,01814,45014,61114,503
相模藤沢6,0775,9866,2314,588
相模横須賀5,3395,5755,6885,227
相模浦賀5,9575,8516,0125,894
武蔵八王子10,5528,94514,53912,87812,33812,38114,18112,06117,267
武蔵東京594,283772,230799,237839,761823,557849,231923,959937,217982,043
武蔵千住12,1809,06911,45311,65014,18914,09914,12814,28715,454
武蔵品川11,49213,29613,12212,83713,07413,01213,89913,44814,720
武蔵幸手4,4454,5104,5644,5644,693
武蔵粕壁4,7875,2495,2755,1305,373
武蔵岩槻4,1764,1764,2424,3974,416
武蔵川越13,43313,60512,32014,55114,37612,27012,56812,37313,207
武蔵熊谷4,9285,0896,9505,1807,2747,342
武蔵本庄4,7224,9464,8235,6245,442
武蔵神奈川8,2119,2019,42411,38112,44411,92112,03011,47311,463
武蔵横浜64,31350,88964,88262,22763,04863,61359,19658,91691,146
下総船橋10,672
下総佐倉5,6344,9385,4715,9615,3315,3505,055
下総佐原7,8767,8618,2068,1777,9927,8487,838
下総銚子25,13725,66926,09826,55626,87826,77727,23428,01526,770
常陸水戸17,89217,46817,24417,66717,36317,88219,03819,09418,963
近江大津19,61320,02220,71220,86618,25118,16020,10520,44519,755
近江大津19,61320,02220,71220,86618,25118,16020,10520,44519,755
近江水口4,7754,8574,9904,9405,1885,2355,287
近江八幡6,2596,3366,5316,6076,6136,6566,736
近江日野5,3866,5175,6974,9245,6935,8015,836
近江西大路2,2972,3362,3041,6942,3582,3482,379
近江彦根27,78628,18727,19127,30427,14426,80826,83326,58723,650
近江高宮4,1124,1604,2284,2884,3824,3924,471
近江長浜6,1316,3376,3476,3736,4146,5026,381
美濃高須3,4363,4123,2273,3163,3713,018
美濃島田3,8603,8653,8833,8973,9134,030
美濃三輪2,8722,8682,9152,9423,0233,061
美濃大垣10,31010,37810,40010,45210,08510,48010,43410,22215,649
美濃今尾3,8083,8383,2073,0252,7033,077
美濃竹ヶ鼻4,6514,9424,9895,2755,4355,379
美濃笠松5,0524,9144,9834,9834,9525,012
美濃岐阜12,46712,63812,90913,71613,29613,74413,87817,99314,687
美濃加納5,0465,3325,2375,4025,4037,979
美濃北方2,7762,8352,8102,8382,9222,898
美濃高富1,5581,6861,7271,7321,6781,787
美濃4,3664,4264,4744,4894,5334,610
美濃上有知3,9444,0514,0193,6513,7043,983
美濃八幡3,0106,1246,0366,0375,9945,990
美濃細目4,7334,3914,4474,4994,6584,719
美濃御嵩3,3863,4293,5023,5921,7671,809
美濃多治見2,3172,2782,4482,5832,6973,126
美濃岩村4,1454,1643,0453,0273,0353,030
美濃苗木2,8342,7882,9012,1032,8052,739
美濃中津川3,8443,8443,8253,9654,1174,366
美濃明知1,1661,1931,2291,2501,2561,289
飛騨高山13,93114,09014,25414,46114,71015,01015,22615,26915,340
飛騨古川4,0614,8254,8784,8914,9065,066
飛騨神岡村船津町組3,3833,4883,5773,6983,8293,421
信濃松本16,20616,28516,30716,52314,78216,69016,66316,92417,554
信濃福島4,1435,2444,1623,124
信濃飯田8,0538,0548,2468,4408,5108,5108,787
信濃高遠4,5944,4655,0855,022
信濃大町5,0893,2373,7523,838
信濃上諏訪8,0498,0628,0178,0898,0928,0938,329
信濃下諏訪4,0694,0834,1534,206
信濃長野8,0738,7138,6088,64113,74413,75615,01015,11315,335
信濃飯山5,9906,0256,0786,154
信濃須坂2,6012,5602,6512,737
信濃松代10,1069,1639,3408,6687,6427,8577,857
信濃上田10,0419,5819,98510,0399,76210,64610,65310,84510,342
信濃岩村田3,2863,2253,1582,995
信濃小諸5,6555,0265,8106,7686,6907,0446,893
上野高崎13,19116,11516,17316,62215,21916,09615,41415,63715,987
上野前橋10,67212,32116,86813,94512,33518,09618,08818,33320,316
下野佐野6,9176,2846,4567,3518,1656,5376,781
下野足利9,67510,15810,70211,07711,66412,64214,15011,60712,090
下野栃木5,2645,2645,1425,1965,2765,2755,460
下野日光3,198
下野鹿沼5,3705,6725,7566,2426,3696,5716,985
下野宇都宮18,84019,69119,53320,15019,25920,75320,54121,80124,547
下野真岡4,6684,7594,8704,9154,882
下野大田原3,4653,6073,5023,8103,8224,065
下野黒羽3,389
磐城白河8,1228,6509,0329,1579,3679,3289,351
磐城5,0155,0155,1685,6915,0944,9635,346
磐城三春5,1835,421
岩代若松21,44223,11322,61823,37121,30923,07024,37818,36818,257
岩代須賀川5,5815,2206,0275,8136,0156,0206,452
岩代郡山5,2535,2535,7595,4775,4545,8025,869
岩代二本松8,9238,2019,0688,2688,3028,2778,137
岩代福島6,9346,9348,0288,2448,2596,8639,23310,50510,232
陸前仙台52,07455,03555,17055,81755,90055,36954,88355,18355,195
陸前石巻10,00411,65912,0806,9757,1187,2187,70513,460
陸中磐井13,70211,8139,4037,9746,7916,8226,859
陸中水沢5,8035,1264,6594,6764,9255,1395,293
陸中岩谷堂10,5339,5497,5494,5843,5653,8102,839
陸中花巻5,8255,4455,0465,0255,1355,2745,785
陸中宮古3,7723,8723,8343,9644,6554,9344,934
陸中鍬ヶ崎2,7332,7532,9733,0483,0002,9943,141
陸中遠野5,3844,8815,0015,0645,1055,1815,296
陸中釜石4,3014,2753,6774,1404,1404,2134,360
陸中盛岡31,49931,39032,21631,30729,02130,26330,36629,86529,354
陸奥青森11,86412,38211,37612,76811,86711,90913,48713,96012,826
陸奥弘前34,77434,84432,85431,90732,29131,32532,62132,17431,194
陸奥黒石6,5958,9199,0959,1359,2238,9269,478
陸奥八戸9,8719,97410,05010,14510,25710,42310,57010,65310,756
[81274] 2012年 8月 8日(水)04:08:26【4】YT さん
府県物産表による明治7年の日本の総生産高
最後に紹介するのは明治7年の明治7年の『府県物産表』です。明治政府は農産高のみならず、農・林・水産・畜産・鉱・工業の各生産高を把握しようとして、明治6年以降『府県物産表』を作成しました。明治6年度分は一部地域で完成し、明治7年分は鹿児島県、北海道、沖縄県を除き、ほぼ日本全国の統計が揃いました。ところが西南戦争の影響で、明治8年分は未完となり、明治9年度分以降は農産高(+一部の漁業、林業関係)のみをまとめた『全国農産表』のみの発行に繋がり、工業統計が再び出てくるのはさらに10年程後となります。つまり明治7年分のみ、おおよそ各県の鉱工業生産高が判明するのです。

本当は『府県物産表』の数字を編集し、各地の農・林・水産・畜産・鉱・工業の生産高と石高の比較をしたかったのですが、『府県物産表』の数字をまとめるのが相当大変だったので、そちらは断念します。とりあえず、山口和雄氏の「「明治七年 府県物産表」の分析」(経済学研究, 1, pp. 23-58 (1951年), 原著論文へのリンク)の数字を用いると、明治7年の日本本土の総生産額は以下の通りとなります。

区分生産額(円)割合(%)
農業227,286,70161.0
 (内、米)142,799,02438.4
工業111,891,55930.1
林業14,565,4053.9
畜産業7,478,0002.0
水産業7,276,3452.0
鉱業3,808,9641.0
合計372,306,974100.0

そこで明治5年の租税額(『日本地誌提要』による)と『府県物産表』記載の明治7年の物産高(全国平均米価1石5.5379円で換算)とから、明治5年の税率を推定しました。物産高には水産業や鉱工業統計も入っているので、石高にかかる税金である正租だけでなく、土地に換算できない収入にかかる雑税を併せた租税全体に対し、税率を計算することができます。また明治7年の物産高を明治8年1月1日調の本籍人口で割ると、明治7年度の各地域の一人当たり平均生産高(ここでは石高換算で示す)が見積もれます。但しサービス業などの第三次産業の統計がないので、東京府の住人がえらく低収入となっています。参考までに明治5年石高(『郡村石高帳』によるが、長崎県・佐賀県の肥前国石高分割は『日本地誌提要』によるため、『郡村石高帳』の数字に比べて7斗のズレが生じる)も記載します。なお琉球・北海道と鹿児島県はデータが揃っていないので除きますが、鹿児島県は結局明治10年まで独立国家状態で、統計なぞ提出する気がなかったようです。

府県M7物産高(円)M7物産高(石)M5石高(石)M5租税(石)税率(%)M8本籍人口1人当たり物産高(石/人)税抜き後(石/人)
東京府4,251,083.498767,634.557164,856.7008837,055.641304.8855,2700.8980.854
京都府16,281,903.9382,940,086.243380,281.56447176,818.127006.0571,1925.1474.838
大阪府9,564,787.2261,727,150.550245,960.85400138,202.018708.0545,0353.1692.915
神奈川県4,324,874.960780,959.366339,082.33991102,554.2490013.1507,9281.5381.336
兵庫県3,737,882.170674,963.812170,561.08180100,948.8180015.0201,3893.3522.850
長崎県5,786,468.7771,044,885.003293,340.52247142,950.9710013.7668,9741.5621.348
新潟県13,294,558.5232,400,649.7501,133,179.88759439,486.6220018.31,388,3531.7291.413
埼玉県5,482,030.399989,911.390482,011.55819149,214.1040015.1440,4332.2481.909
足柄県3,656,089.280660,194.154262,712.2822683,116.2761012.6353,6091.8671.632
千葉県9,792,371.8931,768,246.392997,052.69833308,448.5154117.41,055,3731.6751.383
新治県6,601,847.7591,192,121.133622,601.34305182,420.3580815.3485,1192.4572.081
茨城県3,511,644.560634,111.213512,304.16611126,044.4042719.9378,2691.6761.343
熊谷県17,345,655.3113,132,171.935859,288.75101204,681.994006.5828,4203.7813.534
栃木県9,827,110.5491,774,519.285942,362.62703203,196.9740011.5648,5032.7362.423
奈良県7,671,601.4451,385,290.686503,686.23676219,528.0839415.8430,7343.2162.706
堺県5,386,166.989972,600.964469,309.36330233,857.3541124.0466,0482.0871.585
三重県6,087,211.8681,099,191.344537,323.60420223,461.8251220.3427,8312.5692.047
度会県3,918,493.058707,577.417343,303.04620148,683.2752921.0369,4791.9151.513
愛知県15,248,937.0102,753,559.4181,237,147.87620427,785.7724915.51,234,0032.2311.885
浜松県3,837,100.417692,880.034372,546.34901130,187.7637718.8420,5131.6481.338
静岡県4,116,780.010743,382.857251,954.1648693,950.6337012.6378,0761.9661.718
山梨県5,069,000.961915,329.070312,185.17685105,859.6376311.6369,2552.4792.192
滋賀県8,233,718.3551,486,794.306857,849.52528356,931.2970024.0584,7562.5431.932
岐阜県7,921,441.7251,430,405.309729,654.88365242,420.3240016.9683,0502.0941.739
筑摩県6,621,860.8551,195,734.975388,688.93788153,989.5153212.9564,3322.1191.846
長野県5,741,914.3191,036,839.633455,457.12110174,938.3553416.9481,3512.1541.791
宮城県3,911,137.534706,249.202555,285.34300187,322.1110026.5419,1351.6851.238
福島県3,417,262.855617,068.345469,471.39457201,967.8895832.7281,3022.1941.476
磐前県3,342,448.063603,558.749490,802.60437169,870.9215328.1249,5532.4191.738
若松県2,394,064.696432,305.503373,167.37034158,746.3520036.7212,0522.0391.290
水沢県4,399,118.228794,365.759439,309.25000127,049.8960016.0380,4092.0881.754
岩手県2,449,213.156442,263.874252,291.2770092,674.7810021.0323,4341.3671.081
青森県3,143,189.581567,577.876423,100.83800197,400.6580034.8484,4281.1720.764
山形県2,392,634.127432,047.180490,996.92777140,498.4267332.5309,8371.3940.941
置賜県2,225,464.068401,860.637295,671.5430070,048.2590017.4131,9353.0462.515
酒田県2,132,641.810385,099.364235,244.72071164,678.6940042.8207,9021.8521.060
秋田県5,202,585.431939,450.934514,498.04855287,746.8641030.6604,1141.5551.079
敦賀県7,407,130.4461,337,534.137782,010.67585236,475.0150017.7548,8332.4372.006
石川県6,647,458.9611,200,357.324819,318.84735395,644.3152433.0691,7351.7351.163
新川県6,925,808.7111,250,620.013877,764.10700396,982.1038631.7638,8221.9581.336
相川県709,418.243128,102.391135,206.1230056,289.4094443.9104,6301.2240.686
豊岡県5,122,209.209924,937.089467,702.49913179,746.6946419.4508,0271.8211.467
鳥取県2,997,108.753541,199.497459,264.95900201,067.0050037.2392,5891.3790.866
島根県3,428,700.904619,133.757320,709.91100172,412.2373727.8340,3981.8191.312
浜田県2,509,921.751453,226.259182,136.8985087,114.0332019.2268,4551.6881.364
飾磨県8,097,109.9811,462,126.405660,557.81626314,684.0463721.5651,0332.2461.762
北条県2,730,242.696493,010.462262,333.86400101,914.4251020.7217,3622.2681.799
岡山県3,603,546.297650,706.265418,964.53800143,675.7190022.1335,5921.9391.511
小田県5,784,167.4581,044,469.445500,988.18680200,329.9529819.2619,6471.6861.362
広島県8,301,725.8521,499,074.682500,912.65765265,092.5814017.7942,8271.5901.309
山口県15,644,120.4172,824,919.2111,010,303.70507341,925.4730012.1838,9463.3672.960
和歌山県4,918,536.547888,159.130408,230.06735224,052.7682525.2572,4361.5521.160
名東県13,577,717.0062,451,780.770756,937.20037331,293.7950013.51,349,6721.8171.571
愛媛県7,105,984.6501,283,155.078443,321.68842275,217.6148821.4791,5221.6211.273
高知県5,691,285.9771,027,697.478510,572.19470208,769.3680020.3531,8631.9321.540
福岡県5,722,089.8391,033,259.850633,404.63540302,010.9590029.2450,9652.2911.622
三潴県3,821,318.339690,030.203536,742.90265227,274.5128432.9396,9031.7391.166
小倉県3,009,317.257543,404.033366,948.08138157,555.5110029.0317,1081.7141.217
大分県4,038,448.511729,238.236459,184.41734223,341.9441030.6580,3471.2570.872
佐賀県3,388,327.440611,843.365430,449.07615313,001.0963051.2487,0081.2560.614
白川県6,958,929.2701,256,600.720851,237.05291368,443.5679129.3965,2421.3020.920
宮崎県4,297,437.722776,004.918418,142.35665154,120.8321019.9384,0712.0201.619
合計370,760,357.64166,949,628.93331,617,886.4416312,583,172.7444918.832,867,4292.0371.654

地方では税率30%を超えるところもある一方で、都市部の税率がやたら低いようです。全国平均の税率は19%と低目ですが、租税の数字は地租改正前のを用いており、地租改正前であれば表に出てこない中間搾取の事例がたくさんあるので、一概に今と比べて税率が低いとはいえません。ただ所得税というものが導入される前の時代において、土地を持っている農民への税負担に比べ、都市部の住民への課税が甘く、かなり税負担に不平等があったことは伺えます。所得税が本格的に導入され、地租からの税収を上回ったのは明治時代末期からだそうで、年貢→地租は20世紀初頭までずっと日本の税制の根幹をなしていました。

結論としては、明治5年の石高3227万石(北海道・沖縄を除く)に対し、統計上の米の生産高は明治初期の段階で2875万石でしたが、農業生産の方は4684万石もあり、さらに第一次・第二次産業を合計した総生産高は明治7年に6695万石相当(鹿児島も除く)に達していました。結局のところ「石高」というのは年貢を取り立てるための土地評価であり、実態経済と相関はあっても、新しい産業には適応できていなかったといえます。
[81273] 2012年 8月 8日(水)02:32:33【1】YT さん
明治初期の旧国別農産高(2)
それはさておき、中村哲氏の算出した旧国別農産高(単位は米換算石高)と『郡村石高帳』記載の明治5年石高を、『日本地誌提要』記載の租税(=正祖+雑税、単位は米換算石高)とともに並べると以下の通りです。ここでいう名目貢租率(%)とは明治5年正租を明治5年石高で割った値、実質貢租率とは明治5年正租を明治5年農産高で割った値で、中村哲氏が計算したのと同じ方法で算出しました。正租の対象となる石高は元々田、畑、屋敷ですが、屋敷高は多くの場合は無視できるほど少ないので、田畑からの農産高のみを実質石高として計算しているわけです。

旧国M10-M12農産高M5石高M5租税M5正租M5雑税名目貢租率実質貢租率
山城365,474222,368.70517113,985.51400100,725.0560013,260.4580045.327.6
大和718,871503,686.23676219,528.08394212,221.077867,307.0060842.129.5
河内630,166293,118.58720146,021.93591139,710.118416,311.8175047.722.2
和泉278,501176,190.7761087,835.4182080,594.997307,240.4209045.728.9
摂津914,933416,521.93580239,150.83670194,966.8667044,183.9700046.821.3
伊賀166,732110,917.9664054,845.0332053,481.876351,363.1568548.232.1
伊勢974,606714,376.41500293,382.25713277,191.9198216,190.3373138.828.4
志摩30,85919,279.203008,426.405478,100.25262326.1528542.026.2
尾張991,858764,774.16620256,675.72249241,648.0178015,027.7046931.624.4
三河804,910472,373.71000171,110.05000163,473.130007,636.9200034.620.3
遠江522,927372,546.34901130,187.76377126,836.577973,351.1858034.024.3
駿河405,683251,954.1648693,950.6337090,365.636683,584.9970235.922.3
甲斐558,535312,185.17685105,859.6376397,820.926638,038.7110031.317.5
伊豆118,11984,037.2083629,582.8171027,679.482251,903.3348532.923.4
相模503,266289,776.7319791,792.9890085,987.090005,805.8990029.717.1
武蔵2,265,6911,282,000.77090344,906.30130330,102.0018914,804.2994125.714.6
安房96,60495,641.4235028,594.6180025,044.994003,549.6240026.225.9
上総516,332427,313.77094153,247.38011133,404.6220019,842.7581131.225.8
下総949,459687,373.86055200,946.50838177,289.3286823,657.1797025.818.7
常陸1,030,781921,629.15250234,124.77127214,541.9170619,582.8542123.320.8
近江1,365,303857,849.52528356,931.29700340,541.7710016,389.5260039.724.9
美濃1,038,465729,654.88365242,420.32400235,351.862007,068.4620032.322.7
飛騨133,51357,196.0580026,913.8000024,500.353802,413.4462042.818.4
信濃1,663,416786,950.00098302,014.07066267,345.8666334,668.2040334.016.1
上野1,000,092635,851.10734144,814.82700125,407.8978019,406.9292019.712.5
下野978,385758,648.44071168,722.30400143,677.8140025,044.4900018.914.7
磐城722,412650,488.88237219,452.38613197,539.8312321,912.5549030.427.3
岩代852,925760,923.54591332,051.07398302,329.5606329,721.5133539.735.4
陸前870,890700,649.30800225,592.65000206,400.0920019,192.5580029.523.7
陸中687,770471,842.91200158,118.04100150,265.830007,852.2110031.821.8
陸奥605,865423,100.83800197,400.65800168,750.8430028,649.8150039.927.9
羽前1,010,170946,971.30568311,505.02473301,041.2437310,463.7810031.829.8
羽後1,065,878568,474.88935346,368.94510297,578.1554048,790.7897052.327.9
若狭96,92691,767.0581041,704.5960039,115.932002,588.6640042.640.4
越前442,087690,243.61775194,770.41900183,465.0910011,305.3280026.641.5
加賀511,236511,716.01839241,542.76421229,803.3896111,739.3746044.945.0
能登271,355307,602.82896154,101.55103145,814.345058,287.2059847.453.7
越中976,103877,764.10700396,982.10386382,041.2792714,940.8245943.539.1
越後1,825,4111,150,567.52359447,002.69600404,299.3030042,703.3930035.122.1
佐渡108,620135,206.1230056,289.4094449,826.921446,462.4880036.945.9
丹波510,056329,465.47386141,440.63932135,557.799325,882.8400041.126.6
丹後191,702148,002.1303054,247.5762749,080.131185,167.4450933.225.6
但馬250,596148,147.7542746,891.0920540,442.418726,448.6733327.316.1
因幡208,383195,632.6450087,845.0670082,916.712004,928.3550042.439.8
伯耆365,996251,069.40700110,686.77900104,358.285006,328.4940041.628.5
出雲509,146320,709.91100172,412.23737156,849.6453715,562.5920048.930.8
石見272,296182,136.8985087,114.0332083,082.242704,031.7905045.630.5
隠岐16,47912,562.907002,535.159002,181.29700353.8620017.413.2
播磨1,114,614660,557.81626314,684.04637292,656.6528322,027.3935444.326.3
美作302,835262,333.86400101,914.4251099,468.420002,446.0051037.932.8
備前583,012418,964.53800143,675.71900138,528.075005,147.6440033.123.8
備中613,380371,355.17580136,319.16808135,591.82585727.3422336.522.1
備後528,361315,876.18155155,999.23490151,236.025404,763.2095047.928.6
安芸692,191314,669.48710173,104.13140164,405.226808,698.9046052.223.8
周防510,556552,160.21518165,548.11700158,738.537006,809.5800028.731.1
長門387,567458,143.48989176,377.35600170,541.138005,836.2180037.244.0
紀伊755,387444,283.13335239,544.17286229,606.981319,937.1915551.730.4
淡路253,724136,637.9818357,850.2340057,538.16500312.0690042.122.7
阿波635,766310,484.46474137,645.15300137,627.0660018.0870044.321.6
讃岐920,667309,814.75380135,798.40800135,798.4080043.814.8
伊予856,592443,321.68842275,217.61488257,459.2991317,758.3157558.130.1
土佐582,940510,572.19470208,769.36800192,817.1600015,952.2080037.833.1
筑前742,511633,404.63540302,010.95900281,873.4600020,137.4990044.538.0
筑後674,442536,742.90265227,274.51284211,461.1848415,813.3280039.431.4
豊前477,297366,948.08138157,555.51100149,489.291008,066.2200040.731.3
豊後816,402459,184.41734223,341.94410199,789.4698023,552.4743043.524.5
肥前1,369,052685,116.89762437,237.98330398,991.8189038,246.1644058.229.1
肥後1,445,934851,237.05291368,443.56791357,671.2824210,772.2854942.024.7
日向423,041418,142.35665154,120.83210149,896.724104,224.1080035.835.4
大隅234,079276,219.4783090,157.7607790,065.2080292.5527532.638.5
奄美52,793.3920214,287.5429514,287.5429527.1
薩摩446,977323,483.49953119,233.81405117,880.021131,353.7929236.426.4
壱岐49,34632,853.8850013,630.1380012,604.553001,025.5850038.425.5
対馬28,4785,818.116005,083.946002,686.383002,397.5630046.29.4
琉球94,230.7009431,752.0000031,752.0000033.7
合計46,840,93432,364,612.8124212,838,603.8622611,971,213.72338867,390.1388837.025.5

実質貢租率の高い地域として旧加賀藩、長州藩の地域、あるいは佐渡が挙がってますが、これは正租の内の「金納」の課税対象が農産物由来以外(海産物や塩田、林業など)を含むこともありえるので、単純には比較できません。

例えば寛永2年(1625年)の長州藩の石高は以下の通りで、屋敷高が高く設定され、また田・畑・屋敷以外にも石高が設定されています。つまり漁業関係や鉱山にも石高を設定することで、通常なら雑税扱いのところからも正租を設定して年貢を取り立てています。
旧国百姓屋敷市・町・湯田屋敷浦屋敷小物成浦浮役塩浜湯坪役総石高
周防285,697.4355242,108.7055016,398.972441,532.20420861.666022,150.545341,140.8503,145.248005.255373,040.882
長門164,877.1029821,640.674139,626.83610650.22500415.78521,687.679282,036.7551,199.55231112.620202,247.230
合計450,574.5385063,749.3796326,025.808542,182.429201,277.451223,838.224623,177.6054,344.80031117.875575,288.112
[81272] 2012年 8月 8日(水)02:31:32【2】YT さん
明治初期の旧国別農産高(1)
さて、このような数字を探し出すきっかけになったのは、中村哲著『明治維新の基礎構造』(1968年)に出会ったからです。速水融を始め、色々な学者の江戸時代の農業生産力の発展の計算で引用されているのが、以下の中村哲氏の試算です。

年号西暦石高(石)実収高(石)田(町歩)畑・宅地(町歩)計(町歩)備考
慶長3年1508年18,505,00019,731,000石高
正保2年1645年23,133,00023,133,000石高
元禄10年1697年25,796,00030,630,000石高
享保6年1721年1,643,0001,317,0002,961,000石高
天保元年1830年30,426,00039,757,000石高
明治5年1872年32,220,0003,587,000石高、旧反別
1870年代44,250,0002,601,0002,015,0004,616,000収穫米、新反別
明治10-12年1877-1879年46,812,0002,629,0002,181,0004,810,000農産物米換額、反別は1882年

ここでいう実収高とは、
 (1)一八七七―七九年平均「農産表」農産額の米換算額を幕藩体制解体の最終時点の農産物収量とする。(2)近世の石高のうち元禄以降のものは、すでに幕藩体制の余剰余労働の搾取が不可能となった段階のものであり、実収量をそのまま反映するものではない。また慶長石高も太閤検地段階のものであり、まだ幕藩体制が確立せず、したがって領主は農業生産を完全に把握するにはいたっていないであろう。さいきんの研究によれば、幕藩体制が確立し、形成されてきた小農民経営を体制的に把握し、それから全剰余労働搾取をほぼ実現しえたのは一七世紀三〇―五〇年代と考えられる。したがって、一六四五(正保二)年の石高の石高が実収量を示すものとする。

[81123][81124]で示したように、そもそも2313万石というのは正保郷帳として低く、実際には2457万石、欠けている郷帳分を考えれば2500万石程度には実高はあったと思われ、50年経った今になってもこの辺の再計算をせずに中村哲氏の仕事を専門家が引用し続けているのは問題があると思われます。それはともかくとして中村哲氏は、明治10年から明治12年の『全国農産表』を用いて明治初期の農産高を計算しています。

(1) 農産物「農産表」の一八七七―七九年の三ヵ年分を使用し、国単位に三ヵ年平均額を算出した。農業では豊凶により生産額はかなり大きく毎年変動し、その変動も地域により農産物によって異なるので一ヵ年のみをとることは危険である。またとくに明治初年の統計の不備から生ずる数値の誤りのうちあまりに甚しいものについては数年間にわたる数値を比較することによって発見することが可能である。その場合、郡単位に検討することによって修正を比較的正確に(郡単位に集計し直すことによって誤りを正すことができる場合もあるが、多くの場合は国単位での課題ないし過小と思われる数値については、郡単位に検討し、その誤りが特定の郡の誤りの反映であることが発見出来る。郡単位での修正の方が国単位での修正より精度が高いことは確実である)行ないうるから「農産表」に郡別記載のある年次(一八七六―七九年)をとり、そのうち一八七六年は脱落や誤りがとくに多いので除き、一八七七―七九年をとったのである。そのようにしてかなり推測をまじえつつ、適当と思われる修正を行なった。そうしてもなおかなりの誤りは修正されていないとおもわれるし、根本的には「農産表」の統計的な正確度がどの程度のものであるかという問題が残る。その点については正確な推定をすることは不可能であるが、実際よりかなり過小であったことは間違いない。また「農産表」に載っていない農作物もかなりある。しかし、明治前期については数年以上にわたる全国的な農産物統計は他に存在しないから、この点を考慮しつつ使用するより仕方ない。そのように生産数量を修正したうえで生産価格を算出する場合には一八七七年の全国平均価格を使用した。そうすることによって各地域における農産物価格の差違を無視することになるが、「農産表」に記載された価格がどのような性質のもんであるか明らかでないこと、明らかに誤りであると思われる場合がかなり多いこと、生産力水準を測定するためには価格差を消去することが必要であることなどの理由による。また一八七七年をとったのは、七九年の「農産表」には価格表示はないく、七九年はインフレーションの影響がすでに強いことによる。

そこで中村哲氏の試算が正しいのかどうか、実際に総ての国で再計算しようとしましたが、予想外に大変で断念しました。とりあえず一番簡単な壱岐の例で検証してみましたたが、中村哲氏の計算した農産高4万9346石と一致しません。おそらく計算に含めているのは農産物(自分の試算では4万9781石)だけで、海産物関係(含めると5万3093石)は除いているようですが。

単位M10数量M11数量M12数量M10価格(円)M11価格(円)M12価格(円)平均価格(円)単価(円)
10,514.58013,799.92315,878.83043,612.31557,239.24265,862.12155,571.2264.147794
糯米1,329.5403,029.3852,350.8005,806.58213,230.42010,266.7949,767.9324.367362
大麦3,666.4003,634.7105,192.6606,711.8346,653.8219,505.8567,623.8371.830633
小麦1,277.4001,770.8002,720.0903,912.6785,423.9638,331.6405,889.4273.063002
裸麦11,375.30012,802.40020,680.31029,795.92433,534.00354,169.02839,166.3182.619353
2,469.7002,596.0004,632.2005,072.5175,331.9259,514.0766,639.5062.053900
16.00010.80053.47032.74022.100109.41354.7512.046259
87.10060.750383.76089.17962.200392.922181.4341.023874
大豆6,227.2006,625.15017,927.46023,596.48325,104.41967,931.81538,877.5723.789260
蕎麦460.200869.0001,029.9406,223.92311,752.69313,929.30810,635.30813.524388
蜀黍122.86053.600180.740222.07296.883326.691215.2151.807517
玉蜀黍100.0001.2000.4000.012000
甘藷3,918,772.0007,527,380.0009,201,450.00013,400.88225,741.10831,465.86523,535.9520.003420
真綿1,110.0001,200.0001,474.00081.17187.752107.78992.2370.073127
生糸8.00012.0005.00033.28449.92620.80334.6714.160534
草煙葉420.000400.0002,000.00020.62019.63898.19046.1490.049095
菜種847.100840.0002,778.5254,637.2814,598.41315,210.4838,148.7265.474301
1,488.000750.0006,762.00058.70329.588266.767118.3530.039451
乾鮑4,900.0006,500.000116.6351,116.7991,481.46826.583874.9500.227918
47,700.00045,000.00016,892.03915,935.88610,942.6410.354131
鱶鰭1,680.0001,535.000677.319618.860432.0590.403166
海参1,220.0001,350.000286.450316.973201.1410.234795
石花栄500.00020.1176.7060.040233
乾鰛59,500.00021,000.0006,500.0002,382.697840.952260.2951,161.3140.040045
農産物合計143,250.686188,948.506287,242.794206,480.662
米石換算34,536.59345,553.97269,251.93749,780.834
農産・海産物合計164,684.808208,172.232287,796.439220,217.826
米石換算39,704.18850,188.65869,385.41753,092.754

同様に陸奥国で計算しましたが、中村哲氏の計算した農産高60万5865石に対し、私の計算では農産物合計66万1669石、農産・海産物合計66万4884石と、全然一致しません。どうやら明治12年度の米収穫高を過剰と判断し、数値を削らない限り、中村哲氏の値には近づきません。

このように中村哲氏の計算した農産高は様々なところで多重に引用されていますが、再計算が必要と思われます。
[81271] 2012年 8月 8日(水)02:23:58【2】YT さん
明治初期の旧国別米収穫量実数(2)
[81270]の数字の説明

註1. M5石高は原則として東京大学史料編纂所所蔵の『郡村石高帳』記載のものを用いたが、薩摩、大隅の石高は『明治八年 共武政表』による修正を加え、奄美群島(大島郡)の石高は大隅に加算([81068]参照)。

註2. 日向・薩摩・大隅は西南戦争の影響で明治9年と明治10年の農産高を欠く。また明治11年の日向は那珂郡、大隅は馭謨郡、薩摩は甑島郡の農産高をそれぞれ欠き、明治12年の大隅は熊毛・大島郡の農産高を欠き、明治14年の大隅は熊毛・馭謨・大島郡の農産高を欠く。よって日向・薩摩・大隅は明治11年から明治15年までの5年間のデータで平均収穫高を算出し、必要に応じて単年の郡別(粳)米・糯米収穫高で補間した(明治12年日向国那珂郡:4万9265石6斗1升7合、明治11年大隅国熊毛郡:8410石、明治12年大隅国馭謨郡:178石3斗5升、明治11年大隅国大島郡:8215石3斗3升、明治12年薩摩国甑島郡:1386石6斗8升5合)。なお明治15年の筑前・筑後・豊前三国の福岡県分の農産高は元文献において明治14年の数字で補填されている。

註3. 明治9年の三河の糯米収穫高を5291石8斗1升1合から郡別収穫高合計の5291石8斗8升1合に修正。この修正により明治9年の糯米収穫高の総計と国別合計が一致する。

註4. 明治9年の出雲の(粳)米収穫高72万9992石2斗2升6合は明らかな誤記であり、27万9992石2斗2升6合に修正。この修正により明治9年の(粳)米収穫高の総計と国別合計の不一致45万石が解消される。

註5. 明治10年の三河の(粳)米収穫高を34万8381石8斗4升6合から郡別収穫高合計の34万8375石8斗4升6合に修正。また遠江の(粳)米収穫高を26万8168石0斗4升から郡別収穫高合計の26万8177石0斗4升に修正。また羽前の(粳)米収穫高を71万4444石7斗7升3合から郡別収穫高合計の89万4444石7斗7升3合に修正(羽前国秋田郡の(粳)米収穫高20万1168石5斗0升1合を2万1168石5斗0升1合として国別収穫高に集計した結果か)。これらの修正により明治10年の(粳)米収穫高の総計と国別合計の不一致18万0003石が解消される。

註6. 明治12年の武蔵の(粳)米収穫高を92万4009石7斗7升1合から郡別収穫高合計87万2547石0斗9升4合に、糯米収穫高を14万2142石7斗5升8合から郡別収穫高合計13万3389石9斗2升6合に修正(武蔵国多摩三郡の農産高が誤って二重加算されている)。また越後の粳)米収穫高を153万4912石9斗8升8合から郡別収穫高合計154万3405石5斗2升6合に、糯米収穫高を11万8845石5斗5升から郡別収穫高合計12万0290石8斗5升7合に修正(越後国東蒲原郡の農産高が誤って加算されていない)。これらの修正により、明治12年の(粳)米・糯収穫高の総計と国別合計が一致していたものが、逆に不一致となる。

明治5年石高で115万石と評価されていた越後の米収穫高が明治9~明治15年の時点で年平均154万石に達していたこともさることながら、57万石と評価されていた羽後の米収穫高が100万石を越えていたことも驚きかも知れません。米の収穫高が明治5年評価の内高を越えているところは近畿周辺と日本海側に多いようです。あと当時の人口3646万人(明治12年1月1日調推定人口)に対し、米の収穫高は年平均2875万石程度。国民全員が毎食米を食べるには足りなかったようです。もっとも『農産表』の数字は過小評価という研究も存在します。明治10~12年の『農産表』から算定した米の全国平均反収は1.128石/反ですが、農家が地租改正の改正時に低く評価されることを期待して、実際よりも低い収穫高を申告しており、実際には1.4~1.5石/反程度の収穫があったはず(明治18年(1885年)に地租の据え置きが宣言された以降は1.4石余/反の水準が保たれる)だから、25%~30%程度過少の数字になっているというものです。データの揃っている明治13年調の作付面積から反収1.4~1.5石/反で計算すると、実際の米の収穫高は3590万~3847万石となり、1人1石以上の米の収穫高があることになります。もっとも当時は流通のロスも凄まじく、明治10年代後半から神力などの品種改良種の広がりにより収穫量が大幅に増えるという技術革新が起こっており、この反収の仮定が正しいのか、私には判断できません。また明治13年は豊作の年であり、不作の年は確実に全員に米は行き渡らないでしょう。

作付反別(町歩)収穫高(石)反収(石/反)推定収穫高(1.4石/反)推定収穫高(1.45石/反)推定収穫高(1.5石/反)
(粳)米2,326,369.590828,698,368.3291.23432,569,174.29733,732,359.09434,895,543.890
陸米10,958.472469,360.5960.63376,709.34679,448.96682,188.585
糯米232,782.44082,666,011.1581.1453,258,954.1973,375,345.4193,491,736.640
米合計2,570,110.511031,433,740.0831.22335,904,837.84137,187,153.47838,469,469.115

註1. 作付反別の「2,570,110.5110」は、257万0110町5段1畝10歩を意味するが、1町=10段=100畝=3000歩であり、単純な10進数ではない。

註2. 推定収穫高はそれぞれ反収を1石4斗、1石4斗5升、1石5斗で計算しているが、陸米の収穫高は水田の半分と仮定し、それぞれ反収を7斗、7斗2升5合、7斗5升として計算した。
[81270] 2012年 8月 8日(水)02:20:43【1】YT さん
明治初期の旧国別米収穫量実数(1)
[81125]で予告したように、実際の米の収穫量と石高の違い、農産高との比較をまとめます。

自分もかつて[67156]の記事を書いていたころは、石高は米の収穫量を表すもの程度に思っていましたが、その後自分でも色々地租改正や検地についての専門書を読み、石高が単純に米の生産性から算出したものではないことが分かりました。[72052]でのニジェガロージェッツ さんの解説や[74271]でのhmt さんの解説にあるように、実際には田・畑・宅地などの土地について生産性を評価し(石盛)、米換算の石高に置き換えて評価したのが石高です。明治以降は「地租」、そして戦後は地方税の「固定資産税」と名前を変え、今となっては所得税よりもウェイトが下がったとはいえ、未だに地方自治体では住民税よりも重要な税源です。

江戸時代の実際の米の収穫高については、各藩や江戸幕府などが年貢米を通じて調査したものが色々残っていますが、全国一律に調べたものはありません。しかしながら明治時代になると、『全国農産表』というものが作成され、各地の米の収穫高が国郡別に集計されます。明治9年から15年度の『全国農産表』は明治14年分を除き、近代デジタルライブラリーで閲覧できます(明治14年度に関しては、[『明治初期生産統計集成』]収録のものを閲覧するしかありません)。これら明治初期の農産高は幕末の農産高と大きな違いはないでしょう。そこで明治9年から明治15年までの7年間の『全国農産表』に集計されている水・陸の粳米・糯米の生産高(単位:石、合の桁まで示す)を、以下にまとめてみました。参考までに明治9年~明治15年の7ヶ年平均米収穫高(斗の桁で四捨五入)と『郡村石高帳』記載の明治5年石高(単位:石、才の桁まで示す)を並べてまとめます。

旧国M9米石M10米石M11米石M12米石M13米石M14米石M15米石平均米石M5石高
山城176,922.603246,179.991197,301.563262,173.220251,355.609232,955.585211,620.405225,501222,368.70517
大和353,141.139510,892.833430,452.255547,759.050373,796.915454,110.595471,427.878448,797503,686.23676
河内284,668.181346,125.400307,539.598384,230.854319,368.820327,738.526349,884.145331,365293,118.58720
和泉120,157.384160,663.837125,438.677155,560.808152,421.415132,554.774177,190.259146,284176,190.77610
摂津321,416.785613,906.729483,777.202574,257.599513,080.826564,270.128563,090.003519,114416,521.93580
伊賀122,310.408130,147.262112,305.980137,700.567129,725.453122,020.800121,698.572125,130110,917.96640
伊勢648,799.767688,104.927563,180.746761,310.554666,223.996603,279.156586,558.670645,351714,376.41500
志摩20,315.87019,161.75915,158.65225,121.27516,967.16411,882.46420,784.61218,48519,279.20300
尾張474,894.851552,882.788560,342.426654,872.325627,848.292594,729.129613,889.849582,780764,774.16620
三河316,989.250382,972.398366,363.903389,584.248375,208.804360,213.651348,507.666362,834472,373.71000
遠江277,432.440288,983.860262,919.056354,560.741290,929.284293,045.995305,386.555296,180372,546.34901
駿河231,615.830203,608.990192,505.173291,768.244289,984.472262,941.631283,706.473250,876251,954.16486
甲斐211,484.510238,162.477215,042.769254,118.060230,721.722230,544.461219,580.311228,522312,185.17685
伊豆72,052.75074,927.32064,117.58283,834.66492,788.78875,069.08984,378.80078,16784,037.20836
相模175,406.076178,884.842185,107.759216,727.563202,658.121178,438.698185,268.511188,927289,776.73197
武蔵800,174.749781,390.010802,207.8561,005,937.0201,193,077.5281,183,149.6201,270,747.2651,005,2411,282,000.77090
安房58,510.30557,118.02864,063.65473,464.98375,535.08183,715.32283,931.66270,90695,641.42350
上総298,206.152296,575.528346,166.281429,443.319373,701.026368,514.447398,424.369358,719427,313.77094
下総499,857.363466,061.074477,842.369620,616.424628,264.163543,872.863579,158.664545,096687,373.86055
常陸530,309.880492,302.164511,085.212778,241.355790,720.406644,732.023772,984.097645,768921,629.15250
近江785,932.143954,706.459789,754.2971,128,868.4641,078,842.1831,064,819.4671,019,315.145974,605857,849.52528
美濃638,811.987619,718.853463,801.113664,730.032642,757.439579,449.387519,346.070589,802729,654.88365
飛騨65,087.87860,343.99854,906.33660,375.93761,856.96261,784.135160,154.67974,93057,196.05800
信濃887,527.094728,463.458726,508.480732,374.991784,306.216766,965.899726,122.701764,610786,950.00098
上野309,596.719211,219.219243,544.551356,509.905319,157.777312,761.967282,465.170290,751635,851.10734
下野384,220.110435,103.973442,506.412486,514.379559,634.906525,264.769528,777.729480,289758,648.44071
磐城535,345.392518,780.384486,108.696522,815.264511,892.860509,306.733490,429.894510,668650,488.88237
岩代514,469.529533,166.272454,715.056518,044.549608,508.311505,957.166562,371.224528,176760,923.54591
陸前703,027.055680,666.097590,483.565666,023.519796,735.637721,098.251762,267.055702,900700,649.30800
陸中357,571.882406,388.187401,876.628442,037.134487,159.913399,752.825388,020.146411,830471,842.91200
陸奥467,118.842442,478.743395,765.895604,186.571549,245.630544,264.337573,285.691510,907423,100.83800
羽前854,076.294760,050.773664,181.220786,809.896893,619.648705,023.765864,724.240789,784946,971.30568
羽後941,379.313961,971.842863,302.8461,134,993.4341,250,344.812946,561.2861,162,563.3981,037,302568,474.88935
若狭60,226.08173,913.71057,532.76192,087.27587,521.19577,438.22579,378.05275,44291,767.05810
越前276,257.744303,248.227304,969.414349,330.790528,369.762374,315.380400,776.484362,467690,243.61775
加賀386,043.978408,781.977316,022.525404,325.176455,440.529380,378.538466,349.086402,477511,716.01839
能登259,023.553223,752.074202,215.095243,797.324260,300.878243,388.560247,641.196240,017307,602.82896
越中867,987.823883,473.450800,202.171866,804.2321,122,397.016874,643.281957,954.604910,495877,764.10700
越後1,223,661.8241,389,458.9111,342,000.7101,663,696.3831,979,005.1071,659,974.4781,775,916.0231,576,2451,150,567.52359
佐渡89,684.76570,511.52083,647.918133,267.200133,789.63086,816.19182,819.43097,220135,206.12300
丹波247,165.893338,537.043340,485.178386,245.103355,752.780353,229.877347,269.037338,384329,465.47386
丹後75,853.010144,987.437105,981.806139,898.949141,242.202130,703.889134,765.104124,776148,002.13030
但馬103,100.000142,746.276147,475.134156,118.148163,774.093160,097.577153,594.101146,701148,147.75427
因幡159,420.077160,439.970135,158.996202,179.167182,072.294184,180.629174,363.547171,116195,632.64500
伯耆154,191.323253,602.675183,303.046253,774.198231,210.607246,081.807224,793.595220,994251,069.40700
出雲280,059.586380,921.861328,717.675447,229.990407,587.111400,971.325377,718.901374,744320,709.91100
石見150,871.782177,750.155152,263.180215,563.216173,082.553173,303.289176,253.855174,155182,136.89850
隠岐5,809.02210,916.1135,327.59713,626.19812,921.7378,709.1967,922.3659,31912,562.90700
播磨467,216.000593,162.949895,618.770869,582.139834,657.781844,378.544771,366.375753,712660,557.81626
美作151,973.073216,468.335203,930.685230,419.012211,557.257217,300.542188,769.429202,917262,333.86400
備前303,052.597388,061.137362,222.105442,476.337373,283.540421,671.314362,739.683379,072418,964.53800
備中207,843.421305,412.461302,724.941338,360.681317,099.808328,821.263308,115.211301,197371,355.17580
備後210,871.929246,993.655235,256.677329,481.054317,436.112327,385.359327,320.197284,964315,876.18155
安芸242,650.104348,070.853338,644.212451,537.303457,603.023436,118.587445,424.355388,578314,669.48710
周防288,361.501300,726.966374,676.599366,050.873363,916.169373,002.856392,716.592351,350552,160.21518
長門250,697.685298,109.574273,749.050329,534.714316,187.555341,386.049346,927.116308,085458,143.48989
紀伊426,690.852459,289.814413,868.901597,046.229446,727.121477,205.514462,755.184469,083444,283.13335
淡路108,954.000181,800.000186,091.603193,954.000204,380.625167,511.028185,551.655175,463136,637.98183
阿波238,714.031204,916.132196,855.697272,723.470263,441.686268,897.462221,009.242238,080310,484.46474
讃岐306,786.912344,439.500354,957.156469,816.096446,909.224457,425.570462,111.687406,064309,814.75380
伊予361,384.018378,756.420412,376.634490,194.317440,596.833486,957.258443,189.766430,494443,321.68842
土佐358,003.510321,081.786298,586.092376,060.900342,563.090377,288.000347,766.314345,907510,572.19470
筑前522,237.000589,332.154458,122.195633,518.484560,571.871541,626.115541,626.115549,576633,404.63540
筑後393,093.000425,920.491324,948.184445,559.126340,936.860439,374.725439,374.725401,315536,742.90265
豊前294,893.280333,532.978267,902.031438,951.549362,614.845369,340.607358,758.253346,571366,948.08138
豊後312,007.347354,829.814324,195.465460,182.289378,133.068420,230.268340,874.146370,065459,184.41734
肥前692,413.031664,212.298690,175.740900,679.283822,342.188807,306.928882,422.216779,936685,116.89762
肥後820,385.878625,310.633564,963.199791,357.050713,092.507843,277.007673,106.739718,785851,237.05291
日向173,403.633238,496.624267,840.242365,014.377311,136.240281,031418,142.35665
大隅・奄美96,600.149117,399.64198,232.512139,022.454142,276.376125,428329,012.87032
薩摩147,662.658148,313.477162,709.535181,914.334178,696.443164,137323,483.49953
壱岐5,342.75011,844.12016,829.30818,229.63014,100.82912,095.80517,051.45313,64232,853.88500
対馬2,032.4241,753.3112,500.8584,576.7103,898.1292,455.8835,557.3293,2545,818.11600
合計24,743,791.33526,599,177.25525,282,539.55631,628,011.28531,433,740.08329,912,029.03530,452,220.12928,753,85132,270,382.11148
不一致-0.0094.0190.10050,277.6640.0000.0020.000
総計24,743,791.32626,599,181.27425,282,539.65631,678,288.94931,433,740.08329,912,029.03730,452,220.129
[81225] 2012年 8月 1日(水)18:55:45【1】YT さん
桐山
[81224] 皿 さん

すべては昭和31年と昭和42年に後に当時の東頸城郡松代町と中魚沼郡川西町との間で境界線を変更していたからです。

郡域レベルの変更は、平凡社の『日本歴史地名体系』の新潟県の「旧区郡域・現郡市区町村域 対照図」(各巻の巻頭に収録されています)を見れば大雑把に分かります。確かに現十日町市桐山~室島乙で、山中に微妙な郡域の変更があったことが見てとれますが、正確な領域の変更をここに書き下すことはできません。

それよりも、そのような微妙な領域の変更を問題にするのなら、それこそ図書館へ行って古い地図を調べ、自分の目で確かめないと話にならないし、そっちの方がはるかに早いと思いますが。少なくとも近代デジタルライブラリー収録の地図は山中の郡境が不正確です。どの縮尺の地図で作業しようとしているのかは知りませんが、古い地図が入手できなのなら、『日本歴史地名体系』収録の地図を見るのが早いと思います。
[81218] 2012年 7月 31日(火)17:16:03【3】YT さん
矢吹町
[81198] 皿さん
私は、福島県矢吹町の現行町名と江戸時代にのちの現在の矢吹町にあった村の位置が全然わかりません。
とりあえず、近代デジタルライブラリーの『ポケツト大日本分県地図 : 最新調査. 福島県之部』 (1925年)を見ると、当時の三町村(矢吹町、中畑村、三神村)の境界と、それぞれの村内の地名の凡その位置が載っています。

一方、『旧高旧領帳』を調べると、大和久村、須乗村、須乗新田、七軒新田が白河県の幕府領、松倉村、三城目村、三城目新田が白河県の白河藩領分、矢吹村、矢吹新田、中畑村、中畑新田、大畑村、堤村、神田村、松崎村、中野目村、明岡村、明岡新田が磐前県の白河藩領分となっています。

近世村等旧領府県(M9迄)郡(M8迄)町村制施行時(M22)備考
矢吹村白河藩領分磐前県石川郡矢吹村
(矢吹新田村)白河藩領分磐前県石川郡矢吹村M9矢吹村に合併
中畑新田村白河藩領分磐前県石川郡矢吹村
大和久村幕府領白河県白河郡矢吹村
中畑村白河藩領分磐前県石川郡中畑村
松倉村白河藩領分白河県白河郡中畑村
(七軒新田村)幕府領白河県白河郡中畑村M9松倉村に合併
大畑村白河藩領分磐前県石川郡中畑村
須乗村幕府領白河県白河郡三神村
(須乗新田村)幕府領白河県白河郡三神村M9須乗村に合併
三城目村白河藩領分白河県白河郡三神村
(三城目新田村)白河藩領分白河県白河郡三神村M9三城目村に合併
神田村白河藩領分磐前県石川郡三神村
中野目村白河藩領分磐前県石川郡三神村
堤村白河藩領分磐前県石川郡三神村
明新村白河藩領分磐前県石川郡三神村M19明岡村と明岡新田村が合併して成立
(明岡村)白河藩領分磐前県石川郡三神村M19明岡新田村と合併し明新村
(明岡新田村)白河藩領分磐前県石川郡三神村M19明岡村と合併し明新村
柿ノ内村白河藩領分白河県岩瀬郡広戸村K2(1866)以降幕府領

現地名への対応は、平凡社の『日本歴史地名大系』に載っています。また西岡虎之助, 服部之総監修『日本歴史地図』 (1956年)の244-245頁に、福島県の廃藩置県前の幕府領・各藩領や、明治8年に白河郡となった石川郡の領域(明治8年までは、その中に三城目村、三城目新田、須乗村、須乗新田村などの白河郡の飛び地があったことになる)が載っていますので、『ポケツト大日本分県地図』と比較すれば、江戸時代の村の領域がある程度は把握できると思います。

なお東大の史料編纂所には、私製の『1:25,000地形図』があります。
国土地理院発行, 昭和29-54年刊) を各地域毎に私家製本したもの
ですので、その気になれば昭和55年の大字変更前の地名の位置を探ることができるでしょう。

【追記】天保国絵図を見ると、矢吹村や中畑村が石川郡所属となっていて、三城目村、三城目新田、須乗村、須乗新田村がループの白河郡所属となっていますが、『日本歴史地図』ではこれらの地域が「白河郡飛び地」と明記され、その周りを明治8年まで石川郡所属(『日本歴史地図』では石川「県」と書かれていますが、多分誤植)の矢吹村・中畑村等が取り囲んでいます。『旧高旧領帳』ではこれらの石川郡所属の村も白河郡(後の西白河郡)所属扱いとなっていますが、正確にはこれらの地域は天保郷帳の描かれた江戸時代後半から明治初期まで石川郡所属です。

【追記2】というか、2万5000分の1の地図はそもそも国立国会図書館で閲覧可能でしたね。ゼンリンの住宅地図の方は、国立国会図書館では1984年版が最も古いようですが。
[81192] 2012年 7月 28日(土)05:09:06【1】YT さん
文部省年報、磐井
[81186] 白桃 さん

ただ、下小田井(後の西枇杷島町→清須市)は、「戸数1,089、人口553人」とな
っており、思わず唸ってしまいました。

以前私が[67796]に書いたのと同じ問題に直面しているようですね。

地名明治12年1月1日調明治13年1月1日調
地名戸数人口戸数人口
下之一色村1,0794,5351,0624,381
下小田井村1,0864,2421,089553

明治12年1月1日調の方は男2125人+女2117人、明治13年1月1日調の方は男276人
+女277人となっており、おそらく後者が2076+2077人の間違いで、たぶん正し
い人口は4153人だろうという予測はつきますが、確証はありません。しかもこの
時代は戸数と言った場合、後の世帯数に相当する戸数と家数の混同が起こってい
たりします。

ところで以前、[68674][68675]で、文部省調による明治12年と明治13年の「人口壱萬人以上ノ都邑」の人口を紹介しましたが、これの元データが『日本帝国文部省年報』の「人口壱万以上都邑学事統計表」であることが判りました。『日本帝国文部省年報』では、明治10年から明治18年まで、人口1万人以上の都邑の人口と、明治10年から明治16年までの各府県の主だった都邑の人口がまとめてあり、これについては量も多くないのでいずれまとめようと思います(というか、「人口壱万以上都邑」に登場する138都邑の9年間(明治10年~明治18年)の人口については既にまとめ済みです)。

ただこの表で使われている人口は、共武政表や日本民籍戸口表の人口とほとんど一致しません。文部省が独自に人口調査をしているとは思えないので、内務省や警察署の戸籍調査を使っていると推測されるのですが、これらが本籍人口なのか、現住人口なのか、あるいは年始/年末調のいずれかなのか、等々、色々データに問題があるので、公式の人口データとみなしていいのか微妙な状況です。せめて一言どこかに人口データの典拠や方法論についての言及があればいいのすが・・・

[81048] 千本桜さん
共武政表の岩手県西磐井郡に「磐井」と言う名の輻輳地が記載されていますが、

明治10年には磐井は人口1万3702人(明治11年1月1日調?)の大都市という扱いになっています。明治11年には人口1万1813人(明治12年1月1日調?)、明治12年には9403人(明治13年1月1日調?)、明治13年には7974人(明治14年1月1日調?)、明治14年には6791人(明治15年1月1日調?)に減っており、都市域の範囲がいい加減であることが伺えます。明治15年の磐井の人口は6822人と少し増え、明治16年には6859人となっています。残念ながら明治17年~明治18年は「人口壱萬人以上ノ都邑」しか掲載されていませんので対象外ですが、『文部省年報』の記述を信じるのなら少なくとも明治10年から16年頃までは、「一関」ではなく「磐井」の方が正式な呼称として採用されていたようにみえます。
[81178] 2012年 7月 24日(火)18:40:40YT さん
十勝国河東郡、河西郡は各々「川筋東岸、川筋西岸」の村々を以て一郡と仕度候
[81170] Issie さん
いや,もっと単純に,北海道に国郡が設置された1869(明治2)年の段階では十勝平野の内陸まで実測が行われてはいないでしょうから方位の測量も完全ではなく,やっぱりサックリと“十勝川の西と東”ということなのかもしれませんが。

[81174] にまん さん
私はサックリ説に一票。

北の住人さんが[46207]で挙げられていますが、北海道の旧国名、制定の経緯に纏められているように、北海道の名称や国郡名は、開拓判官の松浦武四郎が明治2年旧暦7月17日(1869年8月24日)に上申した意見書を元に、明治2年旧暦8月15日(1869年9月20日)に太政官布告で決定されたものです(明治2年8月15日太政官布達第734)。

幸いに松浦武四郎による上申書の中身は、北海道大学北方関係資料総合目録の方に、『北海道々国郡名撰定上書』として収録されていますので、該当部分を読みますと:

河東郡 川筋東岸「ヲトフケ」「シカリヘツ」の村々を以て一郡と仕候、様奉在候

河西郡 川筋西岸「サツナイ」「ヤロマツ」「ヒハイロ」「メモロ」等を以て一郡に仕度候

「トカチ」川の東西村々を二郡に相分け中候、河東河西と仕度候、則阿波国に名東郡、名西郡、又筑前の上座、下座其餘葛上、葛下、添上、添下、皆あげてかぞへがたし、依て可然奉存候、

ヲトフケ=音更
シカリヘツ=然別(音更町内)
サツナイ=札内(幕別町内)
ヤロマツ=?
ヒハイロ=ピパイロ、美生(芽室町内)
メモロ=芽室

つまり十勝川の川筋西岸=十勝川の右岸、川筋東岸=十勝川の左岸としており、河口での川岸の東西で決めたようで、上流での地理云々は関係ないわけですね。まあ天保の国絵図を見る限り内陸の方位はいい加減ですし、伊能大図も海岸線しか調べていませんし、明治2年の段階では内陸の地形の詳細は不明だったでしょうけども。

なお、松浦武四郎本人はこれらの土地を実際に歩き、『蝦夷日誌』等に書き記しているようです。その辺の詳しいことは地徳力さんのホームページに掲載されています。

上を調べるきっかけになったのは、[81063]に示したように、『郡村石高帳』に釧路国善報郡という郡名が記載されていたからです。法令全書太政官日誌を見る限りそのような郡は設置された事実はなく、あくまでも松浦武四郎の原案にしか登場しないようです。どうやら明治6年に租税寮で『郡村石高帳』をまとめた人には北海道の国郡はどうでもよくて(村数、石高は全て空欄)、松浦武四郎の原案を横にして帳簿をまとめてしまったようです。
[81167] 2012年 7月 22日(日)17:47:25【1】YT さん
寛永国絵図の美作国の石高の訂正
[81123]の1598年~1872年の旧国別石高の変遷の内、寛永十年巡見使国絵図の美作国の石高に誤りがあったので訂正します。[81123]では22万7115石としましたが、改めて川村博忠編『寛永十年巡見使国絵図日本六十余州図』, 柏書房 (2002年)をチェックし、22万7715石の間違いであることを確認しました。それに伴い総石高も、2242万6237石9斗から、600石多い2242万6837石9斗へ修正されます。まあ、島原松平文庫『御当地雑記』一「日本国知行高之覚」記載の江戸初期高と比較すると、どちらかが「壱」と「七」を混同して書き記した可能性が高いようにみえますが。

なお寛永十年巡見使国絵図では、端数切り捨てを意味する「余」という言葉が幾つかの地図に挿入されています。同様に島原松平文庫『御当地雑記』一「日本国知行高之覚」でも三河国に限り「余」が挿入されています。以下、大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」 (『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))記載の江戸初期高とともに寛永国絵図石高を再録します。

旧国江戸初期高(余)寛永国絵図高(余)
山城国216,070.700216,070.0
大和国444,134.000444,134.0
河内国308,857.620308,857.0
和泉国138,797.090138,797.0
摂津国290,902.100299,902.0
伊賀国95,594.10095,594.0
伊勢国572,786.900572,786.0
志摩国17,849.30017,849.0
尾張国480,841.700
三河国336,000.000350,000.0
遠江国268,800.000268,800.0
駿河国170,000.000170,000.0
甲斐国250,000.000250,000.0
伊豆国79,353.00079,353.0
相模国191,524.000191,920.0
武蔵国840,000.000840,000.0
安房国91,779.12091,779.0
上総国285,300.000285,300.0
下総国250,131.000250,140.0
常陸国753,600.000752,600.0
近江国832,122.600832,120.0
美濃国581,523.000581,523.0
飛騨国38,764.40038,764.0
信濃国547,360.000547,360.0
上野国468,000.000468,000.0
下野国464,000.000464,000.0
陸奥国1,729,000.0001,822,000.0
出羽国870,000.000870,000.0
若狭国85,099.60085,099.0
越前国682,654.000682,654.0
加賀国442,507.400442,507.0
能登国216,891.300216,891.0
越中国530,637.300536,037.0
越後国450,060.900606,370.0
佐渡国20,599.00020,599.0
丹波国280,570.200280,570.0
丹後国123,170.200123,170.0
但馬国123,960.000123,960.0
因幡国131,649.600131,649.0
伯耆国175,032.000175,032.0
出雲国223,477.100223,477.0
石見国137,370.000137,370.0
隠岐国11,802.90011,802.0
播磨国521,300.000
美作国227,115.500227,715.0
備前国286,200.000286,200.0
備中国227,894.800227,894.0
備後国238,838.000238,138.0
安芸国259,384.900259,384.0
周防国164,420.200164,420.0
長門国134,059.900134,050.0
紀伊国395,247.700395,247.0
淡路国63,621.10063,621.0
阿波国186,753.500186,753.0
讃岐国171,815.000171,815.0
小豆島3,186.700
伊予国381,640.800381,640.0
土佐国202,626.500202,626.0
筑前国522,512.400522,515.0
筑後国302,085.500302,085.5
豊前国330,744.644300,740.0
豊後国378,592.400378,592.0
肥前国561,437.400561,437.0
肥後国572,989.000572,989.0
日向国288,589.500288,589.0
大隅国170,828.100170,828.0
薩摩国315,251.700315,251.0
壱岐国15,982.30015,982.0
対馬国0.0008,163.0
合計22,171,689.67422,426,837.9

なお、川村博忠編『寛永十年巡見使国絵図日本六十余州図』に収録されている国絵図は、主に岡山大学附属図書館所蔵の池田家文庫で、尾張国と播磨国の国絵図は、秋田県公文書館所蔵の日本六十余州国々切絵図によります。現在寛永国絵図が全国68ヶ国完全に揃っているのは秋田公文書館と山口県文書館で、岡山大学附属図書館所蔵は尾張と播磨を欠き、その他名古屋市蓬左文庫に過半数、東京大学総合図書館(南葵文庫)、熊本大学附属図書館(永青文庫)に十数ヶ国分が現存しますが、この内描法・彩色・書写がもっとも丁寧なのが池田本です。以下本書の解説からの引用です。

 以上の考察の結果から、伝存する余州国諸本は寛永10年(1633)に全国に派遣された諸国巡見の国廻りを通じて幕府へ収納された国絵図の写本であることが明らかとなった。そのうち本書に図版で収録した岡山大学附属図書館(池田家文庫)蔵の池田本は、秋田県公文書蔵の佐竹本、山口県文書館蔵毛利本とともに全国分ほぼ揃って存在する「日本六十余州図」のひとつである。
 寛永10年の巡見使国廻りが全国を6区に分けて実施されたことからすると、本来巡見使上納国絵図は分担区ごとに絵図様式に違いが生じていたはずである。ところで「日本六十余州図」は、村々記載の精粗、郡区分の有無、国境越え道筋での表記の違いなど巡見使の分担区ごとに内容に明らかな差異があるにもかかわらず、絵図様式は全国すべて一様である。このことは「日本六十余州図」が巡見使国絵図を原拠とする写本ではあるものの、その後に様式の統一をはかって全国をいっせに描き直した二次的写本であることを推測させる。
(中略)
 ところで、この二次的写本とみられる「日本六十余州図」の成立時期については、寛文11年(1671)頃ではないかと考えられる。池田本をはじめいくつかの余州図の付箋に記される城主の揃う時期が寛文11年であることは、この年に古くなった全国の一次的写本がいっせに描き直されて、居城に付箋がつけられたと想定できよう。
(中略)
 「日本六十余州図」が寛永10年巡見使国絵図の二次的作品であるとはいえ、慶長国絵図が全国揃って残されていない現在では、この写本は全国を網羅して現存するもっとも古い江戸幕府の国絵図である。絵図面が比較的扱いやすい手頃な大きさであることから、地理的情報がとぼしかった江戸前期ないし中期において全国を知る地図資料として有力大名家間にてこれが模写・転写されたものと考えられる。
[81160] 2012年 7月 22日(日)02:22:55YT さん
北海道庁現行布令便覧 ほか
[81135] むっくんさん

M31.7.31現在の連合戸長役場であるならば北海道庁現行布令便覧(明治三十一年)(上巻)(編・発行:北海道庁、M32.2.10)に載っています。

『北海道庁現行布令便覧』のご紹介ありがとうございます。さらに明治19年から明治27年までは、『北海道庁布令全書』というのが発行されているようですが、近代デジタルライブラリーをみる限り、各年の戸長役場の所在地まではまとめてはないようですね。

[81149] オーナー グリグリさん
川西村(町)が圧倒しています。これだけの差があると何か要因があるように考えられます。

とりあえず、川東、川南が少ない理由は、日本語の音韻論で説明できると思います。川東や川南と書いた場合、ほぼ訓読みで「かわひがし」や「かわみなみ」なると思いますが、日本語であれば音韻(モーラ)数が4や3の省略を好む傾向があり、5モーラの「かわひがし」や「かわみなみ」よりも4モーラの「こうとう」「こうなん」や3モーラの「かとう」「かなん」が口にしやすいのはないでしょうか?

もっとも兵庫県や福島県の河東、石川県の河南は「かわひがし」「かわみなみ」ですし、「かわきた」が少ないことの説明にはなりませんので、彼岸や西方浄土などの仏教思想の影響があるのかも知れません。
[81125] 2012年 7月 16日(月)17:33:11【1】YT さん
正保郷帳の石高に関する混乱
[81123]の正保郷帳の石高については説明が必要なので稿を改めます。

正保郷帳を調べる過程で、和泉清司著 『近世前期郷村高と領主の基礎的研究 : 正保の郷帳・国絵図の分析を中心に』, 岩田書院 (2008年)と出会い、郷帳への認識を改める必要があるように感じました。
元禄郷帳や天保郷帳は村高が列挙されているだけですが、正保郷帳は各村毎に村高、田方、畑方が記載され、最後集計に本高、寺社領、新田高、小物成等がまとめられています。一方、正保国絵図の方には、新田高は原則として記入されてないようです。このため、正保石高は二系統の数字が存在することになります。おそらく東京大学史料編纂所の『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の石高は、種々の寛永国絵図、正保国絵図に記載されていた石高をまとめたもので、実際に郷帳に書かれた数字との乖離があるのでしょう。参考までに陸奥国津軽領分の正保郷帳の石高をまとめると以下の通りで、郷帳の数字を足すと津軽領分の村数は336、石高は10万2468石8斗ですが、国絵図に書かかれる数字は村数134表高4万5000石です。

区分村数村高合計田方畠方不一致
平賀郡本村分4219,265.06017,479.5201,573.020212.520
平賀郡新田分3315,633.940
平賀郡合計75.00034,899.000
田舎郡本村分3811,376.57010,260.4201,116.350-0.200
田舎郡新田分12018,401.700
田舎郡合計15829,778.270
鼻和郡本村分5414,358.37013,209.6301,147.7401.000
鼻和郡新田分497,972.890
鼻和郡合計10322,331.260
津軽領分本高13445,000.00041,160.4403,839.5600.000
津軽領分本高不一致00.000210.8702.450
津軽領分新田高(本村分)15,460.260
津軽領分新田高(新田分)202.00042,008.530
津軽領分新田高合計57,468.800
津軽領分新田高不一致0.010
津軽領分総計336102,468.800

ただ現時点で自分は正保国絵図の原本を見る機会はありません。また郷帳のまとめ方も地域によって揺れがあり、ある郷帳では本高で集計した後、寺社領高、小物成、新田高を別に記していますが、一方では、寺社領を本高に加えたり、あるいは新田高も本高に加えて集計している郷帳も存在します。そこで以下、とりあえず郷帳の総計として取り上げられているものを「草高」、新田高など全てを合計したものを「内高」として集計しました。なお斗以下の数字の方は『近世前期郷村高と領主の基礎的研究 : 正保の郷帳・国絵図の分析を中心に』に収録されているCD-ROMの方に入っています。村数もCD-ROMの収録分を参考にし、「新田村」「枝村」の数字が分かっている分に関しては村数に加算しました。また貫高等、石高以外のものは石高の計算に含めませんでしたが、陸奥国仙台領分については例外として1貫高=10石の換算を実施しました。参考までに菊地利夫『新田開発』と東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』収録の正保郷帳石高も列挙します。

旧国正保草高正保内高村数典拠菊地利夫村高比較表
山城国215,985.62170411郷帳215,982215,986.34817
大和国469,380.624601,220村高比較表459,380469,380.62460
河内国264,952.34320265,518.42520459郷帳264,952264,952.34100
和泉国159,117.72700159,628.55800279郷帳159,326159,326.77100
摂津国375,496.75500380,875.39700742郷帳375,478375,478.86000
伊賀国100,538.00000145国絵図100,540100,540.00000
伊勢国596,334.68500658,896.319001,089郷帳585,065585,065.16400
志摩国19,290.3260055国絵図20,06120,061.00000
尾張国526,493.51000919郷帳483,432
三河国350,880.05800359,991.680001,181寛永16年郷村帳350,888
遠江国280,733.49000301,404.18624930郷帳280,696280,696.00500
駿河国191,315.69100732郷帳191,315191,315.69100
甲斐国234,327.38100730国絵図245,298245,298.70600
伊豆国79,653.20800265国絵図79,65379,653.20800
相模国206,812.01700605寛文年中郷村帳220,617220,617.70000
武蔵国982,337.96580989,725.333802,415郷帳982,327982,337.96580
安房国92,641.68000245郷帳92,64192,641.68000
上総国351,731.00000971国絵図378,892
下総国444,829.84200928村高比較表444,829444,829.84200
常陸国840,801.828901,546村高比較表840,048840,801.82890
近江国830,594.42600833,636.883001,441郷帳832,122832,122.00000
美濃国627,966.11200628,912.852001,254郷帳609,718609,718.92800
飛騨国38,764.40000215慶長郷帳38,76438,764.40000
信濃国544,770.33800578,406.405001,346郷帳548,600
上野国515,221.29926520,963.875261,133寛文8年郷村帳515,214515,215.00000
下野国565,975.62000618,592.330001,118郷帳568,733568,733.91000
陸奥国1,702,588.351403,8381,672,8061,829,000.00000
[会津領分]257,029.00000770文禄3年郷村帳
[白河三春二本松領分]315,169.00000528国絵図
[磐城棚倉相馬領分]205,026.59540254,279.16440548郷帳
[米沢領分]121,186.92500148国絵図
[仙台領分]654,110.88000745,293.38000970郷帳
[南部領分]105,065.95100538郷帳
[津軽領分]45,000.00000102,468.80000336郷帳45,00045,000.00000
[磐城国]438,137.67540489,715.07440895
[岩代国]533,876.925001,089
[陸前国]434,938.85000506,025.74000692434,860434,938.85000
[陸中国]218,681.81400236,452.59400545
[陸奥国]72,437.29900129,906.09900503
出羽国951,523.476001,124,394.893002,113郷帳965,674951,523.47700
[米沢領分]180,000.00000196,994.58400348186,990186,990.00000
[山形領分]337,610.45900340,883.68800388337,610337,610.45900
[新庄領分]36,158.7420042,715.513005436,15836,158.74200
[庄内領分]195,373.04800268,128.71500690149,117195,373.04800
[秋田領分]200,251.33900273,542.50500626255,799202,381.22700
[羽前国]649,480.35200722,672.698001,071656,458656,470.35200
[羽後国]299,913.23600399,592.307001,035309,216302,043.12400
若狭国85,460.08890209郷帳85,09985,099.67000
越前国680,293.308001,393郷帳682,182622,182.00000
加賀国422,958.60000440,399.15000751郷帳422,957422,957.61000
能登国225,006.15000255,555.71000564郷帳225,006225,006.10000
越中国592,415.66000660,718.380001,117郷帳592,415592,415.00000
越後国611,960.427002,682国絵図611,960
佐渡国24,812.01200251国絵図24,81224,812.01200
丹波国289,829.14600777郷帳289,829289,829.14700
丹後国123,175.01000292国絵図123,175123,175.00000
但馬国129,069.75700607国絵図129,069129,069.75700
因幡国149,742.50000515寛永15年郷村帳149,539149,539.00000
伯耆国170,257.50000704寛永15年郷村帳170,254170,254.00000
出雲国253,596.79200500国絵図253,597253,597.64760
石見国139,242.99100413国絵図139,401139,401.53700
隠岐国11,601.3930061国絵図11,60111,601.39300
播磨国542,130.12700554,629.787001,570郷帳562,291562,291.44700
美作国186,500.00000237,630.30000594郷帳186,500186,500.00000
備前国280,200.00000296,402.00000897郷帳280,200280,200.03000
備中国236,491.825001,221郷帳236,691236,691.82500
備後国248,015.28700457元和5年郷村帳248,606248,606.91000
安芸国266,862.55600267,851.97100433元和5年郷村帳265,071265,071.18600
周防国202,787.60000152郷帳202,787202,787.60000
長門国166,623.40000152郷帳166,623166,623.40000
紀伊国398,395.453001,258国絵図398,395398,395.45300
淡路国70,186.50000220国絵図70,18670,186.50000
阿波国186,753.58300451国絵図186,753186,753.58300
讃岐国238,028.33100321寛永17年郷村帳173,554173,554.22700
伊予国400,271.87300402,538.14200939郷帳400,271400,271.87300
土佐国248,328.12000254,378.12000463寛文4年郷村帳202,626202,626.00000
筑前国522,512.60130617,948.27590741郷帳522,512522,512.60130
筑後国331,490.00000707国絵図302,089302,089.00000
豊前国231,680.00000602国絵図231,680321,680.00000
豊後国357,300.51500364,364.521171,418郷帳378,592378,592.00000
肥前国565,655.359601,505国絵図561,437561,437.00000
肥後国579,711.78700617,803.077001,112郷帳572,980572,980.00000
日向国290,180.97300375国絵図288,589288,589.00000
大隅国170,833.45100230寛文4年郷村帳170,82817,828.00000
薩摩国315,005.60012256国絵図283,482315,251.00000
壱岐国17,568.0300041国絵図15,98215,982.00000
対馬国6,269.71500121郷帳
琉球国123,711.8134869国絵図
[大島]32,828.7000017
[本琉球]90,883.1134852
合計23,653,973.6122624,572,941.7682755,46623,342,672

典拠のうち、郷帳、国絵図はそれぞれ正保郷帳、正保国絵図とされるもので、郷帳や国絵図が存在しない地域は、近い年次の郷村帳によります。なお、大和国、常陸国、下総国に関しては東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の数字を使いました。下総国は和泉清司本に数字がなく、また常陸国に関しては寛永年中郷村帳(54万1967石0斗6升4合)、大和国に関しては寛永16年郷村帳(44万4056石9斗2升、外屋敷高450石8斗6升1合)の数字があるものの、『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の数字の方は郡別石高があり、何らかの国絵図から数字を採用し、さらに寛永年中の石高よりも数字が更新されていると推測されたため、これらに関しては『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の数字を使いました。文禄3年の蒲生領高の数字を採用している陸奥国会津領分、慶長郷帳の飛騨国、寛永の数字を使っている三河国、因幡国、伯耆国、讃岐国に関しては、『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の方でより良い数字が見当たらないので(ほぼ同じ数字、あるいはより古い数字が採用されている)、和泉清司本の数字を採用しました。村数の内、相模国、下総国、常陸国などは菊地利夫本からの採用です。

また陸奥国内の旧国別人口の合計、出羽国内の旧国別人口の合計がそれぞれの草高、内高と一致しませんが、これは陸奥国南部領分と出羽国の郡別石高の合計と総計が一致しておらず、一部郡別の内訳が記されていない小物成高や新田高等が草高や新田高に加えられているせいです。村数についても一致しない箇所がありあすが、例えば出羽国の場合、個々の郡別本村数・新田村数と合計が一致しませんが、新田村の名前が記載されていない郡もあるため、正確な数字を検証できないためです。

津軽領分の事例を見れば分かるように、これらの石高は米の生産力だけを表したものではなく、麦や大豆、塩、あるいは屋敷や林など、面積で表せるものは米の生産力に換算した石高を設置して、租税を徴収していたわけです。また米で納められないものは物納や金納となり、面積で表せないものは小物成として別個記載されました。

一応石高はおおよそ第一次産業の生産高を米の収穫高に換算した数字で、実際に取れる米の収穫量は、これらの石高を下回るはずです。それでは実際の米の収穫高はどの程度だったのでしょうか?それについて次回まとめたいと思います。
[81124] 2012年 7月 16日(月)17:26:58【5】YT さん
1598年~1872年の旧国別石高の変遷 それぞれの史料について
以下[81123]の表の解説です。

【(1) 慶長3年】 『大日本租税志』「慶長三年検地目録」
[72089]でも紹介しましたが、慶長3年(1598年)の石高は『大日本租税志』収録の『慶長三年検地目録』によります。太閤検地の結果として色々な書物に引用されていますが、検地が十分実施されなかったところは石高が低目に出ています。

【(2) 江戸初期】 島原松平文庫 『御当地雑記』一「日本国知行高之覚」
ここに引用する数字は、大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」 (『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))記載のものです。なお原本では下総国の石高は空欄ですが、総石高2217万1689石6斗7升4合から他国の石高を引くことにより25万0131石と求まり、これは寛永10年の国絵図の下総国石高25万0140石とほぼ同じです。また出羽国石高石高には上杉弾正分10万石を含み、讃岐国石高には小豆島3186石7斗を含みます。

この江戸初期高で重要な点は、おそらく慶長10年(1605年)に徳川幕府によって提出を求められた慶長郷帳や慶長国絵図の石高だろうと考えられることです。大野瑞男による解説によると

江戸初期高は島原松平文庫「御当家雑記」一にある「日本国知行高之覚」による。このうち江戸初期の高とするものは、同書に「御統家ニ相定所也」とあり、これは慶長十年の国絵図・郷帳高と思われる。しかし国によって若干の違いがある。
 「鉄醤塵蓋抄」によれば、周防・長門の指出高八九万二千四〇〇石余、内一二万石が毛利秀元領、長府領五万石弟就清領、周防徳山領三六万九四〇〇石余、新田二九万三〇〇〇石余、合計六六万二四〇〇石秀就台所入となっている。「国主城主記」には、伊賀八万一〇〇〇石余(筒井伊賀守定次慶長十年指出高)、出雲・隠岐二十三万五〇〇〇石(堀尾出雲守忠氏慶長十年指出高)、美作一八万六〇〇〇石余(森美作守忠政慶長八年高)、二二万七〇〇〇石(慶長十年指出高)、備前三一万五〇〇〇石(池田三左衛門輝政慶長二年高)、二八万六〇〇〇石余(慶長十年指出高)、安芸・備後四九万八〇〇〇石余(福嶋左衛門大夫正則慶長五年指出高・十年指出高)、紀伊三七万四〇〇〇石(浅野紀伊守幸長慶長五年高・十年指出高)、阿波一八万六〇〇〇石余(蜂須賀彦右衛門家政天正十三年高・慶長十年指出高)となっており、このほか肥前・豊前・日向の石高記載もあるが、城地別の記載のみであって、総国高は知ることができない。
 「鉄醤塵蓋抄」の記載はともかく、「国主城主記」の記載の慶長十年高と「御当家雑記」の石高の千石以下の端数を除いたものであることが判明する。
 次に現在知られている国絵図・郷帳の石高と比較すると、摂津国絵図の高頭目録高二九万〇〇六八石六斗に対し、「御当家雑記」の石高は二九万〇九〇二石一斗で、八三三石五斗の差がある。外小物成分は六六八石一斗六升であるからこれとも一致しない。越前国絵図には総高六八万〇三二七石一斗二升とあり、「御当家雑記」の石高の六八万二四五四石とは差がある。周防・長門国絵図には周防六郡高辻一六万四四二〇石二斗一升二合、長門八郡高辻一三万四〇五九石九斗九升一合とあって「御当家雑記」の石高とは全く一致する。また福原家文書「慶長九年御両国物成御下書上ゲ」では、周防・長門両国高は二九万八四八〇石で「御当家雑記」の両国石高合計と一致する。慶長十年八月山内一豊が幕府に録上した土佐国総目録には、高二〇万二六二六石五斗とあり一致する。筑前国絵図の絵図目録記載五〇万二四一六石三斗一合三勺と比較すると、五二万二五一二石四斗と二万石以上の差違がある。慶長十年十月十五日の小豆島絵図の高頭目録の高都合は三一八六石七斗で、「御当家雑記」の石高とこれも一致する。
 以上のように国によっては相違はあるものの、「御当家雑記」の「日本国知行高之覚」の江戸初期高は、ほぼ慶長十年国絵図・郷帳高とみてよいであろう。

現在慶長郷帳は3点しか残っていませんが、活字化された慶長10年の飛騨国の郷帳は『岐阜県史 史料編 近世一』収録の「金森素玄領飛騨国石高帳」で読むことができます。最後の部分を引用すると

三郡之高
 惣都合三万八千七百六拾四石四斗
 内 田方弐万五千四百七拾五石三斗弐升七合
   畑方壱万三千弐百八拾九石七斗三合
 此物成都合壱万弐千百拾五石八斗三升余
               但三ツ一分弐朱八リンニ当ル
慶長拾乙巳季九月日 金森兵部卿法印素玄

ただ村高を並べているだけの元禄郷帳や天保郷帳に比べ、慶長郷帳は各村毎の石高と、田方、畑方の石高、物成(実際の租税収入)を列挙しており、はるかに情報量が多くなっています。さらに上の飛騨国の場合は田方、畑方、物成の記載のみですが、必要に応じて小物成(貨幣納による租税)、寺社領なども記載されました。これらの数字は現存する国絵図にも記載されているそうです(この辺については黒田日出男「江戸幕府国絵図・郷帳管見-1-慶長国絵図・郷帳について」 (『歴史地理』 93(2), pp. 71-94 (1977年))、現存慶長・正保・元禄国絵図の特徴について : 江戸幕府国絵図・郷帳管見(二) (『東京大学史料編纂所報』 15, pp. 1-21 (1980年))等に詳しい説明があります)。

それはともかくとして、慶長3年からわずか7年の慶長10年の段階で、日本全国の石高が1851万石から2217万石と、366万石も増えています。これは新田開発だけでは説明がつかず、検地が徹底したことが最大の原因と言えます。よってこの2217万石を、1600年頃の実際の石高だと考える人も多くいます。

【(3) 寛永国絵図】 「寛永十年巡見使国絵図」
寛永10年(1633年)、江戸幕府が諸国へ巡見使を派遣し徴収した国絵図で、石高は川村博忠編『寛永十年巡見使国絵図日本六十余州図』, 柏書房 (2002年)を私が実際に読んで、書き集めました。尾張国と播磨国に関しては石高が書かれていないので、江戸時代初期高の数字を使って総石高を計算しました。また讃岐国の石高17万1815石に小豆島の石高3186石7斗を加算すると、讃岐国の江戸初期17万5001石7斗と等しくなり、合計の方では小豆島の石高も加算しました。

実際のところ寛永国絵図の石高は江戸時代初期高とほぼ同じで、三河、陸奥、越後、対馬で石高に改訂が見られるほか、誤記か改訂か微妙なもの(摂津、相模、常陸、越中、備後、豊前)が並んでいます。

【(4) 正保郷帳】
これについては後で詳しく説明しますが、用いた資料は

● 和泉清司 『近世前期郷村高と領主の基礎的研究 : 正保の郷帳・国絵図の分析を中心に』, 岩田書院 (2008年)
東京大学史料編纂所所蔵の内務省令写『正保・元禄・天保・明治村高比較表』

の二点です。

一般に江戸時代の過去の石高として引用されているのは、菊地利夫著『新田開発』ですが、この内旧国別石高・村数、あるいは郡国別石高・村数の記述があるのは以下の2つの版で、他の同じ著者による『新田開発』には石高が載っていません。
● 菊地利夫著『新田開発』, 至文堂 (1963年):旧国別石高が掲載されている
● 菊地利夫著『新田開発 - 続 事例編』, 古今書院 (1986年):郡国別石高が掲載されている
両者で一部石高、村数に変更があります。

【(5) 元禄郷帳】
石高は大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」(『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))によります。但し磐城国白川郡の石高修正に伴い、磐城棚倉相馬領分と磐城国の石高に修正を加えてます([80368]参照;なお[80368]で「該当する郡は磐城国白河郡」と書いてしまいましたが、「磐城国白川郡」の間違いです)。郡別石高については[80366][80367][80368][80369][80370][80371][80377]参照。なお元禄郷帳の石高は原則として「表高」です。

【(6) 天保郷帳】
石高は木村礎校訂『旧高旧領取調帳』, 近藤出版社 (1969年~1979年)、近世繪圖地圖資料研究会編『天保郷帳 : 天保五年甲午十二月石高帳 解読篇』, 科学書院 (2009年~2010年)、大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」(『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))などによりますが、原本の実物を国立項公文書館で見ることができます。郡別石高については[76916][76917][76918][76919][76920][76921][76922]参照。なお天保郷帳の石高は「内高」が原則となっているはずなのですが、主だった藩が適当な報告をしていることが様々な研究により分かっています。例えば長州藩の「郷村高帳草案」によると、支藩を含む天保の周防・長門両国の内高は97万0941石8斗1升5合5勺1才と集計していますが、実際に幕府へ報告した内高は、各村毎に一律石高を減じ、寛政4年(1792年)の検地高である89万4282石1斗を報告しています。徳島藩では把握した石高を一割ほどカットし、新田村を無視し、既に消滅した村を含めて適当に村高を分配し、合計がカットした数字と一致するように報告しています(宇山孝人「阿波藩における幕府への報告石高の内実 - 天保郷帳を中心として」 (『徳島県文書館研究紀要』 (3), pp. 14-26 (2002年))参照)。加賀藩も新しい村の報告を怠っていることは、元禄郷帳と旧高旧領取調帳との比較から明らかで、薩摩藩はそもそも正保郷帳の時代から一貫して同じ石高を報告し続け、表高をもって内高であるという建前を貫いています。

【(7) 郡村石高帳】
石高は東京大学史料編纂所所蔵の『郡村石高帳』によりますが、薩摩国・大隅国の石高は『明治八年 共武政表』による修正を加えました([81068]参照)。明治5年(1872年)の石高であることは、[80384][80385]で考察した通りで、郡別石高については[81059][81060][81061][81062][81063][81064][81065][81066][81067][81068]参照。

表にはまとめられませんでしたが、『旧領旧高取調帳』の石高([76816][76817][76818][76819][76820][76821][76822])は、明治3年(1870年)頃の石高の状況を示していると考えられます。

飛騨国の慶長郷帳ついでに『岐阜県史 史料編』を読んだところ、美濃国・飛騨国に関する『旧領旧高取調帳』の原書と思われるものが「明治元年同四年美濃国郡村旧高及所轄沿革取調帳」、「明治元年明治四年飛騨国大野益田吉城郡村々旧高及所轄沿革取調帳」という表書きで岐阜県立図書館に所蔵されているそうで、岐阜県の『旧領旧高取調帳』は、廃藩置県の行われた明治4年(1871年)に前年度の明治3年(1870年)段階での地租の状況をまとめたか、あるいは明治4年(1871年)度までの府藩県三治制下での地租の状況を、明治5年(1872年)以降にまとめたかということになります。
[81123] 2012年 7月 16日(月)17:21:50【1】YT さん
1598年~1872年の旧国別石高の変遷
[81081] オーナーグリグリさん
落書き帳への大量の連続書き込みであり、気になる方もいらっしゃるかと思います。

すみません。郡別データに関しては、[81068]で打ち切りです。

江戸時代の石高のデータとしては、あと慶長郷帳と正保郷帳が残っていますが、現存する慶長郷帳は3ヶ国分、現存する正保郷帳が33ヶ国分36点だけであることから、完全な再現はほぼ不可能です。江戸時代に作成された郷帳・国絵図に関する詳しい説明に関しては、和泉清司「近世初期一国郷帳の研究 - 正保郷帳を中心に」(pdf) (『地域政策研究』, 8(2), pp.1-19 (2005年))に載っています。

とりあえず、1598年から1872年までの旧国別石高については、以下の通りです。旧国別石高については、菊地利夫著『新田開発』, 至文堂 (1963年)、および菊地利夫著『新田開発 - 続 事例編』, 古今書院 (1986年)がよく引用されていますが、正保と明治の数字はかなり不正確です。以下に示す石高は、現時点でもっとも記録された石高に近いものを列挙できたものと思います。

旧国慶長3年江戸初期寛永国絵図正保郷帳元禄郷帳天保郷帳郡村石高帳
山城国225,262.00216,070.700216,070.0215,985.62170224,257.78816230,131.760865222,368.70517
大和国448,945.50444,134.000444,134.0469,380.62460500,497.30868501,361.691560503,686.23676
河内国242,105.80308,857.620308,857.0265,518.42520276,329.82954293,786.634500293,118.58720
和泉国141,512.70138,797.090138,797.0159,628.55800161,692.12640172,847.986000176,190.77610
摂津国356,069.10290,902.100299,902.0380,875.39700392,707.69987417,399.127000416,521.93580
伊賀国100,000.0095,594.10095,594.0100,538.00000100,540.00200110,096.536000110,917.96640
伊勢国567,105.14572,786.900572,786.0658,896.31900621,027.44200716,451.492700714,376.41500
志摩国17,854.9117,849.30017,849.019,290.3260020,061.6410021,470.39800019,279.20300
尾張国571,737.40480,841.700526,493.51000521,480.51800545,875.793000764,774.16620
三河国290,715.00336,000.000350,000.0359,991.68000383,413.44230466,080.746800472,373.71000
遠江国255,160.00268,800.000268,800.0301,404.18624328,651.43658369,552.575180372,546.34901
駿河国150,000.00170,000.000170,000.0191,315.69100237,937.40728250,538.753090251,954.16486
甲斐国227,616.00250,000.000250,000.0234,327.38100253,023.27103312,159.329490312,185.17685
伊豆国69,832.0079,353.00079,353.079,653.2080083,791.2823584,171.29362084,037.20836
相模国194,304.00191,524.000191,920.0206,812.01700258,216.58202286,719.756890289,776.73197
武蔵国667,126.00840,000.000840,000.0989,725.333801,167,862.983391,281,431.0688201,282,000.77090
安房国45,045.0091,779.12091,779.092,641.6800093,886.2102395,736.23907095,641.42350
上総国378,892.00285,300.000285,300.0351,731.00000391,113.95411425,080.453410427,313.77094
下総国393,255.00250,131.000250,140.0444,829.84200568,331.11374681,062.631660687,373.86055
常陸国530,008.00753,600.000752,600.0840,801.82890903,778.458001,005,707.489030921,629.15250
近江国775,379.00832,122.600832,120.0833,636.88300836,829.72078853,095.305590857,849.52528
美濃国540,000.00581,523.000581,523.0628,912.85200645,101.50300699,764.321660729,654.88365
飛騨国38,000.0038,764.40038,764.038,764.4000044,469.2190056,602.30900057,196.05800
信濃国408,358.00547,360.000547,360.0578,406.40500615,818.73754767,788.077600786,950.00098
上野国496,377.00468,000.000468,000.0520,963.87526591,834.44887637,331.633100635,851.10734
下野国374,083.80464,000.000464,000.0618,592.33000681,702.80146769,905.027038758,648.44071
陸奥国1,672,806.001,729,000.0001,822,000.01,900,492.220401,921,934.887452,874,239.0598803,007,005.48628
[会津領分]257,029.00000272,011.81600337,218.127500343,656.44250
[白河三春二本松領分]315,169.00000341,022.55885434,581.248070439,753.20706
[磐城棚倉相馬領分]254,279.16440277,935.46360300,419.556810328,427.89967
[米沢/福島領分]121,186.92500199,867.89900203,825.844500204,216.18405
[仙台領分]745,293.38000600,000.00000992,057.260000994,594.59300
[南部領分]105,065.95100128,000.00000288,874.793000355,370.11100
[津軽領分]102,468.80000103,097.15000317,262.230000340,987.04900
[磐城国]438,137.67540517,082.53095613,924.675660650,488.88237
[岩代国]533,876.92500641,269.51650755,703.961220760,923.54591
[陸前国]506,025.74000398,958.83000697,838.180000700,649.30800
[陸中国]236,452.59400228,520.61400423,134.490000471,842.91200
[陸奥国]129,906.09900136,103.39600383,637.753000423,100.83800
出羽国318,095.00870,000.000870,000.01,124,394.893001,126,248.834401,295,323.5214401,515,446.19503
[米沢領分]196,994.58400193,993.53420216,161.220230337,240.91500
[山形領分]340,883.68800352,513.70720366,147.135970365,370.03946
[新庄領分]42,715.5130051,072.3418062,387.45380084,057.51631
[庄内領分]268,128.71500198,618.39220234,302.356140235,244.72071
[秋田領分]273,542.50500330,050.85900416,325.355300493,533.00355
[羽前国]722,672.69800733,879.23040804,569.693740946,971.30568
[羽後国]399,592.30700392,369.60400490,753.827700568,474.88935
若狭国85,000.0085,099.60085,099.085,460.0889088,281.5224091,018.82220091,767.05810
越前国499,411.00682,654.000682,654.0680,293.30800684,271.80960689,304.819870690,243.61775
加賀国355,570.00442,507.400442,507.0440,399.15000438,281.77000483,665.848700511,716.01839
能登国210,000.00216,891.300216,891.0255,555.71000239,208.79540275,369.990210307,602.82896
越中国380,298.28530,637.300536,037.0660,718.38000611,000.10000808,008.461820899,831.93900
越後国390,770.00450,060.900606,370.0611,960.42700816,775.730771,142,555.5358501,150,567.52359
佐渡国17,030.0020,599.00020,599.024,812.01200130,373.91100132,565.491000135,206.12300
丹波263,887.00280,570.200280,570.0289,829.14600293,445.54740324,136.268670329,465.47386
丹後国110,784.00123,170.200123,170.0123,175.01000145,821.18200147,614.804460148,002.13030
但馬国114,235.00123,960.000123,960.0129,069.75700130,673.23500144,313.084030148,147.75427
因幡国88,500.00131,649.600131,649.0149,742.50000170,728.28900177,844.624000195,632.64500
伯耆国100,947.00175,032.000175,032.0170,257.50000194,416.56700217,990.822280251,069.40700
出雲国186,650.00223,477.100223,477.0253,596.79200282,489.73900302,627.465000320,709.91100
石見国111,770.00137,370.000137,370.0139,242.99100142,499.23500172,209.768320182,136.89850
隠岐国4,980.0011,802.90011,802.011,601.3930012,165.2030012,559.60000012,562.90700
播磨国358,534.00521,300.000554,629.78700568,517.57900651,964.813500660,557.81626
美作国186,018.70227,115.500227,115.0237,630.30000259,353.70100262,099.098000262,333.86400
備前国223,762.00286,200.000286,200.0296,402.00000289,224.71000416,581.854000418,964.53800
備中国176,929.00227,894.800227,894.0236,491.82500324,455.62300363,915.614210371,355.17580
備後国186,150.00238,838.000238,138.0248,015.28700295,678.88800312,054.932000315,876.18155
安芸国194,150.00259,384.900259,384.0267,851.97100269,478.31000310,648.489000314,669.48710
周防国167,820.00164,420.200164,420.0202,787.60000202,787.67000489,428.677000552,160.21518
長門国130,660.00134,059.900134,050.0166,623.40000166,623.64500404,853.333000458,143.48989
紀伊国243,550.00395,247.700395,247.0398,395.45300397,668.01900440,858.377710444,283.13335
淡路国62,104.0063,621.10063,621.070,186.5000070,428.1000097,164.784000136,637.98183
阿波国183,500.00186,753.500186,753.0186,753.58300193,862.28500268,894.329000310,484.46474
讃岐国126,200.00175,001.700171,815.0238,028.33100186,394.04100291,320.256400309,814.75380
伊予国366,200.00381,640.800381,640.0402,538.14200429,163.25854460,997.639340443,321.68842
土佐国98,200.00202,626.500202,626.0254,378.12000268,484.97400330,026.520000510,572.19470
筑前国335,695.00522,512.400522,515.0617,948.27590606,981.42000651,782.278440633,404.63540
筑後国265,998.00302,085.500302,085.5331,490.00000331,497.76900375,588.897800536,742.90265
豊前国140,000.00330,744.644300,740.0231,680.00000273,801.84830368,913.640500366,948.08138
豊後国418,313.00378,592.400378,592.0364,364.52117369,546.79160417,514.227150459,184.41734
肥前国309,935.00561,437.400561,437.0565,655.35960572,284.12310706,470.723196685,116.89762
肥後国341,220.00572,989.000572,989.0617,803.07700563,857.17800611,920.291100851,237.05291
日向国120,088.44288,589.500288,589.0290,180.97300309,954.52817340,128.861790418,142.35665
大隅国175,057.23170,828.100170,828.0170,833.45100170,833.45100170,833.451000263,363.29063
薩摩国283,482.74315,251.700315,251.0315,005.60012315,005.60012315,005.600120323,483.49953
壱岐国0.0015,982.30015,982.017,568.0300018,072.8060032,742.92100032,853.88500
対馬国0.000.0008,163.06,269.715000.000000.0000005,818.11600
琉球国123,711.81348123,711.81348123,711.813480147,024.09296
[大島]32,828.7000032,828.7000032,828.70000052,793.39202
[本琉球]90,883.1134890,883.1134890,883.11348094,230.70094
合計18,509,043.7422,171,689.67422,426,237.924,572,941.7682725,910,641.4180630,558,917.84113932,373,824.45675


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