■国道457号の目標地名について考える
国道457号線上に位置する
重要地・主要地は起点
一関市と終点
白石市、それに
加美町だけです。国土交通省は設置基準を守るように呼びかけていますから、国道457号の行先案内は「↑白石」、「↑加美」、「↑一関」の三つに絞られ、他の地名を表示しなくなる可能性があります。もう既に
仙台市芋沢のこのT字路では国道457号進行方向に「加美」を表示しています。以前はこのあたりの行先名は
「根白石」だったはずですが、根白石ばかりか
大和町をも通り越して加美を表示しているのには驚きました。大和町を意識せずに加美町を意識して走るドライバーは全体の何割に当たるのでしょうか。今に
蔵王山麓のこのあたりにも真っ直ぐ進めば「↑加美」ですよ、と表示されたらどうしよう。それはマニュアルに沿った正しい表示なのですが、ドライバーに強い違和感と戸惑いを感じさせる表示でもあります。
■国道457号の目標地に関する設置基準と実際の運用例
平成19年3月末時点の基準地・重要地・主要地一覧表から判断すると、国道457号の進行方向案内板に表示できる目標地は一関、加美、白石の三ヶ所だけです。この三つで国道457号の行き先を案内するのは無理です。では、実際にはどのような地名が表示されているのか確認してみましょう。白石市内の国道4号を北に向かって走っています。
地点Aにさしかかると直進は国道4号「↑仙台 大河原」、左折は国道457号「←蔵王」の案内板が見えてきました。しょっぱなから「蔵王」という基準外の行先名が出てきます。左折して国道457号の案内板に表示された進行方向の行先名を確認しながら走ります。その結果、
地点Bでは「蔵王」、
地点Cでは「蔵王エコーライン」、
地点Dでは「蔵王エコーライン」、
地点Eでは「遠刈田温泉」、
地点Fでは「遠刈田温泉」、
地点Gでは「山形 エコーライン」、
地点Hでは「山形 青根」、
地点Iでは「仙台 山形」、
地点Jでは「仙台 川崎町内」、
地点Kでは「仙台」、
地点Lでは「秋保 本砂金」、
地点Mでは「秋保」、
地点Nでは「山形 二口」、
地点Oでは「山形」、
地点Pでは「仙台市街 愛子」、
地点Qでは「愛子駅」、
地点Rでは「折立 落合駅」、
地点Sでは「泉中央 折立」、
地点Tでは「小角 折立」、
地点Uでは「小角」、
地点Vでは「加美 赤坂」、
地点Wでは「宮床 小角」、
地点Xでは「加美 小角」、
地点Yでは「泉中央 小角」、
地点Zでは「加美 小角」でした。基準無視のオンパレードですが、これを責めることはできません。基準が実情に合わないのです。
■国道457号の役目について考える
国道457号は岩手県一関市と宮城県白石市を結ぶ補助国道(県管理国道)で延長は約170キロメートルあります。しかし国道4号を利用すると一関から白石までは140キロ足らずで到達します。なので国道457号を走って一関から白石に行く人はいません。それに国道457号線上には大きな都市がありません。しいて挙げれば
加美町中新田と
大和町吉岡ですが、中新田から白石へは途中から国道4号を走った方が早く着くし、吉岡から一関へは最初から国道4号を走った方が早く着きます。つまり国道457号は重要な都市と都市を結ぶ役目をしていないし、さりとて沿線に重要な港湾、空港、観光地があるわけでもありません。いったい国道457号の役目は何なんでしょう。これはあくまで推測ですが、国道457号は国道4号が不測の事態に陥ったときに補佐するバイパスの役目を負うことを名目上の理由として国道に昇格したのではないかと考えるのです。その考えに至る理由の一つは
大衡村でのルート形状です。国道4号にくっつきそうでくっつかない。くっつけるとバイパスにならないから合流させないのではないでしょうか。
■国道457号の突き抜ける力について考える
北に向かう国道4号は白石市で国道113号と交差します。この付近の車輌交通量(日中12時間)は国道113号が約4,000台、国道4号が約15,000台です。国道4号はおよそ4倍の交通量をもって国道113号を突き抜けます。その後も何本かの国県道と交差し合流しながら北上しますが、いずれも圧倒的な交通量の差をもってそれらの道路を突き抜けて行きます。
仙台市苦竹で国道45号と交差します。非常に大きな交通結束集散点ですが、ここでも国道4号は約60,000台の交通量をもって約30,000台の国道45号を突き抜けます。国道4号は他の道路に飲み込まれることなく太い流れの本流として地域を貫いているのです。このような物の見方をした場合、国道457号は地域を貫通する本流とは言いがたく、時には交差する県道が本流で、国道457号はその支流の様相を見せることさえあります。南下して白石に向かう国道457号は
仙台市太白区秋保町長袋で
秋保温泉に向かう県道を分岐します。さて、この交差点で本流はどちらに向かうでしょう。この先、秋保温泉に向かう県道の日中12時間交通量は約4,000台、国道457号は約1,000台になります。この交通量の差からすれば本流は県道で、国道457号は県道の支流です。国道457号は
蔵王町遠刈田温泉でも同じ状況に陥ります。本流は約6,000台の交通量で
東進する県道で、約3,000台で
南下する国道457号はその支流の様相を呈しています。国道457号は細切れの県道を繋ぎ合わせただけの国道ですから突き抜ける力が弱いのです。だから遠くまで到達できません。一関の人はこの道が加美、白石に到達することを意識していないでしょう。
[59593]千本桜
この道路を直進して南に進むと○○に到達しますということで、三つの目標地名が表示してありました。一つは山形、もう一つは作並でした。ではもう一つはどこでしょう。次の中から選んでください。
1・愛子駅 2・陸前落合駅 3・仙台宮城IC 4・仙台 5・県庁市役所 6・松島 7・秋保温泉 8・川崎 9・白石 10・福島
このクイズにお答えくださいました皆様、ありがとうございました。答えは「白石」ですが、不正解でも気になさる必要はありません。
[59593]日本人 さん
1番の 愛子駅 だと自分は思いますがどうでしょう。
良い感覚をしていると思います。今でもあると思いますが数年前、確か
仙台市泉区根白石あたりで国道457号を南に進むと
「愛子」と書かれた案内板を見たことがあります。このあたりでは愛子駅(または愛子)を表示するのが自然と思われます。ただし「↑
山形 作並 愛子駅」だと西方向ばかりになりますから、作並を外して「↑山形 愛子駅 県庁市役所」とする案も考えられますね。このあたりでは県庁市役所を中心とする仙台市街地を目指して走行している人が一番多いのですから。
[59597]じゃごたろ さん
案内標識ネタを多く出している、私に対する挑戦状でしょうか(笑)???
挑戦なんて滅相もございません。間違いなく じゃごたろさんの体力勝です。ですが、地名選択は私にとって茂原 本納なので八女られない登米られない。茂原を「もっぱら」と読むところがミソです。
国道48号で仙台市街地を通過してどこに行くかというと、「松島」ではなかろうか、と。
「松島」を狙ってくるとはなかなかのテクニシャンです。西進の「山形 作並」に対するバランスを重視してきましたね。直江津における「←富山 新潟→」の感覚でしょうか。でも、ここは「県庁市役所」あたりでストップした方が良いかと・・・。
[59598]KAZ-D さん
8の川崎ではないでしょうか。単に457号線上の主要地だからという安直な意見です。
「川崎」は有力な候補だと思います。でも主要地に認定されていないので表示できません。もっと主要地のレベルを下げて愛子駅(または愛子)、秋保町長袋、川崎、青根温泉、遠刈田温泉あたりも認定しないと国道457号の行く先は案内できないと思うのです。ちなみに、問題の
仙台市芋沢から川崎に行く場合は途中から県道に入り
A地点、
B地点を通ると早く到達できます。
[59599]YSK さん
同国道の南の終点である「9・白石」であると思うのですが、「山形」が表記されているので「10・福島」の可能性も捨てきれないですね・・・。
そうなんです。「白石」と表示してありました。これを目の当たりにした時の私の驚きようは、敢えてここに書かなくても理解(共鳴?)していただけるものと思います。
ちなみに、私なら「秋保温泉」か「県庁市役所」、離れてもせいぜい「川崎」くらいまででしょうか。
私もそう思います。国道とは言うものの県道みたいな道路ですから、この程度の距離感覚で捉えるのが妥当でしょう。距離感覚と言うより地域感覚で捉えると言うべきでしょうか。遠近だけでなく雑多なものの積み重なりが決め手になりますからね。
[59602]小松原ラガー さん
「私なら」3.の仙台宮城IC。理由は山形とは反対方向でとりあえずドライバーにとっての目標点になりそうなところだから、としておきましょう。あとは、オーソドックスなのかうけを狙ってなのかよくわかりませんが、国道を道なりに進んだ先ということで8.の川崎、9.の白石。白石だったら4号線経由でも行けるので、オッズ的には川崎を少し上げて、
山形とは反対方向の目標点を選びたくなる気持ちはよく分ります。その場合は「県庁市役所」を表示するのが妥当なようです。国道48号を例にとると
愛子のこの地点で最初の「↑県庁市役所
西道路」が登場し、それ以後は
ここも、
ここも「↑県庁市役所 西道路」で押してきます。それを思えば問題の芋沢の案内板に「県庁市役所」を表示しても容認できる時代になったなと感じるのです。また主要地に認定されているか否かを不問に判断するなら、「川崎」を表示したくなるのはオーソドックスで正常な感覚だと思います。
[59606]花笠カセ鳥 さん
この地点の少し北側仙台市小角にも同じ看板があったはずです。ここの看板も、「白石」だったと記憶しています。ですから、ここも「白石」だと思います。
「白石」で正解です。
小角あたりでも「白石」が表示してありましたか。まだ私はそれを見ていないのですが、事前知識なしでそれを見たらハゲ頭の毛が逆立ってしまうほど驚いたかもしれません。まさかとは思いますが、加美町あたりにも「↑白石」があったらどうしょう。マニュアルに盲従するとそれも起こり得るかもしれませんね。
[59643]桜トンネルさん
解答は9の「白石」ということでよろしくお願いします。
心の中を読まれてしまったようで恥ずかしい。確かに「白石」と書いてありました。現在の案内板設置基準に従えば「↑山形 作並 白石」と表示して正しいのです。でも私は非常に違和感を覚えます。制度上の国道457号は一関を発して白石に到達しますが、実際に国道457号づたいに白石へ行く人は皆無でしょう。管理者は国道457号の先に白石を意識しても、利用者はその先に白石があることを意識していないのです。管理者側と利用者側には意識の乖離があります。ちなみに、仙台市芋沢から白石へは
C地点、
D地点、
E地点、
F地点を経由するのが一般的だと思います。ただし、お金があるのに時間がない人は高速道路を利用します。
[59645]リトルさん
6・松島、一見、観光者にも親切な地名ですが、逆に、北上して県道(35)を使って「泉中央」「岩切」を通って行けるのでパス。
よって、5・県庁市役所と思います。
仙台市芋沢を南下した国道457号は向きを西に変えて山形方向に進みます。まるで仙台市街に向かわせたくないようなルート形状です。もし、国道457号が国道4号のバイパス的役割を負っているという私の推理が当たっているなら、仙台市街に向かわせたくないという推察も成り立つわけです。しかし、そのような行政の思惑とは裏腹にドライバーはどんどん仙台市街へ進んで行きます。現在、案内板は「↑山形 作並 白石」を表示していますが、作並と白石を消去し、愛子駅と県庁市役所を挿入して「↑山形 愛子駅 県庁市役所」とした方が良いのではないかと私は思います。