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都道府県境

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記事数=27件/更新日:2011年9月11日

落書き帳において、都道府県境【省略して県境と記す場合もあります】は 人気のあるテーマです。

2008年の湯瀬オフ会は、十和田湖分割による 「青森/秋田県境確定」を記念して、秋田県で開かれました。
2009年の岡山オフ会に先立ち、有志による 「岡山/香川県境・石島/井島」の探検 が行なわれました。
言うまでもなく、石島は 2県にまたがる島 の中で唯一の有人島として有名な存在です。
2010年の筑波山オフ会の後では、渡良瀬遊水地付近にある 栃木/群馬/埼玉三県境の訪問に 多数が参加しました。
大部分が山頂、平野でも川の合流点が多い中で、ここは全国随一のアクセスの良さを誇る田園中の三県境です。

今回の特集は、サブテーマにより、次のように分けました。
最初は、県境に関する基礎データ編です。
先ず、futsunoおじ さんが 2004年にまとめてくれた 三県境記事と、平成合併後の市町村データによる その新版です。
44箇所の三県境の 大部分を占めるのは 山頂ですが、標高だけでなく、登山道などのアクセス情報、3県を流れ下る 川の名(旧版)なども含む 工夫された仕立てになっています。
三県境点の一覧表 は、県境の交通路コレクションの末尾にもあります。

2つ目の基礎データは、グリグリさんによる「都道府県隣接数」です。
8県に隣接する長野県や、県境のない沖縄県はよく知られた存在です。
隣接1の長崎県は、地理的に 日本の中で特異な存在であることを示しています。
都道府県の「隣接数」は、本土の陸上隣接だけを考えれば 86組になりますが、離島【瓢箪島と井島の香川県側は無人】や、架橋・海底トンネルによる隣接 合計6組を含めると、92組になります。

青函トンネルや 東京湾アクアラインのように、【保守点検作業員は別として】普通の人が「歩いて渡れない」交通路によって結ばれた都道府県を 「隣接」と言うべきか否かは 議論があります。
しかし、公海である津軽海峡の地下でさえ、公式の境界が設定されているので、これは「隣接」と言ってよいのでしょう。

海上及び海底の県境を巡る議論は、別特集の自治体の海上境界 を御覧ください。

海上の航路となると、更に隣接から遠くなります。
しかし、航路・架橋・トンネルにより結ばれた人や物の流動は、両側の県の経済活動にとっては、やはり無視できないものがあると思われます。

航路や海上架橋・海底トンネルによる県境越えや、県境を超越した産業活動、宗教活動などを含む、個別事例に言及した記事。
県境に関する基礎データと、それについてのコメントの後に、県境越え【鉄道は別特集】を含む個別事例記事を収録しました。

県境に関しては、別に次の特集があります。
県境の交通路
利根川と国境・県境との関係
渡良瀬遊水地−4県が集まる境界地域
両白山地の三県境と大野

★推奨します★(元祖いいね) グリグリ

記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[31626]2004年8月9日
futsunoおじ
[31627]2004年8月9日
futsunoおじ
[76741]2010年11月11日
futsunoおじ
[76742]2010年11月11日
futsunoおじ
[40541]2005年5月3日
グリグリ
[40542]2005年5月3日
88
[46748]2005年11月19日
88
[52454]2006年7月19日
グリグリ
[46735]2005年11月19日
まかいの
[46783]2005年11月20日
いっちゃん
[47088]2005年12月3日
いっちゃん
[66785]2008年9月16日
hmt
[66799]2008年9月17日
hmt
[28606]2004年5月25日
hmt
[66904]2008年10月2日
hmt
[68565]2009年2月7日
k-ace
[68639]2009年2月19日
futsunoおじ
[68653]2009年2月21日
k-ace
[46750]2005年11月19日
LFB
[66061]2008年8月16日
hmt
[68760]2009年3月4日
hmt
[68955]2009年3月21日
hmt
[69065]2009年3月30日
hmt
[69172]2009年4月10日
hmt
[73602]2010年1月3日
hmt
[75152]2010年5月21日
hmt
[79063]2011年8月12日
hmt

[31626] 2004年 8月 9日(月)23:07:03futsunoおじ[sutekinaおじ] さん
三県境(その1)
 現代版三国境ということで、三県境をまとめてみました。
 三県境(正確に言うと三都府県境)は、その近くにある顕著な山などを基準に、三県境の位置を示します。
 ”・”付きの県名は基準となる山が属しているまたは、境界にあることを示します。(三角点等の位置を基準。)
 ”三国”と名の付く山には、旧国名をつけました。
 位置の標高は可能な限り入れました。方向、距離は三国境との間を示します。
 合併予定市町村については合併時期と新自治体名の両方が「市町村合併情報」(でるでるさん編集)に掲載されている場合のみ
記載しました。ただし合併後もその場所の市町村名を引き継ぐ場合は、その記載は原則省略としました。
 ”→”は三県境から発生し、海に注ぐ川の名称です。大きな支流は記載しました。河川名称が途中で変わる場合、”=”で表示
しました。”<源流>”は河川本流の源流であることを意味します。
 三県境を水面とした中に、厳密には水面でない所もありますが、県境設定時は河川水路を基準にしたものと解釈しました。
 かなり焦って作りましたので、間違いその他ありましたらお知らせ下さい。


1[山] 四角岳(しかくだけ、よすみだけ)標高1003m 東方100m map
  山頂に3県の方向を示す標識が。 眺望は360度。
 青森県 田子町(たっこまち)→馬淵川
・ 岩手県 安代町(あしろちょう)→米代川
・ 秋田県 鹿角市       →米代川

2[山] 栗駒山 標高1627m 西方1.3km  map
  温泉、高山植物と残雪、大展望の山。
・ 岩手県 一関市       →北上川
・ 宮城県 花山村 (05/4予・栗原市)→北上川
 秋田県 東成瀬村      →雄物川

3[山] 軍沢岳( いくさざわだけ) 標高1194m 南方400m map
  三県境の宮城県側、軍沢川の先に鬼首温泉郷。温泉名に荒湯地獄、片山地獄など。
 宮城県 鳴子町(05/3予・大崎市)→北上川
・ 秋田県 雄勝町(05/3予・湯沢市)→雄物川
・ 山形県 最上町       →最上川

4[山] 龍ヶ岳 標高994m 南方200m map
  牧草地を登って1時間半で頂上へ。山形側、飯豊・朝日連峰の眺めがすばらしい。
・ 宮城県 七ヶ宿町(しちかしゅくまち)→阿武隈川
・ 山形県 高畠町      →最上川
 福島県 福島市      →阿武隈川

5[山]御西岳 標高2013m 西方400m map
  三国岳から飯豊山の先まで7kmの稜線は福島県に所属。右に落ちれば山形県、左に落ちれば新潟県。([24052],[10531]
・ 山形県 小国町      →荒川
・ 福島県 山都町      →阿賀川 =阿賀野川
 新潟県 新発田市     →加治川

5(参考)[山]三国岳<羽前・会津・越後> 標高1644m  map (上の三県境は普通に考えると、このようになる。)
 山形県 飯豊町      →最上川
・ 福島県 山都町      →阿賀川 =阿賀野川
・ 新潟県 鹿瀬町(05/4予・阿賀町)→阿賀野川

6[山] 八溝山(やみぞさん)標高1022m 西北西850m map
  茨城県の最高峰。山頂そばまで車道あり。
・ 福島県 棚倉町      →<源流>久慈川
・ 茨城県 大子町      →久慈川
 栃木県 黒羽町(05/10予・大田原市)→那珂川

7[山] 黒岩山 標高2163m 北方220m map
  奥鬼怒沼から尾瀬へ行く道は、黒岩山の山腹を通過。このため頂上へは道のない所を登る。展望は良いようである。
 福島県 檜枝岐村     →只見川・阿賀野川
・ 栃木県 栗山村(05/10予・日光市)→鬼怒川・利根川
・ 群馬県 片品村      →片品川・利根川

8[-] 尾瀬ヶ原 標高約1400m map →只見川・阿賀川 =阿賀野川
  三県境はヨッピ川と沼尻川の合流点付近。湿地帯であった尾瀬ヶ原は、徐々に乾燥化が進んでいる様子。
 福島県 檜枝岐村
 群馬県 片品村
 新潟県 湯之谷村(04/11予・魚沼市)


9[水面] 渡良瀬川 (標高約11m) map →利根川
  渡良瀬川は皇海山2143.5m を水源とし、両毛地域を縦断する利根川水系最大の支流。
 茨城県 古河市
 栃木県 藤岡町
 埼玉県 北川辺町(05/5予・東埼玉市)

10[水面] 江戸川 (標高約9m) map
  江戸時代以前は太井川と呼ばれ、渡良瀬川の下流部分であった。
 茨城県 五霞町(ごかまち)
 埼玉県 幸手市
 千葉県 野田市

11[水面] 渡瀬第一貯水池そば標高(標高約11m) map →利根川
  渡瀬第一貯水池(谷中湖)は、重機で堀上げた人造湖で渡良瀬遊水地の一部。
 栃木県 藤岡町
 群馬県 板倉町
 埼玉県 北川辺町(05/5予・東埼玉市)

12[山] 三国山<上野・武蔵・信濃> 標高1834m 北方30m map
  1985/8/12.日航機墜落で知られた御巣鷹山は北西4km。
 群馬県 上野村      →利根川
・ 埼玉県 大滝村(05/4予・秩父市)→荒川
・ 長野県 川上村      →千曲川 =信濃川

13[山] 白砂山 標高2140m 東方220m map
  野反湖から流れ出る水は群馬・長野・新潟を通る中津川から信濃川に注ぐ。
・ 群馬県 六合村(くにむら))→吾妻川・利根川
 新潟県 湯沢町      →信濃川
・ 長野県 栄村       →信濃川

14[水面] 江戸川 (標高約9m)  map
  水源は利根川と同じ群馬県大水上山 1,840m。
 埼玉県 三郷市
 千葉県 松戸市
 東京都 葛飾区

15[山] 雲取山 標高2017m 南方60m map
  東京都の最高峰。四方から登山道。
・ 埼玉県 大滝村(05/4予・秩父市)→荒川
・ 東京都 奥多摩町     →多摩川
 山梨県 丹波山村     →多摩川

16[山] 甲武信岳 標高2475m 頂上 map
  「甲・武・信」の名称と頂上から始まる三本の川で知られる。北隣の三宝山2483.3m の方が高い
・ 埼玉県 大滝村(05/4予・秩父市)→<源流>荒川
・ 山梨県 三富村      →笛吹川・富士川
・ 長野県 川上村      →<源流>千曲川 =信濃川

17[山] 三国峠<武蔵・相模・甲斐> 標高960m map(近くには生藤山 990m)
  稜線沿いの東方向にある陣馬山・高尾山は人が列をなしているが、それと比べると静か。
・ 東京都 檜原村(ひのはらむら)→多摩川
・ 神奈川県 藤野町      →相模川
・ 山梨県 上野原町     →相模川

18[山] 三国山<相模・甲斐・駿河> 標高1320m 頂上 map(東方500mの1343mが、頂上かもしれない。)
  富士の展望台。北東へ丹沢方面の縦走路。
・ 神奈川県 山北町      →酒匂川
 山梨県 山中湖村     →相模川
・ 静岡県 小山町      →酒匂川


19[山] 三国境<越後・越中・信濃> 標高2751m  map(白馬岳から1km。)
  新潟・富山県境には日本海の砂浜まで達する道がある。
・ 新潟県 糸魚川市     →姫川
・ 富山県 朝日町      →黒部川
・ 長野県 白馬村      →姫川

20[山] 笈ヶ岳(おいずるがたけ)標高1841m 頂上 map
  修験者が笈を担いで登ったとされる。今は登山道がない。
・ 富山県 上平村(04/11予・南栃市)→庄川
・ 石川県 吉野谷村(05/2予・白山市)→手取川
・ 岐阜県 白川村      →庄川

21[山] 三俣蓮華岳 標高2841m 頂上 map
  北アルプスの大三叉路。西へ行くと立山・剣岳。東は針木岳・白馬岳。南は槍ヶ岳・穂高岳へ続く。
・ 富山県 大山町      →黒部川
・ 長野県 大町市      →犀川・千曲川 =信濃川
・ 岐阜県 上宝村(05/2予・高山市)→高原川・神通川

22[山] 三ノ峰 標高2128m 南方300m map
  上部にはお花畑が。白山の展望がすばらしい。
・ 石川県 白峰村(05/2予・白山市)→手取川
 福井県 大野市      →九頭竜川
・ 岐阜県 荘川村(05/2予・高山市)→庄川

23[山] 三国岳<越前・美濃・近江> 標高1209m 頂上 map
  北東2kmにある夜叉ヶ池には龍神伝説。
・福井県 今庄町(05/1予・南越前町)→日野川・九頭竜川
・岐阜県 坂内村(05/1予・揖斐川町)→揖斐川・(木曽川)
・滋賀県 余呉町(よごちょう)  →淀川

24[山] 三国岳<若狭・近江・丹波> 標高776m map
  丸い山頂で360度の展望。京都・福井側は原生林が美しい。
 福井県 名田庄村     →南川
 滋賀県 朽木村(05/1予・高島市)→淀川
・ 京都府 美山町      →由良川
[31627] 2004年 8月 9日(月)23:10:01futsunoおじ[sutekinaおじ] さん
 三県境(その2)
 三県境の続きです。

25[山] 三峰岳 標高2999m 西方50m(標高約2980m) map
  三県境としては日本最高高度。頂上に立てば、お腹のあたりが標高3000m。
・ 山梨県 南アルプス市  →富士川
 長野県 長谷村      →天竜川
・ 静岡県 静岡市      →<ほぼ源流>大井川

26[山] 三国岳<信濃・美濃・三河> 標高1162m 東方60m map
  愛知側山頂近くは牧場。長野側には柱状節理の亀甲岩。
 長野県 根羽村      →矢作川
・ 岐阜県 上矢作町(04/10予・恵那市)→矢作川
 愛知県 稲武町(05/4予・豊田市)→矢作川

27[水面] 天竜川(標高245m) map(飯田線 小和田駅付近)
  三遠南信 ・・・愛称の「SAN圏域」(さんけんいき)は、S…静岡 A…愛知 N…長野 の頭文字をとり、
  3(さん)・太陽(SUN)をイメージしています(SAN圏域H.P.より)
 長野県 天龍村
 静岡県 水窪町(05/7予・浜松市)
 愛知県 富山村

28[水面]  長良川(標高0m) map →揖斐川・(木曽川)
  揖斐川・長良川・木曽川の合わさるところ。「輪中」とよばれる低湿地地域。
 岐阜県 海津町(05/3予・海津市)
 愛知県 立田村(05/4予・愛西市)
 三重県 長島町(04/12予・桑名市)

29[山] 三国岳<美濃・伊賀・近江> 標高815m 北方80m map
  鈴鹿山脈の主稜線。展望はあまり期待できない。
 岐阜県 上石津町     →揖斐川・(木曽川)
・ 三重県 いなべ市     →員弁川
・ 滋賀県 多賀町(05/2予・彦根市)→淀川

30[山] 三国塚<伊賀・近江・山城> 標高628m map (又は三国境、三国越。 丘状の山稜)
  「畿央高原(三重・滋賀・京都・奈良)に国会等移転を推進する議員連盟」がある。地元選出与野党議員が顔を揃える。
 三重県 島ヶ原村(04/11予・伊賀市)→木津川・淀川
 滋賀県 信楽町(04/10予・甲賀市)→木津川・淀川
 京都府 南山城村     →木津川・淀川

31[-](名称不明)標高約280m map (山間の平坦地に近い)
  4つの自治体が交差する唯一の三(府)県境。周囲はゴルフ場が多い。
 三重県 島ヶ原村、上野市(ともに04/11予・伊賀市)→木津川・淀川
 京都府 南山城村     →木津川・淀川
 奈良県 月ヶ瀬村(05/4予・奈良市)→木津川・淀川

32[水面] 北山川 (標高約30m) map →新宮川
  三重・奈良県境に和歌山県の飛び地。飛び地になっている県の側が不便かと思ったが逆かな?
 三重県 紀和町
 奈良県 十津川村
 和歌山県 熊野川町

33[山] 深山 標高791m 北西700m map
  武庫川と加古川は、上流部の平坦地でつながっており、そこに流れ込む支流は、状況によりどちらかに流れる。
・ 京都府 園部町      →淀川
・ 大阪府 能勢町      →武庫川
 兵庫県 篠山市      →加古川

34[山] 三国境<山城・河内・大和> 標高約290m map(顕著な分水嶺はない)
  京阪奈丘陵に、関西文化学術研究都市。(現在約70施設)
 京都府 京田辺市     →木津川・淀川
 大阪府 枚方市      →淀川
 奈良県 生駒市      →大和川

35[山] 行者杉峠 標高709m  map
  小広い台地状の峠には杉の老木が茂り、役ノ行者を祀る祠が立っている。
 大阪府 河内長野市    →大和川
 奈良県 五條市      →紀ノ川
 和歌山県 橋本市     →紀ノ川


36[山] 江浪峠 標高1100m 西方150m(標高1120m) map
  3県境の岡山県沿いの稜線には道がある。江浪峠は今は使われてない様子。
・ 兵庫県 千種町(05/3予・宍粟市)→千種川
・ 鳥取県 若桜町(05/3予・八頭町)→千代川
 岡山県 西栗倉村     →吉井川

37[山] 三国山<伯耆・出雲・備後> 標高1004m 北方60m map (旧名、室原山)
  展望は良い。三国界に埋もれかけた石積みの境界線が延びる。
・ 鳥取県 日南町      →<源流>日野川
 島根県 横田町      →斐伊川
・ 広島県 西城町(05/3予・庄原市)→江の川

38[山] 三国山<伯耆・備中・備後> 標高1129m 南西50m map
  登山道は岡山側からしかない。
・ 鳥取県 日南町      →日野川
・ 岡山県 神郷町(05/3予・新見市)→高梁川
 広島県 東城町(05/3予・庄原市)→高梁川

39[山] 冠山 標高1339m 西方750m  map (約1300mの山)
  北側に懸崖。一等三角点があるが展望は良くない。
 島根県 匹見町(04/11予・益田市)→高津川
・ 広島県 廿日市市     →<源流>太田川
 山口県 錦町(05/2予・岩国市)→門前川

40[山] (山名不明)標高595.1m  map (曼陀トンネル700m西方)
  “四国のみち”は“遍路道”をできるだけ活用し、・・・地域に散在する様々な歴史・文化・自然を・・・(国交省H.P.より)
・ 徳島県 池田町      →吉野川
・ 香川県 大野原町(05/10予・観音寺市)→柞田川
 愛媛県 四国中央市    →吉野川

41[山] 三傍示山 標高1157.8m 南方200m map
  西にある笹ヶ峰は、参勤交代の峠道。今は真下を自動車トンネルが通る。
・ 徳島県 山城町      →吉野川
・ 愛媛県 四国中央市    →吉野川
 高知県 大豊町      →吉野川

42[山] 三国山<筑後・肥後・豊後> 標高994m 頂上 map
  山頂にわずかな自然林が残る。三国が見渡せる。
・ 福岡県 矢部村      →<源流>矢部川
・ 熊本県 菊鹿町(05/1予・山鹿市)→菊池川
・ 大分県 中津江村(05/3予・日田市)→筑後川

43[山] 国観峠 標高1486m 西1.0km(標高約1480m) map(南東には祖母山 1756m)
  祖母山は昔、九州第1の高峰とされた。
 熊本県 高森町      →大野川
・ 大分県 竹田市      →大野川
・ 宮崎県 高千穂町     →<源流>大野川

44[水面] 球磨川の支流、桑木津留川水面(標高約510m) map
  日の当たらない3県境?
 熊本県 人吉市
 宮崎県 えびの市
 鹿児島県 大口市
[76741] 2010年 11月 11日(木)21:53:36futsunoおじ さん
三県境点のまとめ[第7回オフ会記念版](その1)
三県境点を[31626][31627]にまとめてから早いもので6年が過ぎてしまいました。この間「平成の大合併」の進展による市町村の変更も数多く生じましたので新たな市町村名による「第7回オフ会記念版」として新たにまとめてみました。
内容は少し簡潔なものにしましたが、“[ ]”内に三県境点到達の可能性を少し探してみました。
”・”付きの県名は基準となる山が属しているまたは、境界にあることを示します。(三角点等の位置を基準。) なお飛び地の三県境点についてはこの中に含めていません。
三県境点位置の市町村名称が平成大合併後に変更になったものは“★”,合併したが名称は不変のものは“☆”を付けました。

栃木-群馬-埼玉の三県境点(渡瀬第一貯水池そば)は山を登ったり川を泳いだり(?)することなく車でそのまま行ける唯一の特異な場所であることがわかります。茨城-栃木-埼玉(渡良瀬川),茨城-埼玉-千葉(江戸川)はともに川の真ん中にあるという印象です。


1[山] 四角岳(しかくだけ、よすみだけ)標高1003m (東方100m地点、標高1000m)[登山道あり]
 青森県 田子町
・ 岩手県 ★八幡平市
・ 秋田県 鹿角市

2[山] 栗駒山 標高1627m (西方1.3km地点、標高1560m)[登山道あり]
・ 岩手県 ☆一関市
・ 宮城県 ★栗原市
 秋田県 東成瀬村

3[山] 軍沢岳( いくさざわだけ) 標高1194m (南方400m地点、標高1110m)[道がなく困難]
 宮城県 ★大崎市
・ 秋田県 ★湯沢市
・ 山形県 最上町

4[山] 龍ヶ岳 標高994m (南方250m地点、標高970m)[登山道あり]
・ 宮城県 七ヶ宿町
・ 山形県 高畠町
 福島県 ☆福島市

5[山]御西岳 標高2013m (西方500m、標高1970m)[登山道あり]
・ 山形県 小国町
・ 福島県 ★喜多方市
 新潟県 ☆新発田市

※(参考:上の三県境は普通に考えると、このようになる。)
 [山]三国岳<羽前・会津・越後> 標高1644m[登山道あり]
 山形県 飯豊町
・ 福島県 ★喜多方市
・ 新潟県 ★阿賀町

6[山] 八溝山(やみぞさん)標高1022m (西北西850m地点、標高880m)[登山道あり]
・ 福島県 棚倉町
・ 茨城県 大子町
 栃木県 ★大田原市

7[山] 黒岩山 標高2163m (北方240m地点、標高2140m)[道がなく困難]
 福島県 檜枝岐村
・ 栃木県 ★日光市
・ 群馬県 片品村

8[-] 尾瀬ヶ原 標高1390m[道がなく困難](植生保護のため指定された道以外は立ち入り禁止)
 福島県 檜枝岐村
 群馬県 片品村
 新潟県 ★魚沼市

9[川] 渡良瀬川 (標高?m)[水面]
 茨城県 ☆古河市
 栃木県 ★栃木市
 埼玉県 ★加須市

10[川] 江戸川 (標高?m)[水面]
 茨城県 五霞町
 埼玉県 幸手市
 千葉県 ☆野田市

11[道路] 渡瀬第一貯水池そば(標高約5m)[車道の脇]
 栃木県 ★栃木市
 群馬県 板倉町
 埼玉県 ★加須市

12[山] 三国山<上野・武蔵・信濃> 標高1834m [道がなく困難(踏み跡程度)]
 群馬県 上野村
・ 埼玉県 ★秩父市
・ 長野県 川上村

13[山] 白砂山 標高2140m (東方230m地点、標高2120m)[登山道あり]
・ 群馬県 ★中之条町
 新潟県 湯沢町
・ 長野県 栄村

14[川] 江戸川 (標高?m) [水面]
 埼玉県 三郷市
 千葉県 松戸市
 東京都 葛飾区

15[山] 雲取山 標高2017m (南方70m地点、標高2000m)[登山道あり]
・ 埼玉県 ★秩父市
・ 東京都 奥多摩町
 山梨県 丹波山村

16[山] 甲武信岳 標高2475m 頂上[登山道あり]
・ 埼玉県 ★秩父市
・ 山梨県 ★山梨市
・ 長野県 川上村

17[山] 三国峠<武蔵・相模・甲斐> 標高960m 頂上[登山道あり]
・ 東京都 檜原村
・ 神奈川県 ★相模原市
・ 山梨県 ★上野原市

18[山] 三国山<相模・甲斐・駿河> 標高1320m 頂上 [登山道あり]
・ 神奈川県 山北町
 山梨県 山中湖村
・ 静岡県 小山町

19[山] 三国境<越後・越中・信濃> 標高2751m [登山道あり]
・ 新潟県 ☆糸魚川市
・ 富山県 朝日町
・ 長野県 白馬村

20[山] 笈ヶ岳(おいずるがたけ)標高1841m (北方80m地点、標高1810m)[道がなく困難]
 富山県 ★南栃市
・ 石川県 ★白山市
・ 岐阜県 白川村

21[山] 三俣蓮華岳 標高2841m [登山道あり]
・ 富山県 ★富山市
・ 長野県 ☆大町市
・ 岐阜県 ★高山市

22[山] 三ノ峰 標高2128m (南方300m地点、標高2070m)[登山道あり]
・ 石川県 ★白山市
 福井県 ☆大野市
・ 岐阜県 ★高山市

23[山] 三国岳<越前・美濃・近江> 標高1209m[登山道あり]
・福井県 ★南越前町
・岐阜県 ★揖斐川町
・滋賀県 ★長浜市

24[山] 三国岳<若狭・近江・丹波> 標高776m(北方80m地点、標高760m)[登山道あり]
 福井県 ★おおい町
 滋賀県 ★高島市
・ 京都府 ★南丹市
[76742] 2010年 11月 11日(木)21:54:45futsunoおじ さん
三県境点のまとめ[第7回オフ会記念版](その2)
三県境点の続きです。

25[山] 三峰岳 標高2999m (北方50m地点、標高2960m)[登山道あり]
 山梨県 ★南アルプス市
・ 長野県 ★伊那市
・ 静岡県 ★静岡市葵区

26[山] 三国岳<信濃・美濃・三河> 標高1162m (東方70m地点、標高1160m)[登山道あり]
・ 長野県 根羽村
・ 岐阜県 ★恵那市
 愛知県 ★豊田市

27[川] 天竜川(標高250m)[水面](飯田線 小和田駅付近)
 長野県 天龍村
 静岡県 ★浜松市天竜区 
 愛知県 ★豊根村

28[川]  長良川(標高0m)[水面]
 岐阜県 ★海津市
 愛知県 ★愛西市
 三重県 ★桑名市

29[山] 三国岳<美濃・伊賀・近江> 標高815m (北方70m地点、標高880m)[登山道あり]
 岐阜県 ★大垣市
・ 三重県 ★いなべ市
・ 滋賀県 多賀町

30[山] 三国塚<伊賀・近江・山城> 標高628m(南東120m地点、標高610m)[登山道あり](又は三国境、三国越)
 三重県 ★伊賀市
 滋賀県 ★甲賀市
 京都府 南山城村

31[-](名称不明)標高約280m[道は不明](山間の平坦地に近い)
 三重県 ★伊賀市
 京都府 南山城村
 奈良県 ★奈良市

32[川] 北山川 (標高約30m)[水面]
 三重県 ★熊野市
 奈良県 十津川村
 和歌山県 ★新宮市

33[山] 深山 標高791m (北西700m地点、標高730m)[登山道あり]
・ 京都府 ★南丹市
・ 大阪府 能勢町
 兵庫県 ★篠山市

34[山] 三国境<山城・河内・大和> 標高約290m[近くまでは道あり]
 京都府 京田辺市
 大阪府 枚方市
 奈良県 生駒市

35[山] 行者杉峠 標高709m[登山道あり]
 大阪府 河内長野市
 奈良県 ☆五條市
 和歌山県 ☆橋本市

36[山] 江浪峠 標高1100m (西方150m地点、標高1120m)[手入がない道]
・ 兵庫県 ★宍粟市
・ 鳥取県 若桜町
 岡山県 西栗倉村

37[山] 三国山<伯耆・出雲・備後> 標高1004m (北方70m地点、標高990m)[道がなく困難]
・ 鳥取県 日南町
 島根県 ★奥出雲町
・ 広島県 ★庄原市

38[山] 三国山<伯耆・備中・備後> 標高1129m[登山道あり]
・ 鳥取県 日南町
・ 岡山県 ★新見市
 広島県 ★庄原市

39[山] 寂地山の東 標高1300m [登山道あり]
 島根県 ★益田市
・ 広島県 ★廿日市市
 山口県 ★岩国市

40[山] (山名不明)標高595.1m[踏み跡程度はありそう]
・ 徳島県 ★三好市
・ 香川県 ★観音寺市
 愛媛県 ★四国中央市

41[山] 三傍示山 標高1157.8m (南方200m地点、標高1130m)[登山道あり]
・ 徳島県 ★三好市
・ 愛媛県 ★四国中央市
 高知県 大豊町

42[山] 三国山<筑後・肥後・豊後> 標高994m 頂上[登山道あり]
・ 福岡県 ★八女市
・ 熊本県 ★山鹿市
・ 大分県 ★日田市

43[山] 国観峠 標高1486m (西1.0km地点、標高約1480m)[登山道あり]
 熊本県 高森町
・ 大分県 ☆竹田市
・ 宮崎県 高千穂町

44[川] 球磨川の支流、桑木津留川水面(標高約510m)[詳細は不明]
 熊本県 人吉市
 宮崎県 えびの市
 鹿児島県 ★伊佐市


三県境点44箇所の「到達の可能性」参考調査の内訳は、車道の脇:1箇所、水面:6箇所、登山道あり:26箇所、その他(困難・不明等):11箇所 ということになりました。
[40541] 2005年 5月 3日(火)08:07:39【6】オーナー グリグリ
「都道府県隣接数」ランキング
これはいずれ雑学にしたいと考えているのですが、考え事をしていたついでにまとめてみました。

まず、島のみによる隣接例は以下の二例です。

岡山県・香川県大槌島, 井島(石島)
広島県・愛媛県瓢箪島

次に、架橋または海底トンネルでのみの隣接例は以下の六例です。☆は島のみの隣接と重複します。

北海道・青森県青函トンネル
千葉県・神奈川県東京湾アクアライン
兵庫県・徳島県大鳴門橋
☆岡山県・香川県下津井瀬戸大橋
☆広島県・愛媛県多々羅大橋, 岡村大橋
山口県・福岡県関門鉄道トンネル, 関門国道トンネル, 新関門トンネル, 関門橋

さて、その上で都道府県の隣接数の定義ですが、陸地での隣接に拘りたいと考えます。海底トンネルなども広義では陸地の隣接とも言えそうですが、今のところは島による隣接までを定義とさせてください。その結果が以下のランキングになります。( )内は架橋・海底トンネルによる隣接も考慮した場合です。

都道府県隣接数隣接する都道府県
1長野県8群馬県,埼玉県,新潟県,富山県,山梨県,岐阜県,静岡県,愛知県
2埼玉県7茨城県,栃木県,群馬県,千葉県,東京都,山梨県,長野県
岐阜県7富山県,石川県,福井県,長野県,愛知県,三重県,滋賀県
4福島県6宮城県,山形県,茨城県,栃木県,群馬県,新潟県
三重県6岐阜県,愛知県,滋賀県,京都府,奈良県,和歌山県
京都府6福井県,三重県,滋賀県,大阪府,兵庫県,奈良県
7群馬県5福島県,栃木県,埼玉県,新潟県,長野県
新潟県5山形県,福島県,群馬県,富山県,長野県
山梨県5埼玉県,東京都,神奈川県,長野県,静岡県
広島県5鳥取県,島根県,岡山県,山口県,愛媛県
11宮城県4岩手県,秋田県,山形県,福島県
秋田県4青森県,岩手県,宮城県,山形県
山形県4宮城県,秋田県,福島県,新潟県
茨城県4福島県,栃木県,埼玉県,千葉県
栃木県4福島県,茨城県,群馬県,埼玉県
東京都4埼玉県,千葉県,神奈川県,山梨県
富山県4新潟県,石川県,長野県,岐阜県
福井県4石川県,岐阜県,滋賀県,京都府
静岡県4神奈川県,山梨県,長野県,愛知県
愛知県4長野県,岐阜県,静岡県,三重県
滋賀県4福井県,岐阜県,三重県,京都府
大阪府4京都府,兵庫県,奈良県,和歌山県
兵庫県4(5)京都府,大阪府,鳥取県,岡山県,(徳島県)
奈良県4三重県,京都府,大阪府,和歌山県
鳥取県4兵庫県,島根県,岡山県,広島県
岡山県4兵庫県,鳥取県,広島県,香川県
愛媛県4徳島県,香川県,高知県,広島県
熊本県4福岡県,大分県,宮崎県,鹿児島県
29岩手県3青森県,宮城県,秋田県
千葉県3(4)茨城県,埼玉県,東京都,(神奈川県)
神奈川県3(4)東京都,山梨県,静岡県,(千葉県)
石川県3富山県,福井県,岐阜県
和歌山県3三重県,大阪府,奈良県
島根県3鳥取県,広島県,山口県
徳島県3(4)香川県,愛媛県,高知県,(兵庫県)
香川県3徳島県,愛媛県,岡山県
福岡県3(4)佐賀県,熊本県,大分県,(山口県)
大分県3福岡県,熊本県,宮崎県
宮崎県3熊本県,大分県,鹿児島県
40青森県2(3)岩手県,秋田県,(北海道)
山口県2(3)島根県,広島県,(福岡県)
高知県2徳島県,愛媛県
佐賀県2福岡県,長崎県
鹿児島県2熊本県,宮崎県
45長崎県1佐賀県
46北海道0(1)(青森県)
沖縄県0
眺めてみると、長野県が8県に隣接していることと、長崎県が1県だけに隣接している、というのがトリビアですね。
また、内陸県が上位に来るのは当然としても、面積のわりに埼玉県が健闘しているのが注目に値します。

[40542] 88さんのご指摘により修正しました。修正内容は[40555]を参照してください。
[40597] まなちゃん さんのご指摘により修正しました。修正内容は[40610]を参照してください。
[40542] 2005年 5月 3日(火)09:13:5288 さん
都道府県の隣接について
[40541] オーナー グリグリ さん

☆岡山県・香川県 瀬戸大橋,下津井瀬戸大橋
正確には「瀬戸大橋」という橋はありません。下津井瀬戸大橋、櫃石島橋、岩黒島橋、与島橋、北備讃瀬戸大橋、南備讃瀬戸大橋、そして、関連する櫃石島高架橋などを総称して「瀬戸大橋」と呼びますので、県境としては「下津井瀬戸大橋」だけで結構かと思います。

しかし、(1)大槌島に県境がある件([12056]太白 さんほか)、(2)樽流しでこの県境(備前・讃岐国境)が決まった件([28633]今川焼 さん)(3)井島にも県境がある件([14725]般若堂そんぴん さんほか)、(4)井島は岡山県側では「石島」と書く件([15404]KMKZ さん)・・書き込もうとしても、既に過去レス済みでした。恐るべし、落書き帳!!(アーカイブスもホント便利ですね。)

山口県・福岡県 関門トンネル,新関門トンネル,関門橋
「関門国道トンネル」も追加してやってください。歩行者用トンネル(人道)は、国道の一部、と言うことで良いと思いますが。

四国島民のたわ言ですが、「東京湾アクアライン」で隣接するというのは、微妙ですね。島の住民としては、歩いてはどうしてもいけないから橋(またはトンネル)を熱望するわけで・・神奈川から千葉へは、遠回りとはいえ、歩けますからねえ。
[46748] 2005年 11月 19日(土)12:24:53【1】88 さん
県境・「経県境」
[46736] みかちゅう さん
そもそも海水面に厳密な県境は存在するのでしょうか。
おっしゃるとおり、陸上部と違って、海水面に県境はないと思います。
もしあるのならば、「○○県の面積は、陸上部○○平方キロ、海上部○○平方キロ」と言うのがってもいいところ、それはありません。湖水面は、陸上部に含んでいますね。過去にも、十和田湖の面積をめぐって議論がありました([21572][21595][21603][21640][21645][21667]など)。
#国としての領海・経済水域はありますけどね。

話題の「経県境」ですが、これも[46736]みかちゅうさんの
瀬戸内海や熱海~大島、福岡~対馬などの離島航路を考えると面倒なので、「陸地ないし橋・トンネルなど通路が固定されているもの」で接している境界を数えるのが無難ではないでしょうか。
に賛成です。航路は、運行会社の事情その他によって新設・廃止がありえますし、海上部での「県境」は、定義がないので「感覚的」なものになるでしょうし。

[46746]小松原ラガー さん
千葉県と神奈川県の県境って、アクアラインの何処になるのでしょうか。御存知の方、教えて下さい。
ん? それ以外にも、青函トンネル、大鳴門橋、下津井瀬戸大橋、多々羅大橋、関門(4つ)、それぞれ何処で境界線が引かれているのだろうか・・・
陸上トンネルの場合は、地表の境界線をそのまま下ろした箇所が正確な県境でしょう(現地の道路標識は、「設置しやすい箇所」にある可能性もあるので、数メートルくらいは正確ではないかも)。
海峡トンネル(現在は青函トンネルと関門海峡の各種トンネル)のみ、将来は紀淡海峡トンネルも?)や橋梁は、表示(看板)は、その中央部か、前方の陸地に到達する直前にあるように思います。しかし、上記のとおり海水面の厳密な県境がないと思いますから、表示はあくまで参考でしょうね。「正式な県境はそもそも存在しない」のが正解だと思います(トンネルや橋の管理境界は、また別です)。

実は、[40541] オーナー グリグリ さんの書き込みに「「都道府県隣接数」ランキング」が、あります。このグリグリ さん 書き込みを元にすると、[40541]中の( )つきの数字が基礎になりますか? そうすると、「経県境」の分母は、( )つきの数字を総計して、2で割った92ですか? (自信なし)

・・・私自身の「経県境」も、集計中です。かなりいい線いってそうです。
[52454] 2006年 7月 19日(水)23:31:40オーナー グリグリ
takaさんへ
[52442] 2006 年 7 月 19 日 (水) 17:44:20 taka さん
北海道と青森県・山口県と福岡県、しいて言うならば、神奈川県と千葉県などもそうだと思いますが、この橋をはさんだ県などは、隣県とすべきなのでしょうか。
「隣県」という言葉に公式の定義はないでしょうね。トンネルや架橋によるつながりを隣接と捉えるかどうかの違いだと思います。また、広島県と愛媛県のような無人島による陸続きを隣接とするかどうかも微妙ですよね。人の行き来が出来るかどうかという現実的な視点からすると、無人島による陸続きよりも架橋による隣接の方が隣接度合いは濃いのは間違いありません。
それに、沖縄は隣県はないということになるのでしょうか。
沖縄県は直接隣接する都道府県はありませんが、位置的に見て鹿児島県と海を挟んで隣接しているという言い方は出来るかもしれません。

私が以前書き込みした「都道府県隣接数」ランキング [40541] も参考にしてみてください。

ところで、takaさんは、[1383]を最初に書き込まれて[3929]を最後に書き込みが途絶えているtakaさんと同じ方でしょうか。もし同じ方でしたらお久しぶりです。また、メンバー登録の件、承知しました。


[52448] maki さん、ご指摘どうもありがとうございました。さっそく修正しました。
[46735] 2005年 11月 19日(土)00:46:09まかいの さん
悔しい県境
私も経県境値を調べてみました。
ひとまず、[46694]デスクトップ鉄さんがあげている97県境でみると、

宮城~秋田
埼玉~長野
石川~岐阜
長野~静岡
三重~滋賀
三重~京都
鳥取~広島
島根~広島
岡山~香川
広島~愛媛
山口~愛媛
香川~愛媛
福岡~大分
佐賀~長崎
長崎~熊本
長崎~鹿児島
熊本~鹿児島
大分~宮崎
鹿児島~沖縄

この19県境が未踏でした。おぉ~われながら結構、結構。
ちょこまかと動いているので、東日本はほぼ完踏ですが、明らかに西日本が弱いですな。
と、見ていて愕然・・・

「居住経験のある県(静岡・石川・埼玉)が揃って未完ではないか!」

石川~岐阜は白山スーパー林道の値段の高さに毎回挫折してしまってたのが響きました。
長野~静岡は飯田線に乗車しないと厳しいなぁ。長野~愛知は天龍村→富山村で踏破しているのに・・・悔しい!
埼玉~長野は、すぐ手前の中双里までは経験済みなのに・・・ 今度実地調査したいと思います。
[46698]みかちゅう さん
「まともな」道路ではないうえに峠の前後の区間も長いため、訪問のしづらさは観光ルートとなっている尾瀬以上かも。
そうですね、MAXマップルでは
「関東では貴重なロングダート 悪路でしかも夜間通行禁止」
となってますし・・・ ちょっと心配になってきた・・・

ちなみにリストには挙げられてませんが、こんな海上県境も経験してます。

東京~静岡 (大島~稲取)

やはり、海上交通も含めるとちょっとややこしいですかね。
瀬戸内海フェリーはどこを通っていくつ跨いでいるかようわかりましぇん。
結局のところ、県境って何本なんでしょうねぇ。
[46783] 2005年 11月 20日(日)15:54:07【3】いっちゃん さん
都道府県境数
[46693]うち☆さん
しかし、県境が92しか見つかりません。どこだろ?(橋とトンネルの数はあっています。)

[46748]88さん
実は、[40541] オーナー グリグリ さんの書き込みに「「都道府県隣接数」ランキング」が、あります。このグリグリ さん 書き込みを元にすると、[40541]中の( )つきの数字が基礎になりますか? そうすると、「経県境」の分母は、( )つきの数字を総計して、2で割った92ですか?

私も92が一番良いと思います。
今後、兵庫~和歌山、愛媛~大分、長崎~熊本などが橋やトンネルで繋がることがあれば増えますが・・・。
やはり、越えたと実感できるのは徒歩~新幹線の陸上交通じゃないでしょうか。

[46779]星野彼方さん
あんまり広げるといっちゃんさんに北海道-茨城と言われかねません。
と、あるように収拾つかなくなりますから(笑)。[46770]白桃さんの
あと、東京から徳島まで船で行ったことがありますが、何県越えてますか?
の例もありますし・・・。

話のついでに、その類のもので経験したことのあるものを調べてみました。
都道府県航路
北海道~宮城(苫小牧→仙台→苫小牧)フェリー
北海道~新潟(新潟→小樽)フェリー
秋田~新潟(新潟→秋田)客船
東京~愛知(名古屋→東京)客船
東京~大阪(東京→大阪)客船
神奈川~宮崎(川崎→日向→川崎)フェリー
新潟~石川(金沢→新潟)客船
大阪~福岡(大阪→北九州)フェリー
兵庫~香川(姫路→小豆島→姫路、高松→神戸)フェリー、高速船
山口~愛媛(岩国→松山)高速船
広島~長崎(広島~長崎)客船

高速バス、鉄道、船、飛行機と乗物だったら陸・海・空お構いなしで好きですから・・・
[47088] 2005年 12月 3日(土)20:14:35【3】いっちゃん さん
行ってきました
古くは[22779]グリグリさんの瀬戸コレクションにおける名前の揺らぎに始まり、
半年ほど前に[40541]グリグリさんや[40597]まなちゃんさんの都道府県隣接数ランキングにおいて言及され、
最近では越県行為ネタにおいて[46895]EMMさん
橋の名は岡村大橋
など、たびたび脚光(?)を浴びている彼の地へ本日行ってまいりました。
[46925]ゆうさんにご紹介いただいたルートを利用しました。

まず、大浦発10:10のフェリーに合わせ、8:30に自宅を出発。
原付でトコトコ走ること約30分で「安芸灘大橋」に到着。
料金所で\50を支払い、いよいよ瀬戸内の島々へ。
下蒲刈島から「蒲刈大橋」を渡って上蒲刈島と渡り、上蒲刈島は島の南側のルートを通って大浦港へ。
港に着く直前に愛車に食事を与えることにする。
80歳ぐらいのおじいさんが一人でやっているガソリンスタンドで、レジも何も無く暗算で代金を計算していた。\520。
9:40頃、大浦港到着。乗船待ちの人や車が意外と多い(結局、車はフェリーに隙間無く乗った)。
ここで人間1人&原付1台しめて\450を支払い船に乗り込む。
10:15定刻より5分ほど遅れて出航。航海は約15分、まずは豊島に到着。車数台と人数名を降ろすや否や、対岸の立花(大崎下島)に向けて出航。5分ほどで到着。
岡村島へ向けてエンジン再スタート!
大崎下島の北側のルートを進む。これはこの島に限ったことではないが、海とみかん畑の間をひたすら走ることになる。
島を3分の1周ほどしていよいよ橋が見えてきた。
1つ目は「平羅橋」そんなに高くない。
2つ目は「中の瀬戸大橋」結構高い。
そしていよいよ「岡村大橋」へ。橋を渡り、船に乗り、家を出てから約2時間半、いよいよ呉市脱出!!!
「中の瀬戸大橋」と「岡村大橋」はそっくり。
越県ポイント(92ヶ所バージョン)において1ポイントアップ!
岡村島を時計と反対回りに一周。途中、みかちゅうさん垂涎の「旧・関前村役場(現・今治市役所関前支所)」で一休み。遠くに「しまなみ海道」(来島海峡大橋)が見える。
そして、同じ橋を再び渡り、大崎下島は島の南側のルートを進む。
さらに「豊浜大橋」を渡って帰りは豊島からフェリーに乗り込む。
大浦港到着後、上蒲刈島は往路とは逆に島の北側を進み帰ってきました。

総費用は交通費(\1,000-)+ガソリン代(\520)と、とても経済的。
ゆうさんどうもありがとうございました。

写真も撮ってきましたので、後日「いっちゃん学園」に掲載します。
ただし、途中でデジカメがバッテリー切れを起こし、島に気の利いた電池が売っているはずも無く、大した写真はありませんが・・・。

[46895]EMMさん
さらに豊島~上蒲刈島間に橋を架け、呉市本土と接続する計画があるようです。
すでに橋脚が姿を現していましたよ。

[46904]みかちゅうさん
関前村は船で行ってしまえばさほど歩くこともないので楽なはずなのですが、何しろ船の便が悪いので…。結局、関前村は未訪問のまま、菊間町役場の撮影はできぬままに終わってしまいました。
写真、撮ってきましたよ。
[66785] 2008年 9月 16日(火)19:39:42【1】hmt さん
境界線について(9) 県境を越える 渡し舟
「県境の交通路」コレクション は、県を越える道路・鉄道と峠が対象になっており、県境の渡し舟は、「矢切の渡し」が おまけ のような形で登場しているだけです。

「野菊の墓」の舞台である 矢切の里 は、伊藤左千夫の小説が発表された明治後期には東京近郊の農村で、既に明治大合併で成立した千葉県東葛飾郡松戸町の一部になっていました。

戦後に木下惠介監督の映画「野菊の如き君なりき」(1955)を見た後で、手漕ぎ和船の「矢切の渡し」に乗りに行ったことがあります。
映画にも登場した当時の船頭さんは杉浦浅太郎さん。
現在もその息子の正雄さんと孫の勉さんの代に引き継がれている個人経営の渡し舟ですが、その本質は「県境の交通路」というよりも、観光船ですね。

矢切の渡しで江戸川を渡った対岸は東京都葛飾区柴又。寅さんだけでなく、「帝釈人車軌道」[61507]でも落書き帳に登場。
また、帝釈天のすぐ北にあるのが金町浄水場。昔は悪評をとった水質も、1992年以降は高度浄水処理によって向上[58751]
「矢切の渡し」の歌謡曲は、1983年に細川たかしの歌がヒット。

次に利根川の渡し舟を調べてみます。
利根川下流の香取市(旧小見川町)にある富田渡船。ここは[65807]で記したような歴史的経緯による下総国で、県境は更に北の常陸利根川。
茨城県では、取手の小堀の渡し[65697]が落書き帳の話題に出ていますが、ここも県境でない!
利根川上流の島村渡船。伊勢崎市(旧境町)の飛び地(2県にまたがる保育園[64362] 逆太郎 さん)への足。これも県境でない。

結局のところ、利根川における県境の渡し舟は、群馬県千代田町赤岩と埼玉県熊谷市葛和田とを結ぶ 赤岩渡船 が唯一の存在と思われます。

次に、木曽川・長良川の流れる愛知・岐阜県境の渡し舟を上流側から。
中野の渡し(愛知県営西中野渡船場) は、名神高速道路と新幹線とが並んで木曽川を渡る地点から2kmほど下流。愛知県一宮市西中野の対岸は岐阜県羽島市。

ここから更に下ると、木曽川は長良川とより沿いますが、合流はせずに背割り堤を隔てて並流します。
1887~1912年にオランダ人技師ヨハネス・デレーケの改修計画に基づいて行なわれた 「三川分流工事」 [20690]YSKさんの区間ですが、背割り堤は上流側が岐阜県、下流側が愛知県の所属。従って、県境は上流側は引き続き木曽川ですが、下流側は長良川に移る区間があります。

日原渡船(塩田の渡し)の場所では、愛知県愛西市(旧八開村)塩田と岐阜県海津市日原との県境は木曽川で、愛知県渡船が「県境の交通路」。隣の長良川にも岐阜県渡船がありますが、こちらは県境に該当せず。
ところが、それよりも少し下流の森下渡船の場所になると、岐阜県海津市森下と愛知県愛西市葛木との県境は、背割堤防の西側の長良川になります。
この岐阜県の森下渡船、以前の木造船を老朽化で廃棄した後、新調する費用がないので、現在は必要に応じて 2.6km上流の日原の舟を回送して共用。従って、 予約が必要
東側を流れる木曽川にも葛木渡船があるが、こちらは両岸愛知県なので、県境の交通路に該当せず。

結局のところ、愛知・岐阜県境の渡し舟は、木曽川が一宮市西中野と愛西市塩田、長良川が海津市森下で、合計3箇所。

京王閣競輪の開催日には、貸ボート屋が多摩川対岸(京王稲田堤)との間に 渡し舟 を運航しているそうです。片道300円は電車に比べて高いが、利用者は川崎側の土手に駐車したドライバー。これも都県境の交通路?
昔は「菅の渡し」という渡し場だったとか。
[66799] 2008年 9月 17日(水)22:17:14【1】hmt さん
境界線について(10) 県境越えづくし
[66738]県境の交通路、[66785]県境を越える渡し舟に続く「県境越えづくし」です。

千曲川→信濃川は県境を横断して越える河川です。
これは言い方が逆ですね。本当は、川に直交して信越国境・長野新潟県境が引かれたのでした…
昔は川舟が通ったであろう信濃川筋も、現在の交通路は道路と鉄道にとって変られ、「国境の交通路」の地位は失われました。

それでも、正面から大河を横切っている信越国境は珍しい事例のように思われます。
例えば阿賀川→阿賀野川[42945]、桂川→相模川[42974]では、数百mの短い区間にせよ県境は河川と一致しており、河川と県境とのクロスになっていません。
高知徳島県境の吉野川、奈良和歌山県境の紀ノ川、奈良大阪府県境の大和川、京都大阪府境の淀川など、数百mは県境沿いに流れた後で別の県に入る川は多いと思いますが、信濃川や吉野川支流の銅山川(愛媛徳島県境)のような形で県境を越える河川は少数派ではないでしょうか。

人工水路にも「県境越え」の送水路はあります。例えば、多摩川の小作と羽村で取水された東京水道の原水[58729]の一部は埼玉県の山口貯水池に蓄えられ、再び東京都に入って東村山浄水場で水道水になります。

まだ県境でなく国境だった時代の水路で有名なのは箱根用水。芦ノ湖から取水した灌漑用水は、箱根外輪山の下をトンネルで貫いて駿河国深良村を潤しました。1670年完成。深良村(現・裾野市)が小田原藩領だった時代です。現在のように県境があれば、水利権が静岡県に渡ることに対する抵抗があり、この事業は実現しなかったでしょう。

水力発電用の送水管も県境を越えています。一般水力で日本第2位の年間発電電力量という 東京電力信濃川水力発電所 は、西大滝の取水堰から信越国境を越えてきた千曲川の水で動いています。

日航機墜落事故(1985)のあった御巣鷹山の地下に建設された神流川発電所[36931]は、2005年に1号機の運用を開始しました。
こちらは群馬県の水を夜間電力により長野県に揚水して蓄え、昼間の水力発電に使って需要のピークに対応する設備で、水に姿を変えた大量のエネルギーが県境を越える水路によって毎日往復していることになります。

群馬県上野ダムによる下部調整池は「奥神流湖」、長野県南相木ダムの上部調整池は「奥三川湖」と呼ばれています。>ダム湖コレクションの美濃織部さん
両者の間にある御巣鷹山トンネルは、発電所付属設備のため「一般車通行止」なのでしょう。

電力施設で県境を越えるものというと送電線。いちいち挙げることができないほど多数ありますが、落書き帳でも話題になった大停電を起こした事故は、千葉から東京に入る送電線[53371]の都県境で発生しました。

送電線ほど目だった存在ではありませんが、天然ガスのパイプラインも各所で県境を越えているようです。
帝国石油広報pdf に新潟-東京を結ぶ管路が図示されていました(3頁)。

この図には、東京湾を経由する東京ガスラインが出ていました。
調べてみると、1977年12月に東京瓦斯の「東京湾海底幹線」が稼動開始しています。東京の豊洲と千葉県袖ヶ浦との間を結ぶ県境のガスパイプラインですが、東京湾横断道路(アクアライン)よりもずっと前に、これができていたのですね。
[66030]で紹介したアクアラインの南側で東京湾を横断する東京電力のトンネル 位置関係図pdf は、東京湾では3番手の県境トンネル?

山口県の岩国燃料廠跡地に建設された(1958) わが国最初の石油化学コンビナートは、1962年に小瀬川の対岸・広島県大竹の海兵団跡地にも拡張されました。河口付近の工場内専用橋は、多くの化学物質をパイプにより県境を行き来させる通路であり[28606]、また赤々と燃えるフレアスタックが県境の位置を示していました。

更に時代を遡った県境の産業施設として、三池炭坑を挙げておきます。
三池は福岡県大牟田の地名ですが、石炭を含む地層は、大牟田だけでなく隣接する熊本県荒尾と有明海の海底に及んでいました。

竪坑は大牟田にも荒尾にもあり、海底に掘り進んだ地下には総延長200kmを越える坑道が網の目のように張り巡らされていたようです。地下の炭坑夫は、県境も海岸線も意識することなく往来していたことと思われます。
大牟田・荒尾も岩国・大竹も、アーカイブズ にもなっている県境を超えたつながりのある地域で言及されています。

県境の産業活動について記したついでに、漁業に関する最新の情報。
今年の9月1日から「伊予灘における漁業に関する協定」が発効するとの 報道 がありました。
添付ファイルの規制図を見ると、海岸から8kmの線引きまでが、沿岸県の専管漁場のように思われますが、これが全国的な慣行か否かはわかりません。

以上で、海岸線から始めて水上の県境、県境越えなどに及んだ 境界線についてのシリーズ を終ります。

既に第1回と第3回とでリンクしてありますが、主として 2007年3月の 海岸線・国土 や、2005年と2008年8月の 都道府県境 における 皆さんの議論を動機として始めたシリーズでした。

十番勝負の定番・隣接系の問題を解くには、役に立たない記事かもしれません。
[28606] 2004年 5月 25日(火)15:34:13hmt さん
エチレンのような化学物質もパイプで県境を越える
[28590]miki さん
呉本通13丁目
1965年、短期間ですが「呉本通13丁目発 特急 津和野ゆき」という国鉄バスを通勤に使っていたことがあります。実際に乗車するのはほんの短い区間でしたが、広島・山口・島根の3県にまたがる長距離バスです。
帰路は、稀に「益田発 広島バスセンターゆき」という石見交通バスに当たることもありました。これも3県を通して走ります。その他では最も多い広電バスをはじめ、防長バス、岩国市営バスと、すべて2県にまたがる路線で、国道2号線の広島・山口県境部分は、バス会社の種類が多いことと共に県境の壁がないことに目を見張ったものです。

県境の壁がないと言えば、両県にまたがる石油化学工場があり、工場の岩国側(山口県和木町所在ですが、陸軍燃料廠の時代から岩国を名乗っていました)に通じる鉄道線路も、広島県の大竹駅から分岐するという具合です。

もっとも、道路・鉄道だけでなく工場内パイプラインまでが結ばれている県境の川の呼び方は、山口県では「小瀬」川、広島県では「木野」川と異なるとされます[15926]。地図で見ると両方の地名は上流で相対しています。川の名は両岸の交流の少なかった藩政時代を反映しているのかもしれません。
http://www.mapion.co.jp/c/f?uc=1&nl=34/12/13.000&el=132/11/50.700&grp=all&coco=34/12/13.000,132/11/50.700&icon=mark_loc,0,,,,

とにかく、現在は電話も同一メッセージエリアになっています[14058]
このように「県境を越えて生活圏のつながりが大きい地域」 http://uub.jp/arc/arc22.html であるにもかかわらず、新聞の地方版には県境の壁があって、隣接地域の情報が得にくいというのが実感でした。(現在はどうでしょうか。)
ここは新聞社にとって谷間だったせいかもしれません。広島県版は大阪で発行、山口県版は小倉の西部本社発行。何故か各新聞社共に西部本社は福岡でなく、小倉ですね。

「県境を越えた連携・合併に関する提言」[28094]によると、大竹市長は都道府県境を越えた連携・合併研究会 座長となっていますから、行政面の連携は模索されているのでしょう。
[66904] 2008年 10月 2日(木)22:51:59【2】hmt さん
海を越える道-橋梁・堤防道路・海底トンネル(1) 日本
「海を越える道」について書いてみます。

海を越える道というと、オーナーグリグリさんの「海上架橋」[57062]があります。
最初に例示されているのは、海上をかすめたという感じの 房州大橋。道路の一部が海上を通過する場所を発見する面白さという観点でしょうか。

海上を通過する様子もさまざまです。陸が通りにくかった点は房州大橋と同じでも、はみ出した先が湾ではなく日本海そのものである親不知の北陸自動車道[57134]。まともに湾口を横切る真鶴道路の岩大橋[57156]。人工島に渡るための関西国際空港連絡橋(スカイゲートブリッジ)など。
[57062]は隅田川河口の埋立地を連絡する橋にも言及しており、境界線について のシリーズで海と陸との境界を考える契機になりました。

「海上架橋」は、最初は経県のオプション[57022]として取り上げられ、 書き込み が続いた後、[57151]で地名コレクションの方に誘導され、太白さん[60626]により準備中です。

今回は、海上をかすめたり、湾口・埋立地を連絡する短い橋とは少し異質の、普通には船が使われるような「海を隔てた地域」を結ぶ固定連絡設備の代表的なものを、取り上げてみます。

わが国において この種の固定連絡設備が建設された代表的なルートは、本州と四国とを連絡する3つの橋梁ルートですが、この他に、津軽海峡(鉄道トンネル)、関門海峡(単線並列の在来線・国道・新幹線の各トンネルと関門橋)、それに東京湾横断道路がよく知られています。
この6つのルートは県境でもあり、都道府県隣接数のまとめ[40541]にも記されています。

ここに6ルート以外で唯一の県境架橋として挙げられているのが岡村大橋。この7号橋を含む 安芸灘諸島連絡架橋 [47126] は、11月18日開通予定の 豊島大橋(3号橋、愛称は県の鳥にちなむアビ大橋)により、呉から愛媛県岡村島までの島伝い海上ルートが開通することになります。
その一部である大崎下島広域農道は安芸灘オレンジライン[46678]と呼ばれています。
島伝いに更に東に延長して西瀬戸自動車道(しまなみ海道)につなぐルートは構想段階。

【追記】
県境へのこだわりや、近年出現している長大橋の影で、つい書き落としてしまいましたが、架橋技術の上で一時代を画した「海を越える橋」として、西海橋と若戸大橋とを追加しておきます。

1955年 針尾瀬戸[18561]に架けられた 西海橋 は、当時世界第三位のアーチ橋でした。50年を経た現在、隣に新西海橋が作られています。

若戸大橋が完成したのは1962年9月。洞海湾の両側は(当時)若松市と戸畑市。北九州市発足 の少し前です。
1989年に2車線から4車線への拡幅工事(歩道廃止)をしましたが、更に沈埋トンネル工法による 新若戸道路 を工事中です。完成予定は2006年春から2年遅れる見通し。もうそれも過ぎていますね。

西海橋や若戸大橋によって培われた長大橋技術は、関門橋(1973)、南備讃瀬戸大橋(1988)、明石海峡大橋(1998)と記録を更新してゆきました。【追記終】

津軽海峡の公海の下を通る青函トンネルの場合は、海底の国有地[66873]として処理できない部分があり、自治体の海上境界問題の中では、やや特異な立場にあるものと思われます。閣議決定により特別な編入手続きが行なわれた[46750]のも、そのためでしょう。

一方、橋梁よりももっと陸続きに近い固定連絡設備として、連絡堤防があります。こちらは埋立地扱いかもしれません。

国内で代表的な連絡堤防は、沖縄県うるま市の平安座(へんざ)島と勝連半島との間 約5kmを結ぶ「海中道路」です。
これは、米軍が水陸両用車を使って、文字通り海中の干潟を通行した頃に由来する名とか。
島民悲願の道路建設は 1961年から具体化し、村人総出の石運びによる基礎作りも、台風被害により断念。
そこにガルフ石油の石油備蓄基地(現在は出光系の沖縄石油)建設計画が登場し、1971年「海中道路」開通。
【追記】全部土手の上かと思っていましたが、斜張橋 の部分があるのですね。地図

中海の大根島に通じる 大海崎堤防と森山堤防 は、2005年の合併前は、松江市・八束町・美保関町の境界にありました。
[68565] 2009年 2月 7日(土)13:10:11k-ace さん
唐津市と松浦市が架橋隣接へ
こんにちは、k-aceです。

佐賀県によりますと、一般県道鷹島肥前線「鷹島肥前大橋(たかしまひぜんおおはし)」(橋梁部1251m、うち斜張橋840m)が今年の4月18日(土曜日)に開通します。一般供用開始時刻は現時点では不明ですが。これにより唐津市(旧・肥前町)と松浦市(旧・鷹島町)が架橋隣接となります。
福島(旧・福島町)・鷹島(旧・鷹島町)とも長崎県松浦市の九州本土ではなく、佐賀県の自治体(伊万里市、唐津市)と架橋隣接することになります。
futsunoおじさん担当の「県境の交通路」コレクションの収録対象ですが、開通は今年4月なのでとりあえずご報告までに。
[68639] 2009年 2月 19日(木)01:45:17futsunoおじ さん
Re:唐津市と松浦市が架橋隣接へ
[68565] k-ace さん
福島(旧・福島町)・鷹島(旧・鷹島町)とも長崎県松浦市の九州本土ではなく、佐賀県の自治体(伊万里市、唐津市)と架橋隣接することになります。
futsunoおじさん担当の「県境の交通路」コレクションの収録対象ですが、開通は今年4月なのでとりあえずご報告までに。

情報提供ありがとうございます。「県境の交通路」コレクション更新版に追加しました。

鷹島(福島もですが)が本土と橋でつながった場合、県境の存在がおかしな具合に見えてしまいますね。
[68653] 2009年 2月 21日(土)12:23:47【3】k-ace さん
桂川駅、山崎駅、鷹島肥前大橋など
こんにちは、k-aceです。

JRの桂川駅が3つあるのは既に[65548]みかちゅうさんで紹介されていますが、昨年秋の東海道本線桂川駅開業に伴い、東海道本線と函館本線に共通項が出来たようです。両線とも桂川駅と山崎駅があるということです。ただ「山崎」駅は、東海道本線のは「やまざき」で函館本線のは「やまさき」ですが…。それぞれの駅間は、東海道本線は8.8km(間に2駅)、函館本線は36.1km(間に8駅)です。また、函館本線の桂川駅の所在地、森町と山崎駅の所在地、八雲町は隣接しており、東海道本線の桂川駅の所在地、京都市と山崎駅の所在地、大山崎町(駅自体は島本町にも跨っていますが、駅所在地は大山崎町)も隣接しています。ただ、東海道本線のほうは、東海道本線自体で移動すると間に向日市と長岡京市がありますし、桂川駅の所在地は京都市南区で、大山崎町と接しているのは京都市伏見区ですが。
余談ながら、寝台特急トワイライトエクスプレスは2つの「山崎駅」「桂川駅」を通過しています。
他に、同様の例はあるのでしょうか?(ただし、それぞれの路線が近接している場合は除く)


[68643]hmtさん
長崎県と佐賀県との県道番号は、主要地方道(1~)・一般県道(101~)共に、最も若い番号帯域が両県越境路線に割り当てられています。
(中略)
たぶん、正式の番号付与は4月の開通時になるものと思われますが、鷹島肥前大橋閉合式(2008/8/31)の現地案内図pdfを見ると、長崎県側に “109” の番号が既に描かれています。
「県境の交通路」コレクションには、主要地方道○号や県道○号と書かれているのですが、鷹島肥前線のところには○号がなかったので、拙稿[68640]で質問したのですが、県道109号の可能性が高そうですね。
両県越境路線をある番号枠で区切るケースは初めて知ったのですが、調べてみると高知県など、佐賀県・長崎県以外にもあるんですね。

4月18日(土)に開通する鷹島肥前大橋ですが、3月28日(土)には開通記念ウォークが開催されるようです(申込期限は3月13日(金))。詳しくはこちら


[68638]山野さん
新宮地区は新市名称をアンケート方式で決める事になったようですが、ここの皆さんはどれがいいと思いますか?
個人的には人口規模の大きい「新宮市」かな。
[46750] 2005年 11月 19日(土)13:43:41LFB さん
海の県境
はじめまして。
[46748] 88さん

検索かけたところこのようなコラムが見つかりました。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurisan/koramu/sakaime.htm

漁業法の規定により漁業権の設定(漁業免許)は都道府県知事の権限ですが、「その管轄に属する水面」に限られますので、境界線は必要なようです。

関門国道トンネルは中央部に境界表示があったと記憶しています。
青函トンネルの場合は事情が複雑で、宗谷・津軽・対馬海峡西・東水道・大隅海峡は「特定海域」として領海が3海里(通常12海里)に制されているため、真ん中が公海となっています。
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/ryokai/tokutei/tokutei.html

しかし、固定資産税の課税のため、海底部については昭和63年2月16日の閣議決定で北海道松前郡福島町、青森県東津軽郡三厩村(当時)にそれぞれ編入されたとのことです。
(具体的な境界は当時の官報を探すしかないかと)
http://www2.kobe-u.ac.jp/~shotaro/kogi/2002gairon/11siryo.pdf
[66061] 2008年 8月 16日(土)23:50:59hmt さん
海上・海底の自治体境界線
[66057] 88 さん
領海は、領海法(現「領海及び接続水域に関する法律」)の制定により、接続海面も地方公共団体に含まれる。このため、海上部で各地方公共団体同士は「接している」。

これは意外。十分に理解できていませんが、いろいろな議論に発展しそうです。

青函トンネルの境界点
北緯四一度二〇分四五秒七七〇八、東経一四〇度一八分三二秒六〇九八の点

念のために付言すると、1988年の自治省告示なので、日本測地系による経緯度と理解します。
[68760] 2009年 3月 4日(水)22:57:18hmt さん
「飛び地」の魅力 (2)西大泉付近・昔の府県境
[68741] Issie さん
「西大泉町」を含めたこのあたり(練馬区西大泉)一帯は1891(明治24)年に 東京府北豊島郡 の 上土支田村 と合併して 同郡大泉村 となるまでは「埼玉県新座郡榑橋(くれはし)村」でした。…つまり…「都道府県をまたぐ飛び地」であったわけではない。

説明していただいたように、現在「練馬区西大泉町」になっている地が、「府県境をまたぐ飛び地」になったのは、町村制施行(明治22年)の2年後のことでした。
白子川右岸の東京府上土支田村と、左岸の埼玉県榑橋村とが、小学校を統合して経費を節約するために合併して 大泉村 [62334] になったことにより、ごく小さな領域が、北に移動した府県境の埼玉県側に取り残されてしまったのでした。

大泉村ができる前、明治22年(1889)当時の府県境を確認しておくと、荒川から白子川を遡り、水源 の「大きな泉」から更に南西・富士見池の西へと進みます。埼玉県側が新座郡保谷村になり青梅街道を越えた先で、千川上水に出ます。ここは神奈川県北多摩郡武蔵野村との3府県境界点(東京府は北豊島郡石神井村)になります。現在の西東京市・武蔵野市・練馬区の境界点。

ここから先は埼玉・神奈川県境になりますが、保谷村と武蔵野村・田無村との境界に沿って少し西に行った後で約10kmも北上します。
つまり、埼玉県新座郡は、東京府北豊島郡(現・練馬区)と神奈川県北多摩郡(田無・久留米・清瀬)との間に半島状に食い込んでおり、話題の主の飛び地は、その「新座半島」の真ん中あたりにあったわけです。

[4111] ken さん
今は亡き保谷市の部分に、埼玉県がぐいっと入り込んでいたら、やはり変ですよね。
[4113] TN さん
私は、以前その地図を見たことがあります。(浦和の公文書館だったか?)
とにかく、その凄さといったら大変なものです。
なにしろ、3本の棒が西側にピョン、ピョン、ピョンとでているのですから。

「新座半島」の概略の姿としては、神奈川県の中に食い込んでいる「町田半島」を想像してください。
「3本の棒」とは、“約10km北上”と記した「半島」西側の線から岬状に突起した埼玉県の領域です。半島の付け根に近い野火止用水沿いの「棒」は現存。保谷村に属した半島先端(千川上水沿い)と、半島の中間(現在のひばりが丘団地)の「棒」は、保谷村の所属がが明治40年(1907)北多摩郡(明治26年から東京府)になったために消滅しました。

TN さん言及の地図と思われる 明治二十二年四月改正「埼玉県菅内全図」[37601] を見ると、野火止用水沿いの「棒」の北の神奈川県内(清瀬村)に、埼玉県の「飛び地」(話題の発端の西大泉より大きい)があります。八王子道(志木街道)沿いの中清戸の集落と思われます。更に中間の「棒」の先端にも2つの「飛び地」。
後者はもちろん、前者も現在は東京都になっており、“そうした複雑な領土を整理する”([68738] 太白 さん)作業も行なわれたことを裏付けています。
[68955] 2009年 3月 21日(土)18:31:23【1】hmt さん
知るを楽しむ・県境の謎を行く
[68952] なると金時 さん
3/31(火)22:25から教育TVで「県境の謎を行く」という番組が全4回で放送されるそうです。

現在のところ、NHKの 「知るを楽しむ」4月火曜日 はアップされていませんが、数日中には詳細内容を知ることができると思います。

とりあえず、予告 に記されているタイトルから内容を推測し、落書き帳の記事をリンクしておきます。

第1回 “多国”県の陰に国策あり
  私の推測では、飾磨県 を統合し、摂津・播磨・但馬・丹波、更にはかつての南海道に属した淡路までを含む5ヶ国に及ぶ大県になった兵庫県
  # 美作の一部(国界変更されています)と備前福河とを含めた七ヶ国説[46937]もあります。
第2回 不合理なる分断線
  いろいろあると思いますが、さて、どこが話題になるのか?
第3回 137年目 湖上の決着
  予告映像にあったとおり、十和田湖
第4回 “完全飛び地”の誇り
  同じく、北山村

お話をしてくれるのは、藻谷浩介さん。講演会などの活動をこなしているようですが、たまたま話題になっている 村上 があったのでリンクしておきます。
[69065] 2009年 3月 30日(月)23:51:53hmt さん
県境の謎を行く
NHK教育テレビで放送される4回連続の番組です。。県境の謎を行く
[68955]では番組紹介ページのURLを従来様式から推測して記しておいたのですが、新年度からリニューアルにより変更されていました。

明晩の第1回「“多国”県の陰に国策あり」は、予想通り兵庫県です。
ほぼ現在の形に近い兵庫県になったのは明治9年。明治政府主導の下、全国でも例のない強引な合併が断行された結果だった。政府はなぜ大きな兵庫県にこだわったのか。

第2回「不合理なる分断線」は、両毛地域とのこと。
両毛地域については、落書き帳アーカイブズ があり、県の領域については、私も いくつかの記事 を書いております。
[69172] 2009年 4月 10日(金)14:07:24hmt さん
飯豊山に奇妙な県境が誕生するまで
福島・新潟・山形の3県が境を接する飯豊山。そこにある奇妙な姿の県境は、この落書き帳にこれまで何回も登場してきました。
またかという気もしますが、NHK教育テレビ「県境の謎」(火曜日朝05:35に再放送)にもちょっとだけ登場した機会[69164]をとらえ、「登山道の幅だけ福島県」[24072] という県境誕生の過程を記しておきます。

最初に、現在の地図を出しておきます。Mapion
画面中央付近の三国岳の南東側が福島県の本体で、陸奥国(明治以後は岩代国)でした。ここから三尺幅の登山道が北西に伸びて、画面上部の飯豊山神社奥宮に達し、山頂から更に西の御西岳に至ります。

約8kmもある臍の緒のように細長い尾根の周辺だけが福島県喜多方市の領域で、南西側の谷は新潟県東蒲原郡阿賀町、北東側は山形県西置賜郡小国町という3県の境界地帯。更に御西岳の西側、喜多方市の臍の緒の先端では新発田市と僅かに接しているので、4市町の点接触(グレートジャンクション)もどき [24052]

futsunoおじさんの 「県境の交通路」コレクション 07福島県-15新潟県 で確認すると、始点は喜多方市・新発田市・小国町の3県境点で、新潟県はすぐに(0.0km)阿賀町に移ります。三国岳までの臍の緒県境の距離は 8.1km。

「国界」が示されている 20万分の1地勢図で確認すると、福島県だけでなく、岩代国も越後と羽前の間の稜線沿いに伸びています。つまり、臍の緒の南東端の三国岳では、越後・羽前の両国は隣接しておらず、三国境ではないということのようです。みやこ♂さんの 「三国」コレクション においても、地名を尊重して三国岳の地図をリンクしながら、“厳密には御西岳”という注釈が加えられています(#3)。

落書き帳で、6年前にこの奇妙な県境を最初に持ち出したのは、自称ビジュアル系のペーロケ[utt]さんでした[10123]
これに答えた ken さんの記事[10531] には、福島県耶麻郡山都町のHPがリンクされており、そこには、このような県境が生まれた経緯が記されていました。
しかし、残念なことに2006年に行なわれた 合併 に伴なって、このサイトは閉鎖されてしまいました。

リンクが切れてしまった現在、この県境が福島県庁の郡山遷都騒動に端を発していたとことは、落書き帳の中では、[10575]に名残を留めるだけになっています。
というわけで、旧山都町が残してくれた情報を埋もれさせないためにも、この県境誕生の概要を、改めて記しておくことにします。

飯豊山信仰は、会津だけでなく、中通り・置賜・東蒲原の各地に及び、神仏習合の時代から信者獲得のためには、熾烈な管理権争いもあったようです[10575]。白山を巡る対立抗争史[68519]を思い出しました。

明治6年以来、飯豊山神社は若松県の郷社として、麓宮(拝殿)のある耶麻郡一ノ木村(山都村を経て喜多方市)の管理下にありました。地図をスクロールさせて少し下を見ると、鳥居のマークと一ノ木という注記が見えます。

飯豊山神社のあった若松県北部は、岩代国耶麻郡の西にある越後国東蒲原郡をも領域としていました。明治9年に福島県・磐前県と統合した後もその状態は続き、巨大な福島県の県庁所在地である信夫郡福島町は、現在以上に偏った位置にありました。

そんなこともあり、明治16年(1883)になると、県庁を県の中心に近い安積郡郡山町に移転する建議が福島県会に提出され、明治18年には可決されるに至りました。
しかし、遷都反対派は猛烈な運動を展開。遂に内務省を動かして、福島からの県庁移転を阻止しました。

その決着の際、越後国東蒲原郡は新潟県に移管されたのでした。明治19年勅令第43号
どのような経過を経て、県庁移転を東蒲原郡移管にすり替えることができたのか興味のあるところですが、詳細は知りません。
福島県の枠組みを変え、県庁所在地の偏りを是正するとでも強弁したのか?

鬼県令と呼ばれた三島通庸が福島県令だったのは明治17年までですが、いずれにせよ福島県がまだ完全な地方自治体でなく、内務官僚による強圧的な地方支配が行なわれた時代であったと理解しています。
参考までに、東蒲原郡移管は、三多摩移管[33700] [54421]の7年前のことでした。

こうして、福島県庁移転問題に端を発した動きが、東蒲原郡の新潟県移管という思わぬ展開を見せた結果、明治初年から耶麻郡一ノ木で収まっていた飯豊山の領有争いが再燃しました。

すなわち、新潟県になった東蒲原郡実川村(明治22年から豊実村)は、早速明治20-21年に飯豊山の領有と山頂の飯豊山神社を東蒲原郡郷社にする願いを出したのです。
これまで飯豊山神社を管理していた耶麻郡山都村一ノ木も、負けているわけにはゆきません。
証拠文書を集めて反論。拝殿のある麓宮から山頂の奥宮までの登山道(巡礼道)を境内地に編入することを願い出て(明治31,33年)、明治38年には内務大臣の編入許可を得ています。

このように既成事実を作りながらも、主張と証拠の応酬が20年も続けられ、その結果、明治40年に現地査定が行なわれ、引き続き査定報告と協議の会合が開かれました。
協議会には、当事者である一ノ木と実川の総代、山都村と豊実村の役場組合長、福島県耶麻郡と新潟県東蒲原郡の郡長代理、宮城と長野の大林区署【注】が出席し、飯豊山頂の境内地と登山道が福島県側の山都村一ノ木に帰属することが認められました。

明治19年の東蒲原郡移管以来続いていた「境界未定」の状態に、ようやくピリオドが打たれ、奇妙な姿の福島県境が確定したのでした。

臍の緒のような形の県境は、地図で見る形だけでも興味をそそりますが、その背後には、県庁移転問題・東蒲原郡移管・一ノ木と実川の領有争いという20数年に及ぶ一連のストーリーが存在したのでした。

【注】大林区署とは、国有林の管轄者だと思います。現在は福島県も新潟県も関東森林管理局管内です。
[73602] 2010年 1月 3日(日)13:50:26hmt さん
利根川と国境・県境との関係(2.1)外浪逆浦 常陸利根川の南に茨城県があるわけ
このシリーズは、1年半前に河口から赤堀川までを書いたままで中断していたのですが、思いがけず話題が復活しました。
十番勝負の最中でもあり、また細部になるコメントですが、忘れないうちに書いておきます。

[73428] k-ace さん
東関東道の千葉・茨城県境ですが、利根川でも常陸利根川でもないところにあったのが驚き(地図)。このあたりの県境ってどうしてこんな線になってるんでしょう?

[73460] [73582] オーナー グリグリ さん
外浪逆浦に面している狭い地域のこと…だとしたら、…埋め立ての事業計画の中で茨城県に帰属することになったのではないかと推測します。
埋め立て(干拓)の事業計画で線引きされたというのは、あくまでも私の推測です。

最初に、♪潮来花嫁さんは 舟でゆく…の水郷地域に縁のない方のために、予備知識。
潮来(いたこ)は難読地名であるにもかかわらず、戦前から観光スポット「日本水郷」で知られていました。
1934年千葉県立公園。戦後の1959年国定公園。歌が流行したのはその翌年。50年前のことです。

神武天皇の時代に遡る香取神宮・鹿島神宮がこの近くに鎮座。2柱の神は、古代には内海を隔てて向かい合う位置関係でした。

この 古代の海 は、現在の霞ヶ浦(西浦)とそれに連なる浪逆浦(なさかうら)・北浦だけでなく、ずっと南西の印旛沼・手賀沼にも及び、その周辺の低地をすべて水域とする広大なものでした。
昔は全体を一つの内海として認識する呼び名はなかったと思います。今では香取海と呼ばれています。[65806]参照。

k-ace さんが通った千葉・茨城県境付近も、もちろん古代は海の中で、海を隔てた下総と常陸には厳密な国境はない状態でした。
古代の海の一部が、流入河川による堆積と干拓とで、だんだんと「陸地」に変ってゆく有様を、[1639] Issieさん の記事その他を引用しながら記述したのが [65807]です。

この記事の中で、幕末に出版された「利根川図志」の挿絵 十六島全図 をリンクしていました。現代の地図と逆に南(下総国)が上になっていることに注意。

図の中央部・与田浦の左下に浪逆浦があり、ここも陸化しつつあることがわかります。
“こんな所に千葉・茨城県境が…”と問題になった地(現在の東関東道常陸利根川橋梁南詰)は、「二十谷」と書かれた洲で、北利根川上流側・内浪逆浦に面した二十谷村の一部と知れます。

この図には国境が明示されていませんが、天保常陸国絵図 を見ると、問題の洲が常陸国行方郡「二重谷村之内」であることがわかります。

結局、この洲は江戸時代の陸化の過程で、北利根川の北岸にある常陸国行方郡の地先であると認められたことがわかります。

明治初期のこと。利根川下流域にあった 新治県が、明治8年(1875)に解体 された結果、再編成された千葉県と茨城県との境界は、利根川・横利根川・北利根川に概ね沿った下総・常陸国境になりました。
国境・県境が現在の利根川本流から北に外れた上記の線であることについては、[1639] Issieさん 利根川東遷をご覧ください。

明治の 20万分の1輯製図(1887)を見ると、問題の洲は既に千葉県側と地続きで、“浪逆浦の南なのに茨城県”の原型が見えます。
結局のところ、明治になってからず~っと、北利根川→常陸利根川の水面と一致しない県境が続いていたことになりますが、これは江戸時代に確定していた国境のせいということになります。

戦後に実施された 常陸利根川の河道拡張 により、茨城県側本体との間の水路が広くなっているので、南側に残された茨城県の領域が、現在では一層不自然な姿に見えるのでしょう。

[73582] 外浪逆浦の干拓地

外浪逆浦から少し外れますが、上記リンクページに示された約 60年前の水域図を見ると、外浪逆浦の西に 内浪逆浦(現在の潮来市日の出)があったことがわかります。
その他にも、北浦の南部や 鰐川、神の池、西の方も 与田浦(千葉県)や 霞ヶ浦の妙岐の鼻と、現在の地図と見比べると かなり多くの水域があり、江戸時代に続く海から陸への変容は、戦後も盛んに進行した ことがわかります。
[75152] 2010年 5月 21日(金)15:53:56hmt さん
現在の東京特別区の最高地点付近 昔は東京府・神奈川県・埼玉県の境界だった
[75142] N-H さん
練馬区と西東京市との境界線が青梅街道と交差する少し手前の練馬区内に標高58mの標高点の表示があります。

私は、武蔵野段丘の等高線図 を念頭に、23区の範囲を重ね合わせて最高地点を予測していました。
23区の中で最も西にあるのが練馬区。北部は低いので、練馬区南部に23区最高地点があるという結論には納得です。
それにしても、58mとは予想以上の高さ。

かつて、この近くは東京・神奈川・埼玉3府県境[68760]で、明治26年(1893)の三多摩移管[33700]よりも前には「東京府」の最高地点でした。
…と書いてから、そうでないことに気がつきました。

伊豆小笠原諸島が東京府でした。
最も有名なのは伊豆大島の三原山ですが、八丈富士はもっと高いのではないかと思い、日本の主な山岳標高 で調べたら、最高は なんと南硫黄島 916mでした。
この 「海のピラミッド」は、今年になってから記事[74102]でも触れており、2007年には自分で“海上に突き出た800~900mの険しい山”[56164]と書いていたのですが、すっかり忘れていました。
孀婦岩 でさえ、99mあるのでした。

武蔵野村のある神奈川県北多摩郡は、1893年に東京府になりました。明治40年(1907)には、埼玉県北足立郡保谷村も東京府北多摩郡に編入され、この地域は完全に東京府の内部に取り込まれました。

この付近が 武蔵野台地の中でも 尾根筋にあたる高所であることは、玉川上水と、それから派生する 千川上水とが 作られていることでも裏付けられます。昔の3府県境よりも少し西の、標高60mを超えた玉川上水沿いに、東京市水道局の境浄水場が完成したのは大正震災の翌年(1924)でした。
時代的にも地理的にも、淀橋浄水場[36207][58728]と東村山浄水場[58751]との間に位置しています。

実はこの付近は非常になじみのあるところで

戦争が近づいた 1938年になると、武蔵野町の板橋区・保谷村境界点(昔の3府県境、現在の武蔵野市・練馬区・西東京市境界点)南側に、軍用機のエンジンを作る 中島飛行機武蔵製作所 ができました。
戦時中はもちろん空襲の目標になりましたが、その跡地に、電気通信研究所(当時は電気通信省)ができたのは、戦後の 1950年のこと。

戦後の国電路線図に、三鷹-武蔵野競技場前間の中央線支線があったことを覚えています。
# この駅は、東京競馬場前と同じく「かな」で13字。当時は最長の駅名でした。
中島飛行機の工場引き込み線を利用した路線でしょう。時刻表を見ると、“競技開催日運転”とあります。乗車経験はなし。
[79063] 2011年 8月 12日(金)23:53:04【2】hmt さん
県境未定地域 江戸川分流点付近
香川県井島・岡山県石島の山火事に関連して、両県の境界未定区域との関連も 言及されています[79041]
この機会に、「都県にまたがる境界未定地域」について復習し、東京に近い事例の研究もしてみます。

[21603] てへへ さんは、国土地理院の「都県にまたがる境界未定地域」を紹介しています。当時は 20ヶ所ありました。
現在の国土地理院の面積調は、旧基準から現在の基準に改められた【注】 昭和63年分 まで遡ることができ、その 4~6コマには、1988年10月における 28ヶ所、合計面積13,361.54km2 の県境未定地域が列挙されています。

最新のリストは 2010年10月現在 で、県境未定地域の「数」は、14ヶ所と半減していますが、「合計面積」は12,833.85km2と、22年前に比べて あまり変りません。

【注】1988年にリセットされた面積データについては、[67248]で触れていますが、その詳細は「面積調査の方法」に記されており、例えば 面積調H21 の3~4コマで見ることができます。
同じ資料の5コマには、境界未定地域の市区町村面積につき、総務省自治行政局発行「全国市町村要覧」(平成21年版)に記載されている面積を参考値として*印を付し掲載したことも記されています。境界未定地域の市区町村面積の拠り所として使われている「参考値」の記載は、面積調H16以降です。

国土の面積 を補足する注記から 本題の「県境未定地域」に戻ると、例えば朝日山地は、以前は南北2ヶ所に数えられていましたが、村上市の新設合併により関係自治体が広域化したために、2008年からは両者が融合しました。自治体面積広域化のため、境界未定地域面積は拡大しました。
十和田湖は、陸上と水面の2ヶ所に数えられていましたが、2008年の青森・秋田県境確定で未定地域が消滅しました。
[66867]で 15ヶ所が列挙された後の 最も新しい変化は、2010年の熊本県・宮崎県境界確定です。これにより、椎葉五家荘の県境未定地728.31km2が消滅しました。

境界未定地域の面積は、必ずしも未定境界線の規模に対応するものではありません。境界線のほんの一部だけが未定であっても、広い面積の市区町村と関係していれば、境界未定地域の面積は大きくなります。
朝日山地が 3523km2という面積最大規模の県境未定地域になっているのは、鶴岡市、村上市など大きな面積の自治体に関係するためです。同様に、飛騨山脈も富山市などの面積が効いています。
結局のところ、境界線自体の確定や市町村合併が、ある程度は進行しているにもかかわらず、全国の境界未定地域の合計面積は、ずっと1万km2を超えたままであり[67267]、全国面積の 3.4%にも及びます。

公式資料には、県境未定地域の名称は記されていませんが、便宜上、それぞれの地域を代表する地名を付して、現存する 14ヶ所の「都県にまたがる境界未定地域」関係都府県名を列挙しておきます。

蔵王(宮城・山形)、朝日山地(山形・新潟)、小合溜(埼玉・東京)、江戸川(千葉・東京)、白馬(新潟・長野)、飛騨山脈(富山・長野)、富士山東(山梨・静岡)、富士山西(山梨・静岡)、伊吹山地(岐阜・滋賀)、木曽川(愛知・三重)、石島(岡山・香川)、英彦山(福岡・大分)、久住山(熊本・大分)、えびの(宮崎・鹿児島)

東京に最も近い県境未定地は、埼玉県境・水元公園の「小合溜」と、千葉県境の江戸川です。
今回は、江戸川改修で生まれた、東京・千葉県境未定地につき記します。

ウオッちず をご覧ください。
江戸川と旧江戸川とが分流する地点で、県境線が切れています。

そのいきさつを探ると、1915~1918年に行なわれた江戸川改修工事に行き着きます。
洪水時の余水を放出するために、現在の行徳橋付近で南西に向きを変えて流れていた江戸川を、そのまま南東に流す「江戸川放水路」が建設されました。この時に新旧河道の分岐点は少し上流側に設けられ、江戸川流路の一部は西に動きました。
地図で岬状に突き出ている三角地帯は、江戸川右岸から左岸になったわけです。

河川改修に伴い流路の反対側に取り残された土地が発生するのは珍しいことではなく、普通は、旧住所のまま 事実上の飛び地になって 残ります。時折、県境変更などにより是正されるの都度、落書き帳の話題になるのはご承知の通りです。

1918年江戸川放水路ができた頃の経緯は知らないので、当事者が千葉県なのか行徳町なのかも不明ですが、この頃に「江戸川流路の変更に伴い、東京との境界も西に動いた」という解釈が行なわれたのでしょう。

現在この地には、国土交通省江戸川河川事務所・江戸川河口出張所や 野球のグランドがあるそうです。探訪記
探訪者は、地図で市川市に「河原番外地」という表示を見つけて訪れたのですが、出張所の所長曰く“ここは東京都江戸川区東篠崎ですよ”。

たぶん、住民がいないので、問題が明らかになる機会が遅れ、長い間、東京も千葉も自分の領地だと思い続けていたのでしょう。

河川名について。江戸川放水路の 現在の名称は「江戸川」です(河川法改正1960?)。
しかし、江戸川放水路 という呼び名も、江戸川河川事務所自身により使われているのですね。
問題の境界未定区域を生んだ 短絡部分と、それより下流の河道は、「旧江戸川」が公式名。

【追記】
面積調によると、境界未定地域は、千葉県市川市、浦安市及び東京都江戸川区となっています。
上記の江戸川分流点は、市川市と江戸川区の境界ですから、浦安市が入っている理由がわかりません。
地図を見ると、旧江戸川の河口部分、舞浜大橋から先にも境界線がありませんが、TDLと葛西海浜公園との間には、問題になりそうな陸地は存在しません。
面積調では、この境界未定地域に、更に船橋市が加えられた年(H14)もあります。謎。
【追記2】
[79067]グリグリさんの記事にあった名取川河口部にも、問題になりそうな陸地は存在しませんでした。
しかし、面積調(宮城県)を見ると、仙台市若林区と名取市とは「境界未定」でした。
旧江戸川河口部、舞浜大橋から先の境界線のない僅かな部分には、陸地がなくても、やはり浦安市を「境界未定」とする原因になっているようです。あいまいな県境

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