いつもの通り、十番勝負の感想文です。今回も解答できた順に。
問二~東村山 庭先ゃ多摩湖~
唯一、第一回採点が出るまでに分かったのがこの問二でした。お題とここまでの流れから、大都市近郊を中心に面積か狭く人口密度も高そうな市が並んでおり、面積か密度か、と見当がつきましたが、まず面積から調べてみると、お題の市の面積がいずれも5km2の倍数ラインのすぐ上に並んでいることに気づき、伊丹市がちょうど25km2。この手の問題にありがちな、非該当の市を例示してボーダーラインを引く、というのがないのにも納得。ここを取れば「その市の領主」と、前回「王手」を掛けた「東京都(実質は『三多摩』ですが…)の初代総領主」をダブルで取れる、このところ社用で頻繁に訪れている清瀬市(
[100760])への行き来で、新秋津駅~秋津駅の乗り換えで両駅の間の商店街を歩いている東村山市を。
問七~鞘より抜けておのずから 草薙ぎ払いし御剣の~
問九~あれからニシンはどこへ行ったやら~
この2問は、私には珍しく?同時回答でした。問七の共通項は、「最近の(落書き帳上での)話題」がいつも必ずと言っていいくらい十番勝負に出ている、ということから、「どこかにこの手の問題があるのでは」と思い、「市役所の移転」ネタがあったな、と見ていたら、この問七のお題とここまで出てきた市がぴったり合っている、というのに気付いたからでした。「百万石の総領主」を新たな目標として目指している静岡県にあったのが、既に領主になっている焼津市だけだったので、ここで1万石上積み。
問九は、やはりそこまでの流れから、「同一名称の郡が同一県内にある」と読めた。検索してみたら数が1つ合わなかったので、読みが違う「山武市」と「山武郡」もOKなのか、と思ったら、やはりその通りでした…。ここは「にわか領主」復帰を目指し、北の港町を。
問八~遥かに見えし富士の嶺は はや我がそばに来たりたり~
お題の「あ」並びは「迷彩」なのははっきり見え、いずれも県境にある市が並んでいることから「県外の隣接関係」であることは容易に読め、ここまで出てきた市を眺めると、いずれも「県外で1町だけ隣接」と見える。この時点で三嶋大社を取られていたので(後で「お手付き」で戻ってきましたが)、その三島市と同様、箱根町と接している御殿場市を。
問四~曇りガラスを手で拭いて~
問三・四・五と、お題に県庁所在地ばかりが出ている問が続いていて、「迷彩」の色がはっきり見えた一連の問の中で、まず分かったのがこの問四。お題の千葉・奈良・福岡、それとここまでに出てきた、最近のTV番組にも出ていたつくば、そして桑名…と、ここまで来たら、これも「最近の話題」になっていた「若い市長」だとわかる。早速リストを眺めたが、「市盗り」に絡んだり気に入った市がなく、その中に東かがわ市があったので、「これは白桃さんが…」としばらく模様眺めしたら案の定出てきた。そこで、「東かがわ市…元大川郡」から「大川繋がり」で、大川市を。
問三~たとえ、どんなに~
こちらもお題は県庁所在地ばかりで、想定解数が43。東京都を除く46の県都の中で、政令指定にも中核市にもなっていない市が3つあるので、想定解数にはぴったり合うが、「そんな『入門コース』のような単純な問題を出すとは思えない」と見てまず模様眺め。解答者の方々もおそらく大半は同じ考えだった、と、解答の出が遅いことに納得。そのうちに、ふとお題とここまでの正答を見ると、お題の岐阜市以外は「こざとへん」か「おおざと」、形が同じで文字の左につくか右につくかの違いだけの部品があり、そして「岐阜」の「阜」は「こざとへん」の原型。「『こざとへん』(阜部)か『おおざと』(邑部)か、どちらかに属する字を含む」と…。ここまで「入賞」が一つもなく、事実上最後に残った「入賞」のチャンスに賭けることにして、「丑年」にちなんで、名物の「超ブランド牛肉」をいただいた、一昨年春の道中で立ち寄った松阪市をもう一度。
この問三について、駿河の民さんからのご意見(
[101312])ですが、確かに漢和辞典を使いこなしていれば、「こざとへん」の字がその元の字である「阜」の部に、「おおざと」の字はやはりその元の字である「邑」の部に入っている、というのは「常識」でしょうが、このことを知らないと、あるいは知っていても、このお題の並びに「岐阜市」が入っていることに違和感を抱く、というのももっともなことなのでしょうか。最近の十番勝負ではお題を必ずしも5市とはしない(1市だけ提示という「連想ゲーム」的なのはやはり好ましくないと思うのですが)問題も多いので、あるいは岐阜市を外して4市提示とし、「岐阜市」を答えた人が出たらどう対応するのか、というのも有りでしょうか。
この手の問題を更に考えてみると、例えば「『水』の部に属する字が入る市」を共通項とした場合、「さんずい」も「水」なので、射水市も和泉市も浜松市も熱海市もいずれも該当しますが、「酒田市」の「酒」は「水=さんずい」の部ではなくて「酉」の部に入る字なので、NGということなる、ということも起こりうるわけです。現に、過去問でも、「政令指定都市相模原市誕生記念」と銘打った第27回の問二で、「2番目の字が木へん」という共通項で、「相」の字が「木(へん)」でなく「目」の部の字なので「南相馬市」がNGの例に挙げられていたのがありましたが、これを「2番目の字が『木』の部の字」に変えると、山梨市や四條畷市なども該当になります。
…ここまで、ヒントが出る前に答えられたのは6問。ペースだけはいつものようなものに戻りましたが、とにかく
[101310]でデスクトップ鉄さんがおっしゃる通り、若手を中心に参加者の実力UPもあって答えの出が早く、かろうじて「入賞なし」だけは避けられた、という状況でした。
問五~烏帽子岩が遠くに見える~
ここから残りの4問は、ヒントが出てからになりました。まず共通項が分かったのがこの問五。第一ヒントで「市以外に該当なし」と出て、これが「市盗り合戦」関係だ、そして「初代領主が(今回開始直前まで)と続いている」と気づくまでにはさほど時間がかかりませんでした。お題の仙台市同様、自分が初代領主になって今も続き、既に十万石の大台に乗せている町田とか川越で更に石高加増、というのも頭にありましたが、県内全市正答まで残り3市まで行っていたまま、「市盗り」につながらないこともあって答えるチャンスがなかった状況になっていた神奈川県からまず一つ、ということで、その中から、該当していた茅ヶ崎市を。
この問五と同様な問題は、過去にも出題されたことがありましたが、その度に想定回数が減ってくる、すなわちそれだけ「領主交代」が増えている、というのを表すことが、まさに「市盗り合戦」ならではの「面白さ」なのかもしれません…。
問六~伊豆の太陽 下田温泉~
解答が相当早く進んでいたにもかかわらず、共通項を見つけられなくて苦戦し、焦りの色が濃く見えた問題でした。お題もここまで出てきた市も、いずれも人口が結構減っているような市が並んでいたので、「人口減少数・減少率」と見て、推計人口、国勢調査人口などいろいろ当たったのですが、うまく合いそうなものがなく手詰まり状態に。第一ヒントで「深浦町」が出てきて、しばらくすると「深浦町…2年半前に見てきた(
[96376])…千畳敷」か。そういえば「地名コレクション」にあったような、と見てみたら、出てきた答えと照らし合わせるとぴったり合っている。そのリストに下田市があった。これで、新たな野望「下田十万石」に王手をかけた。
この手の問題、前回の問六(「大島」コレクション)もそうでしたが、「解答が進んでいるのに共通項がつかめない」というのは、案外こういうタイプの問題に「苦手意識」を植え付けられてしまっているのかもしれません…。
問十~春色の汽車に乗って~
解答者の多くを悩ませた2問、問一とこの問十がやはり残りました。第一ヒント「江戸川区」から「流山市の前身が江戸川町だった」、次のヒントで「県外にある」と容易に推測できたのですが、境界線の線引きがよくわからず先に進めない状況が続いていました。お題の市を調べ、「変遷情報」から「県外に同名町村があったか」を見ると、まさかの「笛吹」という村がかつて長崎県にあった。まず、「過去に同名の町村が県外にあった」と当たったが、「瀬戸内」は現存の鹿児島県瀬戸内町以外に存在したことがないことが分かって、「これは違う」と。次に、神戸市がNGの理由は「岐阜県には現存の神戸(ごうど)町、三重県には『伊賀神戸』駅と、鈴鹿市駅の旧名『伊勢神戸』駅、愛知県の豊橋鉄道には『神戸』駅、いずれも『かんべ』、その駅名の由来となった町村があった…」。読みが違うからだ、と。実は兵庫県の宍粟郡に「神戸」と書く村があった(読みは調べていませんが…)のを、神戸市の相次いだ合併記録の中に埋もれていたことに気づかず見落としていた。第四ヒントまで来てもしばらく進めなかったが、ここまで出てきたOK、NGの市を眺めて行くと、どうやら「その市と同名の町村が県内に全く存在せず、県外のみに存在した(する)」という共通項ではないか、と見えた。三島市がNGの理由も、「同名の町から市になった」ということで、NGの例に挙げられていた佐倉市と同類である、と。改めてお題とここまでの正答を見ると
どうもそれぞれ違う方向のものに分かれているような
(
[101239])、それは「生まれながらの市」と、平成の大合併、更にはそれ以前の昭和期の合併で誕生した、「前身の町村のいずれの名称も使用せず、新たな名称で誕生した市」とに、ほぼ綺麗に二分されている、ということに気づいたからでした。どこを取るか迷いましたが、「生まれながらの市」であり、同名の町村が現在の東久留米市が名乗っていた「久留米町(←村)」以外に変遷情報がない、久留米市を選んだ。これで今回、福岡県から2市目。かぱぷうさんの圧倒的な強さの前に、答える機会も少ない福岡県からは、過去に2回しか答えたことがなく、今回でようやく4市に「倍増」したことになりました。
ちなみに、東京都東久留米市には、かつて「都立久留米高校」がありました。現在は「東久留米総合高校」となったようです。先日引退した蹴球・フロンターレの中村憲剛選手は、この都立久留米高校のOBでした。
問一~忘れられないの…恋の季節よ~
最後に残ったのがこの問一でした。まず第一ヒントで"Supertown"が出て、次の第二ヒントは「地形名にも?」だと思っても、大河原町の地図も観光HPを見てもいったい何なのかわからず。その次の一文字ヒント「干」から、まず「干潟」とか「干拓」を連想し、「牛久沼の水面は牛久市にない」(
[100940])ことから「沼・湿原」関係も疑いましたが、全然方向違い。ようやく第五ヒントまで来て、「支」の意味が「干」と合わせて「干支」。今年は丑年、「牛」ではなくて「丑」のほうだったか、と。私が地名検索に使ったのは、「いつもNAVI」。ここまで出てきた答えとあっている。「十二支大字」が残っている(
[92129]…中心部の住所変更でだいぶ狭められましたが)お題の十日町市や、「イロハ」「甲乙丙」といった類の小字地名が多く存在している石川県が多いことに納得。その中から、「
加木屋町丑寅海戸」(「かいと」コレクションにも掲載)があった東海市を。Mapion地図でも存在を確認して解答。
…これで今回もノーミス完答となり、最終順位は16位。20位以下になるという事態は避けられましたが、このところ10位台の中位から下位へと緩やかに下降傾向にあり、前述したように若手の躍進も続いており、ここしばらくは現在のペースを維持するに精一杯、という形になりそうです…。
♭今回の選曲は次の通り。
問二:東村山と言えばやはりこの人。疫病でころりと逝ってしまったのは驚きでした…。
問七:この地に伝わるヤマトタケル伝説を読み込んだ、鉄道唱歌・東海道編の22番より、その前半(
[89853],
[99091])。この問を答えたその日の「元・東京12ch」の正月特集番組で、その伝説にちなむという「草薙剣」を祭った熱田神宮が出ていました。
問九:「石狩挽歌」の一節ですが、この歌の舞台は石狩(市)ではなく、「後志」の小樽だそうです(
[95528] 白桃さん、
[95530] hmtさん)。
問八:こちらも鉄道唱歌・東海道編の14番の歌いだし。東海道線が国府津~沼津間で今の御殿場線のルートだった時代で、この次の15番では「ここぞ御殿場 夏ならば 我も登山を試みん」と、富士登山の玄関口の駅として賑わった御殿場駅の光景を歌いあげています。
問四:出身地から芸名を取ったという大川A作、じゃなくて大川栄策の、もう40年近くも前になった大ヒット曲の歌いだし。ちなみに、「山茶花」と書くと、中国では「ツバキ」を指し、「椿」はまた全然違う木のことだそうです。
問三:松阪市にある三重高校のOGという、休業した歌姫"K.N"の、多分8年位前だったかのヒットナンバーで、確かに何度か聞いたことはあり、失恋の歌らしいのですが、「たとえ、どんなに」つらく、苦しくても耐えて行く、というのは、まさに今の状況を表しているようで…。
問五:以前、第53回の感想文(
[99091])で、問五で答えた菊川市で、茶業協会のキャラクター「ちゃこちゃん」があったのを見て「パロディ」で選曲したのですが、今度は正真正銘の「海岸物語」です。
問六:昔、こんなCMがありました。伊豆の観光地も、今はじっと我慢の時期です…。
問十:久留米市出身、松田聖子の大ヒットナンバー。この歌の舞台は、現在のJR相模線沿線らしく、この歌の当時は、まだディーゼル車がのどかに走るローカル線の雰囲気で、海老名市や寒川町はスィートピーなど、草花の温室栽培が盛んでした。私は「寒川神社」参りで毎年、「厚木市にない『偽』厚木」から(時にはJR海老名から)宮山まで乗っているのですが、沿線の宅地化でマンションが増え、また外環道?が相模川の堤防沿いにできて富士山や丹沢山系の眺望を遮り、更に海老名駅前の開発が進んで商業施設が林立し、のどかに田園風景は激変してしまいました。
問一:今からもう半世紀余り昔、「恋の季節」の大ヒットでブレークした"Pinky & Killers"のヴォーカル・今陽子は、この東海市出身。私が「東海市」の名を知ったのは、この時でした(
[98135])。
…そう言えば、「恋の季節」もあと1か月足らずでやってきますね…。